どんな本?
MOB(モブ)がアッサリ死んでいく殺伐とした現代ファンタジー第6巻。
第25話 刀と弓
(本物と偽物&兄妹が邂逅、イワンがミネとナギサの首を刎ねたと告白)
第26話 逃亡者と追跡者
(イワン無双&逃亡、新郷死亡)
第27話 殺し屋と始末屋
(イワン再び逃亡、新キャラJK峰山(始末屋)登場。西ノ村?)
第28話 ザシキワラシと東村
(ザシキワラシの過去話、兄妹二人っきりで情報整合)
黄泉のツガイは、『鋼の錬金術師』の荒川弘氏が、約11年ぶりに「月刊少年ガンガン」で連載を開始した作品。
現代の日本、世俗から隔絶された山奥で生まれた、夜と昼を別つ男女の双子ユルとアサが主人公。
幼い頃に離れ離れになった二人を巡って繰り広げられる闘いを描いた伝奇バトル。
この作品では、幽霊や妖怪などの異形の存在を「ツガイ」と呼んでおり。
ツガイは一般人には見えないが、ツガイ側から干渉して特定の人間に姿を見せることが可能で、稀に勘所があって見える者もいる。
人間と契約する者もいて、ツガイを従える者は「ツガイ使い」と呼ばれている。
ユルとアサは400年ぶりに誕生した特別な双子で、それぞれ異なる能力を持っている。
ユルは封印する力”封”
アサは解放する力”開”
二人は東村という山深い村落で暮らしていましたが、ある日を境に別々の道を歩むことになる。
この作品は現在単行本第6巻まで発売されており、ガンガンONLINEで連載中。
魂を目覚めさせる荒川弘最新作として注目されている。
読んだ本のタイトル
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あらすじ・内容
平穏を求め 不穏が渡り来る
「ただ普通に皆で笑って暮らしたいだけ」と
黄泉のツガイ 7
新郷の元にさらわれたユルは自らの望みを語った。
倉庫街では左右様とイワン、影森ゴンゾウ一行と新郷一派、
影森屋敷では裏切者のアキオとガブちゃん達が激闘!
ユルは新郷のツガイ”風神雷神”に制圧されるも、
デラやアスマのツガイ”夜桜”の助けで脱出に成功。
一方、囚われの偽アサの元にはアサが救出に現れ…!?
身を尽くす、ただ心の為に。
真贋真偽ツガイバトル、第7巻!!
感想
いきなり過去の話?
序盤ではユル両親がアサを連れて、村から逃亡した直後のシーンから始まった。
ユルの父親、ユルと行動が似通ってる気がする。
やはりそこは親子だというより、教えられてるのか?
狼煙を上げる、暴力に訴える。
うん、ユルも全てやってるな。
そして、母親はか弱いアサをどうやって東村から守るか悩みながら下山して行く。
本物と偽物、兄妹が邂逅
そして現代にシーンが戻って。
新郷に誘拐され軟禁された偽アサとアザミをアサが保護して、
見張はアサが解を使って無双する。
少し遅れて、ユル達も現場に到着するが、、
戦闘音が響いており自身が行く必要がなかったとぼやくが、そのユルの声を聴いてアサがユルに声をかける。
何も構えていないユルはアサにナチュラルに対応。
それに尊さを感じて、ヘブン状態になるアサ。
何気に屋敷でタヌキのツガイが化けて”兄様に逢いたい”と呪文のように繰り返していたのが素だと認識されてるから、ユルに会った後のヘブン状態も、、、
落差が激しいな、、
ザシキワラシのダンジがお礼を言うと、ユルと同じようにツンデレさんになるし。
この2人は一緒にいると話が進まないなw
左右様VSイワン
そして、ユルとアサの両親のことを聞き出そうとイワンを捕まえようと奮闘する左右様。
イワン強いな、、
左様の腕を斬っちゃうし。
右様も脚を斬られてしまった。
この2人、元は石像だろ?
それを輪切りに出来るとか、。
普通の刀なら斬れなくて、刃毀れ起こすと思うけど、、、
イワンの刀のツガイはスパスパ斬ってしまう。
H鋼も刃を当てただけで、バターのように斬れてしまう。
まるで石川五右衛門の斬鉄剣みたいだ。
左右様コンニャク使え!!
刀のツガイを使いこなすイワンも、デラが撃った狙撃ライフルの銃弾を刀で弾いちゃったよ。
跳弾を利用して、月を背にして狙いを絞れなくしているユルに弾いた弾を飛ばすし、、
やってる事がバケモノだ。
しかも、自身をツガイで斬ったら物凄く強くなった。
アレもツガイの力なんだろうか?
