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2026年 秋炎頭野生のラスボスが現れた

小説「野生のラスボスが現れた!5」感想・ネタバレ

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野生のラスボスが現れた! 5の表紙画像(レビュー記事導入用) 2026年 秋

ラスボス4レビュー
まとめ
ラスボス6レビュー

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  1. 物語の概要
    1. ■ 作品概要
    2. ■ 主要キャラクター
        1. ルファス・マファール
        2. ベネトナシュ
        3. アリエス
        4. レオン
        5. サジタリウス
        6. リーブラ
        7. カルキノス
        8. スコルピウス / アイゴケロス
        9. ディーナ
        10. 天元 瀬衣(勇者)
  2. 書籍情報
  3. あらすじ・内容
  4. 感想
          1. レベル3000のルファス覚醒。もうこの世界のバグだろ
          2. 200年間待ち続けたベネトナシュ
          3. 好きだからこそ本気で殺し合いたい
          4. ベネトナシュ、お前も十分バグである
          5. 序盤はむしろベネトナシュがルファスを圧倒している
          6. と思ったら「本当のルファス」が起きてしまった
          7. レベル3000って、まだ上があるの?
          8. ベネトナシュの一撃すら「目覚まし時計」
          9. それでも女神の力を拒絶するベネトナシュが格好いい
          10. 女神を「三流脚本家」扱いするのが最高だった
          11. レオンとの違いも面白い
          12. ベネトナシュの退場は思ったより早かった
          13. 「宿敵になれたのか」が切ない
          14. 200年間止まっていた時間がようやく動いた
          15. 一方その頃、十二星も普通に大変なことになっている
          16. サジタリウスも無事に帰還
          17. ゴーレム「鈴木」、何を作ってるんだ
          18. 瀬衣は弱いけれど、やっぱり勇者だった
          19. そしてレオンは女神の力を受け入れる
          20. 女神が完全にゲームマスターみたいになってきた
          21. 世界を作った女神からもバグ認定される主人公
          22. でも一番怖いのは「中の人」とルファスの関係かもしれない
          23. 「本当のルファス」はどこまで知っているのか
    1. まとめ|ベネトナシュが凄い。でもルファスはもっとおかしかった
  5. 考察・解説
      1. ストーリー・プロット
        1. 第1幕:二手への戦力分散と吸血姫ベネトナシュの強襲
        2. 第2幕:吸血鬼の王都観光と特設闘技場での決闘開始
        3. 第3幕:『ルファス』の真の覚醒とベネトナシュの最期
        4. 第4幕:ケンタウロスの里の潜入調査と人質解放戦
        5. 第5幕:ティルヴィングの決戦とサジタリウスの離反
        6. 第6幕:女神の力を得た獅子王とアリエスの覚醒・防衛戦
      2. 主要な転換点
        1. 1:ベネトナシュによるタイマン決闘の招待
        2. 2:ベネトナシュによる女神の介入(天力授与)の排斥
        3. 3:ケンタウロス里の人質構造の判明とサジタリウスの救出行動
        4. 4:ゴーレム「鈴木」のリア充排除・アサルトフォーム起動
        5. 5:レオンへの女神の直接支援(天力授与)と巨獣化
      3. ルファスを中心とした人物関係の変化
        1. ベネトナシュ
        2. サジタリウス
        3. レオン
        4. ルファス(およびその配下) ⇔ 瀬衣(勇者)
      4. 主人公の認識と周囲の評価
        1. ルファス自身の認識
        2. 周囲からの評価
        3. 認識の差が現れた場面
  6. 登場キャラクター
    1. 覇王軍 / 覇道十二星天
      1. ルファス・マファール
      2. ディーナ
      3. アリエス(『牡羊』のアリエス)
      4. リーブラ(『天秤』のリーブラ)
      5. アイゴケロス(『山羊』のアイゴケロス)
      6. スコルピウス(『蠍』のスコルピウス)
      7. カルキノス(『蟹』のカルキノス)
      8. ウィルゴ(『乙女』のウィルゴ)
      9. カストール(『双子』のカストール)
      10. サジタリウス(『射手』のサジタリウス)
      11. レオン(『獅子』のレオン / 獅子王レオン)
      12. タウルス(『牡牛』のタウルス)
      13. 田中(キャンピングカー型ゴーレム)
      14. 鈴木(キャンピングカー型ゴーレム二号機)
      15. アストライア(ゴーレム)
    2. 吸血鬼の帝国ミョルニル
      1. ベネトナシュ(『吸血姫』ベネトナシュ)
      2. ラガート(時計塔の警備の吸血鬼)
      3. ベネトナシュの部下たち(吸血鬼たち)
      4. 屍食鬼たち(アンデッド)
      5. ハヴァリン(闘技場の魔物)
      6. 闘技場の魔物たち
    3. 亜人連合ティルヴィング / 亜人の里
      1. 蜘蛛男(サージェス / 軍曹)
      2. ラミア
      3. ドライアド
      4. 半魚人
      5. ダービー(ケンタウロスの老人)
      6. 幼いケンタウロスの少年
      7. 蜂の亜人たち(見張りの兵士)
      8. ケンタウロスたち
      9. 亜人たち(蟲人、人魚、植物人、蛇人、巨人など)
    4. 勇者一行
      1. 南十字瀬衣(勇者)
      2. ジャン
      3. ガンツ
      4. クルス
      5. カイネコ
      6. フリードリヒ(虎の剣聖)
      7. クリスティアナ(女騎士)
    5. 魔神族
      1. 魔神王オルム
      2. テラ
    6. 妖精郷アルフヘイム / 聖域の守護者
      1. ポルクス(妖精姫ポルクス)
      2. エインフェリア(英雄の魂)
      3. エイル(戦乙女エイル)
      4. ブリュンヒルド
      5. 英霊たち(アルゴナウタ) / 天使の軍勢
    7. クラウン帝国(過去の場面)
      1. アリオト(『剣王』アリオト)
      2. メグレズ(『賢王』メグレズ)
      3. ミザール(『鍛冶王』ミザール)
      4. ラードゥン(竜王ラードゥン)
      5. ポレアリス(クラウン帝国国王)
      6. アルフェッカ
      7. メリディアナ
      8. フェクダ
      9. ドゥーベ
      10. クラウン帝国の兵士たち / 騎士たち
      11. 竜(ドラゴン)たち / 偽竜たち
    8. 創世神
      1. 創世神アロヴィナス
  7. 展開まとめ
  8. 野生のラスボスが現れた! 一覧
  9. その他フィクション

物語の概要

■ 作品概要

中心人物であるルファス・マファール、吸血姫ベネトナシュ、覇道十二星(アリエス、リーブラ、サジタリウス、レオン等)、勇者・天元瀬衣一行は、ドラウプニルでの戦いを終えた後、人類と亜人連合『ティルヴィング』の戦争回避およびレオンとサジタリウスの回収・調査のため二手に分かれて行動を開始した。

しかし、最北を目指すルファスのもとに七英雄の一人であるベネトナシュが直接飛来し、1対1の決闘の招待状を渡したことで事態は一変する。

ルファスがミョルニルへ向かったため、レオンおよび亜人連合への対処を十二星とディーナ、瀬衣達に全面的に委ねる形となり戦力が分散した。

ルファスは王都ミョルニルでの死闘の末にベネトナシュを破り彼女の最期を看取る。一方、ケンタウロスの里へ向かった瀬衣達はサジタリウスの同族が人質に取られている事実を突き止め、人質構造を打破して解放に成功する。

しかし、戦況に追い詰められたレオンが女神アロヴィナスの力を受容して暴走・巨大化し、アリエスを中心とした十二星が結集して最終防衛戦を展開する段階まで物語は進行する。

