漫画【シャンフロ】「シャングリラ・フロンティア(23)」感想・ネタバレ

漫画【シャンフロ】「シャングリラ・フロンティア(23)」感想・ネタバレ

前巻 次巻

物語の概要

ジャンル
少年向けファンタジー・ゲーム系バトルアドベンチャーである。元“クソゲーハンター”である主人公が、最高難度とされるVRゲーム『シャングリラ・フロンティア』で異才を発揮するゲーム冒険譚である。

内容紹介
前巻までに培った“クソゲー理論”のスキルを武器に、主人公 サンラクは伝説級イベント「致命兎叙事詩」と「神代の秘密」に挑む。黄金の龍王“ジークヴルム”の登場により、ゲーム世界の大規模戦へと発展する一巻である。仲間たちとの協力と策略、そして敵との衝突が激しさを増し、シリーズの転換点となる展開である。

主要キャラクター

  • サンラク(Rakuro Hizutome):“クソゲーハンター”と呼ばれている高校生。VRゲームの中では“Sunraku”としてプレイし、底知れぬゲーム攻略力を発揮する主人公。
  • ペンシルゴン(Towa Amane)、カッツォ(Kei Uozumi):サンラクのゲーム仲間。第23巻ではゲームへの向き合い方を通じ、各々の方向性や関係性が描かれる。

物語の特徴

本作の魅力は、ゲームへの“愛”と“攻略者の論理”をテーマにした演出にある。サンラクの卓越したゲームスキルが、VRゲームの世界観とリンクし、“神ゲー”攻略へのリアリティとユーモアを兼ね備えた展開を構築している。他作品と異なるのは、クソゲー愛による独自の価値観と、ゲームメタ世界の拡張が物語のスケール感を牽引している点である。第23巻では神代の深層に迫る大冒険とともに、仲間たちの絆とゲーム世界への没入感が、さらに深化している。

書籍情報

シャングリラ・フロンティア(23) ~クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす~
著者:#不二涼介 氏
原作:#硬梨菜  氏
発売日:2025年08月12日
ISBN:9784065400098

gifbanner?sid=3589474&pid=889458714 漫画【シャンフロ】「シャングリラ・フロンティア(23)」感想・ネタバレブックライブで購入 gifbanner?sid=3589474&pid=889059394 漫画【シャンフロ】「シャングリラ・フロンティア(23)」感想・ネタバレBOOK☆WALKERで購入 gifbanner?sid=3589474&pid=890540720 漫画【シャンフロ】「シャングリラ・フロンティア(23)」感想・ネタバレ

(PR)よろしければ上のサイトから購入して頂けると幸いです。

あらすじ・内容

第47回「講談社漫画賞」少年部門受賞!「小説家になろう」の超人気作が待望のコミカライズ!
“クソゲー”をこよなく愛する男・陽務楽郎。彼が次に挑んだのは、総プレイヤー数3000万人の“神ゲー”『シャングリラ・フロンティア』だった!
集う仲間、広がる世界。そして“宿敵”との出会いが、彼の、全てのプレイヤーの運命を変えていく!!
最強クソゲーマーによる最高のゲーム冒険譚、ここに開幕!!

黄金の龍王に輝きを! 神代が動き出すゲーム冒険譚!! ユニークシナリオEX「致命兎叙事詩」を進めるべく必要アイテムのΔ(デルタ)装置を探すサンラク! 新装備を手にたどり着いたのは、神代の秘密が眠る地下深くだった! 一方、ヴァイスアッシュはとある“友”の元を訪ねる。その名は「七つの最強種」が一角“天覇のジークヴルム”。神代より君臨せし黄金の龍王が、人類最大の試練となる!!

シャングリラ・フロンティア(23) ~クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす~

感想

今回は、物語が大きく動く予感に満ちた一冊だったと言えるだろう。
サンラクが新たな装備を手に入れ、神代の秘密に迫っていく一方で、ヴァイスアッシュが「七つの最強種」の一角、天覇のジークヴルムと接触するなど、今後の展開が非常に楽しみになる。

特に印象に残ったのは、京極と秋津茜という同じクランのメンバーでありながら、まだ出会っていないという点だ。
もし二人が出会ったら、京極がどのように反応するのか、想像が膨らむ。
また、京極がカッツオとも顔を合わせていなかったというのも面白い。
カッツオも近隣住民との交流で忙しいのかもしれないが、これらの人間関係が今後どのように絡み合ってくるのか、目が離せない。

封雷の撃鉄の古雷・災の過敏さも強烈で、ピーキーな新装備を使いこなすための練習風景は、ゲーマーなら共感できる部分も多いのではないだろうか。

物語は、サンラクが後回しにしていたクエストを進めたり、レイ氏の移籍希望によって同盟関係が揺らいだりと、水面下での動きも活発だ。23巻という巻数を重ね、物語が深みを増していることを実感する。

戦い、日常、人間関係。様々な要素が絡み合い、物語を彩る『シャングリラ・フロンティア』。次巻では、どのような展開が待ち受けているのだろうか。期待に胸を膨らませながら、続刊を待ちたい。

最後までお読み頂きありがとうございます。

gifbanner?sid=3589474&pid=889458714 漫画【シャンフロ】「シャングリラ・フロンティア(23)」感想・ネタバレブックライブで購入 gifbanner?sid=3589474&pid=889059394 漫画【シャンフロ】「シャングリラ・フロンティア(23)」感想・ネタバレBOOK☆WALKERで購入 gifbanner?sid=3589474&pid=890540720 漫画【シャンフロ】「シャングリラ・フロンティア(23)」感想・ネタバレ

