タの付く自由業 3巻レビュー
まとめ
タの付く自由業 5巻レビュー
物語の概要
■ 作品概要
本巻は、主人公の松尾篤史が率いるクラン「龍青会」がギルドの試験を突破し、Aランクへと昇格した直後の局面を描く。物語の中心となるのは、松尾を司令塔に据えた、龍青会、鬼神会、河内連合、インドネシア軍工作員という利害の異なる勢力による混成パーティーだ。
展開は40層攻略の準備段階から幕を開けるものの、世界最強の探索者集団「ギルドナイト」が【上忍】の失踪と情報漏洩に動揺し、外部探索者の利用を画策するという不穏な要素が影を落とす。さらに、富士元興業の提携先令嬢である霧谷あやが、自衛を名目に突如として探索へ参戦した。これに対し松尾は、秘匿していたチート装備や商人スキルの仕様を戦略的に開示し、各勢力を自らの管理下に置いていく。
最終局面では、30層ボス「野槌」を鍛冶師の切岸若葉に単独で撃破させ、異常な戦力密度を周囲へ見せつけた。迫り来るギルドナイトの襲撃を予見しながら、一行がさらなる深層への行軍体制を確立した地点までを捉えている。
■ 主要キャラクター
- 松尾篤史(支部長): 主人公。元社畜の知見に基づき、徹底したリスク管理と戦力の効率的運用を行う。自己評価は低いが、実際はレベル42に達し、ギルドナイト基準の戦闘教義を持つ。
- 但馬: 富士元興業・龍青会の実務担当。松尾の異常な能力を看破し、組織運営の全権を委ねる合理的判断を下している。
- 西川: 鬼神会のエース。霧谷あやを溺愛しており、彼女の安全確保とレベリングのために松尾へ指輪の追加貸与を交渉する。
- 寛(筧): 河内連合の幹部。【上忍】の元部下。松尾から宝箱回収の秘匿情報を得る対価として、パーティーの「盾」として機能する。
- シータ: インドネシア軍工作員。松尾から指輪を貸与され、将来的な深層攻略における確実な手駒として教育を受ける。
- 霧谷あや: 富士元興業の同業者・霧谷組の社長令嬢。アイドル候補生。西川から指輪を奪い、弱点にならないための「自衛」を論理に掲げて探索に強行参加する。
- 切岸若葉: 上級鍛冶師。指輪の効果により、レベル30ながら実質レベル54相当のステータスを有する。松尾の命により、30層ボスを単独で蹂躙する。
- ギルドナイト(聖騎士・剣聖・弓聖・大魔導士): 世界最強の探索者集団。【上忍】による情報漏洩とギルド上層部の無策に憤る。
書籍情報
二度目はタの付く自由業 4 ~逆行した社畜は、チートな装備&知識持ち越しで万能のアウトローになる~
著者:仏ょも 氏
イラスト:増田幹生 氏
レーベル/出版社:アース・スターノベル(アース・スター エンターテイメント)
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あらすじ・内容
新パーティ、ダンジョン下層を最速攻略!?
逆行転生×現代無双×アウトロー
【ギルドナイト全メンバーの会議】等の書き下ろしエピソード収録!
関西の裏組織の襲撃を受けるも、瞬殺した松尾。インドネシアのスパイや上忍の元部下を仲間に迎え、ダンジョン四〇階層を攻略することに。
意図せず社長令嬢兼アイドルの少女も加わり、まずは三〇階層のボス・野槌の討伐を急ぐ。
【ギルドナイト】の襲撃が予想される中、松尾はついにその力を周囲に明らかにし……?
二度目はタの付く自由業 4 ~逆行した社畜は、チートな装備&知識持ち越しで万能のアウトローになる~
感想
上忍失踪でギルドの利権が崩れ始める。深層攻略は初っ端から計画変更
4巻を読んでいて感じたのは、これまでガチガチに固められていたギルドの利権が、ようやく崩れ始めたということである。
きっかけは、もちろん上忍の行方不明。
ギルドからすれば世界最高戦力の一角を失っただけでも痛い。
しかし本当に厄介なのは、上忍が自分に何かあった時のために情報が流出する仕組みを残していたことだった。
ギルドが40階層の初回攻略報酬を独占するため、有力な探索者を秘密裏に排除していた。
言うことを聞かず、将来的に自分たちの利権を脅かしそうな人間を「送迎」していた。
その事実が外へ漏れ始める。
今まで英雄だと思っていたギルドナイトに地元の有力探索者を殺されていたと知れば、そりゃ地方の探索者も怒る。
そして何より面白いのが、
「ギルドが弱ったなら、今がチャンスだ」
と考えていた連中が一斉に動き始めるところである。
上忍が消えただけで、ギルドが一気に身動きできなくなる
ギルドにとって上忍は、ただ強いだけの探索者ではなかった。
諜報。
暗殺。
情報管理。
表に出せない仕事を引き受ける存在だった。
その上忍が消えた。
さらに秘密まで流出した。
残されたギルドナイトたちは上忍からの報復を警戒しなければならない。
地方の探索者からも敵視される。
ギルド内部も混乱する。
自分たちから情報を集めようにも、今まで散々探索者を潰してきたので信用してもらえない。
自分たちで作った状況に、自分たちで首を絞められている。
しかも上忍が本当はどこにいるのかというと、
もう松尾に処理されている。
ギルド側だけが、
「上忍はどこで何を企んでいるんだ?」
と怯え続けている状況が相変わらず酷い。
松尾が一人消したことから、思った以上に巨大な権力の空白が生まれてしまった。
ギルドが隠していたのは「送迎」だけではなかった
さらに松尾は、ギルドが隠していた別の情報も公開していく。
その一つが宝箱である。
ダンジョンの宝箱は、近づくだけでも危険な罠が発動するため、普通の探索者からすれば触れてはいけない存在になっている。
ところが実際には【商人】系の職業をレベル25まで育てることで習得する【収納】を使えば、数メートル離れた場所から宝箱そのものを【アイテムボックス】へ入れられる。
つまり罠の範囲へ近づかずに回収できる。
そして松尾が持っている異常に高性能な指輪も、そうした宝箱から手に入れたものだった。
ここでもギルドが出てくる。
【商人】が宝箱を回収できることを広めれば、当然【商人】の価値は上がる。
しかしギルドはそれを教えない。
むしろ【商人】を危険な職業として扱い、自分たちに依存しやすい環境を維持する。
その裏では自分たちだけ宝箱の利益を確保する。
相変わらずである。
1巻からギルドの搾取構造は描かれてきたが、4巻になると、
「どれだけ情報を独占して利益へ変えていたんだ?」
というところまで見えてきた。
ヤの付く職業と上忍の部下と外国の諜報員で深層攻略へ
そんな中で松尾が始めるのが40階層攻略である。
参加する顔ぶれが凄い。
龍青会の但馬。
鬼神会の西川。
上忍の元部下で河内連合側の筧。
インドネシアの工作員シータ。
せら。
若葉。
そして松尾。
普通の高校生パーティーではない。
ヤの付く職業の関係者。
裏社会の情報屋。
外国政府の諜報員。
そこへ胡散臭い高校一年生が混ざっている。
目的の一つはギルドより先へ進むこと。
現在のギルドナイトが世界最強を名乗れる大きな理由は、他の探索者より深い階層を攻略しているからである。
なら、その先へ行けばいい。
ギルドが独占している情報も資源も、自分たちで取りに行けばいい。
1巻ではギルドに搾取されないために逃げ道を作っていた松尾が、ついにギルドより先へ進むために複数の勢力をまとめ始めた。
ここまで来ると完全に反撃である。
ところがヤの付く職業のお嬢様が初っ端から計画を壊す
さあ40階層へ。
と思ったところで、いきなり計画が狂う。
霧谷あやがいる。
本来参加する予定はなかった。
西川も困っている。
松尾も知らなかった。
但馬も、
「なんでアンタがここにいるんです?」
となる。
原因は前巻で貸していた、レベルアップ時の能力成長値を50%増やす指輪だった。
西川としては40階層攻略で自分が使いたいので返してほしい。
しかし、あやは拒否。
しかも、
「一度女性にあげた指輪を返せとかありえない」
という謎理論まで展開する。
貸しただけだよ。
ただし彼女にも真面目な理由がある。
前巻では敵に人質として狙われた。
自分が弱いままなら、これからも鬼神会の弱点になる。
なら自分が強くなればいい。
これは確かに筋が通っている。
そして本音は、
「シータちゃんだけズルい! 私も強くなりたい!」
である。
こっちも分かりやすい。
結果、40階層攻略は初っ端から計画変更。
シータだけを育てる予定が、あやまで連れて行くことになる。
50%増しどころか、今度は「成長値2倍」の指輪が出てくる
しかも松尾は、ここでさらに酷いものを出してくる。
前巻まで使っていたのは、レベルアップ時のステータス上昇値を50%増加させる指輪。
十分おかしい。
ところが4巻では、
「ステータス上昇値を倍加させる指輪」
まで出してくる。
さらに全能力+100の指輪。
もう装備のインフレが酷い。
あやとシータは、この二つを装備してレベリングすることになる。
レベルが上がるだけではない。
普通の探索者より遥かに大きくステータスが伸びる。
だから格上の魔物とも戦える。
攻撃力が低いとされる水魔法しか得意ではなかったあやも、松尾から戦い方を教わる。
