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フィクション(Novel)出会ってひと突きで絶頂除霊!

小説「出会ってひと突きで絶頂除霊! 7」感想・ネタバレ

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フィクション(Novel)

絶頂除霊 ! 6巻レビュー
絶頂除霊 ! まとめ
絶頂除霊 ! 8巻レビュー

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物語の概要

■ 作品概要

本作は、対象を強制的に絶頂させて除霊する能力「絶頂除霊」を両手に宿す主人公・古屋晴久たちが、過酷な怪異事件に立ち向かう退魔活劇の第7巻である。 前巻の童戸槐救出作戦において退魔師協会の命令に背いた晴久たちは、罰則労働として雑霊や怨念が溜まる「忌み地」である穂照ビーチでの処理作業を命じられる。しかし、そこは欲求不満な女性たちの情欲が蓄積された場所であり、晴久に同行した女性陣(宗谷美咲、葛乃葉楓、文鳥桜、南雲睦美、小日向静香)が抱える晴久への重たい想いと共鳴し、「集積怪異」が発生してしまう。女性陣が次々と理性を失って疑似怪異化し、強い欲求を向けて晴久に襲いかかる中、晴久は彼女たちの暴走を鎮め、事態の元凶である祠を破壊するために奮闘することになる。

■ 主要キャラクター

古屋晴久:絶頂除霊の呪いを両手に宿す少年である。罰則労働で訪れたビーチで疑似怪異化した仲間たちから襲われるが、彼女たちを救い集積怪異を鎮めるため、「夢想術」を用いて夢の中で欲求を満たすという手段に出る。 宗谷美咲:他人の性情報が視える淫魔眼の呪いを抱える少女である。集積怪異の侵食を受けず理性を保ち、式神と術式で晴久を支えながら共に元凶の祠を破壊する。この事件を通じて自身の嫉妬と晴久への好意を自覚し、パーツの呪いを完全に解く決意を固める。 葛乃葉楓:晴久に恋心を抱く幼馴染みである。集積怪異の影響で理性を失いかけ、晴久を独占しようと暴走するが、夢想術によって正気に戻る。 文鳥桜:監査部から派遣された監視役の少女である。集積怪異の影響で暴走し晴久に迫るが、夢想術によって救出される。 ミホト:晴久の両手に宿る少女霊である。晴久の夢想術を補助し、事件後にはサキュバスのパーツを完全に消滅させられる事実と、破壊の祭壇についての記憶を取り戻す。

■ 物語の特徴

本作は、過激なエロコメディ要素と本格的なバトル要素を融合させた作風が特徴である。 第7巻では、海辺のペンションという閉鎖空間を舞台に、ヒロインたちの抑圧された好意や欲求が「集積怪異」として具現化し、主人公に襲いかかるというドタバタ劇が展開される。絶頂除霊が通用しない状況下で、「夢想術」によってヒロインたちの深層意識に入り込み、夢の中で直接欲求を満たして救出を試みるという、本作ならではの特殊な解決策が読者の興味を惹きつける。 また、エピローグでは、ミホトの記憶が戻ったことで「サキュバス王の性遺物の完全消滅」という新たな希望と目標が示される。同時に、欧州の巨大霊能犯罪組織を壊滅させた危険な国際指名手配犯たちが、性遺物を求めて日本へ向かい始めるという不穏な展開が描かれ、物語が新章へと大きく動き出す重要な転換点となっている。

読んだラノベのタイトル

出会ってひと突きで絶頂除霊 ! 7
著者:赤城大空
「ガガガ文庫で主に活動する健全ラノベ作家。繰り返します。僕は健全ラノベ作家です。」
(巻末の著者名の隣に書いてあったコメントから引用)

イラスト: 魔太郎
出版社:小学館ガガガ文庫

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あらすじ・内容

夏だ! 海だ! 逆ナンだ!?!??!

――逆ナンパ。
それは女性の方から面識のない男性に声を掛ける行為。だが実在については証明されていない。

槐救出作戦にて、無事に《サキュバスの角》を除霊し、事件を秘密裏に解決した晴久たち。

とはいえ、協会の命令に背いた事実は消えず、罰則労働として《忌み地》と呼ばれる雑霊や怨念の溜まったビーチにてその処理を行うことを命じられてしまった。

だが、実はそのビーチには逆ナンに失敗した欲求不満なお姉様たちの熱き情欲が溜まっていて……。
そしてここは、仕事とはいえ除霊のために人払いされたプライベートビーチ。

そんななか、晴久だけは気がついていなかった。
ビーチへと共にきた美咲、楓、桜、南雲、小日向という女性陣たち。(烏丸は除く)

彼女達が胸に抱える晴久への重たき想い!!

その想いは、このビーチに溜まった多量の情欲と共鳴し……。

おっ!? おおっ!?!? おおおおおおおおおおおおおっ!?!?

濡れそぼる熱帯夜。そこに響くは、捕食者の勝ちどき、あるいは獲物の断末魔か。

大人気絶頂退魔シリーズ第7弾!

出会ってひと突きで絶頂除霊!7

感想

ここ数巻のシリアスな展開から一転し、シリーズの原点とも言える突き抜けたギャグ全開の一冊だった。タイトルだけでも人を選ぶ作品だが、まさかここまでシリーズが続くとは驚かされる。紙の本では少し勇気がいるタイトルだけに、電子書籍のありがたさを改めて実感した。

今巻で最も印象に残ったのは、とにかく勢いに任せたコメディである。

前巻の命令違反による罰則として、晴久たちが忌み地である穂照ビーチの雑霊処理へ向かうところから物語は始まる。しかし、そこで待っていたのは予想をはるかに超える騒動だった。

女性陣が抱えていた晴久への想いと、ビーチに積み重なっていた情念が共鳴し、「集積怪異」が誕生するという展開は、本作らしい突き抜けた発想だと感じた。疑似怪異となったヒロインたちが次々と襲いかかってくる場面は、あまりの勢いに思わず笑ってしまった。

こうした下ネタ全開の展開でありながら、最後まで勢いを失わないのは、この作品ならではの魅力だと思う。

一方で、退魔アクションとしての面白さもしっかり描かれていた。

通常の除霊では通用しないと判断した晴久が、ミホトの力を借りて夢想術を発動し、新たな方法で怪異へ立ち向かう流れは意外性があった。

その裏では、美咲が冷静に状況を分析し、怪異の核となる祠を破壊するために連携する展開も熱い。ただギャグを続けるだけではなく、きちんと退魔バトルとして決着を描いていたところに好感を持てた。

また、今巻は笑いだけで終わらない点も印象的だった。

事件を通してミホトの記憶が戻り、サキュバス王の性遺物を完全に消滅させる方法が判明するなど、物語はしっかり前へ進んでいる。

さらに、海外の危険な霊能犯罪者たちが日本へ動き始めるという不穏な引きも描かれ、次巻への期待が大きく膨らんだ。

今巻は、シリーズの中でも特に勢いのあるギャグが詰め込まれた一冊だった。くだらないと思いながらも笑ってしまう場面が多く、シリアスな展開が続いていたからこそ、この振り切った雰囲気を存分に楽しめた。笑わせるだけで終わらず、物語の核心もしっかり進めており、続きが気になる読後感を味わえる一冊だった。

著者さんのツイートをチェック

結構売れてるらしい。


俺も電子書籍だもんな。。
店頭のレジには持っていける自信は無い。

(PR)よろしければ上のサイトから購入して頂けると幸いです。

考察・解説

晴久の怪異化誤解

本作の第7巻序盤において、主人公の古屋晴久が幼馴染である葛乃葉楓の行動に対して抱いた「怪異化の誤解」は、彼らの複雑な関係性を示すと同時に、大きな騒動を引き起こすきっかけとなった。その詳細と作中での展開を構成する要素は以下の通りである。

