小説【歴悪】「歴史に残る悪女になるぞ 2」感想・ネタバレ

小説【歴悪】「歴史に残る悪女になるぞ 2」感想・ネタバレ

どんな本?

歴史に残る悪女になるぞ 悪役令嬢になるほど王子の溺愛は加速するようです!』は、大木戸いずみ氏による日本のライトノベル作品である。2018年12月11日から小説投稿サイト「小説家になろう」で連載が開始され、2019年8月15日よりKADOKAWAのビーズログ文庫から書籍版が刊行されている。

物語は、前世で乙女ゲームの悪役令嬢に憧れていた主人公が、その願い通りに転生し、世界一の悪女を目指す姿を描いている。しかし、彼女の努力が逆に王子からの好意を引き寄せるという、ユーモラスな展開が特徴である。

本作はメディアミックス展開も行われており、保志あかり氏によるコミカライズ版が『B’s-LOG COMIC』で連載中である。また、2024年10月からはテレビアニメ化もされている。

読んだ本のタイトル

歴史に残る悪女になるぞ 2 悪役令嬢になるほど王子の溺愛は加速するようです!
著者:大木戸 いずみ 氏
イラスト:早瀬ジュン 氏

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あらすじ・内容

聖女の力を持つヒロインと対等な悪役となるべく、魔法のレベルアップに挑んだアリシアは15歳に。
久しぶりに学園に行ってみると、王子をたぶらかしたとして注目の的に――私今、めちゃくちゃ悪女じゃない!? 
と喜んだのも束の間、その王子のデュークに「今度こそ我慢しない」と宣言され、距離を詰められ……悪女ってこういう時どうしたらいいの!?

歴史に残る悪女になるぞ 2 悪役令嬢になるほど王子の溺愛は加速するようです!

感想

本書は、悪役令嬢としての地位を確立しようと奮闘するアリシアが、ますます周囲に影響を与え、学園内で注目の的となる姿が描かれている。アリシアは15歳になり、再び学園に戻るが、彼女の行動が噂され「悪女」として広まっていたため、異様な存在感を放つことになった。その様子を見た王子デュークはますますアリシアに惹かれていき、距離を詰めようとするが、悪女を目指す彼女はどう対応すべきか悩むばかりである。この巻も楽しめる展開が続き、読者を引き込んで離さない。

アリシアの成長と周囲の影響

アリシアは学園生活を再開し、父公爵の課題を乗り越えてレベル90に達するなど、確実に力を付けてきた。その一方で、周囲からの評価は「悪役令嬢」として増し続けるが、それがかえって好感を集める結果となってしまう。アリシアの「悪女」を目指す強気な姿勢が周囲に一種のカリスマ性を与え、次第に彼女の派閥が大きくなっていく様子が印象的である。強い彼女の行動がリズとの対立を加速させる一方、理解者も増えていく展開が楽しい。

キャラクターたちの個性と派閥の対立

リズが持つ聖女としての献身性に対し、アリシアは自己を貫く強さと現実的な行動力を持っており、二人の価値観の違いが派閥争いを巻き起こす。学園内の生徒たちがリズ派とデューク派に分かれていく様子が巧みに描かれており、その中でアリシアが持つ独特のカリスマ性が際立っている。また、恋愛面でのアリシアの鈍感さも見どころで、デュークやジルの好意に気付かない様子が微笑ましくもあり、彼女の成長が一層楽しみになる。

物語の新たなフラグと興味深い展開

今回は学園に狼が現れるなど、新たな謎が浮かび上がり、物語に新たな展開が予感される。ゲーム世界の設定と現実の出来事がどのように交差していくか、今後のストーリーに期待が膨らむ。本書は、努力家で現実主義のアリシアが悪女としての道を模索しながらも、周囲に影響を与え続ける姿が鮮やかに描かれており、次巻でのさらなる活躍が期待される。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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その他フィクション

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フィクション(novel)あいうえお順

アニメ

PV

歴史に残る悪女になるぞ

OP

歴史に残る悪女になるぞ

ED

歴史に残る悪女になるぞ

備忘録

現在四十歳  ウィリアムズ家父  アーノルド(アニメ 7話)

アリシアの覚悟と父の葛藤

小屋での孤独な挑戦

アリシアがキャザー・リズの監視役を続けるため、魔法レベルを90まで上げるという厳しい条件を受け入れ、小屋に籠もってから一年半が経過していた。父である彼は、この条件を出せばアリシアが諦めるだろうと思っていたが、彼女はむしろ奮起し、長期間その環境に耐えていた。この状況に、彼は早く諦めてほしいと密かに願うようになっていた。

