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フィクション(Novel)佐賀崎しげる片田舎のおっさん、剣聖になる読書感想

小説「片田舎のおっさん、剣聖になる 2 」感想・ネタバレ

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フィクション(Novel)

おっさん剣聖1巻レビュー
おっさん剣聖まとめ
おっさん剣聖3巻レビュー

Table of Contents

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  1. どんな本?
  2. 読んだ本のタイトル
  3. あらすじ・内容
  4. 感想
  5. 考察・解説
    1. 新たな剣の入手
    2. 少女ミュイとの出会い
    3. 盗賊団と黒幕の制圧
    4. 弟子の育成と成長
    5. ツヴァイヘンダーの指導
    6. 蘇生魔法の嘘
  6. 登場キャラクター
    1. ガーデナント道場関係
      1. ベリル・ガーデナント
      2. モルデア
      3. ランドリド
    2. レベリオ騎士団
      1. アリューシア・シトラス
      2. ヘンブリッツ・ドラウト
      3. クルニ・クルーシエル
      4. レベリオ騎士団の騎士たち
    3. 魔法師団
      1. ルーシー・ダイアモンド
      2. フィッセル・ハーベラー
    4. 冒険者ギルド・冒険者
      1. ニダス
      2. メイゲン
      3. スレナ・リサンデラ
      4. ポルタ
    5. スフェン教・教会騎士団
      1. イブロイ・ハウルマン
      2. レビオス・サルレオネ
      3. シュプール
      4. ロゼ・マーブルハート
      5. 教会騎士団
      6. 重騎士たち
      7. スフェン教の信者
    6. 盗賊団「宵闇の魔手」
      1. 宵闇
      2. 盗賊たち
    7. 街の人々・その他
      1. バルデル・ガスプ
      2. ミュイ・フレイア
      3. ミュイの姉
      4. ハルウィ・シャディ
  7. 展開まとめ
    1. 一  片田舎のおっさん、剣を探す(アニメ 4話)
    2. 二  片田舎のおっさん、盗賊と出会う(アニメ 5話)
    3. 〈ミュイ・フレイア〉
    4. 幕間
    5. 三  片田舎のおっさん、闇夜を切り裂(アニメ 6話)
    6. 末  片田舎のおっさん、飯を奢る
  8. 片田舎のおっさん、剣聖になる 一覧
    1. 小説
    2. 漫画
  9. 類似作品
    1. 俺は全てを【パリイ】する
    2. 領民0人スタートの辺境領主様
  10. その他フィクション
  11. アニメ
    1. OP
    2. ED

どんな本?

片田舎のおっさん、剣聖になる 2』は、佐賀崎しげる氏が執筆し、鍋島テツヒロ氏がイラストを担当したライトノベルシリーズの第2巻である。本作は、片田舎で剣術道場を営む中年男性、ベリル・ガーデナントが、かつての弟子たちの活躍により、次第にその実力を認められていく物語である。

第2巻では、ベリルが元弟子であるスレナから迷宮攻略への同伴を依頼される。迷宮攻略の経験がほとんどないベリルであったが、その依頼を受けることにした。しかし、実力に疑問を持たれたベリルは、それを証明するためにスレナと戦うことになる。 

本作は、2021年9月にSQEXノベルより刊行されている。 また、シリーズ累計発行部数は650万部を突破し、2025年4月にはテレビアニメ化も予定されている。 

読んだ本のタイトル

片田舎のおっさん、剣聖になる 2
著者:佐賀崎しげる 氏
イラスト:鍋島テツヒロ  氏
出版社:スクウェア・エニックス
発売日:2021年9月7日

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あらすじ・内容

そのおっさん、国を揺るがす陰謀も一刀両断する!!!

弟子アリューシアに引き立てられ、不承不承都にやってきた剣術師範のおっさん、ベリル・ガーデナント。 ようやく新生活にも慣れてきたのも束の間、最強の弟子や都会の喧噪は彼を放っておいてくれないようで――「先生の剣! こいつは腕が鳴るぜ!」 凄腕の鍛冶師に成長した弟子と再会したり(!)、「るっせぇ! アタシに構うな!!」 ワケありな不良少女の教育をしたり(!!)、 さらには魔法師団長ルーシーから、国家で蠢く策謀の解決を頼まれてしまって!?「あの……何度も言うけど俺、しがないおっさんだよ?」 困惑しながらも、今日もおっさんは剣を抜く――。 大人気成り上がりおっさんファンタジー、第2弾!

片田舎のおっさん、剣聖になる 〜ただの田舎の剣術師範だったのに、大成した弟子たちが俺を放ってくれない件〜 2

感想

読み終えてまず感じたのは、漫画版と小説版ではかなり印象が違うということだった。

特に、スリの少女ミュイを巡る展開や、黒幕との戦闘シーンは、小説版の方がかなりサッパリと描かれているように感じた。漫画版ではそのあたりが丁寧に加筆されていたのだと、改めて気づかされる。

ただ、小説版には小説版の良さがある。

派手な描写は控えめでも、ベリルの考え方や周囲との距離感が自然に伝わってくるため、落ち着いた読み味を楽しむことができた。

本巻で特に印象に残ったのは、ミュイとの出会いである。

裏町で孤独に生き、スリに手を染めていた少女を、ベリルが最終的に後見人として迎え入れる展開には驚かされた。

ベリル本人はいつものように「自分は大したことをしていない」と考えているのだろうが、ミュイにとっては人生を大きく変える出会いだったはずだ。

読んでいて感じたのは、ベリルの強さは剣の腕だけではないということである。

相手を見下さず、事情を汲み取り、必要な時には手を差し伸べる。

その誠実さがあるからこそ、弟子たちだけでなく、出会った人々からも信頼されていくのだと思う。

また、魔法師団長ルーシーとの関係性も印象的だった。

ミュイを含め、三人が同じ家で過ごす場面には、どこか疑似家族のような温かさがある。

ルーシーの存在感もぐっと増しており、ベリルの隣に自然と立てる人物として魅力が深まっていた。

本巻では、愛弟子たちの活躍はやや控えめだったが、その分、新しい人間関係が丁寧に描かれていたように感じる。

そして、ファンタジーとしての見どころも十分だった。

ゼノ・グレイブルの素材とエルヴン鋼を使って作られた赤い新たな剣は、剣士としてのベリルにとって大きな転機となる存在である。

新しい武器を手にする場面には、これからさらに大きな戦いへ向かっていく期待感があった。

終盤では、ミュイの未来を守るため、ベリルがレビオス司教の企みに立ち向かう。

戦闘描写自体は漫画版に比べるとあっさりしているものの、彼が守るべきもののために剣を振るう姿には確かな熱さがあった。

自分では平凡なおっさんだと思っているのに、実際には周囲の人々を救い、人生を変えていく。

そのギャップこそが本作の大きな魅力なのだろう。

読んでいて感じたのは、本巻はベリルが「剣聖」としてだけでなく、一人の大人として誰かを支える姿が描かれた巻だったということである。

ミュイとの出会い、新しい剣、そして他国の陰謀の気配。

物語は少しずつ広がりを見せ始めている。

小説版と漫画版を読み比べながら、今後もベリルたちの物語を追っていきたい。

おっさん剣聖1巻レビュー
おっさん剣聖まとめ
おっさん剣聖3巻レビュー

最後までお読み頂きありがとうございます。

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考察・解説

新たな剣の入手

『片田舎のおっさん剣聖になる 2』における、主人公ベリル・ガーデナントの新たな剣の入手に関する経緯と、その剣の詳細は以下の通りである。

特別討伐指定個体との死闘で失った愛剣に代わり、元弟子の鍛冶師や周囲の厚意、そして規格外の素材によって誕生した新たな名剣の全容は以下の通りである。

愛剣の喪失とギルドによる融資の固辞

ベリルは特別討伐指定個体ゼノ・グレイブルとの死闘において、スレナの強力な一撃の巻き添えになり、長年愛用していたロングソードをへし折られてしまった。

・新しい剣が必要となったベリルに対し、冒険者ギルドやスレナから剣を提供するという申し出があった。
・しかしベリルは、ギルドに借りを作りたくないという理由からこれを固辞し、自力で探す道を選んだ。

元弟子の鍛冶師バルデルとの再会とスレナからの贈り物

ある日、ベリルは自身の剣の研ぎを依頼したいというクルニの提案で、アリューシアと共に中央区の鍛冶屋へ向かう。

・そのバルデル鍛冶屋の店主であるバルデル・ガスプは、かつて剣士の気持ちを理解するためにベリルの道場で1年ほど学んでいた元弟子であった。
・ベリルがバルデルの店で既製品のロングソードを物色していると、偶然スレナが現れる。
・彼女は討伐報酬として自身が受け取ったゼノ・グレイブルの素材(爪、皮、骨など)をカウンターに置き、これを使ってベリルのためのロングソードを打ってほしいとバルデルに依頼した。
・ギルドからの報酬ではなく、スレナ個人の、剣を折ってしまったことへの弁償、としての贈り物であると説明されたため、ベリルも最終的にこの申し出を受け入れることとなった。