(PR)よろしければ上のサイトから購入して頂けると幸いです。

前巻 次巻

登場キャラクター

サンラク

本作における主要なプレイヤーであり、高い観察力と分析力を持つ行動派である。仲間との連携や交渉もこなし、ユニークモンスターや高難度ギミック攻略に積極的に挑む。
・所属組織、地位や役職
 クラン「旅狼」のメンバー。
・物語内での具体的な行動や成果
 特殊状態「古雷・災」の検証や制御を行い、新装備の受領後に古城骸内部の探索と危険地帯最下層への突入を達成した。輪郭の騎士を撃破し、神代設備を用いて晴天流の奥義習得に成功。黒狼との対立に備え、ライブラリとの交渉を成立させた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 複数のユニークモンスター戦や重要交渉を経て、旅狼内外での影響力を強化した。

エムル

サンラクと行動を共にする支援役であり、戦闘時の補助や状況分析を担う。情報提供や士気向上にも寄与する存在である。
・所属組織、地位や役職
 ラビッツ所属NPC。
・物語内での具体的な行動や成果
 古城骸内部の探索で索敵や情報提供を行い、最下層突入時には転移魔法の活用を支援した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 探索や戦闘補助での貢献により、サンラクからの信頼を維持している。

ペンシルゴン

旅狼の戦略立案に関わる交渉役であり、他クランとの関係構築を主導する。
・所属組織、地位や役職
 クラン「旅狼」リーダー。
・物語内での具体的な行動や成果
 黒狼への対抗策として他クランの取り込み計画を提案し、ライブラリとの交渉をサンラクに任せた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 情報戦と交渉戦略において旅狼内の重要な役割を担う。

カッツオ

旅狼のメンバーであり、交渉や会談時の同行者として行動するプレイヤーである。
・所属組織、地位や役職
 クラン「旅狼」のメンバー。
・物語内での具体的な行動や成果
 ライブラリとの会談時にペンシルゴンらと共に出席し、サンラクの交渉を外から支援した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 交渉や他クランとの接触の場面において、旅狼の一員として存在感を示した。

秋津茜

高難度ユニークシナリオに挑む戦闘者であり、黒死の天霊戦に繰り返し挑戦している。
・所属組織、地位や役職
 クラン「旅狼」のメンバー。
・物語内での具体的な行動や成果
 黒死の天霊との戦闘で影を利用した転移攻撃や瞬間移動のギミックを発見し、攻略の糸口を掴んだ。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ヴァイスアッシュからの試練を受ける立場として、その戦闘姿勢と分析力を周囲に認められている。

京ティメット

挑発的な言動と高い対人戦闘能力を持つプレイヤーであり、黒狼との衝突を招いた張本人である。
・所属組織、地位や役職
 クラン「旅狼」のメンバー。
・物語内での具体的な行動や成果
 黒狼のプレイヤーをPKし、復讐に来た相手や増援を次々と撃破した。雷鳴電光・瞬殺刀での高速斬撃を用いた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 派手なPK行為により、黒狼との完全な敵対関係を生み出した。

ヴァイスアッシュ

高い戦闘力を持つ竜王であり、サンラクやその仲間に対して威圧的な態度を見せるが、裏では気配りを見せる人物である。ヴァッシュとしても登場する。
・所属組織、地位や役職
 ラビッツ所属NPC。元ラビッツ王。
・物語内での具体的な行動や成果
 サンラクに冗談を交えて牽制しつつ、古城骸関連の「例のブツ」の取得を促した。黒死の天霊との戦闘を茜に課題として与え、攻略方針を一任した。竜王ジークヴルムと今後の世界情勢について会話を交わした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 竜王間での情報共有や、人間側の動向把握に関わる立場を持つ。

ビィラック

鍛冶職人としてサンラクの新装備を製作したNPCであり、エムルの姉にあたる。
・所属組織、地位や役職
 ラビッツ所属NPC。鍛冶屋。
・物語内での具体的な行動や成果
 「海喰の剣」「冥王の鏡盾」「ラケダイモン・ヘルム」「ラケダイモン・ガードル」を製作・提供した。ヴァイスアッシュへの挨拶を促した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 高性能装備の供給者としてサンラクの戦力向上に直接貢献した。

シークルゥ

黒死の天霊の性質について解説を行う知識持ちの存在である。エムルの兄にあたる。
・所属組織、地位や役職
 ラビッツ所属NPC。
・物語内での具体的な行動や成果
 黒死の天霊が最上位精霊であり、捕らえることが困難であると説明した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 高難度敵の解説役として、戦闘前の情報提供を担った。

キョージュ

クラン「ライブラリ」のリーダーであり、情報戦に長けた交渉者である。
・所属組織、地位や役職
 クラン「ライブラリ」リーダー。
・物語内での具体的な行動や成果
 サンラクとの交渉で協力関係を結び、黒狼との対立における旅狼支援を了承した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 重要情報の取引を通じて旅狼との関係を強化した。

ジークヴルム

黄金の竜王であり、人類にとっての大きな壁として存在する。
・所属組織、地位や役職
 竜王。
・物語内での具体的な行動や成果
 頂上に到達した挑戦者を一撃で退け、ヴァイスアッシュと世界情勢や今後の戦いについて語った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 「竜災大戦」の中心的存在として、人類と竜との大規模戦争の幕開けに関わる。

黒狼(クラン)関係者

旅狼と敵対する大規模クランで、穏便派と強硬派に分かれている。
・所属組織、地位や役職
 クラン「黒狼」。
・物語内での具体的な行動や成果
 旅狼にユニークモンスター情報の提供を要求し、条件不履行や京ティメットの行動を理由に敵対行動を開始した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 強硬派が優勢となり、旅狼との全面衝突が現実化した。

黒死の天霊

布と影を操る最上位精霊であり、ユニークシナリオ「兎の国からの招待」に関連する強敵である。
・所属組織、地位や役職
 精霊種。
・物語内での具体的な行動や成果
 影を用いて対象を強制転移させる攻撃や瞬間移動、状態異常攻撃を行った。秋津茜との戦闘で高い耐性を示した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 シナリオ攻略の初戦相手として立ちはだかる存在である。