前巻の罪悪感解放に伴う楓の口づけと通常あり得ない思考に基づく怪異化結論

前巻の事件解決後、楓は長年の罪悪感から解放されたこともあり、晴久に対して自ら口づけを交わした。

・しかし晴久は、楓が自分に口づけをするなど通常ならあり得ないことだと考えてしまう。

・晴久は、楓が過去に情報屋の太刀川芽依に化けて接近してきた行動なども踏まえる。

・彼女が自分の呪いに対する強い罪悪感を抱えすぎた結果、怪異化が進行して異常な行動を取るようになったのだと誤解して結論づけた。

次期当主の立場保護を狙う菊乃交えの葛乃葉家応接間正座秘密裏除霊計画

晴久は楓を本気で心配し、次期当主である彼女の立場を守るために、限られた者だけで秘密裏に除霊を済ませようと考えた。

・彼は葛乃葉家を訪れる。

・楓の祖母である菊乃も交えて話をしようと、真剣な表情で応接間に正座して楓を待ち受けていた。

決死の口づけ怪異化断定への激怒と九本尾狐火展開に伴う応接間大乱戦

身支度を整えて応接間に現れた楓に対し、晴久は怪異化しかけているため秘密裏に除霊しに来た、と真っ直ぐに告げた。

・自分が決死の思いで踏み切った口づけを怪異化のせいだと決めつけられた楓は、晴久が本気で心配してくれている優しさに嬉しさを感じつつも激怒する。

・彼女は九本の尾と狐火を展開し、本気で怪異の影響だと思っているのか、と晴久を問い詰めた。

・この時、応接間の周囲には宗谷美咲、烏丸葵、文鳥桜、そして付き人の金狐と銀狐が潜んでいた。

・これにより、楓が自ら晴久に口づけをしたという事実が全員に露呈してしまう。

・羞恥心で極限まで追い詰められた楓は、すべてを怪異のせいだと言い張り、本当に凶暴化したふりをして晴久に襲いかかった。

・事情を察した美咲たちは楓が晴久を折檻するのを見て見ぬふりをしたが、事情を知らない桜だけが晴久を救おうと参戦する。

・金狐と銀狐がそれを止めたことで、応接間は凄まじい大乱戦となってしまった。

怪異落とし偽装処理の画策と美咲放つ霊力の根本的弱体化露呈に伴う異変発覚

最終的に楓は、魔族の脅威が去るまでは晴久への想いを抑え、口づけの件も怪異化によるものとして曖昧に処理しようと考えた。

・事態を収めるため、美咲に頼んで怪異落としの術を行ってもらったように偽装することにする。

・しかし、この術の発動の際、楓は美咲の放つ霊力が一時的な消耗では説明がつかないほど根本的に弱体化していることに気づく。

・これにより、美咲の異変、すなわち晴久と楓の関係に対する激しい嫉妬と動揺が発覚するという次なる展開へと繋がっていくこととなった。

まとめ

古屋晴久による楓への怪異化の誤解を巡る一連の顛末は、幼馴染としての好意や決死の口づけという繊細な感情が、晴久の極端な危機感と合理的な推測によって怪異の影響と断定され、周囲を巻き込む大騒動へと発展したユーモラスでありながらも残酷なすれ違いの記録である。羞恥心から凶暴化を偽装した楓の折檻と、事情を知らない桜の参戦によって応接間が崩壊せんばかりの大乱戦となったプロセスは、彼らの関係性の特異さを示している。最終的に、怪異落としの術を用いた偽装工作によって騒動自体は曖昧に収束させたものの、その過程で宗谷美咲の霊力の根本的な弱体化や激しい動揺という新たな異変を楓が看破した顛末は、この誤解による騒動が単なる日常のラブコメディ的な衝突にとどまらず、次なる魔族との戦いや内面的な崩壊への引き金を引き、彼らの運命をさらなる激動の渦へと巻き込んでいく絶対的な転換点となったことを厳密に証明している。

穂照ビーチの罰則労働

本作の第7巻の舞台となる「穂照ビーチの罰則労働」は、前巻の童戸槐救出作戦で退魔師協会の命令に背いた古屋晴久たちが課されたペナルティであり、同時に本巻の騒動の元凶となる重要な舞台設定である。その詳細な背景と作中での展開を構成する要素は以下の通りである。

命令違反に伴う穂照ビーチ忌み地派遣とペンション拠点の結界補修および夜間雑霊処理

霊級格7事件における命令違反や作戦妨害を行った古屋晴久、宗谷美咲、烏丸葵、文鳥桜、葛乃葉楓、南雲睦美、小日向静香は、処分として穂照ビーチへ派遣された。

・穂照ビーチはお盆になると雑霊や負の感情が集まる忌み地である。

・彼らは一般客が立ち入れないよう閉鎖された第二ビーチの貸し切りペンションを拠点とする。

・休暇中の退魔師たちに代わって結界の補修や夜間の雑霊処理を行うことになった。

性遺物除去成功に対する慰労裏目的と楓の急速静養および晴久美咲の関係修復契機

表向きは罰則労働であるが、実はこの任務には性遺物の除去に成功した晴久たちへの慰労という裏の目的が含まれていた。

・文鳥桜の計らいもあり、空き時間には海で遊ぶことが許可されていた。

・これには、長く重責を抱えていた葛乃葉楓を休ませる意図がある。

・さらには、関係がこじれていた晴久と美咲が自然に交流する機会を作るという目的も含まれていた。

長年蓄積された逆ナン失敗女性情欲共鳴と古い祠核の巨大集積怪異発生に伴う理性喪失

しかし、穂照ビーチには厄介な秘密が存在していた。

・この場所には、逆ナンパに失敗した欲求不満な女性たちの熱き情欲が長年にわたって大量に蓄積されていた。

・晴久に同行した女性陣が胸に秘めていた晴久への重たい想いが、土地に溜まった多量の情欲と共鳴する。

・これにより、洞窟の古い祠を核とした巨大な集積怪異を発生させてしまう。

・その結果、女性陣は次々と理性を失って疑似怪異化し、強い欲求を丸出しにして晴久に襲いかかるという大騒動に発展した。

ミホト協力の夢想術発動による暴走鎮静と美咲サポートに伴う核破壊および修繕費報償充当

集積怪異は核から遠隔で疑似怪異化を引き起こし続けるため、晴久の通常の絶頂除霊だけでは事態を収束できなかった。

・晴久はやむなく少女霊ミホトの協力を得て夢想術を発動する。

・夢の中で直接彼女たちの欲求を擬似的に満たすことで暴走を鎮めていった。

・最終的に、集積怪異の侵食を受けず唯一理性を保っていた美咲のサポートを受ける。

・晴久が海岸の洞窟にあった集積怪異の核である古い祠を破壊したことで、怪異は消滅した。

・事件解決後も罰則労働は免除されず、晴久たちは疲労困憊になりながら、残りの日程を本来の雑霊駆除と、怪異の暴走によって荒れたペンションの片付けに費やすことになった。

・なお、ペンションの追加修繕費は集積怪異討伐の報償で賄われた。

まとめ

穂照ビーチの罰則労働を巡る一連の顛末は、命令違反に対するペナルティと関係修復のための慰労という二面性を持った任務が、土地の持つ異常な情欲の蓄積と女性陣の秘めたる感情の共鳴によって未曽有の集積怪異を引き起こした騒乱の記録である。疑似怪異化した仲間たちの暴走に対し、夢想術による精神的なアプローチと唯一理性を保った美咲との連携によって危機を脱したプロセスは、晴久の柔軟な対応力と彼らの絆の強さを示している。最終的に、洞窟の核を破壊して怪異を消滅させ、討伐の報償で破壊されたペンションの修繕費を賄いながらも、過酷な雑霊駆除と片付けの労働に追われ続けた顛末は、この罰則労働が単なる穏やかな休暇付きのペナルティにとどまらず、彼らの抱える感情の重さを浮き彫りにし、次なる怪異との戦いに向けた過酷な試練の場となったことを厳密に証明している。

集積怪異の発生

本作の第7巻において最大の脅威となる「集積怪異の発生」は、罰則労働の舞台となった穂照ビーチの特殊な環境と、ヒロインたちが抱える古屋晴久への重たい想いが結びつくことで引き起こされた。その発生メカニズムと過程を構成する要素は以下の通りである。

欲求不満情欲蓄積の忌み地祠とエネルギー限界に伴う不穏な声音響

舞台となった穂照ビーチ、特に閉鎖された第二ビーチはお盆になると雑霊や負の感情が集まる忌み地である。

・ここにはさらに厄介な性質があり、長年にわたって逆ナンパに失敗した欲求不満な女性たちの熱き情欲が大量に蓄積されていた。

・海岸の岩場にある洞窟の古びた祠がその感情を溜め込む核となっている。

・晴久たちが訪れた際にはすでに不穏な鼓動を繰り返し、我慢できないという声を響かせるほどエネルギーが限界に達していた。

女性陣の晴久への抑圧感情と土地蓄積情欲の完全共鳴による引き金

集積怪異とは、特定の土地に不特定多数の似た負の感情や欲求が蓄積され、それと同じ感情を強く抱く者と共鳴することで発生する怪異である。

・今回引き金となったのは、晴久と共にビーチへやってきた女性陣である宗谷美咲、葛乃葉楓、文鳥桜、南雲睦美、小日向静香の五人であった。

・なお、烏丸葵には異変は起きなかった。

・彼女たちが胸の内に秘めていた晴久への強い欲求不満や重たい想いが、土地に溜まっていた膨大な情欲と完全に共鳴してしまった。

窓封鎖レベルの大量虫発生前兆と停電室内少女具現化に伴う五欠片分裂

怪異発生の前兆として、昼間のうちにペンションの窓を封鎖しなければならないほどの異常な数の虫が大量発生した。

・何かに引き寄せられるように建物内へ侵入する事態が起きる。

・その後、夜になり嵐で停電したダイニングルームにて、五人の欲望が形を得た正体不明の少女が具現化した。

・少女は晴久を押し倒して拘束し、強い執着を見せて襲いかかる。

・晴久の悲鳴で駆けつけた仲間たちに追い詰められたその少女は、我慢できないと叫びながら強い光とともに五つの欠片に分裂した。

五人への欠片侵入疑似怪異化と遠隔祠核稼働に伴う絶頂除霊無効化

分裂した欠片は美咲、桜、楓、南雲、静香の身体へ侵入し、彼女たちを疑似怪異化させた。

・五人の身体には霊的物質で作られた巨大な異物が出現する。

・激しい熱と欲求に苛まれながら理性を失い、晴久へ危険な視線を向けるようになった。

・この集積怪異の最も恐ろしい点は、土地の祠そのものが怪異の核であるため、核から遠隔で疑似怪異化を繰り返し引き起こし続けることであった。

・そのため、晴久が宿主に直接絶頂除霊を施して一時的に鎮めてもすぐに欲望に呑まれて再発してしまい、通常の除霊手段がまったく通用しなかった。

・さらに、集積怪異が発動した影響で沖合にいる大量の雑霊たちまでもが急激に力を増し、結界の一部を破壊するほどの脅威となった。

まとめ

ヒロインたちの抑圧された感情と土地の忌むべき記憶が最悪の形で結びついた集積怪異の発生は、通常の手段では対処できない絶望的な遠隔侵食の恐怖と、理性を剥ぎ取られた仲間たちによる包囲網という二重の危機を現出した大騒乱の記録である。虫の大量発生という不気味な前兆から、欲望の具現体たる少女の分裂、そして五人の疑似怪異化を経て通常の絶頂除霊を無効化し続けたプロセスは、この怪異がいかに強固な地縛エネルギーに支えられているかを示している。最終的に、宿主への局地的な除霊では再発を免れず、沖合の雑霊を活性化させて結界を破壊するほどの猛威を振るった顛末は、この集積怪異が単なる個人の心理的暴走にとどまらず、土地そのものを巻き込んだ絶対的な霊的災害であり、晴久たちに対して根本的な核の破壊を強いる過酷な試練の元凶となったことを厳密に証明している。