完成した新たな剣の構造と特徴

一週間後、バルデルの手によって完成した新たな剣は、ベリルが好むロングソードの形状を踏襲しつつも、規格外の素材を用いた類を見ない業物に仕上がっていた。

・刀身:刃渡りは100センチ前後でやや細身の形状をしている。芯にゼノ・グレイブルの非常に硬い骨を使用し、その上から貴重なエルヴン鋼でコーティングされている。
・外観:エルヴン鋼の作用により、刀身は仄かな赤い鈍色を放っている。
・装飾とグリップ:握りと鞘にはゼノ・グレイブルの赤い皮が使用されており、滑りにくく良い振りができる。ガード(鍔)にはエルヴン鋼が使われ、中心に牙が埋め込まれている。
・性能:空気抵抗をほとんど感じさせない滑らかな振りが可能で、確かな重みと抜群の切れ味を誇る。

実戦での圧倒的な威力とエストックの破壊

この剣の真価は、後に北区の教会前でスフェン教の凄腕騎士・シュプールと交戦した際に発揮された。

・フルプレートアーマーを着込んだ相手の装甲を容易く切り裂く威力を示した。
・激しい鍔迫り合いの末に、シュプールが装備していた硬質なエストックを真っ二つに破壊するという、通常の剣では考えられないほどの強度と破壊力を見せつけた。
・ベリル自身も、この剣でなければヤバかったかもしれない、とバルデルの仕事とその性能に深く感謝している。

まとめ

ベリル・ガーデナントの新たな愛刀の入手は、彼を慕う元弟子たちの感謝と職人技が結晶となった、新たな相棒の誕生の物語である。ギルドとのビジネス的な繋がりを嫌って一度は申し出を断る実直さを見せながらも、スレナの純粋な弁償の気持ちを受け入れることで、ゼノ・グレイブルの素材とエルヴン鋼を用いた無二の業物を手にした。凄腕騎士シュプールのエストックを両断した圧倒的な強度は、片田舎の剣聖と称されるベリルのこれからの戦いを支えるに相応しい、最高の盾であり矛となっている。

少女ミュイとの出会い

『片田舎のおっさん剣聖になる 2』における、主人公ベリル・ガーデナントと少女ミュイ・フレイアの出会いから、彼女を保護し後見人となるまでの経緯は以下の通りである。

夜の路地での突発的な遭遇からスリの動機となった悲しい嘘の露呈、盗賊団の制圧、そして新たな同居生活と後見人としての決意にいたる全容は以下の通りである。

夜の路地でのスリ未遂と残された古いペンダント

ある夜、ベリルが騎士団での鍛錬を終えて一人で宿へ帰る途中、すれ違いざまに何者かが懐へ腕を伸ばしてきた。

・ベリルがその腕を素早く掴むと、相手は魔法(爆炎)を放って拘束を逃れ、中央区の路地へと逃走した。
・ベリルは逃げたのが若い女性であることに気づき、彼女がその場に落としていった手入れの行き届いた古いペンダントを拾い上げる。
・翌日、ベリルはそのペンダントを騎士団の遺失物預かり所へ届け出た。

ペンダントを探す少女との再会と騎士団への同行

ペンダントを届けた直後、ベリルは街の道端で地べたを這うようにして何かを探している、くすんだ青髪の少女と遭遇する。

・彼女こそが前夜にスリを働いた少女であるミュイ・フレイアであった。
・ベリルがペンダントを騎士団に預けたことを伝えると、彼女は敵意を剥き出しにした。
・しかし、ペンダントを取り戻すために渋々ベリルに同行して騎士団庁舎の応接室へと向かうこととなった。

蘇生魔法の嘘の露呈と盗賊団根城への突入

応接室にて、ベリルとアリューシアから事情を聞かれたミュイは、亡くなった姉を生き返らせる蘇生魔法のために、黒幕である宵闇から要求された五百万ダルクという大金を集めようとしていたことを告白する。

・しかし、そこに駆けつけた魔法師団長のルーシーから、蘇生魔法はこの世に存在しない、と断言される。
・これにより、ミュイは騙されていたという残酷な現実に直面した。
・ミュイの尊厳を守るため、ベリルとルーシーはミュイの案内で中央区にある盗賊団「宵闇の魔手」の根城へ急襲をかけ、見事に彼らを制圧した。

新たな同居生活の開始と後見人としての決意

行き場を失ったミュイは、魔法の素質を評価されて一時的にルーシーの家で保護されることになった。

・魔術師学院への入学には親か後見人が必要であったため、最終的にベリルが彼女の後見人を引き受けることとなった。
・ベリルはルーシーから譲り受けた新しい家でミュイと同居生活を始める。
・姉以外と食事をしたことのなかったミュイに、高級な飯処でボアのフリッターをご馳走した。
・ベリルは、不器用ながらも自分に美味しい肉を切り分けてくれたミュイの姿を見た。
・彼女が魅力的な大人に成長するまで責任を持って面倒を見る、という決意を新たにしている。

まとめ

ベリル・ガーデナントとミュイ・フレイアの出会いは、犯罪に手を染めていた孤独な少女を救い出し、ベリルが中央の舞台で守るべき存在を得る重要な契機となった。蘇生魔法という卑劣な嘘に縛られていたミュイの心を、ルーシーと共に盗賊団を壊滅させることで救い、後見人として引き受ける決断は、ベリルの持つ深い包容力を示している。不器用な共同生活の始まりと、食卓で見せたミュイの小さな気遣いは、孤独だった少女の心が開きつつある証であり、彼女を大人になるまで見守ろうとするベリルの新たな父親像としての歩みを象徴するエピソードとなっている。

盗賊団と黒幕の制圧

『片田舎のおっさん剣聖になる 2』における、盗賊団「宵闇の魔手」の制圧と、その黒幕であるレビオス司教の捕縛にいたるまでの経緯は以下の通りである。

幼い少女を騙していた盗賊団の電撃的な制圧から、国際問題の隙間を縫うベリルへの隠密依頼、そして教会での死者蘇生を巡る死闘と黒幕の捕縛にいたる全容は以下の通りである。

盗賊団宵闇の魔手の制圧と背後に潜む黒幕の浮上

少女ミュイが姉を生き返らせる蘇生魔法のために大金を集めようとしていたことを知ったベリルとルーシーは、蘇生魔法などこの世に存在しないという残酷な事実を突きつけた。

・幼いミュイを騙して悪事に手を染めさせていた盗賊団「宵闇の魔手」を叩き潰すため、ルーシーの提案により中央区にある彼らの根城へと急襲をかけた。
・ルーシーが強行突破して居間へ侵入し、頭目の大男である宵闇と対峙する。
・宵闇が手を上げようとした瞬間、ルーシーが手を翳しただけで彼は一瞬にして気絶し、無力化された。
・残された手下たちはベリルが木剣と体術を駆使して次々と制圧し、全員をレベリオ騎士団の地下へと連行した。
・宵闇らが多数の高価な魔装具を身につけていたことから、彼らに魔装具を横流ししている本当の黒幕の存在が浮上した。

黒幕であるレビオス司教の判明とベリルへの非公式依頼

宵闇らへの尋問の結果、黒幕は隣国スフェンドヤードバニアの国教・スフェン教のレビオス司教であることが判明する。

・彼は魔装具を流す代わりに魔法の素質を持つ者や身寄りのない者を要求し、教典に記された死者蘇生の奇跡の再現という非道な研究を行っていた。
・しかし、魔法師団や騎士団が直接スフェン教の司教を捕縛すれば、国際問題や宗教的な軋轢に発展しかねないリスクがあった。
・そこで、騎士団の正式な所属ではなく特別指南役というしがらみのない立場であるベリルに対し、スフェン教のイブロイ司祭からの正式な依頼という名目で、レビオス司教の夜逃げを阻止し捕縛する役目が託された。

北区の教会での激闘と死者蘇生の奇跡の足止め

その夜、ベリルが北区の教会で張り込んでいると、夜逃げを図るレビオス司教と、フルプレートアーマーを着込んだ護衛の教会騎士団(重騎士たち)が現れる。

・ベリルが同行を求めると戦闘になり、相手は身体強化の奇跡を用いて強力な攻撃を仕掛けてきた。
・多勢に無勢で囲まれそうになったベリルであるが、そこに魔法師団のフィッセルと大剣を手にしたクルニが駆けつけ、彼を加勢した。
・逃亡を図るレビオス司教は、不完全な死者蘇生の奇跡を行使し、木箱から6人の操られた死体を呼び覚まして足止めを図る。
・その中にはミュイの姉に酷似した人物も含まれていたが、ベリルは苦渋の決断で自ら彼らに引導を渡し、フィッセルと共に司教を追跡した。

