- 物語の概要
- 書籍情報
- あらすじ・内容
- 感想
- 勇者の旅立ち初日に公式ラスボスと野生のラスボスが鉢合わせ。無理ゲーだろ
- 勇者、出発した瞬間に無理ゲーを理解する
- 野生のルファス・マファールが現れた。
- 「これを倒せって言われてるんですけど?」
- 魔神王、普通に公式ラスボスとして強かった
- 魔神族って、マナを循環させるためのシステムだったのか
- ゲームの運営では?
- 七英雄の反乱まで女神の筋書きだった?
- そもそも本人たちの意思だけで反乱したわけではない可能性
- ルファス自身も、女神が用意した蓋を被せられている?
- 今の「日本人プレイヤーの人格」そのものが、昔のルファスを封じる蓋なのではないか
- 乙女を探しに行ったら、去年木の実を喉に詰まらせて死んでいた
- 蟹まで普通に帰ってきた。十二星、まともな奴の方が少ないのでは
- スコルピウスまで回収。ただし完全に拗らせていた
- 「主を勝手に閉じ込めようとするな」
- この世界、もう単純なゲーム転生ものとして見てはいけないな
- 「そもそも世界そのものが何なんだ?」
物語の概要
■ 作品概要
ギャラ国にて十二星「山羊」のアイゴケロスを回収したルファス一行が、世界の真実を解明しながら次なる従者と合流していく過程を描く。
物語の起点となるのは、アイゴケロスがもたらした情報だ。一行は召喚された「勇者」の移動ルートを予測し、魔神族による「育つ前の抹殺」を阻止すべくレーヴァティンへと向かった。
中盤の転換点では、魔神王オルムとの直接対峙を経て「女神のシナリオ」という世界の管理システムを認識する。
さらに天翼族の里ヴァナヘイムを訪れ、亡霊パルテノスから「五龍の封印」と「女神への独立戦争」にまつわる事実を継承した。
物語の到達点として、二代目「乙女」ウィルゴを迎え入れ、機動王都ブルートガングにて十二星「蟹」のカルキノスと合流を果たす。
理性を失い狂化した「蠍」のスコルピウスによる武力侵攻を迎え撃つ直前の局面までが描出される。
■ 主要キャラクター
- ルファス・マファール: 主人公。黒翼の覇王。自己の記憶と現在の自我の乖離を「女神が用意した蓋」による認知干渉と推測。本来の目的(女神からの独立)を継承し、反逆を決意する。
- ディーナ: 参謀。「後衛超特化(後衛職専門)」のレベル1000。HP 35,000、SP 0という極端なステータスを持つ「エクスゲート」の使い手。魔神族側とも連絡を保つダブルスパイ。
- アリエス / リーブラ / アイゴケロス: ルファスに忠誠を誓う十二星。アイゴケロスは魔神族側の情報(スコルピウス、レオン、ベネトナシュの動向)を提供。
- パルテノス(亡霊): 十二星「乙女」。ルファスの命を受けヴァナヘイムにて「天龍」を封印。去年「木の実を喉に詰まらせて死亡(去年木の実を喉に詰まらせて)」したが、自身の「怨念」を結界の動力源として亡霊化し現世に留まっていた。
- ウィルゴ: パルテノスの義理の孫。レベル320。二代目「乙女」として仲間に加わる。
- 南十字 瀬衣(勇者): 2015年の日本から召喚された高校生。王都出発直後、世界の頂点同士の戦闘に巻き込まれる。
- オルム(魔神王): 魔神族の王。HP 3,000,000〜6,000,000。ルファスを「アルコル(死兆星)」と呼び、魔神族がマナの源として女神に創られた「道化」であることを示唆する。
- カルキノス: 十二星「蟹」。レベル800。ブルートガングで飲食店を経営。圧倒的防御力(VIT 10,503)とカウンタースキル「アクベンス」を持つ。
- スコルピウス: 十二星「蠍」。レベル900。主を失った憎悪から「論理と理性を意図的に破棄」し、人類滅亡を目論む狂帝。
書籍情報
野生のラスボスが現れた! 2
著者:炎頭 氏
イラスト:YahaKo 氏
出版社:アース・スター
発売日:2016年10月15日
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あらすじ・内容
伝説の女傑ルファス(♀)として旅を続ける俺(♂)はある日、剣の国が勇者召喚に成功したという情報を手に入れる。しかもその情報は敵である魔神族にも伝わっている様子。まずい……人類の希望である勇者はこのままでは勇者として育つ前に魔神族に消される可能性がある。開幕早々、既に詰みかけている勇者の状況を危惧した俺は様子を見に出かけるが、剣の国は亡き英雄(※ルビ:亡き英雄=アリオト)が遺した結界によって強固に守られていた。「なるほどな……これでは七曜では近寄れぬわけよ。其方もそう思わぬか? なあ――魔神王」振り返れば、そこには“魔神王”!?公式ラスボス&勇者の登場で、野生のラスボス(ルファス)の物語は大きく動き出す――!書き下ろしストーリー「野生の魔竜が現れた」収録
感想
勇者の旅立ち初日に公式ラスボスと野生のラスボスが鉢合わせ。無理ゲーだろ
今回はかなり話が動いた。
まず勇者が召喚される。
ゲームの流れで考えれば、勇者が成長して魔神王を倒す。
そのはずなのだが――。
魔神族側にも勇者召喚の情報が普通に漏れている。
そりゃそうだ。
ゲームなら主人公のレベルに合わせて敵が強くなってくれる。
でも現実なら、
強くなる前に殺せばいい。
当たり前である。
それに気付いたルファスが勇者を助けに行く。
七曜あたりが襲ってきたら返り討ちにしてやろう。
そんなつもりだった。
ところが出てきたのは七曜ではない。
魔神王本人。
しかも勇者一行を挟んで、
ルファス。
勇者。
魔神王。
という最悪の配置になる。
旅立ち第一歩でラスボス二人に挟まれる勇者。
これ、何の罰ゲームだ。
勇者、出発した瞬間に無理ゲーを理解する
召喚された勇者・瀬衣は、別に最初から最強ではない。
日本では普通の高校生。
