小説【フェアクロ】「フェアリーテイル・クロニクル ~空気読まない異世界ライフ~ 3」感想・ネタバレ

小説【フェアクロ】「フェアリーテイル・クロニクル ~空気読まない異世界ライフ~ 3」感想・ネタバレ

簡単な感想

遂にファーレン編は終わるが。
トドメはポメってのがこの作品らしいw

読んだ本のタイトル

フェアリーテイル・クロニクル ~空気読まない異世界ライフ~ 3
著者:#埴輪星人 氏
イラスト:#ricci 氏

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あらすじ・内容

VRMMO『フェアリーテイル・クロニクル』によく似た異世界に飛ばされてきた東宏(あずまひろし)と藤堂春菜(とうどう・はるな)。至高の職人・宏の空気読まない異世界ライフは今日も続く!

フェアリーテイル・クロニクル ~空気読まない異世界ライフ~ 3

感想

第四王女カタリナとその側近、バルドは毎回邪魔をしてくるヒロシを暗殺するため、暗殺者を送ったのだが、、

それを事前に察知していたヒロシは様々な罠を設置して待ち構えていたら、、

暗殺者は女だった。。

それで錯乱する宏。

罠にハマって洗脳が解けて、さらに宏とワイヤーで雁字搦めになってしまう。

そのせいで宏に執着するド変態諜報員が爆誕する。

その暗殺者が自身が知ってる事を全て自白。

さらに自身を洗脳していた暗殺者ギルドに率先して突入して暗殺者ギルドを壊滅してしまう。

そんな中で、カタリナとバルトには色々と都合の悪い証拠が出て来て。

追い込まれた彼等はクーデターが起こすのだが、、

反乱軍は分断され戦力は散り散りになり。

中枢を抑えようと動いたバルドに宏が不思議生物巨大ポメ爆弾で全て台無しになってしまう。

ポメ凄いわ、、

モアイ像のようなカブで、ヘタが残ってると爆発する不思議生物ポメ。

繁殖は温泉に浸かっていたら細胞分裂のように勝手に増えるポメ、、

不思議過ぎるw

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登場キャラクター

宏(ひろし)

自他共に認める職人気質であり、錬金術や戦闘において高い実力を持つ冒険者。
・アズマ工房の主軸メンバーとして、調味料の開発・防具製作・罠の設置など多岐にわたる役割を果たした
・瘴気の影響を受けた敵対者への対応や、暗殺者の捕縛、敵軍の迎撃など戦術面でも中心的な働きを担った
・歌による浄化効果の活用やスラム改良計画など、政治・社会面での提案にも貢献した

春菜

料理・医療・戦術面で多才なスキルを発揮し、周囲から厚い信頼を受ける女性。
・厨房改革やプリン作戦などを通じて、王宮内の支持勢力を拡大した
・晩餐会での機転や暗殺計画への対策により、敵対者の策を無効化した
・歌による瘴気浄化という特異な能力で決戦を勝利に導いた

達也

冷静かつ理知的な性格で、交渉役および戦術支援を担当する人物。
・エドワード商会との連携交渉や物資供給体制の整備を行った
・ヒュージウルフ討伐や瘴気汚染者への魔法攻撃など戦闘でも活躍した
・宏と連携し、スラム住民の生活向上に向けた現地対策を支援した

小柄ながら機動力と戦闘力に優れ、情緒面では宏に深い思慕を寄せる人物。
・索敵や戦闘補助に加え、対ミュータント戦では迅速な殲滅を実行した
・恋愛感情を正面から受け止めつつも、自らの未熟さを認識し成長を模索した
・新入りとの薬草採集や日常業務でも積極的に関わった

真琴

冷静沈着な性格と卓越した剣技を併せ持ち、戦闘において信頼される存在である。
・バルドの偽身体との戦闘で、大剣による一撃で敵を撃破した
・レイナらとともに敵陣に突入し、連携攻撃の一端を担った
・式典にも出席し、功績を称えられて爵位を授与された

レイオット

王太子としての責任感を強く持ち、現場指揮と政治的判断を兼ね備えた人物。
・暗殺ギルド壊滅後、反乱貴族への対処と戦備構築を指揮した
・スラム地区の土壌改善計画に協力し、宏との協定を締結した
・事件後の処理と制度改革において、重要な行政的責任を担った

エアリス

王家の姫巫女でありながら、宏たちへの信頼と庇護意識を持つ高潔な人物。
・宏への恋慕と支援を内に秘め、王宮の不穏な空気の中でも冷静な判断を示した
・春菜の護衛計画や政治的立場を鑑みた行動で信頼を獲得した
・カタリナとの対峙では懐剣による防御スキルを発動し、自ら戦場に立った

オリア

エアリス付き筆頭侍女でありながら、瘴気による精神侵蝕の影響を受けた人物。
・宏たちに対して強い敵意を示し、後にナイフによる春菜への襲撃を実行した
・呪具によって操られていた可能性が示唆され、神殿でも浄化が叶わなかった
・事件後は死刑を免れ、修道院送りの処分となった

バルド

瘴気を聖気と称し、世界を異界化させようとした狂信的指導者。
・貴族たちを扇動し、瘴気による変質と虐殺魔法で自軍さえも犠牲にした
・異形化し複数段階の変身を遂げた末、宏たちとの総力戦に敗北し消滅した
・死の間際には巨大芋虫を召喚し、さらなる異界化を図った

カタリナ

エアリスの姉にあたる存在で、瘴気により精神を蝕まれた敵対者。
・王家への怨恨を抱き、反乱貴族の意見を主導する立場にあった
・異形へと変貌し、殺意を剥き出しにしてエアリスに襲いかかった
・最終的に春菜の歌による浄化の中で、バルドと共に崩壊した

テレス

エルフ出身の新入りであり、穏やかな性格と技術への誠実さを併せ持つ人物。
・都会に馴染み、故郷に戻る意思を持たずアズマ工房で働くことを選んだ
・恋愛談義やエルフの建築技術を通じて、工房内での存在感を高めた
・生活設計や都市設計の提案を通じて、長期的な環境整備に貢献した

ノーラ

獣人種モーラ族出身の少女で、明るく素直な性格を持ち、行動力に富む人物。
・仕事を求めてアズマ工房を訪れ、技術習得と生活基盤の確立を目指した
・宏の女性恐怖症をいち早く見抜き、周囲との調整に活躍した
・澪や春菜と親交を深めつつ、新人として積極的に業務に関わった