■ 主要キャラクター

ルファス・マファール
  • 立場・所属 : 天翼族の覇王。旧・覇道十二星の主。
  • 本巻での主な役割 : ベネトナシュからの招待を受け、単身で吸血鬼の国『ミョルニル』へ赴き、1対1の決闘に臨む。
  • 重要な変化・行動 : ベネトナシュの猛攻により意識が混濁したことで、女神アロヴィナスの定めた世界の上限レベル1000を突破した本来の「ルファス」の能力(レベル3000)を完全覚醒させる。『エクスゲート』によりマファール塔から神話の双剣『リーヴスラシル』(魔剣リーヴ・天剣スラシル)を召喚し、マナ錬成『地を揺らすもの』や『狼の冬』を用いてベネトナシュを破り、彼女の最期を腕の中で看取る。
ベネトナシュ
  • 立場・所属 : 吸血鬼の王国『ミョルニル』を率いる吸血姫。七英雄の一人。満月時の強化およびマナ還元によりレベル1500に達する。
  • 主人公との関係 : 200年前からの宿敵であり、唯一対等および格上と認める存在。
  • 重要な変化・行動 : ルファスとの再戦のみを求め、戦闘中に女神アロヴィナスから差し出された天力を「三流脚本家」と糾弾して自力で排斥する。月属性最大魔法『銀の矢放つ乙女』や高位魔法『ルナシューター』を含む全霊の攻撃を繰り出すが、ルファスの剣に貫かれて息絶える。
アリエス
  • 立場・所属 : 覇道十二星『白羊』。
  • 本巻での主な役割 : 獅子王レオンに対する生来の捕食・被食関係に基づく本能的恐怖と葛藤するが、ディーナの助言と言葉、およびルファスへの絶対的な信頼により立ち上がり、対レオン戦の主力として覚醒する。
  • 重要な変化・行動 : 巨大な羊の姿ではなく、ルファスから与えられた人型形態のまま「相手の生命力・強さに応じて威力が無制限に上昇する神殺しの炎(メサルティムVer.1)」を身に纏い、巨大化したレオンに立ち向かう。
レオン
  • 立場・所属 : 覇道十二星『獅子』。亜人連合『ティルヴィング』の首領。十二星中で最高値の物理攻撃力と生命力を誇る。
  • 主人公との関係 : 元部下であるがルファスを強く憎悪・敵視し、打ち倒して喰らい尽くすことを目的とする。
  • 重要な変化・行動 : ケンタウロスの里を人質にしてサジタリウスを脅迫・従属させていた。十二星との戦闘で敗北の窮地に追い詰められるとプライドを捨て、女神アロヴィナスからの膨大な天力を受容。毒の無効化と莫大なステータス上昇を得て巨獣形態(獅子王)に変貌・巨大化し暴走する。
サジタリウス
  • 立場・所属 : 覇道十二星『人馬』。
  • 本巻での主な役割 : 同族であるケンタウロスの里を人質に取られたため表面上はレオンに従っていたが、裏で十二星をティルヴィングへ誘導。窮地に陥った十二星を自身の絶対命中・位置換装スキル『アルナスル』で救出し、レオンから正式に離反する。
リーブラ
  • 立場・所属 : 覇道十二星『天秤』。
  • 本巻での主な役割 : ブルートガングより召喚した新武装『アストライア』と空中で結合し、四門の大砲と翼を得た新形態へと移行。全砲門照射『フルファイア』や最大殲滅攻撃『ブラキウム』を行使し、対レオン戦の火力支援を担当する。
カルキノス
  • 立場・所属 : 覇道十二星『巨蟹』。十二星最硬の防御力を誇る。
  • 本巻での主な役割 : 防御力上昇スキル『テグミン』発動時には実質耐久値2万超に達する。自発的な攻撃手段には乏しいものの、敵の受けた打撃力を倍化して送り返す専守防衛カウンター『アクベンス』を駆使し、暴走するレオンの威力を逆利用して撃退・抑滅を図る。
スコルピウス / アイゴケロス
  • 立場・所属 : 覇道十二星『天蠍』(スコルピウス)および『磨羯』(アイゴケロス)。
  • 本巻での主な役割 : スコルピウスは永久重複毒スキル『シャウラ』や毒ブレス『グラフィアス』で行使。アイゴケロスは悪魔王形態に変貌し『デネブ・アルゲディ』等の闇・月属性攻撃で支援。両者とも前線で巨獣化してレオンの物理攻撃を食い止める壁となる。
ディーナ
  • 立場・所属 : ルファスの参謀を名乗る少女。
  • 重要な変化・行動 : 女神アロヴィナスの思考パターンや意図を正確に把握・解読しているかのような言動を見せる。空間分離スキル『エクスゲート』を用いて戦場全体を亜空間特異点へ放逐し、周囲への破壊被害を出さずに巨大流星攻撃『明けの明星』を放ってレオンを足止めする。
天元 瀬衣(勇者)
  • 立場・所属 : 異世界から召喚された勇者の少年。
  • 本巻での主な役割 : カストール達と共にケンタウロスの里の調査に向かい、実力不足を自覚しつつも、ウィルゴの叫びを利用してゴーレム「鈴木」(レベル350)の最優先プロトコルを起動。捨て身で敵幹部サージェスを固定し、鈴木の攻撃を直撃させて破る決定的要因を作る。

書籍情報

野生のラスボスが現れた! 5
著者:炎頭 氏
イラスト:YahaKo  氏
出版社:アース・スター
発売日:2017年9月15日

(PR)よろしければ上のサイトから購入して頂けると幸いです。

あらすじ・内容

覇王(俺)VS英雄(ベネトナシュ)!死闘の中で、ついに真正ルファス――覚醒っ!?覇王VS吸血姫、十二星天『牡羊』VS『獅子』、勇者一行VS亜人連合――目が離せないバトル満載の第5巻!!書き下ろしストーリー収録!

野生のラスボスが現れた! 5

感想

レベル3000のルファス覚醒。もうこの世界のバグだろ

『野生のラスボスが現れた!5』を読んで、一番印象に残ったのはやはり表紙にも描かれているルファスとベネトナシュの戦いである。

200年前に決着をつけられなかった二人。

ようやく実現した本気のタイマンである。

これまでにもルファスの規格外な強さは何度も描かれてきた。

だが今回は、

ちょっと次元が違った。

レベル1000が世界の限界だと思っていたら、ベネトナシュが自力でそこを突破。

さらにルファスが覚醒すると、

レベル3000。

……何だそれ。

これまでルファスを「ラスボスみたいな主人公」だと思っていたが、もうラスボスという表現すら足りない気がしてきた。

この世界のバグか何かではないだろうか。

200年間待ち続けたベネトナシュ

今回のベネトナシュを見ていて面白かったのは、ルファスに対する感情である。

単純に憎んでいるわけではない。

むしろ逆だ。

ルファスのことを認めている。

誰よりも高く評価している。

だからこそ、

戦わずにはいられない。

なんとも難儀な関係である。

普通なら、200年ぶりに大切な相手が復活したなら再会を喜びそうなものである。

ベネトナシュも実際、ルファスの復活そのものは喜んでいる。

しかし、その直後にやることが、

「今度こそ殺し合おう」

なのだから凄まじい。

好きだからこそ本気で殺し合いたい

ベネトナシュにとって、他の強者は「勝てると分かっている相手」でしかなかった。

世界最強クラスの存在でありながら、本気で戦える相手がいない。

そんな彼女が初めて、

「負けるかもしれない」

と思えた相手がルファスだった。

だからこそルファスは、ベネトナシュにとって特別なのである。

好意がある。

尊敬している。

理解している。

そして、

だから全力で戦って倒したい。

友情なのか。

愛情なのか。

ライバル意識なのか。

たぶん全部混ざっているのだと思う。

ベネトナシュ、お前も十分バグである

ルファスがとんでもない存在なのは、これまでの実績から分かっていた。

しかし今回驚いたのは、

ベネトナシュまで自力で世界の上限を突破していたこと。

この世界ではレベル1000が限界とされている。

ところがベネトナシュは、満月の力などを利用してレベル1500へ到達する。

女神から特別な力を与えられたわけではない。

自分の力である。

これが凄まじい。

ルファスが異常すぎるせいで霞んでしまうが、

ベネトナシュも十分に世界の仕様を無視している。

むしろルファスがいなければ、こちらがラスボスでもおかしくない。

序盤はむしろベネトナシュがルファスを圧倒している

しかも戦闘開始直後からルファスが一方的に強かったわけではない。

ここも面白かった。

レベル1500へ到達したベネトナシュは速い。

とにかく速い。

ルファスですら動きを見失い、一方的に攻撃を受けるほどである。

これまで、

「どうせルファスが勝つんだろう」

という安心感がかなり強かった。

しかし今回は珍しく、

あれ、これ本当に大丈夫か?

と思わされた。

第4巻で「ルファスが強すぎるから世界の危機なのに危機感がない」と感じていたのに、今回はそのルファスを殴り続ける相手が出てきた。

ようやくルファスとまともに殴り合える相手が現れたのである。

……と思った。

と思ったら「本当のルファス」が起きてしまった

問題はここからである。

ベネトナシュの猛攻によってルファスの意識が混濁する。

そして、

本来の「ルファス」が目を覚ます。

ここから戦闘の空気が完全に変わった。

レベルは3000。

それまでルファスを圧倒していたベネトナシュとの力関係が、一気に逆転する。

しかもベネトナシュの全力の攻撃を、

指一本で止める。

いやいやいや。

さっきまでの戦いは何だったんだ。

レベル1500まで自力で到達したベネトナシュですら、本気のルファスからするとそこまで差があるのか。

レベル3000って、まだ上があるの?

