シャンフロ 13巻レビュー
シャンフロ まとめ
シャンフロ 15巻レビュー
どんな本?
『シャングリラ・フロンティア~クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす~』は、原作が硬梨菜 氏、漫画が不二涼介 氏の作品。
この作品は、「クソゲー」をこよなく愛する男・陽務楽郎が主人公。
彼が次に挑むゲームは、総プレイヤー数3000万人の「神ゲー」と呼ばれている『シャングリラ・フロンティア』。
物語は、仲間が集まり、世界が広がり、そして「宿敵」との出会いが、彼の、全てのプレイヤーの運命を変えていくという展開になっている。
この作品は、最強のクソゲーマーによる最高のゲーム冒険譚と評されている。
また、この作品は第47回講談社漫画賞「少年部門」を受賞し、週刊少年マガジン読者アンケートで史上初の四冠を達成している。
これらの事からも、その人気と評価の高さが伺える。
この作品は、【小説家になろう】で読んだ事があったのだが、当時はハマる事が出来ず読むのを止めていた。
アニメ化したことを知り、小説の書籍化せず漫画としていきなり商業デビューしていた事を知り全巻購入し、アニメを見ながら此方に書いてみる。
読んだ本のタイトル
シャングリラ・フロンティア (14) ~クソゲーハンター、神ゲーに挑まんとす~
著者:不二涼介 氏
原作:硬梨菜 氏
(PR)よろしければ上のサイトから購入して頂けると幸いです。
あらすじ・内容
第47回「講談社漫画賞」少年部門受賞!「小説家になろう」の超人気作が待望のコミカライズ!
“クソゲー”をこよなく愛する男・陽務楽郎。彼が次に挑んだのは、総プレイヤー数3000万人の“神ゲー”『シャングリラ・フロンティア』だった!
集う仲間、広がる世界。そして“宿敵”との出会いが、彼の、全てのプレイヤーの運命を変えていく!!
最強クソゲーマーによる最高のゲーム冒険譚、ここに開幕!!
ついに開幕した“GGC”に挑む楽郎(サンラク)たち! 格ゲー全米最強のプロチームを相手に、時間稼ぎをしながら勝利をつかめるのか!? チーム戦、先鋒は夏目恵、そして次鋒に控えるは天音永遠(ペンシルゴン)。かつて一つのゲームを支配した悪逆の女帝が、縦横無尽に暴れ尽くす!! この魔王に、自由を与えてはならない。魔王が笑うゲーム冒険譚、第14巻!!
感想
光るカボチャ頭に爆笑!ペンシルゴンの外道プレイがひどすぎる(笑)
『シャングリラ・フロンティア』第14巻を読んで、今回も思い切り笑ってしまった。
特に印象に残ったのは、サンラクのカボチャ頭が光る場面である。
いや、あれは反則だろう(笑)。
ただでさえ目立つカボチャ頭なのに、まさか光るとは。
しかも、原作の「小説家になろう」版では、エナジードリンクを飲んでいる最中にボタンを押し間違え、カボチャ頭を発光させてしまうという展開だった。
その姿がシルヴィア・ゴールドバーグたちの笑いのツボに入ってしまう。
確かに、エナジードリンクの色と発光するカボチャ頭は妙に相性がよさそうだ。
想像しただけでもおかしい。
一方、漫画版では少し違う。
試合に負けた夏目を励ますために、ペンシルゴンがサンラクをいじり、カボチャ頭の口をパカパカさせる。
さらに、別の機能として用意されていた発光ボタンまで押して、カボチャ頭を光らせてしまうのだ。
突然、自分の頭が光り始めて戸惑うサンラク。
その姿を見て爆笑するシルヴィア。
そして、何が起きているのか分からず戸惑うジョンソン。
この反応の違いが、また面白い(笑)。
原作と漫画版では、カボチャ頭が光るまでの流れが若干異なっている。
しかし、どちらも笑えることに変わりはない。
サンラクのカボチャ頭は、もはや立派な芸人道具である。
しかし、今回の本当の問題児はペンシルゴンだった。
世界大会という大舞台で、NPCに爆弾を仕掛けるという、とんでもない戦い方を披露する。
しかも本人は、ものすごく楽しそうなのだ。
観客はドン引き。
解説者も実況も、あまりのやらかしにフリーズして沈黙。
対戦相手は大混乱。
それを見ているサンラクは、エナジードリンク片手にくつろいでいる。
もう、何の大会を見せられているのか分からない(笑)。
やっぱり、この破天荒な三人組が好きだ。
今回は、そんな彼らの魅力が存分に発揮された一冊だった。
※以下、『シャングリラ・フロンティア』第14巻のネタバレを含む感想。
カッツォ不在の大ピンチ。残された三人の目標は二時間の時間稼ぎ
今回の舞台は、世界規模のゲーム大会「GGC」である。
サンラク、ペンシルゴン、夏目たちは、プロゲーマーたちを相手に戦うことになる。
しかし、肝心のカッツォがいない。
会社の都合で別のゲームに参加しており、すぐには合流できない状況だった。
しかも、対戦相手にはカッツォのライバルであるシルヴィア・ゴールドバーグがいる。
カッツォがいないと分かれば、当然のように探しに来る。
そこでペンシルゴンが答えたのが、カッツォはトイレで自分自身と戦っているという、あまりにも適当な説明だった。
いや、もう少しましな言い訳はなかったのか(笑)。
しかも、そんな説明で話をうやむやにしようとするのだから恐ろしい。
ただ、彼らにも事情がある。
カッツォが戻るまで、何とか時間を稼がなければならない。
目標は二時間。
そのために夏目、ペンシルゴン、サンラクが順番に戦い、試合を引き延ばすことになる。
この作戦が面白い。
普通なら、世界大会では勝つことを最優先に考えるだろう。
しかし、今回の彼らにとっては、勝敗だけが目的ではない。
カッツォが間に合うように、できる限り時間を使うことが重要なのだ。
しかも、その役割を担うのが、まともな戦い方をするとは限らない三人である。
この時点で、嫌な予感しかしなかった(笑)。
夏目はヒール役を引き受けて奮闘。24分の時間稼ぎが熱い
最初に戦う夏目は、真剣だった。
相手に勝つことはもちろん、少しでも長く試合を続けるために戦う。
そのために、あえてヒール役のような振る舞いまで引き受ける。
恥ずかしそうに、ぎこちなく・・・
ギャン泣きするNPCの子供を素で優しくあやし、途中でロールプレイに切り替える。
この姿が印象に残った。
夏目は、サンラクやペンシルゴンのように、何をしでかすか分からない人物とは少し違う。
だからこそ、今回の役割を必死に果たそうとする姿がよかった。
結果として、24分間の時間を稼ぐことに成功する。
しかし、試合には敗れてしまう。
負けた本人としては、悔しかっただろう。
それでも、チームのために24分を稼いだという事実は大きい。
カッツォが戻るまでの二時間を考えれば、まだまだ足りない。