凄腕騎士シュプールとの決着と黒幕の捕縛

追いついた先で、レビオス司教の傍らに控えていた凄腕の騎士シュプールとベリルが一騎打ちとなる。

・シュプールの桁違いの剣速とパワー、さらに身体強化の奇跡によってベリルは鍔迫り合いで押し込まれそうになる。
・しかし、フィッセルの横槍による援護と、ゼノ・グレイブルの素材で作られた強靭な新しい剣の性能を信じて真っ向から迎撃した。
・ベリルはシュプールのエストックをへし折り、そのまま袈裟斬りにして見事に撃破した。
・シュプールが敗れると、逃げきれないと悟ったレビオス司教はフィッセルによって拘束される。
・彼は自身の研究の崇高さを主張し続けたが、ベリルたちは彼をレベリオ騎士団の庁舎へと連行し、待ち受けていたアリューシアへと引き渡して、この一連の事件を解決に導いた。

まとめ

盗賊団「宵闇の魔手」の制圧からレビオス司教の捕縛にいたる一連の事件は、中央の権力や宗教的なしがらみが絡む泥沼の危機に対し、ベリルの特別指南役という立場と圧倒的な実力が最大の解決策となったエピソードである。非道な蘇生研究の犠牲者たちに引導を渡す過酷な決断を迫られながらも、新しい愛刀の性能を存分に発揮して凄腕騎士シュプールを打ち破ったベリルの剣技は、まさに都の精鋭たちを牽引するに相応しい。黒幕のレビオス司教を無事に騎士団長アリューシアへ引き渡したことで、中央に渦巻く不穏な陰謀を一件落着へと導き、ベリルの名声をさらに確固たるものとした。

弟子の育成と成長

『片田舎のおっさん、剣聖になる』において、主人公ベリル・ガーデナントによる「弟子の育成と成長」は物語の根幹をなす重要なテーマである。

彼自身は自分の剣の腕をまあまあ程度と過小評価しているが、剣を教える才能には類まれなものがあり、片田舎の道場から数多くの傑物を輩出している。指導者としての卓越したスタンスと、大成した弟子たちの成長の詳細は以下の通りである。

観察眼と自立を重んじる指導スタンス

ベリルは、門下生の長所や悪癖、使用している武器のミスマッチなどを的確に見抜く優れた観察眼を持っている。

・腰で斬る、といった基本の型や身体の使い方を徹底して教え込み、強固な基礎を築かせる。
・その上で、弟子たちが基本から離れて独自の戦い方(型破り)を見つけることを歓迎する。
・一人の大人として自立していくのを見守るという、親心にも似た温かいスタンスを一貫して保っている。

最高峰の舞台で活躍する主な弟子たちの成長

彼の指導を受けた教え子たちは、国の最高戦力や冒険者の頂点へと上り詰めている。

・アリューシア・シトラス(レベリオ騎士団長):12歳から16歳までの約4年間道場に通い、ベリルが教えられることをすべて吸収するほど優秀であった。ベリルから、俺が教えられることはもうない、と免許皆伝の証である餞別の剣を渡される。彼女はベリルの本当の強さにふさわしい舞台を用意するためレベリオ騎士団に入団し、若くして団長にまで登り詰めた。
・スレナ・リサンデラ(ブラックランク冒険者):幼少期に大怪我をして村にたどり着いたところをベリルに保護された。約3年間道場で剣を学び、過去の悲しみを振り切るように愚直に鍛錬に打ち込んだ。その後、義理の両親に引き取られ、ベリルから学んだ剣を活かして冒険者となり、最高位のブラックランクに到達している。
・クルニ・クルーシエル(レベリオ騎士団員):道場での修業期間は約2年と短く、餞別の剣は渡されていなかった。首都で再会後、ベリルは彼女がショートソードの軽さに合わず伸び悩んでいることを見抜き、大剣ツヴァイヘンダーを勧める。腕力で振る悪癖を矯正し、腰と足を使って斬る、という基本やリカッソを使った運用を丁寧に指導した。フィッセルからの助言や模擬戦を経て、短期間で一線級の騎士と渡り合えるほどの実戦的な成長を遂げている。
・フィッセル・ハーベラー(魔法師団エース):道場には5年ほど在籍し、餞別の剣を授けられた。寡黙に剣を振るっていた彼女は、修めた剣術の基礎に自身の魔法を乗せる剣魔法という独自の戦闘スタイルを開花させ、レベリス王国の魔法師団で若きエースとして活躍している。

多方面に広がる教え子や若手の育成実績

ベリルの熱心な指導は、前線の戦士だけでなく、道場の後継者や職人、次世代の若手にまで及んでいる。

・ランドリド・パトルロック:道場で6年学んだ後、冒険者となりプラチナムランクに到達した。結婚と子供の誕生を機に引退し、ベリルの跡を継いで道場の運営を任されている。
・バルデル・ガスプ:鍛冶師を目指す傍ら、剣士の気持ちを理解するために道場で1年ほど学んだ年上の弟子である。彼はその経験を活かし、ベリルの新たな業物を打つなど一流の鍛冶師に成長した。
・新人冒険者(ポルタたち):ベリルは冒険者ギルドからの依頼で若手冒険者のダンジョン研修に同伴し、閉所での武器の扱いや連携、引き際の重要性などを後方から観察、指導した。

まとめ

ベリル・ガーデナントによる弟子の育成と成長は、確かな基本の構築と、個性を尊重する柔軟な指導方針が結実した理想的な教育の姿を示している。王国最高峰の騎士や最高位の冒険者、さらには独自の魔法剣士や一流の鍛冶師まで、ベリルの手を経た門下生たちが各界の第一線で大成している事実こそが、彼の指導者としての不世出の才を証明している。本人がどれほど謙遜しようとも、丁寧で誠実な教えが種となり、大輪の花を咲かせた弟子たちの活躍が、結果的に片田舎の剣聖という彼自身の偉大な名声を中央へと押し上げる最大の原動力となっている。

ツヴァイヘンダーの指導

『片田舎のおっさん剣聖になる 2』における、クルニ・クルーシエルへの「ツヴァイヘンダー」の指導と、彼女の成長の経緯は以下の通りである。

愛用武器の寿命から始まった大剣への転向、ベリルによる大剣特有の基本指導、そして同門の助言を経て実戦的な進化を遂げるにいたる全容は以下の通りである。

武器の不適合とツヴァイヘンダーへの持ち替え

クルニは愛用していたショートソードを研ぎに出すため、ベリルと共に元弟子バルデルの鍛冶屋を訪れるが、バルデルから刃が欠けており寿命だ、と宣告される。

・その原因は無茶な使い方ではなく、クルニの並外れた筋力に対して武器が軽すぎたためであった。
・彼女のパワーを持て余していることを見抜いたベリルは、長大な刀身と特徴的なリカッソ(刃の無い持ち手)を持つ両手剣ツヴァイヘンダーを勧める。
・クルニは小柄ながらも十分な筋力を持っていたため、両手剣の重さにも違和感なく馴染んだ。
・バルデルが試作品として作っていた、刀身が少し短めのツヴァイヘンダー、を格安で購入することとなった。
・刀身がやや短いことは、小柄な彼女にとって逆に扱いやすいというメリットをもたらした。

ベリルによる基本の指導と身体の使い方

武器を変えたクルニに対し、ベリルは騎士団の修練場でツヴァイヘンダーの基本的な扱い方を直接指導した。

・振り回し(薙ぎ払い)の基本:大剣での振り下ろしは破壊力があるものの体力消費が激しく隙も大きいため、遠心力を利用して横に斬る振り回しを基本の動きとするよう教えた。
・リカッソの活用:回転力を上げたい時や突きを放つ際は、刃の無いリカッソに片手を添えることでブレを抑え、斧槍のように柔軟に運用する方法を指導した。
・腰で斬る意識の徹底:クルニが腕力だけで剣を振ろうとする悪癖を指摘し、腕と身体を連動させ腰と足を使って斬ることを徹底的に身体に意識づけさせた。

フィッセルの助言と実戦を通じた急成長

ベリルの指導を受けた後も、クルニは一人で黙々と素振りを繰り返していたが、そこに魔法師団のエースであるフィッセルが現れる。

・フィッセルはクルニの素振りを見て、剣の先に相手が居ることを想定していない、と実戦的な意識の欠如を指摘した。
・この助言で気付きを得たクルニはフィッセルに模擬戦を申し込み、実戦形式で大剣を振るう感覚を磨いた。
・その後、ベリルとの打ち稽古では、ツヴァイヘンダーの暴力的なリーチと質量で押し通すだけでなく、小回りも利く素早い連撃を繰り出せるまでに成長していた。
・ベリルは、彼女の短期間での急成長に驚きつつ、今後のさらなる飛躍に大きな期待を寄せている。

まとめ

クルニ・クルーシエルへのツヴァイヘンダー指導は、個々の肉体的特性を見抜くベリルの確かな観察眼と、的確な基礎指導が実を結んだ見事なコンバージョン(兵科転換)の事例である。自身の筋力に合わない軽量な剣から、その膂力を存分に活かせる大剣へと変えたことで、クルニの潜在能力は一気に開花した。ベリルの教える高度な大剣操作技術と、フィッセルによる実戦意識の付与が重なり、短期間で重量と速さを兼ね備えた強固な剣士へと脱皮した彼女の姿は、指導者ベリルの偉大さを改めて証明している。

