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フィクション(Novel)未来人A読書感想転生貴族、鑑定スキルで成り上がる

小説「転生貴族、鑑定スキルで成り上がる 3」感想・ネタバレ

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転生貴族、鑑定スキルで成り上がる3の表紙画像(レビュー記事導入用) フィクション(Novel)

鑑定スキル2巻レビュー
まとめ
鑑定スキル4巻レビュー

Table of Contents

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  1. 物語の概要
    1. ■ 作品概要
    2. ■ 主要キャラクター
  2. 書籍情報
  3. あらすじ・内容
  4. 感想
  5. 考察・解説
    1. ストーリー・プロット
        1. バルドセン砦の調略
        2. 鑑定スキルの進化
        3. ロルト城攻略戦の開始
        4. ダンドル平原の激闘と伏兵策
        5. スターツ城包囲網と魔力水の喪失
        6. クラン暗殺阻止とシャドーの仕官
        7. スターツ城陥落とトーマスの捕縛
        8. 戦後処理とカナレ郡長への道
      1. 主要な転換点
        1. 鑑定スキルの進化
        2. 魔力水襲撃による時間的制約
        3. ファムによるカウンター救出
      2. 主人公を中心とした人物関係の変化
        1. アルスとファム(シャドー)の関係
        2. アルスとクランの関係
        3. アルスとブラッハムの関係
      3. 主人公の認識と周囲の評価
        1. アルス・ローベントの自己認識と周囲の評価における乖離
        2. アルスの自己認識
        3. 周囲からの客観的評価
        4. 評価の乖離が生じた具体例
      4. クライマックス:スターツ城攻略の戦術分析
        1. 陽動フェーズ
        2. 施設制圧フェーズ
        3. 塔の占拠フェーズ
        4. 内部破壊フェーズ
      5. 巻末時点の状況
        1. 現在の立場
        2. 解決した問題
        3. 継続している問題
  6. 登場キャラクター
    1. ローベント家(ランベルク領)
      1. アルス・ローベント
      2. リーツ・ミューセス
      3. シャーロット・レイス
      4. ロセル・キーシャ
      5. ミレーユ・グランジオン
      6. ブラッハム・ジョー
    2. サレマキア家(クラン派)
      1. クラン・サレマキア
      2. ボランス
      3. ロビンソン・レンジ
    3. パイレス家(カナレ郡)
      1. ルメイル・パイレス
    4. バンドル家(ベルッド郡)
      1. カンセス・バンドル
      2. ビンス・ロバンス
    5. サレマキア家(バサマーク派)
      1. トーマス・グランジオン
    6. ルーズトン家(バルドセン砦)
      1. リューパ・ルーズトン
    7. テンドリー家(ロルト城)
      1. ジャン・テンドリー
      2. ダン・アレースト
    8. ドルーチャ家(スターツ城)
      1. ステファン・ドルーチャ
    9. メイトロー傭兵団
      1. クラマント・メイトロー三世
      2. ライド
    10. 傭兵団シャドー
      1. ファム(マザーク・ファインド)
      2. ベン(アレクサンドロス・ベルマドルド)
      3. ランバース(アンドリュー・スマージュ)
      4. ムラドー
      5. ドンド
      6. レメン
      7. シャク
    11. 傭兵団フラッド
      1. バロック・グレイド
      2. ペンタン
      3. レイビル
    12. プラントリー家(ウプスナ郡)
      1. テレンス・プラントリー
    13. レッドルート領主家
      1. オードバル
    14. 登場集団
      1. ベルッド城の議論参加兵士・重臣たち
      2. クラン軍の軍議参加貴族・兵士たち
      3. バルドセン砦の兵士たち
      4. ロルト城の騎馬隊・兵士たち
      5. バートン郡の援軍兵たち
      6. メイトロー傭兵団の兵士たち
      7. スターツ城の防衛兵・魔法部隊
      8. スターツ城の町民・捕虜たち
      9. ベルッド城の防衛兵・投降兵たち
      10. レッドルートの奴隷商人・町民たち
      11. 傭兵団フラッドの団員たち
      12. レッドルート領主軍の兵士たち
      13. レッドルート砦の野盗たち
      14. バズル砦を攻めるルダッソ家の反乱軍兵士たち
  7. 展開まとめ
    1. プロローグ
    2. 一章  ロルト城攻略戦
    3. 二章  スターツ城攻略戦
    4. 三章  勝利
    5. エピローグ
    6. 番外編  傭兵リーツ・ミューセス
  8. 同シリーズ
    1. 小説
  9. その他フィクション

物語の概要

■ 作品概要

ミーシアン総督位継承戦において、アルス・ローベントとその家臣団は、長男クラン・サレマキア陣営の重要戦力として「ベルッド郡の完全制圧」を軍事的目標に定めた。

物語の開始時、アルスはベルッド侵攻の足掛かりとなるバルドセン砦の調略に成功する。その後、軍はロルト城とスターツ城の二手に分かれて進軍したものの、敵将トーマス・グランジオンの策にはまり、クラン本隊は爆発の魔力水の5分の4を喪失してしまった。

冬期の到来という時間的制約や正攻法の断念を強いられた状況が、アルス軍に北西城壁への奇襲連携を決断させる決定打となる。

クラン暗殺の危機を「シャドー」の介入によって回避したのち、アルス軍はスターツ城が抱える魔法防御網の脆弱性を突き、城壁を内側から破壊して陥落へと導いた。

その結果、ベルッド城は降伏し、アルスは一貴族の立場から「次期カナレ郡長内定」という軍の要へと社会的地位を押し上げることとなった。

■ 主要キャラクター

  • アルス・ローベント:  ローベント家当主。前世は日本の平凡なサラリーマン。鑑定スキルの進化により、対象の出自、家族、好物、趣味、異性の好み、主君への本心まで把握可能。人材運用という「メタ能力」で軍に貢献する。
  • リーツ・ミューセス:  アルスの筆頭家臣。統率97(限界値99)、知略97(99)、武勇90(90)、政治92(100)。マルカ人という属性により差別を受けるが、ダンドル平原で敵将ダンを撃破。ブラッハムの再教育も担当する。
  • シャーロット・レイス:  魔法兵。武勇104(116)。スターツ城攻略において、内部からの爆発魔法による城壁破壊を実行。
  • ロセル・キーシャ:  策士。知略99(109)、適性「計略S」。ダンドル平原での伏兵策や、トーマスの偽情報を看破する洞察力を発揮。
  • ミレーユ・グランジオン:  参謀。敵将トーマスの姉。トランスミット魔法を運用し、弟の思考パターンに基づいた戦術的助言を行う。
  • ファム:  密偵「シャドー」の団員(後にアルスの家臣)。影魔法と音魔法による攪乱でクラン暗殺を阻止。
  • クラン・サレマキア:  ミーシアン総督長男。アルスの有能な人材を惹きつけ運用する指揮官としての才を高く評価。
  • トーマス・グランジオン:  敵将。知略94、適性「計略S」。野心20という低数値は純粋な忠誠心を示す。雨魔法を用いた奇襲でクランを追い込むが、最終的に捕縛。
  • ブラッハム・ジョー:  敵将(後に家臣)。統率50(102)、知略9という極端なステータスを持つ。リーツとの再戦で自爆的な隙を突き、敗北。

書籍情報

転生貴族、鑑定スキルで成り上がる 3 ~弱小領地を受け継いだので、優秀な人材を増やしていたら、最強領地になってた~
著者:未来人A 氏
イラスト:JIMMY  氏
出版社:講談社(Kラノベブックス)
発売日:2021年9月2日
ISBN:9784065249109

(PR)よろしければ上のサイトから購入して頂けると幸いです。

あらすじ・内容

ランベルク領を治める弱小貴族ローベント家の若き当主・アルスは転生者だ。
武力も知識も一般的なレベルだが、「鑑定」という特別なスキルを使い、
出自や年齢を問わず有能な人材を集め、重用している。

ランベルク領も所属するカナレ郡は、
ミーシアン総督の跡継ぎ争いで兄・クランを支援し、参戦する。

有能な人材を抱えるアルスは、否応なしに戦乱の中心に位置することになり――!

コミカライズも絶好調の成り上がりファンタジー、功成り名遂げる第3巻

転生貴族、鑑定スキルで成り上がる3 ~弱小領地を受け継いだので、優秀な人材を増やしていたら、最強領地になってた~

感想

ベルッド郡攻略へ。苦戦しそうで意外とサクサク進む戦争編

目標だったベルッド郡をついに攻略。

もっと苦しい戦いになるのかと思っていたのだが、読み終えてみると「意外とあっさり落としたな」という印象が強かった。

もちろん何もかも順調だったわけではない。

敵にも優秀な将がいるし、爆発の魔力水を失うなど危ない場面もある。

それでもアルスの周囲には、リーツ、ロセル、シャーロット、ミレーユ、ファムと、それぞれ得意分野の違う有能な人材が揃っている。

誰か一人が全部解決するのではなく、状況に合わせて必要な人物が活躍する。

この「人材を集めてきた成果」が、ようやく大規模な戦争で形になってきた巻だった。

■敵将を戦わずに寝返らせる。アルス自身もちゃんと成長している

ベルッド郡侵攻の最初に立ちはだかるのが、バルドセン砦である。

正面から攻めれば兵も魔力水も消耗する。

そこで選ばれたのが調略だった。

ここで交渉役として推薦されたのがアルスである。

最初は「アルスが交渉するの?」と思った。

これまでのアルスは、有能な人物を見つけて仲間にする能力こそ高かったものの、自分自身が前面に立って交渉をまとめる印象はそれほど強くなかったからだ。

しかし今回は、敵将リューパの野心の高さを鑑定で確認し、その性格を考えながら言葉を選んでいく。

単純に「寝返れば郡長にしてやる」と利益を提示するだけではない。

このまま戦えば捨て石にされる。

それはリューパ本人だけではなく、彼の家臣たちにとっても良い結果にならない。

そう相手の立場から説得していく。

結果として砦は無血で開城。

戦わずして重要拠点を手に入れてしまった。

鑑定スキルが便利なのは当然として、その情報をどう使うのかまでアルス自身が考えるようになっている。

ここはアルスの成長を感じたところだった。

■鑑定スキルが進化。便利だけど、そこまで見えていいのか?