しかし、最初の一人としては十分に頑張ったと思う。
そして、そんな夏目を励まそうとする場面で、サンラクのカボチャ頭が活躍する。
いや、活躍という表現でいいのか分からないが(笑)。
光るカボチャ頭に爆笑。原作と漫画版で違う見せ方が面白い
今回、個人的に最も笑ったのが、サンラクのカボチャ頭である。
原作の「小説家になろう」版では、エナジードリンクを飲んでいる最中に操作を間違え、カボチャ頭が光ってしまう。
その結果、シルヴィアたちの笑いのツボに入る。
もう、この光景を想像しただけで笑える。
ただでさえカボチャ頭という見た目なのに、発光機能まであるとは。
しかも、エナジードリンクを飲んでいるときに光るというのが絶妙だ。
確かに、エナジードリンクには妙に鮮やかな色のものがある。
それを飲んだ結果、カボチャ頭が光り始めたように見えたら、そりゃ笑ってしまうだろう。
一方、漫画版では少し違った見せ方になっている。
ペンシルゴンが夏目を励ますためにサンラクをいじり、カボチャ頭の口をパカパカさせる。
そして、ここで終わらない。
ペンシルゴンは、さらに別の機能である発光ボタンを押してしまう。
すると、カボチャ頭が光り始めるのだ。
いや、そんな機能まであったのか(笑)。
しかも、サンラク本人は戸惑っている。
自分の頭が突然光り始めたのだから、当然だろう。
しかし、それを見たシルヴィアは大爆笑。
一方のジョンソンは、何が起きているのか分からず戸惑っている。
この三者三様の反応が面白かった。
サンラクは困惑。
シルヴィアは爆笑。
ジョンソンは状況を理解できずに困惑。
そして、仕掛け人のペンシルゴンは、きっと面白くて仕方がなかっただろう。
サンラク、めちゃくちゃいい仕事をしているな(笑)。
いや、本人は何もしていないのだが。
原作では操作ミスによって光り、漫画版ではペンシルゴンに光らされる。
この違いも興味深かった。
漫画版では、ペンシルゴンがサンラクをおもちゃにしている関係性が、より分かりやすく描かれている。
しかも、光ったカボチャ頭を見た周囲の反応まで楽しめる。
ゲームの腕前は一流なのに、見た目と行動がどうしてもおかしい。
この落差が好きだ。
次鋒ペンシルゴン登場。ここから大会の空気がおかしくなる
夏目の次に登場するのが、ペンシルゴンである。
この時点で、もう普通の試合にはならないだろうと思っていた。
なにしろ、相手を出し抜くことにかけては、とんでもない人物である。
しかも、彼女は勝つためなら手段を選ばない。
ゲームの仕様を徹底的に調べ、相手が嫌がる方法を考え、精神的にも追い詰めていく。
そんなペンシルゴンが、世界大会という大舞台で戦うのだ。
まともな勝負になるはずがない。
実際、彼女が始めたのは、NPCに爆弾を仕掛けるという外道な戦法だった。
いやいや。
普通、そんなことを思いつくか?
しかも、思いついたとしても、実行するか?
しかし、ペンシルゴンは実行する。
それも、ものすごく楽しそうに。
この瞬間、試合の空気が完全に変わってしまった。
対戦相手のルーカスは、まともに戦っているつもりだっただろう。
しかし、ペンシルゴンは、そもそも相手と同じ土俵で戦う気がない。
ゲームの中に存在するものを、すべて利用しようとする。
その発想が恐ろしい。
そして何より、本人が楽しんでいるのがひどい(笑)。
NPCに爆弾を取り付ける外道プレイ。これぞ鉛筆戦士!
今回のペンシルゴンの戦い方は、本当にひどかった。
NPCに爆弾を取り付け、相手を罠に誘い込む。
普通のプレイヤーなら、NPCを守る対象として考えることもあるだろう。
しかし、ペンシルゴンにとっては違う。
利用できるものなら、何でも利用する。
しかも、相手がその行動を予想できないことまで計算している。
この戦法が、実に彼女らしい。
ただ強い攻撃を使うだけではない。
相手の常識を利用して、判断を狂わせる。
そして、混乱したところをさらに追い詰める。
ルーカスにしてみれば、たまったものではない。
まさか、世界大会でこんな戦い方をされるとは思っていなかっただろう。
しかも、対戦相手は楽しそうにしている。
自分が追い詰められている一方で、相手はどんどん生き生きしていく。
これは精神的にもきつい。
読んでいるこちらは爆笑していたが、対戦相手の立場になったら笑えない。
これぞ鉛筆戦士!まさに外道!
そう言いたくなるほど、ペンシルゴンの本領が発揮された試合だった。
カリスマモデルの正体がこれ。サンラクの妹が憧れているのに(笑)
それにしても、ペンシルゴンの正体を考えると、余計に笑えてくる。
現実世界では、ティーンエージャーに大人気のカリスマモデルである。
美しく、華やかで、多くの人から憧れられる存在だ。
しかも、サンラクの妹まで憧れている。
しかし、ゲームの中でやっていることは、NPCに爆弾を仕掛ける外道プレイである。
この落差がすごい。
いや、本当に。
サンラクの妹は、彼女のゲーム内での姿を知ったら、どう思うのだろうか。
憧れのモデルが、対戦相手を罠にかけて大喜びしている。
しかも、周囲の観客がドン引きするほどの戦い方である。
写真には性格が映らない。
本当に、そのとおりだと思った。
もし写真に邪悪なオーラまで写るのなら、モデルとしての仕事に支障が出そうである(笑)。
しかし、そこがペンシルゴンの面白いところでもある。
外見は完璧な美女。
中身は、相手を出し抜くことに喜びを感じるゲームプレイヤー。
この二面性が強烈だ。
そして、そんな彼女がサンラクやカッツォと仲良くしているのだから、やはり類は友を呼ぶということなのだろう。
初見の夏目はドン引き。サンラクだけが平然としている
ペンシルゴンの戦いを見た夏目は、当然のようにドン引きしている。
まあ、無理もない。
普通の感覚なら、あの戦い方を見て驚くのが自然だろう。
NPCに爆弾を取り付けて、対戦相手を罠にかける。
しかも、本人は楽しそうに笑っている。
そんな光景を見せられたら、言葉を失う。
しかし、その隣にいるサンラクは違う。
エナジードリンクを片手にくつろぎ、ときどき解説まで入れている。
この温度差が面白すぎた。
夏目にとっては衝撃的な光景でも、サンラクにとってはいつものペンシルゴンなのだろう。
むしろ、あの程度では驚かないのかもしれない。
長年の付き合いというのは恐ろしい。
普通なら引くような行動でも、彼らの間では日常になっている。
その一方で、ペンシルゴン本人は、たまっていた衝動を発散するかのように楽しんでいる。
しかも、どんどん肌のツヤがよくなっていくように見える。
あれだけ外道なことをしているのに、美貌まで上がっていくのか?