人を助けたいという気持ちはある。
勇者として召喚された以上、逃げずにやってみようともする。
剣聖フリードリヒたちも同行する。
装備も整える。
よし。
ここから勇者の冒険が始まる。
……と思ったところでルファス登場。
さらに魔神王オルムまで登場。
野生のルファス・マファールが現れた。
野生の魔神王も現れた。
酷い。
まだ最初の町を出たところだぞ。
しかも二人とも勇者をほぼ見ていない。
瀬衣たちは世界を救う勇者一行なのに、ルファスとオルムからすれば道端の石ころに近い。
そのまま二人が戦闘開始。
殴る。
蹴る。
吹き飛ぶ。
地面が割れる。
海が割れる。
山が崩れる。
余波でゴーレムが壊れる。
世界全体が揺れる。
勇者一行からしたら、
「これを倒せって言われてるんですけど?」
である。
そりゃ心も折れる。
同行していたアルフィが抜けるのも責められない。
むしろ瀬衣がまだ旅を続ける方が偉い。
ゲーム開始直後に公式ラスボスと隠しラスボスの対戦を見せられたようなものだ。
普通ならコントローラーを置く。
魔神王、普通に公式ラスボスとして強かった
これまでルファス側があまりにも強かったので、魔神王もそのうち倒される相手くらいに思っていた。
ところが実際に戦うと、
強い。
ちゃんとラスボスだった。
ルファスも戦闘そのものでは互角にやり合えている。
しかしオルムはHPが桁違い。
プレイヤーキャラとボスキャラの差である。
同じだけ削り合ったら、先にルファスが尽きる。
本人も途中で、
「これ続けたら負けるな」
となっている。
しかもオルムからすると、今のルファスは弱いらしい。
二百年前のルファスは、
七英雄。
大量の英傑。
ゴーレム。
魔物。
それらをまとめて相手にしてなお戦えるほどだった。
主人公自身は、
「いや、ゲーム時代の自分そんな強くないぞ?」
となる。
ここでまた、
プレイヤーが知っているルファスと、この世界に存在していたルファスが一致しなくなる。
1巻から少しずつ出ていた違和感が、かなり大きくなってきた。
魔神族って、マナを循環させるためのシステムだったのか
そして今回、一番気になったのがオルムの話である。
魔神族は、ただ人間を滅ぼしたい悪の種族ではなかった。
人間を殺さなければ存在を維持できない。
倒された魔神族はマナへ還る。
そのマナを人間たちが魔法として利用する。
つまり、
魔神族が人間を殺す。
人間が魔神族を倒す。
魔神族がマナになる。
そのマナで人間が魔法を使う。
完全に循環システムである。
しかも、それを作ったのが女神アロヴィナスらしい。
何だそれ。
今まで慈愛の女神みたいな扱いだったのに、一気に胡散臭くなった。
人類の敵をわざわざ作る。
殺し合わせる。
倒された側をエネルギーへ変える。
そして世界を一定の状態で循環させる。
これ、神というより、
ゲームの運営では?
と思ってしまう。
敵がいなければ物語にならない。
ボスがいなければゲームにならない。
人類が完全勝利して平和になったらシナリオが終わる。
だから終わらせない。
ゲームなら分かる。
でも今いるのは現実らしい。
現実でそれをやられたら、ただの迷惑である。
七英雄の反乱まで女神の筋書きだった?
さらに怖いのが二百年前の話。
ルファスは人類を統一し、魔神族を根絶しようとしていた。
それが実現すれば、
女神が作った循環構造そのものが壊れる。
そこで七英雄が突然ルファスへ反旗を翻す。
考えてみれば確かに不自然である。
魔神族という共通の敵がいる。
ルファスは人類側。
なら先に魔神王を倒せばいい。
ルファスが危険なら、その後で対処すればいい。
なのに七英雄は先にルファスを封印してしまった。
結果。
人類は分裂。
魔神族が侵攻。
世界は滅亡寸前。
あまりにも悪手である。
これまで七英雄本人たちも、
「あれは間違いだった」
と後悔していた。
でも今回、
そもそも本人たちの意思だけで反乱したわけではない可能性
が出てきた。
後半ではスコルピウスにも、七英雄と同じような白い光が宿る。
本人の意思とは関係なく強化され、ルファスへ向かわせる。
ここまで来ると女神の介入がかなり濃い。
登場人物たちは自由に動いているつもりでも、一定のところで強制的に「シナリオ」へ戻されている。
だとしたら、かなり気持ち悪い世界である。
ルファス自身も、女神が用意した蓋を被せられている?
そしてさらに面白かったのが主人公自身の正体。
今のルファスには、
日本人男性だったプレイヤーの意識がある。
だからずっと、
「自分がゲームキャラのルファスになった」
と考えていた。
ところが故郷ヴァナヘイムへ行くと、知らないはずの記憶がどんどん出てくる。
黒翼を理由に迫害された。
父親から嫌われた。
物置小屋で暮らしていた。
母親だけは大切だった。
パン屋に蹴られた。
子供たちに石を投げられた。
ゲームで設定した覚えがない。
でも身体は覚えている。
さらにパルテノスから、
二百年前のルファスは女神の干渉まで予測していたらしい話が出てくる。
そこで浮かぶのが、
今の「日本人プレイヤーの人格」そのものが、昔のルファスを封じる蓋なのではないか
という可能性。
これはかなり面白かった。
転生したのではなく、
本来のルファスの上に別人格を被せられた?
そう考えると、妙に日本への未練が薄いことにも意味が出てくる。
最初から本当に日本人だったのか。
それとも、そう思わされているだけなのか。
1巻ではTS転生ものとして読んでいたのに、随分と怪しくなってきた。
乙女を探しに行ったら、去年木の実を喉に詰まらせて死んでいた
重い話ばかりではない。
十二星「乙女」のパルテノスを探してヴァナヘイムへ行く。
ディーナ曰く、
十二星は全員健在。
ところが現地にいたウィルゴから聞かされる。
パルテノスは、
去年、木の実を喉に詰まらせて死んだ。
死因!
200年近く生き延びたのに!