ウォーターアローで顔を水で覆う。
そのまま魔力を維持する。
相手は呼吸できない。
結果、溺れる。
水魔法ってそう使うのか。
派手に吹き飛ばす必要なんてない。
相手が呼吸するなら、顔を水で塞げばいい。
しかも魔物が完全に消えるまで解除しない。
ぼんやりしたお嬢様だと思っていたら、探索者としての割り切りは結構怖かった。
ギルドより先へ行くための集団が、形になり始めた
4巻で面白かったのは、松尾が単純に強いだけではなく、
「自分以外も強くする」
段階へ本格的に入ったところである。
但馬を育てる。
西川を育てる。
せらと若葉はすでに異常な領域へ入っている。
シータも育てる。
あやまで加わった。
河内連合には、指輪そのものではなく宝箱を回収する方法を教える。
相手ごとに欲しいものを渡しながら、自分から離れにくい関係を作っている。
ギルドが、
「情報を隠して独占する」
ことで人を支配してきたのに対し、松尾は、
「価値のある情報やアイテムを与えて関係を作る」。
やり方が対照的で面白い。
もちろん松尾も善意だけで配っているわけではない。
強くなってもらわないと困る。
盾として役に立ってもらいたい。
最深部攻略についてきてもらいたい。
だから投資する。
この打算があるからこそ、本作らしいと思う。
上忍の失踪から始まった利権崩壊が、いよいよ止まらなくなってきた
1巻ではギルドの支配から逃げようとしていた。
2巻ではギルドから送り込まれた上忍を返り討ちにした。
3巻では、その上忍失踪によって生まれた混乱から新しい人脈を作った。
そして4巻では、ギルドが隠していた情報を利用しながら、複数の勢力と一緒にギルドナイトより先の領域を目指し始める。
流れが完全に変わった。
これまではギルドが追う側で、松尾たちは逃げる側だった。
しかし今では、
「ギルドが追いつけなくなる前に松尾たちを何とかしなければならない」
という状況になりつつある。
しかもギルド側は上忍の影に怯えている。
その上忍はもういない。
虎視眈々と利権を狙っていた連中は動き出す。
機密情報は流出する。
ギルドの悪事も露見する。
その隙に松尾は、ヤの付く職業、上忍の元部下、外国の諜報員までまとめて深層へ進む。
いよいよ既存の支配構造そのものが崩れ始めた。
……と思ったら、最初に計画を狂わせたのが霧谷あやの、
「シータちゃんだけズルい!」
なのが本作らしい。
巨大な利権争いと国家レベルの情報戦が動いているのに、最後はお嬢様の競争心で予定が変わる。
この妙な混ざり方が、4巻で特に印象に残った。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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タの付く自由業 3巻レビュー
まとめ
タの付く自由業 5巻レビュー
考察・解説
ストーリー・プロット
ダンジョン深層の攻略と支配体制の変革が進む中、ギルド中枢の動揺やクラン間の思惑が交錯する新たな局面を迎える。最高戦力の一角が消失したことによる混乱から、30層ボスの討伐に至るまでの経緯と各勢力の動向を整理する。
第1幕:ギルドナイトの動揺と策謀
上忍の失踪を契機として、組織が隠蔽してきた実力者の間引き工作をはじめとする不正が外部へ漏洩する事態に発展する。
- 地方探索者からの強い反発に直面し、ギルドナイトは事態収拾に向けた情報収集を最優先課題に据える
- 大魔導士は失踪した上忍の元部下であり、不審な動きを見せる筧史裕(寛)の存在に着目する
- 脅迫や買収を通じて後ろ盾となることで取り込み、情報源および使い捨ての防壁として利用する方針を固める
- 内部戦力の温存を図りつつ、外部戦力を都合よく消費する生存戦略を推し進める
第2幕:Aランク昇格と幻の8人目
龍青会のAランク昇格が確定し、40層攻略へ向けた陣容の確定が進められる。
- 集合の場において、西川は霧谷あやからステータス上昇値倍加の指輪を回収しようと試みる
- あやは自らが弱点のままであれば周囲を危険に晒すという論理を展開し、西川の要求を論破する
- 松尾に対して指輪の追加貸与を要求し、非戦闘員でありながら8人目の遠征メンバーとして強引に同行を決定させる
- 松尾は要求を承認し、想定外の人員を含めた部隊運用の再編に着手する
第3幕:装備の開示と宝箱の秘匿情報
松尾は陣営内の結束を強化するため、隠蔽してきた強力な装備と知識の一部を共有する。
- 全ステータス上昇および成長値倍加の効果を持つ指輪を公開し、同行メンバーへ貸与する
- 河内連合の寛に対する協力の対価として、商人レベル25で習得可能なスキル「収納」の特性を開示する
- 数メートル離れた位置から遠隔回収を行うことで、罠の発動範囲外から安全に宝箱を確保できる手法を教授する
- ギルドによる情報独占を打破し、実利的な権益の提供を通じて外部勢力を確実に自陣へ繋ぎ止める
第4幕:下層への進軍と教育
25層から30層への移動過程を活用し、後方要員に対する急速な育成措置を講じる。
- シータとあやに対し、水魔法の低火力を補うため敵の頭部を水球で覆い続ける窒息戦術を指導する
- 属性の不利を論理的な工夫で補填する合理的な思考法を徹底的に叩き込む
- ギルドナイトによる将来的な襲撃リスクを共有し、部隊の弱点となり得る人員のステータス向上を急ピッチで進める
第5幕:30層「野槌」戦と戦力誇示
30層のボスである野槌との交戦に際し、松尾は意図的な人選を行う。
- 戦闘職ではない鍛冶師の若葉を指名し、単独でのボス討伐を命じる
- 若葉は強化装備により実質レベル54相当まで引き上げられた数値を背景に、打撃武器で猛攻を加える
- 地中へ逃走を図るボスを執拗に追撃し、純粋な物理攻撃によって粉砕する
- Aランククランが総力戦で挑む強敵を生産職が単独で圧倒する光景を提示し、同行する外部組織へ陣営の規格外な実力を刻み込む
まとめ
組織的な混乱に乗じた情報戦から深層ボスの蹂躙に至るまで、主人公陣営は一貫して実利と合理的判断に基づく主導権の掌握を進める。秘匿された知識の分配と生産職すら戦力化する圧倒的な強化基盤の開示は、既存の序列を完全に無力化し、独自の包囲網を磐石にする決定的な転換をもたらす。
主要な転換点
ダンジョン深層の攻略過程において、各勢力の関係性や力学を根本から塗り替える決定的な出来事が相次ぐ。単なる戦闘の勝敗にとどまらず、個人の意識変革や情報の開示、異常な戦力密度の誇示を通じて生じた重大な転換点を整理する。
指輪の返却拒否と自衛の論理
- 状況 西川が部隊全体の育成効率を高める目的から、霧谷あやに貸与されていた指輪の回収を試みる。
- 出来事 あやが自ら弱点となり周囲を危険に晒す事態を拒み、強くなる必要性を主張して部隊への正式参戦を決定する。
- 変化 守られる側の令嬢という立場を脱し、自らの意思でリスクを背負う探索者へと変貌を遂げる。
商人スキル収納の真実公開
- 状況 宝箱は開錠時に必ず罠が作動する危険物と見なされ、探索者たちから忌避される対象にとどまる。
- 出来事 松尾が商人レベル25で獲得する収納スキルを活用し、罠の発動範囲外から遠隔で回収する手法を明かす。
- 変化 ギルドが維持してきた情報の独占体制が崩壊し、外部勢力が利益を確保する道が開かれると同時に、主人公への依存度が決定的な水準に達する。
切岸若葉のボス単独撃破
- 状況 30層のボスは本来、複数の上位探索者が連携して総力戦を展開すべき難敵に位置づけられる。
- 出来事 松尾は戦闘職ではない鍛冶師の若葉を投入し、短時間で単独撃破させる結果をもたらす。
- 変化 主人公の特異な育成手腕と配下の異常な地力が証明され、同行する他組織の幹部陣が抱く感情が単なる敬意を超えて畏怖へと一変する。
まとめ
一連の転換点は、構成員の意識変革から秘匿技術の提供、規格外の暴力の提示に至るまで、既存の探索における常識をことごとく解体する。主人公陣営が主導権を完全に掌握し、外部組織を巻き込んだ新たな秩序の構築が加速する。
主人公を中心とした人物関係の変化
ダンジョン攻略の進行と過酷な戦闘環境を経て、松尾篤史を取り巻く主要人物たちとの力学はより実践的かつ冷徹な協力体制へと再編を見せる。当初の形式的な立場を脱し、互いの利害と生存戦略に基づいて変化した各人物との関係性を以下に整理する。
筧史裕(寛)
- 当初の関係 敵対候補の裏社会勢力にとどまる。
- 変化後の関係 情報の対価で動く運命共同体へと発展する。 ギルドナイトによる襲撃を正面から受けるための盾として機能する協力関係を確立する。
霧谷あや
- 当初の関係 提携先の令嬢という守られるべき顧客に過ぎない。
- 変化後の関係 実戦における合理的な自衛意識の芽生えに伴い、冷徹な指導を施す師弟に近い上下関係へと移行する。
シータ
- 当初の関係 一時的な護衛対象として部隊に同行する。
- 変化後の関係 インドネシア当局への外交カードとなる指輪を与え続けることで裏切りを抑止する。 将来的な深層攻略を見据えた確実な手駒として格上げを果たす。