いや、どういう仕組みだ(笑)。
普通ならストレスで疲れるところだろう。
しかし、ペンシルゴンの場合は逆なのだ。
好き放題に戦うことで、むしろ元気になっていく。
この人、本当にゲームを楽しんでいるなと思った。
ただし、楽しみ方が少々特殊すぎる。
観客はドン引き、実況はフリーズ。会場全体がカオス状態
ペンシルゴンの試合が面白いのは、本人の戦い方だけではない。
それを見ている周囲の反応が、またおかしい。
観客はドン引き。
解説者も、あまりの展開に言葉を失っている。
そして実況まで、ペンシルゴンのやらかしにフリーズして沈黙。
いや、実況が黙ってどうする(笑)。
本来なら、試合の状況を伝えるためにしゃべり続ける立場である。
その実況担当者ですら、何を言えばいいのか分からなくなってしまう。
ペンシルゴンの外道プレイが、どれほど常識外れなのかがよく分かる場面だった。
対戦相手のルーカスは、次々と罠にかかって大混乱。
そして、チームメイトのシルヴィアは苦笑い。
この時点で、会場全体がカオスである。
しかも、次に戦う予定の選手は、遠距離恋愛中の彼女に夢中で試合を見ていない。
いや、見ろよ(笑)。
これだけ異常な試合が繰り広げられているのに、まったく別のことを考えている人物までいる。
一人ひとりの反応がバラバラで、まとまりがない。
しかし、そのまとまりのなさが面白い。
真剣に勝負している者。
相手の戦法に困惑している者。
楽しそうに罠を仕掛けている者。
あまりの展開にフリーズして、実況すらできなくなっている者。
そして、エナジードリンク片手にくつろいでいるカボチャ頭。
もう、どういう状況なのか(笑)。
世界大会という大舞台なのに、まるでいつもの仲間内で騒いでいるような雰囲気になっている。
この空気が好きだ。
シルヴィア・ゴールドバーグの存在感。カッツォとの対決が待ち遠しい
今回、もう一人気になったのがシルヴィア・ゴールドバーグである。
カッツォのライバルであり、世界トップクラスの実力を持つプロゲーマーだ。
彼女は、カッツォとの対決を楽しみにしている。
だからこそ、カッツォがいないことを知って、わざわざ確認しに来る。
その相手に、ペンシルゴンがトイレで戦っているなどと答えるのだから、ひどい話である。
しかし、シルヴィアもまた、ゲームに対して強い情熱を持っている人物だと感じた。
勝負を楽しみにしているからこそ、相手がいないことが気になる。
そして、カッツォが戻ってきたときには、全力で戦いたいと思っているのだろう。
この関係がよかった。
単なる敵対関係ではない。
互いの実力を認め、戦うことそのものを楽しみにしている。
そんなライバル関係が伝わってくる。
それにしても、カッツォが戻るまでの時間稼ぎが、ここまで騒がしいことになるとは。
本人が戻ってきたとき、仲間たちがどんな試合をしていたのか知ったら、どう思うのだろう。
特にペンシルゴンの外道プレイについては、ぜひ感想を聞いてみたい(笑)。
やっぱりサンラク、ペンシルゴン、カッツォの三人組が好きだ
『シャングリラ・フロンティア』第14巻は、世界大会という真剣勝負の舞台でありながら、笑える場面が多い一冊だった。
カッツォが会社の都合で別のゲームに参加しており、戻るまで二時間を稼がなければならない。
そのために、夏目、ペンシルゴン、サンラクが奮闘する。
最初の夏目は、ヒール役まで引き受けて24分間を稼ぐ。
試合には負けてしまったが、チームのために真剣に戦う姿が印象的だった。
そして、次鋒のペンシルゴン。
こちらは、もうひどかった(笑)。
NPCに爆弾を取り付け、対戦相手を罠にかける。
しかも、本人はものすごく楽しそうである。
観客はドン引きし、解説者も実況も、あまりのやらかしにフリーズして沈黙する。
相手のルーカスは混乱し、シルヴィアは苦笑い。
その横でサンラクは、エナジードリンク片手にくつろいでいる。
この状況が面白すぎた。
特に、ペンシルゴンが外道な戦い方をすればするほど、生き生きしていくのが笑える。
普段はカリスマモデルとして憧れられている人物が、ゲームの中ではこれなのだ。
サンラクの妹が彼女に憧れていることを考えると、何とも複雑な気持ちになる。
写真には性格が映らない。
本当に、それに尽きる(笑)。
そして、サンラクのカボチャ頭。
原作ではエナジードリンクを飲んでいる最中に光り、漫画版ではペンシルゴンに口をパカパカさせられたうえ、発光ボタンまで押されてしまう。
突然光り始めたカボチャ頭に戸惑うサンラク。
それを見て爆笑するシルヴィアと、困惑するジョンソン。
このやり取りも面白かった。
ゲームの腕前は一流なのに、どうしてこんなにおかしいのだろう。
しかし、そんなところがサンラクの魅力でもある。
真剣にゲームへ取り組む一方で、仲間たちとのやり取りでは遠慮がない。
ペンシルゴンもカッツォも同じだ。
それぞれが高い実力を持っているのに、集まるとろくなことにならない。
この破天荒な三人組、やっぱり好きだわ。
今回も、そんなことを改めて感じた。
世界大会の勝敗ももちろん気になる。
しかし、それ以上に、彼らが次に何をやらかすのかが楽しみで仕方ない。
特に、カッツォが戻ってきた後のシルヴィアとの対決は見逃せない。
ペンシルゴンが散々かき回した大会を、今度はカッツォがどう盛り上げるのだろうか。
そして、サンラクのカボチャ頭は、また何かやらかしてくれるのだろうか(笑)。
真剣勝負と悪ふざけが同居している。
その絶妙なバランスこそ、『シャングリラ・フロンティア』の大きな魅力だと感じた第14巻だった。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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備忘録
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第126話 季節外れのカボチャとくっ殺しない女騎士(アニメ 2期 50話)
シルヴィアの出場順変更
GGC当日の朝、カッツオたちは会場へ向かった。
現地で対戦表を確認すると、シルヴィアの出場順が当初想定していた四番手ではなく、三番手へ変更されていた。
ペンシルゴンたちの作戦は、シルヴィアが四番手として登場するまで試合時間を引き延ばし、その間に『RWH6』世界大会へ出場するカッツオを戻らせることを前提としていた。そのため、シルヴィアが一つ前へ出たことで、確保できる時間が大幅に減ってしまった。
カッツオは『RWH6』の試合をさらに早く終わらせなければならなくなり、ナツメも自分たちの側で失敗が許されなくなったと緊張した。
しかしサンラクは、難易度がさらに上がっただけだと受け止める。
もともと簡単な作戦ではなく、そのために準備してきた以上、それぞれができることをやるしかなかった。
本番へ向けた最後の準備
ペンシルゴンとサンラクは、試合を盛り上げるための衣装を用意していた。カッツオは本当にその姿で出場するのかと呆れたが、二人にとって仮装も作戦の一部であった。 出発直前、カッツオはサンラクへアメリカ製のエナジードリンクを渡した。それはメーカーの新作である『ライオットブラッド・トゥナイト』であり、サンラクは珍しい本場の商品に喜んだ。 やがて『RWH6』世界大会への呼び出しが届く。 サンラクはカッツオへ、自分たちが必ずカッツオの出番を作るため、向こうでは思い切り戦ってくるよう送り出した。 カッツオも仲間を信じ、『RWH6』の試合を終えた後に『ギャラクシア・ヒーローズ:カオス』の会場で再会することを約束して別れた。
