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2027年 冬真の聖女である私は追放されました。だからこの国はもう終わりです

小説「真の聖女である私は追放されました。だからこの国はもう終わりです1」感想・ネタバレ

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真の聖女である私は追放されました。だからこの国はもう終わりです 1の表紙画像(レビュー記事導入用) 2027年 冬

まとめ
真の聖女2レビュー

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  1. 物語の概要
    1. ■ 作品概要
    2. ■ 主要キャラクター
        1. エリアーヌ
        2. ナイジェル
        3. クロード
        4. レティシア
        5. ドグラス(ドラゴン)
        6. ラルフ
  2. 書籍情報
  3. あらすじ・内容
  4. 感想
      1. 聖女を追い出した国は本当に終わりそう。ドラゴンまで引っ越すとは
      2. ※以下、物語の結末まで触れるネタバレ感想。
        1. 聖女を偽物扱いするクロード。国を守っていたのが誰なのか分かっていない
        2. エリアーヌを送り出すカーティス。国に残る人間が気の毒になる
        3. ドラゴンが現れた途端、地下壕へ逃げるクロード
        4. ドラゴンの目的は侵略ではなく、エリアーヌの安否確認だった
        5. そのドラゴンまで隣国へ引っ越すのか
        6. ナイジェルとの出会い。最初からクロードとは違っていた
        7. 案内された屋敷が王城だった。ナイジェルも第一王子なのか
        8. 国王のペットがフェンリル。しかも呪われていた
        9. それにしても、フェンリルが鰹節を食すのか?
        10. セシリー王女の野菜嫌いまで解決するエリアーヌ
        11. レティシアは追放後もエリアーヌを放っておかない
        12. ナイジェルが女神の加護を受けて戦う場面がよかった
        13. 自分が仕掛けた呪いで破滅するレティシア
        14. 月明かりの下での求婚。エリアーヌが新しい幸せをつかむ
        15. 聖女だけでなく、ドラゴンまで去った国の末路
  5. 考察・解説
      1. ストーリー・プロット
        1. 第1幕:聖女追放と隣国への旅立ち
        2. 第2幕:負傷者たちの救助と王都への急襲
        3. 第3幕:神獣ラルフの解呪とドラゴンの断罪
        4. 第4幕:正体の露見とリンチギハム全域への結界展開
        5. 第5幕:市場での再会と呪いの流通
        6. 第6幕:狂戦士アルベルトの襲撃と呪いの反跳
        7. 第7幕:誕生日パーティーと月下の求婚
      2. 主要な転換点
        1. 転換点:ベルカイム王国からのエリアーヌの追放
        2. 転換点:神獣ラルフの呪いの解呪
        3. 転換点:リンチギハム全域への結界展開
        4. 転換点:女神の加護によるアルベルトの浄化
      3. エリアーヌを中心とした人物関係の変化
        1. ナイジェル
        2. クロード
        3. ドグラス(ドラゴン)
        4. レティシア
      4. 主人公の認識と周囲の評価
        1. 主人公自身の認識
        2. 周囲からの評価
        3. 認識の差が現れた場面
  6. 登場キャラクター
    1. ベルカイム王国
      1. エリアーヌ
      2. クロード
      3. レティシア
      4. カーティス
      5. 御者
      6. ベルカイム王国騎士団
      7. アルベルト
    2. リンチギハム王国
      1. ナイジェル・リンチギハム
      2. アドルフ
      3. 正門の門番
      4. アビー
      5. リンチギハム国王
      6. ラルフ
      7. リンチギハム第一騎士団
      8. 治癒士たち
      9. セシリー
      10. 料理長
      11. コックたち
      12. 給仕たち
      13. 自警団
    3. その他(魔物・集団・街の人物等)
      1. ドグラス
      2. ベヒモス
      3. 魔物たち
      4. 市場の店員
      5. 市場の店長
      6. 喫茶店の店員
      7. 暴漢たち
      8. 宝石店の店主
  7. 展開まとめ
    1. プロローグ
    2. 第一話
    3. 第二話
    4. 第三話
    5. 第四話
    6. 第五話
    7. 第六話
    8. エピローグ

物語の概要

■ 作品概要

本巻の中心人物は、女神の加護により結界や治癒魔法を司ってきた本物の聖女エリアーヌである。物語開始時、エリアーヌはベルカイム王国の第一王子クロードから「偽の聖女」と一方的に決めつけられ、婚約破棄と国外追放を言い渡される。
エリアーヌが去ったことで王国の結界が消滅し魔物の脅威に晒される一方、エリアーヌは隣国リンチギハムを目指す途中で魔物ベヒモスに襲われていた集団を救護し、その一行を率いていた第一王子ナイジェルに保護される。
リンチギハムの王城へ迎えられたエリアーヌは、神獣フェンリルの治療や国中への結界の展開、王女セシリーの偏食改善などで信頼を得ていく。やがてエリアーヌを追放へと追い込んだ悪女レティシアが放った刺客アルベルトによりリンチギハムが危機に陥るが、エリアーヌから女神の加護を授かったナイジェルがこれを討伐し、呪いの反動でレティシアは自滅する。
最終的に、ナイジェルの誕生日パーティーの場で彼から求婚を受け、エリアーヌがこれを受け入れて婚約を結ぶところまで状況が進む。

■ 主要キャラクター

エリアーヌ
  • 立場・所属:ベルカイム王国の元聖女。神託を受け、代々国を守る結界や治癒魔法を担ってきた女性。
  • 主人公との関係:主人公本人。
  • この巻での主な役割:狂言回し、傷病者の治癒、結界の構築、呪いの解呪。
  • この巻で起きた重要な変化や行動:無実の罪で王国を追放された後、隣国リンチギハムで身分を隠して治癒士を名乗る。ナイジェルたちに保護されて神獣ラルフの呪いを解き、国中に魔物除けの結界を張る。アルベルトの襲撃時にはナイジェルに女神の加護を付与して勝利に貢献し、最後はナイジェルからの求婚を承諾した。
ナイジェル
  • 立場・所属:リンチギハムの第一王子(次期国王)。
  • 主人公との関係:道中で救助された恩人から、後に求婚相手・婚約者となる。
  • この巻での主な役割:エリアーヌの保護者、戦闘要員。
  • この巻で起きた重要な変化や行動:ベヒモスに襲われた際に自らの治療を後回しにして部下を優先しようとしていたところをエリアーヌに救われる。彼女の並外れた能力から聖女であることを見抜いて城に迎え入れ、アルベルトとの決戦ではエリアーヌの加護をその身に受けて呪いの剣を浄化・撃破した。自身の誕生日パーティーでエリアーヌに指輪を贈りプロポーズを行った。
クロード
  • 立場・所属:ベルカイム王国の第一王子。エリアーヌの元婚約者。
  • 主人公との関係:エリアーヌを一方的に断罪・追放した元婚約者。
  • この巻での主な役割:追放劇の首謀者、トラブルの引き金。
  • この巻で起きた重要な変化や行動:レティシアの自作自演に騙され、エリアーヌを「税金をむしり取る偽の聖女」として追放した。直後に王都へドラゴンが飛来すると恐れをなして地下壕へ逃走し、人間の姿で侵入してきたドラゴンに一方的に叩きのめされ、国の破滅を宣告された。
レティシア
  • 立場・所属:ベルカイム王国の伯爵令嬢を自称する呪術士。
  • 主人公との関係:自作自演でエリアーヌを陥れた敵対者。
  • この巻での主な役割:事件の黒幕。
  • この巻で起きた重要な変化や行動:自身を「真の聖女」と偽ってクロードを籠絡し、エリアーヌを追放へ追い込む。かつて自身を袖にしたナイジェルがエリアーヌを寵愛していることを知り激怒し、SS級冒険者アルベルトに呪いの剣を持たせてリンチギハムへ送り込んだ。しかし呪いが浄化・反跳した結果、その代償で自らの顔面が焼けただれて破滅した。
ドグラス(ドラゴン)
  • 立場・所属:竜の巣で暮らしていた強大なドラゴン。人の姿に擬態してリンチギハムに滞在する。
  • 主人公との関係:エリアーヌが暇潰しに遠距離念話を飛ばしたことを機に親しくなった「念話友達」。
  • この巻での主な役割:ベルカイム王国への制裁、エリアーヌとナイジェルの恋の後押し、巨大魔物の迎撃。
  • この巻で起きた重要な変化や行動:結界の消失に気付いて王都へ乗り込み、クロードを制裁する。その後エリアーヌの結界を感知してリンチギハムへ現れ、ドグラスと名付けられて城内に居候する。アルベルト襲撃の際にはベヒモスを単身で引き受けて撃破した。
ラルフ
  • 立場・所属:リンチギハム王城で飼育されている神獣フェンリル。
  • 主人公との関係:エリアーヌに呪いを解かれ、懐いた神獣。
  • この巻での主な役割:エリアーヌの聖女としての正体確認、移動手段。
  • この巻で起きた重要な変化や行動:巧妙に隠された呪いによって衰弱していたが、エリアーヌの治癒魔法によって完快する。魔物と意思疎通できるエリアーヌを即座に本物の聖女と見抜き、背中に乗せるなど深く懐いた。森の決戦時にはエリアーヌとナイジェルを乗せて前線へ運んだ。