展開まとめ

第216話:アンコントロール・モーション

特殊状態「古雷・災」の再検証
サンラクは「封雷の撃鉄(レビントリガー)・災(ハザード)」の検証のため、再び特殊状態「古雷・災」を発動した。この状態では「蝕電効果」による接触時ダメージ付与、攻撃対象の状態異常抵抗低下、「災」による「過剰伝達」効果、さらに全モーション感度上昇が発生した。サンラクは短距離の動作であれば制御が可能になったものの、度重なる失敗によりコロシアムの壁には激突跡が複数刻まれていた。

制御不能による死に戻りと新たな問題
動作の安定を見せた直後、全モーション感度上昇の影響で自身を殴打し、受け身動作の暴走により再び死に戻りした。復帰後、サンラクは「過剰伝達」による問題として、10秒ごとに残り体力の50%をスリップダメージとして受ける仕様を確認した。さらに装備していた「アルカナム・愚者」により、このスリップダメージが2倍化し、実質10秒ごとに100%のダメージを受ける状態であった。ただしHPが1残るため即死には至らなかった。

スキルの組み合わせ検討と呼び出し
サンラクは制御課題の解決策として他スキルとの組み合わせを検討していたが、エムルがアラミースを伴って現れ、ビィーラックから「武器防具が完成したため今すぐ取りに来い」という伝言を伝えた。エムルの助言もあり、サンラクは一時検証を中断し、鍛冶場へ向かうことを決めた。

装飾品「災」級の説明
アラミースは、サンラクが試用中の「災」について説明した。それは琥珀に封じられた力の危険度を示す分類で、「雑」「密」「純」「極」「災」の五段階が存在し、「災」は最上位「極」をも上回る力を持つ代わりに使用者へ害を及ぼす危険性があるとされた。サンラクはその危険性と扱いづらさに納得しつつも、大きな恩恵があると理解した。

鍛冶場への移動と今後の課題
サンラクは新装備受け取りのため鍛冶場へ向かいながら、扱いを習熟するまでに何度失敗を重ねることになるかを考えていた。エムルはサンラクならば使いこなせると励ました。

新装備の受領
サンラクはビィラックの鍛冶場を訪れ、依頼していた新装備を受け取った。最初に手渡されたのは、水棲モンスターへのダメージ補正を持ち、骨を鋼で補強した海色の片刃剣「海喰の剣」であった。続いて、片手に別の装備を持たせるための「冥王の鏡盾」が提示された。この盾は持ち手に力を込めると変形し、大盾へと拡張する機構を備えていた。

追加防具の授与と装備
さらにビィラックは「ラケダイモン・ヘルム」と「ラケダイモン・ガードル」を取り出し、これらを加えた一式を装備したサンラクは、海喰の剣、冥王の鏡盾、封雷の撃鉄・災、格納鍵インベントリアなどを組み合わせた姿となった。その外見はスパルタ戦士を彷彿とさせ、エムルからは変態扱いされる一幕もあった。

親父への挨拶を促される
サンラクは剣と盾の試用のため闘技場へ向かおうとしたが、ビィラックからクターニッド戦に関する重要な忠告を受けた。危険な最強種との戦闘に自分の子らが巻き込まれたことを理由に、ビィラックは父であるヴァイスアッシュへの挨拶を強く促した。

ヴァイスアッシュとの対面
サンラクはエムルと共にヴァイスアッシュの元を訪れた。ヴァイスアッシュはサンラクが自分の息子たちをクターニッドと戦わせたことを聞き及び、場合によっては「それなりのケジメ」が必要だと威圧的に告げた。その迫力に、サンラクは明らかに動揺していた。

第217話:有名税は意図せずして

ヴァイスアッシュの真意と和解
サンラクはヴァイスアッシュからの威圧的な態度に怯えるが、直後にそれが冗談であったことが明かされる。ヴァイスアッシュは近頃顔を見せなかったことへの軽い拗ねと、初対面時を思い出させる表情を見たかったと語った。同行していたエムルに冒険の感想を問うと、エムルは大冒険であったと答え、ヴァイスアッシュはその言葉に満足し、今後も気張るよう促した。

「例のブツ」の存在を想起
ヴァイスアッシュはサンラクに「例のブツ」を入手したか尋ねる。サンラクは「無果落耀の古城骸」に既に到達していながら、それを完全に忘れていたことを思い出す。モルドとの待ち合わせやリュカオーンとの遭遇、ルルイアスでの監禁生活が原因で意識から抜け落ちていたと回想する。急かす理由はないとしつつも、入手したら再度顔を出すよう告げてヴァイスアッシュは去った。

フィフティシアでの包囲と回避行動
場面はフィフティシアへ移り、サンラクは街を出ようとするも、多くのプレイヤーが彼を探し包囲しているため身動きが取れない状態にあった。エムルはこのままでは古城骸へ行けないと指摘するが、サンラクは視察目的で来ただけだと説明。転移ゲートを用い、イレベンタルへ移動する。

イレベンタルへの到着と情勢判断
目的地である古城骸はフィフティシアとイレベンタルの中間に位置する。フィフティシアにサンラクが滞在しているという情報が広まったことで、追跡者がそちらに集中しており、他都市の警戒が手薄になっている状況を利用し、サンラクは追跡者を撒く戦略を取った。

古城骸への潜入と内部探索
サンラクとエムルは「無果落耀の古城骸」に到着し、平原から古城内部へ侵入した。前回は外を進むだけだったが、今回は城内探索を行う方針を取る。古城内部はレベル80が最低ラインと言われる危険地帯で、強力な固定型モンスターが出現するとの情報があった。内部は暗かったが、自動的に照明が点灯し、神代の技術を感じさせる施設がまだ稼働していることが判明した。

