- 王門持ち4人がまさかの大ピンチ!サツキを救ったバルドと、教団の聖遺物が恐ろしい
- ※以下、第9巻の重大なネタバレを含みます。
- 巨大戦艦を奪ったバルド。今度は公国軍へ逆襲する
- 王門持ち4人が揃ったら、普通の軍隊では相手にならない
- サツキが先陣を切って大暴れ。船酔いの汚名返上なるか(笑)
- 聖遺物「ヴァルテルミー」が発動。王門が突然使えなくなる恐怖
- 王門を封じられても戦えるマゴットとジーナ。修羅場の数が違う
- 敵に囲まれたサツキが絶体絶命。ここでバルドが颯爽と救出する
- オーバーブーストとパイプ爆弾。教団の想定外を突くバルドが面白い
- バルドに助けられたサツキ。急に情緒が不安定になるのはなぜ?(笑)
- ジーナが気づいた獣王ブロッカス暗殺の真相。教団の闇が深すぎる
- ラミリーズとオルテン。かつての旧友が敵同士になった悲しさ
- チェーザレの最期とオルテンの復帰。敵の本当の脅威はここから
- 勝利の凱旋でピアージョが暗殺。喜びが一瞬で消える恐ろしさ
- アウグストが新議長に。軽そうに見えて責任の重い立場へ
- レイチェルとセリーナが経済面で動く。戦争は戦場だけでは終わらない
- 後方まで狙うエウロパ教団。バルドの周囲も安全ではない
- アンサラー王国の右将軍ミハイル登場。岡左内との一騎打ちが熱い
- 強さを封じられたときに見える本当の実力
物語の概要
■ 作品概要
本巻の中心人物は、トリストヴィー王国の正統な王位継承者として名乗りを上げ、海運都市マルベリーの救援に成功したマウリシア王国の若き領主バルド・アントリム・コルネリアスである。
物語開始時、バルド一行は拿捕した超弩級要塞艦ギガンテを伴ってマルベリーへ入港し、海運ギルドや市民から熱狂的な歓迎を受けていた。しかし、市街を包囲するトリストヴィー公国軍との戦力差は依然として大きく、公国側が主導権を握る前に叩く必要があった。
状況が動く契機は、バルドが提唱した即時城外奇襲である。アントリム軍の精鋭と王門持ちが突入して公国軍を敗走させ、大将軍チェーザレを戦死に追い込んだものの、エウロパ教団が投入した王門封印の聖遺物により窮地に陥り、さらに直後の凱旋式典で海運ギルド議長ピアージョが暗殺されるという致命的な損害を被る。
最終的に、マルベリーではアウグストが新議長に就任して体制を立て直し、後方のアントリムでは教団の暗殺者を撃退する一方、公国へ援軍として派遣されてきたアンサラー王国の右将軍ミハイルが単身マルベリーへ乗り込み、バルド(岡左内)と一騎打ちを繰り広げて互いの力量を認め合い、決戦を戦場へと持ち越すところまで状況が進む。
■ 主要キャラクター
バルド・アントリム・コルネリアス
- 立場・所属:マウリシア王国アントリム辺境伯。トリストヴィー王国王位継承者。
- 主人公との関係:主人公本人。
- この巻での主な役割:マルベリー入港後の即時出撃の決断、城外戦でのサツキ救出、ミハイルとの一騎打ち。
- この巻で起きた重要な変化や行動:海運ギルドの慎重論を退けて即時出撃を主導し、聖遺物で王門を封じられたサツキをオーバーブーストと鉄パイプ爆弾で救出した。単騎で乗り込んできたアンサラー王国のミハイルに対し、内に眠る岡左内に身体を預けて一騎打ちを行い、互角の勝負を経て戦場での再会を約した。
サツキ・カゲツ
- 立場・所属:ガルトレイク王国猫耳族の巫女姫。王門所持者。
- 主人公との関係:バルドに惹かれ、彼のために戦うことを誓う仲間。
- この巻での主な役割:城外戦での先陣、聖遺物による王門封印の被害。