書籍情報

真の聖女である私は追放されました。だからこの国はもう終わりです
著者:鬱沢色素 氏
イラスト:ぷきゅのすけ 氏
出版社:講談社
発売日:2021年2月2日
ISBN:9784065218259

(PR)よろしければ上のサイトから購入して頂けると幸いです。

あらすじ・内容

「偽の聖女であるお前はもう必要ない!」

ベルカイム王国の聖女エリアーヌは突如、婚約者であり第一王子でもあるクロードから、国外追放と婚約破棄を宣告されてしまう。

クロードの浮気にもうんざりしていたエリアーヌは、国を捨て、自由気ままに生きることにした。

そして、隣国リンチギハムの王子ナイジェルと出会い、彼の住む城で暮らし始めたエリアーヌ。

一方、結界を張りベルカイムを陰から支えていた『真の聖女』である彼女を失ったことで、王国は破滅への道を辿っていき……!?

真の聖女である私は追放されました。だからこの国はもう終わりです

感想

聖女を追い出した国は本当に終わりそう。ドラゴンまで引っ越すとは

『真の聖女である私は追放されました。だからこの国はもう終わりです』を読了。

いや、ホントにこの国は終わりだわ。

国を守っていた本物の聖女を偽物扱いして追放するだけでも呆れるのに、本人から結界が消える危険性を説明されても聞く耳を持たない。

しかも、いざドラゴンが現れると、追放を決めた第一王子は地下壕へ逃げ込んでしまう。

あれだけ偉そうにしていたのは何だったのか。

一方、追放されたエリアーヌは隣国で歓迎され、王子に大切にされ、神獣フェンリルまで懐いてくる。

さらに面白かったのが、エリアーヌの様子を見に来たドラゴンまで隣国へ移動してしまったことだ。

国の結界だけでなく、ドラゴンとのつながりまで失ってしまうとは。

そして、もう一つ気になったことがある。

フェンリルって、鰹節を食べるのか?