さらに今回、鑑定スキルそのものも進化する。

今までは能力値や適性を見る能力だったのに、出身地、家族構成、好物、趣味、異性の好み、さらには主君への感情まで見えるようになった。

いや、見えすぎだろ。

便利ではある。

特に家臣が自分をどう思っているのか分かるのは、領主としてかなり強い。

ただ同時に、ものすごくプライバシーへ踏み込んでいる。

リーツを鑑定すると「アルスに固く忠誠を誓っている」。

ロセルはアルスを「親友」だと思っている。

シャーロットは「弟のように思っている」。

このあたりは読んでいて少し嬉しい。

これまで一緒に戦ってきた仲間たちが、アルスをどう思っているのかが数値ではなく言葉として見えるからだ。

一方、ミレーユは「面白い子だと思っている」。

忠誠じゃないんだ。

まあ、ミレーユらしいけど。

そして異性の好みまで見えてしまい、アルス自身も「これは見ていいのか?」と困惑する。

鑑定が強くなればなるほど、使い方を間違えると危ない能力にもなってきた。

ただ能力値を見るだけだった頃より、人間関係そのものに関わる能力になってきたのが興味深かった。

■ロルト城攻略。ロセルの策とリーツの武勇が噛み合う

今回特に戦争らしい面白さがあったのは、ロルト城方面の戦いだった。

当初はこちらが一万、敵が五千。

数だけ見ればかなり有利である。

ところが敵に五千の援軍が加わって、兵力はほぼ互角になってしまう。

ここで一度撤退するか、そのまま戦うか。

アルスたちの意見も分かれる。

こういう軍議が面白い。

単純に「こっちの方が強いから戦う」ではなく、撤退した場合にクラン本隊へどんな影響が出るのか、今戦って敗北したらどうなるのか、それぞれが違う視点から考えている。

そしてロセルが考えたのが、メイトロー傭兵団を離脱したように見せかけて敵を森へ誘い込む策だった。

わざと弱くなったように見せる。

後退して、「逃げている」と敵に思わせる。

そして追ってきたところを森に潜ませた兵で包囲する。

かなり綺麗に罠へ嵌まった。

しかし面白かったのは、罠に嵌めたから即終了ではないところである。

敵将ダンが強い。

追い詰められた後も正面突破を狙い、部下を奮い立たせて進んでくる。

そこで出てくるのがリーツだった。

ダンと一騎打ちになり、真正面から撃破する。

リーツ強すぎるだろ。

アルスが「危険だから行かせたくない」と考えるのも分かる。

ここでミレーユから「家臣の力を信じてやれないのは、いい主とは言えない」と言われるのも印象的だった。

有能な人材を集めるだけでは駄目。

その人材を信じて任せることも、領主には必要になる。

アルスが人を集める段階から、人を使う立場へ成長しているのを感じた場面だった。

■順調すぎると思ったら、トーマスがちゃんと強かった

ここまで読むと、かなりアルスたちの楽勝ムードである。

砦は無血開城。

ロルト城では伏兵が成功。

敵将もリーツが倒す。

そのままベルッド郡まで簡単に落ちるのかと思った。

しかし、さすがに敵にも有能な人物がいた。

ミレーユの弟であるトーマスである。

クラン軍がスターツ城を攻略するために必要としていた爆発の魔力水。

これを輸送中に狙い、五部隊中四部隊を襲撃して奪ってしまう。

これはかなり痛い。

難攻不落の城を攻めるための重要兵器を、戦う前に潰されたようなものだからだ。

しかも冬が近づいている。

長期戦になれば進軍そのものが難しくなる。

ここでようやく「このまま簡単にはいかないな」という緊張感が出てくる。

それでも面白いのが、アルス陣営にはミレーユがいることである。

敵の軍師トーマスはミレーユの弟。

姉だからこそ弟の考え方が読める。

敵側にも能力の高い人物がいるのだが、その人物を理解している人材までアルスの側にいる。

人材集めが強すぎる。

■シャーロットの魔法、ファムの情報力、ミレーユとロセルの知略。全員で城を落とすのが面白い

スターツ城攻略では、これまでアルスが集めてきた人材が一気に活躍する。

正面ではクラン軍が攻撃して敵の注意を引く。

別働隊が警戒の薄い北西から侵入する。

リーツとミレーユが防御魔法に関わる施設を押さえる。

クラマントたちが大型触媒機のある塔を確保する。

そして最後はシャーロット。

奪った触媒機を使い、内側から強力な魔法を撃ち込んで城壁を破壊する。

なるほど、外から壊せないなら中から壊せばいいのか。

力技ではある。

でも、それを可能にするところまで全員でお膳立てしているのが面白い。

さらにトーマスの奇襲ではファムたちシャドーも活躍する。

ここまで来ると、アルス本人が戦場で剣を振るわなくても十分に主人公として成立している理由がよく分かる。

アルスの強さは戦闘力ではなく、「必要な人間が必要な場所にいる状態を作ること」なのだ。

■ブラッハムまで家臣にするのか。相変わらず敵から人材を拾ってくる

そして戦いが終われば、アルス恒例の人材探しである。

捕虜の中から見つけたのがブラッハム。

武勇は高い。

そして統率の伸びしろも非常に大きい。

しかし知略が低い。

かなり極端な人材だった。

普通なら「強い敵だった」で終わるところを、アルスは能力を見て「育てれば使える」と考える。

敵兵まで採用候補なのか。

しかもリーツと再戦させて、敗北したブラッハムを家臣に迎える。

この作品は戦争をして領地を奪うだけではなく、戦争するたびにアルス軍の人材まで増えていく。

勝てば土地も増える。

兵も増える。

有能な家臣まで増える。

どんどん雪だるま式に強くなっていく。

弱小領主から始まったアルスが、いつの間にかかなり大きな勢力になっているのも納得だった。

■ついにカナレ郡長へ。成り上がりが一段階進んだ

ベルッド郡は最終的に降伏。

目標だった郡の攻略に成功する。

正直、全体を振り返ると苦戦らしい苦戦はあまりしなかった印象だった。

敵の策で危険な状況になることはある。

クランが命を狙われたり、魔力水を大量に失ったりもする。

それでも最終的には、アルス陣営の人材層の厚さで押し切った感じが強い。

そして戦後、ルメイルがベルッド郡長へ。

空いたカナレ郡長の座にはアルスが推薦される。

ついに一つの領地を治める小さな領主ではなく、郡全体を任される立場まで来た。

最初は「鑑定で優秀な家臣を集めて領地を守る」という話だったのに、今では戦争の中心人物の一人になっている。

本人は相変わらず「自分は大したことをしていない」と思っているが、周囲から見れば完全に重要人物である。

有能な人物を見つける。

適した仕事を任せる。

成果を上げた人を評価する。

必要なら敵だった人物まで取り込む。

アルス自身の武勇は高くなくても、この能力は領主としてかなり恐ろしい。

今回の巻は、その積み重ねが軍全体の強さとして見えるようになった巻だった。

戦そのものは意外とサクサク進んだが、それだけアルスがこれまで集めてきた人材が強力になったとも言える。

次はいよいよバサマークとの本格的な決戦。

ここまで順調に勢力を広げてきたアルスが、さらに大きな相手をどう攻略していくのか。

そしてカナレ郡長となったことで、今度は戦だけではなく領地経営にもどんな変化が出てくるのか。

成り上がりが一段階進んだことを実感できる巻だった。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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鑑定スキル2巻レビュー
まとめ
鑑定スキル4巻レビュー

考察・解説

ストーリー・プロット

ベルッド郡侵攻戦における一連の軍事行動と戦後処理は、アルス・ローベント率いる部隊の活躍や家臣団の成長、そして領主としての地位向上を決定づける重要な契機となった。各地での調略や平原での会戦、難攻不落とされた城郭の攻略に至る経緯を以下にまとめる。