蘇生魔法の嘘

『片田舎のおっさん剣聖になる 2』において、少女ミュイの運命を狂わせ、一連の事件の核となった「蘇生魔法」についての詳細は以下の通りである。

幼い少女を悪事に利用するために吐かれた残酷な嘘、専門家たちによる概念そのものの否定、黒幕が手を染めていた非道な実験、そして悲劇的な肉体との対峙にいたる全容は以下の通りである。

少女ミュイを裏社会へ縛り付けていた残酷な嘘

ミュイは、身寄りのない自分を献身的に育ててくれた最愛の姉を亡くした際、盗賊団の頭目である宵闇から、五百万ダルクあれば蘇生魔法で姉を生き返らせることができる、と持ちかけられた。

・彼女はその言葉を希望として信じ込み、資金を集めるために盗賊団の下でスリや危険な仕事に手を染めることとなる。
・しかし、これは魔法の知識を持たない幼い子供を裏社会で都合よく利用するための、極めて悪質な嘘であった。

最高峰の専門家たちによる蘇生魔法の明確な否定

ミュイから事情を聞き出した魔法師団長ルーシー・ダイアモンドは、蘇生魔法なんてものはこの世に存在せん、それこそわしの命をかけてもいい、と断言し、ミュイに騙されていたという残酷な現実を突きつけた。

・また、隣国の国教であるスフェン教の教典には、最上位の奇跡として死者の蘇生が語り継がれている。
・しかし、高位の聖職者であるイブロイ司祭でさえ、それはあくまで伝説の一幕であり、実際に再現できるものではないと認識していた。

黒幕レビオス司教の狂気と非道な人体実験

スフェン教の司教レビオス・サルレオネはこの伝説の奇跡を妄信し、死者蘇生の研究に没頭していた。

・彼は盗賊団の宵闇と結託し、高価な魔装具を横流しする見返りとして、魔法の素質を持つ者や、行方不明になっても影響の少ない身寄りのない人々を要求した。
・そうして集められた人々(ミュイの姉など)を、実験の犠牲者として提供させていた。

不完全な奇跡の行使とベリルによる苦渋の決断

北区の教会での逃亡劇の最中、追い詰められたレビオス司教は未完成の死者蘇生の奇跡を行使し、周囲の木箱から6人の人間を呼び覚ましてベリルたちに差し向けた。

・しかし、彼らに生命の息吹はなく、ただ遥か向こうに沈んだ魂の残滓を無理やり呼び戻され、命令に従って動かされているだけの死体であった。
・その死体の中には、くすんだ青髪を持つミュイの姉に酷似した女性が含まれていた。
・ベリルは、罪のない人々を非道な手段で弄んだ司教への強い怒りを覚えながらも、自らの手で彼女たち全員を斬り伏せ、引導を渡した。
・そしてベリルは、最愛 of 姉が人体実験に利用され、最終的に自分の手で斬られたという残酷すぎる事実をミュイには決して伝えない方針を固める。
・この秘密は自分だけのものとして墓まで持っていくという、苦渋の決断を下した。

まとめ

蘇生魔法を巡る一連の顛末は、死者を想う純粋な心を裏社会の人間や狂気の狂信者が利用した、今作における最も痛ましい悲劇として描写されている。世界最高峰の魔術師や高位司祭によってその存在が完全に否定されたことで、ミュイは残酷な現実と向き合うこととなった。さらに、実験体と化したミュイの姉にベリル自らが引導を渡し、その事実を生涯秘匿し続けると誓った決意は、彼が後見人としてミュイの未来と尊厳を命懸けで守ろうとする、深い慈愛と覚悟を象徴するエピソードとなっている。

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登場キャラクター

ガーデナント道場関係

ベリル・ガーデナント

片田舎のビデン村で剣術道場の師範を務める男性である。自らを「しがないおっさん」と過小評価している。かつての弟子たちから強い尊敬を集める。

・所属組織、地位や役職
 ガーデナント道場・師範。レベリオ騎士団・特別指南役。

・物語内での具体的な行動や成果
 スフェン教の教会でレビオス司教の護衛と交戦した。フィッセルやクルニと協力して事態を収拾する。ミュイの後見人となることを引き受けた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 騎士団の特別指南役として活動を続ける。ルーシーから家を譲り受けた。

モルデア

ベリルの父親である。かつては剣術道場の師範を務めていた。

・所属組織、地位や役職
 ガーデナント道場・前師範。

・物語内での具体的な行動や成果
 元弟子のランドリドに道場の運営を引き継がせた。ベリルを実家から追い出し、首都へ向かわせる。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 息子であるベリルの生活環境を強制的に変化させた。

ランドリド

ベリルの道場出身の元弟子である。かつて首都バルトレーンで冒険者として活動していた。モルデアとも親交を持つ。

・所属組織、地位や役職
 元冒険者。プラチナムランク。ガーデナント道場の運営引き継ぎ者。

・物語内での具体的な行動や成果
 結婚と息子の誕生を機に冒険者を引退した。ビデン村へ戻り、モルデアの説得に応じて道場の運営を引き受ける。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 冒険者を引退し、ビデン村での生活を始めた。

レベリオ騎士団

アリューシア・シトラス

ベリルのかつての弟子である。ベリルを強く尊敬している。

・所属組織、地位や役職
 レベリス王国直轄レベリオ騎士団・団長。

・物語内での具体的な行動や成果
 ベリルを特別指南役に推薦した。ミュイの事情を知り、魔術師学院の者を呼んで資質を確認させる。捕らえたレビオス司教を地下へ勾留した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 騎士団長としての権限を行使し、ベリルの活動環境を整えた。

ヘンブリッツ・ドラウト

レベリオ騎士団の副団長を務める青年である。騎士団に対して高い誇りを持っている。

・所属組織、地位や役職
 レベリオ騎士団・副団長。

・物語内での具体的な行動や成果
 特別指南役に就任したベリルに手合わせを申し出た。模擬戦でベリルに完敗を喫する。その後はベリルを目標として慕うようになった。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ベリルとの模擬戦を経て、彼に対する疑念を畏怖と尊敬へと変化させた。

クルニ・クルーシエル

ベリルのかつての弟子である。元気で活発な性格をしている。

・所属組織、地位や役職
 レベリオ騎士団・所属騎士。

・物語内での具体的な行動や成果
 ベリルとともに鍛冶屋を訪れ、ツヴァイヘンダーを購入した。スフェン教の教会前で騎士と交戦する。フィッセルと模擬戦を行った。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ショートソードからツヴァイヘンダーへ武器を変更した。

レベリオ騎士団の騎士たち

レベリス王国直轄の騎士団に所属する団員たちである。

・所属組織、地位や役職
 レベリオ騎士団・所属騎士。

・物語内での具体的な行動や成果
 修練場に集まり、ベリルとヘンブリッツの模擬戦を見学した。宵闇ら盗賊団を連行する。レビオス司教を地下へ勾留した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ベリルの実力を目の当たりにし、懐疑的な視線を尊敬へと変えた。

魔法師団

ルーシー・ダイアモンド

幼い少女の外見をしているが、魔法師団の団長を務める人物である。魔法の研究と研鑽に日々取り組んでいる。

・所属組織、地位や役職
 レベリス王国魔法師団・団長。

・物語内での具体的な行動や成果
 ミュイを一時的に自宅で保護した。ベリルにレビオス司教の捕縛を依頼する。ベリルに対して自身が所有する空き家を提供した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 魔法の力によって現在の外見を長年維持している。

フィッセル・ハーベラー

ベリルのかつての弟子である。独特のテンポで話す特徴を持つ。剣の動きに魔法を組み合わせた剣魔法を操る。

・所属組織、地位や役職
 レベリス王国魔法師団・所属。

・物語内での具体的な行動や成果
 クルニに模擬戦で稽古をつけた。スフェン教の教会前でベリルに加勢し、騎士と交戦する。逃亡を図ったレビオス司教を拘束した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 魔法師団の若きエースにまで昇り詰めた。

冒険者ギルド・冒険者

ニダス

冒険者ギルドレベリス王国支部の責任者を務める白髪の男性である。柔和な態度をとる。

・所属組織、地位や役職
 冒険者ギルドレベリス王国支部・ギルドマスター。

・物語内での具体的な行動や成果
 新人冒険者の育成にベリルを起用する件を承認した。ゼノ・グレイブル討伐の報告を受け、ベリルへ深く感謝を述べる。ベリルに対して冒険者への勧誘を行った。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項は記載されていない。

メイゲン

ニダスの補佐を務める長身の男性である。冒険者の安全を第一に考えている。

・所属組織、地位や役職
 冒険者ギルドレベリス王国支部・補佐。

・物語内での具体的な行動や成果
 ベリルの実力を確認するため、スレナとの手合わせを提案した。手合わせの結果を受けてベリルの実力を認める。研修へ向かう新人冒険者三人をベリルたちに紹介した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項は記載されていない。

スレナ・リサンデラ

ベリルのかつての弟子である。勝気な性格だが、ベリルに対しては素直な態度をとる。

・所属組織、地位や役職
 冒険者。最高位のブラックランク。

・物語内での具体的な行動や成果
 冒険者ギルドでの手合わせでベリルと交戦した。アザラミアの森での研修に監督役として同行する。ゼノ・グレイブルの素材を用いたロングソードの作製をバルデルへ依頼した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 「竜双剣」の異名を持つ。