追放劇や呪いによる陰謀が描かれる一方で、こうした妙に生活感のある場面が挟まるのも、本作の面白さだと感じた。

※以下、物語の結末まで触れるネタバレ感想。

聖女を偽物扱いするクロード。国を守っていたのが誰なのか分かっていない

物語は、ベルカイム王国の第一王子クロードが、婚約者エリアーヌに婚約破棄と国外追放を言い渡すところから始まる。

理由は、エリアーヌが偽の聖女だから。

本物の聖女はレティシアであり、エリアーヌは王室から金をむしり取る詐欺師だという。

いや、何を言っているのか。

エリアーヌはこれまで、国を守る結界を張り続けてきた。

その結界があるからこそ、魔物の侵入を防げていたのである。

ところが、クロードはその働きを理解していない。

目の前で派手な戦いをするわけでもなく、日々の平穏を維持しているだけだから、何もしていないと思っていたのだろうか。

だとしたら、あまりにも浅はかである。

特に呆れたのは、エリアーヌが結界の消滅について警告しているのに、最後まで聞こうとしなかったことだ。

少しでも不安を感じたなら、確認することくらいはできたはず。

それすらせず、レティシアの言葉だけを信じて追放してしまう。

ここまで来ると、エリアーヌが国を出ていくことに、むしろ安心してしまった。

エリアーヌを送り出すカーティス。国に残る人間が気の毒になる

そんな中で、騎士団長カーティスの存在には少し救われた。

彼はエリアーヌが本物の聖女であることを理解しており、追放を聞いて愕然とする。

それでも、騎士団長という立場があるため、彼女と一緒に国を出ることはできない。

代わりに隣国へ向かう馬車を手配し、エリアーヌを送り出す。

この場面は、単純に王国の人間が全員愚かという話ではないところが印象的だった。

カーティスのように、何が正しいのか分かっている人間もいる。

しかし、王子の決定を覆すことはできない。

国を守る責任があるからこそ、その場に残らなければならない。

考えてみれば、結界が消えた後に最も苦労するのは、クロードではなく現場で魔物と戦う騎士たちだろう。

そのことを思うと、笑ってばかりもいられない。

ドラゴンが現れた途端、地下壕へ逃げるクロード

エリアーヌが国を出た後、王都に巨大なドラゴンが現れる。

さっそく大問題である。

しかも、クロードはドラゴンが現れたと聞くと、防衛を騎士団に任せてレティシアと地下壕へ逃げ込んでしまう。

思わず呆れた。

聖女を追放するときは、あれほど自信満々だったではないか。

自分たちだけで国を守れると思っていたからこそ、エリアーヌを不要だと判断したはずである。

ところが、本当に危険が迫ると自分だけ逃げる。

結局、危険な仕事は他人任せなのだ。

この場面を読んで、国が危機に陥る原因は聖女の不在だけではないと感じた。

いざというときに責任を取らない人間が、国の将来を決めている。

それ自体が大きな問題なのだろう。

ドラゴンの目的は侵略ではなく、エリアーヌの安否確認だった

ここで意外だったのが、ドラゴンの来訪理由である。

王都に現れたドラゴンは、国を襲いに来たわけではなかった。

エリアーヌが張っていた結界が突然消えたため、何かあったのではないかと心配して様子を見に来たのである。

しかも、エリアーヌとは以前から念話で話をする仲だったという。

ドラゴンと念話友達。

この関係だけでも面白い。

人間にとっては恐怖の象徴であるドラゴンが、エリアーヌにとっては遠くに住む話し相手なのだ。

そして、事情を知ったドラゴンはクロードに制裁を加える。

レティシアの結界も通用せず、クロードはあっさり叩きのめされてしまう。

ここは痛快だった。

自分たちが追放した相手が、どれほど重要な存在だったのか。

ドラゴンに教えられて初めて、その一端を知ることになるのだから情けない。

そのドラゴンまで隣国へ引っ越すのか

さらに笑ってしまったのは、その後のドラゴンの行動だ。

エリアーヌがリンチギハムで結界を張ると、ドラゴンはその気配を頼りに彼女の居場所を見つける。

そして、今度は自分までリンチギハムへやって来る。

いや、そこまで追いかけるのか。

しかも、人間の姿で街に入ろうとして門番と押し問答になっているのだから、最初に王都へ現れたときの恐ろしさはどこへ行ったのかと思ってしまった。

結局、ドラゴンはドグラスという名前をもらい、王城で暮らすことになる。

エリアーヌを追放したベルカイム王国は、守護結界を失った。

さらに、彼女を心配して訪れたドラゴンまで隣国へ移動した。

何とも皮肉な話である。

国を守っていた存在を追い出した結果、その周囲にいた強力な味方までいなくなってしまう。

ホントにこの国は終わりだわ。

ただ、ドグラス本人に悲壮感がないのが面白い。

彼にとって大切なのは国の事情ではなく、エリアーヌと話せることなのだろう。

ナイジェルとの出会い。最初からクロードとは違っていた

一方、隣国へ向かうエリアーヌは、魔物ベヒモスに襲われて負傷した一行と出会う。

そこで登場するのがナイジェルである。

彼は自分も負傷しているのに、まず部下たちを助けようとしていた。

この時点で、クロードとはずいぶん違う。

クロードはドラゴンが現れると自分だけ地下壕へ逃げた。

ナイジェルは危険な状況でも、周囲の人間を優先しようとする。

もちろん、二人の置かれた状況は同じではない。

それでも、人柄の違いがはっきり伝わってくる場面だった。

エリアーヌは広域治癒魔法で負傷者たちを治療する。

彼女にとっては当たり前の行動なのだろうが、ナイジェルたちはその力に驚く。

ここでも、ベルカイム王国との違いを感じた。

同じ能力を使っているのに、片方では偽物扱いされ、もう片方では感謝される。

エリアーヌにとって、この出会いは大きかったのだと思う。

案内された屋敷が王城だった。ナイジェルも第一王子なのか

ナイジェルの招待を受け、リンチギハムへ向かったエリアーヌ。

ところが、案内された屋敷は王城だった。

しかも、ナイジェルはこの国の第一王子。

同行していたアドルフも騎士団長である。

ここはエリアーヌと一緒に驚いてしまった。

ようやく王室との関係から離れたと思ったら、また別の国の王子と知り合っている。

何とも不思議な巡り合わせだ。

ただ、クロードとは違い、ナイジェルは彼女の能力を見ている。

そして、助けてもらったことに感謝している。

王子という肩書きが同じでも、これほど人柄が違うのかと思わされた。

国王のペットがフェンリル。しかも呪われていた

王城でエリアーヌが頼まれたのは、国王が飼っているペットの診察だった。

ところが、そのペットが神獣フェンリルのラルフである。

いや、フェンリルをペットとして飼っているのか。

この時点で、かなり驚いた。

しかも、ラルフは原因不明の衰弱に苦しんでいる。

エリアーヌが調べると、病気ではなく巧妙に隠された呪いが原因だった。

それを見抜いて解呪し、ラルフを回復させてしまう。

聖女の能力は、ここでも規格外である。

ただ、印象に残ったのは能力の大きさだけではない。

助けられたラルフがエリアーヌに懐き、背中に乗せてくれるようになるところがよかった。

神獣という恐ろしい存在なのに、恩人には素直に心を開く。

こういう関係は見ていて楽しい。

それにしても、フェンリルが鰹節を食すのか?

そして、ラルフといえば鰹節である。

エリアーヌがラルフに与えていた餌が鰹節だと分かったとき、思わず首をかしげた。

フェンリルって鰹節を食べるのか?