夢想術による救出

本作の第7巻において行われた「夢想術による救出」は、穂照ビーチで発生した「集積怪異」によって理性を失い、疑似怪異化して暴走するヒロインたちを救うために、主人公の古屋晴久が用いた特殊な手段である。その背景と具体的な救出の過程を構成する要素は以下の通りである。

遠隔怪異化再発による絶頂除霊無効化とミホト補助に伴う夢想術発動背景

集積怪異は土地の祠を核としており、そこから遠隔で対象の疑似怪異化を繰り返し引き起こす性質を持っていた。

・晴久が対象の快楽媚孔を突く通常の絶頂除霊で一時的に暴走を鎮めても、彼女たちはすぐに欲望に呑まれて怪異化が再発してしまい、物理的な除霊手段が通用しなかった。

・そこで葛乃葉楓は、宿主の夢の中に入り込み、深層意識に現れる欲求を擬似的に満たすことで集積怪異の影響を弱める夢想術を提案する。

・夢想術は高度で消耗も激しく、弱体化していた楓たちだけでは発動が困難であった。

・しかし、少女霊ミホトが術式の補助を申し出たことで実行に移された。

体育館用具室夢世界の感情欲求露呈と記憶消滅説得に伴う南雲小日向救出

最初に暴走した南雲睦美と小日向静香に対し、晴久は囮となって二人を誘導・拘束し、頭に接触して夢の世界へ入った。

・体育館の用具室のような夢の世界で、二人の欲求が晴久自身から向けられる感情のこもった行為であると知った晴久は、通常の除霊では解決できないことを悟る。

・ミホトから、夢での出来事は肉体に影響せず、目覚めた後には記憶も消える、と説得された晴久は、現実で彼女たちを救うため、やむを得ず夢の中で直接欲求を満たす決断を下した。

・これにより、現実の彼女たちの身体に現れていた異物は縮小し、暴走は収まった。

桜多重結界頭突き突破と楓変身術隠蔽解除に伴う葵小日向連携救出

南雲たちを救った直後、今度は文鳥桜が集積怪異の影響を強め、多重結界で周囲を遮断して晴久に迫ってきた。

・晴久は烏丸葵たちの連携で作られた隙を突き、桜へ頭突きをして夢想術を発動し、彼女を正気に戻した。

・さらに、変身術によって怪異の悪化を隠していた楓もついに理性を失いかけ、九本の獣尾を展開して晴久を独占しようと暴走する。

・しかし、小日向の新たな空間支配能力による反撃で生じた隙を利用し、晴久は楓にも夢想術を施して救出した。

一時的夢記憶残存による羞恥苦悶と録音寝言再生に伴う醜態大騒ぎ副作用

夢想術によって四人を正気に戻すことに成功したが、副作用として大きな問題が発生した。なお、宗谷美咲は集積怪異の侵食を受けていなかったため対象外であった。

・ミホトの記憶は消えるという言葉とは裏腹に、夢の記憶は一時的に残っていた。

・そのため、救出された彼女たちは夢の中で晴久に見せた自分の姿や欲求を思い出して激しい羞恥に苦しむことになる。

・また、楓が録音していた桜の甘えた寝言を再生したことで、互いの醜態を巡る大騒ぎへと発展してしまった。

まとめ

夢想術による救出を巡る一連の顛末は、通常の絶頂除霊が通用しない遠隔再発型の集積怪異に対し、ミホトの術式補助とヒロインたちの連携を駆使して精神世界の深層から暴走を鎮めようとした決死の精神防衛の記録である。夢の中で露呈した少女たちの重たい感情に向き合い、現実の肉体を救うために欲求を満たす決断を下したプロセスは、晴久の覚悟と状況の緊迫性を示している。最終的に、四人の疑似怪異化を解いて正気に戻したものの、記憶消滅の予言が外れて一時的に夢の全容が残り、録音された寝言の再生も相まってペンション内が激しい羞恥と醜態の応酬による大騒動と化した顛末は、この救出劇が単なる奇跡的なハッピーエンドにとどまらず、晴久とヒロインたちの関係に新たな心理的波乱と消えない羞恥を刻み込んだ過酷な後始末の場となったことを厳密に証明している。

性遺物消滅の道

本作の第7巻エピローグにおいて明かされる「性遺物消滅の道」は、これまで除霊不可能とされてきたサキュバス王の性遺物に対する新たな希望であり、物語が新章へと向かうための重要な転換点となる。その詳細と作中での展開を構成する要素は以下の通りである。

ミホトの記憶一部回復と宿主無害除去に伴うサキュバス王性遺物完全消滅可能性の露呈

集積怪異の騒動後、晴久の両手に宿る少女霊ミホトは、サキュバスの角に宿っていた不幸能力の解体を終え、失われていた記憶の一部を取り戻した。

・彼女は晴久たちに対し、サキュバス王の性遺物を二度と復活しない形で完全に消滅させられるという事実を明かす。

・宿主に憑いている状態でも悪影響を与えずに除去できると語る。

・これは歴代の退魔師たちも到達できなかった奇跡の可能性を示している。

全パーツ収集と破壊の祭壇持ち込み条件およびミホト正体と祭壇場所の不明継続

性遺物を完全に消滅させるためには、すべてのパーツを集めて破壊の祭壇へ持ち込む必要がある。

・しかしミホトは、祭壇の場所や正体を思い出せず、具体的な消滅の方法までは説明できなかった。

・また、ミホト自身の正体や晴久に憑いた理由についても不明なままである。

世界散在パーツ収集目的への絞り込みとミホトの訴えおよび美咲の執着に伴う完全消滅決意

祭壇の詳細が不明であっても、晴久は今後の目的を世界各地に散らばるパーツを集めることに絞り込む。

・パーツを確保すれば魔族の企みを妨害でき、ミホトがさらに記憶を取り戻す可能性もあるためである。

・パーツは世界中へ無作為に再生し、厳重に秘匿されているものもあるため収集は極めて困難である。

・しかし、ミホトの必ず消し去らなければならないという強い訴えや、呪い解除へ強く執着する美咲の勢いに励まされる。

・晴久は不可能とされた呪いの完全消滅を目指して再び進み始める決意を固めた。

魔族目的の不可解性指摘と淫都ソドムとゴモラ復活目論む海外国際指名手配犯の日本進出

葛乃葉楓は、パーツを完全に消滅させられるという情報が事実であるならば、パーツを集めている魔族の目的がさらに不可解になると指摘した。

・魔族が消滅を望んでいるとは考えにくいため、退魔師協会を含めて慎重な検討が必要だと判断される。

・さらに、晴久たちが性遺物の除去に成功したという事実は、海外にまで衝撃を与えていた。

・欧州の巨大霊能犯罪組織を壊滅させた国際指名手配犯たちは、すべての性的欲望が満たされるとされる淫都・ソドムとゴモラの復活、すなわちサキュバス王の完全復活を目論んでいた。

・彼女たちは、日本に四つのパーツが存在することを把握しており、自らの欲望を満たすために極東の日本へと向かい始める。

まとめ

性遺物消滅の道が示された一連の顛末は、絶望視されていたサキュバス王の呪いに対して完全消滅という明確な対抗策がもたらされたと同時に、国内外の勢力を巻き込んだ世界規模の争奪戦へと発展していく新章への序曲の記録である。ミホトの記憶回復によって提示された破壊の祭壇へのパーツ集結という条件に対し、困難を承知で世界行脚を決意した晴久と美咲の歩みは、彼らの新たな目的意識を示している。最終的に、魔族の真意を巡る謎が深まる中で、淫都復活の野望を抱く欧州の凶悪な国際指名手配犯たちが日本へ進出し始める予兆を示した顛末は、この消滅の道がもたらした希望が単なる平穏な解決へのロードマップにとどまらず、極東の地を舞台とした過酷な争奪戦と新たな危機を引きずり出す絶対的な引き金となったことを厳密に証明している。

絶頂除霊 ! 6巻レビュー
絶頂除霊 ! まとめ
絶頂除霊 ! 8巻レビュー

登場キャラクター

都立退魔学園

古屋晴久

二つのパーツの呪いを宿した少年である。美咲との関係修復に悩みを抱える。楓の怪異化を本気で心配して行動を起こした。

・所属組織、地位や役職
 都立退魔学園の生徒。
・物語内での具体的な行動や成果
 罰則労働で訪れた穂照ビーチで、集積怪異によって暴走した仲間を救うため夢想術を行使した。美咲と共に祠の破壊に成功している。呪の完全消滅を目指す決意を固めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 サキュバスの角の能力で五感と触覚の感度が増幅される副作用が判明した。

小林たち

晴久と同じDクラスの生徒たちである。晴久の顔色の悪さを心配していた。

・所属組織、地位や役職
 都立退魔学園の生徒。Dクラス。
・物語内での具体的な行動や成果
 人形のサオリが戻ったことを喜んでいた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 サオリに自我が芽生え始めている。

烏丸葵

好奇心旺盛で騒ぎを起こしやすい少女である。穂照ビーチでの出会いに期待を膨らませていた。

・所属組織、地位や役職
 都立退魔学園の生徒。
・物語内での具体的な行動や成果
 男子更衣室の覗き穴から女子更衣室を覗き、発覚時の身代わりに晴久を利用した。南雲を拘束して夢想術の実行を支援している。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 女性陣の中で唯一、集積怪異の異変が起きなかった。

宗谷美咲

淫魔眼の呪いを抱える少女である。楓と晴久の口づけを知って激しく動揺した。晴久との距離を取ってしまう。

・所属組織、地位や役職
 都立退魔学園の生徒。Bクラス。
・物語内での具体的な行動や成果
 集積怪異の侵食を受けず、式神と術式を用いて晴久をサポートした。共に祠を破壊する成果を挙げている。海中で晴久から救命措置を受けたことで、彼への好意と嫉妬を自覚した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 精神的な動揺から霊力が根本的に弱体化していたが、晴久との関わりで回復を果たした。パーツの呪いを完全に解くための努力を再開すると宣言している。

