最強装備宇宙船 10 レビュー
最強装備宇宙船 全巻まとめ
最強装備宇宙船 12 レビュー
どんな本?
この巻では、プラチナランカーの独立傭兵ヒロ(クリシュナおよびブラックロータス船長)が中心人物となる。ヒロたちはエイニョルス星系でのゲートウェイ利用待ちを経て、エルマ用の新造艦調達と自身用の軽量パワーアーマー入手を目的に、帝国最大の造船基地であるウィンダス星系(ウィンダステルティウスコロニー)へ移動する。
入港後、鹵獲した他国製高速戦闘艦をスペース・ドウェルグ社へ売却し、イデアル・スターウェイ社から超光速ドライブ阻害兵装グラビティジャマーを搭載した試作中型艦「アントリオン」を購入する。その過程で、ヴェルザルス神聖帝国からやってきた狐耳の巫女クギと遭遇し、無防備だった精神の保護を受けた後、聖堂での対談を経て彼女を正式に船へ受け入れる方針を固める。
ヒロは貴族御用達の工房で忍者風の特注パワーアーマーを発注し、クギの指導のもと第二法力(精神防護)を体得する。また、出向中だったドワーフの双子整備士ティーナとウィスカが会社を退職し、正式な専属クルーとなる。特注アーマー受領時に未知の異星生物「黒い鉄蜘蛛」の襲撃を受けるが、聖堂護衛官コノハの介入により撃破する。直後、大佐へ昇進したセレナから相場3倍の指名依頼を打診され、最辺境領域(エッジワールド)に関わる新たな任務へ向かう準備を整えるところまで進む。
主要登場人物
ヒロ
- 立場・所属:プラチナランカーの独立傭兵。小型戦闘艦クリシュナおよび航宙母艦ブラックロータス船長。グラッカン帝国名誉子爵。
- 主人公との関係:主人公本人。
- この巻での主な役割:エルマ用新造艦および特注パワーアーマーの調達、クギとの遭遇と同行受入、精神防護の修行、黒い鉄蜘蛛との交戦。
- この巻で起きた重要な変化や行動:クギから指導を受け、他者からの精神干渉を防ぐ強固な精神障壁を体得した。特注の忍者風軽量パワーアーマーを受領し、襲来した異星生物の無力化を行った。
エルマ
- 立場・所属:ヒロの船の副操縦士・参謀。ウィルローズ子爵家出身の元傭兵。
- 主人公との関係:ヒロのクルーでありパートナー。
- この巻での主な役割:新造艦の要件定義、アントリオンの選定、クギの身元調査の立ち合い。
- この巻で起きた重要な変化や行動:ヒロから試作中型艦アントリオンを与えられ、専用の操縦を担当することになった。
クギ(クギ・セイジョウ)
- 立場・所属:ヴェルザルス神聖帝国神祇省所属の巫女。三本の狐尾を持つ。
- 主人公との関係:上位世界から落ちてきたヒロに仕え、身を捧げる使命を持ってやってきた人物。
- この巻での主な役割:ヒロへの精神保護、第二法力(精神防護)の指導、クルーへの同行申し出。
- この巻で起きた重要な変化や行動:雑踏でヒロに接触して精神の応急処置を施し、聖堂対談を経て不干渉・支援方針のもとでヒロの船へ正式に同行することが決まった。
ミミ
- 立場・所属:ヒロの船のオペレーター兼会計管理。
- 主人公との関係:ヒロのクルーでありパートナー。
- この巻での主な役割:新造艦選定における中型艦提案、ホテル手配、クギの生活サポート。
- この巻で起きた重要な変化や行動:小型艦に限定しない中型艦導入のアイデアを出し、アントリオン選定に寄与した。サブパイロットシミュレーター訓練を継続している。
ティーナ&ウィスカ
- 立場・所属:スペース・ドウェルグ社社員(出向)。
- 主人公との関係:ヒロの船の専属整備士。
- この巻での主な役割:鹵獲高速戦闘艦のレストア報告書作成、同艦の売却仲介、会社退職と正式加入の申し出。
- この巻で起きた重要な変化や行動:鹵獲艦を1200万エネルで売却し、報酬を受け取った後、会社を退職してヒロの船の正式なクルーとなった。
セレナ・ホールズ(セレナ大佐)
- 立場・所属:グラッカン帝国航宙軍対宙賊独立艦隊司令。ホールズ侯爵家令嬢。
- 主人公との関係:ヒロに軍事任務や指名依頼を打診する帝国軍人。
- この巻での主な役割:大佐昇進後のヒロとの遭遇、模擬戦でのモーションデータ計測協力、指名依頼の事前打診。
- この巻で起きた重要な変化や行動:中佐から大佐へ昇進した。工房でヒロと模擬戦を行い七連敗した。異星生物襲撃事件の背景を受け、ヒロに相場3倍の指名依頼(エッジワールド関連)を打診した。
コノハ(コノハ・ハガクレ)
- 立場・所属:ヴェルザルス神聖帝国神祇省の聖堂護衛官。
- 主人公との関係:聖堂の武官であり、襲撃時にヒロを救援した人物。
- この巻での主な役割:第一法力(念力)を用いた黒い鉄蜘蛛の殲滅。
- この巻で起きた重要な変化や行動:クギの念話要請を受けて現場に駆けつけ、第一法力で複数体の黒い鉄蜘蛛を圧殺・破壊した。
読んだ本のタイトル
#目覚めたら最強装備と宇宙船持ちだったので、一戸建て目指して傭兵として自由に生きたい11
著者:#リュート 氏
イラスト:#鍋島テツヒロ 氏
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あらすじ・内容
ヒロに激重感情を向ける謎の狐耳巫女娘襲来!?
新しい船の購入を考え、帝国最大の造船基地星系を訪れたヒロ。なぜか好条件で中型の実験機を買えることに……?
目覚めたら最強装備と宇宙船持ちだったので、一戸建て目指して傭兵として自由に生きたい 11
だがその帰りの駅では、謎の教団に所属する巫女装束の狐耳っ娘クギに遭遇し、テレパシーで脳に直接話しかけられる。なんでも教団の教えに従い、ヒロに同行してサイオニック能力の使い方を教えてくれるという。サイオニック能力を自在に使いこなす武官の人間離れした技を目にしてドン引きしたりもしつつ、ヒロはクギと訓練をしていく!!