さらにユルの両親の仇らしいし。
本人曰く、首を刎ねたらしいが、、
コレだけ斬りまくるイワンならやりかねないな。。
ユルは信じてないけど、東村で人を斬りまくってるイワンならやりかねない。
そのイワンは、何か暗躍もしていし。
新郷はイワンの居る組織に唆されたみたいな事を言ってるけど、イワンにアッサリ殺されてしまうし。
新キャラJK兼業始末屋の峰山登場
そのイワンのいる組織に、死体をフンコロガシのようなツガイが処理するし。
女子高生の峰山と呼ばれている新キャラが出て来た。
良い感じに倫理観が壊れてるな、、
こいつ等いったい何なんだろうか?
西ノ村の連中なのか?
また、新たな勢力が出て来た。
ザシキワラシの過去話
そして、ザシキワラシの話とユル、アサ兄妹の会話がやっと出来た。
偽アサの本名は「キリ」と判明。
そこでザシキワラシがどうやって東村に来たのか語られる。
400年前、契約していた主が関ケ原の戦いに参戦して帰って来ず。
そのまま本尊で放置されてしまったらしい。
何気に苦労してたんだな、、、
その後、デラの父親のロウエイが言い伝えを元に探り当てて二人を回収して、今の契約者キョウカと契約した。
ユルとアサの二人っきりの話し合い
お互いの近況を話、イワンが両親の首を刎ねたと言ってるとアサに教える。
そして二人でイワンを追いかける事を決める。
アサは一度死に”解”を顕現させている。
ユルの”封”はまだ開花しない。
いや、一回死なないと開花しないなら一生そのままの方が良いだろうな、、
それにしても、ザシキワラシの話の主どうなったんだろうか?
ますます謎が深まって行く。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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第25話 刀と弓
狼煙の教えと禁止
ミネはアサに対し、長短の煙を組み合わせた狼煙による通信方法を教えていた。合図には「来い」「逃げろ」「助けて」「今どこ」「敵」といった意味が含まれていた。しかし、それを見たナギサは目立つため危険だと強く制止し、狼煙の使用を否定した。代わりに下界の通信手段である電話について説明したが、携帯電話は充電切れで使えなくなっていた。
ユルへの懸念と方針
ナギサは交番での保護を考えるも、東村の影響を恐れて迷っていた。ユルがまだ囚われている可能性を憂慮し、救出について思い悩んだ。アサが兄の安否を尋ねると、ミネはユルには生き抜く術を教えてあるとして、その力を信じるべきだと語った。
外部の人間との遭遇
一行は山中で不審な二人組に遭遇した。相手は見慣れぬ服装のミネやナギサに質問を投げかけ、ナギサは「東京から来たコスプレ家族」と偽りを説明した。しかし二人組はアサの引き渡しを要求し、東村に戻るよう迫った。これに対し、ミネは暴力を振るい二人を退けた。
逃走と葛藤
アサを背負ったミネと荷を担いだナギサは下山を続けた。ナギサは保護を求める案を考えるも、長く行方不明だった人間が突然戻れば世間の注目を浴び、かえって東村にアサの所在を知らしめる危険を懸念した。ナギサは、アサとユルを守り切るためにどう行動すべきか悩み続けた。
成長したアサの介入
場面は転じ、成長したアサが登場した。彼女は狼煙を合図に突入し、敵のツガイ使いと対峙した。アサは「解」の力を用いて敵のツガイとの契約を解除し、人質となっていた偽アサとアザミを陰陽の隔離空間に避難させて安全を確保した。
隔離空間でのやり取り
偽アサとアザミが隔離されていた。そこに現れた本物のアサは、人質がアザミのみであることを確認した。偽アサはアザミを庇い、彼女が無関係で巻き込まれただけであるため手を出さないよう訴えた。アサは言いたいことは多いが、仕事が終わるまで二人を隔離空間に留めると伝え、外に出たら兄ユルにこれまでのことを包み隠さず説明し、嘘をつかないよう求めた。
新郷の手下の敗走
一方外では、新郷の手下がアサの攻撃を恐れて逃げ惑い、敷地外へ出ようとした。しかしその先にはゴンゾウが待ち構えており、逃走は阻止された。