南雲睦美

怪力を持ち、退魔師として役立てることを喜ぶ少女である。

・所属組織、地位や役職
 都立退魔学園の生徒。
・物語内での具体的な行動や成果
 罰則労働に参加し、贈られた妖刀を使って雑霊群の討伐に貢献した。集積怪異によって疑似怪異化し暴走してしまう。晴久の夢想術によって救出された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 暴走時には乳裂き女の怪異が再発し始めていた。

退魔師協会・監査部・十二師天

文鳥桜

晴久の護衛兼監視役を務める少女である。周囲への気配りができるようになり、晴久から成長を褒められた。

・所属組織、地位や役職
 退魔師協会・監査部の構成員。
・物語内での具体的な行動や成果
 楓から晴久の呪いの事情を聞かされ、判断を受け入れた。集積怪異の侵食を受けて暴走し、多重結界を展開して晴久に迫った。夢想術により正気に戻っている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

協会上層部

退魔師協会の意思決定機関である。

・所属組織、地位や役職
 退魔師協会。
・物語内での具体的な行動や成果
 晴久たちがサキュバス王の性遺物を除去した事実を受け、晴久への警戒を弱めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

休暇中の退魔師たち

本来なら穂照ビーチで作業を行うはずだった人員である。

・所属組織、地位や役職
 退魔師協会。
・物語内での具体的な行動や成果
 彼らに代わり、晴久たちが罰則労働として結界の補修や雑霊処理を行うことになった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

葛乃葉家

葛乃葉楓

晴久へ好意を抱く少女である。自身の軽率な口づけを後悔していた。怪異化だと誤解された際には激怒しながらも安堵した。

・所属組織、地位や役職
 葛乃葉家の次期当主。都立退魔学園の生徒。
・物語内での具体的な行動や成果
 桜へ晴久の呪いの事情を説明した。集積怪異の悪化を変身術で隠して暴走し、獣尾を展開して晴久を独占しようと試みる。最終的に夢想術によって救出された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 退魔師免許を停止されている。

金狐

楓に仕える付き人である。

・所属組織、地位や役職
 葛乃葉家の使用人。
・物語内での具体的な行動や成果
 楓の応接間での騒動に居合わせ、参戦しようとした桜を止めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

銀狐

楓に仕える付き人である。

・所属組織、地位や役職
 葛乃葉家の使用人。
・物語内での具体的な行動や成果
 応接間での乱戦の際、金狐とともに桜の介入を阻止した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

皇樹家

皇樹夏樹

晴久へ対抗心を燃やす女性である。

・所属組織、地位や役職
 皇樹家。
・物語内での具体的な行動や成果
 罰則労働には参加できなかったが、晴久から誤送信された写真に対抗し、自身の水着姿の写真を送った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 送った写真が原因で美咲の誤解を招き、晴久と美咲の関係を悪化させた。

一般人・その他

小日向静香

男性恐怖症のリハビリを進めている少女である。晴久に対しては女装していなくても平気だと告げた。

・所属組織、地位や役職
 一般人。
・物語内での具体的な行動や成果
 罰則労働に後方支援として参加した。集積怪異の影響で暴走するが、夢想術によって救出された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 残留怪異の空間支配能力が変化し、空間から家具を転移させて攻撃する新たな力を得た。

欧州祓魔連合の精鋭七百名

欧州の霊能犯罪組織を殲滅するために動員された戦力である。

・所属組織、地位や役職
 欧州祓魔連合。
・物語内での具体的な行動や成果
 アジトへ突入したが、内部にいた国際指名手配犯たちによって短時間で壊滅させられた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

天人降ろし

欧州祓魔連合の作戦に参加した実力者である。

・所属組織、地位や役職
 欧州祓魔連合。
・物語内での具体的な行動や成果
 精鋭七百名とともに霊能犯罪組織のアジトへ突入した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

魔族・怪異・式神・霊能犯罪組織

ミホト

晴久の両手に宿る少女霊である。

・所属組織、地位や役職
 晴久に宿る存在。
・物語内での具体的な行動や成果
 晴久のサキュバスの角の能力について助言を与えた。夢想術の補助を行い、夢の中で二人の欲求を満たすよう晴久へ指示を出した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 記憶の一部を取り戻し、すべてのパーツを破壊の祭壇へ持ち込めば性遺物を完全に消滅させられると明かした。

低霊級格の式神

美咲が使役する術式である。

・所属組織、地位や役職
 美咲の式神。
・物語内での具体的な行動や成果
 逃走する美咲が晴久を足止めするために放ったが、突破された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

雑霊

お盆の時期に穂照ビーチへ集まる霊体である。

・所属組織、地位や役職
 怪異。
・物語内での具体的な行動や成果
 集積怪異の影響を受けて凶暴化し、結界の一部を破壊して海岸へ流れ込んだ。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 集積怪異の消滅とともに力を失い、沖合へ押し戻された。

千体以上の雑霊

沖合から押し寄せてきた大規模な霊の群れである。

・所属組織、地位や役職
 怪異。
・物語内での具体的な行動や成果
 楓たちの圧倒的な戦力によって短時間で壊滅させられた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

大量の虫

ペンションの室内を埋め尽くした生物群である。

・所属組織、地位や役職
 自然の生物。
・物語内での具体的な行動や成果
 何かに引き寄せられるように次々と侵入し、晴久たちを駆除作業に追いやった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 集積怪異が発動する前兆であった。

危険な虫

大量発生した虫の中に混じっていた個体である。

・所属組織、地位や役職
 自然の生物。
・物語内での具体的な行動や成果
 駆除作業を難航させる要因となった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

正体不明の少女

停電したダイニングルームで晴久を襲った存在である。

・所属組織、地位や役職
 怪異。
・物語内での具体的な行動や成果
 暗闇で晴久の両手を縛って押し倒し、強い執着を見せて迫った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 五人の欲望が形を得た存在であることが判明した。

認識できない少女

結界内へ侵入しても感知されず、容姿や声が明確に認識できない存在である。

・所属組織、地位や役職
 怪異。
・物語内での具体的な行動や成果
 我慢できないと叫び、強い光とともに五つへ分裂して美咲たちの身体へ侵入した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

集積怪異

土地へ蓄積された負の感情が、同じ感情を抱く者と共鳴して発生する怪異である。

・所属組織、地位や役職
 怪異。
・物語内での具体的な行動や成果
 美咲たちを疑似怪異化させ、遠隔で暴走を繰り返させた。祠から巨大な女性の姿となって晴久へ触手を伸ばした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 晴久によって核である祠を破壊され、消滅した。

沖合の雑霊たち

集積怪異の影響で急激に力を増した霊体群である。

・所属組織、地位や役職
 怪異。
・物語内での具体的な行動や成果
 海岸の結界の一部を破壊した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

乳裂き女

過去の事件に関連する怪異である。

・所属組織、地位や役職
 怪異。
・物語内での具体的な行動や成果
 南雲睦美が暴走した際に、症状が再発し始めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

ホテルラプンツェル事件の怪異

過去の事件に関連する怪異である。

・所属組織、地位や役職
 怪異。
・物語内での具体的な行動や成果
 小日向静香が暴走した際に、症状が再発し始めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

式神

美咲が使役する術式である。

・所属組織、地位や役職
 美咲の式神。
・物語内での具体的な行動や成果
 暴走した南雲と小日向を攪乱し、足止めを支援した。霊力を回復した美咲によって四体が呼び出され、周囲の雑霊を圧倒した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

犯罪者たち

欧州の霊能犯罪組織に所属していた者たちである。

・所属組織、地位や役職
 霊能犯罪組織。
・物語内での具体的な行動や成果
 欧州祓魔連合が突入する前に、国際指名手配犯たちによって全滅させられていた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特になし。

国際指名手配犯たち

自らの欲望だけを優先する危険な者たちである。

・所属組織、地位や役職
 犯罪者。
・物語内での具体的な行動や成果
 欧州祓魔連合の精鋭部隊を短時間で壊滅させた。日本にある四つのパーツを奪い、サキュバス王を完全復活させるために行動を開始した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 淫都再興という共通目的のために一時的な協力関係を築き、日本へ向かい始めた。

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展開まとめ

プロローグ 

晴久の呪いと楓の動揺

桜への事情説明

葛乃葉楓は退魔学園の校舎裏で文鳥桜と向き合い、古屋晴久の呪いについて隠していた事情を説明した。

パーツに憑かれた者が霊級格の淫魔へ変貌する危険性、幼い頃の晴久が呪われた経緯、殺処分や進行を防ぐため情報を伏せていた理由まで詳しく明かした。

桜の納得

桜は、自分まで蚊帳の外に置かれていたことには不満を抱きながらも、パーツと魔族の危険性を実際に知ったことで楓の判断を受け入れた。

二つのパーツを宿した晴久を狙う魔族の存在に警戒しつつ、事情を隠していたことについては追及しないと告げた。

協会の態度変化

サキュバス王の性遺物を除去できた事実と、ミホトの神聖な性質を土御門晴親と多々羅刃鈴鹿が目撃したことで、協会上層部は晴久への警戒を弱めていた。

討伐作戦を妨害した桜も引き続き護衛兼監視役を任されており、魔族が動かない限り、晴久を巡る状況は以前より好転していた。

様子のおかしい楓

説明を終えたあと、桜は楓が何度も赤面し、唇へ触れながら上の空になっていることを問いただした。

楓は何もないと過剰に否定し、晴久について隠していることは一切ないと早口で言い張った。

楓の逃走

桜に追及された楓は、晴久を監視してばかりいる桜と違って自分は忙しいと言い残し、獣尾を使ってその場から逃げ去った。

退魔師免許を停止されている楓の不自然な態度に疑念を深めた桜は、宗谷美咲の淫魔眼で事情を探らせることを考えた。

第一章 恋のから騒ぎ 

夏休み前のすれ違い

久しぶりの登校

童戸槐の事件から数日後、退院した古屋晴久は退魔学園へ登校した。

学園では延期されていた夏休みが翌日から始まるため、生徒たちが浮き立っていた。Dクラスの小林たちは、鹿島霊子に利用されていた人形のサオリが戻り、自我まで芽生え始めたことを喜んでいた。