さらに怖いのが、

これで限界なのか分からないこと。

レベル1000が世界の上限。

ベネトナシュが1500。

ルファスが3000。

数字の上がり方がおかしい。

しかもルファス自身、

まだ自分のすべてを理解しているようには見えない。

今回目覚めたのも、

「本来のルファス」の一部なのではないか。

そんな感じすらある。

これ以上強くなったら、

いったい誰と戦うのだろう。

もう女神本人くらいしか相手がいないのではないか。

ベネトナシュの一撃すら「目覚まし時計」

ベネトナシュも決して弱くない。

むしろ世界でもトップクラスの化け物である。

自力で世界のレベル上限を突破する。

ルファスを一時的に圧倒する。

200年間、この戦いのために待ち続ける。

それほどの存在が全力で戦った結果、

本来のルファスを起こしてしまった。

これが恐ろしい。

ベネトナシュの人生を懸けた一撃が、

ルファスにとっては、

「ようやく目が覚めた」

というきっかけになってしまう。

あまりにも相手が悪い。

それでも女神の力を拒絶するベネトナシュが格好いい

今回、ベネトナシュを一番好きになったのはここだった。

覚醒したルファスに追い詰められたベネトナシュへ、女神アロヴィナスが力を与えようとする。

それを使えばルファスに勝てるかもしれない。

実際、200年前に七英雄がルファスを倒せた理由にもつながる力である。

それでもベネトナシュは、

女神の力を捨てる。

理由は単純だった。

これは、

ルファスと自分の戦いだから。

他人から借りた力で勝っても意味がない。

女神を「三流脚本家」扱いするのが最高だった

さらにベネトナシュは、自分たちの戦いへ介入してくる女神を「三流脚本家」と切り捨てる。

ここはかなり好きだった。

前巻から、女神が人の欲望につけ込んでいることが見えてきた。

今回も同じである。

「ルファスに勝ちたい」

というベネトナシュ最大の欲望を利用してくる。

しかしベネトナシュは、

それすら拒否した。

勝ちたい。

でも、

「女神に勝たせてもらう」のは違う。

どれだけルファスに勝ちたくても、自分自身の力でなければ意味がない。

この意地が格好いい。

レオンとの違いも面白い

その一方で、レオンは女神の力を受け入れる。

ここが対照的だった。

ベネトナシュは、

「借り物の力で勝っても意味がない」

と拒否する。

レオンは、

「ルファスを超えられるなら構わない」

と受け入れる。

同じように強さを求めている二人なのに、その考え方はまったく違う。

この差が面白かった。

ベネトナシュは勝利そのものより、

ルファスと対等に戦うこと

を求めていたのだと思う。

だから女神の力で勝っても意味がない。

ベネトナシュの退場は思ったより早かった

ただ、

ベネトナシュ、ここで退場するのか……。

これはかなり意外だった。

もっと長く登場するキャラクターだと思っていた。

ルファスと並ぶ世界最強クラス。

200年前からの宿敵。

七英雄の一人。

存在感も強い。

だから今後もルファスと何度かぶつかるのかと思っていた。

しかし今回、

本当に決着をつけてしまう。

「宿敵になれたのか」が切ない

最後のやり取りも印象に残った。

ベネトナシュは、

自分がルファスの宿敵になれたのかを尋ねる。

そしてルファスも、ベネトナシュを認める。

本気で自分を倒そうとして、ここまで追い続けてきた存在。

最大の理解者だったのかもしれない。

ここまで来ると、

単純な敵ではない。

むしろ誰よりもルファスを理解していた人物だったように思える。

しかもルファス自身も、まだ弱かった頃にはベネトナシュの強さに憧れていた。

お互いがお互いを目標にしていた。

だからこそ、この決着は少し寂しかった。

200年間止まっていた時間がようやく動いた

ベネトナシュにとって、ルファスが消えた200年間は長すぎた。

約束した決着をつけられない。

唯一の好敵手もいない。

戦っても勝てる相手ばかり。

そんな状態で生き続けていた。

だから今回の敗北は、本人にとって単純な不幸ではない。

ようやく、

200年前から止まっていた時間を終わらせることができた。

負けた。

悔しい。

それでもルファスと本気で戦えた。

その満足感がある。

だからこそ最後に「有り難う」と言えたのだろう。

難儀な人である。

でも、だからこそベネトナシュらしい最期だった。

一方その頃、十二星も普通に大変なことになっている

ルファスとベネトナシュの戦いが強烈すぎて忘れそうになるが、別の場所でもかなり大きな戦いが起きている。

レオン率いる亜人連合との戦いである。

サジタリウスがレオン側にいた理由も判明する。

単純な裏切りではなかった。

ケンタウロスの里を人質に取られていたのである。

だからレオンに従うしかなかった。

ここは前巻から気になっていたので、

「やっぱりサジタリウスにも事情があったのか」

と納得した。

サジタリウスも無事に帰還

サジタリウスは、裏では十二星を誘導していた。

本来ならルファスにレオンを倒してもらうつもりだった。

しかし、

ベネトナシュがルファスをタイマンへ連れていってしまう。

計画が狂った。

ルファス一人が抜けただけで、十二星側の難易度が一気に上がってしまう。

改めて考えると、

ルファスという戦力がどれだけ異常なのかよく分かる。

最終的にはサジタリウスも戻り、仲間集めもさらに進んだ。

ゴーレム「鈴木」、何を作ってるんだ

一方、勇者・瀬衣たちの戦いは別方向でおかしい。

ケンタウロスの里で苦戦する瀬衣たち。

そこで活躍するのが、

ルファスが作ったゴーレム、

「鈴木」。

名前からして嫌な予感しかしない。

しかも最優先プロトコルが、

「リア充排除モード」。

何を作っているんだ、ルファス。

ウィルゴに、

「この人痴漢です、誰か助けて」

と叫ばせることで起動。

さらに二足歩行ロボへ変形。

サッカーボールキックで敵を撃破する。

ベネトナシュとの死闘と同じ巻とは思えない。

瀬衣は弱いけれど、やっぱり勇者だった

ただ、この戦いで瀬衣の印象もかなり良くなった。

ルファスや十二星と比べれば弱い。

これはもう仕方がない。

比較対象が悪すぎる。

それでも瀬衣は、自分にできることを考える。

そして最後には敵を固定し、

鈴木の攻撃を直撃させるために捨て身で飛び込む。

強さでは勝てない。

だから知恵と覚悟で戦う。

前巻でも感じたが、

瀬衣は能力ではなく行動が勇者らしい。

ルファスとはまったく違う主人公タイプなので、この先どう成長するのか気になる。

そしてレオンは女神の力を受け入れる

十二星との戦いで追い詰められたレオンは、女神アロヴィナスから差し出された力を受け入れる。

ベネトナシュとの対比がここで効いてくる。

ベネトナシュは拒絶した。

レオンは受け入れた。

その結果、レオンは巨大な獅子へ変貌。

十二星の攻撃すら通用しないほど強化される。

前巻で見えてきた、

「女神は本人の欲望を利用する」

という構図がさらに分かりやすくなってきた。

女神が完全にゲームマスターみたいになってきた

ベネトナシュには、

「ルファスに勝ちたいだろう?」

と力を差し出す。

レオンには、

「もっと強くなりたいだろう?」

と力を差し出す。

欲望を否定するのではなく、

欲望を叶える形で介入してくる。

だから厄介なのである。

そして自分の筋書きから外れるルファスを、女神はついに「バグ」と認識する。

……いや。

そこは女神に同意してしまった。

ルファスはどう見てもバグである。

世界を作った女神からもバグ認定される主人公

これまで読んでいるこちらが、

「ルファス、世界のバグじゃないか?」

と思っていた。

すると、

作中の女神まで同じ結論に達してしまった。

少し笑ってしまった。

レベル上限1000。

ベネトナシュが努力で1500。

そしてルファス、

3000。

しかも女神の筋書きを次々に破壊する。

予定された不幸を潰す。

魔神族の存在意義まで揺らがせる。

確かにゲーム運営側からしたら、

「こいつ何なんだよ」

となる。

でも一番怖いのは「中の人」とルファスの関係かもしれない

ただ、今回もっとも気になったのは強さそのものではない。

覚醒した「ルファス」である。

これまで主人公は、

現代日本の男性がルファスの身体に入った、

という認識で動いていた。

ところが今回の覚醒は少し違う。

別人格が突然現れたというより、

今までの自分が寝惚けていて、本来の自分が目を覚ました

ような感覚になっている。

ここが怖い。

では、

今まで主人公だと思っていた人格は何なのか。

本当に転生者なのか。

それとも最初からルファスなのか。

「本当のルファス」はどこまで知っているのか

しかも覚醒したルファスは、

十三番目の十二星『オフューカス』について口にする。

十二星すら知らない存在である。

さらに、

女神の筋書きから世界を解放するために以前から動いていたことまで示唆される。

つまり、

200年前のルファスは、すでに女神の存在に気付いていたのではないか。

今まで見えていた物語のさらに裏側で、

本来のルファスは何かを仕込んでいた。

レベル3000より、個人的にはこっちのほうが気になった。

まとめ|ベネトナシュが凄い。でもルファスはもっとおかしかった

『野生のラスボスが現れた!5』は、これまでで一番、

「この世界の強さの基準、どうなってるんだ」

と思った巻だった。

ベネトナシュが自力でレベル上限を突破。

レベル1500へ到達。

ルファスを一時的に圧倒する。

普通なら、

「ベネトナシュ強すぎる!」

で終わる。

しかし、

そのベネトナシュの全力によって、

寝ていた本来のルファスが起きてしまう。

レベル3000。

攻撃を指一本で止める。

神話級の武器を召喚する。

女神の筋書きすら破壊し始める。

もう本当に、

世界のバグである。

ただ、それ以上に印象に残ったのはベネトナシュだった。

ルファスを認めている。

好いている。

だからこそ本気で戦いたい。

そして女神から勝つための力を差し出されても、

「これは私とルファスの戦いだ」

と拒否する。

200年間待ち続け、

最後まで自分自身の力で戦い、

ルファスに宿敵として認められて終わる。

思ったより早い退場だったので寂しさはある。

それでも、

ベネトナシュにとっては最高に彼女らしい決着だったのかもしれない。

そして彼女が命懸けで叩き込んだ一撃によって、本来のルファスが目を覚ました。

その結果、

世界の女神からもバグ認定される主人公が完成してしまった。

レベル3000。

十三番目の十二星。

本来のルファスの人格。

そして、いよいよルファスを直接排除しようとする女神。

ベネトナシュとの200年越しの決着で一つの因縁が終わった一方、

物語そのものは、ここからさらに大きくなりそうである。

それにしても、

世界最強クラスのベネトナシュが命を懸けてようやく起こせるって、

ルファス、どれだけ寝起きが悪いんだ。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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考察・解説