ユルとデラの合流
その頃、敷地周辺にはユルとデラが現れた。デラは「大江戸トランスポート」が人質の拠点であると確認し、ユルもマメガラスからの情報と一致していると答えた。ダンジはユルの姿を見て感極まり涙を流し、ユルは照れ隠しに必死で言い訳を並べ立てた。デラは微笑ましくそれを見守った。
アサと黒谷のやり取り
内部で戦うアサは屋敷の無事を気遣った。黒谷は仲間の面子なら問題ないと答えた。アサは作戦のためとはいえ「ポンコツ演技」をするのは大変だったと述べ、黒谷はそれが素の姿だと返した。二人は掛け合いを続ける中、アサが突然「兄様の声が聞こえる」と叫び窓を破って外を確認した。
兄妹の再会
アサはユルを発見し大声で呼びかけ、ユルも反応した。アサはユルの安否を問い、ユルは人質として村の子と偽アサが捕らわれていることを伝えた。アサは既に彼女らを安全に隔離していると説明し、ユルに褒めてほしいと求めた。ユルは軽くあしらったが、状況は安堵に包まれた。
ユルとダンジの交流
ダンジはユルに感謝を述べ、ユルは助けたのはアサだと答えた。ダンジは来てくれたこと自体が嬉しいとし、改めてユルに感謝を伝えた。ユルはその言葉を受け入れた。
アサへの感謝と照れ隠し
ダンジはアサにも感謝を述べた。アサは赤面しながら「兄様のためにやっただけ」と強調し、素直に受け取らなかったが、その行動が皆の救いとなった。
アサとユルのやり取りの余韻
ダンジに礼を言われたアサは照れ隠しをし、ツンデレ気味に応じた。その様子を見たダンジは「ユルとアサは似ている」と指摘し、デラは「狂暴なところ」と冗談を言った。ゴンゾウはデラから新郷の居場所を聞き出し、アサと黒谷を連れて出撃する。アサは「また後で」とユルに別れを告げ、感極まって取り乱した。黒谷はそんなアサを引きずって連行した。
ユルとダンジの口論
ユルは両親が下界で行方不明となり、左右様が情報を持つ者と交戦していると説明した。これを聞いたダンジは激昂し「親を優先しろ!」と叱咤した。ユルは「バカとは何だ」と応酬し、二人は口論となった。その様子を見ていたツガイ達は「もう大丈夫そうだ」と安堵した。
倉庫の惨状発覚
場面は倉庫に移り、警備員が内部を確認したところ、多数の死体が散乱しているのを発見した。動揺した警備員は警察への通報を試みた。
左右様とイワンの戦闘
その頃、左右様はイワンと交戦していた。右様は重機を投げつけ、左様は鉄骨を振るい攻撃を仕掛けた。イワンは鋭い剣技でそれを斬り伏せ、左様の腕にも傷を負わせた。さらに弓矢が飛来し、イワンは刀で受け止めた。
ユルの援護射撃
左右様は弓矢の主がユルだと気づき、喜色を浮かべた。ユルは月を背に高所に立ち、弓を引き絞ってイワンを狙っていた。
逆光の狙撃
ユルは高所から弓でイワンを狙撃した。月明かりを背にした逆光で狙いは見づらかったが、ユルは左右様を気遣いつつ矢を放った。左右様は「構わん、好きに射よ。当たっても屈でもない」と豪胆に答え、ユルは思い切り狙撃を続けた。
イワンへの問い
ユルはイワンに「刀のツガイ使い、お前は俺の両親のことを知っているな」と問いただした。さらに「余計な矢は使いたくない、さっさと捕まって吐け」と迫った。イワンは「ユルが降りてきてくれたら思い出すかも」と挑発するが、ユルは「やだね、降りない」と即答した。
人質と新郷の行方
ユルは「東村を襲って人質を取ったのはお前だろう。人質は救出済みで、新郷も今ごろ影森家に潰されている」と告げた。イワンは驚きつつも「兵を揃えていてやられたのか」と返す。ユルはさらに「お前らの取引に乗る義理はない。両親のことを洗いざらい吐け」と迫った。
イワンの告白
イワンは「新郷は無関係だ。ミネとナギサを斬ったのは俺だ、首を刎ねた」と告白し、ユルを挑発した。そして次の標的に向けて「手土産にする」と言い放ち、左様に向かって攻撃を仕掛けた。
反撃と援護
その隙をダンジが影から現れてイワンを一瞬足止めし、ユルはイワンの脚を射抜いた。ユルは怒りに満ちた眼差しで矢を番え、「父様と母様を斬った腕はどっちだ。次はその腕をぶち抜く」と宣告した。
第26話「逃亡者と追跡者」