緊急会議での決意

アリシアが監視役を続ける決意を示し、彼女との約束を守るため、父は五大貴族を招集し、状況を説明した。会議で、彼はアリシアがレベル90に達しない限り聖女の監視役にするわけにはいかないと主張し、「異端児には異端児を」との国王ルークの言葉に賛同しつつも、自身の娘がそのような重荷を負うことへの疑問と不安を抱いていた。

ジルとの対話

彼はアリシアの友人ジルにも事情を伝え、ロアナ村に行けないことを告げた。ジルに、ロアナ村に戻るための手段としてエイベルの液体を渡すも、ジルは彼に対し厳しい態度を見せた。ジルは「大人が馬鹿だと子どもは可哀想だね」と嘲笑し、鋭い殺気を帯びたまま立ち去っていった。その後、ジルはほとんど図書室に籠もり、一年間過ごしていた。

家族や周囲の反応

長男のアルバートや次男のアランは、アリシアのことに関心を見せなかったが、双子の片割れヘンリだけは父に激しく反発した。彼は、アリシアが条件を受け入れると予見できたはずだと主張し、以降は父と口を利かなくなった。さらに、王子デュークや妻も父の行動に不満を表し、妻は彼の頬を殴ることで怒りを示した。

アリシアからの手紙

小屋に籠もり続けていたアリシアからの手紙が父の元に届いた。手紙には、「お父様が後悔していることを聞きましたが、後悔するのはまだ早いです。条件を満たした後で後悔してください」という毅然としたメッセージが書かれており、彼女の揺るぎない意志が感じられた。

現在十一歳  ジル

アリシアの帰還とジルの待望

小屋からの脱出と再会

アリシアが小屋に籠もってから二年が経過し、ついに彼女が外に出る日が訪れた。ジルはその日を心待ちにし、早朝から小屋の前で待機していた。二年間の孤独な修行を終えたアリシアが扉を開けた瞬間、ジルは彼女の成長と美しさに息を呑んだ。アリシアの姿は以前とはまるで別人のようで、ジルはその美しさに圧倒されていた。

歴史に残る悪女になるぞ

ロアナ村への向かう決意

再会を果たしたアリシアとジルは、ロアナ村へと足を向けた。アリシアは裸足で森を歩くことも気に留めず、変わらない強い意志を持ってジルを引っ張っていった。途中、アリシアの口調が以前と変わったことにジルは気付いたが、アリシアは軽い口調で「人と話していなかったからかもしれない」と答えた。

母からの伝言

アリシアは小屋に籠もっていた間、一度だけ母親が訪れたことを話し、リズや他の魔法使いたちがさらに高いレベルの魔法を習得したことを伝えた。驚愕するジルに、アリシアはただ淡々とその事実を告げ、彼女もまたその覚悟を胸に抱いていたことがうかがえた。

再会する村人たちと変化

ロアナ村に到着すると、アリシアは村人たちの視線を受けながらも毅然とした態度で立ち続けた。村人たちは、アリシアが持つ魔力とその威厳に圧倒され、彼女を聖女のように崇める者も現れた。アリシアはじっちゃんことウィルおじいさんとも再会し、彼の目が見えるように魔法を使うという決意を秘めていた。

じっちゃんへの魔法の贈り物

アリシアはじっちゃんに魔法をかけ、彼の失われた視力を取り戻すことに成功した。その光景を目の当たりにした村人たちは、アリシアの圧倒的な力に言葉を失い、静まり返った。じっちゃんは目を開いた瞬間、初めてアリシアの姿を目にし、その美しさと存在に深く感動した。

歴史に残る悪女になるぞ

シーカー・ウィルの名

最後に、じっちゃんは自らの名前を「シーカー・ウィル」と告げ、周囲に重みある声が響き渡った。この名前が示すように、じっちゃんはただの老人ではなく、かつての偉大な人物であったことが示唆された。

現在十五歳  ウィリアムズ家長女  アリシア

ウィルおじいさんとの別れと再会の予感

ウィルおじいさんから「また来なさい」とだけ言われ、アリシアとジルは家へと帰ることとなった。アリシアはおじいさんの正体について何かを予感していたが、質問を抑え、その場を後にした。家に戻ると、アリシアは再び小屋に向かい、魔法の使えないことを発見し、不安に駆られた。

魔法の不調とジルの支え

魔法が使えなくなった事実に動揺するアリシアであったが、ジルが現れ、眼帯を手渡したことで少し落ち着きを取り戻した。ジルは彼女を励まし、「一週間ほどで魔法が戻るはず」と推測を伝えた。これによりアリシアは安心し、今後の行動について思いを巡らせ始めた。