ストーリー・プロット

第1幕:二手への戦力分散と吸血姫ベネトナシュの強襲
  • 開始時の状況 : ドラウプニルでの戦いを終えた後、放置すれば人類対亜人の大規模戦争になる事態を防ぐため、ルファス一行が手分けして行動することを決めた状況。
  • 展開 : カストール、ウィルゴ、勇者瀬衣一行はレオンとサジタリウスの動向調査のためケンタウロスの里へ向かう。ルファス、ディーナ、十二星達は最北の吸血鬼王国『ミョルニル』方面へと移動を開始する。移動ゴーレム「田中」の屋根に最北を統括する七英雄の一人・吸血姫ベネトナシュが突如飛来し、スコルピウスやアイゴケロスを即座に退け、リーブラの手首に亀裂を入れる。ベネトナシュはルファスに1対1の決着を求める決闘の「招待状」を手渡して去る。
  • 結末・影響 : ルファスはレオン側への対処を十二星やディーナに全面的に任せ、単身でミョルニルへ赴くことを決意する。このルファスの単独行動による戦力分散が、後のティルヴィングおよびケンタウロス里における十二星の著しい苦戦につながる。
第2幕:吸血鬼の王都観光と特設闘技場での決闘開始
  • 開始時の状況 : ルファスが単身で常夜の王都ミョルニルに入り、街中の観光を行っている状況。
  • 展開 : 城で待つことに痺れを切らしたベネトナシュが街中に現れ、ルファスを案内する。特設闘技場での小型魔物ハヴァリン(ルファス脳内称:バファリン)の観戦などを経て、ベネトナシュが対ルファス戦のために特別に建造させたブルートガング製ミザール鋼の頑丈な屋敷へと移動する。
  • 結末・影響 : 体感時間を圧縮した超高速の戦闘が開始される。ベネトナシュは全力を解放し、陽光遮断の暗雲を払って自らのマナを還元するとともに満月の威力を取り込み、限界値レベル1000を超越した形態(レベル1500)へと変貌する。音速を超える連続攻撃によってルファスを激しく圧倒し、一方的なサンドバッグ状態に追い込む。
第3幕:『ルファス』の真の覚醒とベネトナシュの最期
  • 開始時の状況 : ベネトナシュの苛烈な攻撃により、ルファス(中の人物)の意識が混濁・変容する状況。
  • 展開 : 覚醒したルファスは世界の限界値を超える本来の能力(レベル3000)を発揮。『エクスゲート』によりマファール塔から神話の双剣『リーヴスラシル』を直接召喚する。戦闘の最中、窮地に陥ったベネトナシュへ女神アロヴィナスが天力の授与を試みるが、ベネトナシュは「三流脚本家」と一蹴して自力で排斥する。ベネトナシュは自らの命と全マナを賭した最大魔法『銀の矢放つ乙女』および突撃を繰り出す。
  • 結末・影響 : ルファスはベネトナシュの全力を正面から受け止め、マナ錬成『地を揺らすもの』および『狼の冬』の巨大狼、そして剣戟で彼女の心臓を貫く。ベネトナシュは宿敵の腕の中で感謝を口にして息絶え、遺体は部下の吸血鬼達へ引き渡される。ルファスはディーナ達との合流へ向けて動き出す。
第4幕:ケンタウロスの里の潜入調査と人質解放戦
  • 開始時の状況 : 瀬衣、カストール、ウィルゴ、ジャン、ガンツ達がゴーレム「鈴木」に乗り、ケンタウロスの里へ向かっている状況。
  • 展開 : カストールの水属性イリュージョン魔法薬で亜人に変装して里へ潜入する。長老ダービーとの対話により、サジタリウスがレオンに従う理由は里の同族が人質として脅迫されているためと判明する。そこへ亜人連合の幹部・蜘蛛男サージェスやドライアド、ラミアらの見張り軍勢が現れ、戦闘が勃発する。
  • 結末・影響 : ウィルゴの悲鳴「この人痴漢です、誰か助けて」により、過保護設定されたゴーレム「鈴木」(レベル350)の最優先プロトコル「リア充排除モード」が起動し、二足歩行ロボ『アサルトフォーム』に変形して乱入する。瀬衣が捨て身でサージェスを固定し、鈴木のサッカーボールキックを直撃させて撃破。カストールが残りの敵を拘束し、里の人質構造を打ち破る。
第5幕:ティルヴィングの決戦とサジタリウスの離反
  • 開始時の状況 : リーブラ、アイゴケロス、スコルピウス、カルキノス、ディーナが亜人首都ティルヴィングのレオンを遠距離から急襲した状況。
  • 展開 : 十二星中で最高値の物理攻撃力を誇る獅子王レオンとの戦闘となる。新武装『アストライア』と合体したリーブラの全砲門照射『フルファイア』や、カルキノスのカウンター『アクベンス』で攻めるが、レオンの圧倒的パワーと耐久力に苦戦する。
  • 結末・影響 : 敗北の窮地に陥ったその時、サジタリウスが転移スキル『アルナスル』を発動し、十二星全員を抱えてケンタウロスの里へと脱出・転移させる。サジタリウスの明確な離反を知ったレオンは激怒し、見せしめとしてケンタウロスの里を壊滅させるべく直接追撃を開始する。
第6幕:女神の力を得た獅子王とアリエスの覚醒・防衛戦
  • 開始時の状況 : 追撃してきた巨獣形態のレオンがケンタウロスの里へ現れ、圧倒的な力で十二星と瀬衣達を蹂躙する状況。
  • 展開 : 敗北の危機においてレオンは躊躇なく女神アロヴィナスからの膨大な天力を受容し、巨獣化・巨大化して暴走する。カルキノスの防御スキル『テグミン』による防御すら打ち破られる中、本能的な恐怖に竦んでいたアリエスはディーナの言葉とルファスへの信頼によって覚醒し、人型のまま「神殺しの炎(メサルティムVer.1)」を纏って参戦する。さらにディーナが『エクスゲート』で戦場全体を亜空間特異点へ放逐し、周囲への被害を遮断した上で巨大流星攻撃『明けの明星』を放ちレオンを足止めする。
  • 結末・影響 : ディーナの補助天法で能力上昇・全快を受けたアリエスと十二星が結集し、女神の傀儡と化したレオンとの最終防衛戦へと突入する。

主要な転換点

1:ベネトナシュによるタイマン決闘の招待
  • それ以前の状況 : ルファス達は亜人との戦争阻止のため、レオンの説得・回収を最優先にして行動を開始していた。
  • 出来事 : ベネトナシュが移動ゴーレム「田中」の屋根に突然現れ、十二星を退けてルファスに1対1の決闘状を手渡した。
  • 変化 : ルファスはレオン対策をディーナや十二星に任せ、単身でミョルニルへ向かうという単独行動への変更を余儀なくされた。
  • 次への影響 : 十二星のみでティルヴィングのレオンと対峙することになり、ルファス不在による大幅な戦力低下と後の各個撃破の苦戦につながった。
2:ベネトナシュによる女神の介入(天力授与)の排斥
  • それ以前の状況 : ベネトナシュはルファスの圧倒的な覚醒能力(レベル3000)の前に追い詰められ、満身創痍となっていた。
  • 出来事 : 戦いの最中、女神アロヴィナスがベネトナシュへ天力を与えて勝利させようと介入してきたが、ベネトナシュはそれを「三流脚本家」と呼んで自らの意思で拒絶・排斥した。
  • 変化 : ベネトナシュは借り物の力に頼らず、自身の生身の全能力(レベル1500)のみでルファスとの決着を選ぶ姿勢を貫いた。
  • 次への影響 : 宿敵同士の純粋な1対1の決着が果たされ、ベネトナシュは満足して息絶え、ルファスに強い感慨を残した。
3:ケンタウロス里の人質構造の判明とサジタリウスの救出行動
  • それ以前の状況 : サジタリウスは覇道十二星でありながらレオンと同盟を結び、ルファス達に対立していると見られていた。
  • 出来事 : 瀬衣一行の潜入調査により、レオンがケンタウロスの里を滅ぼすと脅して人質にしていた事実が判明。またティルヴィングで追い詰められた十二星をサジタリウスが『アルナスル』で救援・転移させた。
  • 変化 : サジタリウスの裏切りの真相(脅迫による不本意な従属)が証明され、サジタリウスが正式に十二星側に復帰・離反した。
  • 次への影響 : 激怒したレオンがケンタウロスの里へと直接侵攻を開始する原因となった。
4:ゴーレム「鈴木」のリア充排除・アサルトフォーム起動
  • それ以前の状況 : 瀬衣達は実力上位の蜘蛛男サージェス達の立体的な機動性に押され、ジリ貧の戦況に陥っていた。
  • 出来事 : 瀬衣の意図的な指示を受けたウィルゴが「この人痴漢です、誰か助けて」と叫んだことで、ゴーレム「鈴木」の最優先プロトコル(リア充・不届き者排除)が作動し、二足歩行ロボ『アサルトフォーム』に変形して突進してきた。
  • 変化 : 瀬衣がサージェスを固定して「鈴木」のサッカーボールキックを直撃させたことで、敵幹部サージェスを戦闘不能へ追い込んだ。
  • 次への影響 : ケンタウロスの里を監視・拘束していた見張り軍勢が全滅し、里の人質状態が完全に解消された。
5:レオンへの女神の直接支援(天力授与)と巨獣化
  • それ以前の状況 : レオンは十二星の連携やカルキノスのカウンターにより、徐々に体力を削られていた。
  • 出来事 : 敗北の危機に直面したレオンはプライドを捨て、脳裏に現れた女神アロヴィナスの手を掴んで膨大な天力を受容した。
  • 変化 : レオンは神聖な光を放ちながら巨大な獅子王(巨獣形態)へ変貌し、毒の無効化と莫大なステータス上昇を獲得した。
  • 次への影響 : 十二星全員の物理・魔法攻撃が通用しない絶対的な危機が生じ、アリエスの覚醒と全員による総力防衛戦へ発展した。

ルファスを中心とした人物関係の変化

ベネトナシュ
  • 開始時 : 200年間決着を預け合っていた宿敵。協定関係にあったがルファス敗北により途切れていた状態。
  • 主な出来事 : 王都ミョルニルでの再会、1対1の決闘、女神アロヴィナスの介入排斥、全力を尽くした死闘。
  • 巻末時 : ルファスが彼女を討ち取り、腕の中で看取ったことで決着。お互いを最高の理解者・宿敵と認め合った末の死別。
サジタリウス
  • 開始時 : レオンと手を組み、ルファス達と敵対しているように見えた元部下。
  • 主な出来事 : ケンタウロスの里が人質に取られていた事実の判明、サジタリウスによる十二星の緊急救出(『アルナスル』)。
  • 巻末時 : 脅迫による不本意な離反であったことが判明し、再びルファス陣営(十二星)として共に戦う関係へ復帰。
レオン
  • 開始時 : ルファスへの強い憎悪と敗北の屈辱を抱き、自ら世界支配を目指す敵対者。
  • 主な出来事 : 十二星との戦闘、追い詰められた末の女神アロヴィナスの力(天力)の受容。
  • 巻末時 : 完全な敵対関係のまま、女神の力を得て暴走する討伐対象(女神の傀儡)としての対立が決定化。
ルファス(およびその配下) ⇔ 瀬衣(勇者)
  • 開始時 : 警戒と不信感を抱きつつも、目的のために一時的に共闘・別行動をとる関係。
  • 主な出来事 : カストールとのケンタウロス里潜入、ルファスが用意したゴーレム「鈴木」を活用した連携・勝利。
  • 巻末時 : 瀬衣側がルファスの過剰な配慮や地球的技術力に戸惑いつつも、戦力および支援関係として協力体制が定着。