影森家の動きとアキオの裏切り
影森家に連絡が入り、ゴンゾウはアキオが内通者であったことを確認した。ゴンゾウはアサと黒谷に「さっさと片付けて帰るぞ」と命じ、戦いの収束に向けて動き出した。
デラの戦略とライフルの脅威
場面は変わり、デラはライフルを携えてユルと共に行動していた。デラはユルに対し、ライフルの殺傷力の高さを説明し、「至近でなくても命の保証はできない」と警告した。彼は「両親の情報を得るためには敵を生け捕りにしたいが、イワンは手練れで生け捕りは難しい」とも告げた。
ユルへの助言
デラは「お前は絶対に近接戦に加わるな」とユルに念を押し、自分は遠距離から援護する役割を担うと決めた。そして「状況によってはイワンを殺すかもしれない」と告げ、ユルに了承を求めた。ユルはこれに頷いて答えた。
デラの心中とイワンの挑発
イワンが「二人の首を刎ねた」と語ったことをデラは「本当に殺したのか、それともユルを動揺させるための嘘か」と疑念を抱いた。一方でイワンはユルに「お前の両親を斬ったのはどっちの腕だったかな」と挑発を続け、無駄に矢を使わせようと揺さぶりをかけた。
ユルの葛藤と回想
イワンの言葉に心を乱されるユルであったが、父から教わった「息を深く吸って吐き、心の乱れを外に捨てろ」という教えを思い出す。さらに、アサの「元気に生きてるよ、絶対」という言葉を胸に刻み、次第に心を落ち着かせていった。
ユルの警告とイワンの反応
ユルは「この目で確認するまで信じない」と言い放ち、イワンに刀のツガイを地に置くよう命じた。イワンは舌打ちし不満を示す。一方、左様は体に突き刺さる刀を指差し「こっちはもらっていいのか」と確認した。
イワンの追い詰められた状況
イワンは左様が健在であることに驚き、背後にはデラの気配を感じて逃げ場がないことを悟った。「狩りに来たのに狩られる側になった」と自嘲し、奥の手としてツガイの名を呼んだ。
大凶の発動
イワンは「大凶」と唱え、自らの首筋に刀を突き立てた。その傷口から菌のようなものが蠢き出す異様な光景に右様は動揺し、「左の!! そいつを放せ!!」と叫んだ。左様は即座に刀を叩き折ったが、体に異変が生じて動けなくなった。
右様の奮戦とイワンの反撃
右様がイワンに突撃するが、逆に脚を斬り飛ばされてしまう。さらに衝撃波を放つも、イワンは刀を交差させて斬り裂き無効化した。右様は左様の異常を確認し、動揺を隠せなかった。
ユルの援護と矢の限界
イワンは「左さんは俺がもらう」と言い襲いかかる。ユルは矢で足止めを試みたが、イワンは全ての矢を躱し続け、致命的な隙を見せなかった。ユルは「この野郎、足のケガはどうなった!?」と驚愕し、矢を撃ち尽くしてしまった。
イワンの攻勢
ユルの矢が尽きた隙を突き、イワンは再び左右様に襲いかかった。ユルとデラは防ぎきれず、事態は一気に不利に傾き始めた。
影森家とゴンゾウの指示
影森家からの連絡を受けたゴンゾウは、アキオが内通者であったと知り、アサと黒谷に「片付けて帰るぞ」と命じた。場面は切り替わり、ユルとデラがイワンを追跡する展開となった。
ライフルとイワンの脅威
デラはライフルの威力を説明し、イワンを生きて捕らえるのは難しいと語った。ユルには近接戦に絶対加わらないよう警告し、必要ならイワンを撃ち殺す許可を求めた。ユルは了承した。
イワンの挑発とユルの乱れ
イワンはユルの両親を斬ったと挑発し、ユルの心を乱そうとした。ユルは父の教えを思い出し、さらにアサの「元気に生きてるよ、絶対」という言葉を胸に乱れを抑えた。
「大凶」の発動
イワンは「大凶」と呼び、刀のツガイを自らの体に刻んだ。そこから菌糸が広がり始め、右様は左様に「放せ」と叫ぶ。左様はイワンの刀を叩き折るも、その後に動けなくなった。
左右様とイワンの攻防
右様が左様を抱えて飛び退くが、イワンは衝撃波を放ち、それを刀で切り裂いた。右様は左様の異変に気づき焦りを見せ、イワンはさらに「左さんは俺がもらう」と襲いかかる。
デラとユルの援護射撃
ユルが矢を放ち、デラが発砲するもイワンは弾を刀で弾き返した。その流れ弾が右様やユルを傷つけ、デラは「弾を弾き返せるのか」と戦慄した。イワンは左右様を執拗に狙い続けた。