バルドセン砦の調略
  • サムク郡制圧後、ベルッド侵攻の要所であるバルドセン砦に対し、アルスは調略を実施した。
  • 鑑定スキルにより敵将リューパ・ルーズトンの野心の高さと、現体制下で捨て石にされている現状への不満を把握した。
  • クラン陣営から郡長の地位を提示することで、流血を伴わずに重要拠点を確保することに成功した。
鑑定スキルの進化
  • バルドセン砦での祝勝会の最中、鑑定スキルが対象の出自、家族構成、好物、趣味、異性の好み、主君への本心を可視化する段階へ進化した。
  • これにより、リーツにサイツ州出身の生き別れの妹が存在する可能性が浮上した。
  • 単なる能力値の把握にとどまらず、家臣の内面理解と信頼関係の深化につながる契機となった。
ロルト城攻略戦の開始
  • スターツ城への援軍を遮断するため、ルメイル率いる1万の分隊が北西の要衝ロルト城へ進軍し、アルス軍も合流した。
  • アルスはメイトロー傭兵団長クラマントを鑑定し、武勇110(限界値112)、騎兵適性S、弓兵適性Sという野戦特化の能力を確認した。
ダンドル平原の激闘と伏兵策
  • バートン郡からの援軍5千が合流し、敵軍は総勢1万と同数規模となった。
  • 軍師ロセルは、敵軍が援軍急行のために功を焦っている状況を冷静に分析した。
  • 後退を装って敵将ダン・アレーストを街道脇の森へ誘い込み、メイトロー傭兵団とともに奇襲を敢行した。
  • リーツが一騎打ちでダンの隙を突いて撃破し、敵軍を壊滅へと追い込んだ。
スターツ城包囲網と魔力水の喪失
  • クラン本隊はスターツ城を包囲したが、敵将トーマスの計略により輸送中だった爆発の魔力水の5分の4を喪失した。
  • 正攻法による力攻めでは冬の到来までに城を落とせず、撤退を余儀なくされる時間的制約が発生した。
  • この補給線への打撃が、アルス軍による北西城壁への奇襲連携を選択させる直接の要因となった。
クラン暗殺阻止とシャドーの仕官
  • トーマスは大型触媒機による雨魔法レインを発動し、視界と音を奪って機動力を削いだ状態でクラン本陣を急襲した。
  • ファムが影魔法による暗闇と音魔法による攪乱を用いてカウンターを仕掛け、危機に陥ったクランを救出した。
  • この暗殺阻止の功績が認められ、情報部隊シャドー一行はアルスの家臣として正式に登用された。
スターツ城陥落とトーマスの捕縛
  • スターツ城の魔法防御網が外側からの攻撃に特化している脆弱性に着目し、アルス軍は北西城壁への奇襲を敢行した。
  • リーツとミレーユが魔法施設を無力化し、クラマントが触媒機の設置された塔を占拠した。
  • シャーロットが塔の触媒機を活用して内側から城壁を破壊し、防衛線を崩壊させた。
  • 混乱に乗じて逃亡を図ったトーマスを、火攻めを用いて捕縛することに成功した。
戦後処理とカナレ郡長への道
  • 主力拠点の陥落に伴い、ベルッド郡全域が降伏した。
  • 捕虜となったブラッハムは、リーツとの再戦で隙を突かれて敗北し、アルスの家臣へと加わった。
  • ルメイルがベルッド郡長へ栄転したことに伴い、空席となったカナレ郡長の後任にアルスが内定した。
  • バサマークとの最終決戦となるアルカンテス攻略に向け、1年間の軍備・内政の準備期間に入った。

ベルッド郡侵攻戦を通じて、アルスは鑑定スキルを駆使した調略と人材登用を重ね、数々の難局を打開した。家臣団の連携と新たな戦力の獲得により軍事・情報網は大幅に強化され、カナレ郡長への就任内定は弱小貴族から大諸侯へと躍進する確固たる足がかりとなった。

主要な転換点

ベルッド郡攻略戦における戦況の推移と勝敗を分けた決定的な転換点について整理する。各局面における判断や突発的な事態への対応は、戦術的な勝利のみならず、その後の勢力拡大や組織体制の強化に直結する重要な契機となった。

鑑定スキルの進化
  • 敵の野心や家臣の家族背景、さらにはリーツの妹の生存可能性まで可視化された。
  • 単なる能力値の把握にとどまらず、心理面や人間関係を踏まえた戦略的判断が可能となった。
  • 家臣に対する人的マネジメントの精度が飛躍的に向上した。
魔力水襲撃による時間的制約
  • 敵の計略により爆発の魔力水を喪失したことで、冬を越せず撤退を余儀なくされる時間的限界が明確化した。
  • 正攻法による力攻めの断念を迫られる状況が発生した。
  • アルス主導による北西城壁への奇襲連携を選択させる直接の要因となった。
ファムによるカウンター救出
  • 雨魔法で視界と音を奪い機動力を削ぐトーマスの奇襲に対し、影魔法と音魔法によるカウンターで対応した。
  • 総大将であるクランの戦死による全軍瓦解の危機を未然に防いだ。
  • 卓越した実力を持つ情報機関シャドーを、アルス直属の家臣団へと組み込む結果を生んだ。

これらの転換点は、単なる戦闘の勝敗にとどまらず、アルス陣営の組織力強化や戦略の転換を促す契機となった。危機的な制約の中で下された決断と家臣たちの活躍は、堅牢な拠点の攻略を成し遂げるとともに、その後の躍進を支える強固な基盤を築く結果となった。

主人公を中心とした人物関係の変化

ベルッド郡侵攻戦を通じて、アルス・ローベントを取り巻く主要人物との関係性は大きく再構築された。戦闘や調略の過程で発揮された実績と判断により、協力者から主従への移行や、主君からの信任の深化、さらには敵対武将の登用といった重大な変化が生じている。各人物との関係の変遷と、それが陣営にもたらした影響について以下に整理する。

アルスとファム(シャドー)の関係
  • 開始時の関係:情報収集を依頼するビジネス的な協力関係にとどまっていた。
  • 契機となった出来事:トーマスによるクラン暗殺計画を、影魔法と音魔法を駆使したカウンターで阻止し、決定的な功績を立てた。
  • 巻末時の関係:アルスの家臣として正式に登用された。アルス領における情報網の中核を担う直属の主従関係へと発展した。
アルスとクランの関係
  • 開始時の関係:傘下に属する有能な一貴族としての評価を受けていた。
  • 契機となった出来事:アルスの立てた奇襲策や、直属の家臣であるファムの活躍により、再三にわたってクラン自身の命が救われた。
  • 巻末時の関係:絶大な信頼を寄せる対象となった。有能な逸材を惹きつけて適材適所で運用するアルスの統御能力を高く評価し、次期カナレ郡長の地位に値する器であると認めた。
アルスとブラッハムの関係
  • 開始時の関係:敵対勢力に所属する猛将であり、敗戦による捕虜という立場であった。
  • 契機となった出来事:アルスが鑑定スキルによって統率102という高い成長性を見抜き、リーツによる再教育を前提として登用に踏み切った。
  • 巻末時の関係:新たな主従関係が成立した。一騎打ちで実力を認めたリーツの指示に従う形で、アルス軍の強力な前線武力として組み込まれた。

一連の戦乱を経て築かれたこれらの関係性は、アルス陣営の質的転換を象徴している。高度な情報機関の獲得、総大将からの揺るぎない信任、そして敵将の編入による戦力増強は、弱小貴族であったローベント家がカナレ郡全体を統治する大諸侯へと飛躍するための強固な基盤となった。

主人公の認識と周囲の評価

アルス・ローベントの自己認識と周囲の評価における乖離

戦乱の世において領主として頭角を現すアルス・ローベントだが、本人が抱く内面的な自己認識と、主君クランやルメイルら周囲が下す客観的な評価の間には大きな乖離が存在する。この認識の差異と、それが軍事行動に現れた具体例を以下に整理する。

アルスの自己認識
  • 前世の平凡なサラリーマン感覚を引き継いだ転生者としての自己評価を崩していない。
  • 自身の武勇や知識は一般的な水準にすぎないと捉えている。
  • 戦果や成功はあくまで鑑定スキルによって集まった有能な家臣たちの力によるものであり、自分自身の功績ではないと考えている。
周囲からの客観的評価
  • クランやルメイルら上層部からは、連戦連勝を導く比類なき功労者として認識されている。
  • 突出した逸材を見出し、惹きつけ、適材適所で十全に運用する指揮官としての才覚(メタ能力)を極めて高く評価している。
  • 家臣団の総合的な力を引き出す統御力そのものを、アルス個人の卓越した能力として扱っている。
評価の乖離が生じた具体例
  • ロルト城攻略戦における分隊への任命:アルス本人は自身の年齢が若すぎる点を危惧していたが、クラン側はアルスの持つ家臣団を自由かつ柔軟に運用させる意図を持ち、実質的な指揮権を期待してルメイルの指揮下に配置した。

自身の能力を低く見積もり慎重に行動するアルスの姿勢とは対照的に、周囲はその人材統御能力を名君の資質として捉えている。この自己評価と他者評価の落差は、アルスが保身や慎重さを崩さない一方で、周囲からの信頼と期待によってさらなる重職へ押し上げられていく構図を象徴している。

クライマックス:スターツ城攻略の戦術分析

難攻不落と謳われたスターツ城の攻略戦は、複数の作戦を同時並行で展開する綿密な連携によって成功を収めた。堅牢な防御網を誇る要塞を攻略するにあたり、実行された4つのフェーズとその推移を以下にまとめる。

陽動フェーズ
  • クラン本隊が正門へ向けて大規模な正面攻撃を敢行した。
  • 敵の主力部隊を正門側の防衛に集中させ、城内および別区画の警戒を薄くさせた。
施設制圧フェーズ
  • リーツとミレーユが城内へ潜入を果たした。
  • 城壁防御魔法の中核となっていた魔法兵施設を物理的に制圧し、防衛機能を無力化させた。
塔の占拠フェーズ
  • クラマント率いるメイトロー傭兵団が城内の塔を強襲した。
  • 防衛設備の要である敵の大型触媒機を確保し、制御権を掌握した。
内部破壊フェーズ
  • シャーロットが占拠済みの大型触媒機を操作した。
  • 外側からの攻撃に特化していた防御魔法の死角を突き、城の内側から城壁を爆破した。
  • 外壁の破壊によって突破口を開き、クラン本隊の城内突入を成功へと導いた。