悪女としての決意と学園への帰還

アリシアは小屋での二年間を経て、悪女としてさらに成長した自分を学園に見せる決意を固め、豪華なドレスに身を包んで学園へ向かった。ジルは、学園でのアリシアへの風当たりの強さを察し、警告したが、アリシアはそれに応じず、悪女としての地位を確立するため学園内での挑戦に意気込んでいた。

学園内での悪評とジェーンとの対立

学園に到着すると、アリシアは生徒たちからの悪口や嘲笑に迎えられたが、彼女はそれを意に介さず、堂々と振る舞った。その中で、清楚な見た目のジェーンという生徒がアリシアに対し「学園を去るべきだ」と提言した。アリシアは彼女の手を振り払うが、その反応に周囲は驚愕し、アリシアの悪女としての印象がさらに強まった。

新たな出会い:メルとの接触

そこに突如、個性的な少女メルが登場し、アリシアに強い興味を示した。メルはアリシアを「アリアリ」と呼び、彼女に好意的な態度を示しつつも、リズに対する強い嫌悪感を表した。アリシアはメルの異様な行動に戸惑うが、次第に彼女の存在に興味を抱くようになった。

デュークとの再会と誤解

やがて、デュークが現れ、二人は久々の再会を果たした。デュークはアリシアとの婚約の噂について話し、「その噂には根拠がない」と否定するが、アリシアに対する思いは強く、彼女に真剣な眼差しを向けた。アリシアはそれに対して戸惑いつつも、悪女としての態度を崩さずに接した。

リズとの対立とメルの助言

メルはリズに対して冷ややかな見解を持っており、デュークに近づくリズの無神経さに嫌気を感じていることをアリシアに告げた。メルの話を聞くうちに、アリシアはリズが無意識に人々の心を操る力を持っていることに気付かされた。

今後への展望とデュークの想い

デュークとリズの間で微妙な関係が続く中、アリシアは今後、悪女としての立場を守りながら、学園内での立ち位置を確立していくことを決意した。デュークの思いに応えられないままの彼女は、複雑な心境を抱えながらも、悪女としての道を突き進む覚悟を示した。

食堂への挑戦と注目の中のデュークとの再会

アリシアは、学園の食堂で生徒たちの視線にさらされながらも堂々とデュークの元へ向かう決意を固めた。食堂に足を踏み入れると、全員の視線が一斉に彼女に向けられ、静寂が広がる。アリシアはその注目を楽しむように振る舞いながら、デュークのいる二階へと進んだ。

兄と仲間たちとの対話

食堂の二階でアリシアは兄やリズらに再会する。アルバートは険しい表情でアリシアを迎え、リズは友人ジェーンへの暴力を咎めるが、アリシアは冷ややかな態度で応対し、リズに口を挟まれることを拒んだ。さらに、彼女はデュークとの会話に移り、自分を心配するデュークに対して「有難迷惑」と返しながらも、内心では感謝していることを伝えた。

デュークへの対抗と二人の再会の余韻

アリシアはデュークに対して強気に出るが、デュークは驚きとともにその態度に感銘を受け、笑みを浮かべた。アリシアは彼の笑い声を背にしながら階段を下り、改めて自分の覚悟を決めて彼の言葉に対抗しようとした。

歴史に残る悪女になるぞ

授業での再会とアリシアの決意

デュークとカーティスに誘われたアリシアは、彼らと共に授業を受けることになるが、リズと同じ教室であることからためらいを見せる。しかし、デュークの意地悪な発言に対抗する形で同席を決意し、クラスメートたちからの注目を浴びながら教室に入った。

ジルの成長と周囲の驚き

授業中、ジルが先生の質問に答える場面で、彼の驚くべき知識が明らかとなり、アリシアはその成長に感心した。ジルは冷静に答え、周囲の視線を集めながらも意に介さず知識を披露し、先生からも高く評価された。アリシアはそんな彼の姿に喜びを感じ、互いに支え合う仲間としての絆を深めていった。

アリシアとジルの会話と計画

授業後、アリシアはジルとともに静かな中庭でこれからの計画を練る。ジルは彼女が帰宅を避けるためにデュークの元で過ごすことを提案するが、アリシアは婚約していないこともあり、躊躇を見せた。

ヘンリ兄との再会

突然、アリシアの兄ヘンリが現れ、彼女に抱きついて感動の再会を果たした。ヘンリはデュークがアリシアの噂に対して怒りを見せ、関与した者たちを黙らせたことを伝えた。アリシアはデュークの行動を知り、彼の意外な一面に驚く。