戦闘の中断と撤退
イワンは菌糸の影響で動きを止め、ユルらは一時的に安堵するが、イワンは直後に姿を消してしまう。デラは「逃げられた」と歯噛みした。
倉庫での警備員との遭遇
イワンは倉庫に現れ、死体が片付けられていないことを呟いた。普通の人間には彼のツガイは見えず、警備員は一般人と勘違いして声をかける。イワンは無視して倉庫内に入り、やがて忽然と姿を消した。警備員は警察に「人が消えた」と報告した。
新郷の事務所での動き
一方、新郷の事務所ではマメガラスが風神雷神に捕らえられていた。新郷はアスマと状況を確認し、影森がアサを連れて来ていることから「ツガイを奪われる前に逃げる」と決断する。
アスマの提案と処刑の決定
アスマは「自分がスパイだとばれると父に殺される」と理由を挙げ、目撃者のマメガラスを口封じに殺すべきだと進言した。新郷もこれに同意し、マメガラスは必死に抗議した。
アスマの裏切りと新郷の動揺
アスマは山賊を口封じに殺そうと動き、取引を持ち掛ける山賊を無視した。新郷は「綺麗に殺せ」と命じる一方で、「人を殺したことがあるのか」とアスマに問いかける。アスマは「無い」と答えつつも「殺したい人はいますが」と言い放ち、夜桜を召喚して新郷を拘束した。
アスマの宣言と夜桜の登場
アスマは「伯父さんの側から離れなかったから行動できなかったが、やっとこの手で殺せる機会が来た」と新郷に告げる。新郷はツガイ・風神雷神を叱責するが、アスマは「夜桜は気配を完全に消せる超一流」と説明し、優位を誇示した。
迫る援軍とアスマの決意
夜桜は「すぐ近くにゴンゾウ、アサ、フユキが到着する」と報告。アスマは「新郷から情報をすべて聞き出した後で命を奪う」と宣言する。新郷は風神に「夜桜を吹き飛ばせ」と命じるが、夜桜は「首を折る」と即座に対抗。アスマも「雷を使えば伯父さんも巻き込まれる」と釘を刺し、風神雷神を牽制した。
アスマの真意と影森家の立場
新郷は「今まで投資してきた」と叫ぶが、アスマは「金で人を動かす者は最期もそれしか言えない」と一蹴。影森家は「異端・異常・普通でない者の集まり」であり、自分の母にとって「新郷に粗末に扱われた後の救いだった」と強調し、新郷の野心を断罪した。さらに「新郷の背後に入れ知恵している者がいる」と問い詰めた。
イワンの帰還と急展開
そこへイワンが戻ってくる。新郷は「こいつらを斬れ」と命じるが、イワンは「甥に油断するなと言ったろ」と皮肉を返す。そして「捕まれば終わりだ」と焦る新郷を横目に、夜桜を両断し、新郷の頭部をも斬り飛ばした。
ツガイ抹殺とアスマへの圧力
さらにイワンは風神雷神も斬り伏せ、「フユキのツガイに捕まると情報を取られるから今ここで死ね」と吐き捨てた。そしてアスマに「新郷から何か聞いたか」と迫り、緊張の空気が漂った。
第27話 殺し屋と始末屋
ユルの負傷と仲間たちの分析
ユルの肩の傷を見たデラは「かすったどころか抉れている」と驚愕し、通常の医師に見せれば銃創だと疑われると懸念した。ユルはデラを責めず、刀で弾丸を逸らした敵の実力に驚きを示し、それがツガイの能力か本人の腕かを問うた。左様は両方だと答え、右様も相性の良さを認めた。左右様はダンジに右足を拾うよう頼み、ユルは彼らが心臓を刺されても平気だと語る姿に人間との差を改めて実感した。
死の概念と危険な力
ユルが「脳を割っても死なないのか」と尋ねると左右様は「たぶん」と返し、さらに「死んだことがないから分からない」と語った。ただし左様は刀のツガイの一撃で「精気が急速に抜けた」と危険性を指摘し、デラは「エネルギーの置換系の能力かもしれない」と推測した。左様はしばらく動けないと告げ、デラは「今回は撤退し影森に任せる」と決断した。
主従の絆の再確認
左様は「敵を逃した」とユルに謝罪するが、ユルは「こちらこそ感謝すべきだ」と返した。右様は「今回の主は優しい」と冗談を言い、ユルは左右様の前の主がどんな人物だったか気にした。左右様は「敵の血の匂いを覚えた」「次は逃がさない」と誓い、ユルが「まだ付き合ってくれるのか」と問うと「当たり前」と即答し、「常にお前と共にある」と改めて主従の絆を確認した。