エキシビションマッチ開幕
午前十時、『ギャラクシア・ヒーローズ:カオス』のスペシャルエキシビションマッチが始まった。 実況を担当する笹原エイトと、解説役として招かれたプロゲーミングチーム『若野牛』の浅間絢斗が観客へ試合を紹介する。 最初に登場したのは、アメリカのマルチプロゲーミングチーム『Zodiac Cluster』の格闘ゲーム部門『StarRain』であった。 『StarRain』はその年に参加した八大会のうち六大会を制している強豪であり、特に中心人物であるシルヴィア・ゴールドバーグは無敗を維持していた。 その強豪へ挑む日本側として、『電脳大隊』格闘ゲーム部門『爆薬分隊』が紹介された。
飛び入り参加した二人
『爆薬分隊』には事情により二人の飛び入り参加者が加わっていた。 一人はカボチャ型のヘルメットをかぶったサンラクであり、もう一人は女騎士姿のペンシルゴンだった。二人の派手な姿に会場から驚きの声が上がり、実況と解説も困惑するほどであった。
サンラクの衣装は、FPS作品『レクイエム・フォー・アーミーズ』に登場する傭兵ジャックを再現したものだった。ジャックは主人公の前に立ち塞がり、時に肩を並べ、最後は核爆弾と共に深海へ消えた顔のない傭兵であり、常にジャック・オー・ランタンを模したヘルメットを着用して素顔を知られていない。その設定から、「顔無し」であるサンラクに合う衣装として選ばれていた。
一方のペンシルゴンは、亡国の城を死後も守り続ける『サイレント・グレイス』の女騎士『名無し』を再現していた。
ペンシルゴンには他にも候補があったが、ナツメから与えられた名前とのつながりから、この衣装を選んでいた。 仮装していないナツメは、二人の姿が目立つせいで自分だけ場違いに見えることを気にしたが、自身までコスプレすることは拒んだ。
カッツオを探すシルヴィア
『StarRain』側も、カボチャ頭と女騎士姿の二人が飛び入り参加者であることに気づいた。 しかしシルヴィアが最も気にしたのは、カッツオの姿が見当たらないことであった。 日本側の選手が一人足りないことは実況にも指摘されたが、サンラクはカッツオが必ず現れ、シルヴィアを倒しに来ると伝えた。 一方、ペンシルゴンはカッツオが遅れている理由を適当にごまかし、予定通り試合を進めさせた。 日本側はナツメ、ペンシルゴン、サンラク、そして最後にカッツオという登録となり、カッツオ不在のまま三人で試合開始を迎えることになった。
StarRain対爆薬分隊
試合は勝ち抜き戦で行われ、バトルステージには『ケイオースシティー』が選択された。 『キューブゲットによる勝利』と『市民』の要素も有効となり、通常の対戦とは異なる展開が起こり得る設定となっていた。 こうして、シルヴィア率いる『StarRain』と、カッツオの帰還まで時間を稼がなければならない『爆薬分隊』によるスペシャルエキシビションマッチが幕を開けた。
第127話 因縁模倣、汝悪に忠実たれ
Lucas対ナツメの第一試合
『ギャラクシア・ヒーローズ:カオス』のスペシャルエキシビションマッチが始まり、第一試合では『StarRain』のLucasと『爆薬分隊』のナツメが対戦することになった。
サンラクたちはLucasが前作で世界ランキングトップ20に名を連ねた実力者であり、対戦相手を研究して強くなる頭脳派だと分析した。一方、ナツメには、三番手のシルヴィアとカッツオを対戦させるため、可能な限り時間を稼ぐ役目が課されていた。
三人で約二時間を稼ぐ必要があり、厳しい条件ではあったものの、ナツメは自分の役割を果たす覚悟を固めた。 ナツメはユグドライア、LucasはDr.サンダルフォンを選択した。二人は同じ作品に登場するヒーローとヴィランの関係であり、この組み合わせ自体がナツメたちの狙いに適していた。
原作再現ロールプレイによる時間稼ぎ
サンラクたちが考えた作戦は、キャラクターになりきって原作の関係性を再現するロールプレイであった。 『ギャラクシア・ヒーローズ:カオス』では、会話や行動を通じて原作の展開を再現することで、対戦そのものをコントロールできる余地があった。相手をロールプレイへ巻き込めれば、試合展開を遅らせ、時間を稼ぎやすくなると考えられていた。 しかし、Lucasはアメリカ人であり、ナツメが英語を話せないことが問題となった。その直後、ゲーム内で新機能『バベル』が起動した。
リアルタイム翻訳機能『バベル』
『バベル』は、ユートピアコンピュータエンターテイメントが世界展開を予定しているリアルタイム・トランスレート・システムであった。 ユーザーの脳波を利用して発言をリアルタイムで翻訳し、さらにAI解析によってプレイヤー同士の音声を互いの言語へ変換する機能であり、言葉の違うプレイヤー同士でも直接会話できるようになっていた。 これによりナツメとLucasの言語の壁はなくなったものの、サンラクは想定外の新機能によって事前に組んだ作戦が不安定になったと感じていた。 試合は一ラウンド10分、二ラウンド先取制で行われ、相手プレイヤーの撃破かケイオースキューブの確保が勝利条件となった。
ユグドライアになりきるナツメ
ラウンド開始後、ナツメは時間を稼ぐため、恥ずかしさを押し殺してユグドライアになりきった。 ユグドライアを、マッドドクターによって肉体を改造され、世界そのものを憎むヴィランとして演じ、周囲のNPCを利用しながらDr.サンダルフォンへ挑発を仕掛けた。さらにNPCを巻き込み、相手が簡単には攻撃へ移れない状況を作ろうとした。 しかしLucasはすぐにはロールプレイへ乗らず、ナツメの行動を前に困惑して足を止めた。 想定した形とは異なったものの、結果としてLucasの行動を止めることには成功していたため、サンラクたちは時間稼ぎの第一歩として悪くない展開だと評価した。
羞恥心との戦い
一方のナツメは、実際にキャラクターになりきって大げさな振る舞いを続けることに強烈な羞恥心を覚えていた。 Lucasから思うような反応が返ってこなかったことで耐え切れなくなり、何でもいいから反応してほしいと訴えるほど追い詰められた。 その様子を見ていたサンラクやペンシルゴンは、まだ恥じらいが残っているとして辛口の評価を下した。NPCを盾に利用した行動についてはヴィランらしさが出ていたと評価され、結果としてLucasを足止めできた点も認められた。 こうしてナツメは、自身の羞恥心と戦いながら、カッツオへつなぐための時間稼ぎを開始した。
第128話 Not インフォームド・コンセント
人質と罠を使った時間稼ぎ
第一ラウンドでは、ナツメがユグドライアとして病院内を逃げ回りながら、NPCを人質として利用してLucasを足止めした。 Lucasが操るDr.サンダルフォンは近距離戦を得意としていたが、ユグドライアは設置技を使って距離を取り続けた。さらにナツメは子供のNPCまで盾として利用し、ヒーロー側が無闇に攻撃できない状況を作った。 ヒーローが人質ごと攻撃すればゲージが増加しないばかりか、NPCの猜疑心によってゲージの蓄積へデバフがかかる仕様であったため、人質作戦は予想以上の効果を発揮した。ナツメはユグドライアらしい悪役としての振る舞いを続けながら、Lucasの体力を少しずつ削っていった。