線画の騎士との遭遇
探索を進める中、広いエントランスに到着。そこには透過背景に線だけで描かれたような不自然な外見の騎士型モンスター「輪郭の騎士」が立っていた。この騎士は他のモンスターを伴わず、一対一の戦いを望む様子を見せた。サンラクはエムルに手出しを禁じ、自衛に専念するよう指示する。

一騎打ちの開始
サンラクは「冥王の鏡盾」と「海喰の剣」を装備し、専用スキルに頼らず自身の技量のみで戦う構えを見せた。騎士と正面から対峙し、一対一の決闘が幕を開けた。

218話「つわものどものゆめのあと」

輪郭の騎士との一騎打ち開始
サンラクは輪郭の騎士との一対一の戦闘を開始した。観戦していたエムルは激励を送り、レイからこの騎士との戦闘は推奨されないとされていた理由に興味を示した。サンラクは新装備「海喰の剣」と「冥王の鏡盾」を手に、ドロップ品を楽しみに戦闘に臨むが、攻撃は通りにくく、見た目に反して高い防御力を持つことを確認した。

敵の特性と「隙」の分析
サンラクは戦闘中、輪郭の騎士が自らの特性を理解し、それに基づく有効な戦法を取ってくる高性能AIであることに気付く。対モンスター戦では制作側が意図した「隙」が存在するが、対人戦では呼吸のような自然発生的な隙しかないと分析。この騎士は後者に近く、明確な隙がほとんど存在しないため、攻略が難しいと判断した。

防御構造の弱点発見
戦闘を続ける中、サンラクは騎士の線画構造が中身を守るための外殻であり、背後の線が欠けている部分が存在することを発見した。本当に線だけの存在であれば透けて見えるはずの背面が隠されており、その奥に本体があると推測。必然的に線が少ない箇所が攻撃の狙い目になると判断した。

反撃への準備
エムルが騎士の堅牢さに驚く中、サンラクは新装備で倒すと決意し、スキル「瞬刻視界」を発動。敵の「隙」を捉え、反撃に移る構えを見せた。

瞬刻視界の発動と特性
サンラクはスキル「瞬刻視界」を発動し、思考処理速度を加速させて敵の動きをスローモーションのように捉える。しかし、加速するのはあくまで思考のみであり、身体能力は変化しないため、扱いが難しいスキルであると感じていた。反射神経には自信があったものの、タイミングのずれで被弾の危険もあり、実戦での使用は控えていた経緯があった。

古雷・災との併用
今回は輪郭の騎士相手に、瞬刻視界と「古雷・災」を併用。思考加速とモーション感度上昇により、敵の攻撃を盾で正面から受け止めることに成功する。敵の動きから僅かな「隙」を見出し、線と線の間にある本体部分を狙う戦術を実行した。

決定打と撃破
サンラクは盾で敵の攻撃を受け止め、間合いを詰めて急所を突く「点で貫く」攻撃を命中させる。輪郭の騎士は崩れるように倒れ、戦闘は決着した。エムルは勝利を称え、サンラクはこれまでで最も上手く動けたと自己評価した。

予想外の無報酬
勝利の報酬を期待していたが、ドロップ品も経験値も得られないことが判明。レイが推奨しなかった理由が、戦利品が存在しない無報酬のモンスターだったためと理解する。サンラクは落胆しつつも、次の目的地であるレアアイテム探しに意欲を燃やし、エムルと共に前進した。

第219話「目的地到達RTA、多分世界記録」

大量の騎士型モンスターとの交戦回避
サンラクとエムルは、古城内で次々と出現する「コントゥアル・ナイト」に追われる。サンラクはこのゲームのモンスターは同名でも多様なバリエーションがあることを実感しつつ、巨大モーニングスター持ちの騎士を盾で受け流し、喉元へブループレデターを突き刺して撃破。エムルとも合流し、魔法攻撃が通じず逆に強化される性質を確認する。

探索方針の決定と下層への興味
古城の構造と神代文明の特徴を踏まえ、重要アイテムは上層ではなく地下にあると推測。神代文明は科学と魔法を併用していたと考えられ、転送装置などSF的ギミックの可能性を検討する。エムルが探索するも下り階段は見つからず、サンラクは壁の向こうに隠れたエレベーターを発見。

エレベーターの構造と直降下案
発見したエレベーターは破損しており、通常では作動しない様子。小さな穴から下が深く続いていることを確認し、サンラクは魔法を使って直接降下する案を提案。エムルは驚きつつも、サンラクが現在「ラピステラの星外套」によって魔法を使用可能であることを思い出す。

転移魔法の利用準備
星外套にはあらかじめ魔法を設定でき、MP消費なしで発動可能。サンラクは過去にエムルが使用した短距離転移魔法をセットしており、それを利用してエレベーターの穴から地下へ安全に移動する計画を模索する。

瞬間転移による突入
サンラクは「瞬間転移(アポート)」を発動し、わずかな隙間から先の空間へ視線を通して座標を確保、エムルを抱えて転移する。転移先は暗く深い縦穴で、そのまま落ちれば即死必至の危険地帯だった。

グラビティゼロによる急降下
サンラクはエムルを安心させつつ、「グラビティゼロ」を発動。壁や天井を足場にしながら重力方向を自在に変え、全速力で下へ駆け下りる。効果時間が限られる中、さらなる加速のために雷属性スキル「古雷・災」を自らに叩き込み、反射神経を極限まで高めて走破する。

最下層への到達
残り数秒で最下層が視界に入り、サンラクはギリギリで着地に成功。「生還」を高らかに宣言するも、雷の副作用でエムルが痺れてしまい、状態異常解除ポーションで回復させる。二人は改めて最下層を探索する。

地下深部の異様な構造
最下層にはさらに下へ掘り進められた巨大な穴と各種機材が存在。サンラクは不用意に近づかず、周囲の状況を確認する。

ARホログラフィックの起動
エムルが機材の電源を入れるとARホログラムが起動し、映像記録の選択画面が表示される。サンラクは映像に写っている人を見て「この服装、神代の映像記録か!!」と注目する。