戦死でもない。
魔神族でもない。
寿命でもない。
木の実。
しかも死後も怨霊になって結界を張り直している。
忠誠心が重い。
乙女というより悪霊である。
そして最終的には若い頃の姿で幽霊として登場。
ルファスが帰ってくるのをずっと待っていた。
本人はもう死んでいるので旅には同行できない。
代わりに孫のウィルゴを二代目「乙女」として託す。
ウィルゴはまだ弱い。
十二星の化け物たちに囲まれ、
「自分なんか役に立てるのか」
と不安になる。
それに対してルファスが、
今弱くても成長すればいい。
強さだけが価値ではない。
と声を掛ける。
こういうところを見ると、ルファスはやっぱり配下を単なる戦力として集めているわけではないのだと感じた。
蟹まで普通に帰ってきた。十二星、まともな奴の方が少ないのでは
次に見つかるのが「蟹」のカルキノス。
ブルートガングで飲食店をやっている。
何で蟹が料理人になってるんだ。
しかもルファスの情報を集めるために各地を巡って店を開いていたらしい。
ただし、よりによって外部との交流が少ないブルートガングに居座っていたため、
全然情報が入ってこなかった。
何をしているんだ。
でもルファス本人が現れると、特に揉めることもなく普通に復帰する。
アリエス。
リーブラ。
アイゴケロス。
パルテノス。
カルキノス。
十二星が増えてきた。
ただ、今のところ主不在の200年間でだいたい誰かしらおかしくなっている。
まともに待っていたカルキノスが逆に珍しく見える。
スコルピウスまで回収。ただし完全に拗らせていた
今回の十二星回収で厄介だったのがスコルピウス。
人類への憎悪が限界まで行っている。
ルファスを裏切った人類を許せない。
またルファスを奪われるくらいなら、
ルファス本人を閉じ込めて守る。
いや、それ守ってない。
完全に拗らせている。
しかも戦闘中に女神らしき介入で強化。
そこへ昔のルファスの人格まで表に出る。
そして圧倒。
最終的には、
「主を勝手に閉じ込めようとするな」
と叱られて終了。
スコルピウス、再び軍門へ。
アリエスもそうだったが、十二星は結局、
ルファス本人が目の前に出て力を見せる。
↓
「あ、本物だ」
↓
服従。
というパターンが多い。
200年間いろいろ拗らせていても、主人本人が戻ってくると急に昔へ戻る。
忠誠心が重すぎる。
3巻で一気に「ゲーム世界」では済まなくなった
3巻を読んで一番感じたのは、
この世界、もう単純なゲーム転生ものとして見てはいけないな
ということだった。
ゲームと同じキャラクター。
同じレベル。
同じスキル。
同じ世界設定。
でも細部が違う。
知らない過去がある。
ゲームに存在しなかった歴史がある。
NPCには人生がある。
ルファス自身にも、プレイヤーの知らない人生がある。
そして女神が、ゲームの運営のように世界へ介入している。
では先にあったのはどちらなのか。
ゲームなのか。
この世界なのか。
ゲームがこの世界を模倣したのか。
女神がゲームを参考に世界を作ったのか。
そもそも主人公の日本人としての記憶は本物なのか。
かなり分からなくなってきた。
1巻では、
「男が自キャラの美女にTS転生。しかも200年後」
だった。
2巻では、
「背景NPCだと思っていたディーナがプレイヤー?」
となった。
そして3巻では、
「そもそも世界そのものが何なんだ?」
まで来た。
公式ラスボスの魔神王。
女神アロヴィナス。
過去のルファス。
現在の主人公。
全部が少しずつ繋がり始めている。
そして最後には、死んだはずの鍛冶王ミザールの名前まで出てくる。
もう一人、過去から何か仕込んでいそうである。
勇者を助けに行っただけだったはずなのに、気付けば世界の運営システムそのものと戦う話になり始めた。
3巻で一気にスケールが跳ね上がった。
今後の敵は魔神王だけではない。
むしろ、
本当のラスボスは女神なんじゃないか?
そんな気がしてきた巻だった。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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考察・解説
ストーリー・プロット
勇者召喚に伴う世界の流動化と、散逸した十二星天の動向が重なり合い、物語は新たな局面を迎える。魔神王オルムとの直接対峙から故郷ヴァナヘイムで明かされた封印の真実、そして自らの存在意義に対する認識の深化に至るまでの経緯を整理する。
第1幕:次なる目的地の選定と十二星の現状
原因:アイゴケロスよりスコルピウスの狂化とレオンの現況、および勇者召喚の事実が報告される。
行動:魔神族が育成途上の勇者を早期に排除すると予測する。
結果:七曜の迎撃を名目に、ルファス単身でレーヴァティンへ急行する方針を決定する。
第2幕:レーヴァティン再訪と勇者の旅立ち
原因:勇者瀬衣の一行がアリオトの結界に守られた王都を離れ、外部平原へ進出する。
行動:ルファスが勇者一行の前に降臨するのと同時に、彼女を誘引するための標的として魔神王オルムが出現する。
結果:世界の頂点に立つ両名が勇者一行を挟んで対峙する構図が成立する。
第3幕:覇王と魔神王の邂逅
原因:二百年ぶりの直接対峙において、オルムが女神の筋書きから外れていたルファスの排除に関する矛盾を指摘する。
行動:互いの力量を測る挨拶として精神感応と威圧の応酬を行う。
結果:自己の存在が女神の管理外であった事実と、現在の出力抑制に対するオルムの違和感を確認する。
第4幕:激突と女神のシナリオの断片
原因:オルムの実力確認を契機に戦闘が開始される。
行動:時間圧縮戦闘状態へ突入し、強力な打撃スキルを激しく応酬させる。
結果:周囲の地形を粉砕する余波が生じ、ディーナとリーブラの介入を経てルファス陣営が戦線から離脱する。
第5幕:天翼族の里ヴァナヘイムとパルテノスの真実
原因:ウィルゴの案内を受け、故郷ヴァナヘイムへ到達する。
行動:パルテノスの墓にて亡霊となった本人と再会し、死亡原因を確認する。
結果:結界破壊の技を契機として、パルテノスから封印の真意が語られる。