感想
狐耳巫女クギが加入! 忍者アーマーを買ったら謎の鉄蜘蛛に襲われた
『目覚めたら最強装備と宇宙船持ちだったので、一戸建て目指して傭兵として自由に生きたい』11巻は、新しい仲間の加入と装備の強化が中心になる巻だった。
今回登場する新キャラクターは、狐耳と三本の尻尾を持つ不思議な少女、クギ。
いきなりヒロを「我が君」と呼び、自分は彼に仕える巫女だと言い出す。
しかも、ヒロがこの世界にやってきた理由に関係する、かなり重要な話まで持ち出してきた。
ただの新ヒロインかと思ったら、物語の根幹に関わりそうな人物なのである。
一方、ヒロたちは当初の目的だった新しい宇宙船の購入も進める。
帝国最大の造船基地がある星系で中型船を購入し、さらにブラックロータスの装備まで強化。
ヒロ自身も生身での戦闘に備えて、忍者のようなパワーアーマーを注文する。
ここまでは、順調な買い物の旅だった。
ところが、完成したアーマーを受け取りに行ったところで殺人事件が発生。
謎の鉄蜘蛛に襲われ、最後には神聖帝国の護衛官が常識外れの戦闘能力を見せつける。
そして、なぜかセレナ大佐に借りを作ることになってしまう。
新しい装備を買いに来ただけなのに、また面倒事に巻き込まれている。
本当にヒロは、平穏な傭兵生活とは縁がない主人公だと思う。
※以下、11巻のネタバレを含みます。
狐耳に三本尻尾のクギ登場。属性を盛りすぎでは?
今回、最も印象に残ったのは新キャラクターのクギである。
白い巫女装束のような衣装をまとい、狐の耳と三本の尻尾を持つ少女。
しかも、ヒロに対して最初から強烈な好意を向けてくる。
ヒロ自身も、あまりの属性の多さに内心でツッコミを入れていた。
確かに、これは盛りすぎだろう(笑)。
狐耳、三本尻尾、巫女、不思議ちゃん、そして主人公への絶対的な忠誠。
一つずつでも十分にキャラクターが成立しそうなのに、全部まとめて投入してきた。
しかし、クギの面白さは見た目だけではない。
彼女はヴェルザルス神聖帝国から派遣された巫女であり、ヒロに仕えることを使命としている。
しかも、その理由が想像以上に大きな話だった。
ヒロは上位世界からこちらの世界へ落ちてきた存在であり、クギの属する組織はその出来事に責任を感じているという。
その償いとして、ヒロを支えるために彼女が派遣されたらしい。
ここで、これまで謎だったヒロの異世界転移に新しい説明が加わった。
ゲームに似た宇宙へ突然やってきた主人公。
その背景に、神聖帝国の宗教組織が関係しているのだろうか。
単なる仲間の追加ではなく、世界観そのものが広がり始めたことが興味深かった。
帰れば処分される? ヒロがクギを受け入れた理由
クギは自分をヒロの巫女だと言い、身の回りの世話から精神的な支援まで引き受けようとする。
しかし、ヒロからすれば突然現れた知らない少女である。
しかも、相手は宗教組織から派遣されてきた人物だ。
普通なら警戒するだろう。
ヒロも最初は断ろうとしていた。
ところが、クギは使命を果たせずに本星へ戻れば処分される可能性があると説明する。
これを聞いて、ヒロの態度が変わる。
結局、彼女を保護する意味も込めて、自分の身内に迎え入れることになった。
この展開には、いかにもヒロらしさを感じた。
面倒事は嫌いだと言いながら、目の前で困っている相手を見捨てられない。
しかも、クギはヒロに対して純粋な好意を向けている。
その気持ちを真正面からぶつけられたら、冷たく追い返すことも難しいのだろう。
ただ、今回は少し気になる点もあった。
クギは出会った直後、精神に干渉するような能力を使っている。
それなのに、ヒロは彼女をかなりあっさり受け入れてしまった。
女性陣が警戒するのも当然である。
敵意がないから安全とは限らない。
本人が善意で行動していても、精神に直接作用する能力は厄介だ。
ヒロは普段、敵の戦力や装備については慎重に考える。
それなのに、クギの純粋な好意には意外と無防備だった。
このあたりは、ヒロの弱点なのかもしれない。
クギの精神感応能力が怖い。ヒロの出自にも関係がありそう
クギの登場で気になったのが、彼女の使う特殊な力である。
これまでのシリーズは、宇宙船やレーザー兵器、パワーアーマーなど、科学技術を中心にした世界だった。
ところが、クギは精神に干渉し、通常の科学技術とは異なる方法でヒロを助けようとする。
彼女が使う力は、神聖帝国では法力と呼ばれているらしい。
しかも、ヒロにもその素質があるという。
ここが面白い。
ヒロはもともと、宇宙船の操縦や戦闘で非常に優れた能力を発揮していた。
そこに、さらに精神や身体に作用する力まで加わる可能性が出てきた。
いったいどこまで強くなるのだろうか。
ただ、クギの能力には不気味さもある。
相手の精神状態に触れ、感情や意識へ働きかけられる。
こうした力を敵が使ってきたら、宇宙船の装甲がどれほど厚くても意味がない。
ヒロが精神防御の訓練を始めるのも納得できる。
戦闘で強いことと、精神攻撃に耐えられることは別問題なのだ。
クギの存在は、今後の敵や戦い方にも大きな影響を与えそうである。
帝国最大の造船基地で新しい船を購入。やはり装備選びは楽しい
新キャラクターの登場に加えて、11巻ではヒロたちの装備強化も進む。
目的地は、帝国最大の造船基地がある星系。
工房や造船関連企業が並ぶ区画を歩きながら、新しい船を探していく。
こういう買い物の場面は、個人的に好きだ。
宇宙船が登場する作品では、戦闘シーンも面白い。
しかし、新しい機体を選び、どんな装備を搭載するか考える時間にも独特の楽しさがある。
今回は帝国航宙軍にも多くの艦艇を納入している企業の営業を受け、中型船を購入することになる。
軍への納入実績があるというのは、なかなか心強い。
ヒロたちの戦力は、クリシュナだけでなく、ブラックロータスを中心とした複数の艦艇へと広がっていく。
最初は一隻の宇宙船で自由に生きようとしていた主人公が、気づけば相当な規模の戦力を持つようになっている。
しかも、ブラックロータスのジェネレーターや武装まで強化することになった。
こうした装備の充実は頼もしい。
ただし、強くなればなるほど、帝国軍から面倒な仕事を頼まれる機会も増えそうだ。
自由を求めて戦力を整えているのに、その強さが原因で自由から遠ざかる。
ヒロの傭兵生活には、そんな皮肉も感じる。
ドワーフ姉妹の正式加入も嬉しい
今回、ティーナとウィスカにも大きな変化があった。
二人はスペース・ドウェルグ社との関係を整理し、正式にヒロの船のクルーになることを希望する。
これまでの働きを考えれば、自然な流れだと思う。
宇宙船の整備や改造には専門家が必要である。
しかも、ヒロは新しい船を購入し、ブラックロータスの装備も強化している。
船が増えれば、当然ながら整備の仕事も増える。
そんな状況で、信頼できる技術者が正式に仲間になるのは心強い。
