小説【アニメ化】「結界師の一輪華 6」元カノ現る!感想・ネタバレ

小説【アニメ化】「結界師の一輪華 6」元カノ現る!感想・ネタバレ

物語の概要

ジャンル
和風恋愛ファンタジーである。術者の世界に身を置く少女・華が、“契約結婚”を契機として成長しながら、本家当主・朔との関係を深めていく物語の第6巻である。

内容紹介
「漆黒最強」と称された男による反乱が引き起こした混乱の余波が、華と朔の間にも影を落としている。契約結婚という形式ながら、朔が事件に関して何かを隠していることに気づいた華は、不安と疑念に揺れる。そんな中、進路相談会が学校で行われ、華は術者の世界への関与を強く提案されることになる。担当した術者協会の代表は朔の元カノ・芙蓉と同期の空木。さらに華は、術者の五家よりも格上の千守家と“おひい様”との接触を経験し、結婚関係に暗雲が立ち込める。

主要キャラクター

  • 一ノ宮 華(いちのみや はな):本シリーズのヒロイン。術者の五家の分家に生まれながら、自らの術力を隠し静かな生活を望んでいた少女。
  • 一ノ宮 朔(いちのみや さく):本家の当主にして華の契約結婚相手である強力な術者。「漆黒最強」と称されるほどの力を持ち、その冷徹さと優しさを併せ持つ存在。
  • 五葉木 芙蓉(ふよう):朔の元カノであり華と同期の術者協会メンバー。華の前にその存在が立ちはだかり、心の揺らぎを植え付ける重要な存在。
  • 千守家(ちもりけ)と“おひい様”:術者社会における最高権力を持つとされる一族とその“おひい様”。華が関わることにより、新たな秘密と権力構造が浮き彫りにされる存在。
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結界師の一輪華6

物語の特徴

本作の魅力は、ただの恋愛物語にとどまらず、「術者社会の権力構造」と「契約結婚という制度」を背景に、主人公二人の感情と成長が巧みに描かれている点にある。華と朔の絆が深まる一方で、術者社会の闇と権力争いが物語を重厚にし、そのドラマ性と和風ファンタジーの融合が独自の魅力をもたらしている。

書籍情報

結界師の一輪華
著者:クレハ 氏
イラスト:ボダックス  氏
レーベル・出版社:角川文庫(KADOKAWA
発売日:2025年8月25日
ISBN:978-4-04-116529-4

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あらすじ・内容

華と朔の結婚に不穏な影が? 大ヒット和風恋愛ファンタジー、驚愕の展開!

漆黒最強と呼ばれた男の反乱から始まった、術者の世界の秩序を揺るがす一連の事件。
その混乱の余波はいまだ残っており、華は、朔が事件に関して何か隠しており、いつもと様子が違うことに気づく。
だが、2人の間柄はあくまで契約結婚。朔のことが気になりつつも、どこまで踏み込むべきか迷っていた。

そんな中、黒曜学校では3年生の進路相談が始まり、華も三者面談を受けることに。
相変わらず、術者の世界とは無縁な一般企業への就職を志望するが一蹴され、強い力を活かして術者になることを勧められる。
抵抗する華だが、学校に術者協会の人間が来て、生徒の術者の適性を確認する相談会が始まる。
華を担当することになったのは、朔と雪笹の同期である五葉木芙蓉(ふよう)と空木(うつぎ)。
だが芙蓉はなんと朔の元カノだと聞かされ、華は思わず動揺してしまう。
さらに、華はある意外な人物に導かれ、術者の五家をも凌ぐ権力を持つという千守家、そして“おひい様”と会うことになり……?
  