第6幕:五龍の封印とルファスの決意
原因:山頂に眠る天龍を目認し、里が龍を覚醒させないための隔離施設であった実態を把握する。
行動:パルテノスの怨念で維持されていた封印の目的を、過去のルファスによる女神への反逆の準備と特定する。
結果:自身が本来のルファスを抑え込むための蓋として選ばれた可能性を認識し、女神への反逆を決意する。
- 第7幕:機動王都ブルートガングと蟹の合流
原因:新たな拠点への移動が必要となる。
行動:ゴーレムを飛行仕様へ大幅に改造し、ブルートガングにてカルキノスを回収する。
結果:合流直後、理性を失ったスコルピウスの軍勢が来襲し、十二星同士の全面衝突が不可避となる。
主要な転換点
オルムとの直接対峙
以前の状況:敵首魁に対する漠然とした認識に留まる。
出来事:レーヴァティン郊外にて直接交戦を経験する。
変化と次への影響:世界の調停者や女神の管理という構造的矛盾を認識し、事態の背景にある統制へ疑念を向ける。
パルテノスによる情報の開示
以前の状況:ヴァナヘイムを単なる自らの故郷として捉える。
出来事:死因の判明とともに龍の封印の存在が暴露される。
変化と次への影響:過去のルファスが世界の管理者たる女神への独立戦争を企図していた事実を継承する。
蓋としての自己認識
以前の状況:異世界の一般人が覇王を一時的に代行していると認識する。
出来事:自身の穏健な性格が本来の覇王を抑制するための蓋として選定された理由であると推察する。
変化と次への影響:受け身の探索行から脱却し、女神への積極的な反逆と主権奪還を目指す方針へと意識を変革する。
ブルートガング防衛戦への突入
以前の状況:各地に散った十二星天を平穏に回収する方針を採る。
出来事:理性を放棄したスコルピウスが軍勢を率いて強襲する。
変化と次への影響:十二星同士の本格的な交戦が発生し、力による制圧を伴う防衛戦へ移行する。
まとめ
魔神王との邂逅と故郷の探索は、ルファスに世界の支配構造と自身の本質を直視させる契機となった。管理者への反逆という過去の企図を引き継ぎ、自己の役割を再定義した覇王陣営は、暴走する配下との直接衝突を目前に控え、更なる激戦の渦中へと足を踏み入れる。
主人公を中心とした人物関係の変化
物語が進行するにつれて、ルファスを取り巻く人間関係は敵対者や新たな配下、側近との間でより多層的な構造へと進展を見せる。
オルム
長年の宿敵として対峙しつつ、共通の敵たる女神の存在に対して同様の違和感を抱く。
オルム側は現在のルファスの出力抑制を察知し、かつての状態から弱体化していると判定する。
ウィルゴ
かつての知人の孫という血縁関係から、空席となっていた二代目乙女の座へと抜擢する。今後の戦闘を見据えた戦力育成の対象として、新たな主従関係を結ぶ。
ディーナ
実務面において絶大な信頼を維持する一方、エクスゲートを駆使した情報隠蔽や傍受を行う存在として警戒の視線も併せ持ち、外部干渉への防壁として動向を注視する。
主人公の認識と周囲の評価
内面の変容と自身の出自に関する仮説が深まるにつれ、主人公の自己認識と周囲から注がれる視線の間には明確な特徴が現れる。
主人公自身の認識
本来の苛烈なルファスを封じ込める目的で、女神によって精神へ挿入された蓋、すなわち異分子として自己を定義する。
自身の持つ楽観性や浅慮さをそうした抑制機能の現れと捉えて反発し、能動的に本来の覇王が目指した目的の達成へと動く。
旧配下たちからの評価
アリエスやカルキノスをはじめとする配下は、二百年前に比べて物腰が穏健化した事実を受け止めつつ、要所で放たれる絶対的な覇気から主本人であると確信し、全幅の信頼を維持する。
魔神王による評価
精神的なリミッターが原因で本来の強大さが削がれていると見なし、かつて世界を震撼させた鮮烈で強烈な覇王の姿とは程遠い現在の状態に対し、明らかな不満を示す。
関係性と評価の総括
敵対関係にあった魔神王との間に共通の懸念が浮上する一方、配下の育成や側近への警戒など、陣営内部の力学にも変化が及ぶ。自らを覇王本来の力を抑え込む蓋と自覚した主人公は、周囲の信頼と宿敵の要求の狭間に身を置きながら、世界の支配構造へ立ち向かう道を選び取る。
クライマックス
覇王と魔神王の直接対峙
レーヴァティン郊外において、世界の頂点に立つ両雄による激突が発生した。音速を遥かに超越した時間圧縮戦闘状態のもと、物理法則を度外視した交戦が繰り広げられた。
状況
音を置き去りにする極限の高速機動と直角旋回が繰り返される交戦領域を形成。
具体的行動
アイアンフィストによる攻撃力増強、弱所突きによる防御貫通、リベンジによる被ダメージ比例強化、流星脚による対空強襲など多彩なスキルが連続行使された。 二十四時間制限の強力なスキルであるバスターインパクトを含む全力打撃の応酬が展開された。
被害状況
地面は広範囲にわたって抉れ、衝撃波のみで周囲の森林や山峰、海洋環境が破壊される甚大な付随被害が発生した。
決着の行方
互いに決定打を欠く中、リーブラの支援砲火ベン・エルゲヌビとディーナの大魔法である宵の明星による強襲介入を契機として、ルファス陣営が戦線から離脱した。
巻末時点の情勢
現在地
全長千百メートルを誇る超巨大戦艦型ゴーレム、機動王都ブルートガングに滞在。
陣営の勢力
カルキノスの合流およびパルテノス亡霊化に伴うウィルゴの登用により、十二星天五名と新戦力一名を傘下に収めた体制を確立。
解決した問題
故郷ヴァナヘイムの状況確認を完了し、カルキノスとの合流を達成。
継続している問題
女神のシナリオの全貌解明と、スコルピウスが主導する大規模侵攻への対応。
今後につながる要素
土、火、木、月を司る五龍の封印解除の是非、ならびに射手、魚、獅子をはじめとする未回収の十二星天の捜索。
物語の構造推移
開始地点
アイゴケロスの合流を経て、次なる移動先の選定に着手。
- 発端
新たに召喚された勇者の旅立ちと、それを狙う魔神王オルムの出現。
展開
魔神王との直接激突を経て、マナの正体や女神の道化としての魔神族の実態など世界の裏側の情報が提示される。
中盤の転換