晴久の寝不足

小林たちは、晴久の顔色が悪く、何日も眠っていないように見えることを心配した。

晴久は病み上がりと夏バテのせいだと誤魔化したが、実際には葛乃葉楓から口づけされたことを思い出すたびに動揺していた。楓へ責任ある対応をするため、関係者を集めて話そうとしていたが、最も重要な宗谷美咲とだけ連絡が取れずにいた。

秘密の呼び出し

文鳥桜と烏丸葵は、晴久から終業日の午後を空けるよう連絡されていたことを確認した。

晴久は人に聞かれたくない話であり、全員がそろった場で説明したいとだけ答えた。桜は楓と晴久の不審な態度に疑念を深めたが、ホームルームが始まったため追及を中断した。

沈み込む美咲

一方、Bクラスの美咲は、楓と晴久が口づけを交わした事実を淫魔眼で知って以来、抜け殻のようになっていた。

二人が両思いなのではないかという考えが頭から離れず、食事も楽しめず、晴久から届いた連絡にも恐怖を覚えて返事を避けていた。

痴話喧嘩の疑惑

美咲の異変を心配した女子生徒たちは、晴久との痴話喧嘩ではないかと冗談を口にした。

美咲は過剰に反応して取り乱し、周囲に本当に晴久との間で何か起きたのではないかと疑われた。

晴久の訪問

そこへ晴久がBクラスへ駆け込み、連絡を無視した理由を問いただした。

さらに楓について大事な話があると告げられた美咲は、交際や婚約を報告されると思い込み、話を聞きたくない一心で二階の窓から逃走した。

校舎内の追跡

晴久も窓から飛び降り、美咲を追跡した。

美咲は低霊級格の式神を放って足止めしようとしたが、晴久は快楽点ブーストを使って式神を突破した。その本気の追跡を見た美咲は、楓の話がそれほど重要なのだと思い込み、さらに逃げ続けた。

美咲の躊躇

美咲は晴久を止める神具を使おうとしたが、嫌われることを恐れて発動できなかった。

その隙に晴久は美咲を捕まえ、両手を押さえて壁際へ追い詰めた。晴久の真剣な表情と近い距離に、美咲は抵抗する力を失った。

怪異墜ちの危機

美咲は、楓との交際や婚約を告げられるものと覚悟した。

しかし晴久が耳元で明かしたのは、楓が怪異墜ちしかけているという予想外の事実であった。美咲は想像とのあまりの違いに思考を停止させ、呆然と聞き返した。

怪異化の誤解と美咲の異変

葛乃葉家への帰宅

終業日を終えた葛乃葉楓は、自宅の屋敷へ帰宅した。

使用人たちの前では次期当主らしい冷静な振る舞いを保っていたが、自室へ入ると古屋晴久へ口づけたことを思い出して悶絶した。晴久の呪いも魔族の脅威も解決していない中で軽率な行動を取ったことを後悔し、すべてをなかったことにしたいと考えた。

晴久からの訪問連絡

楓のスマートフォンには、晴久から葛乃葉家を訪ね、祖母の菊乃も交えて話したいという連絡が届いていた。

楓はその意図を考えて期待と不安を膨らませていたが、約束の時間に晴久が到着したと知らされると、乱れた身なりを整えるため慌てて浴室へ向かった。

応接間の包囲

身支度を終えた楓が応接間を覗くと、晴久が真剣な表情で正座していた。

菊乃は都合がつかず不在だったが、応接間の周囲には宗谷美咲、烏丸葵、文鳥桜が潜んでいた。金狐と銀狐も控えており、楓は自分が包囲されているような状況に疑念を抱いた。

怪異化という結論

晴久は、楓が怪異化しかけているため秘密裏に除霊しに来たと告げた。

楓が自分へ口づけることは通常ならあり得ず、太刀川芽依に化けて接近していた行動も含め、晴久の呪いへの罪悪感から怪異化が進んだ結果だと考えていた。晴久は楓の立場を守るため、限られた者だけで除霊を済ませようとしていた。

楓の激怒

晴久が本気で心配していることを理解した楓は、その優しさに嬉しさを覚えながらも、口づけを怪異化のせいだと決めつけられたことに激怒した。

九本の尾と狐火を展開し、本気で怪異の影響だと思っているのかと問い詰めた。その発言を聞いた烏丸や金狐、銀狐、美咲は、楓が自ら晴久へ口づけた事実を知った。

応接間の大乱戦

羞恥で追い詰められた楓は、すべて怪異のせいだと言い張り、凶暴化したふりをして晴久へ襲いかかった。

事情を察した美咲たちは晴久の勘違いが原因だと判断し、楓の折檻を見て見ぬふりした。事情を知らない桜だけが晴久を救おうと参戦し、金狐と銀狐がそれを止めたことで応接間は大乱戦となった。

口づけの隠蔽

楓は、魔族の脅威が続く間は晴久への想いを抑え、口づけも怪異化によるものとして曖昧にしようと考えた。

事態を収めるため、美咲へ怪異落としを行ったように見せかけることを頼んだ。晴久には打ち合わせを聞かれないよう、尾で顔を覆った。

弱体化した美咲

美咲は歯切れの悪い態度を見せながら、楓の依頼どおり怪異落としの術を発動した。

しかし楓は、その際に放たれた霊力が異常なほど弱いことに気づいた。美咲の力は一時的な消耗ではなく、宗谷家特有の不安定さだけでは説明できないほど根本的に弱体化していた。

第二章 労働 on the 逆ナンビーチ 

穂照ビーチの罰則労働

海辺への派遣

霊級格7事件から数日後、古屋晴久、宗谷美咲、烏丸葵、文鳥桜、葛乃葉楓は、処分として穂照ビーチへ向かった。

穂照ビーチは、お盆になると雑霊や負の感情が集まる忌み地であり、五人は休暇中の退魔師たちに代わって結界の補修や雑霊の処理を行うことになっていた。

閉鎖された第二ビーチ

海を見て興奮した烏丸は、穂照ビーチが女性から誘うことで有名な場所だと知り、出会いへの期待を膨らませた。

しかし作業場所は一般客で賑わう第一ビーチではなく、お盆から閉鎖される第二ビーチであった。部外者がいないと知った烏丸は落胆し、晴久たちは彼女を引きずって現場へ向かった。

貸し切りのペンション

第二ビーチには広い砂浜と海を見渡せる大型ペンションがあり、晴久たちは数日間そこを拠点にすることになった。

先に到着していた南雲睦美と小日向静香も、討伐作戦を妨害した責任から作業へ参加していた。小日向は後方支援を担当しながら、晴久の協力を受けて男性恐怖症のリハビリを進める予定であった。

弱体化した美咲

美咲は霊力が大きく低下したままで、荷物を運ぶことにも苦労していた。

晴久は荷物を代わりに持つなどして美咲の信頼を取り戻そうとしたが、美咲は普段どおりに振る舞いながらも、晴久の顔を避けていた。楓と桜は、露骨な気遣いは逆効果だとして、原因を急いで探らず慎重に接するよう助言した。

作業前の準備

一行はペンションを掃除して部屋を決めたあと、水着へ着替えて海岸の調査を始めることになった。

雑霊が上陸するのは夜であるため、昼間は結界の破損箇所や周辺の地形を確認する予定であった。

烏丸の覗き穴

男子更衣室で着替えた晴久のもとへ烏丸が駆け込み、重大な発見があるとして崖際の建物へ連れ出した。

壁の穴を覗いた晴久の目に入ったのは、女子更衣室で着替える美咲たちの姿であった。烏丸は最初から覗きを目的としており、発覚した際の身代わりにするため晴久を連れてきていた。

崖からの転落

晴久がその場を離れようとしたところ、女子たちが外の騒ぎに気づいた。

烏丸を振り払おうとした晴久は崖から足を滑らせたが、両腕の封印を外して岸壁へ指を掛け、落下の勢いを弱めた。海へ落ちたことで大きな負傷は免れた。

洞窟の祠

岩場へ上がった晴久は、近くの洞窟で古びた小さな祠を発見した。

祠は海岸の結界を支える位置にはなく、長く放置されているように見えた。しかし上から烏丸の悲鳴が聞こえ、覗きへの関与を疑われることを恐れた晴久は、祠の存在を忘れて第二ビーチへ戻った。

穂照ビーチの下見

水着姿の一同

第二ビーチへ先に出た古屋晴久は、女子更衣室を覗いてしまったことを反省していた。

そこへ水着姿の宗谷美咲、文鳥桜、葛乃葉楓、小日向静香が現れ、晴久は目のやり場に困った。桜から感想を求められた晴久が全員に似合っていると答えると、桜たちは照れながらも彼をからかった。

倒れた南雲

南雲睦美は水着に詰め物を仕込んで遅れて現れたが、小日向たちの姿に圧倒され、波打ち際で力尽きていた。

晴久は南雲を介抱し、無理に海岸へ出ず後方支援へ回るよう勧めた。

罰則労働の裏側

桜は、今回の仕事には性遺物の除去に成功した晴久たちへの慰労という側面もあり、空き時間には遊んでよいと明かした。

特に長く重責を抱えていた楓を休ませることと、美咲と晴久が自然に交流する機会を作ることも目的に含まれていた。晴久は周囲へ気を配る桜の成長を褒め、ビーチバレーの準備を始めた。