ヒロも二人の希望を快く受け入れる。
仲間が少しずつ増え、船内の生活が賑やかになっていく。
ただ、ここまで人数が増えてくると、もう小さな傭兵チームとは呼べない気もする。
いつの間にか、宇宙を移動する一つの生活共同体のようになっている。
一戸建てを目指していたはずなのに、先に宇宙船の中で大所帯を作ってしまった。
このあたりも、シリーズらしい面白さだと思う。
忍者のようなパワーアーマーを購入。ヒロの趣味が出ている
新しい宇宙船だけでなく、ヒロ自身の装備も更新される。
今回購入するのは、生身での戦闘に使うパワーアーマーだ。
以前からヒロは、宇宙船を降りたあとの戦闘にも対応できるよう、装備を整えてきた。
ただ、今回は単に防御力を高めるだけではない。
動きやすさ、隠密性、機動力を重視した特注品を注文する。
そして完成したのが、黒を基調とした忍者のようなパワーアーマーである。
いや、忍者なのか(笑)。
宇宙を舞台にしたSF作品なのに、ここで忍者風の装備が登場するのが面白い。
もっとも、ヒロの戦い方には合っていると思う。
正面から重火器を撃ち合うより、機動力を活かして敵の隙を突く。
必要なら剣も使う。
さらに迷彩機能や特殊な装備まで搭載されている。
見た目だけでなく、実用性もしっかり考えられているわけだ。
装備の選定にあたって、エルマの兄エルンストから工房を紹介してもらう流れも興味深かった。
かつては決闘で対立した相手との縁が、こうして役に立つ。
ヒロは何だかんだで、各方面に人脈を作っているのである。
セレナ大佐との再会。相変わらず面倒な関係が続く
パワーアーマーの工房では、セレナとも再会する。
しかも、いつの間にか少佐から大佐へ昇進していた。
昇進するほど優秀な軍人なのは間違いない。
しかし、ヒロと顔を合わせると、どうにも面倒な方向へ話が進む。
今回も模擬戦をすることになり、ヒロが連勝してしまう。
セレナの剣術も十分に強いはずなのに、ヒロは時間の流れを遅く感じる能力まで使える。
普通の剣術だけで対抗するのは、かなり厳しいだろう。
それでも、セレナは簡単には引き下がらない。
この負けず嫌いなところは相変わらずである。
ただ、彼女が出てくると、物語に妙な安心感もある。
本人は真面目に仕事をしているのに、ヒロが関わると何かしら騒動が起こる。
今回もその予感が漂っていた。
そして、終盤には本当に面倒なことになる。
やはりヒロとセレナは、そういう巡り合わせなのかもしれない。
パワーアーマーを受け取りに行ったら殺人事件。展開が急すぎる
完成したニンジャアーマーを受け取りに行ったヒロ。
本来なら、試着して性能を確認し、そのまま持ち帰るだけの予定だった。
ところが、近隣で殺人事件が発生する。
しかも、犯人と思われる謎の生物が工房にまで突入してきた。
その正体は、金属のような外見をした黒い蜘蛛型の怪物。
何とも不気味な相手である。
ヒロは完成したばかりのニンジャアーマーを着用し、モノソードで応戦する。
怪物の脚を切り落として、どうにか無力化することに成功した。
ここまではよかった。
しかし、さらに三体の鉄蜘蛛が現れる。
どうやら、最初の個体が仲間を呼び寄せたらしい。
せっかく新しい装備を受け取ったのに、いきなり実戦投入である。
しかも、相手はレーザー兵器がほとんど効かない厄介な怪物だった。
ヒロは工房の人々を逃がすため、自分が殿になって敵を引きつける。
この判断は格好よかった。
自分だけなら逃げられるかもしれない。
それでも、装備を持たない人たちを置いてはいけない。
普段は面倒事を嫌うヒロだが、こういう場面では迷わず前に出る。
ただ、ここからさらに予想外の人物が登場する。
神聖帝国の護衛官コノハが強すぎる。パワーアーマーの意味とは?
鉄蜘蛛との戦闘に駆けつけたのは、神聖帝国の聖堂護衛官コノハだった。
そして、この人物がとんでもなく強い。
ヒロは高性能なニンジャアーマーを装備し、モノソードを使ってようやく鉄蜘蛛に対抗していた。
ところが、コノハは生身のまま、アーマー以上の速度で動く。
さらに、法力を使って鉄蜘蛛の動きを封じ、念力で押し潰してしまう。
いや、どういうことだ。
ヒロが苦労して戦っていた相手を、あっさり片づけてしまうのである。
しかも、追加で現れた鉄蜘蛛まで瞬く間に撃破する。
これにはヒロがドン引きするのも無理はない。
大金をかけて最新のパワーアーマーを購入した直後に、生身の人間がそれを上回る戦闘能力を見せつける。
何とも複雑な気分になるだろう。
もちろん、ニンジャアーマーには防御力や環境適応能力など、生身では得られない利点もある。
だから購入が無駄になったわけではない。
それでも、あれだけ強い人物を見せられると、装備の性能とは何なのかと考えてしまう。
ヒロが敵対した場合の対処法を考え始めるのも、傭兵としては自然な反応だと思う。
そして、コノハの強さによって、神聖帝国という勢力の恐ろしさも一気に増した。
クギ一人でも不思議な能力を持っているのに、その護衛官がここまで強い。
神聖帝国には、いったいどれほどの実力者がいるのだろうか。
鉄蜘蛛の正体も気になる。単なる殺人事件では終わらなさそう
今回の事件で気になったのは、鉄蜘蛛が普通の機械や生物とは違う存在に見えることだ。
金属のような外見を持ちながら、独特の動きで襲ってくる。
レーザー兵器に強い耐性があり、仲間を呼び寄せるような行動まで見せる。
しかも、突然コロニー内に出現し、人を襲っている。
これが単なる偶然の事件とは思えない。
どこから来たのか。
誰かが持ち込んだのか。
それとも、未知の異星生命体なのか。
ヒロたちも、これまで多くの危険な相手と戦ってきた。
しかし、今回の鉄蜘蛛には、これまでとは違った不気味さがある。
特に気になるのは、コノハが簡単に倒してしまったことで、逆に怪物の正体がよくわからないまま終わっている点だ。
圧倒的な力で解決したからといって、事件の原因まで解決したわけではない。
この先、さらに大きな問題につながりそうな予感がする。
最後はセレナ大佐に借りを作る。やっぱり波乱の予感
鉄蜘蛛との戦闘が終わると、今度はコロニーの治安部隊が駆けつける。
当然ながら、現場にいたヒロたちも事情聴取を受けることになった。
新しい装備を受け取りに来ただけなのに、殺人事件の関係者として調べられる。
本当に災難である。
しかも、身分確認や事件の処理を進める中で、セレナ大佐に借りを作ることになってしまう。
これが一番嫌な予感しかしない。
セレナは優秀な軍人だが、ヒロを便利な戦力として扱うこともある。
そしてヒロは、何だかんだで彼女の頼みを断りきれない。
借りを作ったとなれば、次に何か頼まれたときの立場はさらに弱くなるだろう。
自由な傭兵として暮らしたいはずなのに、帝国軍との関係がどんどん深くなっていく。