巨大な狼のような神獣なのだから、もっと豪快に肉でも食べているのかと思っていた。

それが鰹節。

何だか急に身近な存在になった気がする。

もちろん、神獣なのだから、人間の考える動物の食生活とは違うのかもしれない。

それでも、鰹節を食べるフェンリルという組み合わせが妙におかしい。

呪いを受けた神獣を聖女が救うという、かなり重要な出来事の後に、こんな日常が描かれる。

この落差が好きだ。

ドグラスもそうだが、本作に登場する強大な存在は、エリアーヌと親しくなると急に親しみやすくなる。

恐ろしいドラゴンは念話友達。

神獣フェンリルは鰹節を食べる。

この世界の魔物や神獣は、思っていたよりもずっと面白い。

セシリー王女の野菜嫌いまで解決するエリアーヌ

エリアーヌの活躍は、魔法だけにとどまらない。

ナイジェルの妹であるセシリー王女が野菜嫌いだと知ると、今度は料理で問題を解決してしまう。

細かく刻んだ野菜をハンバーグに混ぜ込み、セシリーに食べてもらう。

何とも家庭的な解決方法である。

国中に結界を張れる聖女が、王女の野菜嫌いを直すために台所へ立っている。

この光景も面白かった。

エリアーヌは、聖女として特別扱いされることを望んでいるわけではない。

誰かが困っていれば、できることをする。

その相手が負傷した騎士でも、呪われたフェンリルでも、野菜嫌いの少女でも変わらない。

こうした姿を見ると、ナイジェルたちが彼女を大切にする理由も分かる気がした。

レティシアは追放後もエリアーヌを放っておかない

一方、ベルカイム王国では、レティシアが相変わらず問題を起こしている。

エリアーヌを追放し、クロードのそばにいられるようになったのだから、それで満足すればよさそうなものだ。

しかし、そうはいかない。

エリアーヌがナイジェルに大切にされていると知ると、嫉妬と憎悪を募らせる。

そして、SS級冒険者アルベルトに呪いの黒い剣を与え、エリアーヌを襲わせる。

ここまで来ると、執着の強さが恐ろしい。

すでに別の国で暮らしている相手を、わざわざ追いかけてまで害そうとする。

しかも、アルベルトの正気まで奪ってしまうのだから、他人の人生を何とも思っていないのだろう。

エリアーヌを追放した時点で十分ひどかったが、その後の行動を見ても反省する気配がない。

ナイジェルが女神の加護を受けて戦う場面がよかった

アルベルトの襲撃では、呪いによって凶暴化した魔物まで現れる。

エリアーヌたちは騎士団を助けるため、森へ向かう。

ここでドグラスがドラゴンの姿に戻り、巨大なベヒモスを引き受ける。

最初は様子を見に来ただけだったドラゴンが、今度はエリアーヌたちの味方として戦っている。

この変化も面白い。

一方、エリアーヌとナイジェルはラルフに乗って森の奥へ進む。

フェンリルが移動手段になり、ドラゴンが巨大魔物を相手にする。

何とも頼もしい顔ぶれだ。

そして、アルベルトとの戦いでは、エリアーヌがナイジェルに女神の加護を与える。

ナイジェルはその力を受けて呪いの剣を浄化し、アルベルトを打ち倒す。

この場面がよかった。

エリアーヌがすべてを一人で片づけるのではない。

彼女の力を受け取ったナイジェルが、自分の剣で敵を止める。

二人で危機を乗り越えたという実感があった。

自分が仕掛けた呪いで破滅するレティシア

アルベルトを苦しめていた呪いが浄化されたことで、レティシアにも報いが訪れる。

自分が仕掛けた呪いが跳ね返り、その代償を受けることになったのだ。

エリアーヌを陥れ、追放させ、さらに命まで狙ったレティシア。

結局、自分の行動が自分を破滅させてしまう。

ここは因果応報という言葉が似合う展開だった。

ただ、レティシアの末路以上に印象に残ったのは、エリアーヌが彼女への復讐に執着していなかったことだ。

エリアーヌは新しい国で、人を助けながら暮らしている。

一方、レティシアは追放した相手を忘れられず、憎しみを募らせていた。

その違いが、最後にはっきり表れたように感じる。

月明かりの下での求婚。エリアーヌが新しい幸せをつかむ

物語の最後には、ナイジェルの誕生日パーティーが開かれる。

エリアーヌが贈った手作りクッキーに礼を伝えたナイジェルは、指輪を取り出して求婚する。

ここまでの流れを考えると、自然な結末だったと思う。

ナイジェルはエリアーヌの能力だけを求めていたわけではない。

彼女の優しさや人柄を知り、一緒に過ごす時間を重ねてきた。

そして、危険な戦いも共に乗り越えた。

エリアーヌは過去の経験もあって迷うが、ドグラスの言葉を思い出し、求婚を受け入れる。

ドラゴンが恋愛の後押しまでしているのだから、何とも面白い。

ベルカイム王国にいた頃は、一方的に偽物扱いされ、婚約を破棄されたエリアーヌ。

それが今度は、自分を理解し、大切にしてくれる相手と結ばれる。

月明かりの下で踊る二人の姿には、ようやく落ち着ける場所を見つけたような安心感があった。

聖女だけでなく、ドラゴンまで去った国の末路

読み終えて、やはり最初に浮かんだのは「ホントにこの国は終わりだわ」という感想だった。

ベルカイム王国は、国を守っていた本物の聖女を自分たちの手で追放した。

その結果、結界を失い、ドラゴンにまで制裁される。

しかも、そのドラゴンはエリアーヌを追って隣国へ移住してしまう。

ここは本当に笑ってしまった。

強大なドラゴンが、国の事情より念話友達との交流を優先している。

何とも自由である。

そして、フェンリルのラルフが鰹節を食べる場面も忘れられない。

神獣なのに鰹節。

この妙な生活感が、シリアスな追放劇の中でいい息抜きになっていた。

一方、エリアーヌが隣国で歓迎される様子には、少し考えさせられるものもあった。

ベルカイム王国では、彼女の働きは正しく理解されていなかった。

しかし、リンチギハムでは、その力も人柄も大切にされる。

本人は変わっていないのに、周囲の人間が変わることで、これほど生活が違ってくる。

その対比が印象的だった。

本作は、理不尽に追放された聖女が新しい幸せを見つける物語である。

ただ、個人的には、国の崩壊へ向かう展開以上に、ドラゴンやフェンリルとの何とも不思議な交流が面白かった。

国を見捨てて引っ越してくるドラゴン。

鰹節を食べるフェンリル。

そして、そんな存在たちに自然と好かれるエリアーヌ。

この組み合わせが、何とも楽しい。

クロードたちには最後まで呆れたが、エリアーヌが新しい居場所を見つけられたことには安心した。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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まとめ
真の聖女2レビュー

考察・解説

ストーリー・プロット

第1幕:聖女追放と隣国への旅立ち

ベルカイム王国の王宮にて、第一王子クロードは婚約者エリアーヌに対し、国を混乱させた「偽の聖女」であると宣告し、婚約破棄と国外追放を言い渡す。クロードは愛人である伯爵令嬢レティシアの自作自演による被害報告を真に受け、エリアーヌを税金の無駄遣いと罵倒する。エリアーヌは結界が解かれれば魔物が侵入すると警告するが、クロードは聞く耳を持たず追放を強行する。城を出たエリアーヌは、理解者であった騎士団長カーティスから隣国リンチギハムへ向かうための馬車を手配され、励ましを受けて国を発つ。

第2幕:負傷者たちの救助と王都への急襲

平原を進んでいたエリアーヌは、魔物ベヒモスに襲撃されて立ち往生していた集団に遭遇する。自らの治療を後回しにして部下を助けようとする青年ナイジェルたちの姿を見たエリアーヌは、広域治癒魔法「ワイドヒール」を行使し、重傷者たちを一瞬で完治させる。治療の礼と身の安全の確保を理由にナイジェルから自国への同行を勧められ、エリアーヌはそれを受け入れる。その頃、ベルカイム王国の王都上空に巨大なドラゴンが突如来襲する。恐れをなしたクロードは防衛を騎士団に丸投げし、レティシアを連れて地下壕へ逃亡する。

第3幕:神獣ラルフの解呪とドラゴンの断罪

リンチギハムの首都に到着したエリアーヌは、案内された屋敷が王城であり、ナイジェルが第一王子、護衛のアドルフが騎士団長であったことを知る。国王との謁見後、病気で衰弱しているというペットの診察を頼まれたエリアーヌは、神獣フェンリルのラルフに対面する。
ラルフの不調が通常の病ではなく巧妙に隠蔽された呪いによるものだと見抜いたエリアーヌはその場で解呪し、全快させる。一方、ベルカイム王国では騎士団長カーティスが屋上でドラゴンと対話し、ドラゴンは普段から念話で親交のあった聖女エリアーヌの結界消失を案じて訪れたと明かす。
カーティスの心から追放の首謀者がクロードであると読み取ったドラゴンは人間の姿に擬態して地下壕へ侵入し、レティシアの結界を破ってクロードを殴り飛ばし、障壁を失った王国が間もなく滅びることを宣告して立ち去る。

第4幕:正体の露見とリンチギハム全域への結界展開

王城のバルコニーにて、ナイジェルはこれまでの卓越した治癒力や解呪能力から、エリアーヌが追放されたベルカイム王国の聖女本人であると見抜く。エリアーヌが真実を白状すると、ナイジェルは王国の暴挙に怒りを示し、彼女を仲間として国に迎え入れることを約束する。翌日、近郊の森で魔物が異常発生して騎士団に多数の負傷者が出た報せを受け、兵舎へ急行したエリアーヌは負傷兵たちを瞬時に治療する。さらに王城の展望室からリンチギハム全域の地図を基に魔力を注ぎ、国中の街や村を覆う大規模な魔物除けの結界を張り巡らせる。一週間後には魔物の出現率が激減し、結界の絶大な効果が実証される。

第5幕:市場での再会と呪いの流通

留学から帰国した幼いセシリー王女の極端な野菜嫌いに対し、エリアーヌは厨房を借りて細かく刻んだ野菜を練り込んだ「野菜ハンバーグ」を作り、見事に克服させる。数日後、ナイジェルの誕生日プレゼントの材料を買うため市場を訪れたエリアーヌは、正門で門番と押し問答をしていた人間の姿のドラゴンと再会する。エリアーヌを追って移住を望むドラゴンはナイジェルの許可を得て「ドグラス」と名付けられ、城で同居することになる。
その後、ドグラスの助言を受けたナイジェルに誘われて市内の喫茶店や宝石店へ出かけたエリアーヌは、店内に置かれた高級ネックレスにラルフと同じ邪悪な呪いがかけられていることを見抜き、その場で解呪する。
店主の証言から、素性を偽った冒険者風の怪しい商人が市場やギルドへ呪いの品を持ち込んでいる事実が判明する。

第6幕:狂戦士アルベルトの襲撃と呪いの反跳

ベルカイム王国では、クロードの信用を失いかけていたレティシアが、裏で商人の真似事をさせていたSS級冒険者アルベルトから、エリアーヌがナイジェルに寵愛されている事実を聞かされる。激しい嫉妬と憎悪に駆られたレティシアは、アルベルトに呪いの黒い剣を与えて正気を奪い、エリアーヌ抹殺のための狂戦士として解き放つ。リンチギハム近郊の森にアルベルトと凶暴化した魔物の群れが出現し、エリアーヌはナイジェル、ドグラス、ラルフと共に救援へ駆けつける。
立ち塞がったベヒモスをドグラスがドラゴンの姿に戻って引き受け、エリアーヌとナイジェルはラルフに乗って森の奥へ向かう。襲いかかるアルベルトに対し、エリアーヌから「女神の加護」を付与されたナイジェルは聖なる光の一閃で剣とアルベルトの呪いを完全に浄化して討ち倒す。
大元となった呪いが断たれたことで、ベルカイム王宮にいたレティシアは跳ね返った呪詛の代償を一身に浴び、顔面が焼けただれて自滅した。