Lucasの超必殺技
試合開始から七分が経過してもナツメが優勢を保っていたが、周囲のNPCは次第に減っていった。 そんな中、Dr.サンダルフォンに着信が入り、超必殺技が発動した。Lucasの身体能力が一時的に大幅強化され、一気にナツメとの距離を詰めた。 接近戦では不利なナツメだったが、残り時間はわずか五秒だった。それまでに作った体力差もあり、超必殺技による攻撃を耐えながら時間切れまで逃げ切った。 そのまま第一ラウンドはタイムアップとなり、ナツメが勝利した。
第一ラウンドの目標達成
ナツメは一ラウンド丸ごと使って十分間の時間稼ぎに成功した。 次の第二ラウンドでは、制限時間ぎりぎりまで逃げ続け、最終的には敗北しても構わないと考えた。その間に第三ラウンドへ向けてゲージを蓄積できれば、当初の作戦通りとなるはずだった。 しかし試合を見ていたサンラクたちは、表面上は上手く進んでいるものの、Lucasの戦い方に違和感を覚えていた。
第一ラウンドで研究していたLucas
第二ラウンドが始まると、ナツメは再びNPCを人質に取った。 ナツメ自身も、第一ラウンドの勝利をLucasが意図的に譲った可能性を考えていた。Lucasは第一ラウンドを使い、ナツメの動きを研究していたのである。 一方のナツメもLucasの行動を観察しており、人質を優先して救助すると予測してカウンターを狙った。 しかしLucasはその考えまで読んでいた。ナツメが出す牽制を予測して足払いを仕掛け、バランスを崩させながら人質を救助した。 さらにナツメが下段への対応を狙うと、Lucasは首元を攻撃した。人質を傷つけることなくナツメだけを狙い、的確に攻撃を当てていった。
隠されていたLucasの戦い方
ナツメは、自分の動きが読まれているだけでなく、Lucas自身の動きが第一ラウンドとは明らかに違っていることに気付いた。 第二ラウンドでは蹴り技が増えており、第一ラウンドで見せていた攻撃だけがLucasの全てではなかった。 Lucasは最初のラウンドで使用する技の種類を意図的に制限し、ナツメに自分の本来の戦い方を研究させないよう立ち回っていたのである。 第一ラウンドは元から捨てるつもりで戦いながらナツメの情報を集め、自分については必要以上の情報を与えない。そのうえで第二ラウンドから本来の戦い方へ切り替え、一気に勝負を決める狙いだった。
三分で崩された作戦
第一ラウンドでは十分間を稼いだナツメだったが、第二ラウンドではLucasの読みと戦術に対応できなかった。 Lucasはナツメの人質作戦も行動パターンも把握しており、第一ラウンドとは異なる攻撃を次々と繰り出した。 その結果、ナツメが第二ラウンドで稼げた時間はわずか三分ほどとなった。第三ラウンドへ向けて必要だったゲージもほとんど蓄積できず、予定していた時間稼ぎの作戦は大きく崩れることになった。 ナツメは、情報を与えず相手だけを研究していたLucasの頭脳戦によって追い詰められ、第三ラウンドをどう勝ち抜くかという難題に直面した。
第129話 掉棒打星、されど振らぬ事には始まらない
ケイオースキューブを狙うナツメ
第三ラウンド開始から三分が経過し、ナツメはLucasとの直接戦闘を避けながらゲージを溜めていた。正面から戦っても勝ち目が薄いと判断し、ケイオースシティー内のどこかに一つだけ配置される「ケイオースキューブ」を確保して勝利する作戦を選んでいた。 しかし、目ぼしい場所を探してもキューブは見つからなかった。さらにLucasは第二ラウンドですでにゲージを蓄積しており、先にキューブを発見されればナツメの勝機はほぼ失われる状況だった。 やがて上空の報道ヘリに気付いたナツメは、その先にケイオースキューブを発見する。ところが同時にLucasにも居場所を突き止められ、【サイコフィスト】による攻撃を受けた。
ヴィランの行動から追跡するLucas
Lucasはナツメがケイオースキューブを狙っていたことを理解した。 ヴィランはゲージを増やすために街で騒動を起こす必要があり、その結果として警察や報道ヘリが集まってくる。Lucasはそれらを手掛かりにナツメの居場所を突き止めていたのである。
ケイオースキューブは別のビルにあり、ユグドライアの通常の跳躍力では届かない距離だった。加えてキューブ確保にはゲージを満タンに保つ必要があり、超必殺技だけでなくゲージを消費する通常技さえ自由に使えない。
Lucasはナツメの戦い方を理にかなったものと評価しながらも、相手の行動を読み解く自分にとっては戦いやすいタイプだと判断した。そして【着信:巨いなる軀体】を発動し、身体能力を大幅に上昇させて一気に追い詰めた。
罠種子を利用したビル間移動
追い込まれたナツメは、離れたビルへ向かって【罠種子】を伸ばした。 成長した罠種子をロープのように利用し、そのまま空中を渡って向かいのビルへ移動することに成功した。しかし、ケイオースキューブがあるのはさらに上の屋上であり、強化状態のLucasならすぐに追いつける状況だった。 ナツメは、屋上へ向かいながら建物を破壊してゲージを溜める方法も考えたものの、すでに間に合わないと悟る。
敗北を受け入れかけるナツメ
ナツメは、自分ではLucasに勝てないのではないかと考え始めた。 最近は敗北が続き、これまでなら納得できない負け方をすれば再戦を求めていた。しかし、相手の戦術に主導権を握られ続ける中で、いつしか敗北そのものを受け入れようとしている自分にも気付いていた。 その一方で、過去に受動的な考え方では主導権を相手に握られると指摘されたことや、カッツオがシルヴィアに必ず勝つと決意していた姿が脳裏をよぎる。 ナツメは、この試合だけは負けたくないという気持ちを再び強くし、考え過ぎることを止めた。
グリーン・グラウンド・ゼロ
ナツメはゲージを全解放し、【グリーン・グラウンド・ゼロ】を発動した。 それまでの逃走や罠を中心とした戦い方から一転し、Lucasへ真正面から猛攻を仕掛ける。攻撃は不規則で、Lucasから見ても狙いを読みづらいものとなった。 Lucasは、それまで研究してきたナツメの戦術とは異なる動きに戸惑い始める。 サンラクは、すでに動きを読まれているのなら、逆に出鱈目に攻めた方がLucasのような研究型の相手には有効だと見抜いた。さらに、それは単なる無謀な攻撃ではなく、「爆薬分隊」で現役を続けているプロゲーマーが全力で仕掛ける攻勢だった。
プロゲーマー・ナツメの反撃
Lucasはナツメの抵抗を悪あがきと見なし、諦めるよう促した。 しかしナツメは、ユグドライアというキャラクターとしてではなく、プロゲーマーの夏目恵として戦う覚悟を固めていた。 それまで積み上げてきた戦術や読み合いを一度捨て、勝利への執念そのものを前面に出してLucasへ食らいつく。 第三ラウンドは、逃げ続けてケイオースキューブを狙う戦いから、ナツメ自身の意地を懸けた真正面からの勝負へと変わっていった。
第130話 足掻く先鋒、笑う外道、光る変態
ナツメの敗北
ナツメは最後までLucasへ猛攻を仕掛けたものの、Lucasはその攻撃を冷静に捌き切った。第三ラウンドはLucasの勝利で決着し、『StarRain』が一歩リードした。 ナツメは、もともとカッツオに誘われたことが嬉しくて今回のエキシビションマッチへの出場を承諾していた。しかし三ラウンドを戦い抜いた末に一勝もできなかったことで、自分でも予想していなかったほど強い悔しさを感じていた。