ポルタ

ブロンズランクの若い男性冒険者である。ニドリーとチームを組んでいる。

・所属組織、地位や役職
 冒険者。剣士。

・物語内での具体的な行動や成果
 アザラミアの森での研修に参加した。洞窟内でゴブリンを両断する働きを見せる。ゼノ・グレイブルの突進を受けて重傷を負った。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 スレナの処置で一命を取り留めた。

スフェン教・教会騎士団

イブロイ・ハウルマン

白髪交じりの黒髪を持つ、物腰の柔らかな男性である。ルーシーと旧知の仲である。

・所属組織、地位や役職
 スフェン教・司祭。

・物語内での具体的な行動や成果
 ルーシーの家でベリルと面会した。レビオス司教の捕縛をベリルに依頼する。依頼の成功後、ベリルに労いの言葉を掛けた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項は記載されていない。

レビオス・サルレオネ

スフェン教の司教を務める恰幅の良い男性である。死者蘇生の研究を行っていた。

・所属組織、地位や役職
 スフェン教・司教。

・物語内での具体的な行動や成果
 盗賊団「宵闇の魔手」から魔法の素質を持つ者や身寄りのない者を受け取っていた。北区の教会から夜逃げを図る。追跡してきたフィッセルに拘束された。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 レベリオ騎士団によって地下に勾留された。

シュプール

レビオス司教の護衛を務める騎士である。高い戦闘能力を持っている。

・所属組織、地位や役職
 スフェン教・所属騎士。

・物語内での具体的な行動や成果
 夜逃げを図るレビオス司教に随伴した。教会前でベリルと交戦する。フィッセルの援護を受けたベリルの一撃によって敗北した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 身体強化の奇跡を行使した。

ロゼ・マーブルハート

ベリルのかつての弟子である。遠く離れていてもベリルを尊敬している。

・所属組織、地位や役職
 隣国スフェンドヤードバニアの教会騎士団・副団長。

・物語内での具体的な行動や成果
 エストックと大盾で戦う。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項は記載されていない。

教会騎士団

スフェンドヤードバニアの国教であるスフェン教の直下にある実動戦力である。

・所属組織、地位や役職
 スフェンドヤードバニア・教会騎士団。

・物語内での具体的な行動や成果
 レビオス司教の護衛として活動していたと推測される。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 エストックを標準装備としている。

重騎士たち

フルプレートのアーマーで全身を覆った騎士たちである。

・所属組織、地位や役職
 スフェン教の教会騎士団と推測される。

・物語内での具体的な行動や成果
 レビオス司教の夜逃げに随伴し、大荷物を運び出していた。教会前でベリルやクルニ、フィッセルと交戦する。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 奇跡による身体強化を行使した。

スフェン教の信者

唯一神スフェンを信仰する人々である。

・所属組織、地位や役職
 スフェン教・信徒。

・物語内での具体的な行動や成果
 特筆すべき事項は記載されていない。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 スフェンドヤードバニアの国民のほとんどがスフェン教徒である。

盗賊団「宵闇の魔手」

宵闇

大柄で長髪を後ろに結った男性である。盗賊団「宵闇の魔手」の頭目を務める。

・所属組織、地位や役職
 盗賊団「宵闇の魔手」・頭目。

・物語内での具体的な行動や成果
 ミュイに蘇生魔法の存在を教え、盗みを働かせていた。レビオス司教に身寄りのない者を提供していた。ルーシーの魔法を受けて気絶した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 レベリオ騎士団によって地下に勾留された。

盗賊たち

盗賊団「宵闇の魔手」に所属する構成員である。

・所属組織、地位や役職
 盗賊団「宵闇の魔手」・構成員。

・物語内での具体的な行動や成果
 中央区の根城でベリルやルーシーと対峙した。ベリルとの交戦で次々と制圧される。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 レベリオ騎士団によって地下に勾留された。

街の人々・その他

バルデル・ガスプ

やや老齢で精悍な肉体を持つ男性である。ベリルの元弟子であり、中央区で鍛冶屋を営んでいる。

・所属組織、地位や役職
 バルデル鍛冶屋・店主。

・物語内での具体的な行動や成果
 クルニに試作品のツヴァイヘンダーを格安で譲った。スレナからゼノ・グレイブルの素材を受け取る。素材を用いてベリルのための新しいロングソードを作製した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項は記載されていない。

ミュイ・フレイア

くすんだ青髪を持つ少女である。姉を蘇らせるために盗賊団でスリを働いていた。

・所属組織、地位や役職
 所属なし。

・物語内での具体的な行動や成果
 ベリルから財布をスろうとして失敗した。落としたペンダントを受け取るため、ベリルに同行して騎士団庁舎へ向かう。ルーシーの家で保護された後、ベリルとともに暮らすことになった。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ベリルを後見人として魔術師学院に入学することとなった。

ミュイの姉

ミュイの姉である。両親のいない環境でミュイの面倒を見ていた。

・所属組織、地位や役職
 所属なし。

・物語内での具体的な行動や成果
 特筆すべき事項は記載されていない。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 すでに死亡しており、不完全な死者蘇生の奇跡によって操られた状態でベリルの前に現れた。

ハルウィ・シャディ

シニヨンで纏められた黒髪と眼鏡が特徴的な女性である。落ち着いた気品を備えている。

・所属組織、地位や役職
 ルーシーの家・使用人。

・物語内での具体的な行動や成果
 ルーシーの家を訪れたベリルとイブロイに応対した。帰宅するイブロイを見送る。ミュイに言葉遣いを指導した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 特筆すべき事項は記載されていない。

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展開まとめ

一  片田舎のおっさん、剣を探す(アニメ 4話)

剣が折れた後の日々

ベリルはゼノ・グレイブルとの戦闘で剣が折れてから、落ち着かない日々を過ごしていた。冒険者ギルドからの助力要請が一段落し、騎士団での指南役の業務に専念していたが、折れた剣の代わりを見つける必要に迫られていた。彼は新たな剣を手に入れるべく、鍛冶屋を訪れる決意を固めた。

ギルドの提案と自立の選択

冒険者ギルドはベリルに剣を提供することを申し出たが、彼は借りを作ることを避けるためにこれを断った。ギルドの好意に感謝しつつも、ビジネス的な関係が自分には合わないと感じた彼は、自力で鍛冶屋を探す道を選んだ。

クルニとの再会と鍛冶屋探しの提案

早朝の散歩中、ベリルは元弟子であるクルニと再会した。クルニは彼が剣を探していることを知り、自身が剣を研ぎに出す予定を思い出した。そして、稽古後に推薦する鍛冶屋へ一緒に行くことを提案した。これにベリルは喜んで応じ、訪問を楽しみにすることとなった。

片田舎のおっさん、剣聖になる NBCUniversal Anime/Music

鍛冶師バルデルとの再会

クルニが推薦した鍛冶屋は、かつてベリルの弟子であったバルデルが営む店であった。再会を喜ぶバルデルは、彼女の剣の寿命を指摘し、新たなツヴァイヘンダーを提案した。クルニはその剣を選び、ベリルも新たな剣を求めて選定を始めた。

スレナの訪問と特別な剣の提案

剣を選んでいる最中、冒険者スレナが現れ、ゼノ・グレイブルの素材を用いた剣をベリルに贈りたいと提案した。彼は一度は固辞したが、スレナの熱意に押され、最終的に申し出を受け入れた。この剣が完成するまで、ベリルは日々の鍛錬に励むこととなった。

クルニとの両手剣訓練

修練場でベリルは、クルニにツヴァイヘンダーの使い方を指導した。両手剣に不慣れな彼女に、剣の扱い方や動作の基本を丁寧に教えた。特訓を重ねる中で、クルニは少しずつ成長し、ベリルも指導者としての手応えを感じていた。

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不審者との遭遇と落とし物

訓練を終えた夜、ベリルは宿へ向かう途中でスリを試みた不審者に遭遇した。彼は相手を阻止したが、魔法で逃げられてしまった。不審者が落としていったペンダントを拾い、遺失物として届けることを決めた。

静かな夜の終わり

一連の出来事を思い返しながら、ベリルは宿へ戻り、疲れた体を癒すために風呂と睡眠を取ることを選んだ。彼の足音が夜の静寂に響く中、街は再び静けさに包まれていった。

二  片田舎のおっさん、盗賊と出会う(アニメ 5話)

副団長との雑談と鍛錬

昨日のスリの話題
ベリルはレベリオ騎士団の修練場で副団長ヘンブリッツと稽古をしながら、前日に起きたスリ事件を語った。魔法を使われて驚き、相手を取り逃がした経緯を説明すると、ヘンブリッツは魔法の使い手がスリを行う不自然さに疑問を抱いた。魔装具を利用した可能性を示唆した彼の指摘に、ベリルは納得を示した。

クルニの成長と副団長の期待
話題はクルニの両手剣訓練に移り、地道に努力を続ける彼女の成長が評価された。ヘンブリッツは彼女の可能性を信じ、さらなる成長を楽しみにしている様子であった。