第7幕:誕生日パーティーと月下の求婚

アルベルトの尋問から一連の呪いの首謀者がレティシアであることが確定し、流通していた呪いのアイテムも術者の自滅によってすべて無力化される。平穏を取り戻したリンチギハムの王城では、ナイジェルの盛大な誕生日パーティーが開催される。会場を抜け出したナイジェルはエリアーヌの手作りクッキーへの礼を述べた後、宝石店で購入していた指輪を取り出し、自らの伴侶となってほしいとプロポーズする。身分の差や過去の追放への恐れから逡巡したエリアーヌであったが、ドグラスの真っ直ぐな言葉を思い出して求婚を受け入れ、二人は月明かりの下で手を取り合って祝福のダンスを踊った。

主要な転換点

転換点:ベルカイム王国からのエリアーヌの追放
  • それ以前の状況:エリアーヌは代々受け継がれた聖女として王国の街や村に結界を張り、魔物やドラゴンの侵入を防いで平和を維持していた。
  • 出来事:第一王子クロードが、レティシアの自作自演と偽りの聖女宣言を信じ込み、エリアーヌを詐欺師と決めつけて国外追放と婚約破棄を言い渡した。
  • 変化:エリアーヌが王国の守護役を解かれて自由な身となり、守護結界を失ったベルカイム王国はドラゴンや魔物の脅威に直接晒される無防備な状態となった。
  • 次への影響:エリアーヌが隣国リンチギハムへ向かうこととなり、道中で負傷したナイジェル一行を救護する出会いへと繋がった。
転換点:神獣ラルフの呪いの解呪
  • それ以前の状況:国王のペットであるフェンリルのラルフは原因不明の衰弱に陥っており、国内のいかなる治癒士の手でも回復させることができずにいた。
  • 出来事:エリアーヌがラルフの不調の本質を巧妙に隠蔽された「呪い」であると見抜き、聖女の魔力で完全に解呪して立ち上がらせた。
  • 変化:単なる治癒士の範疇を大きく超えた力を持つことが実証され、ラルフ自身からも聖女であると看破されて深い信頼を勝ち取った。
  • 次への影響:ナイジェルがエリアーヌの正体を聖女本人であると確信して問い詰める契機となり、彼女を王国の追及から守り国に留める決断を下させた。
転換点:リンチギハム全域への結界展開
  • それ以前の状況:リンチギハム近郊の森で魔物が異常発生し、討伐に当たった第一騎士団が多数の負傷者を出して防衛の危機に瀕していた。
  • 出来事:エリアーヌが王城の展望室から国内全域の地図をイメージし、人の住むすべての街や村を覆う大規模な魔物除け結界を張り巡らせた。
  • 変化:魔物が人の居住地域に一切侵入できなくなり、騎士団や街の警備負担が劇的に軽減され、国の安全が長期的に確立された。
  • 次への影響:結界を感知したドラゴンのドグラスがエリアーヌの居場所を突き止めて合流することとなり、後の防衛戦における大きな戦力となった。
転換点:女神の加護によるアルベルトの浄化
  • それ以前の状況:レティシアから呪いの黒い剣を与えられたSS級冒険者アルベルトが正気を失った狂戦士と化し、凶暴化した魔物と共に騎士団を圧倒していた。
  • 出来事:単独で戦う力を持たないエリアーヌが、民を守る強い意志を持つナイジェルに「女神の加護」を付与し、ナイジェルが光の一閃で呪いの剣とアルベルトを浄化・無力化した。
  • 変化:アルベルトが正気を取り戻して黒幕レティシアの関与を自供し、森の魔物たちの凶暴化も沈静化した。
  • 次への影響:解除された強大な呪詛が術者であるレティシア自身へと反跳し、彼女の顔面を焼きただれさせて自滅へと追い込み、すべての騒動の元凶が断たれた。

エリアーヌを中心とした人物関係の変化

ナイジェル
  • 開始時:平原で魔物ベヒモスに襲われて負傷していたところを治療した旅の青年と、通りすがりの治癒士。
  • 主な出来事:第一王子と判明、神獣ラルフの解呪を通じた正体の看破と保護の誓約、市内でのデート、アルベルト戦での加護付与と共闘、誕生日パーティーでの指輪の贈呈。
  • 巻末時:互いの人柄と強さを深く尊敬し、愛し合う婚約者(将来の人生の伴侶)となった。
クロード
  • 開始時:形骸化した伝統に基づき長年形式的に婚約関係を続けていたが、互いに軽蔑し合っていた間柄。
  • 主な出来事:レティシアの虚偽報告による一方的な断罪、婚約破棄と国外追放の宣告。
  • 巻末時:エリアーヌ側からは完全に縁を切られ、未練なく見限られた関係となった。
ドグラス(ドラゴン)
  • 開始時:王都の竜の巣にいた頃から、暇潰しに飛ばした遠距離念話を通じて会話していた「念話友達」。
  • 主な出来事:王都でのクロード制裁、結界を追ってのリンチギハムへの来訪、人間態での居候と「ドグラス」の命名、デートの護衛と告白の助言、ベヒモスの単独撃破。
  • 巻末時:正体を知りながら同じ城で気兼ねなく他愛のないやり取りを交わし、恋愛を後押ししてくれる無二の友人となった。
レティシア
  • 開始時:自作自演でクロードを奪い、エリアーヌを陥れようとしていた不審な伯爵令嬢。
  • 主な出来事:偽聖女としての告発による追放劇、アルベルトを使った暗殺未遂、呪詛の浄化と反跳による自滅。
  • 巻末時:呪術士としての悪事が暴かれ、自らが放った呪いの報いを受けて破滅した敵対者として関係が完全に清算された。

主人公の認識と周囲の評価

主人公自身の認識

エリアーヌ自身は、自らを「女神の加護を受けて義務として結界や治癒をこなしてきただけの存在」「宮殿での贅沢には馴染めず、料理や掃除を好む一般庶民気質の人間」と捉えている。自身が国中を守る結界を張ることや大怪我を一瞬で完治させることは「聖女として当然の作業」と考えており、周囲から過剰に感謝されたり崇められたりすることに慣れておらず、常に恐縮と遠慮を抱いている。

周囲からの評価
  • クロードおよび追放前の王国貴族:「無意味な祈りを捧げて税金を浪費するだけの形骸化した存在」「王子を誑かして王室から金をむしり取る偽の聖女・詐欺師」と見下していた。
  • ナイジェルおよびリンチギハム王室:「卓越した治癒力と解呪能力を惜しみなく人々のために使う、心優しく謙虚で美しい真の聖女」「国を丸ごと魔物から守り抜く比類なき恩人」として絶大な敬意と愛情を抱いている。
  • ドグラス(ドラゴン)・ラルフ(フェンリル):「神聖で強大な魔力を宿し、言葉を交わすに値する本物の聖女」「もふもふと戯れる無邪気さを持ちながら、芯の通った信頼できる相棒」として懐いている。
認識の差が現れた場面
  • 平原での負傷者治療時:エリアーヌは「手持ちの魔法で怪我を治しただけのお礼にも及ばない当然の行い」と考えていたが、アドルフやナイジェルにとっては「瀕死の重傷者を何人も同時に瞬時完治させる、本物の聖女としか思えない奇跡」であった。
  • リンチギハム全域への結界展開時:エリアーヌは「以前の王都より敷地が狭いので二時間もあれば張れる普通の作業」と平然と請け負ったが、ナイジェルにとっては「人一人分の結界を維持するだけでも至難とされる魔法体系において、一国全域を無期限で覆い尽くす常識外れの所業」であった。
  • 宝石店での呪いのネックレス発見時:店主は「長年の鑑定眼でも見抜けない最高品質の貴重な品」と信じ込んでいたが、エリアーヌにとっては「ひと目見ただけで強い悪意と気分の悪くなる禍々しいオーラが吹き出している明らかな呪具」であった。