デュークとの再会に向けた思惑

ヘンリとの話の中で、アリシアはデュークに対して聞きたいことがあると感じ、その場を去る決意を固めた。彼女は自分の行動に対するデュークの反応を興味深く思い、さらに自身の過去の行動を省みていた。

デュークの気持ちとアリシアの決断

アリシアはデュークの元に向かう途中で、ジルに支えられながらも独自の悪女としての道を選び、周囲の非難や批判に対して毅然とした態度を貫いた。

敵意を持つ女生徒と食堂での対峙

食堂でアリシアはリズの友人たちから嫌がらせを受けるも、冷静に応対。彼女の声を録音した魔法が流され、侮辱的な演出が行われたが、デュークの助けにより、メルが真相を暴露したことで、状況は逆転した。

リズとの対話とアリシアの反論

リズはエマの魅力を擁護するも、アリシアは外見の重要性を説き、社会における印象の影響についてリズと議論を交わした。アリシアはリズに対して冷静な意見を示し、自身の立場を主張した。

デュークの誘いとアリシアの反応

廊下で再びデュークに出会ったアリシアは、彼に抱きかかえられ強引に小部屋へ連れ込まれる。ジルの協力も得られず、アリシアはデュークの強引な態度に戸惑いを見せながらも、次の展開に期待を抱きながら彼の行動を見守った。

現在二十歳  シーカー家長男  デューク

デュークとアリシアの二人きりの会話

デュークとアリシアは小さな部屋で二人きりとなった。デュークは彼女の反応に愛おしさを感じ、彼女が動揺する様子をもっと見ていたいと思い、軽く意地悪をする気持ちを抱いていた。アリシアがデュークの圧力行為について尋ねると、彼は「アリシアを守るため」とだけ答え、その真意を告白することに迷いはなかった。

デュークの信念と自由への渇望

デュークはアリシアに、自らの行動が周囲に「変人の王子」として見られるようにするための策略であることを告げた。王子としての自由のなさを感じていた彼は、他者からの期待を避け、心から自由に生きるためにあえて奇抜な印象を与えようとしていたのである。アリシアはその計算高さに感心しつつも、デュークの生き方に深い興味を抱いた。

デュークの秘めた感情の吐露

アリシアがデュークの感情に気付き始めると、デュークは彼女に対する自らの深い想いを自覚させるため、強い視線で見つめた。彼女の困惑した表情や焦りに心を奪われ、彼の気持ちは次第に抑えがたくなる。デュークはアリシアのそばにいることに高揚感を感じ、彼女を守りたいという一心で行動していた。

アリシアの反撃とデュークへの挑戦

デュークの勢いに押されていたアリシアであったが、彼の行動に抵抗を示すべく頭突きをし、デュークに自らの強さと決意を示した。彼女はデュークの頰を手で挟み、自分の意思の強さを改めて伝え、過去の軟禁とは異なる自由な意思を持って行動していることを主張した。

デュークの想いと互いの心の距離

デュークはアリシアの真剣な表情に心を動かされ、彼女を抱きしめながら自らの溢れる感情を静かに伝えた。彼は彼女が理想的な女性であることを称賛し、彼女の目標や信念に心から惹かれていると告白した。アリシアの耳元で「いい女だ」と囁くと、彼女は顔を真っ赤にし、デュークの言葉に戸惑いを見せた。

デュークの後悔と部屋を後にする決断

デュークは、アリシアとの心の距離が近づいたことに満足しながらも、これ以上の感情の高まりを抑えるため部屋を出ることを選んだ。彼女が一人で立ち尽くしている姿に微笑みを浮かべ、デュークはその場を後にした。

現在十五歳  ウィリアムズ家長女  アリシア

デュークとの会話に動揺するアリシア

デュークが部屋から去った後、アリシアはその場に座り込み、彼の態度と自分の動揺に戸惑っていた。しばらくしてジルが部屋に入ってきて、アリシアの様子に驚く。彼は窓を開け、冷たい風が部屋に流れ込んでアリシアの気持ちを落ち着かせた。二人は心地よい空気の中でしばらく穏やかな時間を過ごした。

ロアナ村でのウィルおじいさんとの再会

翌日、アリシアとジルはロアナ村へ向かい、ウィルおじいさんと再会した。彼の雰囲気は以前とは大きく異なり、まるで別人のように厳かで威厳があった。アリシアはその変貌に圧倒され、無意識に膝をつくほどの存在感に驚かされた。ウィルおじいさんは自分がかつて天才と称されながらも、今はその力を失ったことを話し、アリシアは彼の過去に興味を抱き始めた。