ナツメを励ます仲間たち
戻ってきたナツメは、一勝もできなかったことを仲間たちへ謝ろうとした。 しかしサンラクたちはカボチャヘルメットの装備を利用した腹話術や発光機能でふざけ始め、落ち込んでいたナツメを笑わせた。仲間たちはナツメの戦いを高く評価し、十分に良い試合だったと伝えた。 ナツメも次第に気持ちを切り替え、残る試合を仲間へ託した。 一方、ナツメがカッツオのために奮闘していたにもかかわらず、その本人は試合を見ていなかったことが話題になる。映像は残ると聞いたナツメは、もっと格好いいところをカッツオに見せたかったと漏らし、周囲から冷やかされることになった。
Lucasがナツメに興味を持つ
Lucasは、完全に追い詰めたと思っていた状況から一矢報いたナツメの戦いを評価していた。 試合後に連絡先を聞こうと考えたことで、シルヴィアとジョンソンから呆れられる。アレックスも会場に来ている恋人を探しており、『StarRain』側は勝利直後とは思えないほど緊張感の薄い雰囲気となっていた。 ジョンソンは、先鋒のプロゲーマーを倒されたにもかかわらず、相手チームにも余裕が残っていることを気にする。そして正体不明の助っ人であるペンシルゴンとサンラクが、単なるエキシビション用の変わり種なのか、それとも実力を隠しているのか警戒した。
第二試合へ向かうペンシルゴン
五分間の休憩を挟み、第二試合が始まることになった。 『StarRain』からは第一試合を勝ち抜いたLucasが続投し、『爆薬分隊』からはペンシルゴンが出場した。 ナツメは十分に時間を稼げなかったことを気にしていたが、ペンシルゴンは休憩時間を含めて二十五分確保できたため問題ないと答え、ナツメの分まで時間を稼ぐつもりで試合へ向かった。 観客たちは、プロではないと思われるペンシルゴンが強豪『StarRain』のLucasを相手にすることへ疑問を抱いていた。
クロックファイアを選ぶペンシルゴン
Lucasは引き続きヒーローのDr.サンダルフォンを使用し、ペンシルゴンはヴィランのクロックファイアを選択した。 クロックファイアはユグドライアと同じく設置技を扱うキャラクターだったが、相手の攻撃を待つカウンター型ではなく、自ら動きながら仕掛けを作る攻撃型だった。 ペンシルゴンがLucasを相手に自信を見せていることをナツメは不思議に思ったが、サンラクはペンシルゴン自身の格闘ゲームの実力は特別高いわけではないと明かした。何もない場所で純粋に戦えば、ナツメでも連勝できるほどの差があると見ていた。
自由度の中で本領を発揮するペンシルゴン
一方でサンラクは、自由度を与えられた時こそペンシルゴンの本領が発揮されると考えていた。 ペンシルゴンは与えられた環境そのものを利用し、自分に有利な状況へ作り変えていくことを得意としていた。『シャンフロ』と同じゲームエンジンによって高い自由度を持つ『ギャラクシア・ヒーローズ:カオス』は、その能力を発揮するには非常に相性の良い舞台だった。 さらに最近のペンシルゴンは、『シャンフロ』でPKをやめて比較的おとなしくプレイしていた。 その反動もあり、サンラクはペンシルゴンの内側にある本性が限界まで溜まりつつあると見ていた。 第二試合では、自由度の高い戦場を与えられたペンシルゴンが、ヴィランとしてどのような戦いを見せるのかが焦点となった。
第131話 悪辣は陰に潜み平穏を嗤う
ペンシルゴンの本性
第二試合が始まり、ペンシルゴンはビルの屋上からLucasの位置を探していた。 ペンシルゴン(天音永遠)は今をときめくカリスマモデルであり、「トレンドの最先端は天音永遠に学べ」と言われるほど若年層から絶大な人気を集め、彼女の着た服が次の流行につながるほどの影響力を持っていた。ナツメも以前はその華やかなイメージを抱いていたが、実際に会ったことで、本人は想像以上に過激な性格だと感じていた。 サンラクは、ゲームの中で普段とは違う自分を出す程度なら珍しくないものの、ペンシルゴンの場合はその程度ではないと考えていた。
少女へ渡されたクマのぬいぐるみ
街中を移動するペンシルゴンは、アイスを持った少女とぶつかった。アイスを落としてしまった少女に謝罪すると、お詫びとしてクマのぬいぐるみを渡した。 少女は喜び、母親もペンシルゴンへ礼を述べた。 しかし、そのぬいぐるみには爆弾が仕込まれていた。 ペンシルゴンは、強い衝撃を与えると危険だと説明し、さらに任意で爆発させることも可能だと明かした。ぬいぐるみは少女から離れなくなっており、母親が無理に剥がしたり逃げたりすれば爆発すると脅した。 そのうえで、娘を守りたければ自分の指示へ従うよう母親へ要求した。
NPCを利用するペンシルゴン
ペンシルゴンの行動を見た実況と解説は、そのあまりに悪辣な戦法に言葉を失った。 さらにペンシルゴンは別の市民にも爆弾を仕掛け、街のNPCたちを次々と自分の作戦へ組み込んでいった。 サンラクは、クロックファイアが自作爆弾によって平穏を破壊することを楽しむサイコボマーであると説明した。 ナツメはペンシルゴンの行動をキャラクターになりきったロールプレイなのかと考えたが、サンラクは否定した。 ナツメが無理をしてキャラクターを演じていたのとは違い、クロックファイアはペンシルゴン自身が持つ悪辣さを最大限に発揮できるキャラクターであり、本人が好きなように行動するだけで自然とキャラクターらしい戦いになるのだった。
Lucasを襲う市民たち
Lucasはペンシルゴンを探して街を移動していたが、すでにその場を離れた後だと判断し、NPCから情報を集めようとした。 ところが、突然市民がLucasへ襲いかかった。 さらに別のNPCが上空からLucasへ飛び降り、次々と市民が接近してきた。母親はペンシルゴンからLucasの上へ飛び降りれば助けてもらえると指示されており、別の男性も妻を人質に取られていた。 少女も爆弾付きのぬいぐるみを抱えたままLucasへ助けを求めていた。 Lucasは、ペンシルゴンが人質となったNPCを利用して自分へ攻撃させている状況を理解した。
悪辣さと自由度の融合
ペンシルゴンは、自分自身が直接Lucasと戦うのではなく、高い自由度を持つゲームシステムを利用してNPCたちを脅迫し、街そのものを罠へ変えていた。 Lucasは市民を無闇に傷つけることもできず、ペンシルゴンの仕掛けた状況への対処を迫られた。 サンラクは、自由度の高い『ギャラクシア・ヒーローズ:カオス』のゲーム性と、クロックファイアという悪辣なキャラクター性の両方を手に入れたペンシルゴンを相手にすれば、地獄の悪鬼ですら逃げ出すほどだと評した。 ペンシルゴンは、自分の思惑通りに動かされたLucasたちを見ながら、作戦が順調に進んでいることを確かめていた。
第132話 外道劇場にて踊れや踊れ
爆弾付きNPCによる自爆攻撃
ペンシルゴンが仕掛けた爆弾付きのNPCたちがLucasへ殺到した。
Lucasは【硬質強化】を発動して爆発を耐えたものの、大きな被害を受け、ペンシルゴンのやり方に怒りを募らせた。 ペンシルゴンは最初の挨拶は済んだと満足し、まだ時間は十分に残っているとして次の仕掛けへ移った。 観戦していたナツメは、少女たちの憧れであるカリスマモデルが行っているとは思えない戦法に困惑した。