ファム

スラム出身の少女であり、病気の母と妹を救うために盗みに手を染めた行動力のある人物。
・市場で宏の財布を狙ってスリを行い、失敗して捕縛された
・事情を聴かれた後、宏と達也により保護され、工房で生活を始めた
・清潔な衣服と栄養ある食事を与えられ、妹と母の治療を条件に雇用の可能性が示された

ライム

ファムの妹であり、体調不良により栄養失調と魔導物質中毒の症状を抱えていた幼い少女。
・スラムにて母とともに暮らしていたが、兄姉の行動により工房へ搬送された
・宏の診察により、汚染雑草による中毒と衛生環境の悪化が判明した
・点滴などの初期治療を受け、回復の見込みが立てられた

レラ

ファムとライムの母であり、病に伏していたが、宏の治療により回復の兆しを見せた人物。
・メラネイト中毒および寄生虫により衰弱していた
・達也と春菜に伴われて工房へ搬送され、衛生処置と点滴治療を受けた
・回復後は生活支援を受ける立場となり、スラム環境改善計画の象徴的存在と位置付けられた

展開まとめ

ファーレーン編  第一七・五話

エレーナの診察と侍女たちの反応

宏たちはエレーナの健康診断を行い、毒やアレルギー反応の有無を試薬で検査した。現状では異常は見られず、侍女たちにも毒物の接触がなかったか確認を試みた。だが筆頭侍女オリアは強く反発し、宏を疑うような視線を向けた。これに対し、エレーナが宏の立場を庇い、公然と部下を叱責した。最終的に診察の結果は良好とされ、宏は三級スタミナポーションでの回復を試みたが、後遺症の改善は見られなかった。

春菜の「胃袋作戦」とスイーツ制作計画

エレーナの診察を終えた宏たちは、筆頭侍女のあからさまな敵意に違和感を覚えつつも、現状を改善する手段として春菜が女性使用人たちの支持を得る戦略を発案した。その方法は、スイーツを大量に振る舞うことで好感度を得る「プリン・アラモード作戦」である。宏は器制作とスイーツ作りの支援を任され、千個単位での調理を手伝うことになった。

宏の調味料紹介と厨房の改革

厨房では、偶然発見された酢化した酒“ラーザ”を利用して、宏がマヨネーズやポン酢の調味料を紹介した。料理長は初めは懐疑的であったが、実際に試食した結果、調味料の可能性を認め、積極的に活用する姿勢を見せた。春菜は蒸し器を使ってプリンを調理し、食材と器の準備を進め、第一弾のプリン約三百個の完成に成功した。

エアリスの葛藤と王宮に対する不安

同時刻、エアリスは訓練に身が入らず、宏たちが周囲から歓迎されていないことに心を痛めていた。真琴らとの会話を通じて、王宮という場に長く滞在すべきでないと自覚し、自ら宏たちに離れるよう促す心情を明かした。また、彼女は宏に対して恋慕の情を抱いていたが、その想いが報われることのない現実を受け入れつつも、支えになれる存在でありたいという意志を示した。

王宮料理人の支持獲得と影響の拡大

厨房では、宏がマヨネーズやポン酢を用いた調理法を紹介し、料理人たちを味方に引き込んだ。料理長はエアリスの舌が肥えてしまったことを理由に、今後の調理技術向上に協力を要請した。こうして宏と春菜は、王宮内の抵抗勢力に対して味方となり得る勢力を一つずつ増やし、状況を徐々に改善する足がかりを築いたのであった。

ファーレーン編 第十八話

お茶会とエアリスの寂しさ

エアリス主催のお茶会が開催され、宏と春菜が招待された。宏たちが城に上がってからエアリスと会う機会がなかったため、エアリスは寂しさを募らせていた。春菜は春菜で多忙を極めており、王家関係の誘いを断る場面も多くなっていたが、それでも信頼できる人物を慎重に選ぶ必要があることをエアリスに伝え、しばらく我慢を求めた。宏もできる限り時間を作ると約束し、エアリスは感情を抑えつつそれに応じた。

春菜の身辺警戒とロアノ侯爵家の夕食会

エアリスは、春菜に対する警戒が必要な三日間が始まることを告げた。その初日にあたる夜、春菜はロアノ侯爵から夕食に招待されていた。ロアノは敵対勢力の中枢と目されており、宏や春菜たちは事態の危険性を認識していた。春菜は達也をエスコートに考えていたが、アヴィン殿下が代わりを申し出た。アヴィンはファルダニアとの関係を盾に危険性の低さを主張し、春菜の護衛役を務める決意を示した。

空間転移による防衛計画と罠の構築

宏は春菜の安全を確保するため、春菜の部屋の扉に細工を施し、安全な工房に避難できるようにすることを提案した。この工房は強固な防衛機構が施されており、外部からの侵入が困難であった。春菜の部屋を囮とし、宏自身が囮役として残る案も出された。また、レイオットやエレーナ、エアリスの部屋にも同様の転送装置を設置する案が検討された。エアリスを春菜の部屋に泊めるという情報を敵側に意図的に流すことで、敵の行動を誘発する策略も採用された。

瘴気の影響と敵対勢力の判断力低下

宏たちは敵の動きが単純すぎることに疑問を抱いたが、大神官やドーガは瘴気に侵された者は思考能力が低下する可能性があると指摘した。実例としてカタリナの言動の変遷が挙げられた。また、焦りや混乱によって視野が狭くなっていることも敵の失策の一因とされた。瘴気の感知が困難であることや、浄化しても命の保証がない者が残っていることなど、状況の複雑さが説明された。

王家による粛清の難しさと政治的制約

ファーレーン王家には先々代の粛清の影響による強権アレルギーが存在し、王家による粛清は反乱の大義名分にされかねないため、慎重に動く必要があった。証拠は既に十分に揃っていたが、政治的理由により踏み切れない状況が続いていた。エアリスとアルフェミナの啓示により、今後数日が正念場になることが予想された。