正面からの陽動、重要拠点の潜入制圧、触媒機の強奪、そして構造上の脆弱性を突いた内部破壊という各段階が完璧に噛み合った結果、強固な防衛体制は瓦解した。各部隊がそれぞれの役割を過不足なく遂行した連携作戦こそが、スターツ城陥落の決定打となった。

巻末時点の状況

ベルッド郡攻略戦を終えたアルス・ローベントの最新動向について、現在の立場、解決した課題、および今後の展望を整理する。

現在の立場
  • 次期カナレ郡長への昇格が内定(ルメイルの承諾済み)
解決した問題
  • ベルッド郡の完全制圧
  • 宿敵トーマス・グランジオンの捕縛
  • 密偵シャドーの家臣化による独自情報網の確立
継続している問題
  • バサマークとの最終決戦(アルカンテス攻略)
  • 軍の再編と軍備・内政の準備に少なくとも一年を要する見通し

ベルッド郡における一連の軍事作戦と調略を完遂したことで、アルス陣営は戦力および情報網を大幅に強化し、カナレ郡長への昇格という確固たる地盤を獲得した。今後はバサマーク勢力との決着を見据え、アルカンテス攻略に向けた準備期間の体制構築が重要な焦点となる。

鑑定スキル2巻レビュー
まとめ
鑑定スキル4巻レビュー

登場キャラクター

ローベント家(ランベルク領)

アルス・ローベント

転生者であり、ランベルク領を治める若き当主である。他者の能力を数値で測る鑑定スキルを持つ。自身の能力は平凡と自覚し、優れた家臣の力を頼りに乱世を生き抜く方針を採る。家臣たちから深い信頼を寄せられている。

・所属組織、地位や役職  ローベント家当主。後にカナレ郡長。

・物語内での具体的な行動や成果  バルドセン砦の敵将リューパの野心を見抜き、降伏交渉を成立させる。鑑定スキルの進化により、対象の生い立ちや内面の感情まで把握可能となる。スターツ城攻略では奇襲部隊に同行し、的確な人材起用で城壁破壊を支援する。牢で出会ったブラッハムの才能を認め、リーツとの再戦を経て家臣に登用する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  自身を鑑定することはできない仕様である。ベルッド郡平定の多大な功績により、クランから後任のカナレ郡長に指名される。前郡長ルメイルとの直接会談を経て、正式にカナレ郡の統治を任される立場となる。

リーツ・ミューセス

マルカ人の青年であり、ローベント家の筆頭家臣である。生真面目で誠実な人柄を備える。武勇、統率、知略、政治のすべてに秀でた万能の実力者である。主君アルスに対して絶対的な忠誠を誓っている。

・所属組織、地位や役職  ローベント家・筆頭側近兼歩兵隊長。

・物語内での具体的な行動や成果  ロルト城の戦いにおいて、敵の猛将ダン・アレーストと馬上の一騎打ちを演じる。腕を負傷させた隙を逃さず、ハルバードで首を討ち取る大功を挙げる。スターツ城内ではブラッハムの猛攻を冷静にかわし、自滅を誘って捕縛する。練兵場での再戦でも初撃の隙を突いて勝利を収め、教育係を引き受ける。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  最新のステータスは統率97/99、武勇90/90、知略97/99、政治92/100である。武勇は上限値に到達し、全能力値が90を突破する。他家の兵士からもその武勇を称賛され、名声と影響力を大きく高める。

シャーロット・レイス

ローベント家に仕える魔法兵隊長である。青髪の少女で、マイペースかつ食欲旺盛な性格をしている。他人に無関心な態度を見せる一方、アルスのことは実の弟のように大切に思っている。人並み外れた魔力を誇る。

・所属組織、地位や役職  ローベント家・魔法兵隊長。

・物語内での具体的な行動や成果  ロルト城戦において強力な炎魔法ブレイズを放ち、敵の防御魔法を吹き飛ばす。スターツ城攻略では大型触媒機を操作し、強固な城壁に亀裂を入れて破壊に導く。城郭内の高塔からも爆発魔法を連射し、防壁に複数の大穴を開けて本隊の突入路を切り開く。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  最新のステータスは統率80/92、武勇104/116、知略45/45、政治37/40である。適性は魔法兵Sを示す。戦場において絶大な破壊力を発揮し、敵軍から最も警戒される存在として君臨する。

ロセル・キーシャ

ローベント家の軍師を務める少年である。知略に優れる一方、胃痛を覚えるほどプレッシャーに弱い一面を持つ。アルスを親友として認識している。実戦経験を通じて自信を深めていく。

・所属組織、地位や役職  ローベント家・軍師。

・物語内での具体的な行動や成果  ロルト城戦では敵の騎兵を引き込む伏兵策を考案する。スターツ城の攻防において塔の重要性を看破し、防衛の継続を進言して敵の奪還を防ぐ。トーマスが仕掛けた偽情報と奇襲の意図を姉弟の思考パターンから見破り、火攻めによる逆撃案を提示して勝利に導く。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  11歳時のステータスは統率65/88、武勇22/32、知略99/109、政治77/95である。適性は計略S、築城A、兵器A、空軍Aを示す。軍議で堂々と意見を述べるまでに成長し、クランからも深く感謝される。

ミレーユ・グランジオン

ローベント家の軍師兼相談役である。型破りで酒と博打を好む豪放な女性である。アルスのことを面白い子供と捉えている。知略と政治の能力は帝国屈指の水準にある。敵将トーマス・グランジオンの実姉にあたる。

・所属組織、地位や役職  ローベント家・軍師。

・物語内での具体的な行動や成果  ロルト城戦でメイトロー傭兵団を偽装離脱させ、敵を森へと誘い出す計略を主導する。音魔法の受信役を務め、シャドーからの戦況報告を迅速に解読する。トーマスが天候魔法レインを利用した奇襲を企んでいると察知し、クラン救出の必要性を説く。ビンスの秘密兵器の嘘を理路整然と暴き、動揺する貴族たちを鎮める。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  ステータスは統率82/90、武勇35/42、知略99/101、政治95/98、野心79である。適性は計略S、歩兵A、騎兵Aを示す。弟トーマスとの知恵比べを制し、軍略の中核として不可欠な役割を果たす。

ブラッハム・ジョー

スターツ城に所属していた武芸者の少年である。小柄ながら全身を強靭に鍛え上げている。単純かつ好戦的な性格で、喧嘩を好む。ステファンや高齢の領主を頭が固いと見下し、冷遇に強い不満を抱いていた。

・所属組織、地位や役職  スターツ城・兵士、後にローベント家・家臣。

・物語内での具体的な行動や成果  スターツ城内戦でリーツに一騎打ちを仕掛ける。大技ドラゴンスピアを放つが、槍が地面に深く突き刺さって自滅し捕虜となる。牢内で面会したアルスの鑑定能力に驚嘆し、リーツとの再戦を望む。練兵場での勝負に敗北した後は約束を守り、アルスに仕えることを誓う。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  17歳時のステータスは統率50/102、武勇91/92、知略9/61、政治5/55、野心88である。適性は歩兵S、騎兵A、弓兵B、築城C、他はDを示す。知略は極めて低いが統率の限界値が102に達しており、リーツによる教育を受けることになる。

サレマキア家(クラン派)

クラン・サレマキア

前ミーシアン総督の長男であり、クラン派の総帥である。覇気と優れた武勇を兼ね備える。家柄よりも実力を重視する指導者である。アルスとその家臣団を高く評価している。

・所属組織、地位や役職  センプラー領主。クラン派総帥。

・物語内での具体的な行動や成果  大軍を率いてベルッド侵攻を指揮する。敵の奇襲で孤立し命の危機に瀕するが、ファムとベンの加勢によって脱出を果たす。本陣へ帰還した直後に力強い演説を行い、動揺した兵士たちの士気を劇的に高める。ベルッド城の無血開城を受け入れ、戦後処理を主導する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  ベルッド郡とサムク郡の掌握に成功する。戦功を挙げたルメイルをベルッド郡長へ昇格させ、後任のカナレ郡長にアルスを抜擢する。

ボランス

クラン派に属する貴族である。

・所属組織、地位や役職  クラン派・所属貴族。

・物語内での具体的な行動や成果  バルドセン砦の守将リューパと旧知の間柄であったため、調略の会談に同行する。会談の冒頭で社交辞令を交わし、交渉の場を整える。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  作中において個別のステータス画面は表示されていない。武勇は高いが政治力は低いとアルスに評される。

ロビンソン・レンジ

クランの右腕を務める重臣である。実務と知謀に長けた冷静沈着な文官である。

・所属組織、地位や役職  クラン・サレマキア直属家臣。

・物語内での具体的な行動や成果  バルドセン砦の会談に同席し、リューパへ郡長の地位を提示して寝返りを促す。奇襲で混乱したスターツ城攻城部隊をまとめ直し、クランの帰還を支える。休戦を求めて訪れた使者ビンスと対峙し、秘密兵器の存在を嘘と断じて要求を退ける。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  知略88、政治91の卓越した能力を保つ。軍政の統括役としてクランから全幅の信頼を寄せられている。

パイレス家(カナレ郡)

ルメイル・パイレス

カナレ郡を統括する郡長である。温厚かつ武人肌の領主で、信義に厚い。アルスを高く買い、重要な作戦の指揮を任せる。

・所属組織、地位や役職  カナレ郡長、後にベルッド郡長。

・物語内での具体的な行動や成果  一万の兵を率いてロルト城攻略戦の総大将を務める。森を利用した伏兵策を採用し、敵将ダンとジャンを討ち取って城を制圧する。スターツ城奇襲では北西の城壁破壊作戦を指揮する。ベルッド城包囲網を敷き、敵を降伏へと追い込む。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  ベルッド平定の最大の功労者として認められる。愛着あるカナレ郡をアルスに託す決断を下し、大都市ベルッドの新たな郡長に就任する。