烏丸の逃走

ビーチバレーをすると知った烏丸葵は興奮し、何かを取りにペンションへ走り出した。

桜、美咲、楓は烏丸を放置できないとして追いかけ、晴久も同行しようとした。

静香との留守番

小日向は、閉鎖された海岸でも一人で残されることに不安を感じ、晴久へそばにいてほしいと頼んだ。

男性恐怖症のリハビリが進んだ小日向は、女装していない晴久でも平気だと告げた。晴久は烏丸の対応を三人へ任せ、小日向と南雲のそばに残った。

日焼け止めの手伝い

小日向はリハビリの一環として、晴久へ背中に日焼け止めを塗るよう頼んだ。

晴久は戸惑いながらも、怖くなったらすぐ止めると確認して塗り始めた。小日向は緊張しながらも晴久の手を受け入れ、さらに脇や脇腹まで丁寧に塗るよう求めた。

オイルによる転倒

小日向が姿勢を変えた際、晴久はオイルで手を滑らせ、その背中へ倒れ込んだ。

晴久はすぐに離れようとしたが、滑って起き上がれず、小日向も強い刺激に混乱した。そこへ烏丸を連れ戻した桜が先に戻り、二人の姿を目撃した。

桜の怒り

桜は、美咲との信頼を取り戻す必要がある状況で何をしているのかと晴久を問い詰めた。

晴久は以前から約束していたリハビリ中の事故だと必死に説明し、慌ててオイルを片づけた。小日向は中断を惜しむ様子を見せていた。

穂照ビーチの罰則労働

夏樹への誤送信

ビーチバレーと下見を終えた晴久たちは、ペンションへ戻って夕食の準備を進めた。

食堂を掃除していた晴久のもとへ、罰則労働に参加できなかった皇樹夏樹から連絡が届いた。晴久は海の写真を送ろうとしたが、誤って美咲たちの水着姿を撮影した写真を送信してしまった。

烏丸の盗撮写真

晴久のスマートフォンに写真を入れたのは烏丸葵であった。

自分の端末が破壊されることを予測した烏丸は、晴久の端末で密かに撮影して元の場所へ戻していた。晴久は写真をすべて消去し、夏樹へ事情を説明した。

夜の雑霊処理

夕食後、小日向静香を結界で守られたペンションに残し、晴久たちは雑霊処理のため夜の海岸へ集まった。

海岸には強い照明が設置され、全員が水着の上から上着を羽織って作業を始める準備を整えた。

南雲の妖刀

幽霊を苦手としていた南雲睦美は、多々羅刃鈴鹿から霊体を攻撃できる木刀型の妖刀を贈られていた。

南雲の怪力に耐えられるよう強化された武器であり、術式を使えない彼女にも雑霊を倒す手段が生まれていた。南雲は退魔師として役立てることを喜び、戦意を高めた。

南雲の戦線離脱

しかし南雲は、近づいてきた仲間の体形に圧倒され、力を失って倒れた。

晴久は南雲をほかの者から少し離れた場所へ運び、単独で雑霊を迎撃させることにした。南雲は晴久へ体質改善への協力を求めたが、晴久は取り合わなかった。

サキュバスの角の試用

桜は、晴久が新たに得たサキュバスの角の能力を、雑霊との戦闘前に確認するよう提案した。

晴久は桜との軽い組み手を行い、角を発現させた。すると動体視力や聴覚、空気の揺れを捉える感覚が大幅に向上し、対人戦に優れた桜の動きを予測して回避できるようになった。

鋭敏化した五感

角の力は遠くの物音や声まで捉え、晴久は戻ってくる途中の楓の独り言さえ聞き取った。

晴久は感知や戦闘に有効な能力だと判断し、さらに出力を高めれば桜を上回れるかもしれないと考えた。

感度上昇の副作用

晴久が角の力を高めすぎると、五感だけでなく触覚の感度まで急激に増幅された。

組み手で桜の肌に触れた瞬間、晴久は強い刺激を受けて動きを乱した。その影響で桜も体勢を崩し、偶発的な接触が起きたことで晴久は戦闘を続けられなくなった。

桜の混乱

予想外の事態を理解した桜は、顔を赤くしてその場へ座り込み、美咲から事情を尋ねられても必死に隠した。

ミホトは遅れて、角の出力を高めすぎると感度まで上昇し、大きな隙を作ると説明した。晴久は新たな力の危険な副作用を思い知り、サキュバス王の性遺物を改めて厄介な呪いだと感じた。

祠に集う欲望

雑霊群の壊滅

古屋晴久たちは葛乃葉楓の一喝で気持ちを切り替え、沖合から押し寄せる千体以上の雑霊に対峙した。

宗谷美咲、文鳥桜、楓、妖刀を得た南雲睦美の戦力は圧倒的であり、雑霊群は短時間で壊滅した。晴久もサキュバスの角による感覚強化を試しながら、初日の作業を無事に終えた。

岩場への誘い

霊力補充の切り出し方に悩んでいた晴久を、美咲が人目のない岩場へ連れ出した。

美咲は翌日の作業に備えて必要だと告げ、自ら指舐めによる霊力補充を求めた。晴久に嫌われたわけではなく、ほかの少女たちとの距離の近さに胸が乱れ、さらに調子を崩していると打ち明けた。

戻らない霊力

晴久は美咲の指を舐めて刺激を与えたが、霊力はわずかしか回復しなかった。

美咲は回復方法に心当たりがあると仄めかしながら、自分の唇に触れて言葉を濁した。晴久はその真意を聞き出そうとしたが、皇樹夏樹から立て続けに連絡が届いた。

夏樹の自撮り写真

夏樹は、晴久が水着姿の少女たちと遊んでいる写真を送ったことへの対抗心から、自身の水着姿を撮影して送っていた。

晴久は性別を隠している立場で危険な写真を送るなと叱責したが、夏樹も晴久が先に見せつけたと反発し、二人は電話越しに口論となった。

美咲の誤解

晴久を追ってきた美咲は、落としかけたスマートフォンを拾い、その画面に表示された夏樹の写真を見た。

美咲は晴久が夏樹に写真を送らせたと誤解し、冷たい態度で距離を取ってペンションへ戻った。晴久は、進展しかけていた関係が再びこじれたことに落胆した。

停滞する関係

三日目になっても美咲の霊力は戻らず、晴久との間には微妙な気まずさが残っていた。

祭りへ出かけるなど息抜きもしたが、美咲との距離は改善しなかった。晴久は荒れ始めた海を眺めながら、一人で解決策を考えていた。

楓への相談

楓は定期検診を口実に晴久へ声をかけ、美咲との関係について相談に乗った。

晴久の封印に異常がないことを確認した楓は、美咲の弱体化に自分も関係しているのではないかと口にした。しかし晴久は、楓が責任を抱え込む必要はないと強く否定した。

日常会話の積み重ね

楓は、美咲との関係を修復するには特別な行動よりも、二人で何気ない会話を繰り返すことが重要だと助言した。

晴久が問題解決を急ぐあまり、普段の交流を疎かにしていると指摘し、自然に話せる機会を作ると約束した。晴久はその方針に納得し、気持ちを軽くした。

楓の笑顔

晴久が相談への礼を述べると、楓は成功してから言うよう返しながら、穏やかな笑顔を見せた。

晴久は笑った顔のほうがよいと無邪気に褒めたが、楓は抑えていた想いを刺激され、性遺物の問題が解決したあとに言いたいことがあると凄みを利かせて立ち去った。

洞窟の胎動

その頃、晴久が見つけた洞窟の古い祠には、土地へ蓄積された膨大な力が集まり続けていた。

役目を失った祠は、晴久たちが抱える強い欲求不満へ呼応するように不穏な鼓動を繰り返し、誰もいない洞窟へ我慢できないという声を響かせていた。

第三章 この中に一人、 淫乱痴女がいる! 

罰則労働四日目の異変

自然な雑談の計画

葛乃葉楓は古屋晴久と文鳥桜へ、宗谷美咲との信頼を取り戻すには、作為を悟られない形で二人が自然に話す時間を作る必要があると説明した。

しかし台風の接近で外出できず、全員がペンション内に留まる状況では、晴久と美咲だけの時間を作ることは難しかった。

大量発生した虫

廊下へ出た楓は、室内を埋め尽くす大量の虫を見て悲鳴を上げ、晴久へしがみついた。

原因は烏丸葵が窓を閉め忘れたことだと思われたが、虫の数は異常に多く、何かに引き寄せられたように次々と侵入していた。晴久たちは窓を封鎖し、ペンション全体を捜索して虫を駆除することになった。

害虫駆除の混乱

三階建ての広い館内に散った虫を一匹ずつ処理する作業は難航した。

楓や桜たちは虫に怯え、烏丸は異常な行動を取る虫へ興味を示して騒ぎを広げた。危険な虫も混じっていたため、晴久たちは美咲との雑談どころではなく、日暮れまで駆除作業に追われた。

ダイニングルームの待機

天候の悪化で夜の雑霊処理が中止されると、楓と桜は晴久と美咲が自然に会話できる状況を作るため、全員が早めに自室へ戻る流れを整えた。

晴久は共用のダイニングルームへ戻り、飲み物を用意して美咲が訪れるのを待った。烏丸には別の用事を示して遠ざけ、落ち着いて会話できる準備を整えた。

暗闇の来訪者

嵐の音が響く中、晴久を下の名前で呼ぶ声とともに何者かがダイニングルームへ近づいた。

晴久が相手を確認しようとした瞬間、照明とテレビが消えて室内が暗闇に包まれた。続いて何者かが晴久へ飛びかかり、両手を縛ってソファーへ押し倒した。

理性を失った襲撃

正体不明の少女は晴久の名を繰り返しながら身体を密着させ、強い執着を示して迫った。

晴久は突然の行動に混乱し、拘束された状態で逃れられなかった。少女は自制を失った様子で接触を激化させ、晴久の抵抗さえ興奮を高める結果となった。

晴久の悲鳴

少女の行動がさらに危険なものへ変わったことで、晴久はようやく事態の深刻さを理解した。

恐怖によって理性を取り戻した晴久は、暗闇のダイニングルームに悲鳴を響かせた。

欲望の怪異

晴久の救出

古屋晴久の悲鳴を聞いた文鳥桜と葛乃葉楓たちは、停電したダイニングルームへ駆けつけた。

晴久を襲っていた何者かは暗闇へ逃げ、晴久だけが両手を縛られ、衣服を乱された状態で残されていた。晴久は正体不明の少女に襲われ、危険な行為を受けかけたと説明した。

内部犯の可能性

楓は、ペンションには霊的結界と物理結界が重ねられており、外部から侵入して痕跡もなく消えることは困難だと指摘した。

さらに事件当時は全員が単独行動をしており、襲撃後に別の廊下から回り込んで救援へ加わることも可能だった。そのため楓は、犯人が一行の中にいると推測した。

疑われる南雲と静香

淫魔眼でも決定的な情報を得られなかったため、楓たちは互いの行動を疑い始めた。

楓は身体能力と過去の言動から南雲睦美を疑い、南雲は晴久とのリハビリを進めていた小日向静香へ疑惑を向けた。静香は、晴久の意思を無視する可能性なら普段から強引な桜たちにもあると反論した。