防衛線の確立と勝負の幕開け

宏は春菜を安全圏である工房に避難させ、敵の動向を引き出す囮として自ら部屋に残る決意を表明した。工房は結界や罠により極めて堅牢であり、最終防衛拠点として機能していた。マークやアヴィン殿下を含む一同はそれぞれの役割を確認し、暗殺未遂や敵の急襲に備えて配置を固めた。そして、王宮内の暗闘に終止符を打つべく、決戦の準備が着実に整えられていった。

オリアの苦悩と異常な感情

オリアは王女付き筆頭侍女としての職責を自覚していたにもかかわらず、主治医として紹介された宏と春菜に対して激しい憎悪を抱いてしまう自分を制御できずに苦しんでいた。その感情の異常さから、瘴気の侵食や呪いを疑い神殿で浄化を受けたが効果はなかった。原因が不明なまま、辞表を出す決意さえできずに精神的に追い詰められた彼女は、部屋の中に異常があるのではないかと考え始め、しかし机の上の黒い籠の存在に気づくことはなかった。

春菜達による影響力とロアノ侯爵の焦燥

ロアノ侯爵は春菜達による菓子の配布や設備の提供によって、従来のイメージ操作が完全に無力化されていることに憤りを覚えていた。特に宏たちが提供した薬や機材が実用的であったため、貴族のみならず親衛隊・近衛兵からの信頼も厚く、悪評を信じる者は少数派となっていた。そうした状況下でロアノが仕掛けた嫌がらせの料理も、春菜の完璧な対応により無効化された。

晩餐会での会話と春菜の実力

晩餐の席で春菜はアヴィンとの会話を通じて、格式ある料理に敬意を示しつつも自らの調理技術と経験を自然に示した。ワイバーン料理や希少食材に関するやり取りを交えた会話は周囲の貴族たちを驚かせ、彼女の力量を証明する結果となった。また、彼女が料理に込める哲学や繊細な味の捉え方もアヴィンの評価を得たことで、ロアノ達の妨害工作はますます効果を失っていった。

暗殺計画の再考とバルドの狂気

晩餐会後、ロアノの取り巻き達は再び暗殺を進言し、既に誰かがロアノの名義で暗殺依頼を出してしまっていた事実が発覚する。ロアノは罠に嵌められたことを悟りつつも、状況の深刻さに動揺する。バルドはその混乱に乗じて、自身の正体と瘴気を「聖気」と称して世界を浸食しようとする目的を明かした。ロアノはもはや逃れられぬ罠に絡め取られており、事態は取り返しのつかない段階に進みつつあった。

春菜の愚痴と宏の共感

晩餐後、春菜は宏に対して上流階級の陰湿な嫌味や悪意を吐露した。特に、澪に向けられた「生きる価値すらない」という暴言には強い怒りを覚えていた。宏は黙ってその愚痴を聞き続け、自身もまた悪口に慣れていると語ることで春菜の心を落ち着かせた。互いに支え合う姿勢を示す中、宏はあえて残り、罠にかかるであろう暗殺者の対応を担う覚悟を決めた。

暗殺者の侵入と予想外の展開

深夜、予告通り暗殺者が宏の部屋に侵入した。相手が女性だったことに強く動揺した宏は、戦闘というよりパニックによる抵抗を展開し、予期せぬ事態が発生する。事前に部屋に仕掛けられていた罠により暗殺者の退路が断たれたうえ、春菜達がばら撒いたお菓子に含まれていた万能薬の効果で、暗殺者の身体にかかっていた感覚抑制薬が解除されてしまった。

混乱と捕縛の結末

暗殺者と宏は、体の密着やワイヤーの絡まりによって意図せぬ接触を繰り返し、互いに極度の混乱に陥った。最終的に宏が意識を失い、突入してきたレイオット達によって暗殺者は確保された。彼女は捕縛後、あまりにもあっさりと情報を吐露した。なお、宏の状況を考慮したアルフェミナにより、救援を図っていたエアリスの計画は未遂に終わった。アルフェミナはその理由を最後まで語ることはなかった。

ファーレーン編  第一九話

暗殺者の正体と副作用の真相

宏を襲った暗殺者は「キリングドール」と呼ばれる存在であり、感情や思考を薬物により殺され、命令に従うだけの使い捨て暗殺者であった。宏の防御力が異常に高かったため事なきを得たが、春菜や他の者では命を落とした可能性が高かった。部屋に仕掛けられていた四級の万能薬が薬物の効果を打ち消したことで、暗殺者には禁断症状の一種として性感の過敏化が現れ、洗脳が解ける結果となった。

ギルド壊滅と尋問の成果

捕縛された暗殺者は情報を漏らし、その情報をもとにレイオットたちは即座に暗殺ギルドを襲撃、壊滅させた。暗殺者が使用していた薬物「アルパレノン」は解毒困難な薬であり、通常は効果が切れるまで何もできないとされていたが、宏が用いた四級万能薬が例外的に解毒に成功した。その結果、ギルドの油断を突いた急襲は成功し、裏帳簿や依頼書を含む証拠を一括で押収することとなった。

反乱の予兆と戦備の開始

暗殺ギルドの壊滅によって得られた証拠が決定打となり、追い詰められた貴族側が反乱に踏み切ることをレイオットは予見していた。最大で七万の兵力動員の可能性に備え、宏たちは戦闘準備に入った。城の守備は堅固であり、常駐兵力は八千に上り、正規軍と比べて練度の劣る反乱軍を十分に迎え撃てる態勢であった。

澪たちの反省と準備作業

一方、アルフェミナ神殿では春菜、澪、真琴、達也が昨夜の暗殺者襲撃について反省しつつ、瘴気汚染者をあぶり出すためのステージ構築作業に取り組んでいた。宏が女性の暗殺者であることを想定していなかったことが誤算となり、澪は自責の念とともに宏の女性恐怖症に配慮した訓練の難しさを痛感していた。それでも彼女たちは魔法陣やスピーカーなどの設営を進め、最終的に全準備を完了させた。

バルド一派の反乱計画とカタリナの同意

暗殺ギルド壊滅の報を受けたバルドは、王家への実力行使を決断した。貴族たちは当初、動員能力や兵士の練度の問題から慎重な姿勢を示していたが、バルドは三千人の犠牲を前提に瘴気の補充を図るという狂気に満ちた策を提示した。最終的にロアノら貴族も私兵を動員することで合意し、カタリナが明言したことで反乱計画は正式に動き出すこととなった。