バンドル家(ベルッド郡)

カンセス・バンドル

ベルッド郡を治める郡長である。バサマークの義弟にあたる。家臣想いの性格で、人望が厚い。

・所属組織、地位や役職  ベルッド郡長。バンドル家当主。

・物語内での具体的な行動や成果  サムク城の早期陥落に驚愕し、トーマスと防衛策を協議する。スターツ城の失陥後は家臣たちから降伏を進言され、苦悩を深める。城を包囲された後に家臣たちの助命を条件として開城を決断する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  ステータスは平均60台中盤、政治力80程度である。クランによりベルッド郡長の地位を剥奪され、継承戦争終結まで拘禁される身となる。

ビンス・ロバンス

バンドル家に仕える文官である。頭頂部が薄い中年の男性である。弁舌に長けている。

・所属組織、地位や役職  バンドル家・家臣。

・物語内での具体的な行動や成果  休戦を申し入れる使者としてスターツ城へ派遣される。ベルッドで都市破壊魔法兵器を開発したと虚偽の主張を展開し、クラン陣営の貴族たちを動揺させる。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  ステータスは統率と武勇が30台、知略72、政治79である。時間稼ぎの工作を図ったが、ロビンソンとミレーユに看破されて要求を却下される。

サレマキア家(バサマーク派)

トーマス・グランジオン

バサマーク派を代表する名将である。ミレーユの実弟にあたる。厳格かつ頑固な性格で、主君バサマークに固い忠誠を誓う。奇襲戦術に優れている。

・所属組織、地位や役職  バサマーク・サレマキア直属軍師。

・物語内での具体的な行動や成果  クラン軍の輸送隊を奇襲し、爆発の魔力水の大部分を奪取する。天候魔法レインで足場を悪化させ、クラン本陣への暗殺奇襲を仕掛ける。スターツ城陥落後は偽装兵器と偽情報を利用した伏兵策を計画するが、火攻めを受けて捕縛される。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  27歳時のステータスは統率95/100、武勇85/91、知略94/94、政治80/80、野心20である。適性は騎兵S、計略S、歩兵A、弓兵A、空軍Aを示す。クランからの降伏勧告を断固として拒絶し、牢に収容される。

ルーズトン家(バルドセン砦)

リューパ・ルーズトン

要衝バルドセン砦の守備を任されていた将である。思慮深く、外面は忠臣を装う一方、内心には強い出世欲を秘める。

・所属組織、地位や役職  バルドセン砦守将、後にサムク郡長。

・物語内での具体的な行動や成果  会談において当初は忠誠を理由に寝返りを拒絶する。アルスから捨て石にされる現実を指摘され、血判状と郡長の地位を条件にクラン派への帰順を決断する。無血で砦を明け渡し、スターツ城の防衛構造に関する情報を提供する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  32歳時のステータスは統率84/89、武勇54/54、知略83/88、政治78/80、野心70である。適性は攻城A、兵器B、計略Bを示す。降伏者優遇の方針により、戦後にサムク郡長へと抜擢される。

テンドリー家(ロルト城)

ジャン・テンドリー

ロルト城を守る若き城主である。端正な顔立ちの美男子である。馬の扱いに長け、精強な騎馬隊を誇る。

・所属組織、地位や役職  ロルト城主。

・物語内での具体的な行動や成果  リューパの寝返りに衝撃を受けつつも、スターツ城救援のため出撃を決意する。バートン郡の援軍と合流して一万の軍勢を整える。森で伏兵の奇襲を受け、部隊の瓦解を防ぐべく音魔法で叱咤するが討ち取られる。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  作中においてステータス画面の直接の表示はない。城主の戦死に伴い、ロルト城はクラン軍に占拠される。

ダン・アレースト

ロルト城の騎兵隊を率いる巨漢の武将である。粗野で好戦的な性格をしている。長大なハルバードを操る。

・所属組織、地位や役職  ロルト城・部隊長。

・物語内での具体的な行動や成果  先陣を切って突撃し、歩兵陣を蹂躙する。後退するルメイル軍を追って森へ侵入し、伏兵の包囲を受ける。背水の陣で大将首を狙って突撃し、立ちはだかったリーツと激闘を繰り広げる。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  ステータスは統率82、武勇99で騎馬適性Sを誇り、他能力は低い。リーツに腕を斬りつけられた後に首をはねられ、戦死を遂げる。

ドルーチャ家(スターツ城)

ステファン・ドルーチャ

名城スターツ城の城主である。顔に無数の傷を持つ大柄な歴戦の武人である。城の堅固さに強い誇りを持つ。

・所属組織、地位や役職  スターツ城主。

・物語内での具体的な行動や成果  トーマスによる魔力水強奪策を受け入れ、防備を固める。クラン本隊の攻城戦に対応するが、北西の防壁を破られて城内への侵入を許す。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  作中において個別のステータス数値は表示されていない。城の陥落時に逃亡せず城内に残り、クラン軍の捕虜となる。

メイトロー傭兵団

クラマント・メイトロー三世

帝国屈指と称されるメイトロー傭兵団の頭領である。冷徹なリアリストであり、契約金に見合う働きを冷徹にこなす。馬上の槍と弓において無類の腕前を誇る。

・所属組織、地位や役職  メイトロー傭兵団・団長。

・物語内での具体的な行動や成果  ロルト城戦で偽装離脱を実行し、森から絶妙なタイミングで奇襲を仕掛けて敵騎兵を壊滅させる。スターツ城戦では崩れた城壁から先陣を切って突入する。防衛塔を制圧し、シャーロットが爆発魔法を撃ち込む足場を確保する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  31歳時のステータスは統率91/95、武勇110/112、知略65/68、政治55/61、野心50である。適性は騎兵S、弓兵S、空軍A、歩兵Aを示す。野戦と攻城戦の双方で圧倒的な武力を示し、契約通りの戦果を挙げる。

ライド

メイトロー傭兵団の副団長である。

・所属組織、地位や役職  メイトロー傭兵団・副団長。

・物語内での具体的な行動や成果  スターツ城内において、クラマントの指示を受け奥側にあるもう一つの防衛塔の攻略を担当する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  作中において個別のステータス画面は表示されていない。別動隊を率いて塔の制圧任務を完遂する。

傭兵団シャドー

ファム(マザーク・ファインド)

潜入と情報収集を専門とする傭兵団シャドーの団長である。中性的な美貌を持つ青年である。武勇と知略に優れる。アルスの鑑識眼を高く買い、自ら仕官を申し出る。

・所属組織、地位や役職  傭兵団シャドー・団長、後にローベント家・家臣。

・物語内での具体的な行動や成果  トランスミット魔法を駆使して戦況の即時伝達網を構築する。奇襲を受けたクラン本陣へ駆けつけ、敵兵を排除する。貴重な影魔法を使用して暗闇を作り出し、クランを戦場から無事に救出する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  救出の報酬として団員全員でのローベント家への仕官を要求し、受理される。クランの専属護衛を委託され、絶対的な安全を担保する。

ベン(アレクサンドロス・ベルマドルド)

傭兵団シャドーの構成員である。極めて平凡で印象に残らない容貌を持つ。地味ながら優れた隠密能力と武芸を兼ね備える。

・所属組織、地位や役職  傭兵団シャドー・団員、後にローベント家・家臣。

・物語内での具体的な行動や成果  スターツ城の戦況や敵の動向を正確にアルスへ届ける。クラン救出戦ではファムと共に背中を守り、敵兵を確実に討ち取る。スターツ城の防衛塔に仕掛けられていた魔法の罠を短時間で解除する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  ファムと共にアルスの直属家臣へと身分を変える。工作活動や連絡係として実直に任務を果たす。

ランバース(アンドリュー・スマージュ)

傭兵団シャドーに所属する変装の達人である。派手な化粧と女性の装いをした男性である。帝国国外の出身である。

・所属組織、地位や役職  傭兵団シャドー・団員、後にローベント家・家臣。

・物語内での具体的な行動や成果  ファムの招集に応じて路地裏でアルスと対面する。巧みな女装と声音の偽装でアルスを驚かせる。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  能力値は平凡であるが、誰にも素顔を悟らせない変装技術を持つ。アルスの家臣団に加わる。

ムラドー

傭兵団シャドーの団員である。背丈の高い男性である。

・所属組織、地位や役職  傭兵団シャドー・団員、後にローベント家・家臣。

・物語内での具体的な行動や成果  路地裏においてアルスとの顔合わせに参加する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  武勇と知略が高く、密偵としての素質を備える。ローベント家に仕官する。

ドンド

傭兵団シャドーの団員である。中肉中背で灰色の髪を持つ男性である。

・所属組織、地位や役職  傭兵団シャドー・団員、後にローベント家・家臣。

・物語内での具体的な行動や成果  ファムの部下としてアルスに引き合わされる。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  高い知略と武勇に加え、魔法適性Bを有する。アルスの家臣として迎えられる。

レメン

傭兵団シャドーの団員である。長い髪が特徴的な女性である。

・所属組織、地位や役職  傭兵団シャドー・団員、後にローベント家・家臣。

・物語内での具体的な行動や成果  スターツ城の路地裏でアルスと対面する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  武勇と知略に優れ、魔法適性Bを保持する。ローベント家の家臣団の一員となる。