新郷と風神雷神の最期
一方、新郷とそのツガイである風神雷神は、イワンの手により斬られた。風神雷神は本尊の姿へと戻って消滅し、新郷も頭を割られて死亡した。これにアスマは「この男は自分が殺したかった」と不満を漏らしたが、イワンは「後始末はプロに任せろ」と冷たく返した。さらに「新郷には雇われただけで情は無い」と言い切り、役目を果たしたと語った。
アスマとイワンの探り合い
アスマが「口止めか」と問い質すと、イワンは「新郷から何か聞いたのか」と探りを入れた。アスマは「何も聞いていない」としながらも、「背後に入れ知恵をしている人物がいるのではないかと思う」と言及した。イワンは表情を崩さず応じ、両者の間には不穏な緊張が漂った
アスマとイワンの対峙
アスマは「伯父よりもお前を問い詰めた方が早い」と宣言し、イワンと緊張状態に入った。投げられたナイフをイワンは弾き、刀で斬りかかる。アスマは死を覚悟したが、連戦で疲弊したイワンは力尽き、アスマは腕を負傷するに留まった。イワンは左様の精気による反動に苦しみながらも「とんでもない反動だ」と漏らした。
撤退を選ぶイワン
刀のツガイは「精気を奪って暴れよう」と囁くが、イワンは右足の負傷を理由に拒否。さらに「これ以上関われば夜桜に狙われる」と判断し、「命拾いしたなアスマさん」と告げて退却する。すれ違いで影森ゴンゾウ・アサ・黒谷が到着し、アサとイワンが視線を交わした。
新郷の最期とアスマの報告
ゴンゾウは事務所の惨状を見て驚き、アスマの怪我を心配する。アスマは「伯父を生け捕りにできなかった」と謝罪し、新郷の遺体を前に「与謝野イワンに口封じされた」と説明した。さらに風神雷神も本尊ごと破壊され、情報が失われたことを黒谷に詫びた。
影森家の動揺と今後
ゴンゾウはイワンの正体を「新郷に雇われていた刀のツガイ使い」と断定。アサは逃げた人物がイワンだと気付き、解を使って捕まえるべきだったかと悔やむ。影森家は伯父を失い、敵の暗躍を警戒しつつ、新たな局面へと移ることとなった。
ユルの負傷と左右様の反応
デラはユルの肩の傷を見て「かすった」どころではないと驚く。ユルは刀のツガイの能力か本人の腕前かを問うと、左様は両方だと答える。左右様は敵の力を危険視し、特に左様は「精気を抜かれた」と警告を発した。
敵との交戦後の後始末
右様は失った自分の足をダンジに回収させ、左様も心臓を刺されても平気だと語る。彼らは人間とは異なり「心臓」という臓器を持たないためである。しかし左様は今回の攻撃を危険視し、自身もしばらく動けなくなった。デラは「今回は影森に任せるしかない」と判断する。
ユルと左右様の絆
左様は敵を取り逃がしたことを悔いるが、ユルは左右様がボロボロになるまで戦ってくれたことに感謝する。右様と左様は次回は逃さないと決意し、ユルに「常に共にある」と誓った。
風神雷神と新郷の最期
風神雷神は本尊ごと破壊され、夜桜も消滅。さらに新郷はイワンによって殺害される。アスマはイワンと腹の探り合いを経て交戦、深手を負いながらも命拾いする。イワンは撤退を決意し、「夜桜に何かされるかもしれない」と言い残した。
影森一行の到着と事後処理
影森ゴンゾウ、アサ、黒谷が到着し、アスマの怪我を確認する。アスマは「伯父を捕らえられなかった」と謝罪し、新郷を殺したのはイワンであると説明。黒谷は風神雷神が破壊され情報が得られなくなったと報告した。
イワンと始末屋・峰山
イワンは公園で峰山と連絡を取り、死体の処理を急がせる。峰山は「うちの子」と呼ぶ糞転がしのツガイで大量の死体を団子にして処分。警備員や後に到着した警察は幻覚を見たと錯乱するが、証拠はすべて消されていた。
峰山とイワンの合流
峰山は精気移転を使ったイワンを発見。イワンは心臓への負担で弱っていた。峰山はそれを茶化しながら「収穫は何も無かったのか」と皮肉を言う。イワンは疲弊しながらも次の機会を誓った。
アスマの報告と東村の脱走
アスマは「伯父をそそのかした者がいたらしい」と報告するが、問い詰める前に斬られてしまったと述べる。黒谷は止血を行いつつ、東村の男も逃げられたことを確認した。