- この巻で起きた重要な変化や行動:マルベリー城外戦で先陣を切って公国軍を蹂躙しチェーザレを追撃したが、聖遺物の発動により王門を封じられて脱力し包囲された。バルドに救出された後、死の恐怖と無力感に苛まれながらもバルドに優しく慰められ、彼のために戦い抜く決意を固めた。
アウグスト・ガリバルディ
- 立場・所属:ガリバルディ商会会頭、海運ギルド七元老(第二十四代元老院議長)。
- 主人公との関係:同属嫌悪を抱きつつも利害を共にする盟友。
- この巻での主な役割:ピアージョ亡き後の海運ギルド新議長への就任、戦時体制の掌握。
- この巻で起きた重要な変化や行動:ピアージョ暗殺後に元老たちから推されて議長就任を渋っていたが、父ヴァレリーとハリルの森で密会し、親子の決別を経て独り立ちを決意した。正式に議長に就任すると、脱退を口にした古参商人を冷徹に切り捨てて掌握力を示し、アンサラー軍参戦の危機に対処した。
ピアージョ・デルベッキオ
- 立場・所属:海運ギルド七元老の長、元老院議長。
- 主人公との関係:バルドを受け入れたマルベリーの最高指導者。
- この巻での主な役割:バルドの受け入れ、戦勝後の暗殺被害。
- この巻で起きた重要な変化や行動:入港したバルドに対し自治を認める公爵待遇の条件で臣従を誓い、即時出撃を認めた。公国軍撃退後の凱旋式典で負傷兵を装った刺客の短剣に胸を刺され、絶命した。
オルテン・ヘルカントス
- 立場・所属:トリストヴィー公国前大将軍、後に大将軍へ復帰。
- 主人公との関係:敵軍の老将であり、ラミリーズの旧友。
- この巻での主な役割:チェーザレの排除工作、軍の壊滅阻止、ピアージョ暗殺の手配。
- この巻で起きた重要な変化や行動:無能なチェーザレに軍権を握らせておく危機から、前線督戦へ誘導して戦死させる策をシルヴァと実行した。ラミリーズの追撃を騎兵で牽制して戦線を離脱させ、追撃してきた傭兵部隊を伏兵で殲滅した上、負傷兵に紛れ込ませた刺客によりピアージョを暗殺させた。
ミハイル・カラシニコフ
- 立場・所属:アンサラー王国右将軍。「死神」「アルハンゲリスクの千人斬り」の異名を持つ。
- 主人公との関係:戦いを純粋に楽しむ敵対国の将軍、左内の同類(傾奇者)。
- この巻での主な役割:二万の軍勢を率いる遠征軍指揮官、マルベリーへの単騎乗り込みと一騎打ち。
- この巻で起きた重要な変化や行動:トリストヴィーへの出征命令を受け、本隊到着前にバルドを一目見るため副官のみを連れてマルベリーへ乗り込んだ。演習場でバルド(岡左内)と命懸けの立ち合いを行い、左肩を砕かれながらも左内の顔前へ拳を突き出し、互いに技量を認め合って刀を収めた。
書籍情報
異世界転生騒動記 9
著者:高見梁川 氏
イラスト:りりんら 氏
出版社:アルファポリス
発売日:2017年1月3日
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あらすじ・内容
三人の魂が合体!累計24万部突破の大人気ファンタジー戦記、第9巻!
守銭奴戦国武将・岡左内と、オタク高校生・岡雅晴の魂を併せ持った少年――バルド・コルネリアス。海上決戦に勝利し港湾都市マルベリーに上陸した直後、トリストヴィー公国の大軍が地上から侵攻してくる。四人の「王門」持ちを擁するバルドの軍勢は陸戦でも優位に立つが、王門を敵視する教会が秘密兵器を投入し、戦局は一変してしまう。かつて獣人族の国を滅ぼした「聖遺物」の登場――時を同じくして、アントリム領に残る双子の弟妹にも教会の刺客が迫っていた。トリストヴィーの支配権を巡り、各勢力が激しく火花を散らす!