まとめ
いずれの関係性も、情緒的な繋がりを排した極めて現実的な利害の一致と戦力計算の上に成り立っている。主人公が提示する実利と指導力は、外部勢力の構成員を自陣営の生存と深層攻略に不可欠な機能単位へと組み替える原動力として作用する。
主人公の認識と周囲の評価
深層攻略が進む中、主人公である松尾篤史が抱く自己評価と、同行する周囲の実力者たちが下す評価との間には決定的な断絶が生じている。世界最高峰の基準に縛られる本人の危機意識と、その規格外の行動を目の当たりにした周囲の畏怖について整理を行う。
主人公(松尾)の自己認識
- 効率的なリスク管理を最優先に据える元社畜としての立場を崩さない
- 自身の判断基準をギルドナイトや妹といった最上位層に置く
- 現在保有する戦力水準を依然として襲撃に対して脆弱と評価する
周囲(但馬・西川・寛ら)の評価
- 圧倒的な暴力を平然と行使する存在として捉える
- 既存の秩序を容易に転覆させ得る知識や物資を握る底の知れない邪神と見なす
- 常識的な枠組みでは計り知れない怪物として強い警戒と畏怖を抱く
認識の差が現れた場面
- 若葉による30層ボス討伐に約30分を要した結果に対し、松尾は一撃で仕留められず遅すぎると断定
- 10分以内の討伐を及第点と設定し、訓練不足を指摘
- 本来は熟練の上位探索者3人が連携して1時間以上を費やす難敵という探索界の常識と大きく乖離
まとめ
本人が過剰なまでに安全を追求し、自己の戦力不足を警戒し続ける姿勢そのものが、周囲にとっては計り知れない狂気として映る。一般の常識を遥かに超越した基準で状況を判断する主人公の冷徹さは、陣営内における絶対的な力関係をより強固なものへと押し上げる。
7. クライマックス
- 発生原因: 31層以降の安全確保および新人2名のレベリング成果の最終確認。
- 当初の状況: 30層ボス「野槌」。世界初の龍種であり、モンゴリアン・デスワームを想起させる凄惨な外見(頭部が蕾のように開き、牙で磨り潰す機構)を持つ。
- 登場人物の行動: 松尾の指名を受けた切岸若葉がウォーハンマーで突撃。ステータス差により初撃で重傷を負わせる。
- 予定外の出来事: 野槌が戦力差を察知し、致命傷を避けて地中へ逃走を図る。
- 対応と決着: 若葉が執拗に地中の反応を追跡。最終的に力任せの打撃で地中のボスを粉砕し、討伐を完了。
- 直後の結果: 若葉は「遅かった」と自己反省するが、その異常な戦闘能力を目の当たりにした但馬らは戦慄する。
巻末時点の状況
ダンジョン30層への到達とボスの単独撃破を経て、主人公を中心とする攻略陣営の支配力は決定的な段階を迎える。過酷な進軍を通じて達成された成果、未解決のまま残る対立の火種、そして今後の勢力拡大を決定づける戦略的要素を整理する。
主人公の現在地
- ダンジョン30層
主人公の立場
- 龍青会、鬼神会、河内連合、およびインドネシア勢力を束ねる事実上の最高決定権者を確立
- 圧倒的な戦闘力と希少物資の供給力を背景に、各組織の思惑を超越した主導権を掌握
解決した問題
- 30層に至るまでの安全な進路の完全確保
- 霧谷あやおよびシータの急速な実戦育成を断行し、目標とするレベル30への到達を達成
- 戦闘職ではない鍛冶師を投入したボス撃破により、同行する各勢力に対する絶対的な戦力差の誇示を完了
継続している問題
- 上忍失踪の余波に伴う、ギルド最高戦力であるギルドナイト本隊による急襲の懸念
- 成長装備の供与を契機とする、シータの背後に控えるインドネシア当局との高度な外交的駆け引きの深化
今後につながる要素
- 商人スキル「収納」の遠隔回収を駆使した、罠付き宝箱からの安全な物資獲得ルートの開拓
- 入手した希少装備やアイテムを独自に分配することによる、既存ギルドの流通網を介さない経済的・軍事的な勢力圏のさらなる拡大
深層攻略の進展に伴い、主人公陣営は単なる探索者集団の枠組みを脱し、複数の巨大組織を従える一大勢力へと変貌を遂げる。組織防衛とレベリングという直面の課題を退けた一方、ギルド中枢との全面衝突や国際機関との暗闘を視野に入れた新たな防壁の構築が急務となる。
ギルドの信頼失墜
現代ダンジョン社会において絶対的な権力を誇ってきた探索者ギルド(日本探索者支援機構)は、急速にその信頼を失いつつある。主人公・松尾篤史による上忍の排除を契機とし、長年隠蔽されてきた組織の闇が白日の下に晒された結果、構造的な自滅へと至る過程を整理する。
三十五階層の壁に隠された間引き粛清の露見
- 善良な忠告と偽り、優秀な人材の損失を防ぐ名目で三十五階層の壁という虚偽情報を流布
- 真の目的は、四十階層ボスの初回討伐報酬であるハイポーションを特権階級が独占すること
- 統制外の実力派パーティーが深層へ挑む際、専属の暗殺者である上忍を派遣して事故に見せかけた間引きを実施
- 英雄視されていたギルドナイトが裏社会の処刑人であった事実が判明し、全国の探索者層へ強い憤りと絶望が拡大
上忍の保身工作による機密情報の流出
- 暗殺任務を一手に担っていた上忍は、自身の身に危害が及んだ際のリスク管理として情報流出の手筈を配備
- 松尾篤史によって上忍がダンジョン内で排除された結果、音信不通を契機として防衛策が自動始動
- 部下であった筧史裕らを経由し、粛清の実態や報酬の仕様に関するデータが関西圏の河内連合へ流出
- 地方勢力へ向けて機密情報が一斉に拡散され、組織的な隠蔽工作が完全に破綻
機能不全に陥るギルド中枢と権益の瓦解
- 不正の発覚に伴い、地方のエース探索者や有力クランによる抗議運動が激化
- 半官半民の公的機関を標榜してきたギルドの社会的信用が失墜
- 上忍による報復や国家機密の国外流出を恐れた上層部は、身辺警護のために最強戦力であるギルドナイトを本部に軟禁
- ボス周回による資源供給や深層開拓が長期停止に追い込まれ、組織機能そのものが麻痺
主人公側の自立体制確立に向けた好機
- ギルドへの不信感を利用した当初の攪乱計画を遥かに上回る規模で、一強支配の構造が崩壊
- 敵対組織が自衛と火消しに追われている間隙を突き、独自の協力体制を構築
- 関東の龍青会および鬼神会、関西の河内連合、そして切岸工房を結ぶ直接取引ルートを開拓
- 既存の仲介組織を排除した生産・供給ネットワークの形成を達成
まとめ
武力と利権を盾に社会を支配してきた巨大組織は、最も根幹となる信用を失うことで内部から瓦解を始める。暗殺者の排除という単一の事象から連鎖した情報の露見は、既得権益の打破を決定づけ、新たな勢力図の形成を決定的なものとする。
龍青会の昇格
クラン龍青会がBランクから最高位のAランククランへと昇格を果たす過程は、主人公・松尾篤史が推進する脱ギルド体制の構築において極めて重要な局面を形成する。この昇格劇は組織の形式的な格付け向上にとどまらず、ギルドによる既得権益の打破、社会的防衛網の確立、ならびに独自の生産供給網の完成へ繋がる重要な節目となる。作中の設定と因果関係に基づき、その詳細を整理する。
龍青会の初期状態と昇格の必然性
- ダンジョン出現初期に適応した龍青会(母体:株式会社富士元興業)は、莫大な利益と地位を獲得する
- 後発の探索者学校出身者の台頭に伴い、安全策を優先した結果として中層止まりの探索に終始し、組織の衰退に直面する
- 専務の但馬明彦は経営破綻への危機感を募らせる一方、無理な深層攻略が組織崩壊を招く懸念から身動きを封じられる
- 篤史は個人の武力のみでは社会的搾取を免れない前世の教訓を踏まえ、盾となる強固な組織基盤を求めて富士元興業へ接触を図る
- ステータス上昇効果を持つ指輪を供給して主力要員の育成を進め、安全を維持したまま階層の突破を狙う体制を整える
昇格への障害とギルドの謀略
- 切岸工房を傘下に収めて装備製造ラインを確保し、35階層以降の素材納入実績を積み上げ、形式上の昇格条件を完備する
- ハイポーションの裏取引など賄賂の獲得を狙うギルド上層部の役員により、申請の承認が意図的に見送られる
- ギルド側は貢献度不足を名目に、負傷発生時の賠償責任が極めて重く他クランが一様に拒絶したバーチャルアイドルの20階層護衛任務を強要する
- 上忍の突如たる失踪に伴い、情報漏洩や報復を恐れたギルド幹部が自前の戦力を身辺警護に拘束した結果、外部クランへの任務丸投げが発生する
アイドル護衛任務の完遂と正式昇格
- 20階層の野営地において、40階層の初回討伐報酬の独占とギルド掌握を目論む河内連合瀬田垣組(37人)が急襲を仕掛ける
- 人質を盾に取る敵勢力に対し、篤史は雷撃を付与した複合魔法ライトニングアロー37本を同時展開して放つ
- 襲撃部隊は回避も防御も叶わず痕跡すら残さずに一瞬で消滅し、被護衛者を無傷のまま地上へ帰還させる
- 瑕疵のない任務達成を突きつけられたギルド側は追認を余儀なくされ、龍青会の正式なAランク昇格が決定する
昇格がもたらした戦略的効果
- 社会的信用の確立 富士元興業はAランククランを擁する企業としての評価を固め、税制上の優遇措置を獲得し、従来の反社会的勢力という風評を払拭して建設会社としての地位を確立する