怒涛の新事実続々! 華と朔の結婚に暗雲が立ち込める、衝撃の第6巻。

結界師の一輪華6

感想

読み終えて、まず感じたのは、物語が大きく動き出した、ということだ。ページをめくる手が止まらず、あっという間に読み終えてしまった。前巻と似たようなページ数だったけれど、体感的にはもっと短く感じたのは、物語が盛り上がってきたところで終わってしまったからだろう。続きが気になって仕方がない。

物語の前半は、華や同級生たちの進路の話が中心に進んでいく。術者の世界とは無縁の一般企業への就職を希望する華と、それを一蹴する周囲とのやり取りは、どこかコミカルで、読んでいてほっとする。しかし、物語は後半に入ると、一気に重みを増していく。朔の父親が登場し、さらに、華の力が3年前に突然発現した理由が明らかになった。

朔がずっと抱えていた千守家や“おひい様”に関するモヤモヤが明らかになり、葛が事件を起こした原因も分かってくる。物語は核心に迫り、これから朔と華がどう動いていくのか、そして、今回初登場した朔の父親が、今後どのように物語に関わってくるのか、期待が高まる。

個人的には、華が持つずば抜けた力が、きっと何とかしてくれるのではないかと期待している。あるいは、神である嵐が颯爽と現れて、全てを解決してくれるかもしれない。そんな希望を抱きながら、次巻の発売を心待ちにしている。

さらに、朔の元カノである五葉木芙蓉の登場は、物語に新たな風を吹き込んでくれそうだ。彼女が、華と朔の関係にどのような影響を与えるのか、想像するだけでわくわくする。華の進路問題も気になるところだが、それどころではない展開に突入しそうで、目が離せない。

朔には、国も華も、どちらも救ってほしい。彼ならきっと、その両方を成し遂げてくれると信じている。

面白くて一気に読んでしまった『結界師の一輪華6』。次巻が待ち遠しい。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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登場キャラクター

展開まとめ

プロローグ

千守椎那の葛藤と過去
千守家当主の千守椎那は、燭台の光を頼りに地下へと進み、巨大な透明の柱石の前に立った。そこには十四歳の姿のまま石に囚われた少女が眠っており、千守は彼女を見るたびに無力さと後悔を痛感していた。その感情は五百年前から続いているものであった。

結界と術者たちの尽力
柱石の周囲には六芒星が描かれ、幾人もの術者が結界を維持していた。彼らは漆黒の力を持つ者ばかりであり、昼夜交代で妖魔に悟られぬよう防御していた。しかし少女の力が尽きかけているため、結界の補強は限界に達していた。

夕顔の出現と対話
眠る少女は夕顔であり、彼女は精神体として現れて千守と会話を交わした。夕顔は変わらぬ笑顔を見せ、千守の前では感情を率直に表す存在であった。両者は互いに特別な存在であり、周囲の術者たちはその様子を痛ましげに見守っていた。

役目の終焉と葛への言及
夕顔は自身の役目が終わりに近いことを告げ、妖魔の動きの活発化を確認した。千守は四道葛に五葉木槐の候補を伝えた理由を問い、知らぬままの方が葛のためであったと憤った。しかし夕顔は答えず笑みを残し、千守の前から消えていった。

一章

黒曜学校の進路事情
華は黒曜学校三年生で卒業を控えていた。黒曜学校は高校のみで、大学は存在しないが、五家の私立大学や五家傘下企業への進学・就職の道があった。Aクラスの実力者は多くが術者協会に進むのに対し、Cクラスの生徒は企業就職か特別要員として活動する者が多かった。落ちこぼれとされてきた華も当初は一ノ宮グループへの就職を希望していた。

三者面談の対立
華は進路希望に一ノ宮グループの企業名を並べたが、担任と同席した雪笹に用紙を丸めて捨てられた。雪笹は華の学力では希望企業は不可能と告げ、術者協会入りを勧めた。柳は華を庇いつつも、雪笹に突きつけられた成績表を見て就職を諦めるよう助言した。華は式神の葵や雅にも助けを求めたが、誰も味方をせず孤立した。結局、面談は結論が出ないまま終了した。

柳との会話と朔の存在
華は柳とともに葉月の面談を前に話を交わした。柳は術者協会での経歴を語り、朔に側近として強引に引き抜かれた過去を明かした。朔は冷徹に人を選別する人物だが、華には心を開いており、柳は華が朔にとって特別な存在であると告げた。そのため離婚を繰り返し口にする華に対し、柳は朔が手放すはずがないと諭した。

千守家の存在と離婚の条件
華は朔から聞いた「離婚には千守家の許可が必要」という情報を柳に漏らしたが、柳も詳細を知らず、千守家は五家の契約を扱い時に当主以上の権限を持つと噂される家だとだけ語った。柳は軽率に本家の情報を話すなと注意し、葉月の面談へ向かった。