感想
王門持ち4人がまさかの大ピンチ!サツキを救ったバルドと、教団の聖遺物が恐ろしい
読んで、最も印象に残ったのは、王門持ち4人による圧倒的な蹂躙劇が、まさかの展開でひっくり返されたことだ。
前巻では、バルドたちが巨大戦艦ギガンテを奪い取り、海運ギルドの本拠地マルベリーを救った。
そして今回、バルド、マゴット、ジーナ、サツキという4人の王門持ちが揃っている。
普通に考えれば、敵が何万人いようと問題にならない。
実際、マルベリーを包囲するトリストヴィー公国軍に対して、バルドたちはわずかな兵力で攻勢に出る。
先陣を切ったサツキが敵兵を蹴散らし、マゴットとジーナも大暴れ。
これはもう、一方的な戦いになるのではないか。
そう思っていた。
ところが、エウロパ教団が投入した聖遺物によって、王門の力が突然封じられてしまう。
王門持ち4人による蹂躙かと思ったら、逆に王門持ちが追い詰められる展開になるとは。
しかも、ここで明らかになるのが戦闘経験の差である。
マゴットとジーナは王門を封じられても、長年の経験と武術で戦い続ける。
バルドにも、王門とは別に用意していた切り札があった。
しかし、若輩のサツキはそうはいかなかった。
突然力を失い、敵兵に囲まれ、絶体絶命の危機に陥ってしまう。
そこへ颯爽と駆けつけるバルド。
いや、これは格好いい。
そして、助けられてからのサツキの様子がおかしくなる。
バルドを意識して、感情が落ち着かなくなってしまうのである。
……元から情緒が不安定だった気もするが(笑)。
ただ、今回の第9巻は、そんなサツキの変化を楽しむだけの話ではなかった。
教団の聖遺物によって、獣王ブロッカスの死に隠された歴史的な陰謀が浮かび上がる。
さらに、勝利に沸くマルベリーでは元老院議長ピアージョが暗殺され、トリストヴィー公国の老将オルテンが恐ろしい存在感を見せ始める。
そして終盤には、アンサラー王国の右将軍ミハイルが登場。
バルドの中にいる岡左内との一騎打ちまで繰り広げられる。
強い者が勝つだけでは終わらない。
むしろ、強さに頼り切っていたところへ、その強さを封じる手段が現れたことが、今回の面白さだったと感じた。
※以下、第9巻の重大なネタバレを含みます。
巨大戦艦を奪ったバルド。今度は公国軍へ逆襲する
前巻でバルドたちは、トリストヴィー公国の巨大戦艦ギガンテを拿捕した。
しかも、その戦艦を使ってマルベリーの海上封鎖を突破している。
マルベリーの人々にとって、バルドはまさに救世主だった。
十数年ぶりにトリストヴィー王国の旗が掲げられ、市民たちは王国復興への希望を抱く。
獣人の血を引くバルドに対して、以前は警戒する者もいた。
しかし、実際に街を救った人物を前にすれば、そんなことを気にしている場合ではない。
この変化は興味深かった。
血筋や身分を理由に反発していた人々も、現実の危機から救われれば考え方が変わる。
バルドは、王位継承者であると主張するだけでなく、自分が王になる価値を行動で示したのである。
そして、海運ギルドの元老たちもバルドへの臣従を決める。
ここで一段落するのかと思った。
ところが、バルドはすぐに公国軍への出撃を提案する。
いや、ようやく海上封鎖を突破したばかりなのに、もう攻めるのか。
当然、海運ギルドの元老たちは反対する。
公国軍は大軍であり、こちらの戦力は圧倒的に少ない。
守りを固め、補給と援軍を待つのが普通の判断だろう。
しかし、バルドには別の考えがあった。
ここで自ら勝利を収めれば、トリストヴィーの人々に王国復興の可能性を示せる。
さらに、アンサラー王国が本格介入する前に、公国軍へ大きな打撃を与えられる。
なるほど。
単にマルベリーを守るだけなら、籠城でもいい。
しかし、バルドの目的はトリストヴィー王国の再興である。
守っているだけでは、王国を取り戻すことはできない。
その違いが、今回の出撃を決断する理由になっていた。
王門持ち4人が揃ったら、普通の軍隊では相手にならない
そして、バルドには圧倒的な切り札があった。
王門持ちの存在である。
バルド、マゴット、ジーナ、サツキ。
この4人が同じ戦場にいるのだから、普通の軍隊ではまず勝負にならない。
しかも、マゴットはかつて「銀光」と呼ばれた歴戦の戦士。
ジーナも「ヘルシングの雷鳴」の異名を持つ強者である。
そしてバルド自身も、母マゴットに鍛えられた規格外の戦闘能力を持っている。
そこへガルトレイク王国の巫女姫サツキが加わった。
これでは、敵が気の毒になってくる。
実際、海運ギルドの守備隊長ジュスティニアーニにバルドの実力を示す場面からして、すでにおかしい。
バルドが大勢の兵士を相手にすると聞き、ジュスティニアーニは若い貴族の無謀な挑戦だと思っていた。
ところが、そこへマゴットが現れる。
かつて戦場で彼女の恐ろしさを知ったジュスティニアーニは、途端に顔色を変えてしまう。