転移による奇襲と迎撃の準備

夕刻、アルフェミナ神殿では多数の転移反応が確認され、敵がウルス城への直接侵攻を開始した。王族の多くは囮や避難に回され、宏たちは神殿の大広間に集結して迎撃の準備を整えた。魔法による複製人形が敵の注意を引き、神殿には特殊な防衛術が展開された。術の効果により千人ほどの敵兵が即座に無力化され、残る兵力も重圧によって行動を制限された。

作戦の始動と迎撃の開始

王城中枢では戦闘準備が完了し、大神官による術の発動により防衛ラインが成立した。アルフェミナ神殿の術は、戦闘能力が低い兵士を強制的に眠らせ、敵意を持つ者に対して強烈な圧迫を加えるものであった。この効果により侵入した敵軍の多くが行動不能となり、最前線ではエルンストとレイナを中心とする迎撃部隊が対応にあたることとなった。反乱軍との決戦の火蓋が、今まさに切って落とされたのである。

レイナとマズラック騎士団の対峙

レイナはマズラック騎士団団長オドネル・マルトゥーンとその部下達から侮辱的な言葉を浴びせられたが、冷静に応対した。彼女は過去の反応と異なり、挑発に乗らず淡々と対応したため、騎士団側は戸惑いを見せた。これは宏達に依頼して用意された精神安定用の使い捨てアイテムの効果によるものであった。挑発に対し、レイナは逆に実力を問いただす言葉で応酬し、彼らの戦闘力の低さを指摘した。結果、騎士団は怒りに任せて無秩序な突撃を行ったが、ドーガとレイナの一撃で瞬時に蹴散らされた。その後、ドーガが発した闘気で私兵たちは逃げることすらできなくなり、絶望に囚われた。

バルドによる反乱軍への虐殺魔法

戦況を見下ろすカタリナとバルドは、次の行動に移った。バルドは反乱軍に対し、激烈かつ非人道的な魔法を発動し、多くの兵士が苦痛の末に死亡する惨状を引き起こした。犠牲者の多くは、実際には戦意もなく、指示に従って動員された一般兵であった。この行為により、正規軍の騎士達ですら動揺を隠せず、相手に同情の念を抱く者も現れた。反乱軍の指揮官は、相手の戦い方の誠実さに心を打たれ降伏を申し出た。

バルドと正規軍の衝突

降伏後、バルドが姿を現し、正規軍の大隊長と激しい口論を交わした。バルドは自らの行為を正当化し、末端の兵士を死罪にする価値すらないと断じた。これに対し大隊長や反乱軍の指揮官は怒りを爆発させ、バルドの法違反を追及した。対決寸前の空気の中、バルドは再び魔術を発動し、死者や意識を失った兵士達をミュータントモンスターへと変質させて去っていった。現場には瘴気、不死者、そして混乱の中で必死に応戦する騎士団が残された。

宏の違和感と王族の避難開始

その異変をいち早く察知したのは宏であった。彼は説明できない不安を感じ、王族達に避難を促した。王族一行は宏達の工房に避難するため、秘密通路へと移動を開始した。この工房は極めて高度な防御機能を備えた要塞のような建物であり、長期の籠城にも耐えうる備えがあった。

オリアの異変と春菜への襲撃

避難の最中、筆頭侍女オリアの異常に春菜が気付き、声をかけたが、オリアは無反応で異様な笑みを浮かべ近づいてきた。その動きは人間離れしており、エアリスが危険を警告するも、春菜は回避しきれず、ナイフで脇腹を刺されてしまった。オリアは完全に正気を失い、敵意に満ちた存在へと変貌していた。

ファーレーン編  第二〇話

ミュータント化した騎士団と玄関ホールの戦闘

中庭で異変を察知したドーガは、オドネルを圧倒して無力化する直前、玄関ホールでも同様の変異が発生したことに気づいた。マズラック騎士団の兵士たちは次々に瘴気を放つ異形の存在へと変貌し、戦闘力と外見が著しく変化したが、知性が残っている可能性を警戒したレイナとドーガは即時殲滅の方針を取った。レイナは単独で敵の殲滅を引き受け、ドーガは中庭への突破を試みた。オドネルの嘲笑を無視し、ドーガは「轟天槍覇」によって進路を貫通しながら大量の敵を撃破した。続いてレイナも広域技「ブラスタースクエア」を放ち、多くの敵を一掃した。生き残ったのは、偶然攻撃を逃れたオドネルを除き、三十体ほどに減少したミュータント達だけであった。

春菜への襲撃とナイフの特殊性

春菜は、呪いのナイフを用いたオリアの襲撃をギリギリで回避し、彼女を弾き飛ばして無力化した。ナイフには高レベルの必中・防御無視効果が備わっていたが、宏の製作したタンクトップの性能により致命傷を避けられた。このナイフの性能や発動条件は、ゲーム内のボス級装備並であり、戦闘素人が使うには負荷が大きすぎたと考えられる。この一件により、宏は改めて防具の重要性を痛感し、より強力な下着の製作を検討する必要性を認識した。

オリア操縦の背景とバルドの介入

エレーナは、オリアが宏たちに対して不信感と嫉妬を抱いていたことに気づいており、それをバルドが巧みに利用したと断じた。宏たちの治療に関われなかったことへの不満や、城内での好感度の偏りが、彼女の感情を悪化させていたと推測された。その結果としての操縦であり、意図的な誘導によるものと判断された。

異界化の進行と王族の退避

宏は、周囲に異界化の兆候を感じ取り、すでに避難を開始していた王族一行の脱出は成功すると判断したが、エレーナはその範囲に取り残された。澪やエレーナは今後の危機に備え、最大限の準備と警戒を固めた。レイオットは王家の切り札を用いる覚悟を固め、自らを犠牲にしても妹と姪の脱出を優先する覚悟を見せた。

スペクターとの遭遇と対応能力の確認

異界化により現れたスペクターに対して、宏はアウトフェースを使用し、圧倒的なプレッシャーで消滅させた。この結果に驚きつつも、プレッシャーが精神体に有効であることが判明した。また、春菜が子供向けアニメの主題歌を歌ったことでアンデッドを次々に浄化し、彼女の歌唱が瘴気や不浄の存在に対する特効となることが証明された。