進路の迷いと式神たちの助言
残された華は一人でも生きていけるか考え、葵や雅と会話した。雅は株での収益で養えると語り、華を安心させた。帰宅後、華は式神あずはと再会し、最近朔の様子が変わったことを気にかけた。特に葛との事件以降、朔は苛立ちを見せるようになり、不安を抱かせていた。

朔への想いと変化の自覚
華は朔が自分を見捨て国を選ぶかと問うた場面を思い返し、彼の変化を案じた。雅は離婚を考えるなら深入りすべきでないと忠告したが、華は離婚を口にしながらも本気ではなくなっていると気づいていた。結婚は契約から始まったはずが、次第に華の心は揺れ動き、予想外の方向へ変わっていた。困惑を抱えつつも笑みを浮かべる華の姿には、変化を受け入れつつある心情がにじんでいた。

二章

進路相談会の開始
黒曜学校では術者協会による進路相談会が始まり、生徒達は落ち着かない様子を見せていた。術者協会への就職を望む者は緊張していたが、華は一般企業を希望しているため平静であった。友人の三井鈴は術者志望であり不安を隠せず、華は危険を案じて術者の道を諦めさせたい気持ちを抱いていた。

Cクラスの動揺と順番待ち
相談会はAクラスから順に進み、Cクラスは最後であった。多くのCクラス生徒が術者を目指していたが、その実力には疑問が残った。鈴も不安を抱えながら希望を語ったが、華は危険性を指摘して釘を刺した。やがてCクラスの番となり、式神を見せて能力を確認される流れが始まった。

雪笹と瑠璃色の術者との再会
華の番となり、対応に現れたのは雪笹と瑠璃色の術者二人であった。女性は知的な雰囲気を持つ五葉木芙蓉、男性は穏やかな印象の五葉木空木であった。豪華な顔ぶれに囲まれても華は臆することなく振る舞い、雪笹に言いたい放題をぶつけた。

芙蓉と朔の過去
雪笹の口から芙蓉が朔の元恋人であったことが暴露され、華は衝撃を受けた。芙蓉は当時を黒歴史と語り、朔を冷血漢で甘い言葉を一切口にしない男だったと断言した。これに対し雪笹は、現在の朔が華に対しては喜怒哀楽を見せ、甘い言葉を吐くほど溺愛していると明かした。芙蓉と空木は信じられない様子で驚き、華自身も混乱した。

芙蓉の行動力と訪問計画
芙蓉は華の証言を確かめるため、一ノ宮家を訪問することを突然決めた。空木が止めようとしたが、美桜からの許可を取り付けてしまい、雪笹も同行を表明した。華はその勢いに振り回されながらも、状況を見守るしかなかった。

芙蓉と空木との実力検査
華は芙蓉の要請で式神あずはを呼び出した。虫の式神でありながら言葉を話し、さらに力を解放すると虹色の羽を輝かせ強大な力を示した。その力に芙蓉と空木は驚愕したが、華は能力の詳細については明かさなかった。雪笹が人間を敵とした場合の危険性を口にし、葛の事件が例外であると述べると、芙蓉と空木は動揺を見せた。芙蓉は協会に入る以上、能力の共有は不可欠だと主張したが、華は術者協会に入るつもりはないと断言した。

実技試験の暴露
芙蓉が不用意に口にしたことで、華が廃工場で妖魔と戦った件が実技試験であったことが明らかになった。雪笹は誤魔化そうとしたが追及され、華の怒りを買った。怒りを爆発させた華は雪笹にピコピコハンマーを振り下ろし、雅も加勢した。雪笹は弁解として、朔を含む複数の術者が待機していたと語ったが、華はさらに朔の関与を疑い怒りを募らせた。

呪いの知識と誘惑
雪笹は言い訳の中で、人型の式神を持つ者には優遇措置があり、推薦によって三色以上に昇格でき、呪いの知識を学び使用できると告げた。華は心を揺らがせたが、結局は雪笹を叩きのめした。芙蓉と空木は華の力を惜しみつつ、術者にならないという意思を理解できずに困惑した。