イワンと峰山のやり取り
イワンは公園で峰山に電話し、死体の処理を急がせる。峰山は「学校や塾もある」と言い訳しつつ、糞転がしのツガイで大量の死体を団子状に処分していた。
死体消失と警備員の混乱
峰山は処理後、警備員に「疲れて幻覚を見た」と言い残して立ち去る。後に警察が到着するが、倉庫には血痕も死体もなく、ただ天井に穴が開いているだけだった。警備員は「間違いなく死体を見た」と錯乱し、自身の正気を疑った。
イワンと峰山の合流
峰山は弱ったイワンを見つけ、「精気移転を使ったのか」と問いかける。イワンは「左右様の左に使った」と答え、心臓への負担で動けない状態だった。峰山はそれを面白がり、「収穫なし?」と皮肉を言うが、イワンは次を誓った。
イワンと峰山の会話
峰山の挑発に対し、イワンは「心配するな、ユルは必ず俺を追ってくる」と言い残し、再戦を示唆した。峰山はそれを「相思相愛」と茶化し、さらに「肉団子になったイワン様を西ノ村に持ち帰るのは勘弁」と冗談を飛ばした。
ユルとアサの合流
場面は変わり、ユルはアサと合流。アサはユルの怪我を見て激昂し「兄様ケガしてる!!」と叫ぶ。ユルは「デラさんのライフル弾に当たった」と淡々と答えるが、アサは怒りの矛先をデラに向ける。デラは「説明が雑ぅ!!」と必死に弁解した。
東村への不信と影森家の責任追及
アサはさらに左右様に矛先を向け、「兄様を守ると言ったのに!」と詰め寄る。左右様は謝罪するしかなく、アサは「やっぱり兄様は影森家で保護すべき」と主張し、東村への不信を露わにした。続けてダンジにも「あなたも……」と責めると、ダンジはしょんぼりして謝罪。アサは気まずさを覚える。
偽アサの動揺と空間の変化
一方、隔離空間に閉じ込められていた偽アサはアザミと共に待機していたが、突然アザミが姿を消して動揺する。外に出られるのではと期待した矢先、本物のアサ、ユル、ダンジが空間に入ってくる場面で終わる。
第28話 ザシキワラシと東村
ハナの家での会話
ケンはハナに今月の食費を渡し、家賃は払わなくていいのかと尋ねた。ハナは食費だけで助かると答え、学校の転校手続きの必要を口にする。ケンは返答を濁し、学校に行きたくない気持ちを抱えていた。ハナは「行きたくないなら行かなくてもいい」と言い、東村関係者は世間からはじかれた者ばかりだと語った。さらに「強くなりたいなら食べて大きくなれ」と勧め、ケンはその言葉に戸惑いつつも受け止めた。
アザミの隔離空間での出来事
隔離空間にいたアザミは、外に出され周囲にいたアスマや左右様を見て怯える。アスマの笑顔を信用できないと叫び、左右様の姿を目にして失神してしまう。デラは「中にはユル、ダンジ、本物アサ、偽アサがいる。修羅場だ」と状況を分析した。
アサと偽アサの対立
空間内で偽アサがユルを「兄様」と呼ぶと、アサは激しく反発し「兄様を呼んでいいのは私だけ」と主張した。ダンジは偽アサを庇い、謝罪しつつ声をかける。ユルはアサが村の「おつとめ」で隔離されていたことを当然と思っていたが、今はその異常さに気づき「子供を閉じ込めるのはおかしい」と語った。アサはユルの言葉に喜び、ユルは照れながらも本心を隠そうとした。
偽アサの正体
偽アサの正体は、ザシキワラシの「キリ」であることが明かされた。ユルたちは、もう偽者を演じる必要はないと促し、キリは本来の姿に戻った。
本当の名と起源
ダンジとキリは、かつて東村の一角に存在した小さな集落でザシキワラシとして祀られていた存在である。キリの名は、東村の山に咲く桐の花に由来しており、東村の人々から与えられたものだった。
大戦と契約の解除
約400年前、大きな戦が始まり、当時の主人は出陣することとなった。その際、ザシキワラシである二人との契約は一旦解除され、本尊として戻された。主人は「戦から戻ったら再び契約を結ぶ」と言い残していた。
帰らなかった主人
しかし、主人は戦から戻らず、二人は何年も、何百年も待ち続けることになる。やがて人の声も消え、二人は忘れ去られた存在となってしまった。
戦の記憶