- 外交的防衛線の獲得 任務を通じて接触したインドネシア特殊部隊ベスティアの工作員シータ・ブラストゥを取り込み、木材や石材など建材の直接輸入ルートを切り開く。国家機関との関係構築により、国内権力からの理不尽な干渉を他省庁の介入によって牽制する構造を作り上げる
- 独自流通網の完成 40階層ボスの希少素材を鬼神会や河内連合の筧史裕へ提供し、加工能力を持たない各勢力に対して切岸工房での受託加工を提示する。工房の技術力向上、他組織への恩義の付与、自陣営の装備強化を同時に満たし、ギルドを完全に迂回する生産供給体制を確立する
- 主人公の社会的基盤の保全 不遇職と見なされていた篤史が、1年目にしてAランククランの要職(特殊素材調達課課長・学園支部長)に就任した通知が実家へ届き、家族関係の崩壊と将来への懸念を払拭する
まとめ
龍青会のAランク昇格は、単なる組織の実績獲得にとどまらない。主人公の武力行使と戦略的交渉を組み合わせることで、ギルドの締め付けを無力化し、外部勢力や海外機関を巻き込んだ独自の経済・軍事圏を確立する決定的な契機となる。既得権益層の統制を内部から崩壊させ、完全な自由行動を実現するための極めて合理的な布石を形成する。
倍加の指輪
作中に登場する倍加の指輪(ステータス成長率倍化の指輪)は、主人公の松尾篤史が二周目の人生において圧倒的な戦闘能力を確立し、探索者ギルドの支配体系から完全に独立した勢力を構築するための最重要アイテムに位置づけられる。この指輪が内包する基本構造、過去の時間軸における経緯、そして篤史が仕掛けた冷徹な組織掌握と外交戦略について詳細を整理・分析する。
基本性能と装備における絶対的制約
- 正式名称はステータス成長率倍化の指輪であり、レベル上昇時に獲得する各ステータス値を2倍へ変換する破格の性能を保持
- 基本成長値の合計が47である剣士を例に取ると、1レベルの上昇に伴い合計94の成長幅を獲得
- 篤史が保有するユニークジョブ旅人は通常時でも全能力が各10(補正込みで合計83)上昇するため、当装備の適用により1レベルごとに合計166以上の成長を達成
- ダンジョンシステムの仕様により、指輪の効果発揮は左右の手に各1個、合計2個までに制限
- 片手へ同時に2個以上を装着した場合、効果が相殺されて無力化する排他ルールが存在
- 同系統の成長率補正効果を持つ指輪を重複装備しても、効果の加算処理は発生しない仕様を適用
入手経路と前世における封印の経緯
- 新宿ダンジョン50階層のボス討伐報酬として設定された最高等級のアーティファクトに該当
- 前世の時間軸において世界最強パーティーであるギルドナイトの面々が獲得した際、組織への報告を怠り、保身と後進への嫉妬からアイテムボックス(ルーム)を持つ篤史へ預託して隠蔽
- 60階層の攻略時に状態異常耐性(極大)の指輪および環境適応の指輪が獲得された結果、ギルドナイト陣営での装備優先度が低下
- 61階層以降は猛毒、石化、極度の温度差、希薄な酸素といった致死環境が広がるため、耐性指輪2枠の常時装着が侵入の絶対条件へ変化
- 装備枠の上限により、ギルドナイトの構成員は成長率倍化の指輪の装着を断念
今世における単独育成プロセスの確立
- 15年前のジョブ取得時点へ逆行した際、レベル1へ初期化されながらも固有スキルであるルーム内に当該装備の残存を確認
- 旅人の特性や規格外の装備情報がギルドに把握された場合、再度の拘束と搾取を招く未来を予見
- 周囲には不遇職である行商人を取得したと偽りの申告を行い、警戒の隙を突いて深夜や休日に単独探索を遂行
- レベル1の段階から倍加の指輪と全ステータス+100の指輪を併用し、上位の敵を討伐
- 開始から1か月でレベル16へ到達した時点で、レベル30の基本職を大きく凌駕するステータス(平均値310、合計2400以上)を構築
深層攻略に向けた選別的貸与と戦力化
タイムリープの原因究明と再発防止を見据え、100階層に達するダンジョン最深部を攻略可能な精鋭部隊の早期育成に着手する。
- 奥野せら 初期メンバーとしての勧誘時、倍加の指輪および全ステータス+100の指輪を貸与して15階層周辺で集中育成を実施。レベル6の侍から2日間でレベル26へ急成長を遂げ、上位職である武者へ昇華。実質40レベル上昇に相当する圧倒的な戦闘能力を獲得。
- シータ・ブラストゥおよび霧谷あや 当初は外国工作員であるシータに対し、将来的な防壁兼深層要員として育成する目的で成長率50%増加の指輪を供与する計画を立案。しかし40階層攻略に際して霧谷あやが強く抗議した事態を受け、両名へ倍加の指輪および全ステータス+100の指輪を正式に貸与。
- 但馬明彦 組織の令嬢が探索活動を開始する翌年までの時限措置を条件に、最後となる1個を但馬へ貸与。
- 筧史裕 十分な信用を置いていない段階であったため指輪の貸与は見送り、代替策として商人レベル25で習得可能な収納を活用した宝箱の安全回収手順(罠の発動範囲外からの遠隔収納技術)を提供して協力を確保。
装備開示による心理的支配と外交網の確立
- 主要組織の幹部(但馬、西川、筧)の眼前において、ステータス上昇値を倍加させる指輪の存在を公開
- 初期段階からこの指輪を装着して成長を重ねてきた可能性を察知した幹部陣は、篤史がギルドナイトすら凌駕する領域に到達している事実を認識
- 圧倒的な実力差を突きつける形となり、裏切りが一切不可能であるという心理的楔を打ち込む結果を創出
- シータ経由の報告により、インドネシア特殊部隊ベスティアの極東責任者へ指輪の存在と貸与の事実が伝達
- 同国政府は指輪の恩恵を継続確保するため篤史との断絶を回避する方針を固め、外部からの弾圧を牽制する強固な外交的防衛線を構築
まとめ
倍加の指輪は、自身の戦闘能力を急伸させる道具にとどまらず、配下を極めて短期間で最高戦力へ仕立て上げる育成手段として機能する。さらに、裏社会の有力者や他国の特務機関に対し、破格の利益と底知れない実力を提示して従属させるための強力な戦略カードとして効果を発揮する。
野槌との戦闘
新宿ダンジョン30階層のボス「野槌」との戦闘は、主人公・松尾篤史が率いる同盟勢力の戦力強化、および非戦闘職である切岸若葉の規格外な戦闘能力の開示という、極めて重要な転換点に位置づく。戦闘の背景、詳細な推移、そして戦後にもたらされた影響を整理する。
魔物「野槌」の特徴と危険性
- 世界で最初に発見された希少な龍種のボスに該当
- 全長10メートル、幅3メートル前後の体躯を持ち、通常時は花の蕾や巨大なミミズに似た外見を呈する
- 戦闘時には頭頂部が開き、内部に揃った無数の牙を激しく鳴らす生態を持つ
- ギルドが定める適正レベルは35に設定
- 巨体による体当たりや圧し潰しは、レベル39の前衛職であっても即死に至る物理衝撃力を有する
- 口内へ飲み込まれた場合、牙による破砕、高濃度消化液による溶解、肉壁の圧縮による窒息が待ち受ける
戦闘の狙いと切岸若葉の単独起用
- 同行する霧谷あややシータ・ブラストゥに対し、編成における各役割の重要性を実地に教育する方針を採用
- 鍛冶師である切岸若葉に30階層ボス戦の単独処理を一任
- 若葉は初期段階から倍加の指輪と全ステータス+100の指輪を装着し、効率的な育成を完了済み
- レベル30到達時点の能力値は、通常の同階層ボスや一流の戦闘職を凌駕する水準へ到達
- 極端な奇襲や拘束による事故さえ防げば敗北はあり得ないと判断し、前線へ投入
戦闘の具体的な推移
- 開戦直後、若葉は死角から急速接近し、胴体部分へウォーハンマーによる打撃を敢行
- 本来は一撃で粉砕可能な攻撃力であったものの、飛散した消化液を嫌って距離を取ったため、初撃での即時撃破を逃す
- 実力差を察知した野槌は反撃を放棄し、地中へ潜行して逃走を開始
- 岩盤を掘り進む敵に対し、若葉は地表に残る移動痕跡を執拗に追跡
- 最終的に地表ごと破砕する強引な一撃を浴びせ、討伐を完了
- 所要時間約30分の大部分は、地中を逃走するボスとの追走劇に費やされる結果となる
強さの基準を巡る認識の乖離
- 松尾篤史と奥野せらの評価 初撃で仕留められる能力値がありながら30分を費やした点を遅すぎると断定。増援や罠のリスクを考慮し、10分前後での即時完全消滅を及第点とする姿勢を維持。
- 同行した幹部陣の戦慄 熟練の上位探索者が複数人で挑んでも1時間以上を要する敵を、非戦闘職が単独かつ30分未満で駆除した事実に衝撃を受ける。この戦果を未熟と切り捨てる姿勢を前に、ギルドナイトと同格以上の水準を確信し、強い畏怖を抱くに至る。
- 評価基準の再調整と素材の配分 過度に厳しい前世の基準を自省した篤史は酷評を撤回し、功績を承認。入手した牙、皮膜、肉といった希少素材は、すべて切岸工房へ無償で引き渡す措置を決定。
野槌討伐がもたらした戦略的利点
- 先発勢力の不在確認 討伐後の再出現に約7日間を要するボスの健在を確認したことで、同階層における強力な競合クランやギルド別働隊の不在を立証し、安全を担保。