ウィルおじいさんの過去と失墜

ウィルおじいさんはアリシア達に、自らが国王の異母兄であることや、かつて魔法を失い国王の座を追われたこと、さらに冤罪で王宮を追放され目を失ったことを語った。彼の苦難の物語にジルや村人達も心を痛めた。彼の盟友達が国外追放されたこと、そしてその後の国の荒廃についても明かされ、アリシア達はウィルおじいさんの背負う過去の重さを深く感じた。

ウィルおじいさんへのアリシアの提案

アリシアはウィルおじいさんに過去と向き合い、もう一度国と接触することを提案した。彼の心の中には、再び外の世界に出たいという願いがあることを見抜き、アリシアは彼が村から出て再び自らの意思を示すべきだと強く勧めた。ウィルおじいさんはその提案に感謝しつつも、一旦アリシア達を家に帰すことにした。

リズへの批判に対するアリシアの反論

学園に向かう途中でアリシアとジルは、リズの悪口を言う女子生徒達と出会った。彼女達はリズが平民であるにもかかわらず生徒会に入ったことや彼女の性格について不満を述べた。アリシアは彼女達に、リズが自分の実力でその地位にあることを示し、くだらない嫉妬に時間を費やすべきでないと諭した。その一言で、彼女達は逃げるように去っていった。

ジルの忠誠心とアリシアの決意

ジルは、アリシアに対して自分の命を捧げる覚悟があると告白した。アリシアは彼の気持ちに感謝しつつも、あえてその決意を否定せず、彼の意思を尊重する姿勢を示した。ジルはアリシアの強さに感銘を受けつつ、自分もさらに成長して彼女を支える存在でありたいと強く思った。

旧図書室での戦略議論

アリシアとジルは、使用頻度の少ない旧図書室で戦略を練り上げていた。そこにデュークが突然現れ、彼の意見も加わり、三人で様々な奇襲戦術や戦略のアイディアを楽しんで話し合った。さらにメルも加わり、彼女特有の毒舌で議論は盛り上がり、旧図書室はにぎやかな空間となった。

リズに対する悪口の騒動

その後、ヘンリがアリシアの元へ慌てて駆けつけ、リズの悪口についての騒動を報告した。アリシアはジルと共にリズのいる教室へ向かい、そこにはリズの悪口を広めた女子生徒たちがいた。リズはアリシアの言葉を信じたが、周囲の女子生徒たちは執拗にリズを煽り、アリシアを非難した。

フィンとカーティスの登場と真実の暴露

フィンとカーティスが現れ、リズの悪口を実際に言っていたのは女子生徒たちであることを暴露した。女子生徒たちは言い逃れを試みるが、フィンの冷静な指摘とメルの挑発によって事態は収束し、女子生徒たちは退散した。

リズとアリシアの対立

リズが悪口を言われた生徒たちを庇い、アリシアの非情な態度に反発した。アリシアは冷静にリズの理想主義を批判し、現実的な視点を示したが、リズは「全ての人が大切な存在である」という信念を曲げなかった。二人の価値観の違いが露わになり、周囲もそれぞれの立場で意見を述べ、教室内は緊張に包まれた。

エリックとデュークの応酬

エリックがリズの理想を擁護し、アリシアの考え方を非難した。対するデュークは、アリシアに理解を示す発言をし、エリックとの対立が深まった。緊張が最高潮に達する中で、アリシアは堂々と自分の立場を貫き、その場を後にした。

仲間たちとの退場

アリシアが教室を出る際、ジル、ヘンリ、メル、デュークが彼女について行き、彼女の選んだ道を支持する仲間たちの姿が明確になった。アリシアは、教室内での緊張を引きずりながらも、自分の立場を信じる仲間に囲まれて歩き続けた。

ジルの回想(アリシア十三歳  ジル九歳)

アリシアの鍛錬とリズへの対抗意識

アリシアは小屋に入る前、一日も休まずに魔法の鍛錬を続けていた。ジルが「今日ぐらいは休んでもいいんじゃないか」と提案するも、彼女は「その今日が大事なのよ」と答え、毎日の鍛錬に対する信念を示した。アリシアにとって、リズと肩を並べることが目標であり、自分の努力が報われなくても少しでも近づきたいという気持ちが強かった。