拾ったペンダントの相談
スリが落としていったペンダントについても話題が及び、ヘンブリッツは遺失物の預かり所への届け出を提案した。丁寧に手入れされたペンダントが持つ背景に思いを巡らせながら、ベリルは所有者へ無事に返したいと語った。

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模擬戦の提案と鍛錬の熱意
ヘンブリッツが模擬戦を提案し、ベリルはこれを快諾した。二人の鍛錬は修練場に剣の音を響かせ、互いに熱意を持って稽古に励んでいた。

拾ったペンダントの届け出

騎士団詰め所での届け出
稽古を終えたベリルは、拾ったペンダントを騎士団詰め所に届けた。騎士たちが整然と対応する中で、彼は落とし主が現れることを期待しつつ手続きを済ませた。

少女との再会

ペンダントを探す少女との邂逅
街を歩いていたベリルは、地面を探す少女に気づき声を掛けた。彼女は落としたペンダントを探していることを告げ、前夜のスリの件と関連していると悟ったベリルは、それを騎士団に届けたと説明した。少女は動揺しながらも同行に同意し、共に詰め所へ向かうこととなった。

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ペンダント返却のやり取り
詰め所に到着した少女とベリルは、返却の手続きを進めた。ベリルは少女を責めることなく対応し、落ち着いた雰囲気の中で話し合いを進めた。

片田舎のおっさん、剣聖になる NBCUniversal Anime/Music
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少女の告白と動機

スリを働いた理由の告白
少女は、姉を蘇らせるための資金が必要だったと告白した。その言葉はベリルとアリューシアを驚かせたが、詳細な手段は明かされないままであった。

魔術師学院との協力の取り付け
アリューシアの提案により、少女の才能を魔術師学院で確認することが決まった。ベリルもこれに同意し、彼女の未来の可能性を信じる姿勢を見せた。

盗賊団「宵闇」との対峙

拠点への突入
ルーシー、ベリル、少女の三人で盗賊団「宵闇」の拠点を急襲した。ルーシーの魔法が扉を開け放ち、緊張感漂う中で突入が開始された。

宵闇の頭目との対峙
頭目が姿を現し、少女を利用していたことが明らかになった。ルーシーはその魔法の冒涜に怒りを見せ、彼を無力化するための攻撃を躊躇なく繰り出した。

戦闘の決着と賊の制圧
部下たちとの戦闘が発生するも、ベリルが巧みに木剣を振るい、賊を次々と制圧した。最後にルーシーが頭目を完全に無力化し、一連の戦いが終わりを迎えた。

片田舎のおっさん、剣聖になる NBCUniversal Anime/Music

宵闇の調査とミュイの未来

魔装具の正体と黒幕の示唆
頭目が身に着けていた装飾品が魔装具であると判明し、背後に黒幕がいる可能性が示された。ルーシーとアリューシアは、さらなる調査の必要性を共有した。

少女の預かり先の決定
少女は一時的にルーシーの保護下に置かれることとなった。ベリルは彼女の未来が穏やかなものになることを願いながら、その場を後にした。

騎士団庁舎での報告

宵闇の連行と次なる行動
捕らえられた宵闇と部下たちは、騎士団の管理下に置かれた。ルーシーは調査の継続を提案し、騎士団と連携して黒幕の追跡を進めることとなった。

日常への帰還

宿への帰路
騎士団庁舎を後にしたベリルは、日常の生活に戻るため宿へ向かった。事件が一段落し、疲労感の中で明日への準備を整えようとしていた。

酒場でのひととき
行きつけの酒場に立ち寄り、一杯の酒で心を癒すことを選んだ。騒がしい街の中、穏やかな時間を楽しみつつ、新たな日々への期待を胸に刻んでいた。

〈ミュイ・フレイア〉

幼少期と姉との日々

ミュイは幼少期を姉と共に過ごしていた。両親の記憶はなく、日々の生活に追われる中で、姉が献身的に面倒を見ていた。ミュイも姉を助けたいと願い、次第に二人で別々の仕事を請け負うようになった。質素ながらも安定した生活が続き、姉妹の絆は深かった。

姉の死と運命の転換点

ある日、姉が帰宅せず、無愛想な男がミュイのもとを訪れた。男から姉の死を告げられ、ペンダントを手渡されたミュイは深い絶望に陥った。その後、男から「姉を生き返らせる手段がある」と持ち掛けられたことで、危険な道を選ぶこととなった。

危険な生活と目標への執着

ミュイは男から与えられた魔装具を用い、危険な仕事をこなし始めた。やがて炎を操る技術を身につけ、その力を使って金を稼ぎ、姉を蘇らせる資金を集めることに執着していた。彼女の生活は荒んでいたが、目標への執念だけは変わらなかった。

騎士団との出会いと価値観の揺れ

ミュイはある失敗を機に追われる身となり、偶然出会った男性に行動を見抜かれた。その後、彼に連れられ騎士団庁舎を訪れることになった。そこで、自分の生活の実態や、姉を蘇らせる希望の無意味さを知らされ、深い絶望に包まれた。騎士団長や魔法師団長、連れてきた男性は、そんな彼女を励まし、別の道を示そうとした。

希望の兆しと新たな一歩

ミュイは彼らの真摯な態度に触れ、失意の中で自身の未来について考え始めた。姉を蘇らせることは叶わないと理解しながらも、大人たちを信じてみる決意を固めた。過去の執念から一歩抜け出し、新たな人生を歩む可能性を感じ、ミュイは少しずつ前進を始めた。

幕間

クルニの新たな挑戦

夕暮れの騎士団修練場で、クルニ・クルーシエルは新たに手にした大剣・ツヴァイヘンダーを振るい続けていた。それはかつての師・ベリルの勧めで選んだ武器であり、扱いにまだ不慣れであった。ショートソードとは全く異なる重量と振りの感覚に戸惑いを抱きながらも、彼女はひたむきに練習を重ねていた。

フィッセルとの再会と助言

修練場に現れたのは、クルニの旧友であり魔法師団のエース・フィッセル・ハーベラーであった。彼女は、約束していた夕食を忘れて訓練に没頭するクルニを見つけ、呆れながらも手助けをすることにした。フィッセルは剣術の専門家ではないものの、素振りに足りない「相手を想定する意識」について指摘した。その助言は、クルニに新たな気づきを与えた。

即興の模擬戦と友情の形

助言を受けたクルニは勢いに乗り、フィッセルに模擬戦を申し出た。渋々ながらも彼女は応じ、騎士団の修練場に剣戟の音が響き渡った。短い試合の中で、クルニは新たな意識を持ちながら剣を振ることを試みた。

日暮れ後の晩餐

その後、二人は日もとっぷり暮れた後にようやく夕食へと向かった。フィッセルは長時間訓練に付き合わされた不満を隠さず、クルニの財布は彼女の機嫌を取るために大いに苦労させられる結果となった。

三  片田舎のおっさん、闇夜を切り裂(アニメ 6話)

騎士団修練場での稽古

朝早くから、レベリオ騎士団の修練場では多くの騎士たちが鍛錬に励んでいた。その中で、指南役のベリルは、弟子であるクルニ・クルーシエルと模擬戦を行っていた。クルニは新たな武器であるツヴァイヘンダーを手にしており、その扱いに徐々に慣れつつあった。ベリルは彼女の成長を喜びつつも、間合いや突きの技術の改善を求めた。クルニは指摘に少し落ち込んだものの、その素直な性格ゆえにすぐに気を取り直し、次の稽古に臨む準備を整えていた。

クルニの成長と師の期待

クルニの成長は著しく、ツヴァイヘンダーという癖のある武器にも対応できる力を見せていた。小柄な体から繰り出される大剣の攻撃は、リーチと威力の両面で優れており、ベリルも彼女の将来性に大きな期待を寄せていた。日々の鍛錬が確実に実を結んでいることを、クルニ自身も感じ取っているようであった。

師の新たな剣への期待

稽古の合間、クルニが思い出したのは、ベリルの新しい剣の完成予定であった。彼女はそのことを伝え、共に鍛冶屋へ向かうことを提案した。剣の素材には特別討伐指定個体のゼノ・グレイブルの素材が使われており、その完成品に対する期待は高かった。ベリルは当初忘れていたが、改めて剣士としての心が弾み、鍛冶屋に足を運ぶ決意を固めた。

訓練再開と期待感

休憩を終えた後、ベリルとクルニは再び訓練に戻った。クルニの高まる意気込みに触発され、ベリルも改めて気を引き締めた。新たな剣との出会いを前にした彼らは、それぞれの期待を胸に秘めながら、この日の稽古に最後まで真剣に取り組むことを誓った。

クルニとの稽古終了と日常の一端

クルニとの鍛錬を終えたベリルは、生活のリズムを崩さないよう、修練の時間を決めていることを再確認した。クルニは明るい様子で更衣室へ向かい、ベリルはその間に外出の準備を整えた。アリューシアやルーシーが不在であることを気にしつつも、新たな剣への期待を胸に抱いていた。