しかも、今回は神聖帝国まで関わってきた。
ヒロの周囲には、次々と大きな組織が集まっている。
一戸建てでのんびり暮らすという当初の目標が、ますます遠く感じられる。
まとめ|11巻は新しい仲間と装備が増えた一方で、世界の謎も深まった
11巻は、クギの加入と新装備の購入が印象的な巻だった。
特にクギは、狐耳と三本尻尾という見た目のインパクトが強い。
ヒロが属性を盛りすぎだと感じるのも納得できる。
しかし、彼女の本当の重要性は、ヒロの出自に関する情報を持っていることだろう。
上位世界から落ちてきた存在。
その出来事に責任を感じている神聖帝国。
そして、ヒロを支えるために派遣された巫女。
これまで何となく受け入れていた異世界転移の設定に、新しい意味が加わったように感じた。
一方で、ヒロたちの戦力も着実に増えている。
新しい中型船を購入し、ブラックロータスの装備を強化。
ティーナとウィスカも正式に仲間になり、ヒロ自身はニンジャアーマーを手に入れた。
装備を選んでいる場面は楽しかった。
ところが、その直後に鉄蜘蛛が出現し、せっかくの新装備がいきなり実戦投入される。
さらに、神聖帝国の護衛官コノハが生身で怪物を圧倒してしまう。
あれだけ高性能な装備を購入した直後に、装備を上回るような力を見せられるとは思わなかった。
この世界には、まだまだヒロの知らない強者がいるらしい。
そして最後には、セレナ大佐に借りを作ることになる。
新しい船を買い、仲間を増やし、装備を整える。
本来なら、これでさらに自由な傭兵生活を楽しめるはずだった。
それなのに、事件と面倒事が次々と押し寄せてくる。
まったく、ヒロは落ち着く暇がない。
クギの正体や神聖帝国の目的、鉄蜘蛛の謎、そしてセレナ大佐との今後の関係。
気になる要素が一気に増えた11巻だった。
次巻では、今回の事件がどのように広がっていくのか楽しみである。
最強装備宇宙船 10 レビュー
最強装備宇宙船 全巻まとめ
最強装備宇宙船 12 レビュー
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考察・解説
ストーリー・プロット
第1幕:ウィンダス星系到着と鹵獲艦の売却
- 状況:ヒロたちはエイニョルス星系でのゲートウェイ利用待ちを終え、帝国最大の造船基地であるウィンダス星系へと移動する。
- 発端:エルマ用の新造艦調達と、生身でモノソードを扱える自身用の軽量パワーアーマー入手を目的に、交易コロニー「ウィンダステルティウスコロニー」に入港する。
- 行動:ヒロたちはスペース・ドウェルグ社支社を訪れ、出向中の整備士姉妹がレストアした他国製の高速戦闘艦の売却交渉を行う。
- 結果:会社側から提示された1200万エネルで即決売却が成立し、ヒロは契約通り売却益の3割(360万エネル)を整備士姉妹に分配する。
第2幕:試作中型艦アントリオンの選定と購入
- 状況:鹵獲艦の売却後、新機体を求めてシップヤードのラウンジで性能要件を検討する。
- 発端:ミミから「小型艦に限定する必要があるのか」という指摘が出され、火力と装甲に優れる中型艦の導入へと方針を変更する。
- 行動:イデアル・スターウェイ社の営業担当オータムから、周囲の超光速ドライブ起動を阻害する試作兵装「グラビティジャマー」を搭載した試作中型艦「アントリオン」を提案される。
- 結果:ヒロは全装備を軍用規格の上位品へ換装し、総額1800万エネルで購入契約を結ぶ。あわせてブラックロータスの装備換装(1200万エネル)も決定する。
第3幕:クギとの遭遇と聖堂訪問
- 状況:ブラックロータスの改修に伴い、一行は市街地のホテルへ一週間滞在することになる。
- 発端:トラムの駅から出た直後、ヒロの脳裏に強烈な親愛の感情波が届き、三本の狐尾を持つ少女クギが駆け寄ってくる。
- 行動:クギは無防備なヒロの精神世界に入り込んで保護の応急処置を施し、自身が神聖帝国の巫女でヒロに仕える使命があると明かす。ヒロ、エルマ、メイはコロニー内の聖堂を訪れ、責任者のコンゴウと対談する。
- 結果:コンゴウから「上位世界から落ちてきたヒロが絶望して能力を暴走させるリスクを防ぐ」という不干渉・支援方針を聞き、ヒロはクギを正式に受け入れる意志を固める。
第4幕:特注アーマー発注とセレナとの模擬戦
- 状況:生身で剣を振るうための軽量級パワーアーマーを捜索する。
- 発端:市販品に目当ての装備が見当たらないため、エルマの兄エルンストから貴族御用達の高級工房を紹介してもらう。
- 行動:ヒロは環境適応性、精密動作性、隠密性、機動力を重視した忍者風デザインの特注アーマーを発注する。そこへ大佐へ昇進したセレナが現れ、モーションデータ計測を名目に地下訓練場で模擬戦を挑まれる。
- 結果:ヒロは時間の流れを鈍化させる能力を駆使し、セレナに7戦全勝を収める。
第5幕:精神防護の修行と整備士姉妹の正式加入
- 状況:他者からの精神干渉を防ぐため、クギの指導のもとで第二法力の修練を開始する。
- 発端:クギの催眠術で自我の境界を失い、記憶や本音を自白させられる屈辱を味わう。
- 行動:ヒロは実践形式の厳しい反復訓練に耐え、強固な心の防壁をイメージすることで、クギでも突破できない強固な精神障壁を確立する。翌日、レストランで整備士姉妹から「会社を辞めて正式にヒロの船のクルーになりたい」と申し出を受ける。
- 結果:ヒロは即座に快諾し、ティーナとウィスカの正式加入が決まる。
第6幕:特注アーマー試着と「黒い鉄蜘蛛」の襲撃
- 状況:完成連絡を受け、ヒロはクギを伴ってアーマーショップを訪れる。
- 発端:試着を終えた直後、壁を突き破って金属光沢を持つ謎の異星生物「黒い鉄蜘蛛」が店内に乱入してくる。
- 行動:ヒロはモノソードで1体の足を削ぎ落として無力化するが、敵の断末魔の思念波でさらに3体、続いて5体の鉄蜘蛛が呼び寄せられる。レーザー兵器が効かない装甲に対し、ヒロは店主とクギを避難させて引き撃ちで時間を稼ぐ。
- 結果:クギの念話要請を受けた聖堂護衛官コノハが駆けつけ、第一法力(念力)で鉄蜘蛛を全滅させる。ヒロたちは駆けつけた帝国海兵隊の事情聴取と滅菌・除染処置を受ける。
第7幕:セレナ大佐からの指名依頼と新たな旅立ち
- 状況:駐屯地での滅菌処置を終え、ホテルへ帰還する。
- 発端:ホテルで事件の背景(最辺境領域からの調査船が持ち込んだ品が原因で7人が死亡)を話している最中、セレナ大佐からホロ通信が入る。
- 行動:セレナ大佐は相場3倍の指名依頼(軍の機密事項・エッジワールド関連)を打診してくる。
- 結果:ヒロは条件次第という前提で依頼受諾に前向きな姿勢を示し、各クルーが最辺境領域遠征に向けた準備に入る。
主要な転換点
1:中型艦アントリオンの選定と購入
- それ以前の状況:小型艦2隻をブラックロータスのハンガーに収容・運用する方針をとっていた。