バルドとカタリナの敗色濃厚な現状認識

バルドとカタリナは、侍女による刺殺の失敗と瘴気の薄まりにより、状況が思わしくないことを確認した。バルドは春菜たちの力を過小評価していたが、もはや自ら出陣するしかない状況に至った。カタリナはもはや理性を欠き、暴走する存在と化していた。バルドはこの事態を承知の上で、彼女を捨て駒として用い、都市を呪われた土地へと変える計画を進めていた。彼らは最後の賭けに出る決意を固めた。

ドーガの合流と持久戦の開始

中庭に現れたドーガは、玄関口の敵をほぼ殲滅した後、盾による突撃でアンデッドの群れを蹴散らした。彼はミュータントの類が存在しないことを確認し、城の異界化による持久戦の様相を察した。近衛騎士団は再編と戦力確認を急ぎ、副団長の指揮により短時間で部隊を立て直した。ドーガは五分の時間を稼ぎ、騎士団が再整備を終えた後は休憩に入った。瘴気は春菜の歌によって徐々に薄まりつつあり、騎士団は引き続き雑魚の殲滅を続けた。

春菜の疲労と宏たちの交戦

春菜は四曲目の歌唱後に喉の違和感を訴え、歌を中断した。宏がのど飴を渡す間に、達也と宏が出現したモンスターを掃討した。宏の攻撃と達也の「獄炎聖波」によって、瘴気だまりとともに敵を浄化した。その直後、バルドとカタリナが登場し、聖気の浄化に対して否定的な言説を述べた。達也は環境保護を例に挙げてバルドの思想を批判し、論争は平行線をたどった。

カタリナの憎悪と姉弟間の断絶

カタリナはエアリスへの強い憎悪を露わにし、エアリスの存在自体を否定した。エレーナとレイオットはカタリナの言動を明確に否定し、奉仕や努力の姿勢に本質が伴わなかったことを指摘した。エアリスが対話を試みたが、カタリナは受け入れず、殺意を抱いて襲いかかった。これと同時にバルドの分身も出現し、背後から襲撃を仕掛けた。

姫巫女たちの懐剣と防衛展開

エアリスとエレーナは懐剣を用いた防御スキルを発動し、浮遊する刃によって全方位からの攻撃を遮断した。防御用と攻撃用に分かれた刃は、自動で敵を迎撃し、飽和攻撃すら受けきった。懐剣の機能は宏によって仕込まれており、最大で一万本まで刃を展開可能であった。

仲間たちの反撃と偽バルドの掃討

真琴は大剣で偽バルドを撃破し、達也は浄化魔法で支援、澪は短剣で精確に核を破壊した。宏はアウトフェースで足止めを行い、偽バルドの攻撃を受け止めながらダメージを最小限に抑えた。これは春菜の歌による浄化の再開までの時間稼ぎであった。

春菜の歌唱と浄化の再展開

春菜は再び歌い始め、ネタ曲とも言える歌を用いて瘴気を浄化した。この効果によりカタリナとバルドは苦しみ、触手や分身体は崩壊した。バルドは悪魔のような姿に変身し春菜を狙ったが、宏のアウトフェースによって跳ね返された。バルドは複数の偽バルドを取り込み、宏に対し直接攻撃を仕掛けた。

宏の奇策と連携攻撃による迎撃

バルドのスマッシュ潰しに対して、宏はあえて初級スキル「スマイト」を使って隙を突き、さらに本命のスマッシュを叩き込んだ。これに呼応し、真琴の「ブレイクスタンピード」、達也の「聖天八極砲」が連携してバルドを攻撃した。連続技によって大きなダメージを与えたが、バルドは依然として戦闘不能には至らなかった。

バルドの反撃とケルベロスの召喚

挑発に乗ったバルドはケルベロスを多数召喚し、戦況を覆そうとした。しかし、直後にドーガとユリウスが合流し、即座に敵を粉砕して突破口を開いた。続いてレイナも戦場に到着し、左腕の骨折を負いながらも戦線に復帰した。春菜はレイナの腕を治療し、戦力を回復させた。

最終形態への変身と決戦の幕開け

戦力が整ったところで、宏たちは攻勢に出る準備を整えたが、バルドは衝撃波で牽制しつつ、ついに第二段階の変身を始めた。同時にカタリナも異形化し、禍々しい姿となって立ちはだかった。瘴気の壁が彼らを包み、攻撃の手が届かない中、日本人チームは態勢を整えつつ、最終決戦に備えた。

ファーレーン編  第二一話

バルドとカタリナの変貌

宏たちを取り囲んだ瘴気の壁の中で、バルドとカタリナはさらなる異形へと変貌を遂げた。バルドは上半身が筋肉質で下半身が蜘蛛のような姿となり、背中には触手状の器官が伸びていた。カタリナも同様に腕が触手化し、裂けた口から無数の刃を吐く異様な姿となった。バルドは全身に瘴気をまとい、触手からは小型モンスターが次々と生み出された。この姿により、彼の精神状態がすでに常軌を逸していることが明らかとなった。

敵の瘴気を利用した春菜の歌唱

宏たちは包囲された瘴気の空間の中で、春菜の歌による浄化を試みた。だが、今回は通常の手法では瘴気の密度が強く浄化が困難であり、宏は春菜に瘴気そのものをエネルギー源として歌うよう指示した。春菜は不快感を覚えながらも指示に従い、異様な空気を利用して歌唱を行った。その結果、敵の瘴気を逆に利用した浄化の波が発生し、カタリナとバルドに直接的なダメージを与えた。これにより、彼らは怯み、再度戦局が宏たちに傾いた。

瘴気の崩壊とバルドの苦悶

春菜の歌によって瘴気の壁が崩壊し始め、異界化空間そのものが揺らぎ始めた。バルドは自らの計画の破綻に気づき、焦燥と怒りを露わにした。彼はなおも瘴気を拡散させようとしたが、春菜の歌の効果は絶大であり、次々に瘴気が霧散していった。最終的に、宏たちが外へ出るための脱出口も開かれ、バルドは無力化へと追い込まれた。

バルドの最期と浄化の完遂

バルドは最終的に春菜の歌により精神も肉体も崩壊し、塵と化して消滅した。異形の姿であったカタリナも同様に力を失い、完全に沈黙した。瘴気の流れは完全に断たれ、ファーレーン城に平穏が戻った。戦いの終了とともに、騎士団および姫巫女たちは戦場の整備と回復に取りかかった。