朔への怒りの直撃
放課後、華は怒りのままに帰宅し、応接間にいた朔へ突撃した。妖魔との戦いが実技試験であったと知った怒りをぶつけ、朔の胸倉を掴んだ。朔は雪笹に口止めしていたと舌打ちし、華は契約結婚の条件を反故にしたことを非難した。華にとって平凡な生活の計画が揺らいだことは到底許しがたいものであり、朔への不信感を募らせていた。

朔と華の対立と諭し
妖魔との戦いが実技試験だったと知った華は怒りを爆発させたが、朔は動じず冷静に諭した。力を使った以上、術者の世界と無縁ではいられないこと、葉月や柳が危険に陥った時に放っておけるのかと問い、華を言葉で追い詰めた。さらに、嵐の性格上いつ再び厄介事を招くか分からず、解呪の知識が必要になると指摘した。朔の言葉に華は反論できず、結局自らが術者の世界から抜け出せないことを認めざるを得なかった。

元恋人芙蓉との再会
華の怒りが収まらぬ中、雪笹と共に芙蓉と空木が一ノ宮家を訪れた。朔は淡泊な態度で芙蓉に対応し、過去の関係を感じさせる反応は一切なかった。むしろ華への態度との落差が芙蓉を驚かせ、朔が華にだけ見せる感情を強く意識させた。椿は芙蓉に対して敵意を露わにし、過去の恋人であることを理由に受け入れを拒んだ。最終的に夕食を共にすることになり、芙蓉は美桜のもてなしを受けることになった。

椿と葵の深夜デート
食後、朔は椿をなだめるため「葵との深夜デート」を約束した。嫌がる葵は必死に抵抗したが、椿の強引さと囁きにより折れ、渋々同意した。そこへ雪笹も面白半分で同行を表明し、さらにユズリハに誘われたあずはも参加することになった。こうして「深夜デート」は奇妙な一行で繰り出すこととなった。

妖魔の気配と戦闘の開始
その夜、朔は雪笹や葵を伴って周辺を巡回した。ユズリハとあずはが先行して飛び回る中、椿と葵は騒がしくじゃれ合っていた。雪笹は朔が華を過剰に守ろうとする態度に気づき、葛の言葉を気にしているのではと問いかけた。ちょうどその時、ユズリハが警告を発し、多数の妖魔が襲来した。朔は華を関わらせたくない一心で、自ら先陣を切り戦いに挑み、雪笹と葵も応じた。

朔の胸中には矛盾があった。華に術者になれと言いながらも、同時に危険から遠ざけたいという強い葛藤である。その複雑な思いを抱えつつ、朔は迫り来る妖魔を切り裂いていった。

三章

相談会後の動揺
能力確認を兼ねた相談会は無事に終わり、詳細は後日の個人面談で伝えられることになった。華は術者協会に入るべきかどうか迷い続けていた。これまで「術者とは関わらない」と決めていたが、事件を経てそうもいかなくなっている自覚はある。そんな中、友人の鈴は現役術者から「術者としては危険すぎる」と諭され、どんよりと落ち込んでいた。華は慰めつつも、最終的な決断は鈴自身に委ねるしかないと考えた。

進路を巡る議論
昼休み、華は葉月・望・桔梗・桐矢と昼食を共にし、進路の話題となった。葉月は術者協会入りを決め、下積みから始める意向を示した。桔梗と桐矢は二条院直系として術者の道を当然視していた。望は漆黒を目指すと豪語し、当然のように華も術者になると思っていたが、華は企業就職を第一希望として答えた。だが全員から「漆黒になれる可能性が高い」と説得され、逆らいながらも自分が守る立場にあることを改めて意識させられるのだった。

朔との会話と漆黒の現状
帰宅後、華は朔から漆黒術者の減少が深刻化していると聞かされる。葛の離脱もあり、任務は一層朔に集中していた。柳ですら漆黒には届かない現状に、朔は「華なら漆黒になれる」と断言する。さらに契約破棄の可能性についても、千守の存在が鍵であることを語ったが、当事者双方の同意がなければ離婚は不可能だと釘を刺した。華は反発しつつも、朔の愛情に包まれる関係に徐々に引き込まれていった。