鍛冶屋への道中の雑談

クルニと共にバルデルの鍛冶屋へ向かう道中、二人は雑談を交わした。ベリルは新調されるロングソードについての期待を語り、クルニは自分のツヴァイヘンダーがしっくりきていると嬉しそうに話していた。新しい武器が二人にとって重要な転機となっていることを実感しながら鍛冶屋に到着した。

新たな剣との出会い

鍛冶屋のバルデルから渡された剣は、ゼノ・グレイブルの素材とエルヴン鋼を用いた業物であった。細身の剣身と仄かな赤い輝きが特徴で、実用性と美しさを兼ね備えた一振りであった。ベリルはその剣を手に取ると軽く振り、確かな手応えを感じ取った。バルデルの自信作に対し、ベリルは感謝の意を伝えた。

帰路とルーシーの登場

鍛冶屋から戻る途中、騎士団庁舎の入り口でルーシーが待っていた。彼女はベリルに話があると言い、彼を北区にある自宅へ誘った。クルニには申し訳なさを感じつつ、ベリルはルーシーと共に街を進んだ。

魔力の話題と魔術師の違い

道中、ルーシーはベリルの剣から微かな魔力を感じ取ったことを語り、それに感心するベリルが魔術師の呼び名について尋ねた。ルーシーは、魔術師という呼び名が魔法使いと異なる理由を説明し、ベリルはその奥深さに驚きを覚えた。彼らは穏やかな会話を交えながら目的地へ向かっていった。

魔法と魔術の違い

ルーシーは魔法と魔術の違いを語り始めた。魔法とは、魔力を媒介に発生するすべての現象を指し、魔術はその中でも人の手で再現可能なものだと説明した。古代から存在する魔法の中で、人が扱えるようになったのは最近のことで、研究を通じて魔法から魔術への区別が始まったという。魔術師はその一部を操れるに過ぎず、すべてを扱える者はいないとのことだった。

スフェン教の奇跡

スフェン教の教えでは、神スフェンの奇跡が人々の信仰の基盤であると説明された。その中でも最上位の奇跡とされる「死者の蘇生」について語られたが、イブロイ自身はこれを伝説と捉えていた。ルーシーは脚色だと断じたが、イブロイは教典に基づく信仰の重要性を軽視しないよう諫めた。

レビオス司教の疑惑

ルーシーは、捕えた宵闇の尋問から判明した黒幕の名前として、スフェン教の司教レビオスを挙げた。彼が魔装具を流している可能性が浮上し、その捕縛が必要だとされた。しかし、レビオスは隣国スフェンドヤードバニアの人間であり、やましい自覚があれば容易に亡命できる状況であるため、迅速な行動が求められていた。

ベリルへの依頼の理由

ルーシーやアリューシアは、それぞれの立場上動くことができなかった。魔法師団や騎士団が表立って行動すれば、国際問題や教会との対立を招く恐れがあるためである。一方で、ベリルはその制約から自由な立場にあるため、レビオス捕縛の役割を依頼された。イブロイもまた教会内の立場を保つ必要があり、自ら動けない事情を抱えていた。

司祭イブロイの苦悩

イブロイは司祭という立場上、物的証拠がない状態でレビオス司教を拘束することは難しいと説明した。スフェンドヤードバニアの教会騎士団を動かすにも時間が足りず、結果として内部での問題解決を模索していた。冒険者ギルドへの依頼も情報漏洩のリスクが高いため選択肢にはならなかった。

レビオスと宵闇の契約

ルーシーの説明によれば、レビオス司教は宵闇と契約を結び、教会勢力から魔装具を横流しする代わりに、魔法の素質を持つ者や影響の少ない者を提供させていた。目的はスフェンの奇跡、すなわち死者蘇生の再現と推測された。この事実が公になればスフェン教やスフェンドヤードバニアそのものが批判を浴びる恐れがあった。

ベリルへの依頼

レビオス捕縛の依頼がベリルに向けられた理由は、彼が騎士団や教会に属さない立場だからである。彼の肩書きはレベリオ騎士団の特別指南役だが、正式な叙任を受けていないため、形式上はただの雇われ人だった。ルーシーはこの点を挙げ、彼が依頼を受けることに支障はないと説明した。

ミュイへの配慮

ミュイの存在がこの依頼を受ける決断に影響を与えた。彼女の過去や、現在の環境に対する戸惑いを考慮し、彼女の将来のためにも問題を解決する必要があると判断された。ミュイ自身にはこの件が伝えられておらず、彼女の心情を揺るがさないためにも慎重に進めることが求められた。

行動計画とリスク

レビオスが北区の教会から逃亡を図る可能性が高く、その動きを抑えるため、ベリルは張り込みを任された。ルーシーは地図を示し、具体的な行動指針を説明した。戦闘の可能性についても触れられ、レビオスが単独で動かず協力者がいる可能性が高いことが示唆された。

ミュイとの対話

ベリルは出発前にミュイと対話し、彼女の疑念や不安を和らげるために子供らしく過ごすことの重要性を説いた。彼女の反発も見られたが、大人として彼女を支えるべきという姿勢を崩さなかった。ルーシーも見守る中、ベリルはミュイの未来を守る決意を新たにした。

出発の準備

最後に、ベリルは移動手段を確認し、馬車を利用することを決めた。暗くなる時間帯に備え、早急に行動する必要があった。彼は依頼の成功を祈りつつも、その困難さを実感しながら北区の教会へ向かう準備を整えた。

北区への到着と教会の静寂

ベリルはルーシーの案内を受け、北区へ向かう馬車に乗った。この時間帯、北区行きの乗客は少なく、彼は一人静かに街の景色を眺めていた。到着した北区は静寂に包まれ、観光地として有名な王宮の影が遠くに見えた。目的地であるスフェン教の教会は、馬車停留所から少し離れた丘の上に控えめに建っていた。

教会への張り込みと異様な動き

教会周辺にはほとんど人影がなく、夜の暗がりの中でベリルは張り込みを始めた。しばらくすると、教会の扉が開き、多くの人々が荷物を運び出す様子が見られた。重装備の騎士たちが護衛を務めるその光景は、夜逃げを示唆していた。ベリルは彼らに接触し、慎重に会話を試みたが、司教レビオスの指示により重騎士たちが武器を抜き、戦闘が避けられない状況となった。

騎士たちとの戦闘

重騎士たちは身体強化の奇跡を用いて襲い掛かり、ベリルは鋭い剣技とゼノ・グレイブルの強力な剣を駆使して応戦した。彼は相手を殺さないよう力加減を調整しながら、騎士たちを次々と制圧していった。しかし、その数と彼らの戦力の高さから、戦況は決して楽観できるものではなかった。

助っ人の登場

戦闘の最中、ベリルの元弟子である魔法師団のフィッセルと、大剣を振るうクルニが現れた。二人はそれぞれ騎士たちに立ち向かい、戦況を少しずつ有利に導いた。フィッセルは魔法と剣技を駆使し、クルニはツヴァイヘンダーを振るい騎士と互角以上に渡り合った。二人の予想外の登場により、ベリルは少し緊張を解きつつ戦闘を続けた。

レビオス司教の奇跡と新たな敵

戦いのさなか、レビオス司教が奇妙な祝詞を唱え始めた。その結果、周囲に置かれていた木箱から六人の人間が現れた。彼らは不自然な状況で箱に封じられており、レビオスの奇跡によって目覚めたようだった。司教と彼を守るシュプールはその場を離れようとし、ベリルは阻止しようと試みたが、新たに現れた六人が彼の行く手を遮った。戦闘はさらなる混沌へと進んだ。

不気味な六人の出現

レビオス司教の奇跡によって箱から出現した六人は、生命の気配がなく、単なる死体が操られているように見えた。その中の一人の姿が、ミュイに酷似していたため、ベリルの足は一瞬止まった。彼らはゆっくりと歩み寄り、命令通りに邪魔をするため動いているようだった。フィッセルとクルニが駆け寄り勝利を報告するも、この異様な光景を前に言葉を失っていた。

六人との対峙

ベリルは弟子たちに下がるよう指示を出し、自ら剣を構えた。この六人を斬り伏せる役目は、自分でなければならないと決意したためである。彼は一人ずつ静かに剣を振り、かつて人だった者たちを斬っていった。その風貌や背景を思えば、罪のない人々を利用したレビオスの非道さに怒りがこみ上げたが、目の前の敵を倒すことに集中した。

レビオス司教の追跡

六人を片付けた後、ベリルはレビオス司教を追うよう弟子たちに指示を出した。クルニは騎士団を呼びに行き、フィッセルはベリルと共に司教を追跡することとなった。彼らは夜の北区を駆け抜け、ほどなくレビオス司教とシュプールを発見した。

シュプールとの一騎打ち

レビオス司教を守るシュプールは高い技量を持つ騎士であり、ベリルとの戦闘は熾烈を極めた。シュプールの速度と力はフルプレートを着ているとは思えないほどで、ベリルは攻撃をいなしつつ必死に反撃の隙を探った。さらに、シュプールは奇跡を用いて身体を強化し、激しい鍔迫り合いが続いた。