主人公の認識と周囲の評価

ルファス自身の認識
  • 自分は平和な日本から召喚された一般人であり、「ルファス」の身体や口調に引きずられているという認識。
  • 自らの知識や行動力に限界を感じており、強敵(ベネトナシュ等)との戦闘時には「勝てないかもしれない」「見失った」という恐怖や困惑を抱く。
  • しかしベネトナシュとの戦いの中で意識が研ぎ澄まされると、本来の「覇王ルファス」の意識が表出し、レベル3000の圧倒的ステータスと『リーヴスラシル』等の武具を無意識に自在に行使する。その際、無意識に「全ては予定通り」「寝惚けていた」と口にし、十三番目の十二星『オフューカス』の存在に言及する。自らの人格が「ルファス」の全能感に浸食・同化されていく恐怖を抱いている。
周囲からの評価
  • ベネトナシュの評価 :
  • 自分と対等以上に戦える唯一無二の宿敵であり、心から尊敬し焦がれる絶対的強者。
  • 小細工や情けを嫌い、全力で自らを叩き潰してくれる存在と信じている。
  • 覇道十二星(アリエス、リーブラ、スコルピウス等)の評価 :
  • 絶対的で正しく、どんな窮地でも勝利をもたらす全能の主。
  • 与えられた能力(アリエスの炎、リーブラの武装、鈴木の機能等)はすべて主の深謀遠慮によるものと全幅の信頼を寄せる。
  • レオンの評価 :
  • かつて自分に敗北と屈辱を刻みつけた絶対に許せない憎悪の対象。
  • 超えて喰らい尽くすべき壁であり、自分を脅かす存在。
  • 瀬衣(勇者)の評価 :
  • 圧倒的すぎて理解の及ばない存在。地球の技術や文化(キャンピングカー、トラック、名前「鈴木」など)を知っていることに恐怖し、「ミズガルズ統一の先にある最終目標として地球侵略を企んでいるのではないか」という致命的な誤解・警戒を含んだ畏怖の対象。
認識の差が現れた場面
  • ベネトナシュ戦での「覚醒」場面 :
  • 中の人 : 攻撃を受け続けて意識が混濁し、恐怖を感じている。
  • 周囲(ベネトナシュ) : 本気を出し覚醒してくれたと歓喜。実際にルファスは一人称を「余」とし、レベル3000の力と武具を即座に使いこなして圧勝した。
  • ゴーレム「鈴木」の仕様 :
  • 中の人 : 冗談や過保護のつもりで付与した「リア充排除機能」や地球風デザイン。
  • 周囲(瀬衣・クルス等) : 地球侵略の伏線や、極めて高度で解読不可能な古代オーバーテクノロジーの最高傑作として驚愕・誤解。

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まとめ
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登場キャラクター

覇王軍 / 覇道十二星天

ルファス・マファール

かつて世界を統一した天翼族の覇王。現代日本の男性ゲーマーの意識が宿った存在となる。周囲からは恐れられるが、仲間や宿敵に対して敬意や配慮を見せる。

・所属組織、地位や役職  覇王軍。最高指導者。

・物語内での具体的な行動や成果  ベネトナシュからの招待を受けて単身ミョルニルへ赴く。激闘の末に彼女の心臓を貫いて勝利を収める。亜人たちを保護してマファール塔へ転移させる。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  ベネトナシュとの戦いの中で本来の記憶を取り戻す。レベルが三千へ達して『先を往く者』の能力を発現させる。

ディーナ

ルファスの参謀を務めるハーフエルフ。正体は運営のテストプレイヤーであり魔神族の『金のウェヌス』となる。軽妙な態度を取りつつ裏で画策を行う。

・所属組織、地位や役職  覇王軍。参謀。

・物語内での具体的な行動や成果  ティルヴィング城へ遠距離魔法を叩き込む。逃走中にエクスゲートでレオンを攻撃してアリエスを治療する。亜人たちをマファール塔へ転移させる。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  タウルスに正体を見破られて詰め寄られる。ルファスの庇護を受けて追及を免れる。

アリエス(『牡羊』のアリエス)

覇道十二星天の一角となる虹色の羊。ルファスへ絶対の忠誠を寄せる。可憐な少年の容姿を持つ。

・所属組織、地位や役職  覇道十二星天。『牡羊』のアリエス。

・物語内での具体的な行動や成果  ティルヴィング戦でレオンに立ち向かう。ディーナの言葉で奮起して覚醒した火炎でレオンを撃破する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  ルファスの覚醒に伴い能力が上昇する。十二星最大の攻撃力を発揮して勝利へ貢献する。

リーブラ(『天秤』のリーブラ)

ミザールとルファスが制作したゴーレム。メイドの容姿を持つ。感情を見せず機械的な判断で行動する。

・所属組織、地位や役職  覇道十二星天。『天秤』のリーブラ。

・物語内での具体的な行動や成果  ティルヴィングへ遠距離砲撃を行う。新兵装アストライアと合体して全砲門発射を放つ。レオンの剛拳を受けて破損する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  サジタリウスの転移魔法により命拾いをする。

アイゴケロス(『山羊』のアイゴケロス)

覇道十二星天の一角となる悪魔の王。山羊の頭部を持つ。主に対して深い忠誠心を示す。

・所属組織、地位や役職  覇道十二星天。『山羊』のアイゴケロス。

・物語内での具体的な行動や成果  レオンへ襲いかかるが返り討ちに遭う。巨大化してレオンを牽制する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  ルファスの覚醒により能力の上昇を得る。

スコルピウス(『蠍』のスコルピウス)

覇道十二星天の一角となる蠍の魔物。ルファスへ激しい愛願を向ける。妖艶な女性の容姿を持つ。

・所属組織、地位や役職  覇道十二星天。『蠍』のスコルピウス。

・物語内での具体的な行動や成果  レオンへ毒を打ち込む。敗北したレオンや亜人たちへ攻撃を加えようとする。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  主へ敵対した存在に対して冷酷な態度を貫く。

カルキノス(『蟹』のカルキノス)

覇道十二星天の一角となる蟹の魔物。レベル八百の防御力を誇る。陽気でハイテンションな性格を持つ。

・所属組織、地位や役職  覇道十二星天。『蟹』のカルキノス。

・物語内での具体的な行動や成果  レオンの攻撃を『アクベンス』で打ち返す。自身のスキル『アルタルフ』を発動してアリエスの攻撃力を強化する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  レオンの激しい連撃を受けて戦闘不能へ陥る。

ウィルゴ(『乙女』のウィルゴ)

パルテノスの後継として加入した天翼族の少女。純白の翼を持つ。自分を弱者と思い込む傾向を示す。

・所属組織、地位や役職  覇道十二星天。『乙女』のウィルゴ。

・物語内での具体的な行動や成果  ケンタウロスの里へ向かう。ラミアとの戦闘で苦戦する。瀬衣の叫びを受けて救助を呼ぶ。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  戦闘での経験不足から課題を残す。

カストール(『双子』のカストール)

覇道十二星天の一角となるケンタウロス族の青年。片目に眼帯を着用する。常識人だが少し抜けた一面を見せる。

・所属組織、地位や役職  覇道十二星天。『双子』のカストール。

・物語内での具体的な行動や成果  勇者一行をケンタウロスの里へ案内する。襲撃してきた亜人たちの群れを加減しながら撃退する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  卓越した戦闘力で後衛を支える。

サジタリウス(『射手』のサジタリウス)

覇道十二星天の一角となるケンタウロス族の狙撃手。サングラスを着用する。同胞を守るため苦悩する。

・所属組織、地位や役職  覇道十二星天。『射手』のサジタリウス。

・物語内での具体的な行動や成果  里を人質に取られてレオンへ従う。スキル『アルナスル』を応用して十二星たちや亜人たちを転移させる。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  ルファスから行動を不問とされて配下へ復帰する。

レオン(『獅子』のレオン / 獅子王レオン)

覇道十二星天の一角となる獅子の魔物。己こそが最強と信じる。粗暴で傲岸な性格を持つ。

・所属組織、地位や役職  覇道十二星天。『獅子』のレオン。亜人連合首領。

・物語内での具体的な行動や成果  十二星たちを力で圧倒する。女神の力を受け入れて巨大な獅子へ変貌する。アリエスの一撃とタウルスのスキルを受けて倒れる。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  ルファスによって光の鎖で拘束される。

タウルス(『牡牛』のタウルス)

覇道十二星天の一角となるミノタウロスの戦士。鉄仮面を装着する。無口で武骨な性格を持つ。

・所属組織、地位や役職  覇道十二星天。『牡牛』のタウルス。

・物語内での具体的な行動や成果  地下世界から飛来する。スキル『アルデバラン』で行使された女神の力を粉砕する。ディーナの隠れ潜む空間を叩き割る。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  ルファスを友として認める。確認を終えて地下世界へ帰還する。

田中(キャンピングカー型ゴーレム)

ルファスが錬成した移動用ゴーレム。高い素早さを示す。自律走行や飛行を行う。

・所属組織、地位や役職  覇王軍。移動用ゴーレム。

・物語内での具体的な行動や成果  一行を乗せて北の領域へ走行する。レオンの襲撃により屋根を破壊される。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  移動拠点として機能する。

鈴木(キャンピングカー型ゴーレム二号機)