第220話 見苦しくも足掻いた噛ませ犬の物語

根元への到達と勝利宣言
男は荒い息を吐きながら歓喜の声を上げ、自分がついに「根元」に到達したと宣言する。地上では依然として戦闘が続いている中、彼は自らの行動を偉業と称し、これを自分の功績とする。

敵意と否定
彼は「継承」や「次世代」という言葉を嘲笑い、天津気刹那の理論だけは認めつつも、アリス・フロンティアやジュリウス・シャングリラを「イカれている」と非難。人類の救世主は自分であると断言し、天には神はおらず「神は下にいる」と語る。

施設の探索と機器の発見
本来の実験地点とは違う場所で装置を操作しながらも接続に成功。そこで彼は目的の「△機器」と同型の装置を発見し、これこそが災禍の根本を断つ鍵だと確信する。

突如の襲撃と異形の侵食
通信映像にノイズが走り、状況が急変。彼は何かに襲われ、記録を残そうと必死に「全ては下だ」と叫ぶが、巨大な触手状の異形に左半身を侵食されていく。涙と鼻水を垂らし、恐怖と苦痛に歪む顔が映し出される。

最後の叫びと混乱
彼は「死にたくない」と連呼しながら、特定の怪物名(リヴァイアサンやベヒーモス)を口走り、抵抗を試みるも絶叫とともに映像が途切れる。周囲の者たちはその異様な光景に動揺し、正体不明の機械的かつ有機的な存在に恐怖を示す。

科学者の最期の奮闘
瀕死の状態に追い込まれた無名の科学者は、それでも諦めず「反物質の終幕」の起動コードを発動させるため、限界まで対象に接近しようとした。彼はΔ装置に自らのプログラムを組み込み、サンラクたちへ託す。激痛と苦闘の末、触手に絡め取られ穴の奥へと引きずり込まれ、光とノイズを残して映像は終了した。

サンラクの評価と危険認識
サンラクは、この科学者を「盛大な自滅」と評しつつも、自らの行為に責任を取った点を認め、人類の救世主と呼んだ。現場が予想以上に危険であることを再確認し、エムルに撤収準備を命じる。同時に、この地に眠るユニークモンスターや第四段階ワールドクエストの脅威を推測する。

Δ装置の確保と録画アイテムの利用
危険が差し迫っていないことを確認した後、Δ装置を全て回収。ペンシルゴンから半ば強引に購入させられた録画アイテム「録映の眼珠」を用い、先ほどの科学者の最期を記録する。破損データが二つ存在することに気づき、その修復手段の有無を検討する。

忘れていた秘宝の存在
破損データの持ち運び方法を考える中で、サンラクは自身のインベントリに眠っていた「晴天流奥義書」の存在を思い出す。これはユニークモンスター「墓守のウェザエモン」討伐時に入手した記憶媒体であり、絶技の心得そのものが収められている。

第221話「案山子ではなく、その一分一秒が歴史となる」

神代設備での活用
奥義書は神代の設備でなければ解読・習得できないが、目の前の施設が条件を満たすと判断。装置のスロットに奥義書をセットすると、見事に適合し、光が満ちて真価を発揮し始めた。

晴天流スキルの習得
サンラクは突如として輝く装置を起動し、その場に晴天流の秘伝が顕現する。圧倒的な光景を前に彼は驚愕しつつも、その正体を「晴天流」と確信する。結果として、「疾風」「雷鳴」「荒波」という三つのスキルを習得。これは見様見真似の再現ではなく、本物の技術習得であり、思いがけないボーナスにサンラクは歓喜する。エムルは何も見えなかった様子だが、サンラクは流れでスキル検証を進めようと意気込む。

ペンシルゴンからの緊急連絡
そこへ、ペンシルゴンからリアルのメール同期サービスを介して緊急連絡が届く。件名は「エマージェンシー」、内容は「京極がやらかした、ちょっと面倒なことになりそう」。盛り上がっていた場面にもかかわらず、サンラクは状況が急変したことを察知する。

帰還の決断
サンラクはエムルに「今日はここまでにして帰る」と告げる。理由は学校の予定と、緊急事態の対応のためである。京ティメットの関与を示唆しつつ、翌日に備えて撤収することを決めた。

気宇蒼大の天聖地
舞台は中央にそびえる巨大な台地「気宇蒼大の天聖地」。斜面には強力なモンスターが生息し、頂上のみは発生しない。この理由は、そこが特定モンスターの休息地であるためであった。

プレイヤーたちの挑戦とジークヴルムの登場
数名のプレイヤーが頂上に到達し、自信を持ってユニークモンスター「天覇のジークヴルム」に挑もうとする。しかし、ジークヴルムは「今は客を迎えているため、相手をしている暇はない」と告げる。

無謀な突撃と圧倒的な一撃
プレイヤーたちはそれを侮辱と受け取り、意気込んで攻撃を仕掛ける。だが、ジークヴルムは真の力によるブレスを放ち、一撃で全員のHPをゼロにする。模倣品とは比べものにならない圧倒的威力により、彼らは瞬時に消滅した。

ジークヴルムの視線の先
倒された者たちにわずかな申し訳なさを見せつつも、黄金の竜王ジークヴルムは視線を「それ」へと向け、次なる展開への予兆を示した。

竜王とヴァイスアッシュの対話
ジークヴルムは、自らの威を恐れず武器を構える者を勇者と認め、全力で相対することを礼儀と語る。ヴァイスアッシュは、その律儀さを揶揄しつつ、そろそろある時が近いことを指摘する。ジークヴルムもそれを認め、世界の流れの中で三つ目の楔が誰によって外されるかを見据えていた。

迫る脅威と竜王の信念
ヴァイスアッシュは「菌糸類」がジークヴルムを狙っていること、さらに第二陣の人間たちも加わる可能性を告げる。返答を求められたジークヴルムは、己の存在意義が揺るがないことを断言。人類にとっての山・壁・門として立ちはだかり、越えて未来へ進むよう促すのが自らの役割だとする。