鈴との再確認
数日後の面談を経て、鈴は術者の道を改めて否定され、落ち込んでいた。華は気分転換にホテルのカフェへ誘い、術者の家で働く選択肢を提示した。鈴は式神のリスと離れたくない思いを口にし、術者の世界に少しでも関わり続けたいと願った。華は「当主夫人の力で道を開いてあげる」と励まし、鈴は笑顔を取り戻した。二人は再び明るく会話を交わし、スイーツを楽しむ時間を取り戻すことができた。

四章

朔の父・朧との遭遇
鈴との時間を終え駐車場へ戻った華は、運転手も護衛も姿を消していることに不審を抱いた。そこに現れたのは無精ひげを生やし一升瓶を持った着物姿の中年男性であった。彼は自らを一ノ宮朧、すなわち朔の父であると名乗り、華を強引に術者協会本部へ連れ出した。破天荒な態度の中に、確かな権威を感じさせる人物であった。

五家当主会議の開催
同じ頃、朔は五家の当主が一堂に会する稀有な会議に出席していた。議題は葛の反乱と、その背後にある「おひい様」や「千守」の存在である。朔は自分だけが真相を知らされていないことに苛立ちを募らせたが、二条院当主の言葉で核心を知ることになる。当主として真に認められるには「おひい様」に会い、その承認を得なければならないという事実であった。

華と朧の乱入
その場に突如、朧と共に華が姿を現した。朔は驚愕し、朧に怒りを向けたが、朧は意に介さず茶化すように振る舞った。親子の険悪な空気が漂う中、二条院当主が介入し場を収めた。軽薄に見えた朧も一転して真剣な表情を見せ、「おひい様が朔と華を呼んでいる」と告げたことで、場の緊張はさらに高まった。

「おひい様」への招集
朧はさらに槐にも同行を求めた。候補者である槐を含めた方が話が進むという理由である。その名が出た瞬間、会議室に緊張が走り、朔も表情を強張らせた。朔にとって未知の存在であった「おひい様」との対面が迫り、物語は新たな局面を迎えることとなった。

隠された社と主柱の真実
朧に導かれた華と朔は、槐と共に山奥の社へと赴いた。祠の奥に隠された通路の先には、巨大な透明の石――六本目にして唯一無二の「主柱」と呼ばれる柱石が存在していた。その中には少女が封じられており、彼女こそ「おひい様」と呼ばれる存在、二条院夕顔であった。五百年前、十四歳の時に生贄として柱石へ身を捧げ、主柱を維持し続けてきたと明かされる。

夕顔の告白と華の選定
夕顔は、主柱は他の五本の柱石を支える基盤であり、消耗が激しいため新たな生贄を必要とすると語った。そして三年前、千守の力によって新たな候補者が選定され、華もその一人であると明かされた。槐もまた候補に含まれており、すでに覚悟を決めていた。自らの境遇に困惑しつつも、華は「簡単に犠牲にはならない」と強く宣言した。

葛との再会と問いかけ
社を後にした華と朔の前に現れたのは葛であった。漆黒最強と謳われた彼はすでにペンダントを捨て、朔へ再び問いを突きつける。「国と華、どちらを選ぶのか」と。華は憎しみを否定し、夕顔への感謝を口にしたが、朔は答えを出せず沈黙した。葛は満足げに立ち去り、残された朔の迷いがより一層色濃くなる。

朔の離婚提案と華の拒絶
帰宅後、朔は華に離婚届を突きつけた。生贄の宿命から彼女を逃がそうとする苦渋の策であったが、華は「嫌だ」と拒否し、離婚届を破り捨てる。泣きそうな顔で「逃げろ」と懇願する朔に対し、華は「簡単に犠牲にはならない」「国も私も守る方法を探して」と挑むように言い放った。

二人の決意と復活する朔
華の言葉に心を揺さぶられた朔は、彼女を強く抱きしめ「俺は葛とは違う。華も国も、両方救う」と宣言した。傲岸不遜な彼本来の姿を取り戻し、華も笑みを浮かべる。生贄制度そのものに立ち向かう覚悟を示した二人の姿を、式神達は静かに見守り、物語は新たな局面へと進んでいった。

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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