- 出来事:ミミの中型艦提案を受け、イデアル・スターウェイ社の試作中型艦アントリオンを購入した。
- 変化:超光速ドライブ阻害兵装グラビティジャマーや軍用高出力レーザーを備えた中型艦が戦力に加わった。
- 次への影響:エルマが専用艦の操縦を担当することになり、ブラックロータス隊の戦術の幅が広がった。
2:クギとの遭遇と同行決定
- それ以前の状況:ヒロの精神は無防備な状態であり、サイオニック能力に対する明確な防護手段を持っていなかった。
- 出来事:雑踏で神聖帝国の巫女クギと出会い、精神世界で応急処置を受けるとともに、聖堂対談を経て同行を受け入れた。
- 変化:サイオニック能力の指導者としてクギが加わり、神聖帝国との関係が構築された。
- 次への影響:ヒロが第二法力(精神防護)を体得する流れへと繋がった。
3:第二法力(精神障壁)の体得
- それ以前の状況:ヒロは他者からの精神攻撃や催眠に対して抵抗手段を持っていなかった。
- 出来事:クギによる実践形式の催眠訓練を受け、強固な心の防壁をイメージ・構築した。
- 変化:クギの術でも突破できない強固な精神障壁を体得した。
- 次への影響:外部からの精神干渉による制御不能や、恒星系消滅といった最悪のリスクを防ぐ防護策が完了した。
4:整備士姉妹(ティーナ、ウィスカ)の会社退職と正式加入
- それ以前の状況:姉妹はスペース・ドウェルグ社からの出向扱いであった。
- 出来事:出向解除と退職を決意した姉妹から、ヒロの船の専属クルーになりたいと申し出があった。
- 変化:出向関係が解消され、正式な専属メカニックとして雇用された。
- 次への影響:ブラックロータス隊の技術・整備体制が恒久的に確立された。
5:黒い鉄蜘蛛の襲撃とコノハの介入
- それ以前の状況:ウィンダス星系にて平和的な買い物や整備を行っていた。
- 出来事:アーマーショップにてレーザーの効かない異星生物「黒い鉄蜘蛛」が乱入し、コノハが第一法力で全滅させた。
- 変化:最辺境領域(エッジワールド)から持ち込まれた未知の脅威と、第一法力の戦闘力を目の当たりにした。
- 次への影響:コロニー出港停止と滅菌処理を受け、セレナ大佐からのエッジワールド関連指名依頼へ繋がった。
ヒロを中心とした人物関係の変化
エルマ
- 開始時:信頼する副操縦士・パートナー。
- 主な出来事:アントリオンの購入、クギの受け入れ判断、日常での交流。
- 巻末時:新造艦を与え、より深い信頼と絆で結ばれたパートナー関係。
クギ
- 開始時:未遭遇。
- 主な出来事:雑踏での接触、精神応急処置、聖堂での受け入れ決定、第二法力の修行。
- 巻末時:ヒロに主君としての親愛と好意を捧げる従者・クルーとして受け入れられ、信頼関係を築き始める段階。
ティーナ&ウィスカ
- 開始時:スペース・ドウェルグ社からの出向整備士。
- 主な出来事:鹵獲艦売却益の分配、会社退職と正式雇用の申し出と快諾。
- 巻末時:出向関係を終了し、ヒロの船の正式な専属クルーとなった関係。
セレナ大佐
- 開始時:中佐として大規模作戦を終えた後の関係。
- 主な出来事:大佐への昇進、アーマー工房での模擬戦(ヒロの7連勝)、事件後の相場3倍指名依頼の打診。
- 巻末時:昇進後も変わらずヒロの戦術能力をあてにし、強引に仕事を打診してくる関係。
主人公の認識と周囲の評価
主人公自身の認識
- 自身を「自由と金を愛するただの傭兵」と捉えている。
- 常識外れの超人化や目立つトラブルは避けたいと考えており、常識的な範囲(パワーアーマーの使用など)で身を守りたいと考えている。
周囲からの評価
- セレナ大佐・帝国軍:プラチナランカー、ゴールドスター受勲者、一等帝国民・名誉子爵として極めて高い価値と影響力を持つ英雄と評価している。
- 神聖帝国・コンゴウ/クギ:上位世界から落ちてきた「落ち人」であり、絶望してポテンシャルを全解放すれば恒星系を消滅させかねない危険性と超常の力を秘めた存在と認識している。
- 工房店主:御前試合の完全優勝者であり、予算を気にせずオーダーメイドを発注する上顧客と評価している。
認識の差が現れた場面
- 聖堂での対談場面:コンゴウから「絶望してポテンシャルを全解放した場合、恒星系が消滅する」と告げられ、ヒロ本人が「俺って生きた恒星系破壊爆弾なのか」と驚愕した場面。
- アーマー工房での発注場面:店主から「最低でも20万エネルかかる」と恐縮されたが、ヒロ本人は「船に比べれば大した金額ではない」と平然と返した場面。
- セレナ大佐からの指名依頼場面:ヒロ本人は一傭兵のつもりで「指名依頼でも断れる」と考えていたが、セレナ大佐から「ゴールドスター持ちのプラチナランカーで名誉子爵の立場は自覚しているより重い」と指摘された場面。
最強装備宇宙船 10 レビュー
まとめ
最強装備宇宙船 12 レビュー
キャラクター紹介
航宙母艦ブラックロータス(ヒロ一行)
ヒロ
航宙母艦ブラックロータスの船長を務める独立傭兵。仲間や自由な生活を重視しつつ、高い操艦技術と特別な超常能力を保持する。
・所属組織、地位や役職 航宙母艦ブラックロータス・船長。プラチナランカー傭兵。帝国名誉子爵。
・物語内での具体的な行動や成果 ウィンダス星系にてエルマ用の新造中型艦アントリオンの調達や自身の特注パワーアーマーの購入を行う。クギの指導のもとで第二法力の精神障壁を体得する。襲来した黒い鉄蜘蛛の足をモノソードで切断して一時無力化へ追い込む。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 御前試合での完全優勝やゴールドスター受勲により、帝国軍人や企業からも高い影響力を認められている。
エルマ
ヒロの船の副操縦士であり、元貴族のベテラン傭兵。ヒロを支える参謀役として戦術や装備の選定を行う。
・所属組織、地位や役職 航宙母艦ブラックロータス・副操縦士。ウィルローズ子爵家出身。
・物語内での具体的な行動や成果 チームの戦闘スタイルに合わせた中型艦アントリオンの選定を提案する。クギの歓迎会や女子会を主導し、一行の人間関係を円滑に保つ。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 ヒロから新造艦アントリオンを与えられ、専用の操縦を担当することとなる。
ミミ
船内の会計や通信オペレーターを担当する少女。心優しく勉強家で、サブパイロットの訓練にも勤しむ。
・所属組織、地位や役職 航宙母艦ブラックロータス・オペレーター兼会計管理。
・物語内での具体的な行動や成果 小型艦にこだわらない中型艦導入の意見を出し、アントリオンの選定に貢献する。滞在中のホテル手配や物品購入を行う。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 オペレーター業務に加えてサブパイロットとしてのシミュレーター訓練を進める。