- 切岸工房の加工技術の向上 最高峰の素材を集中提供した結果、職人陣が高度な加工技術と実績を獲得。
- 独自供給網の完成 龍青会、鬼神会、河内連合が装備調達を切岸工房へ依存する構図を確立し、ギルドの流通網を介さない生産体制を強固に構築。
まとめ
野槌の討伐は、育成方針の正当性を証明するだけでなく、主人公陣営が保持する常識外れの戦力基準を周囲へ決定づける結果をもたらす。希少資源の確保と工房の技術蓄積を同時に果たし、既存組織からの完全な自立を見据えた連携基盤を一段と強固なものへ押し上げる。
ギルドナイトの襲撃予見
『二度目はタの付く自由業 4』において、主人公の松尾篤史が組み立てるギルドナイトの襲撃予見とそれに対する迎撃作戦は、前世の膨大な知識と敵の精神的な盲点を突いた高度な心理戦を形成する。この予見が生まれた背景、そして周到な罠へと昇華された論理的帰結を整理する。
ギルドナイトが筧史裕を標的とする必然性
- 索敵や遊撃を担っていた上忍の失踪を機に、間引き粛清の事実が暴露され、ギルドの社会的信用が失墜へと向かう
- ギルドナイトの面々は上忍による報復や国家転覆を危惧し、数ヶ月にわたる本部待機を余儀なくされる
- 膠着状態を打開するため、大魔導士が上忍の元部下を抱え込んで情報源とする提案を打ち出す
- 標的として、20階層での戦闘時に姿を現した筧史裕の存在が浮上する
- 現場スタッフからの報告により筧の情報が本部に届く展開を松尾は正確に読み、ギルド側が身柄確保へ動く流れを必然と見なす
松尾篤史による襲撃予見の論理
- 前世の経験に基づき、保身と強欲に駆られたギルド上層部の思考パターンを精緻に分析する
- 本部の防備を固める必要がある敵組織は、最高戦力の全投入を選択できず、戦力の逐次投入という愚策に陥る傾向を示す
- 投入戦力を少数に限定した中途半端な急襲が仕掛けられる状況を完全に予期する
- 最も警戒すべき奇襲特化の上忍をあらかじめ排除した結果、不意打ちの脅威を弓聖の射撃のみに限定化させる
- 護衛対象の至近に配置する対策によって矢による即死リスクを無効化し、奇襲に対する優位を確保する
筧を囮とした迎撃計画の展開
- 筧を東京へ留め置き、仕掛けられた餌として利用する方針を採用する
- 獲物を確実に捉えたと敵が確信した瞬間に生じる油断を突く罠の構築を進める
- 唯一の懸念であった低レベル同行者の巻き添えを防ぐため、急速レベリングを断行して各自の防御強度を引き上げる
- 奥野せらは指輪の補正により実質60レベル相当を超える戦闘力を獲得し、敵主力との直接交戦に備える
- 前衛をせらが抑え、後衛の敵戦力を松尾が的確に排除する役割分担によって完全な迎撃体制を整える
まとめ
ギルドナイトによる襲撃は主人公側にとって想定外の危機ではなく、敵の行動を特定標的へ誘導して返り討ちにするための計算された一環に位置づく。相手の戦力分散と心理的隙を突き、自陣営の圧倒的な数値的優位によって制圧を図る迎撃計画は、既存の最高戦力を一挙に瓦解させる決定的な転換点を提示する。
タの付く自由業 3巻レビュー
まとめ
タの付く自由業 5巻レビュー
登場キャラクター
主要キャラクター紹介
探索者学校
松尾 篤史
松尾篤史は未来の記憶と特殊な装備を有する。
他者とは適切な距離を維持しようとする。
自身の目的を果たすためにダンジョンの最深部を目指す。
・所属組織、地位や役職
探索者学校の一年生。
クラン龍青会の学園支部において支部長を務める。
株式会社富士元興業営業部特殊素材調達課の課長を兼任する。
・物語内での具体的な行動や成果
四十階層の攻略を目的として仲間を集めた。
シータと霧谷あやにステータス上昇値を倍加させる指輪を貸し出す。
宝箱の安全な回収方法を寛史裕に提供した。
レベル二十五の【商人】が習得する【収納】のスキルを応用する。
三十階層でボスの野槌を討伐した切岸若葉を正当に評価した。
安全に休息を取るために固有スキルの【ルーム】を展開する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
レベル四十二に到達している。
二つのクランやインドネシアの部隊に強力な影響力を及ぼす。
ギルド側からの襲撃を予見して入念な迎撃計画を立てた。
奥野 せら
奥野せらは松尾篤史に対して絶対的な忠誠を誓う。
自身の成長をすべて篤史の支援によるものと理解する。
篤史が不利益を被ることを何よりも嫌う。
そのため新参のメンバーに対しては厳しい監視の目を向ける。
・所属組織、地位や役職
探索者学校の一年生。
クラン龍青会探索班学園支部に所属する。
・物語内での具体的な行動や成果
四十階層の攻略パーティーに前衛として参加した。
二十五階層から三十階層への移動において先頭を歩く。
戦闘を終えた若葉の詰めの甘さを厳しく指摘した。
国家を覆すほどの力の使い道を篤史に委ねていると語る。
シータを裏切らないように監視することを若葉と取り決めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
レベル三十二に到達している。
【侍】換算でレベル六十三相当の驚異的な戦闘力を誇る。
ギルドナイトに単独で勝利できるほどのステータスを宿す。
切岸 若葉
切岸若葉は実家の工房を救ってもらった恩義を抱く。
自身が篤史に十分な恩返しができていないと焦る。
裏表のない素直な気質を見せる。
戦闘をこなすことで自身の存在価値を示そうと奮起する。
・所属組織、地位や役職
探索者学校の一年生。
切岸工房の跡取り娘。
クラン龍青会に補助要員として所属する。
・物語内での具体的な行動や成果
四十階層の攻略に向けてレベリングを重ねる。
レベル三十に到達して上級鍛冶師へと昇華した。
三十階層のボスである野槌と単独で交戦する。
ウォーハンマーを用いて野槌を撃破した。
戦闘後は自身の油断や詰めの甘さを深く反省する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
【鍛冶師】換算でレベル五十四相当のステータスに達する。
野槌のドロップ素材をすべて譲り受けた。
これにより、さらに高品質な装備品を製造するノウハウを蓄積する。
霧谷 あや
霧谷あやは関西の霧谷組の社長令嬢に位置する。
おっとりとした愛嬌のある雰囲気を持つ。
しかし本質はダンジョンでの戦いを好む武闘派の一人と言える。
自分だけがレベリングから取り残されることを嫌う。
・所属組織、地位や役職
アイドルユニット「ライブカラー」のメンバー。
クラン鬼神会を擁する霧谷組の令嬢。
・物語内での具体的な行動や成果
西川に指輪の返却を求められたが断固として拒否した。
自衛力を身につけるため、四十階層の攻略任務へ飛び入りで参加する。
篤史から全ステータスを百上昇させる指輪を借り受けた。
同様にステータス上昇値を倍加させる指輪も借り受ける。
顔面を水で包んで窒息させるウォーターアローの戦法を教わった。
二十五階層でオニを窒息死させることに成功する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
レベルが二十から上昇した。
篤史のことを「支部長さん」と呼ぶ。
戦術兵器並みの強さを暴走させないため、篤史に手綱を任せるべきだと考える。
株式会社富士元興業 / クラン龍青会
但馬 明彦
但馬明彦は会社とクランを支える専務を指す。
ヤクザから足を洗って堅気となった。
強すぎる部下たちに翻弄されて気苦労が絶えない。
しかし組織を率いる者として覚悟をキめている。
・所属組織、地位や役職
株式会社富士元興業の専務。
クラン龍青会の本部長。
・物語内での具体的な行動や成果
四十階層の攻略に向けてパーティーを編成した。
自身の探索者としての引退や後進のセーフティーネットを考える。
篤史の提示した過酷な移動ペースに従い、疲弊しながら進んだ。
野槌の討伐時間が三十分であった若葉を、十分に早いと評価する。
戦闘後の話し合いで野槌の素材を若葉に回すことに合意した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
クランをAランクへ昇格させる成果を挙げた。
篤史から期限付きでステータス上昇値を倍加させる指輪を借りる。
他クランの幹部から篤史の手綱を握るよう頼まれて頭を悩ませる。
鬼神会
西川 司朗
西川司朗はAランククランの鬼神会を率いる。
霧谷組の若頭としてお嬢であるあやを何よりも大切にする。
篤史の圧倒的な強さを前に降伏を選択した。
お嬢を甘やかしつつも、その身の安全を常に心配する。
・所属組織、地位や役職
Aランククラン鬼神会の本部長。
霧谷組の若頭。
・物語内での具体的な行動や成果
あやを守るために四十階層の攻略部隊へ合流した。
篤史へあやの同行を許した事情を説明する。
ドロップアイテムを一旦すべて篤史が回収する方針に同意した。
あやがオニを窒息死させた際に大きな喝采を送る。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