ルファスが新しく錬成したゴーレム。内部に豪華な設備を備える。

・所属組織、地位や役職  覇王軍。移動用ゴーレム二号機。

・物語内での具体的な行動や成果  勇者一行を乗せて時速六十キロで走行する。リア充排除モードを発動して瀬衣を屋根へ追い出す。ロボット形態へ変形してサージェスへ蹴りを叩き込む。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  驚異的な戦闘機能を示す。

アストライア(ゴーレム)

ミザールとルファスが共同で制作したゴーレム。六枚の鋼鉄の翼を持つ。

・所属組織、地位や役職  覇王軍。支援ゴーレム。

・物語内での具体的な行動や成果  リーブラの召喚に応じてブルートガングから飛来する。リーブラと合体して四門の大砲を提供する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  リーブラの威力を飛躍的に向上させる。

吸血鬼の帝国ミョルニル

ベネトナシュ(『吸血姫』ベネトナシュ)

七英雄の一人であり吸血鬼の頂点に立つ少女。自他ともに認める天才となる。ルファスを唯一の理解者・宿敵と定める。

・所属組織、地位や役職  七英雄。吸血鬼の帝国ミョルニル皇帝。『吸血姫』。

・物語内での具体的な行動や成果  ルファスへ招待状を渡す。ミョルニルでルファスと一対一の決闘を行う。女神からの力を拒絶して己の全霊で戦う。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  ルファスの剣に貫かれて倒れる。安らかな笑みを浮かべて息を引き取る。

ラガート(時計塔の警備の吸血鬼)

ミョルニルの時計塔で警備を務める吸血鬼。五百六十歳となる。

・所属組織、地位や役職  ミョルニル。時計塔警備兵。

・物語内での具体的な行動や成果  高層建築物からルファスとベネトナシュの決闘を目撃する。後に憲兵団の調査に対して当時の状況を語る。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  超常的な戦いを目撃して呆然とする。

ベネトナシュの部下たち(吸血鬼たち)

ベネトナシュへ心からの忠誠を捧げる吸血鬼の幹部たち。レベル五百以上を誇る。

・所属組織、地位や役職  ミョルニル。側近・高級貴族。

・物語内での具体的な行動や成果  決闘の場へ駆けつける。ベネトナシュの遺体を優しく抱き上げる。ルファスへ感謝と礼を伝える。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  主の国葬を行うため城へ帰還する。

屍食鬼たち(アンデッド)

死体がマナで変質して復活した生物。青い肌を持つ。

・所属組織、地位や役職  ミョルニル。労働者階級。

・物語内での具体的な行動や成果  王都で店舗の営業や作業を行う。屋台で苺味のジャムのクレープをルファスへ販売する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  吸血鬼の国で生活を営む。

ハヴァリン(闘技場の魔物)

グズリが変異した小柄な魔物。恐怖心が欠落している。

・所属組織、地位や役職  闘技場。戦闘魔物。

・物語内での具体的な行動や成果  体長五メートルの巨大なカバの魔物と戦う。噛みついて離さずに失神へ追い込んで勝利を収める。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  闘技場でジャイアントキリングを起こす。

闘技場の魔物たち

捕獲されてミョルニルへ連れてこられた魔物たち。

・所属組織、地位や役職  闘技場。見世物。

・物語内での具体的な行動や成果  闘技場で観客の前で死闘を強制される。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  吸血鬼たちの娯楽として処理される。

亜人連合ティルヴィング / 亜人の里

蜘蛛男(サージェス / 軍曹)

アシダカグモの頭部と手足を持つ蟲人。冷静で仲間思いな一面を見せる。

・所属組織、地位や役職  亜人連合。幹部。

・物語内での具体的な行動や成果  ケンタウロスの里へ軍勢を率いて現れる。勇者一行と交戦する。鈴木の体当たりと瀬衣の仕掛けにより倒れる。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  ルファスの説得を受けてマファール塔への移住を受け入れる。

ラミア

上半身が人間で下半身が蛇の魔物。気性が荒い。

・所属組織、地位や役職  亜人連合。幹部。

・物語内での具体的な行動や成果  ウィルゴと一対一の遠距離魔法戦を展開する。カストールの風の圧力により拘束される。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  ルファスの圧倒的な火力を目の当たりにして不満を飲み込む。

ドライアド

植物の少女の姿を持つ魔物。感情的な性格をする。

・所属組織、地位や役職  亜人連合。幹部。

・物語内での具体的な行動や成果  幼いケンタウロスを捕らえて痛めつけようとする。フリードリヒと女騎士の異様な姿に恐怖して逃げ惑う。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  カストールによって全自動で拘束される。

半魚人

魚の頭部を持つ亜人。人顔の美形へ嫉妬を向ける。

・所属組織、地位や役職  亜人連合。幹部。

・物語内での具体的な行動や成果  カストールへ挑みかかる。流星拳を受けて吹き飛ぶ。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  イケメンへの憤りを抱えて倒れる。

ダービー(ケンタウロスの老人)

ケンタウロスの里を取り仕切る老人。耳が良い。

・所属組織、地位や役職  ケンタウロスの里。長。

・物語内での具体的な行動や成果  足音からジャンの変装を見破る。勇者一行へサジタリウスの苦悩を伝える。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  サジタリウスの自由のために協力を求める。

幼いケンタウロスの少年

里で暮らす幼少のケンタウロス。

・所属組織、地位や役職  ケンタウロスの里。住民。

・物語内での具体的な行動や成果  ドライアドに捕らえられて投げ落とされる。フリードリヒと女騎士に救出されるが気絶する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  危機を脱して無事に保護される。

蜂の亜人たち(見張りの兵士)

ミツバチの顔を持つ亜人たち。

・所属組織、地位や役職  亜人の里。見張り兵。

・物語内での具体的な行動や成果  カストールの言葉を信じて一行を招き入れる。暴走した鈴木にはね飛ばされる。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  里の警備を担当する。

ケンタウロスたち

下半身が馬の亜人たち。警戒心が強い。

・所属組織、地位や役職  亜人の里。住民。

・物語内での具体的な行動や成果  質素な木造の家で生活を送る。サジタリウスの転移魔法によりマファール塔へ移動する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  人質状態から解放される。

亜人たち(蟲人、人魚、植物人、蛇人、巨人など)

人間に魔物として追われた多種多様な人々。

・所属組織、地位や役職  亜人連合ティルヴィング。住民。

・物語内での具体的な行動や成果  ティルヴィングの区画で生活する。ルファスの演出したソーラーフレアの跡を目撃して恐れおののく。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  サジタリウスの手により全員がマファール塔へ避難する。

勇者一行

南十字瀬衣(勇者)

現代日本から召喚された男子高校生。苦労性で真面目な性格を持つ。

・所属組織、地位や役職  勇者一行。勇者。

・物語内での具体的な行動や成果  鈴木の機能で屋根へ追い出される。変身薬でオーガの姿へ変わる。「この人痴漢です」と叫ばせて鈴木を呼び寄せる。サージェスへ飛びついて共に倒れる。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  機転と捨身の覚悟でカストールから評価を受ける。

ジャン

冒険者『鷹の瞳』のリーダー。豪快で無謀な行動を取る。

・所属組織、地位や役職  勇者一行。前衛剣士。

・物語内での具体的な行動や成果  ケンタウロスの姿に変装して里の老人と交渉する。サージェスとの戦闘へ挑む。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  大胆な発言で場の会話を進める。

ガンツ

最強と称されるベテラン傭兵。巨大な戦斧を振るう。

・所属組織、地位や役職  勇者一行。前衛傭兵。

・物語内での具体的な行動や成果  カブトムシの姿に変装する。サージェスと斧を交えて打ち合う。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  高い前衛の耐久力を示す。

クルス

エルフの天法使い。非常に生真面目な性格を持つ。

・所属組織、地位や役職  勇者一行。後衛魔術師。

・物語内での具体的な行動や成果  バッタの怪人の姿に変装する。知的な口調でダービーと会話を交わす。ディーナの超人的な魔法行使を目撃して衝撃を受ける。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  一行の解説や交渉を補佐する。

カイネコ

虎猫の獣人。声が無駄に渋い。

・所属組織、地位や役職  勇者一行。案内人。

・物語内での具体的な行動や成果  本物の猫に変身して一行を先導する。ルファスの巨大な魔法を目撃して泣きそうになる。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  ルファスの提案に即座に従う。

フリードリヒ(虎の剣聖)

人類最強とされる虎の獣人。剣聖の称号を持つ。

・所属組織、地位や役職  勇者一行。剣聖。

・物語内での具体的な行動や成果  パーティー用のお遊び薬により虎とケンタウロスと蛾の合体した怪物に変身する。子供を救出してドライアドを追いつめる。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  異様な姿で敵の戦意をくじく。

クリスティアナ(女騎士)

レーヴァティン王国の女騎士。凛とした態度を取る。

・所属組織、地位や役職  勇者一行。護衛騎士。

・物語内での具体的な行動や成果  ゴリラとアラクネが合体した姿に変装する。騎士道に反するドライアドへ怒りを爆発させて襲いかかる。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  圧倒的な迫力で敵を追い回す。

魔神族

魔神王オルム

魔神族を統率する絶対的な王。ルファスを警戒する。

・所属組織、地位や役職  魔神族。最高指導者。

・物語内での具体的な行動や成果  二百年前にベネトナシュへルファスの復活時期を伝える。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  自身の意思で世界の命運を見据える。

テラ

魔神王の息子と称される魔神族。礼儀正しい態度を取る。

・所属組織、地位や役職  魔神族。指揮官。

・物語内での具体的な行動や成果  妖精郷アルフヘイムを訪問する。ポルクスへアバターの作り方の教授を請う。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  亡き友との誓いを果たすため行動する。

妖精郷アルフヘイム / 聖域の守護者

ポルクス(妖精姫ポルクス)