ヴァナヘイム到着後、亡霊となったパルテノスとの対話を通じ、自身が女神による蓋である可能性を認識して独立戦争の計画を継承。
クライマックスへの導線
機動王都ブルートガングにてカルキノスを回収。
クライマックス
理性を失ったスコルピウスによる王都侵攻が発生。
到達地点
狂化したスコルピウスの軍勢を迎え撃つ、ブルートガング防衛戦の幕開け。
まとめ
魔神王との交戦と故郷の真実を通じて世界の歪みが白日の下に晒され、ルファスは女神への反逆を決意した。新たな配下の合流と拠点の獲得によって陣営の再編が進む一方、暴走する旧友との衝突を皮切りとして、物語は世界の主権を巡る大規模な防衛戦へと突入していく。
ディーナの正体
物語が大きく展開する第3巻では、覇王ルファスの傍らに控える参謀ディーナの真実が次々と露見する。偽装されていた能力値や種族、魔神族最高幹部としての顔、さらには世界を創った女神とのただならぬ結びつきに至るまで、多重の秘密を抱える彼女の実態を整理して記述する。
隠されていた能力値と種族の真実
レベル1000のハーフエルフ
当初開示されていた数値は偽装であり、実際にはルファスと同じく上限値であるレベル1000に到達したハーフエルフに該当する。
後衛職および知力への極端な特化
神官系や魔術系の各種後衛職を極限まで習得しており、知力と俊敏性の数値へ極端に偏らせた戦闘構成を完成させている。
二重属性の所持と外見の偽装
ハーフエルフ固有の特性として金と水の二属性を操る。普段見せている青髪の姿は、水魔法による幻惑効果を用いて外見を偽った虚構の姿となる。
魔神族最高幹部としての暗躍と除名
金のウェヌスとしての顔
魔神族の頂点に君臨する最高幹部集団たる七曜の一角として、金を司る金のウェヌスという地位を保持する。
両陣営間における二重工作
各地の軍事侵攻や幹部配置、配下の暴走を誘発する動きを陰で操り、敵味方双方の間を立ち回りながら意図的に戦況を誘導する。
最高幹部からの除名処分
魔神王の息子テラから裏工作の真意を追究された折、挑発を交えて自らの企図を認めた結果、除名処分を下されて追撃を退けつつルファス陣営へと帰還する。
創世神アロヴィナスとの決定的な関係性
強固な防衛結界の素通り
ヴァナヘイムにおいて、女神に仕えたパルテノスが展開した強固な拒絶結界を、旧配下ではないはずの身でありながら何食わぬ顔で突破する事態が生じる。
女神のアバターとしての疑念
結界機構に女神側と認識された事実を通じ、ルファスは彼女が創世神の息がかかった存在、あるいは女神自身の分体である可能性を強く確信する。
世界システムの深層に関する知見
マナの循環還元構造や経験値の結晶体にまつわる世界の成り立ちなど、女神が構築した世界の深層構造に関する膨大な知識を保持する。
覇王との特異な主従関係
ディーナが放つ異質さや潜在的な危険性を十分に察知しながらも、ルファスは彼女の持つ比類なき情報量やこれまでの実績を総合的に評価し、何を企んでいるか測り難い腹心の参謀として陣営の中枢に留め置く判断を下す。
まとめ
参謀ディーナが明かした二重三重の正体は、覇王一行の旅路が単なる部下の回収にとどまらず、世界の管理者たる女神そのものとの対立へ直結している事実を浮き彫りにする。底知れぬ思惑を抱えたまま同行を続ける彼女の存在は、今後の覇道と世界の命運を大きく揺るがす最大の鍵として機能していく。
覇王と魔神王
物語が核心へ迫る第3巻では、覇王ルファス・マファールと魔神王オルムという二大巨頭の直接対峙が実現する。長きにわたり相まみえることのなかった両雄の初対面、世界を揺るがす直接対決、交戦の最中に明かされた世界の構造的欠陥、そして戦闘の中断に至るまでの詳細を整理する。
初対面と奇妙な相互理解
- レーヴァティン外での遭遇
200年前の大決戦においても直接交わることのなかった両者が、異世界より召喚された勇者瀬衣一行の旅立ち直後、レーヴァティン王都の郊外にて初めて対面を果たす。
- 宿敵への畏怖と評価
オルムはルファスを死を呼ぶ星と称し、自身が真に恐れる存在は全知全能の女神とルファスの二者のみと明かす。
かつては直接対決を避けていたものの、彼女の消失後にルファスこそが女神の筋書きから唯一外れていた例外者であったと気づき、対話を求めて自ら姿を現す。
規格外の頂上決戦
- 激闘による地形破壊
勇者一行を間に挟んだまま勃発した交戦は、音速を超越して時間を圧縮したかのような超高速の攻防へと突入する。
双方の打撃やスキルの余波のみで地形が削れ、海が割れ、周囲の建造物が粉砕されるほどの規模に達する。
- 実力差と出力低下の看破
ルファスは互角に応酬を繰り広げつつも、数百万規模におよぶオルムの膨大な体力に対し、自身の体力が削られる長期戦では不利に傾くと冷静に状況を判断する。
オルムもまた、現在のルファスが七英雄や大軍勢を同時に相手取った全盛期に比べて弱体化している事実を見抜き、女神による干渉がすでに完了していると推測する。
オルムが語る世界の真相
- 魔神族の正体とマナの循環構造
オルムは戦闘の合間を縫い、世界の成り立ちについて言及する。
魔神族は人間を殺害し続けなければ種を維持できない欠陥生物として創造され、舞台を盛り上げる役目を担わされた道化に過ぎない。
討伐された魔神族の亡骸がマナへと還元されることで、人類側の魔法行使を可能にするエネルギー供給源として機能している実態を提示する。
- 200年前の反乱の不自然さ
過去に賢王メグレズら七英雄が魔神王討伐を差し置いてルファスへ叛旗を翻した不可解な経緯についても、女神による精神干渉と誘導の結果として説明される。
200年前のルファスは魔神族の完全駆逐と統一国家の樹立を通じて、世界の管理者による筋書きそのものを打ち破ろうと画策していた事実が浮き彫りとなる。
戦闘の中断と戦線離脱
- 側近たちの強行介入
戦闘の泥沼化や深層情報の過剰な漏洩を危惧した参謀ディーナが転移術式を展開し、リーブラによる支援砲火やゴーレムの突撃を連動させて両者の間隙に割り込む。
- 一時撤退による決着の見送り
決定打を欠いた状況のまま、ルファス陣営が戦線を離脱する形式をとり、頂上決戦は決着を先送りにして幕を閉じる。