篤史から提供された強力な指輪をあやに装備させている。
ギルドを出し抜いて高レベル素材の加工を切岸工房に依頼した。
篤史の底知れない能力に戦慄し、決して逆らわない協力を誓う。
河内連合
寛 史裕
寛史裕は関西の巨大裏社会組織に身を置く。
細い目を特徴とする極めて胡散臭い雰囲気を持つ。
上忍から流出したギルドの機密データを握る。
情報の重要性を深く理解して行動する。
・所属組織、地位や役職
河内連合の筧組組長。
消滅した上忍の裏の諜報部門の次席監督者。
・物語内での具体的な行動や成果
四十階層の攻略を前に、篤史との取引に臨んだ。
指輪の入手経路が「宝箱」であるとの情報を明かされる。
罠を無視して宝箱を回収する【収納】のテクニックを教わった。
情報の見返りとして、自身の組織への指輪の譲渡を諦める。
関西圏のダンジョンで独自に宝箱を乱獲する計画を進める。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
ギルドナイトに上忍の情報を握る手がかりとして標的にされる。
東京に滞在して行動すること自体がギルドナイトを引き寄せる罠となる。
本人は知らぬまま、篤史の迎撃作戦におけるエサとして配置された。
ベスティア
シータ・ブラストゥ
シータ・ブラストゥはあどけなさを残す工作員を指す。
お嬢である霧谷あやに取り入って護衛任務へ同行した。
正体をあっさりと見抜かれた篤史に対して深い恐怖を抱く。
しかし同時に、篤史から与えられる莫大な恩恵に感謝する。
・所属組織、地位や役職
インドネシア軍対ダンジョン特殊部隊ベスティアの工作員。
・物語内での具体的な行動や成果
四十階層 of 攻略パーティーに同行する。
あやとのレベル差を広げないために熱心にレベリングへ励む。
優秀な【気配察知】のスキルを用いて敵の位置を的確に探った。
篤史から教わった呼吸管理の技術を活かす。
探索後は大使館へ戻り、上司に指輪や宝箱の情報を詳細に報告した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
レベルアップを重ね、能力が飛躍的に向上した。
ステータス上昇値を倍加させる指輪を正式に貸与される。
他国に渡せないはずの貴重な指輪を託され、身辺をせらたちにマークされる。
スパルナ・リィネ
スパルナ・リィネはベスティアの極東部門を指揮する。
年齢不詳の美しい容姿と冷静な知性を有する。
日本ギルドの既得権益を崩す情報を熱望する。
部下から届く報告の規格外さに困惑を隠せない。
・所属組織、地位や役職
インドネシア軍特殊部隊ベスティアの極東部門責任者。
女性士官。
・物語内での具体的な行動や成果
ダンジョン侵入前にシータから緊急連絡を受けた。
ステータス上昇値を倍加させる指輪が存在することを知る。
宝箱から中身を安全に回収する技術の価値を高く評価した。
あまりに想定を超えた情報の連続に、投げやりな言葉を漏らす。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
本国から下された「指輪確保」の指令を修正する必要性に駆られる。
松尾篤史との良好な関係を何よりも最優先にする方針を固めた。
探索者ギルド / ギルドナイト
聖騎士
聖騎士は三十六歳になる偉丈夫に位置する。
基本的に公平公正であろうとする性格を持つ。
ギルド上層部がこれまで行ってきた汚いやり口を嫌悪する。
しかし自身の身を守るため、現状を厳しく見つめる。
・所属組織、地位や役職
世界最強の探索者集団ギルドナイトのメンバー。
レベル四十四。
・物語内での具体的な行動や成果
上忍の失踪後にギルドナイトの面々と会議を開いた。
ギルド上層部が情報流出への備えを怠っていたことを厳しく批判する。
上忍からの報復を想定し、護衛のために本部に長期間拘束された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
日本最強の盾役として強い発言力を維持する。
ギルドナイトの精神的支柱としてメンバーの意見をまとめる。
剣聖
剣聖は力こそがすべてという純粋な暴力を好む。
かつては他人の排除を試し斬りの場と捉えていた。
情報の秘匿や個人の我欲を最優先にする。
上忍の失踪による自身の危険を正しく察知する。
・所属組織、地位や役職
ギルドナイトのメンバー。
レベル四十五。
・物語内での具体的な行動や成果
聖騎士の唱える正論を否定せず、現状の無策を認めた。
上忍の居場所を特定するための情報収集に賛同する。
寛史裕を捕らえて尋問する計画に同意を示した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
日本最強の前衛アタッカーとしての地位を誇る。
寛を強奪するため、まもなく東京で動き出すとみられる。
大魔導士
大魔導士はローブに身を包んだ小柄な女性を指す。
社交性に乏しく、興味のある魔法研究以外には目を向けない。
しかし自身の周囲にいる怪しい連中には鋭く目を光らせる。
長期間の本部拘束に飽き飽きしている。
・所属組織、地位や役職
ギルドナイトのメンバー。
レベル四十三。
・物語内での具体的な行動や成果
ギルド上層部の無能さを冷淡に指摘した。
上忍の情報を得るため、その元部下を買収か脅迫で抱え込む作戦を提案する。
寛史裕の写真と資料を他のメンバーに提示した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
魔法使いとしての世界最高峰の実力を有する。
あやが用いた顔面窒息魔法の本来の考案者とされる。
弓聖
弓聖は物憂げな様子で現状を冷静に観察する。
ギルドと揉める地方の探索者たちの動きを注視する。
上忍の部下である寛史裕を「怪しい」と評した。
自身の安全を考慮し、他のメンバーと共に行動する。
・所属組織、地位や役職
ギルドナイトのメンバー。
レベル四十三。
・物語内での具体的な行動や成果
会議において、地方で発生している衝突の現状を報告した。
寛史裕の資料を見て、以前に上忍を交えて話したことがあると思い出す。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
世界最高の狙撃手としての地位を保持する。
中途半端な戦力として東京に送り出される可能性が高い。
松尾家
松尾 希美
松尾希美は松尾篤史の妹に位置する。
元々は兄に対して深い慕情を抱いていた。
思春期に入り、兄が不遇職である【行商人】を得たことをまだ知らない。
周囲から犯罪者の身内として扱われることを両親から心配される。
・所属組織、地位や役職
松尾篤史の妹。
・物語内での具体的な行動や成果
両親が篤史の本当の職業を隠すために誤魔化されていた。
兄の活躍によって将来への心配や学校生活への不安が解消される。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
将来的に篤史から強力な指輪を貸し出されて探索者となる予定を組まれている。
登場集団
クラン龍青会
元ヤクザの構成員を多く抱え、安全第一の探索をモットーにする。
しかし松尾の支援により中層の限界を突破した。
お荷物クランから一転して時代の最先端を走る。
・所属組織、地位や役職
株式会社富士元興業が母体。
Aランククラン。
・物語内での具体的な行動や成果
四十階層の攻略を目的として新宿ダンジョンへ侵入した。
ギルドナイトからの襲撃に備え、一定の距離を保ちながら進軍する。
・地位の変化、影響力、特筆事項
Aランク昇格により社会的な特権や税の優遇措置を確立した。
ギルドナイト
世界最強の五人で構成されていた日本最強の探索者集団を指す。
しかし現在は上忍の失踪により四人で活動する。
組織としての結束はなく、個人の利益と生存を最優先にする。
・所属組織、地位や役職
探索者ギルドの最高戦力。
・物語内での具体的な行動や成果
上忍の情報漏洩により、一般探索者を間引きしていた悪事が露呈した。
報復を恐れてギルド本部に引きこもり、火消しと自衛に忙殺される。
・地位の変化、影響力、特筆事項
社会的信用が完全に地に堕ちた。
ベスティア
国家の武力独占を背景に、厳格な監視体制を敷くインドネシアの精鋭部隊。
日本ギルドの支配崩壊を狙って暗躍する。
松尾からの指輪や情報の開示に大きな衝撃を受ける。
・所属組織、地位や役職
インドネシア軍対ダンジョン特殊部隊。
・物語内での具体的な行動や成果
シータを工作員として日本のクランへ接近させた。
松尾との外交的な直接取引ルートの確立を目指す。
・地位の変化、影響力、特筆事項
松尾を戦術兵器と同等以上の存在として扱い、最優先で保護する方針に切り替えた。
河内連合
関西圏のダンジョンとギルドを裏から支配する巨大裏社会組織。
豊富な資金力と情報網を有する。
ギルドの初回ドロップ独占の仕組みを暴いて自ら奪取を狙った。
・所属組織、地位や役職
関西の巨大裏社会勢力。
・物語内での具体的な行動や成果