ウィスカ
ドワーフの双子姉妹の妹で、船の整備やメカニックを担当する。真面目で細やかな性格を持つ。
・所属組織、地位や役職 スペース・ドウェルグ社社員(出向)。後に航宙母艦ブラックロータス専属整備士。
・物語内での具体的な行動や成果 鹵獲した高速戦闘艦のレストア報告書を作成する。会社を退職してヒロの船に正式加入することを決断する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 スペース・ドウェルグ社からの出向を解除し、正式にヒロの船の専属クルーとなる。
ティーナ
ドワーフの双子姉妹の姉で、メカニックを担当する。明るく社交的な性格で技術に詳しい。
・所属組織、地位や役職 スペース・ドウェルグ社社員(出向)。後に航宙母艦ブラックロータス専属整備士。
・物語内での具体的な行動や成果 鹵獲艦のレストア報告書を完成させる。ヒロに会社退職と正式加入の意志を伝える。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 スペース・ドウェルグ社を退職し、正式にヒロの船のクルーへ移行する。
メイ
航宙母艦ブラックロータスの全般管理を担うメイドロイド。給仕と護衛能力を備える。
・所属組織、地位や役職 航宙母艦ブラックロータス・全般管理担当メイドロイド。
・物語内での具体的な行動や成果 母艦の操艦やホテルの管理業務をこなす。クギの監視と周囲の警戒を徹底し、敵の襲撃時には即座に駆けつける。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 機械知性としてサイオニック精神干渉を受けない強みを持ち、一行の安全を担保する。
クギ(クギ・セイジョウ)
ヴェルザルス神聖帝国から来た三本の狐尾を持つ巫女。ヒロを「我が君」と呼び、絶対的な忠誠と好意を寄せる。
・所属組織、地位や役職 ヴェルザルス神聖帝国神祇省・巫女。
・物語内での具体的な行動や成果 雑雑とした街中でヒロに接触し、彼の無防備な精神に応急処置の殻を作る。ヒロに精神防護の修行を施し、第二法力の習得を助ける。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 ヒロの船へお試し期間として同乗し、クルーとして受け入れられる。
ヴェルザルス神聖帝国(聖堂)
コンゴウ
ウィンダステルティウスコロニーの聖堂長を務める狼耳の神主。穏やかで理知的な人物。
・所属組織、地位や役職 ヴェルザルス神聖帝国神祇省・ウィンダステルティウスコロニー聖堂長。
・物語内での具体的な行動や成果 聖堂にてヒロと対談する。落ち人に関する歴史や不干渉支援の方針を説明し、クギの同行を認める。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 神聖帝国の出張所責任者として、ヒロとの交渉や手続きを担当する。
コノハ(コノハ・ハガクレ)
聖堂の護衛を務める丸耳の女侍。第一法力の念力を得意とし、高い戦闘力を誇る。
・所属組織、地位や役職 ヴェルザルス神聖帝国神祇省・聖堂護衛官。
・物語内での具体的な行動や成果 クギの要請を受けて市街地に駆けつける。第一法力の念力を駆使し、襲来した複数の黒い鉄蜘蛛を瞬く間に殲滅する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 聖堂護衛官として高い実力を有し、市街戦で戦闘力を発揮する。
グラッカン帝国 / 帝国航宙軍
エルンスト・ウィルローズ
エルマの兄であり、帝都に住む貴族の若者。妹の身を案じつつヒロに協力する。
・所属組織、地位や役職 グラッカン帝国・ウィルローズ子爵家。
・物語内での具体的な行動や成果 ヒロからの連絡に応じる。貴族御用達のオーダーメイドパワーアーマー工房への紹介状と店舗データを送信する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 貴族社会におけるコネクションをヒロに提供する。
セレナ・ホールズ
対宙賊独立艦隊を率いる金髪の女軍人。能力向上処置を受けており、高い自負を持つ。
・所属組織、地位や役職 グラッカン帝国航宙軍・対宙賊独立艦隊司令・大佐。ホールズ侯爵家令嬢。
・物語内での具体的な行動や成果 昇進祝いのアーマーシャーシ調整のため工房を訪れる。ヒロと模擬戦を行い七連敗を記録する。後に軍からの非公式な指名依頼の説得を行う。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 中佐から大佐へ昇進し、艦隊規模の拡大が進められる。
帝国航宙軍海兵(重装パワーアーマー部隊)
コロニーの警備や異変対処のために派遣された軍の重装歩兵部隊。堅実な職務遂行を見せる。
・所属組織、地位や役職 グラッカン帝国航宙軍・海兵隊部隊。
・物語内での具体的な行動や成果 黒い鉄蜘蛛の襲来現場へ出動する。現場の状況確認を行い、ヒロたちを駐屯地へ連行してナノマシン除染や事情聴取を実施する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 コロニー内の異常事態に対し、セキュリティチームに代わって速やかに治安維持を担当する。
スペース・ドウェルグ社(ウィンダス星系支社)
アーガット
スペース・ドウェルグ社支社の代表を務める男性ドワーフ。慎重な商売を行う。
・所属組織、地位や役職 スペース・ドウェルグ社ウィンダス星系支社・代表。
・物語内での具体的な行動や成果 ヒロたちが持ち込んだ鹵獲高速戦闘艦の商談に臨む。千二百万エネルでの買い取りを決定する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 ヒロの影響力や立場に配慮しつつ売買契約を締結する。
テレサ
技術部門に所属する落ち着いた雰囲気の女性ドワーフ。専門技術の分析を担当する。
・所属組織、地位や役職 スペース・ドウェルグ社ウィンダス星系支社・技術部門社員。
・物語内での具体的な行動や成果 アーガットとともに商談に同席する。受け取った報告書や実機の解析計画を進める。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 鹵獲艦の解析を通じて自社の技術開発に携わる。
受付の男性ドワーフ
支社の受付窓口で顧客対応を行う男性ドワーフ。礼儀正しい応対を見せる。
・所属組織、地位や役職 スペース・ドウェルグ社ウィンダス星系支社・受付担当社員。