事件の終結と今後の課題

戦闘終了後、宏たちは各自の被害と消耗を確認した。レイナの左腕は春菜によって治癒されていたが、他の者たちにも疲労が蓄積していた。今回の事件は、瘴気を用いた精神汚染と異界化という強力な魔術の脅威を示すものであり、今後の魔術研究や王都防衛体制に多大な影響を及ぼすことが予想された。また、宏は春菜の歌唱による瘴気浄化の再現性や安全性についても課題として捉え、改めて対策を講じる必要性を認識した。

バルドの最後の抵抗と絶望的な決意

バルドは満身創痍の状態で宏を睨みつけ、自らの計画が崩壊した怒りと憎しみから、冒険者たちを巻き込んで道連れにする覚悟を固めた。瘴気を限界まで圧縮し、自身の命を代償に最大級の魔法「ヘルインフェルノ」の発動準備に入った。彼は半世紀かけて王国中枢に浸透し、国を女神の敵対者に捧げる計画を進めていたが、思いもよらぬ冒険者たちの直感的な行動により挫かれたことに、深い屈辱を感じていた。

妨害の失敗と圧倒的な魔力への恐怖

バルドの魔法準備を察知した達也は聖属性の貫通魔法「ジャッジメントレイ」で妨害を試みたが、高濃度の瘴気により浄化が止まり、無力化された。他の仲間たちも次々と攻撃を試みたが、バルドの結界を突破できず失敗に終わった。結界はバルドの生命力を削って成立しており、彼自身の格を超えた力であった。

宏の覚醒と火球への突撃

絶望的な状況に宏は過去の理不尽な経験を思い出し、自らの無力感を打ち消すように火球に向かって突進した。防御魔法「フォートレス」と「アラウンドガード」を発動し、激烈な火球の直撃を一身に受ける。結果として攻撃力を吸収・削減し、致命傷には至らず、仲間を守りきった。

タイタニックロアによるバルドへの止めの一撃

宏は反撃として長柄の斧によるエクストラスキル「タイタニックロア」を発動し、バルドを粉砕。その威力は神殿の構造を破壊し、中庭まで続く大穴を穿つ規模であった。予想外の反撃に周囲は驚愕しつつも、春菜は冷静に補助魔法による支援が奏功したことを確認した。

異界からの巨大芋虫の召喚

バルドの死を契機に、神殿の異界化が解除され、超巨大な芋虫が中庭に召喚された。そのサイズはウルス城すら凌駕し、周囲の人々を恐怖と困惑に陥れたが、宏だけは興奮し目を輝かせた。彼は芋虫を活用する計画に即座に移行し、仲間たちに指示を飛ばしてその固定と魔力供給を開始した。

芋虫の繭化と素材回収作戦の開始

エアリスの協力により地脈から魔力を供給された芋虫は繭を作り始め、それに伴い宏は霊糸の紡績を始めた。糸巻き芯や樽の不足に備え、騎士団や住民を動員して備品の回収が行われた。糸は霊布の材料として最高級品であり、宏は一睡もせず四日間作業を継続した。

繭の処理と霊糸・霊液の回収完了

六日目には繭から大量の霊液を抽出し、巻き取られた霊糸は臨時倉庫に収められた。糸巻きは残り三本、樽は不足した分が肥料に転用され、城のハーブ園に使用された。宏は作業完了と同時に気絶し、春菜・澪・エアリスの三人によって静かに運ばれた。

事件の終息と平穏の兆し

宏の手によって騎士団が対応できなかった緊急事態は収束を迎えた。春菜らは宏の無事を確認し、事件が一応の決着を見たことを認識する。残されたのはケルベロスの残骸と忘れ去られたオリアのみであり、戦いの爪痕が静かに残された。

ファーレーン編  エピローグ

国王の訪問と事件後の報告

国王は工房を訪れ、日本人たちに謝意を述べた。訪問は事件から約二週間後で、冬の気配が漂い始める頃であった。王城では領主交代に伴う混乱を抑えるための対応が続き、領地の査察も継続中であった。今回の陰謀が四十年にわたる長期計画であったことが明らかになり、先代の治世から中枢に食い込んでいた事実に王は苦悩を漏らした。

王国内の粛清と制度改革

王国は軍事的打撃を受けずに済んだものの、文官の多くが失われた。操られていた者の一部は回復不能となり、処分された者も多い。同時に、法改正の制度も見直され、これまで全会一致でなければ成立しなかった改正が、三分の二の賛成で可能となった。オリアは死刑を免れ修道院に送られ、暗殺者の処遇は王太子レイオットに一任された。

教団の実態と脅威の継続

教団は邪神を信奉しており、常人との区別が難しい上に、領地経営においても表向きは誠実であった。彼らが巻き込んだ犠牲の多さと、他国における浸透の可能性が懸念され、国外調査の必要性が語られた。情報収集には時間がかかるとされ、宏たちは冬が終わるまでウルスに留まることを決めた。

特産品の技術継承と人材育成

国王は宏に食料加工技術の継承を依頼し、特にカレー粉や醤油、鰹節の製造法を重視していた。宏はメリザから頼まれていた孤児二名の受け入れを思い出し、女性であることへの懸念を口にしたが、春菜や澪の協力で対応する方針が決まった。この決定により、工房は王国にとって重要拠点となった。

武器再整備と戦力の見直し

宏の使用していたポールアックスは戦闘で破損しており、代替武器としてケルベロスファングが挙げられたが、使用者がいないため保留となった。真琴はかつて刀を用いていたが、性能の都合で大剣に転向した経緯を説明した。宏は今後のために新たな武器製作の必要性を再認識したが、かつて使用したスキル「タイタニックロア」は再発動に至らなかった。

今後の方針と移動計画の決定

冬の間に各自の準備を整えた後、春からルーフェウスを目指すことが決定された。目的は大図書館での情報収集であり、ルートとしては南回りが選ばれた。その過程で可能な限り各地の神殿も訪れ、神々との関係性を調査することになった。宏は大森林地帯に存在するエルフの集落と神殿の情報を共有し、次の調査地点として候補に挙げた。