寛史裕を通じて松尾から宝箱の安全な中抜き方法を買い取った。
関西圏のダンジョンで独自に宝箱の乱獲を計画する。
・地位の変化、影響力、特筆事項
ギルドに妨害されない独占的な先行者利益を獲得する。
霧谷組
鬼神会を運営する、関西に基盤を置く建設会社を指す。
社長の愛娘であるあやを何よりも大切に保護する。
そのため、お嬢の安全を脅かす者には容赦のない報復を辞さない。
・所属組織、地位や役職
クラン鬼神会を傘下に抱える企業。
・物語内での具体的な行動や成果
お嬢の同行に伴い、西川率いる護衛部隊を四十階層攻略へ派遣した。
切岸工房と装備品の加工提携を結ぶ。
・地位の変化、影響力、特筆事項
龍青会との同盟をより強固にし、独自の装備サプライチェーンへ合流した。
瀬戸垣組
河内連合の武闘派として名を馳せたが、前回の任務で一瞬にして蒸発した。
そのため、今回の物語開始時点ではすでに全員が消滅している。
しかし彼らのやらかした暴挙が、各クランの団結を強める結果となった。
・所属組織、地位や役職
河内連合の若頭代行直参の組。
・物語内での具体的な行動や成果
お嬢を人質に取ろうとして松尾のライトニングアローにより一瞬で消滅した。
彼らの消滅が、河内連合に東京への不可侵を約束させる決定打となる。
・地位の変化、影響力、特筆事項
組織ごと完全に消滅し、その後の歴史から姿を消した。
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タの付く自由業 3巻レビュー
まとめ
タの付く自由業 5巻レビュー
展開まとめ
プロローグ
崩れゆくギルドの威信
【上忍】が消息を絶ってから数か月後、残る四人の【ギルドナイト】はギルドの混乱について協議した。【上忍】の仕掛けによって、ギルドが四十階層の初回踏破報酬である高性能ポーションを独占するため、有力探索者を排除してきた事実が流出していた。各地の探索者は反発し、ギルドへの信頼は失墜していた。
【上忍】の部下への接触
【聖騎士】たちは、政府や警察、軍にも信用できる相手がおらず、一般の探索者からも敵視されている現状を憂慮した。【大魔導士】は、【上忍】への不満を抱く配下に保護を約束すれば、情報収集役として取り込める可能性を示した。四人は資料をもとに接触する相手を選び、行動を開始した。
一章 いざ探索!……の前に
龍青会の昇格
護衛任務を期限内に完遂した龍青会は、Aランククランへ昇格した。親会社の富士元興業も優遇措置を受け、さらにシータを通じてインドネシアとの取引経路を得たことで、建設資材を有利に輸入できるようになった。経営の安定は探索者たちの働き口を守り、龍青会が攻略を続ける基盤にもなった。
霧谷あやの飛び入り
四十階層攻略の参加者がダンジョン前に集まると、予定になかった霧谷あやが姿を見せた。西川が成長値を五割増加させる指輪の返却を求めた際、あやは自分が弱いままでは人質にされ、鬼神会の弱点になると訴えていた。本音には、シータだけが強くなることへの対抗心もあったが、西川は自衛力を得たいという主張にも理があると認め、同行を拒めなかった。
倍加の指輪
篤史は在庫があることを明かし、あやとシータへ全能力を百上げる指輪と、レベルアップ時の成長値を倍加させる指輪を貸した。シータは将来、篤史とともに深層へ挑める探索者として育てる必要があり、あやも同等の指輪を持たせなければ不満と対立を招くためであった。
最後の倍加の指輪は、翌年に富士元興業の令嬢へ渡すまでの期限付きで但馬に貸与された。篤史は河内連合をまだ十分に信用していなかったため、筧には指輪を与えなかったが、代わりに入手方法につながる情報を提供した。
宝箱と【収納】
篤史は、希少な指輪を宝箱から得たと明かした。宝箱は接近しただけで危険な罠が発動するため、中身の回収は不可能と考えられていた。しかし【商人】系の職業はレベル二十五になると、数メートル先の物を【アイテムボックス】へ入れられる【収納】を習得した。この力を使えば、罠の発動範囲へ入らず宝箱ごと回収できた。
ギルドは宝箱の中身と【商人】を独占するため、この事実を秘匿していた。篤史は、関西ではギルドの影響が比較的弱く、河内連合なら信頼できる【商人】を育成できると考えていた。筧は指輪そのものより大きな価値を持つ情報だと認め、協力を受け入れた。
予想された襲撃
篤史は、姿を消した【上忍】の情報を求めるギルドが、その片腕であった筧を狙うと見ていた。龍青会、鬼神会、河内連合が子供たちを鍛えながら深層へ進めば、ギルドにとっては将来の脅威となった。特に、あややシータが探索中に死亡すれば、同盟勢力を仲違いさせることもできた。
篤史は、ギルドが【上忍】への警戒を残しながら、【剣聖】か【弓聖】、あるいはその両方を投入すると読んでいた。篤史、せら、若葉だけなら迎撃できても、但馬、西川、筧、あや、シータを守り切れるとは限らなかった。そのため、襲撃前にあやとシータを最低でもレベル三十まで育てる方針を伝え、二人も危険を理解して訓練を受け入れた。
水魔法の窒息術
二十五階層で、シータは【気配察知】によってオニを発見し、囮となって注意を引いた。あやは篤史から教わった方法で、オニの顔を水魔法で覆い続けた。直接的な威力に乏しい水魔法でも、呼吸を封じれば敵を倒せたのである。あやは倒れたオニが消滅するまで魔法を解除せず、死んだふりに備える慎重さも見せた。
分かれられない一行
但馬、西川、筧は三十五階層へ先行してレベルを上げることを望んだが、一行を分けることはできなかった。篤史だけが、簡易トイレやシャワー、男女別の休憩小屋を運べる【アイテムボックス】を持っていたためである。
さらに、せらと若葉は自分たちなら【ギルドナイト】と戦えても、離れた場所にいる但馬たちを守り切る自信はないと申し出た。大人たちは、年下の二人が自分たちを守る側にいる現実を受け止め、彼女たちへ追いつくため本気で鍛える決意を固めた。
二章 探索と戦い
探索方針と報酬の決定
松尾は宝箱や分配を巡る議論を打ち切り、四〇階層攻略を優先して探索方針をまとめた。ドロップアイテムは一旦すべて松尾が回収し、欲しい者は【アイテムボックス】使用料などを含めて松尾から購入する方式とした。松尾はレアアイテムの貸与、情報提供、護衛、レベリング支援、探索全体の監修を担うため、その対価を確保する狙いであった。
パーティー再編と育成
但馬、西川、筧、切岸、奥野の五人と、松尾、シータ、霧谷あやの三人に分かれて進むことになった。レベル二〇のシータとあやは三五階層以降では戦力不足になるため、レベル四二の松尾が二人を鍛えることにした。軍人のシータには探索者としての斥候技術を、魔法使いのあやには実戦的な魔法運用を教える方針であった。
インドネシア側の驚愕
シータは上司スパルナへ、レベルアップ時のステータス上昇値を倍加させる指輪が六個存在し、自分にも貸し出されたと報告した。既に五〇%増加の指輪を欲していたインドネシア側は、さらに強力な品の存在に驚いた。加えて宝箱から貴重品を入手する方法まで提供される可能性が伝わり、スパルナは松尾との関係を一層重視した。
ギルド襲撃への備え
探索隊は二十五階層へ到達したが、松尾は十分な休憩を取らせず、シータとあやのレベリングを開始した。龍青会、鬼神会、元【上忍】配下の筧、インドネシア関係者のシータ、霧谷組のあやが共に行動している状況は、ギルド側には反抗勢力の結集と見られる可能性があった。
特に筧は【上忍】に関する情報を持つと見られるため、【剣聖】や【弓聖】が襲撃してくる可能性があった。松尾は時間が経つほど自分たちが強くなり、ギルド側が不利になると考え、襲撃前にシータとあやを最低でもレベル三〇まで成長させようとした。
あやの水魔法
攻撃力の低い水属性を得意とするあやは、松尾から魔法の使い方を教わった。ウォーターアローで敵の顔を水に包み、魔力を維持して水を消さなければ、呼吸を奪って倒せるという方法であった。実戦ではオニを水で窒息させ、完全に消滅するまで魔法を解除せず、探索者として慎重な戦い方を身につけた。
生存を優先した進軍
但馬たちは先に三五階層へ向かった方が効率的だったが、松尾以外に十分な物資を運べる者がおらず、さらにギルド側の探索者から襲撃される危険もあった。奥野と切岸も、自分たちだけなら戦えても但馬たちを守りながら【ギルドナイト】と戦う自信はないと認めた。
そのため一行は効率より全員の生存を優先し、互いに援護できる距離を保って進むことになった。但馬たちは年下の奥野や切岸に守られている現状を自覚し、自らも戦力として追いつくため真剣にレベリングへ取り組み始めた。
三章 三〇階層の戦闘
格上を狩る二人
あやとシータは二十レベルから訓練を始め、適正より五階層深い場所で魔物を倒した。二つの指輪によって能力を補われた二人は、格上の魔物にも十分対抗できた。シータが敵の位置や種類を探り、あやが姿の見えない相手の頭部を水で覆って窒息させる戦法を重ねた。