挑戦者への歓迎
ヴァイスアッシュは、自らの食客がジークヴルムの喉元に刃を向けるかもしれないと告げ、さらに過去に深淵の怪物を倒した人間や、ジークヴルムの逆鱗を穿った者の存在を持ち出す。ジークヴルムはそれを聞き、心から愉快だと笑い、挑戦を歓迎すると表明する。

竜災大戦の幕開け
ジークヴルムは、挑戦者が足掻くならば踏み躙り、竜とは何たるかを教えると宣言。これによりワールドクエスト三段階目「黄金を墜とす大戦」は名称を変え、今を生きる竜と長き時を生きた竜王による、人類を巻き込む大規模戦争「竜災大戦」が幕を開けた。

第222話 インフォメーションパワー・アタック!!!!!

黒狼と旅狼の対立
場面は黒狼の主力メンバーが次の浄化ポイントへ移動中の会話に移る。彼らはサイガー0の脱退や新大陸遠征の戦力維持について議論し、旅狼や怪しいクランとの同盟理由を探っていた。さらに京ティメットの加入情報が広まり、彼を引き入れた経緯や利害関係が話題となる。

直接対峙と挑発
そこへ京ティメット本人が姿を現し、旅狼のエンブレムを見せつけ挑発。黒狼を「雑魚」呼ばわりし、過去に自分にキルされた者がいることを指摘して挑発を強める。黒狼側は激昂し、同盟解消を叫びながら武器を構える。

戦闘開始
京ティメットは「先に武器を出したのはそっち」と言い放ち、雷鳴電光・瞬殺刀で斬撃を浴びせる。黒狼側はその速度と技量に圧倒され、「雑魚でもNPCとは違う」と皮肉を返される。戦いは激化し、京ティメットは「対人戦は止められないねぇ」と狂気を帯びた笑みを浮かべた。

黒狼との衝突経緯

京ティメットは狩り中にクラン「黒狼」のプレイヤーと遭遇しPKした。その後、復讐に来た相手や増援も次々と撃破し、装備品を入手した。この行動により黒狼側では強硬派の意見が強まり、旅狼と完全に敵対する流れとなった。

黒狼の内情と対立理由

情報屋の調査で、黒狼は「穏便派」と「強硬派」に分かれていることが判明し、サイガ-0の離脱と旅狼加入希望が強硬派を勝たせる要因となった。黒狼は旅狼に対しユニークモンスター情報の提供を要求しており、これに旅狼は応じる意思を見せなかった。

旅狼の三つの問題

旅狼は、同盟条件の半分を無視していること、サイガ-0移籍希望による人間関係の問題、京ティメットによる派手なPKという三つの問題を抱えていた。これらは黒狼からの敵対行動や他クランからの悪評の原因となっていた。

黒狼への対抗策

ペンシルゴンは黒狼と戦うため、他クランを味方につけて数的有利を確保する策を提案した。これにより情報をある程度開示しつつも手札を温存し、黒狼の影響力を抑える狙いがあった。

協力要請と行動計画

サンラクは現状の整理を求められ、黒狼との敵対状況と他クラン買収による牽制計画を理解した。最終的に、黒狼に対抗するための頭数を揃える方針が決まり、サンラクが撮影した「録映の眼珠」の映像を用い、クラン「ライブラリ」を取り込む計画が示された。

第223話「インフォメーション・クロスカウンター」

ライブラリとの接触と映像提示
旅狼のメンバーはクラン「ライブラリ」のリーダー・キョージュと会談した。サンラクは事前に用意した映像「録映の眼珠」を提示し、神代に関する一部を見せたところで再生を止めた。この情報はサンラクが撮影した貴重なものであり、続きは交渉材料として扱われた。

交渉条件と対応
ライブラリ側は黒狼が旅狼の情報を全て開示する可能性や、別のプレイヤーが同じ情報を得る可能性を指摘した。一方で旅狼側は黒狼との衝突時にライブラリの支援を求めた。キョージュは条件としてサンラクとの一対一の交渉を希望し、密談可能な別室に移動した。

交渉の場の設定
別室はキョージュの私的な書斎で、交渉の最低条件が示された。交渉に不慣れなサンラクは警戒しつつも着席し、ペンシルゴンや仲間たちは外で待機した。キョージュは改めて映像の続きが見たい旨を示し、情報戦で培った交渉術を駆使して主導権を握ろうとした。

サンラクの交渉開始
サンラクは映像の続きを提示することを餌に、黒狼との戦いでライブラリの協力を引き出そうとした。キョージュはこの提案を受け入れ、具体的な条件交渉へと移行した。

交渉の主導権争い
キョージュは旅狼の要望を理解しているとしつつ、黒狼によって旅狼の秘匿情報が開示される方が有利だと主張した。また情報には消費期限があり、いずれ他者が同じ情報を入手する可能性があると指摘した。これにより、交渉の主導権を握る必要があると述べた。

交渉材料の提示
サンラクは「バハムート」「ベヒーモス」など複数の重要ワードを列挙し、これらを秘密にしたまま引退する可能性を示唆してキョージュを揺さぶった。さらに、深淵のクターニッドが再戦可能であるという独占情報を明かし、旅狼とライブラリの合同攻略案を提示した。

ライブラリ側の反応
キョージュは驚きを見せつつも、旅狼のモチベーション維持のため協力する意向を示した。ただし、深淵のクターニッド再攻略についてはメンバーとの相談が必要と回答した。

旅狼への評価と交渉成立
キョージュは黒狼に対してはメインストーリー攻略以外の期待はなく、旅狼の実績を重視していた。これにより、ライブラリが旅狼側につく方針が固まり、サンラクはペンシルゴンの計画通りの役割を果たす形となった。