まとめ
魔神王との直接対決は、単なる武力の衝突にとどまらず、創世神が敷いた世界の欺瞞と両者の立ち位置を決定づける転機となった。人類の脅威とされてきた魔神族の悲壮な役割や世界の循環システムが明らかとなったことで、覇王陣営の戦いは女神の支配構造そのものへ抗う段階へと移行していく。
女神の筋書き
物語が核心へ迫る過程において、作中最大の謎であった女神の筋書きの全貌と、それを取り巻く世界の仕組みが明らかになる。魔神族の存在理由、循環する力の正体、過去の反乱に隠された干渉、そして主人公自身に課されていた役割について整理する。
魔神族の実態とマナ循環の構造
- 道化として創造された種族
魔神王オルムの口から語られた事実によると、魔神族は領土拡大の野心から侵略を行っているわけではない。
人間を殺害し続けなければ種を維持できず消滅してしまう不完全な生物として、女神アロヴィナスに生み出された存在に位置づけられる。
舞台を盛り上げるための道化役として配置されたにすぎない。
- マナの還元と永久機関
命を落とした魔神族の肉体はマナへと還元され、大気中を巡って人類が扱う魔法の源泉となる。
終わりのない殺戮と惨劇そのものが、世界に魔法の力を循環させる目的で創世神により設計されたシステムを形成する。
二百年前の大決戦と七英雄への精神干渉
- 覇王による筋書きの破壊
二百年前のルファス・マファールは世界の欺瞞をいち早く看破し、女神の意図を挫くために魔神族の根絶と世界の統一を推し進めた。
- 不可解な造反の背景
魔神王の打倒直前という極めて不自然な局面で七英雄が離反した背景には、筋書きの枠組みから外れたルファスを危険視した女神による精神誘導が存在した。
英雄たちの胸中にあった嫉妬や恐怖といった負の感情が増幅され、排除行動へと駆り立てられた経緯を持つ。
調停者たる五龍と事前封印の意図
- 神の基準による危機判定
山頂に眠る天龍をはじめとする五体の龍は、世界が存亡の危機に直面した際に覚醒する調停機構として存在する。
しかしその危機判定は女神の基準に依存しており、魔神族による甚大な被害で目覚めない理由は、創世神自らがその惨劇を意図して容認している点に起因する。
- 独立戦争を見据えた隔離措置
かつてのルファスは女神への反逆を想定し、土、火、天、木の各属性を司る龍をあらかじめ十二星天の面々に命じて封印し、隔離を完了させていた。
主人公の精神に課された抑制の役割
- 覇王の自我を封じる仕掛け
異世界から召喚された一般男子ゲーマーの意識は、ルファス本来の苛烈な自我と反逆の意志を封じ込め、無害化するための蓋として女神が組み込んだ要素に該当する。
- 欺瞞への反発と目的の継承
肉体との同調が進む中で自らの立場を察知した主人公は、受け身の態度を改め、女神の思惑を打破すべく本来のルファスが志した主権奪還の道を歩む決意を固める。
黄金の林檎と到達上限の真実
- 人類の通常限界値
通常の世界法則においてはマナの吸収効率が極端に低く、生身の人間がレベル1000の領域へ至る術は存在しない。
現代におけるレベル120前後の戦力こそが、世界本来の正常な上限値を示す。
- 二百年前の強化策
過去に人類がレベル1000に到達できた背景には、ルファスがマナの結晶体である黄金の林檎を作り出して配分し、女神への対抗戦力として人類全体の能力値を底上げした特異な施策が存在した。
まとめ
明かされた世界の仕組みは、人類と魔神族の争いそのものが女神の手によって仕組まれた循環劇にすぎない現実を突きつける。自身の存在理由と過去の企図を継承したルファスは、敷かれた線路を覆し、絶対的な支配者へ抗うための行動を加速させていく。
十二星の帰還
物語が展開する中で、かつて世界を制覇した覇王ルファス・マファール直属の最高戦力である覇道十二星天の再集結が進んでいる。主の封印から200年が経過し、各地へ散逸していた配下たちの現状や回収の経緯、ならびに戦力の再編が物語へ及ぼす影響を整理していく。
十二星天の回収目的と全体像
かつてルファスに仕えた直属の将軍格である覇道十二星天は、主の封印に伴い各地へ離散した。主を失った悲嘆や復讐心による暴走を未然に防ぎ、かつての拠点である天空塔マファールへ連れ戻す方針が、覚醒したルファスにおける主要な行動規範を形成する。第3巻の終了時点において、全12名中6名が陣営へ復帰を果たし、主要戦力の集結が本格化している。
帰還および回収された構成員
- 牡羊のアリエス(第1巻にて回収)
主を奪われた怒りから人類への報復行動へ走り、魔神族に利用されてスヴェル国を強襲した。
急行したルファスの圧倒的な武力と威圧によって正体を察知し、涙を流しながら最初の配下として復帰を果たした。
- 天秤のリーブラ(第2巻にて回収)
全108階層を誇る黒翼の王墓の最上階において、190年間にわたり主の遺品を護持し続けた。
主の存在に関する論理矛盾から自動排除機能を作動させたものの、ルファスの修復スキルによって機体を復元され、本来の任務へ回帰した。
- 山羊のアイゴケロス(第2巻末から第3巻にて復帰)
悪魔の王たる地位を占め、利害の一致から魔神族と協力体制をとっていた。
ギャラルホルンにおける内戦扇動の騒乱を経て、ルファスの指揮下へ完全に復帰した。
- 乙女のウィルゴ(二代目乙女として第3巻にて加入)
初代のパルテノスは天龍を封印しつつ主の帰還を信じていたが、前年に木の実を喉に詰まらせて世を去った。
天法を習得した天翼族の養孫ウィルゴが、先代の遺志を継ぐ形で二代目の座に就き、同行を開始した。
- 蟹のカルキノス(第3巻にて復帰)
十二星屈指の防御性能と反撃能力を保持する。主の復活情報を収集する目的で飲食店を営んでいたものの、外部情報を遮断した機動王都ブルートガングに滞在していたため孤立していた。
ルファスとの再会を経て、滞りなく帰還を果たした。
- 蠍のスコルピウス(第3巻にて回収)
主への崇敬が独占欲と過剰な殺戮衝動へと変質し、魔神族へ加担していた。
創世神アロヴィナスによる精神誘導を受けて暴走に至ったが、ルファスによる武力制圧とディーナによる術式解除を経て無事に陣営へ復帰した。