アサは400年前の戦いと聞き、それを「関ヶ原の戦い」と推測する。ユルは、勝者となった側には褒美が与えられるはずだと考えるが、ダンジとキリは何も聞かされていなかったと答える。さらに、当時の主人も帰還せず、手柄を立てることもなく姿を消したのだと語った。
廃村での発見
ダンジとキリは廃れて無人となった集落で長らく忘れ去られていた。二人は再び契約されることもなく、ただ朽ち果てていく運命だと思っていたが、東村の若者ロウエイに発見される。ロウエイは「言い伝え通りだ」と彼らを見つけ出し、「一緒に行こう」と優しく声をかけてくれた。
ロウエイと母キョウカとの出会い
ロウエイは二人を東村へ連れ帰り、そこで悲しみに沈む女性キョウカと出会わせる。彼女は夫と子供を土砂崩れで亡くし心を病んでいた。ロウエイは彼女を慰めるため、ダンジとキリを紹介し、新たな契約を結ばせた。これにより二人は再び主を得て、キョウカに仕えることとなった。
新たな名とツガイとしての確立
契約を機に、キョウカは二人に新しい名を与えるよう求められ、正式に「ツガイ」としての関係が始まった。母となったキョウカは悲しみを抱えつつも、二人の存在に少しずつ救われていった。
村での生活とナギサの登場
やがて村に下界から迷い込んだ女性ナギサが現れる。彼女は下界に戻れないことに絶望していたが、東村の青年ミネが寄り添い、やがて二人は結ばれてユルとアサが誕生する。これにより村人たちの視線は徐々に変化していった。
不穏な気配とダンジの役目
ユルとアサの誕生は村に不穏な空気をもたらし、大人たちの態度が変わり始める。その中でダンジは、自身の能力を駆使してユルを守ることに尽力していた。彼はキョウカからの密命を受け、ユルを守護する影の役目を果たしていたのである。
ユルとアサの対話の始まり
ユルはダンジとキリを席から外させ、アサと二人きりで話をする時間を持った。去り際にダンジは「アサちゃんは東村の誰も殺していない」と告げ、それを聞いたアサは「自分は善人ぶる気はない、大事な人を狙う者がいれば容赦はしない」と語った。
ユルの本心の告白
ユルは再会してからアサが嘘をつかず、正直に話してくれたことに触れ、自らも本音を語った。両親に置いて行かれた過去があっても、ダンジとキリが心の支えであり、生きる力を与えてくれた存在だったと認め、「これ以上あいつらを責めない」と宣言した。
アサの本音と願い
アサは「兄様との思い出が少ない」と不公平さを漏らしつつ、やりたいことを問われると「ディズニーランドに行きたい」「普通の暮らしがしたい」と語った。しかしすぐに「もう無理だ」と現実を自嘲した。ユルは「皆で積み上げ、父母も見つけ、笑って生きる」と約束し、アサも笑顔で応じた。
両親の新たな手掛かり
ユルは両親に関する新情報を伝えた。
- 東村からの逃走を手助けしたのはデラの父ロウエイであり、現在は行方不明。ユルは彼を探すと決意する。
- さらに刀のツガイ使いイワンが両親を知っているとされ、「父母を斬った」と語っていたことを明かした。
アサの動揺
その告白にアサは激しく動揺し、自分のせいで両親が巻き込まれたと自責した。ユルは必死に落ち着かせようとするが、アサは「私を生んだから巻き込まれた」と強い罪悪感を抱き、苦悩を深めた。
ユルの叱咤と励まし
アサを落ち着かせるためユルは手を取り、「この世は信用できない者ばかりだ、自分の目で見るまで信じるな」と叱咤する。さらに「父様も母様も必ず生きている」と力強く言い切った。
共闘の誓い
アサはユルの言葉で落ち着きを取り戻し、「絶対元気に生きてる」と信じる決意を新たにする。二人は「普通に笑って、普通に暮らす」という未来を改めて誓った。
今後の方針
ユルは「次にイワンを見つけたら近くに引き出せ」とアサに頼む。アサは「まずは『解』で契約解除してからだ」と答え、戦場での連携を意識する。
決意の結末
ユルは「狩場に追い込むのは自分たちに任せろ」と宣言し、アサも応じる。二人は両親を探し出す決意を固め幕を閉じた。
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