全ての妖精の頂点に立つ少女。トリコロールのドレスを纏う。

・所属組織、地位や役職  妖精郷アルフヘイム。妖精姫。

・物語内での具体的な行動や成果  訪問したテラを出迎える。アバターの作成方法の開示を拒否する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  世界に存在する光の長として君臨する。

エインフェリア(英雄の魂)

ポルクスに仕える鎧を着た英雄の魂。

・所属組織、地位や役職  妖精郷アルフヘイム。護衛。

・物語内での具体的な行動や成果  ポルクスの隣に佇んでテラを牽制する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  主を守護する。

エイル(戦乙女エイル)

歴史上の戦乙女。人々に果実を恵んだとされる。

・所属組織、地位や役職  聖域の守護者。

・物語内での具体的な行動や成果  ポルクスの召喚によりテラの前に顕現する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  英霊として再臨する。

ブリュンヒルド

高潔な戦士を導く戦乙女。

・所属組織、地位や役職  聖域の守護者。

・物語内での具体的な行動や成果  ポルクスの召喚により姿を現す。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  英霊としてテラへ立ちはだかる。

英霊たち(アルゴナウタ) / 天使の軍勢

歴代の聖域の守護者や初期の天翼族たちの集団。レベル七百以上を誇る。

・所属組織、地位や役職  妖精郷アルフヘイム。英霊軍勢。

・物語内での具体的な行動や成果  百以上が集結してテラを囲む。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  ポルクスの命令に従い全軍で立ちはだかる。

クラウン帝国(過去の場面)

アリオト(『剣王』アリオト)

過去の場面でルファスと旅をしていた剣士。豪快な性格を持つ。

・所属組織、地位や役職  ルファス一行。冒険者。『剣王』。

・物語内での具体的な行動や成果  クラウン帝国で竜たちと交戦する。偽竜の死体に化けてラードゥンを油断させる。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  ルファスとともにクラウン帝国を救う。

メグレズ(『賢王』メグレズ)

過去の場面でルファスと旅をしていたエルフの魔術師。

・所属組織、地位や役職  ルファス一行。冒険者。『賢王』。

・物語内での具体的な行動や成果  水魔法アプサラスで竜たちを撃破する。死体をルファスたちの姿へ偽装する魔法を行使する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  高い魔法技術で戦術を支援する。

ミザール(『鍛冶王』ミザール)

過去の場面でルファスと旅をしていたドワーフのアルケミスト。

・所属組織、地位や役職  ルファス一行。冒険者。『鍛冶王』。

・物語内での具体的な行動や成果  ハンマーで竜を殴り飛ぶ。勝利後に豪快な高笑いを上げる。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  錬金術と前衛打撃で活躍する。

ラードゥン(竜王ラードゥン)

南東の大陸を支配していた巨大なドラゴン。十の首を持ち、首ごとに独立した意思を持つ。残酷で残忍な性格をする。

・所属組織、地位や役職  竜族。竜王。

・物語内での具体的な行動や成果  クラウン帝国へ生贄としてルファスたちを要求する。偽竜の死体を呑み込んで油断したところを襲われる。十のブレスでルファスを追いつめるが首を切断されて敗北する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  ルファスに討伐されて命を落とす。

ポレアリス(クラウン帝国国王)

クラウン帝国を統治していた国王。苦悩の末に苦渋の決断を下す。

・所属組織、地位や役職  クラウン帝国。国王。

・物語内での具体的な行動や成果  民を守るためルファスたちを竜王へ引き渡す命令を出す。ルファスの計略を受け入れて協力する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  自らを悪党と称して国を防衛する。

アルフェッカ

クラウン帝国の西の砦の隊長。褐色の肌を持つ優秀な剣士となる。

・所属組織、地位や役職  クラウン帝国。西の砦隊長。

・物語内での具体的な行動や成果  王の引き渡し命令に激しく抗議する。引き揚げていくルファスたちの帰還を出迎える。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  英雄たちの勝利に歓喜する。

メリディアナ

高齢の女性メイジ。アルフェッカを補佐する。

・所属組織、地位や役職  クラウン帝国。参謀。

・物語内での具体的な行動や成果  アルフェッカとともに王の間で立ち会う。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  帝国の防衛戦を支える。

フェクダ

砦の門番を務めていたフローレシエンシス族の兵士。

・所属組織、地位や役職  クラウン帝国。兵士。

・物語内での具体的な行動や成果  冒険者たちの活躍を褒め称える。死体を引きずるルファスの姿を目撃して叫び声をあげる。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  無事に生還した英雄たちを歓声で迎える。

ドゥーベ

語尾にベアを付ける白熊の獣人兵士。

・所属組織、地位や役職  クラウン帝国。兵士。

・物語内での具体的な行動や成果  フェクダの興奮を宥める。ルファスの勝利に胸を撫で下ろす。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  砦の防衛を務め上げる。

クラウン帝国の兵士たち / 騎士たち

クラウン帝国を守る兵士集団。苦渋の思いを抱える。

・所属組織、地位や役職  クラウン帝国。兵士・騎士。

・物語内での具体的な行動や成果  王の命令を受けて涙を流しながらルファスたちを囲む。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  国を救った英雄たちの生還に涙を流して喜ぶ。

竜(ドラゴン)たち / 偽竜たち

ラードゥンに従う巨大な魔物たち。レベル四百以上を誇る。

・所属組織、地位や役職  竜王配下。

・物語内での具体的な行動や成果  クラウン帝国へ侵攻する。ルファスの剣の冬やメグレズの水魔法を受けて全滅する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  強大な戦力として帝国を圧迫する。

創世神

創世神アロヴィナス

ミズガルズ世界を創世したとされる女神。人々に適度な絶望を与えて幸福を実感させるシナリオを描く。

・所属組織、地位や役職  創世神。世界創世の女神。

・物語内での具体的な行動や成果  ベネトナシュへ力を差し出すが拒絶される。レオンへ天力を与えて強制的に暴走させる。ルファスを世界から排除すべきバグと判断して無限の軍勢の投入を決意する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項  シナリオを崩壊させるルファスに対して最大の敵対意志を向ける。

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展開まとめ

二手に分かれた追跡

ドラウプニルで勇者一行やメルクリウス、サジタリウス、さらに亜人勢力までが絡む騒動に遭遇したルファスたちは、放置すれば人類と亜人の大規模な戦争へ発展すると考えた。

ルファスはレオンとサジタリウスを回収するため、戦力を二手に分けた。瀬衣たち勇者一行とカストール、ウィルゴは、サジタリウスが守ろうとしているケンタウロスの里へ向かった。一方、ルファスたちはレオン率いる亜人連合ティルヴィングを目指した。

ティルヴィングは、人類として扱われなかったケンタウロス、人魚、蟲人、植物人、蛇人、巨人などが集まって成立した勢力であった。彼らは身体的な特徴だけを理由に魔物として扱われ、討伐対象にされてきた者たちでもあったため、ルファスは単純に敵として滅ぼすことには抵抗を感じていた。

さらにティルヴィングの近くには、吸血姫ベネトナシュが支配するミョルニルが存在していた。ベネトナシュはそこにいるだけで魔神族の侵攻を止めるほどの抑止力となっており、ルファスはレオンと戦う前に彼女への対処も必要だと考えた。

ベネトナシュとの再会

移動中のルファスたちの前へ、銀髪の少女ベネトナシュが突然現れた。

ベネトナシュはルファスの復活を心から喜んでいたが、その目的は二百年前に果たせなかった決着をつけることであった。リーブラ、スコルピウス、アイゴケロスが彼女へ攻撃を仕掛けても、ベネトナシュは圧倒的な速度と力で簡単に退けた。

ベネトナシュにとって、レオンを含む他の強者は勝てると分かっている相手でしかなかった。勝敗が分からず、敗北する可能性まで含めて全力で挑める存在はルファスだけであり、だからこそ彼女は二百年間、再戦だけを待ち続けていた。

ベネトナシュはミョルニルへの招待状をルファスへ渡し、今度こそ誰にも邪魔されず、一対一でどちらかが死ぬまで戦いたいと告げた。

ルファスは誘いを受けることを決め、レオンへの対処を十二星たちへ任せて単身ミョルニルへ向かった。

二百年間の執着

ベネトナシュは生まれながらに他の吸血鬼を圧倒する力を持ち、長い間、自分と対等に戦える存在を知らなかった。

竜王、魔神王、獅子王と並ぶ世界最強の一角と呼ばれながら、彼女にとって勝利は当たり前であり、戦いは退屈なものだった。

その認識を初めて変えたのがルファスであった。竜王を単独で倒したルファスがミョルニルへ攻め込み、ベネトナシュは初めて敗北を覚悟する戦いを経験した。

その後、ベネトナシュはルファスが世界を統一するまで協力し、すべてが終わった後に再戦する約束を交わしていた。

二百年前、二人はついに全力で激突した。ベネトナシュは追い詰められながらも最後の一撃へ出ようとしたが、その瞬間に七英雄がルファスへ妨害を仕掛けた。その結果、ベネトナシュの攻撃がルファスへ傷を負わせ、ルファスは戦いを中断して七英雄との戦場へ向かった。

ルファスは戻ると約束したが、そのまま七英雄に敗れ、ベネトナシュの前へ戻ることはなかった。

生き甲斐を失ったベネトナシュは世界への関心を失い、七英雄が魔神王と戦う際にも協力しなかった。

その後、魔神王からルファスが約百五十年後に復活すると知らされ、ベネトナシュは再びその時を待ち続けたのである。

ミョルニルでの決闘

ルファスがミョルニルを訪れると、ベネトナシュはすぐに戦おうとした。しかしルファスは再会直後に殺し合うだけでは味気ないと考え、街を案内させた。

ベネトナシュは闘技場などを案内したが、やがて戦いを我慢できなくなり、ルファスとの決闘用に用意していた建物へ彼女を連れて行った。

戦闘が始まると、ベネトナシュはルファスすら見失うほどの速度を見せた。ルファスも応戦し、肉弾戦や錬金術を駆使したが、ベネトナシュは傷を受けても即座に再生し、攻撃を続けた。