まとめ
真の聖女2レビュー

登場キャラクター

ベルカイム王国

エリアーヌ

本作の主人公であり、女神から加護を授かった元聖女を務めていた。強力な治癒魔法や結界魔法を行使する。クロードから不当に追放された後、隣国のリンチギハム王国へ向かう。

・所属組織、地位や役職  ベルカイム王国・聖女(元)。リンチギハム王国・治癒士。

・物語内での具体的な行動や成果  広域治癒魔法で負傷した騎士たちを救援した。神獣ラルフにかけられた呪いを解呪する。リンチギハム王国全域を守る結界を構築した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  ベルカイム王国から国外追放処分を受けた。リンチギハム王国にて保護を受け、ナイジェルから求婚される。

クロード

ベルカイム王国の第一王子に位置づけられる。エリアーヌの元婚約者を務めていた。レティシアの発言を信じ込み、エリアーヌを国外追放処分にする。

・所属組織、地位や役職  ベルカイム王国・第一王子。

・物語内での具体的な行動や成果  エリアーヌに対して婚約破棄と国外追放を宣言した。王都にドラゴンが現れた際、防衛を放棄して地下壕へ避難する。人間の姿となったドラゴンの襲撃を受けて負傷した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  聖女を失ったことで、王国の防衛体制を不全に陥らせた。地下壕で襲撃を受けて意識を失う。

レティシア

ベルカイム王国の伯爵令嬢に該当する。自らを真の聖女と称し、クロードを誘導する。裏では呪術士として呪いのアイテムを流通させていた。

・所属組織、地位や役職  ベルカイム王国・伯爵令嬢。呪術士。

・物語内での具体的な行動や成果  自作自演によりエリアーヌへ濡れ衣を着せた。呪いを付与した黒い剣をアルベルトに手渡す。エリアーヌの抹殺を裏で画策した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  跳ね返ってきた強い呪いの代償を受ける。顔面が爛れ落ちて破滅を迎えた。

カーティス

ベルカイム王国の騎士団長を務める。普段は兜で顔を隠している。エリアーヌの能力と功績を正しく理解していた理解者に該当する。

・所属組織、地位や役職  ベルカイム王国・騎士団長。

・物語内での具体的な行動や成果  追放されたエリアーヌのために馬車を手配した。王都上空に現れたドラゴンと対話を行う。ドラゴンの問いかけに対してエリアーヌ不在の事実を伝えた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  国に残る道を選択した。エリアーヌから強い信頼を寄せられていた。

御者

カーティスの手配によってエリアーヌを乗せた馬車の御者を務める。元騎士団の所属に該当する。親しみやすい接客態度を見せる。

・所属組織、地位や役職  ベルカイム王国・馬車御者(元騎士)。

・物語内での具体的な行動や成果  エリアーヌを隣国リンチギハムの国境付近まで送り届けた。道中で立ち往生していた集団の発見に関わる。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  エリアーヌから安全のために護衛の結界を施された。

ベルカイム王国騎士団

ベルカイム王国の防衛を担当する騎士たちの集団に該当する。ドラゴンの出現時に大きな混乱へ陥る。聖女の不在により厳しい状況に直面する。

・所属組織、地位や役職  ベルカイム王国・騎士団。

・物語内での具体的な行動や成果  王都上空に出現したドラゴンへの対応に追われた。地下壕へ避難したクロードへ報告を行う。ドラゴンの魔法によって眠らされた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  聖女の結界を失ったことで、王都の防衛維持が困難となった。

アルベルト

「闇の帝王」と称されるSS級冒険者に該当する。金銭で動く性格を持つ。レティシアから呪いの剣を与えられ、正気を失う。

・所属組織、地位や役職  SS級冒険者。

・物語内での具体的な行動や成果  偽商人に扮して呪いの品を各所へ流通させた。呪われた剣を携えて凶暴化した魔物とともに襲撃を行う。ナイジェルとの戦闘で敗北した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  ナイジェルの攻撃により呪いが浄化された。捕縛後に尋問を受け、黒幕がレティシアであることを自供する。

リンチギハム王国

ナイジェル・リンチギハム

リンチギハム王国の第一王子を務める。王位継承権を保有する。誠実な人格であり、民や部下から深く慕われている。

・所属組織、地位や役職  リンチギハム王国・第一王子。

・物語内での具体的な行動や成果  魔物に襲われた際にエリアーヌの治癒魔法で救われた。エリアーヌを王城へ招待する。女神の加護を得てアルベルトを撃破した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  エリアーヌの真の正体を見抜いた。自身の誕生日パーティーにおいてエリアーヌへ求婚する。

アドルフ

リンチギハム王国の第一騎士団長を務める。渋みのある外見を持つ。ナイジェルの護衛役を担当する。

・所属組織、地位や役職  リンチギハム王国・第一騎士団長。

・物語内での具体的な行動や成果  ベヒモスの襲撃を受けた際、ナイジェルを守りつつ逃走した。大規模な魔物の群れを撃退する作戦を指揮する。捕縛されたアルベルトの尋問を担当した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  負傷した際、エリアーヌの治癒魔法によって治療された。

正門の門番

リンチギハム王国の首都正門を守護する門番を務める。身分や許可証の確認を厳格に行う。職務に対して忠実な姿勢を見せる。

・所属組織、地位や役職  リンチギハム王国・門番。

・物語内での具体的な行動や成果  無事に帰還したナイジェル一行を出迎えた。許可証を持たないドグラスの入国を拒否する。エリアーヌの説明を受けて状況を把握した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  不審者の侵入を未然に防ぐ役割を果たした。

アビー

リンチギハム王国の王城に仕える侍女に該当する。眼鏡を着用している。表情の変動は少ないが、丁寧な給仕を行う。

・所属組織、地位や役職  リンチギハム王国・侍女(メイド)。

・物語内での具体的な行動や成果  エリアーヌに豪華なドレスを準備した。ラルフへの食事やりを担当する。ナイジェルの指示に従い、大量の文献を運搬した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  エリアーヌの生活を身の回りからサポートした。

リンチギハム国王

リンチギハム王国の最高統治者に該当する。ナイジェルやセシリーの父親を務める。身分を隔てず他者に優しく接する寛大な人物として知られる。

・所属組織、地位や役職  リンチギハム王国・国王。

・物語内での具体的な行動や成果  ナイジェルを救ったエリアーヌに直接感謝を述べた。恩賞として住居と生活費の提供を約束する。ペットであるラルフの治療をエリアーヌへ依頼した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  ラルフの快復を大いに歓喜した。