アリシアの努力への葛藤

アリシアはキャザー・リズに対抗するため、無理をすることをいとわず、自身を磨き続けた。彼女は努力する姿を他人に見せることを好まず、必死な自分を隠していた。ジルは、彼女が自分に自信を持つための努力を人前に見せたくないと考え、その姿勢を尊重した。

ジルの内心の願いと矛盾

ジルはアリシアがいつかキャザー・リズの能力を超える日を心から願っていた。彼は彼女が人々に認められる日が来ることを望みながらも、同時に彼女の本当の姿が誰にも知られず、彼だけがその魅力を知っていたいと願っていた。その矛盾する思いを、ジルは愛おしく感じていた。

現在十五歳  ウィリアムズ家長女  アリシア

アリシアの小屋籠もりと魔法学園の謎

アリシアは魔法が戻るまで小屋に籠もることに決めた。父と会うリスクはあったが、自分に集中するための時間が必要だった。ヘンリ兄に学校を休むと告げると快諾してくれ、ジルも彼女の要望で同行した。

学園に現れた狼とラヴァール国の関係

ジルとアリシアは、学園に現れた狼が一年前に登場したことをヘンリから聞き、その正体について考察を始めた。国内には存在しないはずの狼が現れるのは不自然であり、ラヴァール国から連れて来られた可能性が浮上した。狼がラヴァール国から来たと確認できる特徴として、尻尾が大きく赤毛が多い点や、首元に鉄の首輪があることが挙げられた。

魔法の復活と学園復帰の賭け

ある日、アリシアは魔法が戻ったことをジルに示した。ジルもアリシアの回復を喜んだが、彼女が父に会うことを避けている様子に興味を持った。彼女は優先順位として父と会うことを後回しにしていた。また、アリシアは復帰の際に誰かが「来ないと思っていた」と言うか、「死んだと思われていた」と言うかで賭けを提案し、彼女の悪女的発言にジルも笑って応じた。

デュークとの再会と告白的やりとり

アリシアはデュークと再会し、彼からの思わぬ「愛情表現」に心が揺れた。デュークは彼女に対して真剣な思いを告げ、アリシアは彼の気持ちに戸惑いながらも内心で嬉しく感じた。ジルが二人のやりとりを見て嫉妬を感じさせる場面もあり、彼はアリシアに対し恋愛感情の自覚を促した。

カーティスからの忠告と聖女リズの影の役割

カーティスが密かにアリシアに「聖女リズの裏の役割を担わされる可能性がある」と警告した。アリシアは聖女の裏となることを嫌悪し、表舞台で堂々と悪女として振る舞いたいと考えていた。

アリシアの評価とジルの忠告

アリシアは、学園内で嫌われ者として扱われていることを自覚していたが、デューク、ヘンリ、ジルらが彼女を支持していることを誇りに感じていた。また、ジルがリズに比べてアリシアが「ブラックデビル」や「ブラックエンジェル」と呼ばれていることを伝え、アリシアはその異名の安直さに不満を抱いたが、その影響力に満足感も感じていた。

アリシアの小屋での決意と再びの挑戦

アリシアは情報収集のために小屋に戻っていたが、目的を果たせずに憂鬱な表情で空を見上げていた。ジルは彼女を慰め、「小屋に愛着が湧いたのなら名前をつけてはどうか」と提案。アリシアはジョゼフィーヌと名付けた。

ロアナ村での再会と挑戦

ロアナ村に向かったアリシアは、レベッカと再会し、彼女の強い決意を目の当たりにした。義足で戦う覚悟を見せるレベッカに、アリシアはその実力を試すよう挑発するが、彼女の発言を聞いてネイトという新たな人物が現れる。彼はアリシアに対し不信感を抱きつつ、貴族の存在を嫌っている様子であった。

ネイトとの剣の試合

アリシアはネイトに挑戦し、彼と激しい剣の戦いを繰り広げた。二刀流を使うネイトの実力は圧倒的だったが、アリシアはその腕前で彼に一矢報い、最終的に勝利を収めた。ネイトはその実力を認め、アリシアに謝罪の意を示した。

ロアナ村の人々への魔法の示範

勝利後、アリシアは魔法で皆の剣を修復し、彼らの武器が新たな輝きを放つ様子を見せた。魔法の力を目の当たりにした村の人々は驚きと称賛を抱いた。アリシアは、自分の力が弱者を守るためのものであることを再認識し、強く賢い悪女としての決意を新たにした。

情報屋ポールとの出会い

翌朝、ポールと名乗る植物屋が現れ、アリシアとジルに情報を提供していることが明かされた。ジルが情報を得ていたのは彼のおかげであり、彼はまたロアナ村への偏見を持っていたが、ジルの人柄に対しては尊敬を抱いていることが示された。