追加提案と個人的取引の打診
交渉成立間際、キョージュは新大陸に関する情報提供を条件に、サンラク個人への協力を打診した。ライブラリが収集した情報を、サンラクが個人的に貢献することと引き換えに共有する可能性を示し、「荒ぶる蛇神」に関する情報提供を提案した。

新たな情報と保留
サンラクは「荒ぶる蛇神」の話を聞き、その重要性を理解しつつも即答は避け、保留とした。キョージュは色よい返事を求め、交渉は形式的に成立した。

旅狼への即時報告と背景
サンラクはこの提案を速やかにペンシルゴンへ報告した。ライブラリはユニークモンスターや神代に関する情報を強く求めており、クターニッド戦で旅狼が主導権を握れば、ライブラリは有利な条件で参加できる見通しとなった。

第224話 手痛い停滞って一体

ヴァッシュ不在と行動の停止
サンラクはラビッツへ帰還し、ユニークモンスターと思われるヴァッシュにΔ装置を渡そうとしたが、彼は外出中で不在だった。時間がリアルとリンクする本作では待つしかなく、サンラクはやる気を失い就寝を選択した。

別ゲームの起動
シャンフロの進行が停滞したため、サンラクは最近購入したVR剣道教材ソフト「龍宮院富嶽全面協力! VR剣道教室・極」を起動する。このソフトには剣道の大家・龍宮院富嶽を基にした精巧なトレースAIが登場し、「範士」と特殊条件で現れる裏ボス「極」が存在していた。

トレースAIの説明
トレースAIは元人物の行動や思考を忠実に再現したAIであり、自我はないが極めて高い再現度を誇る。龍宮院富嶽のAIはその典型で、範士が通常ラスボス、極は条件達成で出現する仕様だった。

プレイの進行と評価
サンラクは段位を進める中で、難易度が上がるごとに苦戦を強いられた。後の先を取る高性能AI相手に数十回以上敗北し、邪道戦法も解禁してようやく最低評価でクリアする場面もあった。

ラスボスへの挑戦準備
アクションゲームのステータス強化に慣れたサンラクは、ステータス調整機能がない本作の厳しさを痛感しながらも、次の挑戦が通常ラスボスであることを確認した。

裏ボスとの遭遇
サンラクはVR剣道教室で通常ラスボスを倒した後、特殊コマンドを入力して裏ボス「AI範士・極」を出現させる。現れたのは二刀流の達人・龍宮院富嶽のトレースAIであった。

戦闘の特徴
裏ボスは圧倒的な速さではないものの、最短かつ最適な動きで攻撃を繰り出し、常に先手を取る戦法を駆使する。理不尽な反応速度ではなく、間合いと技術で攻めるため、攻略難度は非常に高い。

初戦の敗北と確信
サンラクは初挑戦であっさりと敗北し、この戦いが長期戦かつ難戦になることを確信する。

シャンフロ本編への復帰
VR剣道教室からシャングリラ・フロンティア本編に戻ったサンラクは、「ヴァッシュの兄貴」が帰還していると知る。気分転換も兼ねてエムルと共にシナリオ攻略へと向かう決意を固める。

第225話 「強者の代償、されどその目は烈火の如く」

茜の奮戦と黒死の天霊の脅威
秋津茜は闘技場内で黒い霊体のような存在と対峙し、素早い動きで距離を取りながら攻撃を試みた。しかし敵は影のように迫り、茜は不意に掴まれて至近距離に転移させられた。黒死の天霊は巨大な鎌で茜を攻撃し、観戦していた仲間たちはその特異な攻撃方法に驚愕した。シークルゥはこの存在を「黒死の天霊」と呼び、最上位の精霊であり捕らえることが困難であると説明した。

観戦者たちの分析と過去の戦闘回想
観戦していた者たちは、黒死の天霊が非常に厄介な相手であり、物理攻撃無効などの能力を持つ過去の強敵と同様に、戦うには特別な工夫が必要だと話し合った。彼らは過去の戦闘経験を思い出しつつ、もし自分たちが戦うならどのような戦術を取るべきかを考えていた。

ヴァッシュとサンラクの会話
サンラクはヴァッシュのもとに赴き、依頼された品を渡した。ヴァッシュはサンラクが持参した強敵の素材に興味を示し、それらと兎月を受け取った。サンラクは黒死の天霊に強い興味を抱くが、ヴァッシュはそれが茜に課した試練であり、基本的には一人で倒させるつもりであると述べた。ただし、兄貴分として手助けしたいなら構わないとも伝えた。

茜の再挑戦と即死攻撃
茜は再び闘志を燃やし挑戦したが、再度黒死の天霊の即死技を受けて倒された。観戦していた者たちはその粘り強さに感心しつつも、敵の危険性を改めて認識した。

黒死の天霊の位置付けとシナリオの関連性
会話の中で、黒死の天霊はユニークシナリオ「兎の国からの招待」に関連する存在である可能性が示唆された。ヴァッシュはこのシナリオの進行により武器が強化されることや、素材選定の曖昧さについて語り、戦闘や攻略の方針を模索した。

茜とサンラクの合流
戦闘後、茜はサンラクと再会し、彼がシナリオをクリアした経験者であることを知る。茜はその攻略方法について教えを請い、今後の挑戦に向けて意欲を見せた。

戦闘前の助言とギミックの推測
サンラクは秋津茜を制止し、兄貴分としての立場からヴァッシュの許可を得て助言を行った。自身の経験から、かつて戦った「妄執の樹魔」と同様に黒死の天霊にも特有のギミックがあると推測し、観察の重要性を説いた。観客席からの視点で、距離があっても掴まれる原因が影の動きにある可能性を見出した。

影による転移攻撃の発見
茜は戦闘に戻り、黒死の天霊の攻撃を再度観察。天霊の布状攻撃は視線を逸らすフェイクであり、本体から伸びる影が接触した瞬間に強制転移させるギミックであることが判明した。この影を避ければ攻撃を回避でき、本体はその間隙を晒すことが分かった。