シャク

傭兵団シャドーの団員である。鋭い目つきを持つ女性である。

・所属組織、地位や役職  傭兵団シャドー・団員、後にローベント家・家臣。

・物語内での具体的な行動や成果  ファムの紹介によりアルスと対面を果たす。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  知略と実戦能力を兼ね備えた実力者である。アルスへの仕官が認められる。

傭兵団フラッド

バロック・グレイド

傭兵団フラッドのリーダーである。顔に刀傷を持つ。元奴隷の過去を持ち、冷徹に振る舞いながらも貴族への成り上がりを夢見ていた。

・所属組織、地位や役職  傭兵団フラッド・団長。

・物語内での具体的な行動や成果  奴隷市場で銀貨1枚を支払いリーツを買い取る。バズル砦の防衛戦で鬼神の如き武勇を示し、敵軍を敗走させる。名声を欲して独断で敵の追撃を決行するが、伏兵の炎魔法を浴びて重傷を負う。リーツに背負われて脱出する道中で息を引き取る。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  作中においてステータス画面の表示はない。その死によって傭兵団フラッドは解散となる。

ペンタン

傭兵団フラッドの団員である。小柄な男性である。

・所属組織、地位や役職  傭兵団フラッド・団員。

・物語内での具体的な行動や成果  奴隷市場でマルカ人のリーツを購入することに反対する。バロックから命じられ、リーツへ実戦的な剣術の手ほどきを行う。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  作中において個別のステータス画面は表示されていない。

レイビル

傭兵団フラッドの団員である。スキンヘッドの男性である。真面目な性格をしている。

・所属組織、地位や役職  傭兵団フラッド・団員。

・物語内での具体的な行動や成果  毎朝の自主訓練を欠かさず行う。自身の剣の動きを観察して急成長するリーツの才能にいち早く着目する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  作中において個別のステータス画面は表示されていない。

プラントリー家(ウプスナ郡)

テレンス・プラントリー

ウプスナ郡を治める領主である。肥満体型の中年貴族である。他領主への借りを嫌う傾向がある。

・所属組織、地位や役職  ウプスナ郡長。プラントリー家当主。

・物語内での具体的な行動や成果  小領主ルダッソ家の反乱に直面し、傭兵団フラッドを雇い入れる。バズル砦での勝利後、バロックからの追撃要請を一度は渋るが最終的に許可を出す。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  作中において個別のステータス画面は表示されていない。

レッドルート領主家

オードバル

レッドルート領主に仕える武官である。筋骨隆々とした体躯を誇る。

・所属組織、地位や役職  レッドルート領主軍・指揮官。

・物語内での具体的な行動や成果  野盗退治のため砦への無策な突撃を敢行する。見張りの不備に助けられて勝利した後、戦果を独占してフラッドへの報酬減額を要求する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  作中において個別のステータス画面は表示されていない。

登場集団

ベルッド城の議論参加兵士・重臣たち

ベルッド城の議論の間に集う首脳陣である。

・所属組織、地位や役職  バンドル家・重臣および兵士たち。

・物語内での具体的な行動や成果  サムク城の早期落城に動揺し、トーマスと防衛方針を協議する。終盤では主君カンセスの命と家の存続を憂慮し、降伏を涙ながらに懇願する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  全面降伏の後、多くがカンセスと共に投獄される道を選ぶ。

クラン軍の軍議参加貴族・兵士たち

クラン本隊に所属する諸侯と将校たちの集団である。

・所属組織、地位や役職  クラン派・従軍貴族および兵士たち。

・物語内での具体的な行動や成果  本陣で進軍方針を議論する。使者ビンスの語る秘密兵器の虚報に惑わされるが、クランの宣言を受けて動揺を収める。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  大軍の威勢を保ち、ベルッド郡の制圧を完遂する。

バルドセン砦の兵士たち

郡境に位置する要塞の守備部隊である。

・所属組織、地位や役職  ルーズトン家・守備兵。

・物語内での具体的な行動や成果  会談中、武器を預かって暗殺のリスクを警戒する。リューパの決断に従って武器を置き、無血開城する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  クラン軍の麾下に編入され、戦力として組み込まれる。

ロルト城の騎馬隊・兵士たち

ロルト城に配備された精鋭集団である。馬の扱いに長けている。

・所属組織、地位や役職  テンドリー家・城郭兵および騎兵。

・物語内での具体的な行動や成果  ダンを先頭に激しい突撃を仕掛け、歩兵防陣を突破する。森の中で奇襲を受け、猛将ダンの討ち死ににより潰走する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  主力が壊滅し、守備兵の降伏により居城を明け渡す。

バートン郡の援軍兵たち

中立からバサマーク派へ転じたセルドーラ家の部隊である。

・所属組織、地位や役職  セルドーラ家・援軍部隊。

・物語内での具体的な行動や成果  五千の兵力でロルト城軍と合流し、ダンドル平原から街道へ進撃する。森での敗勢を見て戦場から撤退する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  兵力を減らし、ロルト城陥落後は動きを封じられる。

メイトロー傭兵団の兵士たち

高い技量を誇る精鋭傭兵集団である。

・所属組織、地位や役職  メイトロー傭兵団・団員。

・物語内での具体的な行動や成果  ロルト街道の森林に潜み、絶妙な呼吸で弓と魔法の奇襲を浴びせる。スターツ城の崩壁から先陣を切って突入し、防衛塔を制圧する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  野戦と攻城戦で抜群の戦闘能力を示し、高額な契約金を獲得する。

スターツ城の防衛兵・魔法部隊

スターツ城を守る守備要員たちである。

・所属組織、地位や役職  ドルーチャ家・城郭防衛兵および魔法兵。

・物語内での具体的な行動や成果  本隊に対して魔法攻撃を浴びせ、堅固な城壁を死守する。山の上から天候魔法レインを降らせて奇襲を援護する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  壁を破壊されて市街戦へ突入し、最終的にベルッド城方面へと退却する。

スターツ城の町民・捕虜たち

城郭都市スターツの住民および投降した兵士たちである。

・所属組織、地位や役職  スターツ城・一般町民および捕虜。

・物語内での具体的な行動や成果  戦闘中は民家に閉じこもる。百人を超える兵士が捕虜として牢に収容され、アルスの鑑定を受ける。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  家臣登用や処遇の選定対象となる。

ベルッド城の防衛兵・投降兵たち

ベルッド城に籠城していた守備軍である。

・所属組織、地位や役職  バンドル家・守備兵。

・物語内での具体的な行動や成果  城内に罠を張り巡らせて抗戦態勢を敷く。包囲網の完成により抗戦を断念し、武器と魔力水を引き渡して投降する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  武装解除され、クラン軍の管理下に置かれる。

レッドルートの奴隷商人・町民たち

コーンレント郡の荒廃した町に暮らす人々である。

・所属組織、地位や役職  レッドルート・住民および奴隷商人。

・物語内での具体的な行動や成果  市場でマルカ人のリーツを銀貨1枚の安値で販売する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  貧困の中で暮らす一般層として描かれる。

傭兵団フラッドの団員たち

バロックが率いていた傭兵集団である。

・所属組織、地位や役職  傭兵団フラッド・団員。

・物語内での具体的な行動や成果  野盗砦やバズル砦で戦果を挙げる。町で貧民の娘に手を出そうとしてリーツと対立する。無謀な追撃戦で敵の魔法攻撃を浴び、8割が戦死する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  重傷者を多数出し、バロックの死亡に伴って完全に解散する。

レッドルート領主軍の兵士たち

レッドルート領主の家臣オードバルが率いる部隊である。

・所属組織、地位や役職  レッドルート領主軍・兵士。

・物語内での具体的な行動や成果  フラッドを伴って野盗の砦へ突撃を敢行する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  装備や練度は低いが、敵の不意を突いて砦を制圧する。

レッドルート砦の野盗たち

廃砦を不法に改修して住み着いていた武装集団である。

・所属組織、地位や役職  野盗集団。

・物語内での具体的な行動や成果  脱走兵などを混じえて街道を脅かす。見張りを怠った隙を突かれ、領主軍と傭兵団によって殲滅される。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  アジトを制圧され、壊滅する。

バズル砦を攻めるルダッソ家の反乱軍兵士たち

プラントリー家に反旗を翻した小領主ルダッソ家の軍勢である。

・所属組織、地位や役職  ルダッソ家・反乱軍。

・物語内での具体的な行動や成果  バズル砦へ猛攻を仕掛けるが撃退される。退却中に丘陵地帯へ魔法兵を伏せ、追撃してきた傭兵団フラッドを壊滅させる。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  砦攻略には失敗したものの、的確な伏兵戦術で追撃軍に大打撃を与える。

鑑定スキル2巻レビュー
まとめ
鑑定スキル4巻レビュー

展開まとめ

プロローグ

アルスは、家臣たちにベルツド侵攻の決意を示し、忠誠心の強いリーツや戦に強いシャーロットらとともに戦への準備を進めた。リーツはアルスの評価を高めるためにも戦功を上げることを誓い、シャーロットも自信を持って臨んだ。一方、ロセルは緊張を隠せず、ミレーユは冷静に状況を分析していた。

一方、ベルツド城では、郡長カンセスがサムク城が想定外の速さで落ちたとの報告を受け、驚愕していた。バサマークから派遣されたトーマスは、敵が密偵を使っている可能性を指摘し、ベルツドの防衛を強化すべきだと進言した。彼は奇襲を得意とし、敵の補給線を断つ作戦で遅延を図る計画を提案した。カンセスは、トーマスの戦略に希望を見出し、他の城の将軍たちに急ぎ書状を送り、戦いに備えた。