・物語内での具体的な行動や成果 来訪したティーナとウィスカの確認を行う。ヒロたちの訪問を受け入れ、担当者へ取り次ぐ。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 支社の窓口として円滑な案内を行う。
イデアル・スターウェイ社
フィリップ・オータム
イデアル・スターウェイ社の営業担当者。鋭い商談センスと柔軟な営業スマイルを持つ。
・所属組織、地位や役職 イデアル・スターウェイ社・営業課社員。
・物語内での具体的な行動や成果 ラウンジでヒロ一行の会話を察知して声をかける。試作中型艦アントリオンおよびグラビティジャマーを売り込み、大きな契約を獲得する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 最新試作艦の実戦データ収集契約をヒロと結ぶ。
ミリー
オータムに同行する女性型アンドロイドのコンパニオン。高い性能の聴覚センサーを備える。
・所属組織、地位や役職 イデアル・スターウェイ社・コンパニオン用アンドロイド。
・物語内での具体的な行動や成果 オータムの営業活動をサポートする。周囲の会話情報を収集して営業機会の創出に貢献する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 高性能センサーを活用して情報収集の一端を担う。
高級パワーアーマー工房
店主
貴族御用達の高級パワーアーマー工房を営む初老の男性。職人としての強い誇りと技術を持つ。
・所属組織、地位や役職 高級オーダーメイドパワーアーマー工房・店主。
・物語内での具体的な行動や成果 ヒロの紹介状を確認し、特注パワーアーマーの製作を請け負う。モーションデータの計測を取り仕切り、黒い鉄蜘蛛襲来時には通報を行う。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 貴族や軍人向けに高品質なオーダーメイドアーマーを提供する。
敵性生物
黒い鉄蜘蛛
金属光沢を持つ謎の蜘蛛型異星生物。レーザー兵器を不活性化させる特殊な装甲を持つ。
・所属組織、地位や役職 最辺境領域より持ち込まれた未確認異星生物。
・物語内での具体的な行動や成果 パワーアーマー工房へ壁を破って突入する。破壊される直前に強力な思念波を放射し、仲間の個体を呼び寄せる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 通常兵器が効きにくい生態を持ち、市街地で騒乱を引き起こす。
最強装備宇宙船 10 レビュー
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展開まとめ
プロローグ
ブラックロータスでの起床とエルマの体調不良
ヒロは母艦ブラックロータスの寝室で、添い寝していた整備士姉妹のウィスカに頬を踏まれて目を覚ました。反対側では姉のティーナが腕枕で眠っており、ヒロは二人を起こさないように配慮しつつ起床した。食堂へ向かうと、前夜の深酒で体調を崩したエルマが同席しており、ヒロは彼女を気遣って食後に休憩スペースで共に過ごすことに決めた。ミミはサブパイロットの訓練のためにクリシュナのコックピットへ籠もり、整備士姉妹は鹵獲艦のレストア報告書を作成するために持ち場へと戻った。
ゲートウェイ利用待ちと休憩スペースでの休息
ヒロたちは結晶生命体テロを退けてエイニョルス星系に到着したものの、膨大なエネルギーを消費するゲートウェイの利用規程により、同方向へ向かう艦船が集まるまでの順番待ちを余儀なくされていた。ヒロは甘えモードに入ったエルマをお姫様抱っこで休憩スペースへ運び、膝の上に乗せて頭を撫でながら、次の目的地であるウィンダス星系で入手する機体や装備の情報収集を行った。エルマの要望に応じて端末を置き、ホロディスプレイで森林の風景を流しながら、二人は穏やかな時間を過ごした。
第1章 ウィンダス星系へ
ウィンダス星系への突入とコロニー群の光景
数日間の待機を経て通行許可が下り、ブラックロータスは巨大な人工ワームホールであるゲートウェイへ突入してウィンダス星系へと移動した。帝国最大の造船基地星系であるウィンダス星系は交通量が極めて多く、エルマは駆け出しの傭兵時代にここを拠点としていた過去を振り返った。ヒロは今回の主目的がエルマ用の新造艦の調達と、生身でモノソードを扱える自身用の軽量級パワーアーマーの入手であると再確認した。
ウィンダステルティウスコロニーへの到着と謎の気配
レポート作成を終えた整備士姉妹が合流し、ブラックロータスは交易コロニーであるウィンダステルティウスコロニーへ入港した。一行は鹵獲した他国製の高速戦闘艦を売却するため、船を降りてスペース・ドウェルグ社の支社へ向かう準備を整えた。出発の直前、ヒロの脳裏に突如として強い歓喜の念波が響き渡ったが、原因が判明しなかったため、ヒロは気のせいとして予定通り出発した。
スペース・ドウェルグ社との売却交渉
スペース・ドウェルグ社の支社を訪れた一行は、代表のアーガットおよび技術部門のテレサと商談を開始した。未知の技術と完全な制御ソフトウェアを備えた鹵獲機体に対し、双方が同時に提示した査定額のうち、会社側が提示した千二百万エネルでの即決売却が成立した。ヒロは事前の契約通りに売却益の三割にあたる三百六十万エネルを整備士姉妹の報酬としてその場で分配し、会社側に対して彼女たちを不当に酷使しないよう釘を刺した。
第2章 新戦力
シップヤードでの方針検討
機体引き渡し手続きの合間を利用し、一行はメカニックの姉妹も伴って各社のブースが集まるシップヤードを訪れた。商談前のラウンジで、エルマは単に足が速いだけでなく、ブラックロータスを囮にする既存の戦術の穴を埋める追撃力か、逃走を許さない射程や火力を重視すべきだと提案した。さらにミミから小型艦に限定する必要があるのかという指摘が出たことで、一行は火力と装甲に優れ、装備の選択肢も広い中型艦の導入へと方針を切り替えた。
オータムの提案とアントリオンの選定
イデアル・スターウェイ社の営業担当オータムが現れ、会話内容から一行の要望を察知したとして試作中型艦アントリオンを提示した。この艦には、半径五キロメートル以内の敵艦のセンサーを誤認させて超光速ドライブの起動を阻害する試作兵装グラビティジャマーが搭載されていた。機動性と防御力のバランスが良く、ブロック交換が容易な設計も評価され、ヒロとエルマはこの機体の採用を前向きに検討した。
アントリオンの購入と武装の決定
ヒロは軍用規格の最上位装甲や高出力スラスター、さらに遠距離から敵艦を焼き切る軍用高出力レーザービームエミッターへの換装を指示し、総額千八百万エネルで購入契約を結んだ。あわせてブラックロータスのジェネレーターと武装も千二百万エネルを投じて軍用品へと換装した。高い買い物に負い目を感じたエルマに対し、ヒロはこれまで通り面白おかしく傭兵生活を続けることが望みだと伝え、エルマは笑顔でヒロの頬に口づけを返した。