美咲と楓への疑惑

晴久が最初に宗谷美咲らしい声を聞いたと話すと、桜と楓は美咲を問い詰めた。

しかし晴久は、途中から声が楓やほかの少女にも聞こえ、誰のものか判別できなくなったと補足した。美咲は楓の変身術を疑い、楓は美咲が式神を使った可能性を挙げ、二人の言い争いは激しくなった。

桜への疑惑

晴久が犯人から味や匂いについて言われたと語ると、美咲は晴久の匂いへ執着する桜を疑った。

桜も楓や美咲の普段の言動を持ち出して反論し、証拠のない犯人捜しは互いの秘密と疑念を暴き合うだけの口論へ変わった。

重なった声

議論が行き詰まる中、桜、楓、美咲と同じ声が、晴久を自分たちで襲えばよいと相次いで告げた。

しかし三人は誰も発言しておらず、口の動きとも一致していなかった。そこで烏丸葵が、室内にいる人数が本来より一人多いことに気づいた。

認識できない少女

晴久たちが改めて人数を数えると、美咲と同じ存在がもう一人混じっていた。

その少女は美咲、桜、楓、南雲、静香の誰にでも見え、容姿や声を明確に認識できなかった。霊力の質まで五人すべてと同じであり、結界内へ侵入しても感知されない存在であった。

五つの欠片

南雲が妖刀で少女へ攻撃しようとすると、少女は我慢できないと叫び、強い光とともに五つへ分裂した。

欠片は美咲、桜、楓、南雲、静香へ向かい、それぞれの防御をすり抜けて身体へ侵入した。

五人の異変

憑依された五人は下腹部の熱と違和感を訴え、顔を赤らめて苦しみ始めた。

直後、全員の身体に明らかな異常が現れた。晴久たちは、洞窟の祠から生まれたとみられる怪異によって、五人が同時に変質させられたことを知った。

第四章 欲棒の災禍 

集積怪異の暴走

五人に生えた異物

宗谷美咲、文鳥桜、葛乃葉楓、南雲睦美、小日向静香の身体には、霊的物質で作られた巨大な異物が出現していた。

五人は身体の熱と強い欲求に苦しみ、晴久へ危険な視線を向けた。一方、同じ女性である烏丸葵には異変が起きていなかった。

集積怪異の正体

楓と桜は、五人の異変が集積怪異による疑似怪異化だと見抜いた。

集積怪異は、不特定多数の似た負の感情や欲求が土地へ蓄積され、同じ感情を強く抱く者と共鳴して発生する怪異であった。土地そのものが核となるため、複数人を同時に怪異化させることも可能だった。

烏丸の推理

烏丸は、穂照ビーチへ集まった者たちの満たされない欲求が長年蓄積され、晴久への強い感情を抱く五人と共鳴したのだと推測した。

さらに先ほど晴久を襲った少女も、五人の欲望が形を得た存在だったと結論づけた。しかし楓、美咲、桜は即座に烏丸を気絶させ、その推理を強く否定した。

凶暴化した雑霊

集積怪異が発動した影響で、沖合の雑霊たちは急激に力を増し、結界の一部を破壊した。

楓たち五人が高い霊的能力を持っていたため、共鳴による増幅も異常な規模となっていた。昼間の虫の大量発生も、その前兆であった可能性が高かった。

核となった祠

集積怪異を祓うには、土地へ感情を蓄積している核を破壊する必要があった。

楓は大まかな方角しか探知できなかったが、晴久は初日に岸壁の洞窟で見つけた古い祠を思い出した。楓は、その祠こそ集積怪異の核だと判断した。

南雲と静香の暴走

祠へ向かおうとした直後、南雲と静香の怪異化が急激に進行した。

怪異への抵抗手段を持たない二人は欲望に呑まれ、晴久を襲おうとした。さらに南雲には乳裂き女、静香にはホテルラプンツェル事件の怪異が再発し始めていた。

感覚強化と快楽点ブースト

晴久はサキュバスの角で五感を高め、快楽点ブーストを重ねて二人の動きを見切った。

南雲と静香の攻撃を回避し、鎖骨と腰にある快楽媚孔を連続して突いた。二人は激しい快感によって崩れ落ち、晴久は除霊に成功したと思った。

効かない絶頂除霊

しかし二人の異変は消えず、むしろ集積怪異の影響はさらに強まった。

集積怪異は核から遠隔で疑似怪異化を繰り返すため、宿主だけを絶頂除霊しても意味がなかった。二人はすぐに立ち上がり、以前より強い欲望を晴久へ向けた。

ダイニングルームからの撤退

楓は正面からの解決を諦め、一度退いて対策を立て直すよう指示した。

桜が結界を強化し、美咲が式神で二人を攪乱した。楓も家具や粉類を投げつけて足止めし、晴久たちは気絶した烏丸を回収してダイニングルームから脱出した。

夢想術による救出作戦

ペンション内の追跡

古屋晴久たちは、暴走した南雲睦美と小日向静香に追われてペンション内を逃げ回った。

晴久はサキュバスの角で二人の動きを感知していたが、小日向の能力によって居場所を把握され、距離を広げられなかった。さらに宗谷美咲、葛乃葉楓、文鳥桜も身体の異変に苦しみ、逃走を続けるだけで消耗していった。

桜の失神

南雲と小日向は壁を破壊し、晴久たちへ最短距離で迫った。

晴久は転倒した際に誤って桜の異物へ触れ、桜を強い刺激で動けない状態にしてしまった。晴久は再び南雲と小日向の快楽媚孔を突き、楓の捕縛術と合わせて一時的に二人を足止めした。

夢想術の提案

楓は、集積怪異に寄生された者の欲求を弱めれば、影響を抑えられると説明した。

そのためには宿主の夢へ入り、深層意識に現れる欲求を擬似的に満たす必要があった。しかし夢想術は高度で消耗も激しく、弱体化した楓、美咲、桜だけでは成功が難しかった。

ミホトの協力

ミホトは、自分なら楓たちを補助して夢へ干渉できると申し出た。

サキュバスの角の掌握が進み、以前から晴久の夢へ介入していた経験もあるため、術式を支えられると説明した。晴久たちはほかに有効な手段がないと判断し、夢想術へ賭けることにした。

二人の拘束

晴久は囮となって南雲と小日向を三階の広間へ誘導した。

烏丸葵が南雲を拘束し、桜、美咲、楓が結界や式神で小日向の動きを妨害した。晴久は二人の頭へ同時に接触し、楓たちとミホトの術によって夢の世界へ入った。

体育館の夢

晴久が目覚めた場所は、体育館のような精神世界であった。

そこではミホトも自由に姿を現し、南雲と小日向の欲求が具現化した場所へ晴久を案内した。

用具室の二人

体育用具室には、晴久を求めながら苦しむ南雲と小日向がいた。

晴久は二人の欲求が自分との親密な接触であると知り、絶頂除霊で解決しようとした。しかしミホトは、二人が求めているのは晴久自身から向けられる感情のこもった行為であり、通常の除霊では欲求を解消できないと説明した。

夢の中の決断

ミホトは、ここでの出来事は肉体へ影響せず、目覚めたあとには記憶も消えると晴久を説得した。

現実で二人を救い、雑霊の暴走を止めるためには夢の中で欲求を満たすしかないと判断した晴久は、やむなくミホトの指示に従った。

現実での警戒

現実では、美咲たちが眠る晴久、南雲、小日向を守っていた。

美咲は夢の内容を想像して嫉妬と不安を募らせ、自身の異変が悪化することを恐れて晴久を見ないよう努めた。一方、楓と桜も無防備な晴久へ強い欲望を向け始め、美咲は二人が近づかないよう立ちはだかった。