フィッセルの支援もあり、最終的にベリルはロングソードの斬撃でシュプールの武器を破壊し、致命的な一撃を与えた。だが、強敵を倒した余韻に浸る暇もなく、彼はレビオス司教の追撃をフィッセルに任せ、自身はその場を片付けることに集中した。

司教の拘束と葛藤

レビオス司教は逃げきれずフィッセルに拘束された。彼の口からは研究の正当性を主張する言葉が飛び出し、ベリルの怒りを買った。だが、ベリルは感情を抑え、司教を騎士団庁舎に引き渡すことを優先した。

道中、司教の言葉に苛立ちを募らせつつも、ベリルは自制を保ち続けた。彼はレビオス司教の非道を裁くのは自分ではなく、国や司法の役目であることを理解していたからである。レビオスの所業や騎士団との関係に疑念を抱きながらも、彼は任務を完遂するため足を進めていった。

アリューシアとの再会

レベリオ騎士団庁舎に到着すると、出迎えたのは夜間警備の騎士ではなく、団長のアリューシアであった。彼女はベリルたちの到着を待っていたようで、その信頼の厚さにベリルは少し戸惑いを覚えた。レビオス司教はアリューシアの指示により地下へ連行され、無駄な抵抗を見せることなく騎士たちに引き渡された。

フィッセルとの別れ

任務を終えたフィッセルは、ベリルと簡単に言葉を交わして庁舎を後にした。彼女の成長ぶりを感じたベリルは、剣術と魔法を融合させたその戦闘スタイルが非常に実戦的であり、場合によってはルーシーを超える可能性すらあると考えた。フィッセルの後ろ姿を見送りながら、ベリルは彼女の柔軟な戦い方に感嘆した。

騎士団との情報交換

アリューシアとの会話の中で、現場の確保が問題なく進んでいることを確認したベリルは、戦闘中に感じた疲労を漏らした。彼が対峙したシュプールの強さについて語ると、アリューシアはその使用武器から彼が教会騎士団の一員である可能性を指摘した。レビオス司教の一派が教会騎士団内部に影響力を持っていることが示唆され、問題の深刻さを共有した。

ミュイへの秘密

ベリルは、レビオス司教の「奇跡」によって蘇らせられた六人の中に、ミュイに似た人物が含まれていたことを思い出した。この事実を彼女に伝えるべきか迷った末、心理的負担を与えることを避けるため、自分だけの秘密として胸に収めることを決意した。何事も時間が解決してくれると信じ、彼は事実を告げない道を選んだ。

騎士団への後処理の委託

レビオス司教を捕えたことで、今回の件はひとまず解決の形を見せた。後処理はアリューシアたちに任せることを確認し、ベリルは宿へ戻ることにした。疲れを感じながらも、今日の成果に安堵しつつ、彼は夜のバルトレーンを歩いた。

一日の終わり

騎士団庁舎を後にしたベリルは、今日の激闘を振り返りながら宿へ向かった。激しい戦いと複雑な心情が入り混じった一日を終え、彼は早く休みたいと思いながら夜の街を静かに歩き続けた。

ルーシーの訪問と新たな提案

翌朝、ベリルは騎士たちの指導に向かうため庁舎へ向かったところ、ルーシーが入口で待ち構えていた。彼女は既にアリューシアへ連絡済みで、職務への影響を配慮していた。歩きながら話を交わす中で、ミュイの様子についても語られた。ミュイは元気だが、将来の身の振り方を模索している様子であった。ルーシーとベリルは、時間が解決してくれるだろうと同意した。

フィッセルに関する疑問

道中、ベリルはフィッセルの派遣がルーシーの指示だったのではないかと尋ねたが、彼女はとぼけて明言を避けた。その態度にやや疑念を感じつつも、ベリルは深追いを避け、会話は雑談へと戻った。こうしてルーシーの家へ到着すると、そこには既にイブロイが待っていた。

報告と司教捕縛の成果

応接室にて、ベリルはレビオス司教の捕縛成功を報告した。イブロイはその成果を喜び、今後の処遇について語った。司教の奇跡による死者蘇生についても議題となり、それが倫理的に許されない行為であると三者の見解が一致した。司教の護衛として現れた騎士団については、教会騎士団である可能性が高いとイブロイが指摘した。

家の提供という意外な報酬

ルーシーは、ベリルに家を提供することを提案した。この申し出は突然であり、ベリルは困惑しつつも、内覧を経て判断することを決めた。イブロイもこの提案を後押しし、ベリルが宿暮らしを続けることへの懸念を述べた。

家への出発とハルウィの挨拶

ルーシーの家を後にし、内覧に向かう準備が整った。家政婦のハルウィは彼らを見送り、いつも通りの丁寧な挨拶を交わした。ベリルは突然の展開に戸惑いながらも、与えられた機会を前向きに捉えようとしていた。

晴天の下での会話

ルーシーとベリルは晴れた空の下で家を目指しながら会話を交わしていた。道中、ベリルは昨日の出来事を振り返り、操られた死体の中にミュイの姉らしき人物が含まれていた可能性について語った。ルーシーもそれをミュイに伝えるべきではないと同意し、今後はミュイへのフォローが重要であると話した。

家の場所と立地の確認

家はルーシーの現住居から近く、中央区のやや閑静な場所に位置していた。騎士団庁舎にも程よい距離で、ベリルにとって生活しやすい立地であることがわかった。建物は小ぢんまりとしていたが、ベリルの一人暮らしには十分な広さであった。

予想外の住人との出会い

家の玄関を叩いたルーシーの呼びかけに応じて現れたのはミュイであった。彼女は片付けや料理をしていたと語り、家の管理を任されていたことが判明した。ハルウィから言葉遣いを指導されているらしく、ぎこちない敬語を使うミュイの姿に、ベリルは微笑ましさを覚えた。

家の内覧と住居の決定

ベリルは家の中を見て回り、その状態に満足した。ミュイの手で整理された家は清潔で、家具も揃っており、すぐに住み始められる状態だった。ルーシーは初対面時の非礼を詫びる意味も込めて、家を譲る意図を説明した。

ミュイの後見人問題

ルーシーはミュイを魔術師学院に入れる計画を語り、そのためには後見人が必要であると明かした。ルーシーやアリューシアでは適任ではない事情があり、結果としてベリルが選ばれた。ミュイもこの提案を受け入れており、彼女のために後見人を引き受けることをベリルは了承した。

ミュイとの新生活の始まり

学院の入学手続き書類に署名し、ベリルはミュイの後見人として新たな責任を背負うことになった。彼はミュイの文字の読み書きを教えることを約束し、彼女の成長を見守る決意を固めた。最後に、ビデン村の家族へ手紙を書くことを思い立ち、心の中でこう綴った。「嫁さんを見つける前に家が見つかって、子供が増えました」。

末  片田舎のおっさん、飯を奢る

新居近くの飯処

ベリルはミュイを連れて新居近くの少し高級そうな飯処に向かった。中央区の閑静な住宅地の中、ルーシーに教えてもらったその店は、気取らずとも雰囲気が良く、賑やかさも心地よいものであった。ミュイにとって新生活の門出を祝うため、彼女にはこれまで経験のない上質な食事を提供しようというベリルの意図があった。

緊張するミュイと初めての乾杯

店内に案内されたミュイは明らかに緊張していた。彼女にとって初めての雰囲気の店だったのだろう。ベリルはそれを和ませようと努めながら、まずエールとぶどうジュースを注文し、新しい生活の祝杯を挙げた。乾杯の際の彼女のぎこちなさに微笑ましさを感じつつ、ベリルは娘のような愛おしさを覚えていた。

山菜の素揚げと茸のシチュー

ベリルは山菜の素揚げと茸のシチューを注文した。素揚げの山菜は香ばしく、エールとの相性も抜群であった。一方、ミュイはスプーンでシチューを掬い、その美味しさに目を輝かせながら一心不乱に食べ進めた。その姿を見たベリルは、彼女がこれまでどれほど厳しい生活を送っていたかを思い、これからは彼女に不自由させないと改めて決意した。

メインディッシュのボアのフリッター

続いて、店の目玉であるボアのフリッターが運ばれてきた。揚げたての衣が黄金色に輝き、肉汁が溢れるその見た目に、ミュイは目を輝かせていた。初めて揚げ物を口にしたミュイは、その美味しさに驚き、感動の表情を見せた。一方のベリルも、揚げ物のポテンシャルを見直さざるを得ないほどの美味しさに舌鼓を打った。

ミュイからの小さな贈り物

食事の途中、ミュイは切り分けたボアの肉を不器用にベリルの皿に移した。彼女は、自分が姉以外と食事をするのが初めてであり、ベリルとの食事が悪くないと感じたことを、照れくさそうに伝えた。それに対しベリルは、「ミュイはきっと優しくて魅力的な大人になる」と励まし、その気遣いを心から喜んで受け取った。

不器用な切り分けの肉の味

ミュイが切り分けてくれたボアの肉は不細工な形だったが、ベリルにとってその一切れは、これまで食べたどの肉よりも美味しく感じられた。ミュイとの食事を通じて、彼女の成長を見守る責任と喜びを改めて感じた一幕であった。

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