実況席もNPCを脅迫してLucasへ自爆させる行為に言葉を失い、会場からは激しいブーイングが起こった。
プリティー・BBを利用した人質戦術
ペンシルゴンはヘリコプターを利用し、上空からLucasの様子を確認していた。 Lucasのもとへ、身体に爆弾を付けられたNPCが助けを求めて近づいた。
Lucasは近寄らないよう警告したが、NPCはペンシルゴンの指示に従って接近し、爆発に巻き込もうとした。 ペンシルゴンが使っていたのは、爆弾を仕込んだクマのぬいぐるみ「プリティー・BB」であった。
一度に最大二十体まで出すことができ、強い衝撃で爆発するほか、ペンシルゴンが左目で視認している間は任意で起爆できた。 ただし任意爆破には、仕掛けた順番に起爆しなければならない制約があった。
Lucasは建物の陰へ移動しても爆発が続くことから監視されていると判断し、ペンシルゴンがヘリコプターを奪って上空から見ていることに気づいた。
ヘリを捨てたペンシルゴン
居場所を見破られたペンシルゴンは、次の段階へ移るためヘリから離脱した。 Lucasはペンシルゴンが屋上へ向かったと考え、ビルの中へ突入した。途中には爆弾を付けられたNPCがおり、Lucasはペンシルゴンが近くに潜んで罠を仕掛けていると判断した。 さらに上階へ向かって追跡を続けたが、その頃にはペンシルゴンはエレベーターを使って下へ降りていた。 二人は完全にすれ違い、Lucasだけがペンシルゴンを求めてビルを駆け回る形となった。
ペンシルゴンに翻弄されるLucas
実況席からも、Lucasが完全にペンシルゴンに弄ばれている様子が指摘された。 サンラクは、自由に行動するNPCを利用できる状況ではペンシルゴンの厄介さが何倍にも増すと見ていた。それは単純な戦闘能力ではなく、相手を徹底的に苛立たせる戦い方にあった。 ようやくペンシルゴンがすでにビルから離れていると気づいたLucasだったが、彼女から一度も触れられないまま終わると挑発されたことで怒りを爆発させた。 Lucasは【着信:巨いなる軀体】を発動し、ペンシルゴンへ一気に迫った。
怒りを利用した最後の罠
ペンシルゴンはLucasを挑発して正面から迎え入れた。 Lucasはついに相手を捕らえたと思い、【サイコフィスト】を叩き込んだ。しかし攻撃したペンシルゴンは本人ではなく、仕掛けられていたダミーであった。 その直後、Lucasは最後の罠に巻き込まれ、第一ラウンドを落とした。 勝者はペンシルゴンとなった。
ペンシルゴンが作り出した判断の隙
試合後、Lucasが敗れた原因として、怒りによる判断力の低下が指摘された。 本来のLucasであれば最後のダミーにも早い段階で気づけるはずだった。しかしペンシルゴンは、NPCを人質や爆弾として利用し、逃げ回りながら挑発を繰り返していた。 その嫌がらせによって蓄積したストレスと怒りがLucasの思考を蝕み、普段なら生まれない判断の隙を作っていたのである。 ペンシルゴンは、その一瞬の隙を逃さず勝利へつなげていた。 Lucasは、これほど悪辣な戦い方をする相手は初めてだと認めながらも、一方的に翻弄されたままで終わるつもりはなく、次のラウンドでの反撃へ意識を切り替えた。
第133話 裏の裏の裏の裏をかく
ヴィランが序盤に有利な理由
第二ラウンドが始まる中、実況席から話を振られたサンラクは、ボイスチェンジャーを起動させてゲームシステムを解説した。 サンラクはこのゲームを「ヴィランは鉛筆、ヒーローは消しゴム、ステージは白紙のノート」と喩え、序盤はノートを汚してゲージを溜められるヴィランが有利であり、後半は汚れが増えて消せる場所(救助対象)が増加するためヒーローが有利になると説明した。 この仕組みから、ヴィランはヒーローと直接戦うよりも、接触する前に可能な限りゲージを稼ぎ、発見されないように行動した方が効率的であるとサンラクは分析した。ペンシルゴンも直接戦闘を避けながら準備を整えるタイプであった。
第二ラウンドで戦術を変えたLucas
しかし第二ラウンドのLucasは、第一ラウンドとは異なる動きを見せた。 Lucasは周囲のNPCを救助してゲージを稼ぐことを捨て、開始から約一分半でペンシルゴンのもとへ到達した。ペンシルゴンはまだ工作を進めている最中であり、Lucasは爆発を繰り返せば位置が露見すると見抜いていた。 ペンシルゴンは挑発を交えながら応戦したものの、Lucasは前ラウンドのように翻弄されず、一気に距離を詰めて攻撃を仕掛けた。 ペンシルゴンは格闘戦では押され、防御を強いられる展開となった。
使えなくなったプリティー・BB
ペンシルゴンが第一ラウンドで多用した「プリティー・BB」を使わない理由も明らかになった。 このゲームでは、前ラウンド終了時の建物の破壊状況やNPC、プレイヤーが設置したアイテムなどが次のラウンドにも引き継がれる仕様となっていた。 そのため第一ラウンドで設置したプリティー・BBもそのまま残っていた。 プリティー・BBの任意爆破は、設置した順番通りにしか行えない。つまり第一ラウンドで残したBBを先に処分しなければ、新しく設置したBBを自由に爆破することができなかった。 ペンシルゴンはLucasから逃げながらフィールド内を移動し、前ラウンドから残っていたBBを順番に爆破していたのである。
Lucasの猛攻と最後の一体
ペンシルゴンが残ったBBを処理している間、Lucasはその隙を逃さず追撃した。 Lucasはプリティー・BBを自由に使えないペンシルゴンを追い詰め、【サイコフィスト】を繰り出した。建物を破壊すればゲージに多少のペナルティが発生するものの、戦闘能力を落としている相手を倒せるなら大きな問題ではないと判断していた。 Lucasはついにペンシルゴンを捕らえ、第一ラウンドで翻弄された借りを返そうとした。 その瞬間、ペンシルゴンは「プリティー・BB」を使用した。 Lucasはまだ使えることに驚いたが、ペンシルゴンは任意爆破ではなく、強い衝撃によって起爆する特性を利用していた。 Lucasの攻撃による衝撃でBBが爆発し、二人とも爆発に巻き込まれた。
自爆による第二ラウンド決着
ペンシルゴンは、ダメージを受けるならLucasも巻き込む形で自爆した。 さらに、これが第一ラウンドから残っていた最後のプリティー・BBであり、この爆発によって以前設置したBBの処理がすべて完了した。 ペンシルゴンは第二ラウンドで勝利することよりも、次のラウンドへ向けた準備を優先していたのである。 そして自ら退場しながら、第三ラウンドでは最高のフィナーレを見せると予告した。
第三ラウンドへ向けた準備
第二ラウンドでペンシルゴンが稼げた時間は約七分であった。 周囲から見れば、自爆までして敗北した奇妙な戦い方であった。しかしペンシルゴン本人にとっては、第一ラウンドから残っていたプリティー・BBをすべて処理し、次の段階へ移るための準備を終えることが重要であった。 一方、ペンシルゴンは七分ではまだ時間が足りないと感じていた。それでも、すでに準備している何かを今すぐ使いたいという衝動を抱えており、第三ラウンドへ向けてさらなる仕掛けを進めようとしていた。
第134話 焚き火にガソリンをリットルで
第三ラウンド開始とLucasの追撃