先にレベルが上がったシータを、あやは素直に祝福した。一行は戦闘を続け、一日で二十五階層から三十階層へ到達した。あやはレベルアップによって体力と魔力が大きく伸びた一方、常に索敵を続けたシータは疲労していた。篤史と筧は、斥候には適度に力を抜く技術も必要だと助言した。
三十階層の野槌
篤史は、三十階層へ着いたら最優先でボスの生存を確認すべきだと教えた。この階層のボスである野槌は、巨大で重く、硬い身体と高い生命力、柔軟性を備えた龍種であった。体当たりや圧し潰しは高レベルの探索者さえ即死させ、飲み込まれれば牙と消化液、窒息によって命を奪われた。
シータの軽い攻撃は通じず、大地の性質を持つ野槌には、あやの水魔法も相性が悪かった。二人だけでは勝てないと理解させた篤史は、パーティーには異なる役割を持つ仲間が必要であり、危険な場面では他人を頼る判断も重要だと教えた。
若葉の出番
篤史は、レベル三十となった若葉に戦闘を任せ、ボス以外の魔物もすべて倒すよう命じた。若葉は低レベルの頃から倍加の指輪を使っていたため、【鍛冶師】でありながら野槌を大きく上回る能力を持っていた。
篤史は、どれほど強くても油断して飲み込まれ、気絶したままなら死亡し得ると説明した。高い能力は勝利を保証する要素であっても、罠や奇襲、窒息といった危険まで消すものではなかった。
逃げる野槌
若葉は野槌へ接近し、ウォーハンマーを胴体へ叩き込んだ。野槌は大きな損傷を受けたが、若葉が飛び散る消化液を嫌って距離を取ったため、止めを刺されず地中へ逃げた。若葉は岩盤に残る移動跡を追い、最後は地面ごと打ち砕いて討伐した。
戦闘には三十分近くかかったが、その大半は逃げた野槌との追跡に費やされていた。若葉は無事に任務を果たしたものの、確実に仕留められる場面を逃せば、罠や増援へ誘導される危険があるという課題も残った。
若葉の奉公心
若葉は、実家の工房を救い、父親の治療にポーションを融通し、成長のための指輪まで貸した篤史へ十分な恩返しができていないと感じていた。篤史が求めていたのは、鍛冶の技術と高い能力を兼ね備え、深層の素材から優れた装備を作ることであった。しかし若葉はその本心を知らず、戦闘でも価値を示そうと奮起していた。
篤史は当初、討伐に時間がかかったと考えたが、若葉は戦闘職ではなく、三十分でも一般的には十分に速いと但馬たちから指摘された。自分の基準が【ギルドナイト】に偏っていたと省みた篤史は、成果を正当に評価しようとした。
四章 次の戦いに向けて
大人たちの危惧
但馬、西川、筧は、若葉の強さと、それでも遅いと感じる篤史の基準に驚いた。篤史とせらは個人で国家を覆し得るほどの力を持つと見られており、大人たちは篤史が既存の秩序を壊すなら事前に知らせ、その後の体制や後継者を残してほしいと望んだ。但馬は彼らの懸念を篤史へ伝えることになった。
せらへの問い
あやはせらに、若葉の討伐時間をどう評価するか尋ねた。せらは若葉の能力なら一撃で倒せるはずであり、時間が延びたのは急所を外すなどの事情があったためだと答えた。ただし、戦闘経験の少ない【鍛冶師】へ急所を見抜く能力まで求めるのは酷であり、油断がなければ責める必要はないとも説明した。
続いてあやは、国家を転覆できるほどの力を何に使うのかとせらに尋ねた。せらは自分の力を正確には理解しておらず、その使い道を篤史へ委ねていた。気に入らない相手が現れても、篤史の命令がなければ手を出すつもりはなかった。
あやはその返答を、信頼する者のためだけに力を使う姿勢として好意的に受け止めた。さらに、戦術兵器ほどの力を個人の感情だけで動かすより、信頼できる者へ判断を委ね、明らかな誤りがあれば自分で止まる方が安全だと説明した。シータも、篤史と良好な関係を保てばせらが祖国の敵になる可能性は低いと理解した。
若葉への助言
帰還した若葉から事情を聞いた篤史は、野槌が逃げた経緯に納得した。若葉自身も詰めの甘さを反省していたため、篤史は責めず、追撃時には罠や増援へ注意するよう助言した。
野槌の素材
野槌からは牙、皮膜、肉が得られた。若葉は自分の工房だけが利益を得ることを心配したが、但馬たちは売却益より、高レベルの【上級鍛冶師】である若葉に良質な装備を作ってもらう方が有益であった。全員の同意により、素材は切岸工房へ回された。
シータは野槌の素材で作った装備をインドネシアへ販売してほしいと頼み、篤史は承諾した。その真剣な態度から、篤史はインドネシアがまだ三十階層を攻略していない可能性を考えた。
エピローグ
三十階層の休息
野槌を倒した篤史は、疲労と気の緩みから事故が起きる前に探索を切り上げ、休息場所を作ることを提案した。特にシータは索敵で消耗し、あやも集中力が散漫になっていた。無理を重ねて誰かが傷つけば、築き上げた同盟と信頼が崩れ、ギルドへ情報が渡る危険もあった。
但馬、鬼神会、河内連合、インドネシアはいずれもギルドへ不信を抱いていた。篤史は、あやたちを危険にさらさず、探索によって力と利益を示し続ければ、彼らとの関係を維持できると考えた。
【ルーム】の公開
全員が休息に同意すると、篤史は【ルーム】を発動した。黒い渦の先には三階建ての建物ほどの広大な空間があり、八人が快適に休める設備と、深層の素材を保管できる容量を備えていた。
【ルーム】は世界で篤史だけが使える希少な力であり、存在を知られれば国やギルドに拘束されかねない能力であった。篤史はその有用性と自らの戦闘力を一行へ示し、ギルドが用意できる環境を上回る利益を与えられると告げた。その公開は仲間との結びつきを強める一方、彼らの裏切りを決して許さないという楔でもあった。
特別書き下ろし 松尾家の人々
篤史の通知表
夏休みに入った八月上旬、篤史の両親は学校から届いた通知表を前に困惑していた。【行商人】という外れ職を得た篤史は、教師からも将来を諦められていると思われていた。両親も、世間から犯罪者予備軍と見なされる【商人】となった息子が差別や暴力を受け、卒業後もまともな生活を送れないのではないかと心配していた。
家族を守った所属先
両親は、篤史を慕う妹の希美が兄の職業を知って傷つくことも恐れ、篤史は探索者として努力しているとだけ伝えていた。しかし通知表には、篤史が一年生のうちにAランククランへ所属し、学校内でも一定の決定権を持つ立場になったことが記されていた。
高ランククランに所属する【商人】であれば、犯罪者予備軍ではなく組織へ貢献する一員として認められた。両親は、篤史を迎え入れたクランへの感謝と、家庭が崩壊せずに済んだ安堵を覚えた。実際には篤史自身が龍青会へ押しかけていたが、両親はその事情を知らなかった。
電子書籍特典 自認忠犬の少女はかく語れり
せらの自己評価
龍青会は任務を成功させ、Aランクへ昇格した。しかし、せらは【上忍】を破った篤史にとって、それも五十階層も通過点にすぎないと考えていた。四十階層攻略の準備を尋ねても、篤史は必要な物をすべて持っているため、自分の装備だけでよいと答えた。
せらは、急遽参加した西川、筧、シータを足手まといと見ていたが、篤史にとって四十階層は彼らを連れていける程度の場所であった。篤史は蛟を単独で倒した経験を持ち、せらにも一人で挑むかと尋ねていた。
篤史の露払い
せらは、自分にできることは敵を倒し、篤史の消耗を減らすことだと考えた。【ギルドナイト】が複数で現れても、せらが前衛を抑え、篤史が後衛を倒せば勝てると見積もった。さらにレベルが上がれば、世界最強と呼ばれる相手にも圧勝できると理解した。
探索者となって数か月でそれほどの力を得られたことも、両親の問題が解決し、将来を考えられるようになったことも篤史のおかげであった。せらは篤史への信頼を深め、足を引っ張らないよう努める決意を新たにした。
Kindle限定特典 少年、海老で鯛を釣ろうとする
筧を狙う【ギルドナイト】
過去の記憶から【ギルドナイト】の性格と行動を熟知する篤史は、彼らが【上忍】の情報を得るため、その部下を探すと予測した。一般の探索者では【上忍】の精鋭を捕らえられないが、【ギルドナイト】なら可能であった。
なかでも筧は【上忍】の片腕と呼ばれ、関西を拠点にしていたうえ、先日の襲撃で大勢の前に姿をさらしていた。現場の撮影スタッフはギルドと関係する学校が用意しており、瀬戸垣の消滅や筧の存在を必ず報告すると篤史は読んでいた。
仕掛けられた餌
ギルドには龍青会へ再び干渉する余裕がなく、【ギルドナイト】も篤史たちを【上忍】の関係者とは見ていなかった。そのため、次の標的は東京にいる筧となり、確実に捕らえるため【ギルドナイト】本人が動くと篤史は予測した。
狙われる相手と時期が分かっていれば、迎撃の準備はできた。篤史は筧を餌にして、獲物を捕らえたと確信し警戒を緩める瞬間の【ギルドナイト】を討つつもりであった。【上忍】を消したことが筧への追及を招いた事実には頬被りしながら、篤史は次なる獲物を待った。
タの付く自由業 3巻レビュー
まとめ
タの付く自由業 5巻レビュー
同シリーズ
二度目はタの付く自由業
同著者の作品同著者の作品
極東救世主伝説
偽典・演義~とある策士の三國志~
その他フィクション

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