狼事件の真相と新たな疑念

ヘンリお兄様との会話の中で、ラヴァール国から送り込まれた狼が学園に現れ、リズによって一旦取り押さえられた後、逃げ出し、後に死体で発見されたことが判明した。アリシアとジルは、この事件が何者かの意図によるものであり、リズを狙った計画であった可能性を疑った。

狼の痕跡とデュークとの対話

ヘンリはアリシアとジルを狼が現れた場所に案内した。痕跡を探す中で、ヘンリはアリシアに「危険を避けるべきだ」と忠告するが、アリシアはその忠告を軽くいなし、デュークが現れる。デュークはアリシアを守るために、狼事件の情報を開示しないと決意していた。アリシアは「リズの正体を他国が知っている可能性」についても尋ねるが、デュークからは明確な答えは得られなかった。デュークはアリシアに自分の気持ちを尋ね、ヘンリもまたアリシアがデュークへの気持ちを伝えるべきだと勧めた。アリシアは「王子を翻弄する悪女」としての自覚を抱きつつも、自らの感情を深く考える決意を固めた。

ラヴァール国の斑点病と複製魔法

アリシアはラヴァール国で流行している斑点病についてジルと話している中で、薬草マディを複製して治療に役立てる案を思いついた。彼女は複製魔法を使い、病気で苦しむ人々を救おうと考えたが、国外へ行く許可がないため、その夢を密かに抱いた。ジルはアリシアがまた危険なことを考えているのではと不安を示しつつも、彼女の意志を尊重する姿勢を見せた。

食堂での騒動とジェーンとの対決

アリシアとジルが食堂に向かうと、薄紫色の髪の女子生徒が髪を切られ、悲惨な姿で座り込んでいた。ジェーンが彼女に対し、アリシアに憧れたことで髪を切ったと話し、アリシアに責任をなすりつけようとする。アリシアは冷静にジェーンの挑発を受け流し、自らの悪女としての姿勢を貫いた。さらに、ジェーンに闇魔法を使って一時的に心臓を止め、恐怖を植え付けた。

キャロルとの出会いと髪を切る決意

髪を切られた女子生徒キャロルは、アリシアに憧れを抱き続けると告白。アリシアはそれを認め、悪女としての立場を示すため、自らも髪を切る大胆な行動に出た。キャロルは感動し、アリシアにますます敬意を抱くようになった。

デュークたちとの再会と新たな悪女の決意

アリシアが食堂を出たところで、メルやデューク、ヘンリと再会し、彼らから髪を切ったことを賞賛される。リズや取り巻きからの視線を浴びながら、アリシアは悪女として自らの存在感を示し、今後も彼らを惹きつける存在であろうと内心で誓った。

父との再会と帰宅の決意

アリシアは家に帰ると、久々に父アーノルドと再会し、彼からレベル90達成を祝福される。父は彼女の眼帯に触れ、無言で心配するが、アリシアはそれを和らげ、監視役としての二年間で得たものがあったと伝えた。父から「家に戻るように」と促され、彼女は屋敷に戻る決意をする。

屋敷での歓迎とジルの発見

アリシアが久しぶりに屋敷へ戻ると、メイドのロゼッタが感動のあまり涙を浮かべて出迎え、アリシアの目を心配しつつも変わらぬ敬意を示した。その後、ジルが現れ、アリシアに「狼の出没地で見つけた」というスペードの四のトランプカードを手渡す。彼らはそのカードが「貴族のケイト」と関わるかもしれないと推測したが、ラヴァール国の策略の可能性も考えつつ、さらなる調査が必要だと感じた。

リズの監視役と国外追放への計画

アリシアはリズの監視役を続けつつ、自ら悪女としての役割を果たすため、国外追放を計画する意志を固めた。彼女は一人でラヴァール国に乗り込み証拠をつかむことを目指し、ジルに協力を依頼するも反対される。ジルの心配をよそに、アリシアは「上」を目指し、ジルを支える意思を示した。

友情と新たな誓い

馬車の中、ジルはアリシアに「死なないでほしい」と懇願し、自らが盾になると約束した。アリシアも「剣になる」と誓い、二人は強い友情を確認し合い、アリシアの旅の決意がさらに強まった。

メルとキャロルとの学園生活

アリシアはメルとキャロルから朝の挨拶を受け、彼女に対する好意が広がっていることを実感する。ジルはその影響力を認めつつも、悪女としての行動を続けるアリシアに感心していた。