第3章 属性過多の狐巫女
ホテルへの移動とトラムでの移動
ブラックロータスの改修に伴い、一行は一週間ほど市街地のホテルへ滞在することになった。荷物をまとめてクリシュナを専用ハンガーに預けた後、一行はトラムに乗って商業区画へと移動した。車内では帯剣したヒロの姿を周囲が警戒して距離を置いたため、トラブルに巻き込まれることなく駅へ到着した。
白い少女クギとの接触と精神世界の回廊
駅を出た雑踏の中で、ヒロは頭痛とともに暴風のような圧倒的親愛の感情波を浴びせられた。その感情の主は巫女服のような白い衣装を纏い、三本の狐尾を持つ少女クギであった。我が君と呼びかけて駆け寄ってきたクギは、ヒロの無防備な精神状態を察知し、額を合わせてヒロの意識を精神世界の回廊へと引き込んだ。クギはヒロの精神を保護する応急処置の殻を作り、ヒロは現実世界へと意識を戻した。
第4章 ヴェルザルス神聖帝国との接触
ホテルのラウンジでの事情聴取
ホテルのラウンジにて、クギは自身がヴェルザルス神聖帝国神祇省の巫女であり、上位世界から落ちてきたヒロに仕えて身を捧げることが使命であると明かした。ヒロが受け入れを拒絶すれば国許で処分されると知ったヒロは、見捨てることを良しとせず、ひとまず同行を許可して滞在部屋を確保した。部屋の確保後、メイとエルマが付き添って聖堂へ向かい、クギの身元が神聖帝国の正規職員であることを確認した。
ホテルのレストランでの歓迎会
夕食時、一行はホテルのレストランでクギの歓迎会を開き、ドワーフ風料理や培養肉の串焼きを囲んで歓談した。神聖帝国出身のクギは自国の食文化としてチラス貝やカロといった食材を語り、初めて口にする豪勢な料理に目を輝かせた。歓迎会を終えて部屋に戻ると、エルマの発案で女性陣のみの二次会が開かれ、クギは占いの術で事前に知っていたヒロへの思慕や匂いへの執着を打ち明け、クルーたちと打ち解けた。
聖堂の訪問とコンゴウとの対談
翌朝、ヒロはメイとクギを連れてコロニー内の聖堂を訪れ、責任者のコンゴウおよび護衛官のコノハと対談した。コンゴウは、上位世界から落ちてきたヒロが絶望して莫大な潜在能力を暴走させた場合、恒星系が消滅する大惨事になりかねないという事情を明かした。過去の強制保護政策の失敗から不干渉と支援を基本方針としていること、クギが最悪の事態を防ぐ防波堤として自ら望んで同行したことを知ったヒロは、クギを正式に受け入れる意志を固めた。
第5章 軽量型パワーアーマーを求めて
パワーアーマーの仕様検討とクギの進言
ホテルへ戻ったヒロはクギの同行決定を仲間に伝え、生身で剣を振るうための軽量級パワーアーマーの選定に入った。精密動作性を求めて身体強化処置の検討を始めたヒロに対し、クギは体内の潜在能力を制御すれば鎧や強化手術以上の力が得られると進言した。ヒロは常識外れの超人化を警戒しつつも、精神攻撃から身を護る技術などを並行してクギから学ぶ方針を固めた。
エルンストへの連絡と工房の紹介
市販品に目当ての装備が見当たらないため、ヒロはエルマの兄であるエルンストに通信を繋ぎ、白刃主義の貴族御用達の工房を紹介してもらった。エルンストから紹介状と店舗データを受け取ったヒロは、買い出しから戻った女性陣と合流し、仕立て屋のような落ち着いた佇まいを持つ高級工房を訪れた。店主はヒロの実績を御前試合の中継で把握しており、予算に糸目をつけないオーダーメイドのパワーアーマー製作を快諾した。
第6章 めんどうくさい金髪の子
特注ニンジャアーマーの発注
ヒロは環境適応性と精密動作性を最優先とし、さらに隠密性と機動力を高めた暗殺仕様のパワーアーマーを発注した。装甲にはマザー・クリスタル由来の新素材である対レーザー積層装甲を採用し、最高級の人工筋肉や多機能迷彩、フックショットや対レーザースモークを盛り込んだ黒基調の忍者風デザインが完成した。
セレナ大佐の乱入と模擬戦
大佐へ昇進したセレナが実家から届いたアーマーシャーシの調整のために工房へ現れ、ヒロと鉢合わせた。セレナはモーションデータ計測を名目にヒロへ模擬戦を挑み、地下訓練場で強化樹脂製の模擬剣を交えた。ヒロは時間の流れを鈍化させる能力を駆使してセレナの剛速の斬撃や連続攻撃を捌き、急所を的確に突き続けて七戦全勝を収めた。悔しがるセレナを宥めたヒロは、非番の彼女を連れて大衆ジャンクフード店へ移動し、賑やかに昼食を共にした。
精神防護の修行と精神障壁の体得
翌日、ヒロは他者からの精神攻撃を防ぐため、クギの指導のもとで第二法力の修練を開始した。クギから催眠術を掛けられたヒロは自我の境界を失い、ミミやエルマからの質問に対して素直に過去の記憶や仲間への好意を自白させられる屈辱を味わった。実践形式の厳しい反復訓練を耐え抜いたヒロは、強固な心の防壁をイメージすることで、クギでも突破できない極めて強固な精神障壁を確立した。
整備士姉妹の退職と正式加入
修練の翌日、ティーナからの呼び出しを受けたヒロは、ウィスカと共にお洒落をして待っていた姉妹と落ち着いたレストランで合流した。緊張した面持ちの姉妹から、出向扱いを解消してスペース・ドウェルグ社を退職し、正式にヒロの船のクルーになりたいという申し出を受けた。ヒロは以前から望んでいたことだと即座に快諾し、三人は未来に向けて祝杯を挙げた。
第7章 埒外の力
特注アーマーの試着と異変の察知
数日後、完成連絡を受けたヒロはクギを伴ってアーマーショップを訪れた。道中で不穏な感情の波と血の臭いを察知して警戒しつつも、工房内で完成した特注アーマーの試着を済ませ、極めて軽快な動作性能を確認した。その直後、工房の壁を突き破り、金属光沢を放つ謎の黒い鉄蜘蛛が店内に乱入してきた。
黒い鉄蜘蛛との交戦
ヒロは時間の流れを鈍化させながらモノソードで鉄蜘蛛の足を次々と斬り落として無力化したが、怪物は断末魔の強烈な思念波を周囲に放った。呼び寄せられた三体の鉄蜘蛛が工房内へ飛び込んできたため、ヒロは店主とクギを耐爆工房へ避難させ、機動力を活かして囮となり市街区へと誘い出した。レーザーを無力化する怪物の装甲に対し、ヒロは引き撃ちで時間を稼いだ。
護衛官コノハの介入と事態の収拾
クギの念話要請を受けた聖堂護衛官コノハが現場に駆けつけ、空中を跳躍して鉄蜘蛛の動きを第一法力で静止させた。コノハは念力で敵同士を激突させて圧殺し、さらに増援として転がってきた五体の鉄蜘蛛も、刃の届かない間合いからの斬撃と念力による叩きつけで瞬く間に殲滅した。駆けつけたメイやクギが見守る中、駆けつけたコロニー警備部隊が事後処理を開始し、ヒロたちは現場で事情聴取を受けた。
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