第三ラウンドが始まると、Lucasはペンシルゴンが予告した最高のフィナーレを警戒しながらも、やるべきことは変わらないと判断した。前ラウンドと同じくNPCの救助を後回しにし、最短距離でペンシルゴンのもとへ向かった。 一方、観戦していたシルヴィアは、第二ラウンドのペンシルゴンの行動に違和感を抱いていた。前ラウンドから残っていたプリティー・BBを処分するだけなら、新しいBBまで設置する必要はない。それにもかかわらず、ペンシルゴンはLucasから逃げながら新たなBBを各所へ仕掛けていたのである。 さらに、策を得意とするペンシルゴンが不要なBBを大量に残したまま次のラウンドへ進んだこと自体が不自然であり、シルヴィアは別の目的が隠されていると考えた。
ペンシルゴンのスペシャルパレード
Lucasがペンシルゴンのいる場所へ到達すると、彼女は自ら仕掛けた催しをスペシャルパレードと称して迎えた。 周囲には目立った罠が見当たらず、Lucasは逃げる気がないなら一気に決着をつけようと接近した。しかしペンシルゴンは、現実では様々なしがらみによって諦めるようなことでも、ヴィランとしてなら自由に実行できると考えていた。 そしてゲームそのものを楽しもうと宣言すると、周囲で仕掛けが作動した。
第一ラウンドから続いていたビル倒壊計画
突如として高層ビルが崩れ始め、観戦者たちはプリティー・BBだけで巨大な建物を倒壊させたことに驚いた。 しかしシルヴィアは、単純な爆発による破壊ではなく、最初からビルを倒すことこそがペンシルゴンの狙いだったと見抜いた。 サンラクも一連の行動を整理した。第一ラウンドでは、ペンシルゴンが爆発を警戒させながらNPCを特定の柱付近へ留め、Lucasの行動を誘導していた。第二ラウンドでは、残ったBBを処理するふりをしながら爆発によって建物の柱へダメージを蓄積し、同時に新たなBBも設置していた。 これらはすべて第三ラウンドで建物を倒壊させるための下準備だったのである。
高層建築ドミノの発動
ペンシルゴンの仕掛けは一棟を崩すだけでは終わらなかった。 最初に倒れるビルの先にある建物の柱にもあらかじめ大きなダメージが蓄積されており、倒壊したビルが次の建物へ衝突したことで、新たな崩壊が発生した。 それを起点として次々と高層ビルが倒れ、大規模な高層建築ドミノが発生した。 街中に大量の瓦礫が降り注ぎ、建物同士が連鎖的に崩壊していく。観戦者たちは、ペンシルゴンが第一ラウンドからこの光景を作り上げるために準備していた事実を知り、その規模に驚愕した。
爆増するヴィラニックゲージ
第三ラウンド後半は本来ヴィラン側が不利になる状況であったが、ペンシルゴンが引き起こした被害は桁違いであった。 大規模な都市破壊によってヴィラニックゲージが一気に上昇し、Lucasの周囲には大量の瓦礫が積み上がった。退路も塞がれ、Lucasはペンシルゴンの狙った場所へ完全に誘い込まれていた。 ペンシルゴンは、勝利の鍵は場所とゲームの仕様を理解することにあると示し、ビルの倒壊条件を調べ上げた成果を発揮した。
最高のフィナーレ
第一ラウンドから積み重ねてきた仕掛けによって街そのものを巨大な罠へ変えたペンシルゴンは、ついに準備していた最高のフィナーレへ移った。 ペンシルゴンは、勝利の鍵は「場所」と「仕様」を知ることにあると告げ、瓦礫に囲まれたLucasの前で超必殺技【おはよう私の道化師(Wake up Clown)】を発動した。
第135話 外道劇場ヒートアップ
超必殺技【おはよう私の道化師】
ペンシルゴンは、大量に獲得したヴィラニックゲージを使い、超必殺技【おはよう私の道化師】を発動した。 巨大な道化師から無数の人形爆弾が放たれ、周囲一帯へ広範囲攻撃が降り注いだ。高層建築ドミノによる瓦礫に退路を塞がれていたLucasは、一見すると逃げ場を失った状態となった。 しかしLucasは、全キャラクターの性能を把握していた。【おはよう私の道化師】には爆発が届かない安全地帯が一か所だけ存在し、それが巨大な道化師の頭上であることを知っていた。 身体能力を強化する超必殺技が使えない状況でありながら、Lucasは周囲で爆発するプリティー・BBの爆風を利用して跳び上がり、安全地帯である道化師の頭上へ到達した。
ペンシルゴンが用意したメインステージ
自分の作戦を破ったと確信したLucasだったが、ペンシルゴンはその行動すら想定していた。 Lucasが道化師の上へ乗った直後、さらに複数の巨大な道化師が出現した。ペンシルゴンは超必殺技を連続して発動し、それも三つを同時に展開した。 大量のゲージを必要とする超必殺技を連発しているにもかかわらず、ヴィラニックゲージはMAXから減少しなかった。 観戦していたシルヴィアも異常な現象に気づくが、サンラクはゲージが減っていないのではなく、超必殺技を使用した直後に再びMAXまで溜まっていると見抜いた。
高層建築ドミノに隠されていた真の目的
ペンシルゴンは第一ラウンドから第三ラウンドにかけて、ケイオースシティー中を走り回りながらNPCや市民を特定の場所へ誘導していた。 第一、第二ラウンドで行っていた行動は、高層建築ドミノを成立させるためだけの準備ではなかった。 第三ラウンドで倒壊させた高層ビルの先には、ペンシルゴンが集めた数万人もの市民が存在していた。ビルを倒し、その大量の市民を巻き込むことで、ヴィランとしての悪行判定を一気に発生させていたのである。 その結果、超必殺技で消費したヴィラニックゲージが瞬時に補充され、ゲージが事実上オーバーフローする状況が作り出されていた。 高層建築ドミノそのものは派手な演出であると同時に、その先にいる大量のNPCを巻き込んでヴィラニックゲージを生み出すための仕掛けでもあった。 ペンシルゴンは、この仕組みを見抜けなかったことこそLucasの敗因であると突きつけ、この戦法を「ゲージバースト」と名付けた。
無尽蔵の超必殺技
Lucasの周囲には巨大な道化師が次々と出現し、大量の人形爆弾が放たれ続けた。 超必殺技を使っても、その攻撃によって再び大量のヴィラニックゲージが補充される。ペンシルゴンは事実上途切れることなく超必殺技を連発できる状態となっていた。 Lucasは大量の爆発と人形爆弾に包囲され、逃げ道を完全に失った。 やがて街一帯を埋め尽くすほどの爆発が発生し、Lucasは攻撃に飲み込まれた。
ペンシルゴンの勝利
大爆発の後、勝者としてペンシルゴンの名(クロックファイア)が表示された。 観客は、街そのものを利用した規格外の戦術と、超必殺技を連続発動した異常な決着に沸き立った。 実況側も、短時間で終了した第三ラウンドながら、常識外れの規模となった戦いに驚きを隠せなかった。 一方、ペンシルゴン自身はスペシャルパレードの閉幕を宣言し、Lucasを破ったことを喜んだ。
確保した時間と残る試合
ペンシルゴンは我欲を優先して第三ラウンドをわずか三分で終わらせてしまい、時間稼ぎの観点からはサンラクに苦言を呈された。 それでもナツメの試合を含め、現時点で約五十分を稼いでいた。予定ではカッツオの到着まで約二時間あるため、このペースを維持できれば目標達成も見えてくる状況だった。 ただし、シルヴィアはカッツオ以外の相手に自分たちのメンバーが簡単に敗れた事実を受け、ようやく今回の戦いへ興味を示し始めた。 ペンシルゴンたちの予想外の強さを目の当たりにしたシルヴィアは、カッツオが連れてきた相手を面白い存在として認識し、戦いへの意欲を高めていった。
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