影に蠢く存在と新たな脅威の示唆

一方、ファーレーンでの計画の失敗を受け、正体不明の組織が密かに会合を開いていた。彼らは各地に「バルド」と呼ばれる実行者を送り込み、世界を聖気で満たす目的で活動していた。ファーレーンのバルドは失敗したが、他国では計画が継続しており、彼らはさらなる長期的な工作をもって目的達成を目指していた。

ファーレーン編  後日談その一

アズマ工房に訪れた新入りとその背景

国王の訪問から二日後、メリザに連れられてアズマ工房を訪れたのは、エルフのテレスと獣人種モーラ族のノーラという二人の女性であった。テレスは金髪碧眼の典型的なエルフで長身華奢、ノーラは桃色の髪と赤い瞳、ウサギの耳を持つ小柄な獣人であった。テレスは都会の生活に愛着を抱き故郷には戻らず、ノーラは独り立ちにより故郷が消滅していると語った。ノーラは職を得るためにメリザを頼り、技量習得の必要性とともに工房での雇用を求めた。

教育方針と業務分担の検討

新入りの教育に関して、宏はまず薬の材料採取から始め、必要であれば戦闘訓練と冒険者登録も視野に入れていた。単なる調味料の量産では限界があるため、他者への技能伝達を可能とする指導方針を立てた。道具作りに関しても教育に含めることとし、宏と達也は道具とスパイス類の仕入れに出向く一方で、春菜らは薬草の収集を担った。

市場でのスリとその子供の処遇

仕入れの途中で引ったくりに遭遇し、宏が誤って蹴り飛ばしたのは、スラム出身と思われる小さな子供であった。事情聴取により、病気の身内を助けるために犯行に及んだと察した達也と宏は、その家族を工房で治療する見返りに雇用する案を検討した。感染症の可能性は低く、病状の拡大を防ぐべく、まずは子供自身の衛生状態と栄養を改善することが優先された。

新たな日常と女性恐怖症への理解

工房に戻った春菜らは、子供と新入りに応対し、ノーラは宏の女性恐怖症を見抜いて言及した。春菜と宏の関係が恋愛ではなく信頼関係であることも語られ、恋愛感情の定義に春菜自身が迷いを見せた。一方で澪は、自らの感情を否定せずとも確信を持てないと表現し、宏に対する感情が複雑であることを認めた。

恋愛談義と新人との親交

薬草採集中、テレスとノーラは春菜と澪に恋愛の話題を振り、宏に関わる女性関係やその背景を聞き出した。春菜と宏の関係に驚きつつも、春菜の人柄と対応力に感嘆し、親交を深めていった。やがて恋バナに興じながらも十分な薬草を収集し、新人二人はすっかり打ち解けていった。

捕まえた子供とその家族の保護

捕獲した子供は、達也と宏によって診察と治療を受ける条件で工房に引き取られた。昼食では、宏が調理したロックボアのしょうが焼きが振る舞われ、子供も手を洗って食事に加わった。その後、春菜と達也が病気の女性ともう一人の子供をスラムから連れてきて、宏の手で適切な治療が施された。

病状の診断と治療方針の決定

診察の結果、女性は寄生虫とメラネイトによる魔導物質中毒であり、もう一人の子供も中毒による栄養失調状態であることが判明した。原因は汚染された土壌の雑草であり、宏は精密な診察と錬金術の知識により迅速に対処を行った。適切な点滴治療と衛生管理が行われ、回復が見込まれた。

スラムの環境改善への提案と実施計画

数日後、レイオットが工房を訪問し、宏はスラム地区の土壌汚染に関する対策を提案した。メラネイトの除去と土壌改良を宏が担当し、国側は掘削や人材確保を行うこととなった。さらに、雇用対策と米の栽培技術確立のため、スラムの一部区画を実験農場として活用する案も提案され、計画が具体化した。

ファーレーン編  後日談その二

レイオットとの新たな取引と土壌改良計画

宏はスラムの環境改善計画の一環として、メラネイト除去と土壌改良に関する作業をレイオットと協議した。工房側が錬金術によるメラネイト除去と土壌強化を担い、王城側はスラム住民の選別と作業従事者の確保を担当することで合意が成立した。また、米の試験栽培と長期的な農地開発の構想も議題に上がり、レイオットは宏の提案を高く評価した。

達也の交渉とエドワード商会との連携

宏はレイオットに対し、実際の交渉は達也に一任するよう提案した。達也は後日、エドワード商会と接触し、生活改善支援物資の調達や今後の長期契約の可能性について意見交換を行った。エドワード商会は都市住民向けの高級嗜好品を主力とする商会であったが、達也の提案により、スラム改善計画にも前向きな反応を示した。

工作機械と専門職の支援交渉

春菜は、生活インフラ向けの物資調達にあたり、鍛冶や家具職人などの専門職技能者と工具・設備の提供について交渉した。相手は貴族や上位階級を取引先とする人物であったが、春菜の誠実かつ合理的な説明とメリット提示によって理解を得た。最終的には宏による自作機械の提供と現場での教育支援の形で合意が形成された。

労働環境の整備とスラム住民の反応

春菜と達也は、作業を担うスラム住民の労働環境を整備するため、洗濯設備・風呂・下着の提供を検討し、貴族商会と交渉して協力を取り付けた。特に子供や女性の労働者を想定し、安全と衛生の確保に重点を置いた。宏は彼女らの交渉力を高く評価し、円滑な実務推進のため工房内での技術共有をさらに進めた。

調査の進展と医療衛生施設の必要性

スラムでの作業が進む中、テレスとノーラは春菜とともに医療環境の改善を検討し、必要な施設や道具の整備について意見を交わした。子供たちの安全や病気の早期発見に必要な最低限の医療設備を整える必要が認識され、宏は初歩的な診断が可能な設備と技術者の教育支援を視野に入れた。

仮設施設の設営と食糧支援の体制確保

宏は、土壌改良に伴う一時的な居住地として、仮設施設の設置とともに自炊が可能な簡易な食糧調達手段を整備した。また、春菜と達也が調整した商会との契約により、保存食や調味料などの供給体制が強化され、スラム住民が自立的に生活を営める環境が整っていった。

エルフの建築技術と環境設計の提案

テレスはエルフの技術として、生活と自然を調和させた環境設計を提案した。宏はこの提案に共感し、今後の都市設計の参考とすべく、構造や素材に関する技術交換を開始した。スラム改善は単なる衛生向上にとどまらず、持続可能な生活圏の構築へと進化しつつあった。

