異世界黙示録マイノグーラ~破滅の文明で始める世界征服~ 1

伊良拓斗は病没後に異世界で目覚め、愛用ゲームの魔女アトゥと再会し、二人で国家を築く決意を固めた。まず斥候「足長蟲」を緊急生産して周辺偵察を開始し、資源と魔力の乏しさを踏まえて慎重な運営を選択したのである。
森では飢えたダークエルフ一団(戦士長ギア、賢者モルタール)と遭遇し、拓斗は食糧を与えて信を得た。交渉の末、彼らを国民として迎え入れる提案を示し、三日三晩の評議を経てダークエルフは全員帰順した。魂の契約により庇護と服従の関係が成立し、建国が宣言されたのである。
内政では「人肉の木」による食糧基盤整備、開墾、研究と軍備の計画が進む。拓斗は平和志向を明言しつつ、ギアに戦士団統制を委ね、モルタールに政務を担わせた。アトゥは時に誇張した功績を広め、拓斗の威信は高まったが、当人は節度ある行政を志向した。
一方、北の聖王国クオリアは大呪界調査のため聖騎士ローニアスとヴェルデルを派遣する。彼らは中立地を経て暗黒大陸へ進出し、道中の魔獣を討伐したが、現地では“魔女”アトゥに挑み壊滅した。ヴェルデルは戦死し、アトゥは敵の技能を奪取したのである。
報告を受けた拓斗は、この世界がゲームと異なる実在であると認識を深め、追加英雄の召喚や防衛強化を検討した。斥候網は地形とダークエルフ集落を把握し、王国マイノグーラは乏しい資源下でも生存と繁栄の道を探り始めた。
異世界黙示録マイノグーラ~破滅の文明で始める世界征服~ 2

邪悪国家マイノグーラの内政強化と周辺勢力との初外交、そして未知の脅威の胎動までを描くものである。宮殿完成により破滅のマナ供給と軍事魔術体制が整い、人口と人材の不足は双子侍女キャリア/メアリアの受け入れと教育基盤整備で補完を図った。隣接の多種族国家フォーンカヴンとは、司祭少年ペペの無邪気な橋渡しで友好・交易・防衛協定が成立し、龍脈穴の共同管理という戦略資源の合意に至った。視察先ドラゴンタンでは、都市長アンテリーゼの窮状と麻薬流通、商人ヴェスタの庁舎占拠が露見し、双子と護衛ブレインイーターが鎮圧したが、その過剰さは帰還後に叱責の対象となった。国防は新英雄イスラの召喚で強化し、アトゥは前線支援へ、イスラは内政と防衛を担う構えとなる。やがてアトゥは蛮族討伐の最中、巨人の死体消失と見知らぬ金貨を確認し、大陸各地で一万超の蛮族群が湧出する異変が発生した。拓斗は“別系世界”勢力の介入を察し、全土防衛と情報収集を即応で発動する。並行して、聖王国側では聖女ソアリーナが「啜りの魔女」エラキノを十八度目に討つも復活の理を掴めず、長期戦の覚悟を新たにした。
異世界黙示録マイノグーラ~破滅の文明で始める世界征服~ 3

邪悪国家マイノグーラが同盟・防衛・未知の侵略に揺さぶられつつ、王イラ=タクトの決断で局面を切り開く過程を描くものである。フォーンカヴンとの同盟と《龍脈穴》使用権の獲得により国力は急伸し、英雄イスラの召喚と双子侍女の成長が進んだ。一方、撃破した蛮族が金貨に化す異常から、別ゲーム由来の魔王軍が侵攻している事実が露見したのである。氷の四天王の敗走後、炎の四天王フレマインとイスラが対峙するが、世界法則の「強制イベント」により通信遮断と行動封殺が発生し、フレマインの自爆でイスラは殉死した。イスラは《王位継承》で力を双子に託し、姉妹は勇者相当へ覚醒するに至る。覚醒直後、姉妹は土・風の四天王を各個撃破して魔王と交戦、ほぼ討ち取るが第三者の介入で魔王軍は壊滅した。なお介入者は正体不明であり、緊張は残存した。アトゥは姉妹を保護して帰還を促し、王は失策を認めて再起の誓いとイスラ復活を宣言したのである。並行して「人肉の木」暴走では消費拡大策で当座を凌ぎ、国家はなお火薬庫の上で前進を続ける構図となった。
異世界黙示録マイノグーラ~破滅の文明で始める世界征服~ 4

本章は、邪悪国家マイノグーラが異世界の“ゲーム”法則に翻弄されつつ、拡張と報復へ進む転換点である。魔王軍との戦闘で英雄イスラを喪い、その力は双子メアリアとキャリアへ受け継がれ《魔女》として覚醒した。未知のプレイヤー勢力の介在が露見し、王イラ=タクトは《次元上昇勝利》を掲げて世界征服に踏み切る。彼は敵金貨を魔力へ換える“経済プレイ”で建設と軍備を加速し、銃器の供与と人材取引を梃子にフォーンカヴンからドラゴンタンの譲渡を受けた。
一方、聖王国側では聖女ソアリーナと魔女エラキノが腐敗を粛清し、新国家構想を進める。やがてゲームマスター権限を背景に斬首作戦を敢行し、移譲式典で洗脳されたアトゥがタクトを刺突した。総攻撃は無効化され壊滅寸前となるが、タクトは固定値判定で洗脳を破り生還する。ソアリーナは「レネア神光国」を宣言し、アトゥは依然として敵手中にある。タクトは奪還と報復を期し、破滅の王としての逆襲を始動したのであった。
異世界黙示録マイノグーラ~破滅の文明で始める世界征服~ 5