切り離された影による瞬間移動
さらに茜は、天霊が切り離した影を利用して瞬間移動を行うことも確認。影の大きさが変化することがこの技の兆候であると知り、影の動きを注意深く見ることで対応できると理解した。

状態異常攻撃と戦闘の継続
戦闘中、茜は影以外にも天霊の状態異常攻撃を受けそうになるが、教えを受けた通り攻撃のタイミングを覚え、反撃を試みた。しかし、必殺技「竜威吹」も効果がなく、天霊は高い耐性を持つことが判明した。

黒死の天霊の強さとシナリオの現実
天霊は強制転移、瞬間移動、状態異常、完全耐性を併せ持つ強敵であり、茜はこれを最初の相手として戦っていることを明かした。サンラクはこの事実に驚き、この先さらに九体の強敵が待つことを知る。

茜の意欲と周囲の反応
茜は挑戦を楽しむ姿勢を崩さず、次戦への意欲を見せた。周囲はその前向きさに感心し、サンラクも最強種が茜を認めた理由を理解し始めたところで場面は締めくくられた。

前巻 次巻

同シリーズ

シャングリラ・フロンティア 

38a5b9e710469d897f609942468cc76a 漫画【シャンフロ】「シャングリラ・フロンティア(23)」感想・ネタバレ
シャングリラ・フロンティア(1)
a527a4a281527e6e0c09b2fcc629c3db 漫画【シャンフロ】「シャングリラ・フロンティア(23)」感想・ネタバレ
シャングリラ・フロンティア(2)
137b4d9201cfb04942b93adf534d9275 漫画【シャンフロ】「シャングリラ・フロンティア(23)」感想・ネタバレ
シャングリラ・フロンティア(3)
01730cf4d6b780e0973dc143e13e3b43 漫画【シャンフロ】「シャングリラ・フロンティア(23)」感想・ネタバレ
シャングリラ・フロンティア(4)
88a14b82eb20b520284779f74d8171d1 漫画【シャンフロ】「シャングリラ・フロンティア(23)」感想・ネタバレ
シャングリラ・フロンティア(5)
888c09ae589fbd87c081c12ad9f63ee1 漫画【シャンフロ】「シャングリラ・フロンティア(23)」感想・ネタバレ
シャングリラ・フロンティア(6)
69328aff9829ab8d3ba43c31555bdbbf 漫画【シャンフロ】「シャングリラ・フロンティア(23)」感想・ネタバレ
シャングリラ・フロンティア(7)
cc3d5418c35be96927157d08c8025ad3 漫画【シャンフロ】「シャングリラ・フロンティア(23)」感想・ネタバレ
シャングリラ・フロンティア(8)
621fae004c191a19f84eaf5399f61cc1 漫画【シャンフロ】「シャングリラ・フロンティア(23)」感想・ネタバレ
シャングリラ・フロンティア(9)
93352d8da408c2a1195564835ace3be3 漫画【シャンフロ】「シャングリラ・フロンティア(23)」感想・ネタバレ
シャングリラ・フロンティア(10)
dd5c42778f43beb3f0cd12324ee2a897 漫画【シャンフロ】「シャングリラ・フロンティア(23)」感想・ネタバレ
シャングリラ・フロンティア(11)
062bf6efcde4c4ed85f6e575dbaa6353 漫画【シャンフロ】「シャングリラ・フロンティア(23)」感想・ネタバレ
シャングリラ・フロンティア(12)
bc8391955c9c9cb729d5366b82f7e941 漫画【シャンフロ】「シャングリラ・フロンティア(23)」感想・ネタバレ
シャングリラ・フロンティア(13)
eb2ae4f0b8db199e8f6df958a3981b83 漫画【シャンフロ】「シャングリラ・フロンティア(23)」感想・ネタバレ
シャングリラ・フロンティア(14)
116750d1b385ebe02957f6fd49fddf13 漫画【シャンフロ】「シャングリラ・フロンティア(23)」感想・ネタバレ
シャングリラ・フロンティア(15)
6236377904b9e6f13d1e0e92bd662d5e 漫画【シャンフロ】「シャングリラ・フロンティア(23)」感想・ネタバレ
シャングリラ・フロンティア(16)
3b63a2e7557d2ab88770a88092aafb83 漫画【シャンフロ】「シャングリラ・フロンティア(23)」感想・ネタバレ
シャングリラ・フロンティア(17)
5fbeaf6b7a4fc8e6d996633856ee5767 漫画【シャンフロ】「シャングリラ・フロンティア(23)」感想・ネタバレ
シャングリラ・フロンティア(18)
872a6e32c2a1c321023e3a863906dd1b 漫画【シャンフロ】「シャングリラ・フロンティア(23)」感想・ネタバレ
シャングリラ・フロンティア(19)
814d6647b0a55d0119a732ffb277a3ff 漫画【シャンフロ】「シャングリラ・フロンティア(23)」感想・ネタバレ
シャングリラ・フロンティア(20)
b8f1fb675c7e4f0d616877288362fef9 漫画【シャンフロ】「シャングリラ・フロンティア(23)」感想・ネタバレ
シャングリラ・フロンティア(21)
e0b770b5c8e79f61537126b0b3846bc9 漫画【シャンフロ】「シャングリラ・フロンティア(23)」感想・ネタバレ
シャングリラ・フロンティア(22)
e8bdf8848eedbc4ac5f677faac788efa 漫画【シャンフロ】「シャングリラ・フロンティア(23)」感想・ネタバレ
シャングリラ・フロンティア(23)

その他フィクション

e9ca32232aa7c4eb96b8bd1ff309e79e 漫画【シャンフロ】「シャングリラ・フロンティア(23)」感想・ネタバレ
フィクション(novel)あいうえお順

Share this content:

こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

コメントを残す

CAPTCHA