さらに満月の力を得たベネトナシュは、自らレベル千の限界を超えた力を発揮した。速度ではルファスを完全に上回り、一方的に攻撃を浴びせるまでになった。

ルファスはベネトナシュの攻撃を受け続けるうち、自分の内側に存在する本来のルファスとしての意識を取り戻した。

それまでのルファスは自分自身を寝惚けていた状態だと語り、ベネトナシュによってようやく目を覚まされたと告げた。

完全に覚醒したルファスのレベルは三千に達し、ベネトナシュのレベル千五百を大きく上回っていた。

本来のルファス

覚醒したルファスは、ベネトナシュの全力の攻撃を指一本で止めるほどの力を示した。

さらにディーナを介さず自力でエクスゲートを発動し、マファール塔から二本一対の剣リーヴスラシルを召喚した。

それまで互角に近かった戦いは一変し、ルファスがベネトナシュを圧倒し始めた。ベネトナシュは腕を斬り落とされても即座につなぎ直し、身体を上下に両断されても再生して戦い続けた。

それでも両者の差は埋まらなかった。

追い詰められたベネトナシュの前へ、青い髪の女神が介入した。女神はルファスへ勝ちたいというベネトナシュの願いにつけ込み、七英雄へ与えたものと同じ力を与えようとした。

ベネトナシュは一度その力を受け取り、二百年前に七英雄がルファスを倒せた理由を理解した。

しかし直後、彼女は女神の力を自ら捨てた。

この戦いは自分とルファスだけのものであり、他人から借りた力で勝利しても意味がないと考えたからである。ベネトナシュは女神を三流脚本家と罵り、二人の戦いへ介入するなと拒絶した。

その姿を見たルファスは、ベネトナシュを心から宿敵として認めた。

宿敵の最期

ルファスはマナそのものを錬成する新たな技を使い、狼の群れを生み出した。ベネトナシュがそれらを倒すと、残されたマナは巨大な狼へ集約され、その咆哮がベネトナシュを打ちのめした。

限界まで追い詰められたベネトナシュは、二百年前と同じ言葉で最後の一撃を宣言した。

ルファスもそれに応じ、二人は正面から最後の攻撃をぶつけ合った。

ベネトナシュの爪はルファスの肩を裂いたが、ルファスの剣はベネトナシュの心臓を貫いた。

敗北したベネトナシュは、負けて終わることには未練が残るとしながらも、二百年間止まっていた自分の時間がようやく動いたことに満足していた。

ルファスは、世界を女神の筋書きから解放するために動いていると語り、十二星すら存在を知らない十三番目の星オフューカスが、二百年以上前から自分の指示で行動していることを明かした。

ベネトナシュは、女神の筋書きを超えようとするルファスならば負けないと信じた。そして自分がルファスの宿敵になれたのかと尋ねた。

ルファスは、本気で自分を倒そうとしてここまで追い続けたのはベネトナシュだけであり、彼女こそ最大の理解者だったのかもしれないと答えた。

最後までルファスが傍にいることを確認したベネトナシュは、有り難うと告げて息を引き取った。

ルファスは、実は自分の方が先にベネトナシュを目標としていたことを思い返した。まだ弱かった頃、何ものにも屈しない彼女の強さに憧れ、それを目指して自分も強くなったのである。

ベネトナシュの部下たちは主の望みが叶ったことに感謝しながらも、深い悲しみを抱えて遺体を引き取り、国葬を行うためミョルニルへ戻った。

ルファスの覚醒とディーナの思惑

ベネトナシュとの戦いを終えたルファスは、覚醒していた間の自分が確かに自分自身であったことに戸惑った。

別人格へ身体を奪われた感覚ではなく、普段の自分が寝惚けているだけで、本来のルファスへ徐々に同化しているように感じられたからである。

自分は一体誰なのかという疑問はさらに強まった。

一方、ディーナはベネトナシュが女神の力を拒絶したことを予想外としながらも、全体の筋書きに影響はないと考えていた。

ディーナは、自分がまだルファスを欺いていることを自覚しており、いずれ味方ではないと気付かれる時が来ると考えながらも、もう少し役割を演じ続けるつもりでいた。

ティルヴィングへの先制攻撃

ルファスがベネトナシュと戦っている間、リーブラ、アリエス、アイゴケロス、スコルピウス、カルキノス、ディーナたちはティルヴィングへ到着した。

サジタリウスが罠を仕掛けている可能性を考えたリーブラは、敵地へ正面から乗り込まず、城そのものを遠距離から攻撃することを選んだ。

リーブラの砲撃、アイゴケロスの魔法、ディーナの水魔法、アリエスの火球、スコルピウスの毒攻撃が一斉に城へ叩き込まれた。

十二星たちはレオンを相手に戦いを始め、カルキノスの防御を軸として、リーブラたちが援護する形で追い詰めていった。

単独なら十二星一人一人を上回るレオンであっても、複数の十二星を同時に相手にすれば不利であり、次第に追い込まれていった。

女神の力を受けたレオン

追い詰められたレオンの前へ、女神が介入した。

ベネトナシュとは異なり、レオンは力を得られるならばその出所にはこだわらなかった。ルファスすら超えられる力を欲し、迷うことなく女神の誘いを受け入れた。

女神の力を得たレオンは巨大な獅子の姿へ戻り、戦闘力を急激に上昇させた。

リーブラの砲撃も、カルキノスの防御も、スコルピウスの毒も通用しなくなり、十二星たちは一転して壊滅寸前まで追い詰められた。

サジタリウスはそこでレオンを裏切り、必中の矢アルナスルを利用してリーブラたちをケンタウロスの里へ転移させた。

この行動によって、サジタリウスが最初から本心でレオンへ従っていたわけではないことが明らかになった。

ケンタウロスの里

瀬衣たち勇者一行は、カストール、ウィルゴと共にケンタウロスの里へ入り、サジタリウスがレオンへ従っていた理由を知った。

レオンはケンタウロスの里を人質に取り、サジタリウスを従わせていたのである。

サジタリウスは敵対しているように装いながら、リーブラへ自分の存在を伝え、ルファスたちをティルヴィングへ誘導していた。本来はルファスにレオンを倒してもらうつもりだったが、ベネトナシュの出現によって計画が狂っていた。

救出された十二星たちは瀬衣たちと合流し、女神によって強化されたレオンがケンタウロスの里を襲撃すると予測した。

予想通り、レオンは里へ現れた。

十二星、サジタリウス、カストールたちは総力戦を展開した。サジタリウスの転移攻撃、リーブラの砲撃、アイゴケロスの妨害、スコルピウスの拘束、カルキノスの支援が重なり、アリエスはルファスが本気を出したことで強化された力を用いた。

カルキノスのアルタルフによって攻撃力を倍加されたアリエスの一撃は、レオンの体力をほぼ一撃で残り一まで削った。

タウルスの介入

瀕死となっても女神に操られたレオンは倒れなかった。

女神の力によって強制的に生かされ、スコルピウスの毒によって死にかけながらも、戦闘を続けさせられていたのである。

そこへタウルスが現れた。

タウルスの攻撃は物体そのものではなく、そこに存在する力を砕くものであった。彼はレオンを殴り飛ばすと同時に、レオンを覆っていた女神の力を破壊した。

これによってレオンは女神の支配から解放され、戦闘は事実上決着した。

一方でディーナは、レオンへ与えられた女神の力を僅かな捨て駒程度にしか考えていないような発言をしたため、アリエスは初めて彼女へ強い疑念を抱いた。

ディーナはアリエスへ補助天法をかけて戦場へ送り出した後、自身は戦闘へ参加せず姿を消した。

レオンとの決着

ベネトナシュとの戦いを終えたルファスはティルヴィングへ到着したが、すでに戦場はケンタウロスの里へ移っていた。

ディーナが残した地図を頼りに里へ向かい、十二星たちと合流したルファスは、敗北したレオンと対面した。

レオンはなおもルファスへ強い敵意を向けていた。

ルファスはレオンを無理に従わせることはせず、ひとまず拘束した。ベネトナシュとの戦いによって魔法を使う感覚や、本来の力の一部も取り戻していたため、以前とは違う力も行使できるようになっていた。

さらにルファスは、自分が本気になることで配下である十二星まで強化される力を認識し、それを先を往く者と名付けた。

サジタリウスの帰還

ルファスはサジタリウスがケンタウロスを守るためにレオンへ従っていた事情を知り、今回の行動をすべて不問とした。

そして問題となったのは、ケンタウロスだけでなく、人類から魔物扱いされてきた亜人たち全体の行き場であった。

ルファスは彼らを単純に滅ぼすのではなく、マファール塔へ移住させる方針を決めた。

人類側には亜人たちが滅びたように見せ、実際には安全な場所へ避難させることで、大規模な戦争を回避しようとしたのである。

サジタリウスはアルナスルを応用し、自ら矢を掴んで転移することで、多数の亜人をまとめてマファール塔へ運んだ。

こうしてサジタリウスは再びルファスのもとへ戻り、ケンタウロスをはじめとする亜人たちも新たな居場所を得た。

女神の新たな一手

一連の出来事によって、女神の計画はさらに狂い始めていた。

女神は本来、世界に適度な不幸と絶望を与え、それを乗り越えた人々に幸福を感じさせようとしていた。

しかしルファスは、女神が用意した不幸そのものを次々と破壊していた。

魔神王を世界の悪として利用する計画も崩れ、レオンを使った企ても失敗し、ルファスは次第に女神そのものへ近付こうとしていた。

女神は自らの筋書きから外れ続けるルファスを、世界に生じたバグと認識した。

そしてついに、これ以上放置できないと判断した女神は、現時点で動かせる中でも最強の駒を投入することを決めた。

ルファスを排除するため、女神は無限の軍勢を動かそうとしていた。

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