作業班の再編成と段階的導入計画

準備が整ったことで、工房側と王城側の連携による作業班が再編され、実作業への段階的導入が開始された。宏は当初から無理をさせず、作業者の健康状態と教育水準に配慮したスケジュールを組み、成功率の高い試行的取り組みを優先した。以後、改善計画は都市全体への波及を見据え、順調に進行することとなった。

ファーレーン編  後日談その三

王城での儀式と新たな称号の授与

王城で行われた表彰式において、宏と春菜、達也、澪はそれぞれ爵位を授与された。宏には準男爵位が与えられ、同時に街道整備事業を含む行政的責任が付与された。春菜には功績を讃える爵位と金貨百枚が与えられ、澪と達也には同様の爵位と物的報酬が授けられた。春菜は王族との謁見で不快感を覚える場面があったが、態度を崩さず対応した。

帰還後の疲労と癒やしの食卓

式典から帰還した一行は、アズマ工房でのんびりとした食卓を囲んだ。春菜が調理した鶏の唐揚げは、皆の疲労を癒やすに十分な味であり、ノーラとテレスもその味に感動を覚えた。宏の体調を気遣う言葉も交わされ、工房内の人間関係が安定しつつあることが示された。

春菜の複雑な心境と新たな段階への認識

春菜は、自らの成果が宏を助けたという実感と、宏の精神的負担の重さに複雑な思いを抱いていた。自身ができることを少しずつ積み重ねていく意志を再確認しつつ、心の距離感と信頼の在り方を自問していた。澪とノーラ、テレスらとの会話を通じて、春菜は自らの未熟さを受け止めつつも、前向きな意欲を見せた。

テレスの提案と“家”の認識の変化

澪は、宏がかつて語った“家”の概念を回想し、テレスとノーラにとって工房が「家」であるかを問いかけた。テレスはエルフとしての家に固執せず、今ある場を「家」と呼ぶことの価値を語った。春菜もまた、その言葉に触発され、ようやく自らの居場所としてアズマ工房を受け入れる心構えを持った。

宏の休息と皆で支える方針の共有

宏の心身の疲労を考慮し、しばらくの間は現場から距離を取るよう周囲が配慮した。春菜と達也、澪はそれぞれが役割を分担し、宏が責務に追われず安心して休める体制を整える方針を確認した。工房内には穏やかな空気が流れ、各自が“仲間”としての関係性を一段階深めていく雰囲気が漂っていた。

ノーラとテレスの定着と工房の今後

ノーラとテレスは正式にアズマ工房の一員として迎え入れられ、生活と業務のバランスを取りながら工房の発展に貢献していく決意を固めた。二人はそれぞれの出自に縛られることなく、今の仲間と共に歩む未来に価値を見出していた。

穏やかな日常と次なる試練の予兆

工房内では久しぶりに穏やかな日常が戻っていたが、宏は何かしらの不穏な予感を感じ取っていた。それは直ちに表出するものではなかったが、戦乱とは異なる形で訪れる新たな試練の前触れであった。宏はそれを言葉にせず、静かに内に秘めることで、当面は安らぎの時間を仲間たちと共有することを選んだ。

ファーレーン編  真エピローグ

南部大森林に関する情報収集

春菜はテレスに話を聞くために和室へ誘い、日本人一同と共に略図を前に会議を行った。南部大森林出身であるテレスに村の位置や性質を尋ねた結果、村は特に排他的ではないものの、外部との接触は少なく、道も整備されていない場所にあると判明した。テレスの説明に基づいて一同は森林行動の練習が必要と判断し、それに適した依頼を探すことになった。

依頼受領とハーンとの合流

一行は森林の中を移動する訓練を兼ねて、大型肉食モンスター「ヒュージウルフ」の討伐依頼を受けることにした。依頼地である村に到着すると、冒険者チーム「深緑の牙」の交渉担当ハーンと合流した。達也たちはチーム全員で行動する意向を示し、ハーンも同行を申し出た。春菜は調理済みの携帯食を用意しており、食事の質に対するこだわりにハーンは呆れながらも同行した。

ヒュージウルフの討伐と携帯用コテージ

その夜、澪がヒュージウルフを発見し、達也の攻撃で討伐はあっさりと完了した。翌日、ハーンは携帯用コテージの快適さに驚きを隠せなかった。討伐証明を回収した後、宏たちは帰還の準備を進めるが、ハーンにより村から無断で森に入った若者の捜索を依頼される。

捜索と気絶した若者の発見

澪の索敵により、人の気配が森の奥で確認された。一行が向かうと、温泉の匂いが漂う広場で気絶している若者を発見する。脈や呼吸に問題はなく、気絶の原因は不明であった。宏たちは周囲の調査を開始し、達也が若者の護衛を担当することになった。

未知の植物モンスターの発見

調査中、春菜は見たことのない植物系モンスターを発見した。小さくて可愛らしいそのモンスターは、転倒して無防備な姿を見せた際にその愛らしさが強調され、春菜と宏を強く惹きつけた。しかし観察を進めるうちに、見た目は可愛くとも、成長すると濃い顔の「ポメ(亜種)」になることが判明し、春菜は衝撃を受けた。

温泉地でのポメ(亜種)の確認と危険性の判明

成長後のポメ(亜種)は、外見の印象だけでなく、周囲に強力な状態異常をばらまく危険性を持っていた。サンプル確保のために連れ帰るが、モンスターの特異性から取り扱いは慎重を要すると判断された。

ポメ(亜種)の自爆と集団パニック

拠点登録中に大型鳥型モンスターが襲来し、宏が咄嗟にポメ(亜種)でガードした結果、モンスターの自爆が発生し、広範囲に強力な状態異常が発生した。万能薬でも効果が薄く、宏は範囲挑発スキル「アウトフェース」で意図的に状態異常を上書きし、再度万能薬で治療するという手段でメンバーを救った。

ポメ(亜種)の取り扱いと今後の方針

ポメ(亜種)の異常な危険性を踏まえ、宏たちは今後の使用や調理を控えることで一致した。ヒュージウルフは自爆の影響で追加個体が気絶しており、ついでに回収された。一行は南部大森林への本格的な探検に向けて、期待を込めた会話を交わしながら帰路についた。

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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