ラルフ

リンチギハム王宮で飼育されている神獣フェンリルに該当する。人間の言葉を理解する能力を持つ。大好物は鰹節(黄金の木片)に該当する。

・所属組織、地位や役職  リンチギハム王室・ペット(神獣フェンリル)。

・物語内での具体的な行動や成果  原因不明の衰弱に苦しんでいた。エリアーヌによって解呪され、元気を取り戻す。エリアーヌを背中に乗せて移動を助けた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  エリアーヌが聖女であることを最初に見抜いた。

リンチギハム第一騎士団

アドルフが率いるリンチギハム王国の精鋭騎士集団に該当する。国の防衛や魔物討伐を担う。非常に勇敢な姿勢を見せる。

・所属組織、地位や役職  リンチギハム王国・第一騎士団。

・物語内での具体的な行動や成果  森で暴れる大規模な魔物の群れと交戦した。多大な負傷者を出しながらも前線を維持する。エリアーヌの魔法によって全回復した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  エリアーヌの高度な治癒能力へ深く感謝した。

治癒士たち

リンチギハム王国や王宮に所属する医療担当者たちの集団に該当する。怪我人や病人の治療を行う。業務に尽力する姿勢を示す。

・所属組織、地位や役職  リンチギハム王国・治癒士。

・物語内での具体的な行動や成果  ラルフの衰弱原因を解明できずにいた。負傷した騎士たちの治療にあたる。負傷者の多さに対応が追いつかない状況へ直面した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  強力な呪いや重傷に対しては限界が存在した。

セシリー

リンチギハム王国の第一王女を務める。ナイジェルの幼い妹に該当する。極度の野菜嫌いという特徴を持つ。

・所属組織、地位や役職  リンチギハム王国・第一王女。

・物語内での具体的な行動や成果  海外留学から帰国を果たした。エリアーヌが調理した特製野菜ハンバーグを完食する。エリアーヌに強い憧れを抱いた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  エリアーヌとの交流を通じて野菜嫌いを克服する姿勢を見せる。

料理長

リンチギハム王宮の厨房を統括するベテラン料理人に該当する。料理に対して強い情熱を持つ。客観的な評価を行う姿勢を見せる。

・所属組織、地位や役職  リンチギハム王室・料理長。

・物語内での具体的な行動や成果  セシリーの野菜嫌い克服の難しさをエリアーヌに説明した。エリアーヌの調理技術を認める。エリアーヌへ厨房の使用許可を与えた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  エリアーヌの料理の手際と完成度を絶賛した。

コックたち

王宮の厨房で働く料理人たちの集団に該当する。日々の食事の調理を行う。業務に対して真面目に取り組む。

・所属組織、地位や役職  リンチギハム王室・コック。

・物語内での具体的な行動や成果  王宮での日々の調理業務を担当した。エリアーヌの調理作業を見守る。完成した料理の準備を進めた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  エリアーヌの優れた腕前に感心を示した。

給仕たち

王宮の食堂で配膳を担当するスタッフたちの集団に該当する。円滑な給仕作業を行う。整然とした対応を見せる。

・所属組織、地位や役職  リンチギハム王室・給仕。

・物語内での具体的な行動や成果  完成した料理をカートに乗せて食堂へ運搬した。ナイジェルやセシリーへ食事を提供する。配膳作業を迅速に完遂した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  食堂内での適切な給仕活動を終えた。

自警団

リンチギハム市内の治安維持を担当する組織に該当する。悪事に対して迅速な対応を行う。住民の安全を守る役割を担う。

・所属組織、地位や役職  リンチギハム市内・自警団。

・物語内での具体的な行動や成果  喫茶店前で騒動を起こした暴漢たちを連行した。市内の警備活動を実施する。事件発生時に現場へ急行した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  悪者の身柄拘束を滞りなく完了させた。

その他(魔物・集団・街の人物等)

ドグラス

竜の巣に暮らしていた本物のドラゴンに該当する。浅黒い肌の男性の姿に擬態する。エリアーヌと念話を通じて親交を深めていた。

・所属組織、地位や役職  ドラゴン。

・物語内での具体的な行動や成果  結界の消失に気づき王都を訪問した。クロードに制裁を加える。巨大魔物ベヒモスを撃破した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  「ドグラス」の名を与えられ王城で暮らし始めた。

ベヒモス

高い戦闘能力を保有する大型魔物。凶暴な性質を持つ。周囲を脅かす存在として位置づけられる。

・所属組織、地位や役職  魔物。

・物語内での具体的な行動や成果  ナイジェルやアドルフの率いる集団を襲撃した。森の奥で待機し騎士団を脅かす。元の姿に戻ったドグラスによって倒された。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  ドラゴンの圧倒的な力により撃破された。

魔物たち

街の外の平原や森に生息する生物群に該当する。呪いや環境の変化によって激昂する。人々に対して危害を加える存在に該当する。

・所属組織、地位や役職  魔物。

・物語内での具体的な行動や成果  近郊の森で大量発生した。黒い剣の強い呪いに当てられて人間を襲撃する。呪いの浄化に伴い落ち着きを取り戻した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  エリアーヌの結界により居住地域への侵入を遮断された。

市場の店員

リンチギハムの市場で商品を販売する若い店員に該当する。元気な声出しを行う。軽い口調で接客する姿勢を見せる。

・所属組織、地位や役職  市場・露店店員。

・物語内での具体的な行動や成果  威勢よく客呼びを行った。買い出しに来たエリアーヌに対して軽口を叩く。店長から頭に拳骨を落とされた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  店長から叱責を受けて業務に戻った。

市場の店長

市場で露店を営む体格の良い男性に該当する。厳格さと優しさを兼ね備える。不正や不躾な態度を許さない人物に該当する。

・所属組織、地位や役職  市場・露店店長。

・物語内での具体的な行動や成果  客に不躾な態度を取った店員を叱り飛ばした。エリアーヌに商品を丁寧に案内する。エリアーヌへ割引サービスを提供した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  買い物を円滑に進める支援を行った。

喫茶店の店員

市内の喫茶店で給仕を担当する従業員に該当する。店内での給仕作業を担う。整然とした対応を見せる。

・所属組織、地位や役職  喫茶店・店員。

・物語内での具体的な行動や成果  テラス席の客へ料理や飲み物を提供した。落としたフォークの交換のためナイジェルから呼ばれる。店舗の給仕業務を完遂した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  店舗の日常的な営業を支えた。

暴漢たち

喫茶店のテラス席でエリアーヌに強引に絡んだ3人組の男たちに該当する。品のない振る舞いを見せる。他者に対して威圧的な態度を取る。

・所属組織、地位や役職  無頼漢(暴漢)。

・物語内での具体的な行動や成果  一人になったエリアーヌの手を掴もうとした。制裁を行おうとしたナイジェルに襲いかかる。投げられた石を受けて気を失った。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  駆けつけた自警団によって身柄を拘束された。

宝石店の店主

リンチギハム市内で高級宝石店を経営する商人に該当する。豊富な鑑定眼を保有する。ナイジェルのお得意様対応を担当する。

・所属組織、地位や役職  宝石店・店主。

・物語内での具体的な行動や成果  ナイジェルとエリアーヌに新入荷のネックレスを薦めた。エリアーヌからネックレスの強い呪いを指摘される。怪しい商人に関する情報を提供した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  エリアーヌの解呪によって損失拡大を防止した。

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まとめ
真の聖女2レビュー

展開まとめ

プロローグ

聖女追放の宣告

ベルカイム王国の第一王子クロードは、婚約者である本物の聖女エリアーヌを呼び出し、国を混乱させた偽の聖女であると決めつけて婚約破棄と国外追放を言い渡した。
クロードは、エリアーヌを王室から金をむしり取る詐欺師だと誹謗し、自らを真の聖女だと名乗る伯爵令嬢レティシアの自作自演による告発を盲信していた。
聖女の結界がなくなれば国が魔物に侵略されるとエリアーヌが警告したものの、クロードは聞く耳を持たず追放を強行したため、エリアーヌは国を出る決意を固めた。