ベルツド防衛戦は数で劣るものの、密偵への警戒と戦略を駆使し、準備が進められていった。

一章  ロルト城攻略戦

アルスはサムク城の残存勢力を制圧し、ベルツド侵攻に備えるため情報収集を開始した。まずバルドセン砦の攻略が必要とされ、クラン軍は進軍を進めるが、砦の守備は強固であり、力攻めでは大きな犠牲が予想された。軍議では調略の案が浮上し、アルスが調略役に推薦された。アルスは自信がないながらも、クランやロビンソンとともに交渉を担当することとなった。

交渉相手のリューパは慎重な人物であったが、アルスの説得によって心を動かされた。最終的にリューパはクラン軍に寝返り、バルドセン砦は無血で明け渡された。これにより、クラン軍は大きな犠牲を出さずに砦を攻略し、ベルツド侵攻への足掛かりを確保した。クランはアルスの手柄を称賛し、砦を無事に受け取ることとなった。

アルスは、調略の成功を祝う宴で家臣たちと過ごしながら、今後の戦いへの備えを進めていた。戦況は順調に進んでいたが、ロセルの警告により、今後の戦闘がより厳しくなることを意識していた。そんな中、アルスの鑑定スキルが進化し、家臣たちの個人的な情報や本心をより詳しく知ることができるようになった。リーツ、シャーロット、ロセルは忠誠心や好意を持っていたが、ミレーユはアルスを「面白い子」と思っており、忠誠心は薄いことが判明した。

アルスはこの新しい鑑定能力を慎重に使うべきだと感じ、家臣たちのプライバシーに配慮しながらも、戦略的に活用することを決意した。

アルスたちは、バルドセン砦の攻略に成功した後、次の目標であるスターツ城とロルト城の攻略について軍議を行った。クランは、スターツ城を攻める前に背後に位置するロルト城を無視できないと判断し、二手に分かれて同時に攻めることを提案し、それが承認された。クランはスターツ城を、ルメイルはロルト城を担当することとなり、アルスもロルト城攻めに参加することが決まった。

ルメイルの軍には、野戦のスペシャリストであるメイトロー傭兵団が加わることになり、アルスとルメイルは傭兵団長のクラマントに会いに行った。クラマントは冷静かつ実力者であり、アルスはその武勇を鑑定して信頼に足る人物と判断した。

その後、ファムにロルト城の情報収集を依頼し、準備を整えたアルスたちは、ルメイルの号令に従ってロルト城への進軍を開始した。

アルスたちが進軍しているロルト城では、城主ジャン・テンドリーが家臣たちと軍議を行い、リューパの裏切りに驚愕していた。ジャンは、スターツ城への援軍を送りたいという家臣たちを制止しつつも、策を練っていた。そして、盟友ハンダーからの書状を受け取り、戦いに勝てる見込みが立ったため、出撃を決断した。

一方、アルスたちはロルト城への進軍中にシャドーからの報告を受け、ロルト城の兵が出陣したことを知る。ルメイルは街道に布陣して敵の騎馬隊を待ち伏せる作戦を立て、急いで防柵を設置した。

ところが、ミレーユの受けた新たな報告により、ロルト城の兵がバートン郡からの援軍と合流していることが発覚した。援軍は約五千人と予想され、これにより敵軍の規模が増し、数の上で互角の状況となった。ルメイルはこの予想外の展開に驚き、急遽軍議を開くことになった。

アルスたちの陣営では、敵軍が援軍を得て戦力が互角となり、緊急軍議が開かれた。ルメイルは援軍を要請しつつ撤退する案を検討したが、クラマントやリーツ、ミレーユの意見を取り入れ、戦い続けることを決断した。ロセルの提案により、森に兵を隠して敵を誘い込み、奇襲をかける作戦が立案され、メイトロー傭兵団を使ってその策が実行されることとなった。

実際に敵軍が接近し、メイトロー傭兵団が伏兵として活躍し、敵の騎馬隊に大打撃を与えた。しかし、敵の将ダン・アレーストが強力な騎兵を率いて突撃し、アルスたちの軍は窮地に立たされた。リーツはダンの討伐を決意し、アルスの命令でダンを討ち取るために出陣した。

アルスはリーツに敵将ダン・アレーストの討伐を命じ、リーツは見事にダンを討ち取った。リーツの活躍により敵軍は混乱し、敵の騎兵隊は壊滅した。メイトロー傭兵団の協力で敵兵を討ち取ることに成功し、アルスたちの軍勢は勝利を収めた。

その後、アルスたちはロルト城を占領し、敵は降伏した。祝勝会が開かれ、リーツの活躍が称賛されたが、ロセルは戦の全体状況に不安を抱き、スターツ城の戦況を調べることを提案した。アルスはファムに情報収集を依頼し、ロルト城でその報告を待つことにした。

二章  スターツ城攻略戦

アルスたちがロルト城を攻め落としている間、クランはスターツ城への侵攻を進めていた。敵軍は士気が低く、クラン軍の優位で進軍は順調に見えたが、スターツ城側のカンセスとトーマスは、魔力水を使った攻撃に警戒し、対策を練っていた。トーマスはクラン軍の魔力水輸送隊を狙い、少数精鋭の部隊を派遣して襲撃を成功させた。

その結果、クラン軍は爆発の魔力水のほとんどを失い、スターツ城を破壊できるほどの力を持たなかった。クランは苦境に立たされ、センプラーから追加の魔力水を輸送するよう指示を出したが、冬が迫っており、ベルツド攻略が遅れることを危惧していた。

翌日、アルスは軍議でシャドーに依頼していたスターツ城の情報収集の結果を報告した。シャドーのベンから得た情報によれば、クラン軍はスターツ城攻略に苦戦しており、爆発の魔力水を多く失ったため、攻城戦が難航しているとのことだった。冬が近づいているため、戦の続行も難しくなる懸念があった。

アルスはルメイルに、援軍を送りつつ奇襲作戦を提案し、奇襲が成功すれば戦況を打開できると考えた。奇襲の計画はスターツ城の弱点である北西の防御が手薄な箇所を攻め、城壁を破壊して城内に侵入するというものだった。ルメイルはこの作戦に賛同し、クラン本隊との連携を図るために書状を送った。

クランもまた、スターツ城の攻略に苦慮しており、アルスからの奇襲作戦の提案に希望を見出していた。彼は自軍の動きで敵の注意を引きつけ、ルメイル軍と合流させた部隊が城を攻めることで、戦況を好転させる可能性を模索した。そして、クランは奇襲作戦に協力するため、後方に控える兵をルメイル軍に合流させることを決断し、急いで書状を送った。

スターツ城での軍議では、カンセス、トーマス、ステファンが、クラン軍の魔力水を失わせる作戦の成功に安堵していた。しかし、トーマスはクランが優秀であるため、今後も油断はできないと警戒し、クランを討ち取る計画を立て始めた。クランを討てば、バサマーク側に有利な状況が訪れると判断し、トーマスは暗殺を決意した。

一方、クランからの書状がロルト城に届き、ルメイルとアルスは奇襲作戦を決行することを決定。クランの本隊と連携するため、進軍を開始した。途中でクランが派遣した兵と合流し、スターツ城への奇襲の準備が整った。

その後、シャドーの報告によれば、敵がトーライ山に大型の触媒機を移動させていることが判明。ミレーユは弟トーマスの作戦を推測し、雨を降らせてクラン軍の機動力と聴覚を奪う奇襲を仕掛ける狙いだと見抜いた。アルスはクランを守るため、シャドーのファムに依頼。ファムはこの依頼に応じ、クランを救うために動き出した。

ファムはその際、アルスに仕官を申し出て、アルスもこれを受け入れ、正式にシャドーを家臣に迎えることとなった。

クランはスターツ城攻略を目前にしていたが、敵がトーライ山に大型触媒機を移動させたことに疑念を抱いていた。その後、突然の大雨が降り、奇襲の可能性が浮上。クラン軍は奇襲を受け、クラン自身も危機に直面するが、シャドーのファムとベンが間一髪で救出した。

ファムは影魔法を使ってクランを戦場から脱出させ、敵の混乱を誘った。クランは無事に本陣へ戻り、ロビンソンの支援で兵をまとめ、士気を高めるために自ら演説を行った。奇襲の失敗を宣言し、クランは今こそがスターツ城攻略の好機であると判断し、全軍に出撃命令を下した。

ファムとベンがクランの命を救った後、クランは即座にスターツ城への進軍を開始した。アルスはその報告を受け、ルメイルに伝え、アルスたちも奇襲を仕掛けるべく準備を整えた。彼らはスターツ城北西の城壁を攻撃し、シャーロットの魔法で防御魔法を破壊し、城内への侵入に成功した。

リーツは、城内の重要な魔法施設の情報を得るため、敵兵を探し出し、一騎打ちを申し込んできた敵の少年ブラッハム・ジョーと対峙した。ブラッハムは単純だが非常に強力な敵であったが、リーツは冷静に対応し勝利した。ブラッハムは敗北を認め、リーツに魔法施設の情報を提供した。

リーツが敵兵から魔法施設の情報を聞き出していた頃、ミレーユも同様に敵隊長を捕らえて情報を得ることに成功した。クラマントは塔を占拠し、爆発魔法を使って正門や城壁を破壊しようと計画し、無事に塔の制圧を完了させた。アルスたちは援軍として塔に向かい、メイトロー傭兵団と共に敵兵を撃退した。

その後、シャーロットの魔法で城壁を破壊し、本隊は城内への侵入に成功。クラン本隊の進軍により、敵兵は市街を放棄し、撤退を開始した。最終的に、アルスたちはスターツ城を完全に制圧し、ベルツド郡長やトーマスは逃亡したが、城主ステファンは捕らえられた。こうして、スターツ城を手中に収めることに成功した。