未帰還構成員の現況
- 獅子のレオン
十二星最強の戦力を有するが、主の不在期間中に野性化を遂げ、吸血姫ベネトナシュと果てしない抗争を継続している。
- 双子のジェミニ
妖精郷アルフヘイムに留まり、木龍の封印を維持している。
- 水瓶のアクアリウス
灼熱地帯ムスペルヘイムに滞在し、火龍の封印任務を遂行している。
- 牡牛のタウロス
地下世界ヘルヘイムに位置し、土龍の隔離管理を担当している。
- 射手のサジタリウスおよび魚のピスケス
第3巻の時点においては明確な所在が掴めず、行方不明の扱いとなっている。
部隊再編がもたらす物語上の意義
- 陣営戦力と戦術機能の補完
遠距離砲撃、堅牢な防御壁、広範囲制圧、回復支援といった各専門技能が揃い、戦闘集団としての完成度が飛躍的に向上した。
- 女神による精神誘導の実証
スコルピウスの救出過程を通じ、過去の英雄たちの離反と同様に、創世神が裏で人々の感情や能力を操作している世界の欺瞞が浮き彫りとなった。
- 覇王の自我への同化現象
散逸した配下との接触や所縁の地への到達を重ねるにつれ、主人公の精神基盤へ本来のルファスが持っていた感情や記憶が深く浸透する変化が生じている。
まとめ
過半数の戦力を取り戻した覇王陣営は、組織としての戦闘能力を盤石なものへ整えつつある。各地に遺された封印の維持や暴走戦力の鎮圧を進める歩みは、世界の管理者による見えざる干渉を暴き出し、運命に抗うための基盤をより確固たる領域へと引き上げている。
鍛冶王ミザール
作中に登場する七英雄の一角、鍛冶王ミザールについて、その人物像や遺した作品、覇王ルファスとの関係性を整理する。並外れた技術を持つ錬金術師としての足跡と、時代を超えて物語に大きな影響を与え続ける存在感をまとめる。
人物像と基本概要
- 立場と種族
七英雄の構成員であり、重鎧に身を包むドワーフの男性に該当する。錬金術師および鍛冶師として類まれな手腕を誇る。
- 性格と掲げた理想
世界一の武具を鍛造するという熱烈な目標を抱く。
採算を度外視して極めて優れた装備を生み出す才能を持つ半面、自らの無謀さに頓着せず強力な魔竜へ自ら挑もうとするなど、世間離れした猪突猛進の気質も見せる。
二百年前の邂逅と陣営合流
- 交易都市での出会い
交易都市ユーダリルにて自らの銘を刻んだ極上の装備を破格の安値で販売する鍛冶店を構えていた。
- 強大な素材の確保
卓越した武具を仕上げる素材を求め、魔竜ノーガードの討伐依頼を提示していた。
引き受け手が現れず自ら現地へ向かおうとした際、見かねたルファス、アリオト、メグレズが同行を申し出た。
- 名器の完成と同行
四名で魔竜を退けた後、入手した牙を用いてルファスの愛用武器となる蛇腹剣を完成させた。
自作の武具を振るう最高の使い手と上質な素材を求め、店舗を整理して一行の旅へ正式に加わった。
遺された規格外の創造物
- 天秤のリーブラ
ルファスと共同で開発を手掛けたレベル910を誇る自律型ゴーレムに位置づく。機体からは生みの親に等しい存在として深い敬意を寄せられている。
- 機動王都ブルートガング
生涯で手掛けた最大規模の構造物となる。
全高300メートル、全長1100メートル、全幅400メートルにおよぶオリハルコン製の巨大ゴーレムであり、都市そのものが十五階層を有する移動要塞として機能する。
- 量産型リーブラ
原型の製造技術を応用し、防衛任務を担う戦力として制作したレベル700の護衛機体四機を指す。
物語終盤における展開
- 故人という通説
ドワーフ族の寿命を踏まえ、七英雄の中でもすでに生涯を終えた人物として扱われていた。
- 予期せぬ生存の示唆
拠点防衛の激戦を越えた後、復旧した量産機がルファスを正当な主と確認した上で、王室区画にて製作者たるミザールが待機している旨を伝達した。
すでに世を去ったはずの旧友が健在を示唆するという深い謎を残し、物語は次なる局面へと進む。
まとめ
卓越した鍛冶技術によって数々の決戦兵器や名器を生み出し、一行の歩みを物資面から支えた功績は極めて大きい。落命したと信じられていた旧友の生存疑惑は、拠点の防衛を乗り越えた覇王一行に対し、過去と現在を繋ぐ更なる真相の解明を促す契機となる。
登場キャラクター
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展開まとめ
ディーナの真価
ルファスは鑑定でディーナがレベル一〇〇〇のハーフエルフだと知り、これまで実力を隠していたことに不信を抱いた。一方、十二星ではスコルピウスが魔神族と行動し、レオンとベネトナシュが互いに戦い続けていたため、ルファスは彼らとの接触を避けた。
召喚された勇者
レーヴァティンでは日本から瀬衣が勇者として召喚された。しかし瀬衣には目立った能力も戦闘経験もなく、それでも剣聖フリードリヒらと旅立った直後、ルファスと遭遇した。
野生のルファス・マファールが現れた。
黒翼の覇王との遭遇
瀬衣たちは歴史上の大敵であるルファスを恐れたが、彼女に攻撃する意思はなかった。ルファスも、魔神王と戦うため召喚された勇者があまりに弱いことに困惑した。
野生の魔神王も現れた。
覇王と魔神王の激突
そこへ魔神王オルムが現れ、ルファスを死を呼ぶ星アルコルと呼んだ。二人は瀬衣たちでは認識できない速度で激突し、大地や守護ゴーレムを破壊した。ルファスは能力で勝る部分があったが、オルムの膨大な生命力を前に消耗戦は不利だと見抜いた。
女神の筋書き
オルムは、世界が女神の定めた筋書きに沿って動いていると語った。魔神族は人類の敵として作られ、人間を殺さなければ生存できず、二百年前に七英雄が突然ルファスへ反旗を翻したことにも女神の干渉が疑われた。かつてのルファスは魔神族を滅ぼし、その筋書き自体を壊そうとしていた。
ディーナとリーブラの救援
戦いを危険視したディーナはリーブラとともに介入し、一行が移動に使う車型ゴーレムの田中も突撃させた。ディーナは今は戦う時ではないとしてルファスを退避させた。その後、彼女は密かにオルムと接触し、ルファスをブルートガングへ足止めする間に準備を進めるよう求めた。