第一話

騎士団長との別れと隣国への出発

城を出ようとしていたエリアーヌは、数少ない理解者である騎士団長カーティスと遭遇し、追放と婚約破棄の事実を伝えた。
カーティスは王子の凶行に愕然としつつも、国を守る責務から同行を断り、代わりに隣国リンチギハムへ向かうための馬車を手配してエリアーヌを励まし送り出した。

負傷者たちの救護とナイジェルとの出会い

馬車で平原を進んでいたエリアーヌは、強力な魔物ベヒモスに襲われて立ち往生していた集団を発見した。
エリアーヌは自らの分を後回しにして他人を助けようとしていた青年ナイジェルと護衛のアドルフら負傷者全員を広域治癒魔法で瞬時に治療した。
驚嘆したナイジェルから、身の安全と治療の返礼を理由に自国への同行と屋敷への招待を持ちかけられ、エリアーヌはその申し出を受け入れた。

王都へのドラゴンの来襲

その頃、ベルカイム王国の王都では、クロードがレティシアと睦み合っていた最中に騎士が駆け込み、王都上空に強大なドラゴンが突如飛来したという急報がもたらされた。
恐れをなしたクロードは討伐指揮を放棄し、防衛を騎士団に丸投げしてレティシアと共に地下壕へ逃走した。

第二話

王城への到着と王子の正体

リンチギハムの首都に到着したエリアーヌは、ナイジェルの屋敷へと案内されたが、辿り着いた先は王城であった。
ナイジェルがこの国の第一王子であり、同行していたアドルフが騎士団長であった事実を知り、エリアーヌは驚愕した。

神獣ラルフの呪いの治療

メイドのアビーによる歓待を受け、国王との謁見に臨んだエリアーヌは、褒美として市内の住居と生活費を希望した。
国王から衰弱しているペットの診察を頼まれ中庭に向かうと、そこには神獣であるフェンリルのラルフが横たわっていた。
エリアーヌはラルフの衰弱が巧妙に隠蔽された呪いによるものであることを見抜き、解呪して全快させた。
言葉を交わせる能力によってラルフの感謝を国王に伝えたエリアーヌは、ラルフの信頼を得てその背に乗せてもらい、城内へ宿泊することになった。

王都のドラゴンと騎士団長の対面

一方、ベルカイム王国では、騎士団長カーティスが被害を防ぐべく単身で城の屋上へ向かい、上空のドラゴンと対話した。
ドラゴンは、普段から念話で話し相手になってくれていた聖女エリアーヌの結界が消えたことを心配して訪れたと明かした。
カーティスの心から聖女を追放した首謀者がクロードであると読み取ったドラゴンは、断罪を下すべく人間の姿となって城内へ潜入した。

第三話

ナイジェルによる素性の看破

豪華な客室に案内されたエリアーヌは、夜のルーフバルコニーでナイジェルから、その卓越した治癒力と解呪能力からベルカイム王国の聖女本人ではないかと問われた。
観念したエリアーヌが追放の経緯を白状すると、ナイジェルは王国の非道に憤りを露わにし、彼女を大切な仲間として迎え入れ、国に留まってほしいと熱意を込めて求婚に近い言葉を伝えた。

地下壕でのドラゴンの制裁

その頃、ベルカイム王国の地下壕に人間の姿となったドラゴンが侵入し、レティシアの脆弱な結界を破ってクロードを打ちのめした。
ドラゴンはエリアーヌこそが真の聖女であったと告げ、レティシアが放とうとした邪悪な呪いの力を不発に終わらせた後、守護の障壁が消えたこの国は間もなく上級魔族によって滅ぼされるだろうと言い残して去っていった。

第四話

王女セシリーの野菜嫌い克服

翌朝、ラルフに餌の鰹節を与えていたエリアーヌは、留学から帰国したナイジェルの幼い妹セシリー王女と出会った。極度の野菜嫌いだと知ったエリアーヌは、厨房を借りて細かく刻んだ野菜を混ぜ込んだ特製ハンバーグを調理し、セシリーに野菜の美味しさを教えて見事に克服させた。

市場でのドグラスとの再会

ナイジェルの誕生日が近いことを知ったエリアーヌは、手作りクッキーの材料を買うため市場へ向かった。
その帰り道、正門で門番と押し問答をしていた人間の姿のドラゴンと再会した。
ドラゴンは結界を張ったエリアーヌを追ってこの街に辿り着いたと語り、話し相手を続けるため街に住みたいと望んだため、ナイジェルの許可を得てドグラスという名を与えられ、城で暮らすことになった。

第五話

街中でのナンパ撃退と呪いのネックレス

ドグラスの助言を受けたナイジェルから市内の散策に誘われたエリアーヌは、二人で喫茶店や宝石店を訪れた。
喫茶店で絡んできた暴漢たちをナイジェルと密かに援護したドグラスが撃退した後、宝石店に立ち寄ったエリアーヌは、最近仕入れられたばかりのネックレスにラルフと同じ邪悪な呪いがかけられていることを見抜き、その場で解呪した。
店主の証言から、素性を偽った怪しげな冒険者風の商人が呪いの品を市場やギルドへ持ち込んでいる事実が判明した。

レティシアの策略とアルベルトの凶変

ベルカイム王国では、クロードの寵愛を失いかけていたレティシアのもとへ、裏で商人の真似事をさせていたSS級冒険者アルベルトが現れ、エリアーヌがリンチギハムの王子に溺愛されている情報を伝えた。
激しい嫉妬と憎悪に狂ったレティシアは、アルベルトに呪いの黒い剣を与えて完全に正気を奪い、エリアーヌを抹殺するための狂戦士として放った。

第六話

森での異変とアルベルトの襲撃

リンチギハム近郊の森で、黒い剣を持つ狂戦士アルベルトと呪いによって凶暴化した大量の魔物が出現し、騎士団が窮地に陥った。
アドルフたちを助けるべく、エリアーヌはナイジェル、ドグラス、ラルフと共に森へ急行した。
ドグラスが足止めに現れた巨大魔物ベヒモスを引き受けてドラゴンの正体を現し、エリアーヌとナイジェルはラルフに乗って森の奥へと向かった。

女神の加護による呪いの浄化

森の奥で正気を失ったアルベルトと対峙したナイジェルは、エリアーヌから付与された女神の加護の光を纏って邪悪な剣を受け止め、一閃のもとに剣とアルベルトの呪いを完全に浄化して打ち倒した。

呪いの跳ね返りとレティシアの破滅

捕縛されたアルベルトの証言により、呪いの黒幕がベルカイム王国のレティシアであると判明した。
その頃、王宮にいたレティシアは、跳ね返ってきた強力な呪詛の代償を一身に受け、炎で焼かれたように顔面が爛れ落ちて絶叫し、破滅の結末を迎えた。

エピローグ

誕生日パーティーと月の下の誓い

呪いの元凶が断たれたことでリンチギハムの平穏が取り戻され、王城ではナイジェルの盛大な誕生日パーティーが催された。バルコニーで二人きりになったナイジェルは、エリアーヌが贈った手作りクッキーへの礼を述べた後、宝石店で購入していた指輪を取り出して求婚した。
ドグラスの助言を思い出し、臆病な心を振り払ったエリアーヌはその申し出を受け入れ、二人は月明かりの下で手を取り合い、幸福なダンスを踊った。

まとめ
真の聖女2レビュー

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