三章  勝利

クランがスターツ城を落とした後、戦の勝利を全員に告げ、城の防御力を強化するよう指示を出した。アルスはクランに呼ばれ、戦での功績を称えられるとともに、捕虜の中から人材を鑑定する任務を依頼された。捕虜の中にいたブラッハムという若い戦士は、優れた武勇と統率力を持ちながらも知略が極端に低く、クランへの仕官を拒否していた。

アルスはブラッハムにリーツと再戦することを提案し、負けた場合はアルスに仕えるよう条件を出した。ブラッハムはこれを承諾し、リーツとの決闘が行われた。リーツはブラッハムの突きを見事にかわし、勝利を収めた。結果、ブラッハムはアルスに仕官することを決め、リーツがその教育を任されることとなった。

ベルツド城での軍議では、スターツ城を失ったことが致命的であり、軍勢も大きく失ったため、重臣たちは暗い表情をしていた。家臣たちは郡長カンセスに降伏を提案し、無駄な死を避けるべきだと説得したが、カンセスは抵抗を示した。しかし、トーマスが起死回生の策を提案し、それに賭けることとなった。

一方、アルスたちはスターツ城に留まり、冬が過ぎるまで城で休息をとっていた。城内では雪が降り積もり、シャーロットと他の者たちは雪遊びを楽しんでいた。そんな中、アルスはファムに呼び出され、彼の仲間であるシャドーのメンバーを紹介された。密偵として有能な者たちであり、アルスは彼らを家臣として受け入れることを決めた。

冬が過ぎ、雪が解け始めた頃、アルスたちはベルツド城攻略に向けて出陣の準備を進めていた。軍議では、城を包囲することで落とす作戦が決定された。クランはこの戦いに出陣せず、スターツ城から指示を出し、シャドーに護衛を依頼した。

ある日、ベルツド郡長カンセスの使者がスターツ城に訪れ、休戦を提案した。しかし、使者は「秘密兵器」を持っていると主張し、場は一時騒然となった。ロビンソンやミレーユは、この主張をハッタリと判断し、クランもその考えを支持した。後日、密偵の報告により、兵器は偽りであり、敵の目的は時間稼ぎと防衛罠の準備であることが判明した。

クランはこの情報をもとに出撃を決定したが、アルスとミレーユはトーマスがそんなミスをするのか疑問を感じ、ロセルも不安を抱いていた。そして、ロセルは突然、敵の真の作戦に気づいたと告げた。

トーマスは兵士たちと共に森に潜み、敵を罠にかけるための奇襲作戦を準備していた。敵にわざと情報を流し、罠を阻止しに来ることを期待していた。しかし、アルスの仲間であるロセルがトーマスの作戦に気づき、敵が奇襲を仕掛ける可能性が高いことをクランに報告した。クランはそれを受け、火攻めを決断。森を炎で焼き尽くし、トーマスを含む兵士たちを捕らえた。

捕虜となったトーマスは、クランに仕えるよう説得されたが、彼は主君バサマークへの忠誠を貫き、断固拒否した。最終的にトーマスは牢に入れられ、ベルツド城を包囲するための出陣準備が進められた。

エピローグ

冬が明け、アルスたちはベルツドを落とすために出陣した。指揮を執ったルメイルは、徹底的な包囲網を敷き、数日後、ベルツドは降伏した。クランは郡長カンセスを降ろし、牢に閉じ込めるが、命は奪わず、態度次第で新たな領地を与えることを約束した。ベルツドの降伏後、クランはルメイルをベルツド郡長に任命し、アルスにはカナレ郡長の地位を与えることを決定した。ルメイルはカナレに愛着を持っていたが、最終的にベルツド郡長を引き受け、アルスにカナレを託した。

番外編  傭兵リーツ・ミューセス

サマフォース帝国の小さな町、レッドルートで奴隷として生まれたリーツ・ミューセスは、貧しい環境で過酷な生活を送っていた。両親を早くに亡くし、妹も失った彼は、11歳で奴隷市場に売られた。そこで傭兵団「フラッド」のリーダー、バロック・グレイドに銀貨一枚で買われ、戦士として育てられることになった。リーツは一か月で戦場に出られるよう訓練され、戦えなければ捨て駒にされる運命を悟り、必死に食事を取りながら未来に備えた。

リーツは傭兵団フラッドに加わり、団員たちから特に関心を持たれず、自分がすぐに死ぬと思われていることを感じていた。しかし、リーツは生き延びるため、剣の訓練に励み、観察力と運動神経の優れた彼は急速に上達していった。バロックもその成長を認め、ペンタンにさらに剣術を教えるよう命じた。ペンタンの指導でリーツはさらに腕を磨き、戦場での活躍が期待されるようになった。

数週間後、傭兵団は野盗退治の仕事に参加することが決まった。リーツも装備を整え、初陣に臨むことになったが、報酬から装備代が引かれるため、しばらくは報酬を受け取れないことに少し落胆した。それでも、リーツは初めての実戦に挑む準備を整え、緊張感を抱きながらその日を迎えた。

リーツは初陣の日、傭兵団フラッドの一員として野盗討伐に参加した。指揮官オードバルの無策な突撃にも関わらず、敵の不意をついたことで戦況は有利に進んだ。リーツは初めての戦場で緊張しつつも、持ち前の身体能力と剣術の才能を発揮し、次々と敵を倒していった。彼は初陣にもかかわらず、驚異的な速度で戦場に慣れ、戦果を上げた。

戦いの後、報酬を巡ってオードバルとバロックの間に対立があったものの、最終的に報酬は手に入り、傭兵団はその夜、酒場で盛大に祝った。リーツは団員たちから称賛され、マルカ人でありながらその実力を認められることとなった。これまでの奴隷としての扱いとは全く異なる歓迎を受け、リーツは戸惑いながらも、その日の疲れから一人静かに眠りについた。

リーツは傭兵団フラッドに所属して一年が経過し、数々の戦いを経験して成長していたが、彼の心には疑問が生じていた。戦争が増え、一般人が貧しくなる一方で、傭兵団は報酬を得て豊かになっていく現実に、リーツは納得できない気持ちを抱えていた。

ある日、リーツは町で傭兵団の団員が貧しい娘に無理矢理迫っている場面に遭遇した。彼は団員たちを止めようとし、団員たちと対立することになった。傭兵団の規則では団員同士の争いは禁じられていたが、リーツは剣を抜き、娘を助けるために立ち向かった。団員たちはリーツの実力に恐れを抱き、最終的に娘を解放して立ち去った。

しかし、助けた娘はリーツに感謝せず、彼に侮蔑の目を向けて立ち去った。リーツは、自分がマルカ人であることから差別されている現実を痛感し、心に深い傷を負った。

リーツは傭兵団フラッドでの生活を続けていたが、ある日団員たちの悪事を止めようとしたことで、団長バロックに呼び出された。リーツは団員たちの行為を止めた理由を正当化しようとしたが、バロックは傭兵団では正義の味方になる必要はないと冷たく告げた。リーツはマルカ人という出自ゆえに、どこにも受け入れられず、傭兵団以外に生きる道がないことを痛感した。

その後、バロックはリーツに団員たちへ謝罪するよう命じ、リーツはしぶしぶ従った。バロックはリーツがこの事件で屈するだろうと確信していたが、リーツは悪事を見逃すようになり、次第に他の団員たちの行動に目をつぶるようになった。

時が経ち、傭兵団は成長を遂げたものの、バロックは名声が足りず大きな戦場に呼ばれない現状に焦りを感じていた。そんな中、ついに大きな仕事が舞い込み、フラッドは辺境のウプスナ郡での反乱討伐に参加することとなった。リーツはバロックや団員たちの興奮に反して、何か不安を感じながらも任務に向かうこととなった。

傭兵団フラッドはバズル砦に入って防衛戦に参加した。敵軍はルダッソ家が率いる反乱軍で、彼らは士気が高く、砦を激しく攻めてきた。しかし、フラッドの団員たちは奮闘し、特に団長のバロックが鬼神のような戦いぶりを見せた。リーツもまた、多くの敵を斬り倒し、戦況はフラッド側に有利に進んだ。

敵軍が撤退を始めたとき、バロックは追撃を提案し、テレンス郡長はそれを許可した。リーツはリスクが高いと感じたが、団員たちは興奮し、追撃に出た。しかし、敵は逃げているふりをしており、フラッドは伏兵に待ち伏せされ、魔法兵からの攻撃を受けた。フラッドの兵たちは次々と炎に焼かれ、バロックも負傷したが、リーツはバロックを背負って戦場から脱出した。

追撃が裏目に出た結果、多くの団員が命を落とし、フラッドは壊滅的な被害を受けた。

リーツはバロックを背負いながら、衰弱した彼を助けるため砦を目指したが、途中でバロックは息絶えた。リーツは傭兵団フラッドのわずかな生存者とともに砦に戻ったが、フラッドは解散となった。バロックの死と多くの団員の喪失により、傭兵団の再起は不可能だったのである。

リーツは他の傭兵団に入ることなく、マルカ人としての差別を受けながらミーシアン中を旅した。どこにも居場所が見つからず、食料さえも割高で買わざるを得ない状況に陥った。やがて彼はカナレ郡のランベルクにたどり着き、同じように差別を受ける日々を送った。

その時、妙に大人びた子供がリーツに「私の家臣になってほしい」と声をかけたことで、リーツの運命が大きく動き出すこととなった。

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