ヴァナヘイムへの帰還
ルファス一行は故郷ヴァナヘイムへ向かい、十二星の乙女パルテノスが前年に死亡していたと知った。代わって養孫の白翼の少女ウィルゴが一行を迎えた。ルファスは母の墓へ向かうため田中を飛行できる田中ジェットへ改造した。
黒翼の少女の記憶
荒廃した故郷で、ルファスには黒翼を理由に迫害されていた幼少期の記憶が蘇った。食事を与えられず、石を投げられ、白翼の兄メラクと比較され、父の屋敷では物置小屋で暮らしていた。ディーナは過去の記憶へ深く触れ続ければ、現在の人格が本来のルファスに呑み込まれる危険があると警告した。
パルテノスの幽霊
かつての物置小屋で、幽霊となったパルテノスが現れた。彼女は二百年前のルファスが、女神によって自分の意識を封じられる可能性まで予測していたと明かした。
女神の代理人
パルテノスはかつて女神を絶対視する代理人だったが、聖域へ侵入したルファスたちに敗れ、外の世界へ連れ出された。魔神族に苦しむ人々を見て信仰を揺さぶられ、やがてルファスの配下となっていた。
眠れる天竜
ヴァナヘイム山頂には、世界を調整する五体の竜の一角である天竜が眠っていた。二百年前のルファスは天竜を眠らせるため住民を退去させ、町を保存していた。地竜、火竜、木竜も十二星によって封じられていたが、月竜の所在だけは不明であった。
ルファスは、魔神族が人類を脅かしても竜が目覚めないことから、その侵攻自体が女神に許容されていると考えた。また、自分の中にある異世界人の意識が、本来のルファスの人格と目的を封じるため女神に用意された可能性にも思い至った。それでも過去の自分の目的を追い、女神を表舞台へ引きずり出すと決意した。
パルテノスは旅に同行できないため、後継者ウィルゴを新たな乙女としてルファスへ託した。
移動国家ブルートガング
次にルファスは、人類への復讐を続けるスコルピウスを止めるため、巨大な移動要塞そのものが王都となったブルートガングへ向かった。そこでは十二星の蟹カルキノスが飲食店を営みながらルファスの情報を集めていた。
蟹王カルキノス
ルファスが正体を明かすと、カルキノスは迷わず帰還を受け入れた。歴戦の十二星を前に自信を失ったウィルゴには、ルファスが力だけが価値ではなく、これから成長すればよいと励ました。
スコルピウスの襲来
スコルピウスは二百年前に人類がルファスを裏切ったことを憎み、魔物の大軍を率いてブルートガングを襲撃した。都市側は砲撃機構や量産型リーブラで迎撃したが、同時に七曜のルーナも魔神族を率いて内部へ侵入した。
ルファスはアリエスとリーブラに内部の敵を排除させ、アイゴケロスをルーナへ向かわせ、自身はスコルピウスに対処した。
アイゴケロスとルーナ
アイゴケロスはルーナを圧倒したが、魔神王の息子テラが現れて彼女を引き取った。テラは失敗したルーナを道具として切り捨てず、必要な部下として扱った。
黄金の果実
ルファスは倒れた魔物から生じたマナで、食べた者に莫大な経験を与える黄金の果実を作った。二百年前の人々が現代より強かったのは、この果実によって人類全体が急速に強化されていたためであった。
カルキノスとスコルピウス
カルキノスはスコルピウスを説得しようとしたが、彼女は人類を守る彼を裏切り者とみなし攻撃した。ルファスが現れてもスコルピウスは従わず、再び人類に奪われないよう彼女を閉じ込めて守ろうとした。
女神の加護
戦いの途中、スコルピウスに白い光が宿り、能力が急激に上昇した。それは二百年前、七英雄がルファスへ反旗を翻した際に得た力と同じであった。ルファスは、女神が本人の意思を無視して力を与え、筋書きに沿って動かしていたと理解した。
覇王の叱責
強化されたスコルピウスを前に、本来のルファスの人格が表面へ現れた。彼女は圧倒的な力で攻撃を退け、勝手な理由で主を拘束するなと叱責した。スコルピウスは抵抗をやめ、再び十二星として従った。戦闘後には現在の意識が戻ったものの、二つの人格の境界はさらに曖昧になった。
瀬衣の選択
一方、瀬衣はスヴェルでメグレズと会い、ルファスが本当に討つべき悪なのか尋ねた。二百年前の反乱にも不自然な点があったと聞き、周囲から与えられた正義ではなく、自分の目でルファスを見て判断すると決めた。
七曜からの追放
テラはディーナが七曜として様々な事件を裏から操っていたことを追及した。ディーナはルファスとオルムの戦いを演出したことも認めたが、真の目的は明かさなかった。テラは彼女を七曜から除名し、ディーナはルーナを人形と呼んで自分もかつて同じだったと漏らした後、逃走してルファスのもとへ戻った。
鍛冶王からの招待
ルファスが損傷した量産型リーブラを修理すると、一体が彼女を本人と認証し、ブルートガングの王室区画へ招いた。そこで待つ者として告げられたのは、すでに死んだはずの旧友、鍛冶王ミザールであった。
野生の魔竜が現れた
魔竜討伐の依頼
若き日のルファスは、アリオト、メグレズと交易都市ユーダリルで冒険者として活動していた。そこで国すら滅ぼした魔竜ノーガードの牙を求める依頼を出していた鍛冶師ミザールと出会った。
ミザールが自ら討伐へ向かおうとしたため、ルファスは竜の牙で自分の武器を作ることを条件に依頼を引き受けた。アリオトとメグレズも同行し、四人で魔竜へ挑んだ。
四人の共闘
メグレズが水魔法でノーガードを遺跡から引きずり出し、ルファスとアリオトが正面から攻撃した。さらにルファスはアリエスとタウロスを召喚して追い詰め、最後はミザールの一撃で首を切断した。
竜牙の蛇腹剣
ミザールはノーガードの牙から、攻撃時に伸びて多数の敵を薙ぎ払える蛇腹剣をルファスのために完成させた。
ミザールの加入
ルファスたちは国から騎士として仕えるよう誘われたが、地位を求めず冒険者を続けた。ミザールも店を閉め、希少な素材と優れた使い手を求めて三人の旅へ加わった。後に英雄や覇王と呼ばれる四人は、この時にはまだ一介の冒険者として同じ道を歩み始めた。
野生のラスボスが現れた! 一覧
その他フィクション

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