デュークとの緊張感と自己の感情

デュークに対する複雑な感情を抱くアリシアは、彼との会話でさらに意識を深め、ジルに促されて自分がデュークを好意的に感じていることを認めた。しかし、悪女としての役割と理想があるため、彼に直接感情を伝えることは控え、デュークの未来を見守る姿勢をとった。

教室で泣くエマと意外な優しさ

アリシアは偶然教室で泣いているエマに遭遇し、壁を張ることで彼女が一人で泣けるように配慮した。エマは驚きつつも、アリシアの真意に動揺を隠せない様子で、アリシアは「お人好し」とジルから指摘されながらも、自分の道を貫くことを改めて決意した。

エマを嘲笑する学園生徒とアリシアの覚悟

食堂に向かうと、エマを嘲笑する学園の生徒たちが陰湿な話をしていた。アリシアは彼女たちの卑劣な態度を見て、ジルからナイフを借りる。悪女としての決意を新たにしながらも、自分の行動がもたらす影響を理解しつつ、その場に臨む覚悟を固めた。

現在二十歳  ケンウッド家長男  カーティス

アリシアとジルの行動

フィンとカーティスは課外授業後、食堂でアリシアとジルが怪しげな様子で立っているのを発見した。ジルがアリシアにナイフを手渡す場面を目撃し、不審に思いながら二人の行動を観察することにした。

女子生徒への警告

アリシアは食堂にいる女子生徒三人組の前に立ち、彼女たちを無言で睨んでいた。女子生徒たちはアリシアを嘲笑し、エマを侮辱する言葉を浴びせるが、アリシアは動じなかった。彼女たちがその場を去ろうとした瞬間、アリシアはナイフを彼女たちの横をかすめるように投げつけ、威圧的に「次は当てる」と告げた。恐怖におののいた彼女たちは逃げ去った。

中庭での対話

フィンとカーティスは、アリシアに見つかり中庭に連れて行かれる。カーティスがエマのために女子生徒を脅した理由を尋ねると、アリシアは「エマのためではなく、自分が聞くに堪えなかっただけだ」と冷静に答えた。フィンはアリシアを擁護し、彼女の行動を悪ではなく善だと評価する。

フィンの視点とエマの事実

フィンはエマが女性を恋愛対象とすることを告げ、アリシアに対して特別な感情を抱いている可能性があると示唆した。この事実にアリシアは驚き、ジルもまたエマがアリシアに惹かれている可能性をほのめかした。フィンとジルはアリシアの人間的魅力を語り、リズとは異なるアリシアの強い影響力に言及した。

リズへの辛辣な評価

フィンとジルはリズについて批判的な意見を述べ、彼女が自分の美徳を周囲に見せるために行動していると皮肉った。カーティスは二人の辛辣な意見に驚き、フィンがアリシアの側にいることを確認した。彼は優秀な者たちがアリシアに惹かれていく様子を楽しみながら、今後の展開を見守ることにした。

現在十五歳  ウィリアムズ家長女  アリシア

デュークとアリシアの再会と謝罪

アリシアは自宅に訪れたデュークに対し、先日の失言について深く謝罪を述べた。彼女の誠実な姿勢に対し、デュークは「アリシアには最初から苛立っていない」と答えた。アリシアがさらに問い詰めると、デュークは「他の男にアリシアの心が動くことを羨ましく思った」と打ち明けた。その真剣な告白に、アリシアは一瞬戸惑いながらも感謝の意を伝えた。

アリシアの監視役継続の決定

そこにタイミングよくアリシアの父が現れ、デュークとの対話に加わる。父は彼女に「聖女キャザー・リズの監視役を続けてほしい」と告げた。アリシアはその任務の継続を喜ぶが、父は彼女の安全を気にかけ、安穏な生活を願っていた。父の懸念に対し、アリシアは「危険こそが美しさを引き立てる」と答え、任務への意欲を示した。

デュークの決意とアリシアの応酬

父が退出した後、デュークは再びアリシアに向き合い、自らの強い想いを伝えた。彼はアリシアのペンダントを優しく引き寄せ「いつか必ず俺のものにする」と決意を口にした。これに対し、アリシアも負けじと「私がデューク様を私のものにするかもしれない」と応酬した。デュークはその言葉に優しく微笑み、彼の心が既にアリシアに向けられていることを認めた。

互いの想いに満たされた余韻

デュークの言葉に心が揺さぶられたアリシアは、彼の勝ち誇ったような微笑みに少しの戸惑いを覚えながらも、その強い想いに応える気持ちを固めた。そして、彼とのこの瞬間を心に刻み、小さなため息をついた。

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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