マイノグーラはフォーンカヴンからドラゴンタンと《龍脈穴》の譲渡を受け、同盟を強化したが、移譲式典を《華葬の聖女》ソアリーナらとGM権限を持つ勢力に急襲され、アトゥが洗脳され拓斗が致命傷を負う事態となったである。国家崩壊寸前であったが拓斗は生還し、奪還と報復を誓って動き出したのである。聖女らが建てたレネア神光国では内部混乱と聖騎士連続殺害が発生し、真相は占いすら「不明」と出る異常であった。
本国では双子が統治を代行し、影武者策や情報撹乱で体制を維持したといえる。拓斗は敵の本質をTRPG権能と看破し、「神光国斬首作戦」を号令したのである。レネア側では文書改ざんやソアリーナ失踪が露見し、旧大教会で対峙が勃発した。拓斗は《完全模倣》で攪乱し大規模戦へ発展したが、敵GMの巻き戻し裁定で一時敗北を喫したと記す。
直後、拓斗はGMへの懲罰動議を可決させ時間を再巻き戻し、権限を奪取してアトゥを原状回復、エラキノを処断したのである。過度行使の神罰で拓斗は記憶障害を負い、国政は動揺した。アトゥは和解を果たしつつ、新たな切り札《幸福なる舌禍ヴィットーリオ》の起用を進言し、次局への布石が打たれたのである。
異世界黙示録マイノグーラ~破滅の文明で始める世界征服~ 6

拓斗は《名も無き邪神》でレネア神光国を打ち砕くが、代償として記憶を喪失した。国家の空白を前に、英雄アトゥは苦渋の末に《幸福なる舌禍ヴィットーリオ》の召喚を選ぶ。聖王国クオリアでは廃都アムリタの調査が進まず、異端審問官クレーエと《日記の聖女》リトレインが復興と信仰回復に奔走する。そこへヴィットーリオが疫病と忘却を併用した策で《イラ教》を拡大し、都市を内部から切り崩した。
やがて拓斗は復帰し、奪取した技術で内政を加速、対外はフォーンカヴンを楯に成長重視へ転じる。一方で宗教支配は暴走し、クレーエは苦渋の妥協に追い込まれる。極点では、リトレインが奇跡の代償で記憶を失いながら日記で自己を再起動し、無尽の加護を引き出して暴走した。ヴィットーリオは献身的退却ののち復活して拓斗の神格化を唱えるが、拓斗はこれを否定し主従の齟齬を断つ。最終的にアトゥの忠誠は再確立され、ヴィットーリオは敗北を抱えつつ従属を続行する。直後、サキュバスのヴァギアが停戦と会合を全世界へ布告し、物語は新段階へ移行した。
異世界黙示録マイノグーラ~破滅の文明で始める世界征服~ 7

テーブルトークRPG勢力の介入でマイノグーラは窮地に陥り、拓斗は意識を喪失した。副官アトゥは窮余の策として《幸福なる舌禍ヴィットーリオ》を召喚し、彼は《イラ教》を旗に廃都レネアへ布教と支配を進めた。やがて拓斗は復帰し、影武者《出来損ない》を用いて危険を分散、世界会談の招集に情報優先で応じる方針を採る。途中、勇者神宮寺優と条件付き協力を結び、内政ではセルドーチ統治と人材登用を推進した。
サキュバス女王ヴァギア主催の全陣営会談では、七神王カードとハクスラ系ゲーム由来装備という敵戦力の正体が露見し、同時に《正統大陸連盟》の結成が宣言される。和平受諾を拒む拓斗は離脱を試みるも封じられ、《大儀式:仄暗い国》で理を改変して全員の撤退に成功した。この儀式は相互干渉を封止し、現実時間で約一年の猶予を与える効果である。
帰還後、拓斗は暗黒大陸での同盟網構築とサザーランド技術導入、指揮官層の増強を中核戦略に据えた。さらに、失脚した繰腹慶次をも交渉対象に含め、元敵勢力の取り込みによる対連盟戦の枢軸化を図る構想を示す。一年後の総力戦を見据え、外交・軍備・諜報を並行加速する段へ物語は移行した。
異世界黙示録マイノグーラ~破滅の文明で始める世界征服~ 8

全陣営会談はヴァギアの罠であり、タクトは影武者を送り込んで応じた結果、正統大陸連盟の結成と総攻勢が明らかになった。だが《大儀式:仄暗い国》によって暗黒大陸を一年間隔離し、反攻の準備を進めることに成功した。まず海洋国家サザーランドを取り込み、威圧と技術供与を組み合わせて同盟を結んだ。模擬戦では中位ドラゴンが《出来損ない》の威圧に屈し、力の差が浮き彫りとなった。さらにタクトは伝承存在《自動拷問機械》を討伐し、アトゥの能力を強化して戦力を底上げした。
一方、敗北した元GM繰腹慶次は謎の少女ザンガイに導かれて聖女二人と再結集し、タクトに果たし状を突きつけた。荒野での一騎打ちは激戦の末に引き分けに終わり、繰腹は協力者として迎え入れられる。サザーランドは至宝《宝船メルーリアン号》を献上し、各陣営は「レガリア条約機構」を結成した。タクトは《イラ神の権能》の強化と人格汚染の危険を抱えつつも布陣を整え、戦争の火蓋が切られた。開戦では変質したメルーリアン号が砦を蹂躙し、同時多発の急襲でマナソースを制圧した。内政面では「人形工房」を建設し、《生き人形》の量産体制を整備した。こうして暗黒大陸連合は、正統大陸連盟に対抗する戦いの第一歩を踏み出した。
その他フィクション

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