夢から漏れる声

眠る南雲と小日向は、夢の中で感じている刺激を寝言として大声で漏らし始めた。

その声を聞いた美咲、楓、桜の欲求はさらに高まり、三人の集積怪異も悪化した。美咲は晴久へ早く戻るよう叫びながら、必死に理性を保とうとした。

症状の緩和

やがて南雲と小日向は夢の中で欲求を満たし、現実の身体に現れていた異物も大きく縮小した。

二人は消耗しながらも意識を取り戻し始め、集積怪異の影響が弱まったことが確認された。その直後、晴久も夢の世界から帰還した。

夢想術からの帰還

南雲と静香の回復

古屋晴久は夢想術から目覚め、南雲睦美と小日向静香の暴走が収まったことを確認した。

二人は怪異の症状を大きく弱め、静香の触手も消えていた。ただし夢の記憶は一時的に残っており、二人は晴久が夢の中で何をしたかを察して激しく動揺した。

桜の暴走

南雲たちを救った晴久を庇うように、文鳥桜が晴久へ抱きついた。

しかし桜も集積怪異の影響を強く受けており、多重結界で周囲を遮断すると晴久へ迫った。楓と宗谷美咲が止めようとしたが、成長した桜の結界を突破できなかった。

桜への夢想術

葛乃葉楓が囮となり、烏丸葵が結界を越えて桜を拘束した。

晴久はその隙に桜へ頭突きを行い、再び夢想術を発動した。夢の中で欲求を満たされた桜は正気に戻ったが、自分の言動と夢の内容を思い出して激しい羞恥に苦しんだ。

録音された寝言

楓は眠っていた桜の寝言を録音し、晴久への甘えを皆の前で再生した。

桜は激怒して楓へ飛びかかり、スマートフォンを巡って烏丸も巻き込んだ騒ぎとなった。

楓の偽装

混乱に乗じて楓は九本の獣尾を展開し、晴久を含む全員を拘束した。

楓は変身術によって集積怪異の悪化を隠しており、実際には理性を失いかけていた。晴久を独占しようと迫り、ほかの者の妨害を封じた。

静香の新能力

小日向静香は、晴久が無理に襲われることを拒み、空間から椅子や家具を転移させて楓を攻撃した。

それは男性恐怖症の緩和によって、残留怪異の空間支配能力が変化したものと考えられた。晴久は生まれた隙を利用し、楓にも夢想術を施した。

楓の羞恥

正気に戻った楓は、夢の中で晴久へ見せた姿を思い出して激しく動揺した。

桜は楓の寝言を録画しており、仕返しとして再生した。楓は即座に端末を破壊し、二人は互いの醜態を巡って再び激しく言い争った。

美咲への疑惑

美咲が二人を仲裁しようとしたが、言葉に棘があったため楓と桜の怒りを買った。

二人は美咲の異物が大きくなっていることに気づき、暴走寸前だと疑って拘束した。しかし晴久は、美咲の視線や態度がほかの者ほど異常ではないと感じた。

侵食を受けない美咲

桜が霊視した結果、美咲は集積怪異の侵食を受けていないことが判明した。

身体の異変は欲求不満に反応しているだけで、理性は保たれていた。理由は不明だったが、夢想術を使う必要がないと判断され、晴久たちは祠を破壊するため海岸へ急いだ。

祠の破壊と美咲の自覚

海岸を埋める雑霊

晴久たちは小日向静香も連れて海岸へ出たが、そこには沖合から流れ込んだ大量の雑霊が満ちていた。

雑霊自体は霊級格二から三程度であり、一行は進むことができたものの、祠へ近づくにつれて集積怪異の影響が強まり、桜、楓、南雲、小日向は再び疑似怪異化しかけた。

晴久と美咲の先行

理性を保っていた美咲と晴久だけが祠へ向かい、ほかの者たちは海岸結界の維持に残った。

美咲は弱体化した式神と術式で晴久を支え、晴久は雑霊の快楽媚孔を突いて道を切り開いた。二人の連携は以前のように滑らかであったが、洞窟へ近づくほど雑霊の密度が増し、進行は止められた。

美咲の水没

雑霊に押されて水際まで後退した美咲は、海中から足を取られて引きずり込まれた。

晴久は水中戦を避けるという基本を無視し、迷わず海へ飛び込んだ。サキュバスの角と快楽点ブーストを使って雑霊を排除し、美咲を洞窟まで救い上げた。

救命措置の口づけ

美咲は呼吸を失っており、晴久は救命措置を施した。

意識を取り戻した美咲は、淫魔眼に表示された晴久の口づけの経験回数が二へ増えていることから、何が起きたかを理解した。さらに、自分を救うため命を顧みなかった晴久の表情を思い出し、これまで抱えていた嫉妬と好意の正体に気づいた。

美咲の霊力回復

美咲は想いを伝えかけたが、身体の異変が強まったことで機会を失った。

洞窟へ雑霊が迫る中、美咲は晴久へ膝裏を舐めるよう求めた。晴久の行動と口づけによって胸の迷いが消えていたため、刺激を受けた瞬間に美咲の霊力は大きく回復した。

式神による突破

復活した美咲は霊級格四相当の式神を四体呼び出し、周囲の雑霊を圧倒した。

晴久と美咲は一気に洞窟へ進み、怪しい光を放つ古い祠へ到達した。

自我を得た集積怪異

祠から放たれたエネルギーは巨大な女性の姿を取り、晴久を狙って無数の触手を伸ばした。

美咲の攻撃は、集積怪異が彼女たちの霊力を吸収して耐性を得ていたため通じなかった。晴久は感覚強化で触手を回避し、巨体にある快楽媚孔へ攻撃を叩き込んだ。

集積怪異の消滅

集積怪異は絶頂によって溜め込んだ力を放出し、核となる祠に亀裂が入った。

巨大な姿は満たされたように消滅し、祠も破壊された。美咲たちに現れていた異変は消え、凶暴化していた雑霊も力を失った。楓たちが結界を再構築したことで、雑霊は沖合へ押し戻された。

美咲の新たな決意

事件が終わると、晴久は美咲の霊力が戻ったことを素直に喜んだ。

美咲は一度、淫魔眼があっても晴久への想いがあれば、呪いを急いで解く必要はないかもしれないと考えた。しかし楓たちの夢の内容や晴久への好意を淫魔眼で見てしまい、嫉妬を強く刺激された。

美咲は晴久を引き寄せ、以前よりも強い意志でパーツの呪いを解くため再び努力すると宣言した。

エピローグ 

パーツ消滅への新たな道

罰則労働の後始末

集積怪異の騒動後も、古屋晴久たちは穂照ビーチに残り、雑霊の駆除と荒れたペンションの片付けを続けた。

建物はもともと補修工事を予定していたため営業上の損害はなく、追加修繕費も集積怪異討伐の報償で賄われることになった。一行は残りの日程を掃除に費やし、疲労困憊のまま最終日を迎えた。

ミホトの記憶

ミホトは、サキュバスの角に宿っていた不幸能力の解体を終え、新たに思い出した記憶を話せると晴久へ告げた。

晴久たちはダイニングルームへ集まり、宗谷美咲が封印を解いた。晴久の指先から顕現したミホトは以前より落ち着いた態度を見せ、質問へ協力的に答え始めた。

パーツの完全消滅

晴久が以前の発言の意味を尋ねると、ミホトはサキュバス王の性遺物を二度と復活しない形で完全に消滅させられると明かした。

宿主に憑いている状態でも悪影響を与えず除去できるという情報に、晴久、美咲、葛乃葉楓は驚愕した。それは歴代の退魔師たちも到達できなかった可能性であった。

破壊の祭壇

完全消滅には、すべてのパーツを集めて破壊の祭壇へ持ち込む必要があった。

しかしミホトは祭壇の場所も正体も思い出せず、具体的な方法までは説明できなかった。自身の正体や晴久へ憑いた理由、パーツを吸収すると記憶が戻る原因についても不明なままであった。

魔族の目的

楓は、パーツを完全に消せるという情報が事実なら、パーツを集めている魔族の目的がさらに不可解になると考えた。

魔族が消滅を望んでいるとは考えにくく、楓は菊乃や退魔師協会へ情報を持ち帰り、慎重に検討する必要があると判断した。

パーツ収集の方針

晴久は、祭壇の詳細が不明でも、今後の目的はパーツを集めることに絞られたと整理した。

パーツを確保すれば魔族の企みを妨害でき、ミホトがさらに記憶を取り戻す可能性もあった。ただしパーツは世界各地へ無作為に再生し、厳重に秘匿されているものもあるため、すべてを集めることは極めて困難であった。

美咲の決意

晴久が弱音を漏らすと、ミホトは理由を思い出せないままでも、パーツを必ず消し去らなければならないと訴えた。

美咲も強く同調し、魔族との争奪戦になっても諦めないと宣言した。集積怪異の事件以降、美咲は以前にも増して呪いの解除へ執着していたが、その理由を尋ねられると動揺し、魔族に再び狙われる危険を挙げて誤魔化した。

再出発の決意

美咲の勢いに励まされた晴久は、もともと不可能とされた呪いへ挑んできたのだから、今さら諦めるべきではないと考え直した。

晴久と美咲はパーツを集め、呪いを完全に消滅させるため再び進み始めた。しかし性遺物の除去に成功した事実が新たな者たちを呼び寄せつつあることを、二人はまだ知らなかった。

エピローグ2 

極東へ集う悪意

欧州祓魔連合の壊滅

欧州の水都では、巨大な霊能犯罪組織を殲滅するため、欧州祓魔連合の精鋭七百名と天人降ろしがアジトへ突入した。

しかし犯罪者たちはすでに全滅しており、内部には本来なら協力するはずのない国際指名手配犯たちが集結していた。指揮官は即座に撤退を命じたが、精鋭部隊は短時間で壊滅した。

性遺物除去の衝撃

集まった者たちは、《サキュバス王の性遺物》が実際に除去されたという情報に強い関心を示した。

かつてアンドロマリウスから聞かされた話を虚言だと考えていたが、前例のない除去成功によって、その内容に信憑性を感じ始めていた。

淫都再興の夢

彼女たちの目的は、すべての性的欲望が満たされるとされる《淫都・ソドムとゴモラ》を復活させ、自らの渇きを永遠に満たすことであった。

そのためにはサキュバス王を完全復活させる必要があり、各地に存在するパーツを奪い集めることが条件だと信じていた。

日本の四つのパーツ

彼女たちは、日本に封印中のものを含めて四つのパーツが存在すると把握していた。

霊装密輸船を奪い、日本の呪殺法師から入国の手引きを受ける準備も整えていた。互いに協力する意思は薄く、より多くのパーツを得た者ほど大きな恩恵を得られるという話に従い、それぞれが独自に動く方針であった。

極東を目指す欲望

彼女たちは本来、自らの欲望だけを優先し、助け合うことも共闘することもない危険な者たちであった。

しかし淫都再興という共通の目的によって、一時的に同じ方向を向いた。膨れ上がった悪意と欲望は、パーツを求めて日本へ向かい始めていた。

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