しかも、そのマゴットがバルドの母親だと知る。
さらに、バルドは母親に徹底的に鍛えられている。
……これは逃げたくなるだろう(笑)。
こうした場面を読んでいると、王門持ち4人の突撃がどれほど恐ろしいものなのか、嫌でも想像できる。
だからこそ、今回の戦いは一方的な勝利になると思っていた。
サツキが先陣を切って大暴れ。船酔いの汚名返上なるか(笑)
マルベリーの城門が開かれ、バルドたちは公国軍へ突撃する。
先陣を切ったのはサツキだった。
前巻の海戦では、せっかく王門持ちとして参戦したのに、船酔いでほとんど活躍できなかった。
その汚名を返上したかったのだろう。
今回は最初から気合が入っている。
公国軍の兵士たちが状況を理解する間もなく、サツキは次々と敵を倒していく。
さすがはガルトレイクの巫女姫。
マゴットたちが規格外すぎるため目立ちにくいが、サツキも十分に強い。
ただ、ここでマゴットが見せる戦い方が興味深かった。
サツキは目の前の敵を次々と倒していく。
一方、マゴットは敵を倒すこと自体にこだわらず、進路上の兵士を薙ぎ払いながら突破していく。
大勢を相手にするとき、いちいち一人ずつ仕留めていては時間がかかる。
敵の集団を混乱させ、陣形を崩すことが重要なのである。
この違いが面白かった。
サツキも確かに強い。
しかし、戦場全体を見て動くという点では、マゴットのほうが一枚も二枚も上手だった。
そして、ジーナも敵兵を圧倒する。
さらにバルドとラミリーズ率いる精鋭が突入し、公国軍の前線は大混乱に陥る。
大軍を率いていたチェーザレも、あまりの事態に逃げ出してしまう。
ここまでは予想どおりだった。
いや、むしろ予想以上の蹂躙ぶりである。
ところが、サツキが逃げるチェーザレを追い詰めようとした瞬間、事態が一変する。
聖遺物「ヴァルテルミー」が発動。王門が突然使えなくなる恐怖
サツキがチェーザレへ飛びかかろうとした、そのときだった。
突然、激しい脱力感に襲われ、身体が思うように動かなくなる。
それまで圧倒的な速度で敵兵を倒していたのに、急に力が失われてしまったのである。
原因は、エウロパ教団が持ち込んだ聖遺物「ヴァルテルミー」だった。
教団のマーテルとダニーロが起動させたことで、周囲の王門持ちの力が封じられてしまったのだ。
ここは驚いた。
王門は、獣人の中でも限られた者だけが持つ特別な力である。
これまで、その力を持つ者は普通の兵士とは比較にならない強さを見せてきた。
だからこそ、王門を使えるだけで戦場の常識が変わる。
ところが、その力を封じる道具が存在したのである。
しかも、教団はその存在を知っていた。
ここで感じたのは、王門持ちの強さが絶対ではなかったということだ。
どれだけ圧倒的な力でも、対抗手段を知っている相手には通用しない。
そして恐ろしいのは、王門を封じられた本人たちが、その仕組みを知らないことである。
戦いの最中に、突然いつもの力が使えなくなる。
これは、かなり危険だ。
特に高速で動くことを前提に戦っていた場合、ほんの一瞬の失速が命取りになる。
まさにサツキが、その危険に直面してしまった。
王門を封じられても戦えるマゴットとジーナ。修羅場の数が違う
今回、最も興味深かったのは、王門を封じられた後の対応だった。
マゴットもジーナも、王門の力を失っている。
しかし、二人はそこで戦えなくなったわけではない。
長年の戦場経験と武術によって、敵兵を倒し続ける。
もちろん、王門を使っているときほどの速度や力は出せない。
それでも、普通の兵士からすれば十分に恐ろしい相手なのである。
ここを読んで、改めてマゴットとジーナの強さを感じた。
二人は、王門があるから強いのではない。
もともと優れた戦士であり、その上に王門の力が加わっているのだ。
だから、特別な能力を失っても、積み上げてきた技術や経験は残る。
この違いは大きい。
戦場では、思いどおりに身体が動くとは限らない。
疲労もあれば、怪我もある。
武器を失うことだってあるだろう。
そんな状況でも戦い続けられるのが、歴戦の戦士なのだと思う。
一方、サツキはまだ若い。
もちろん、彼女にも戦闘技術はある。
しかし、マゴットやジーナほどの修羅場を経験してきたわけではない。
だからこそ、突然王門を封じられたとき、対応が遅れてしまった。
同じ王門持ちでも、能力を失った瞬間に本当の経験の差が表れる。
この描写が、今回の戦いを単なる能力勝負ではないものにしていたと感じた。
敵に囲まれたサツキが絶体絶命。ここでバルドが颯爽と救出する
王門を封じられたサツキは、敵兵に囲まれてしまう。
さっきまで圧倒していた相手が、今度は自分を殺そうと迫ってくる。
しかも、身体が思うように動かない。
弓兵による攻撃まで迫り、絶体絶命の状況となる。
ここは、さすがに危ないと思った。
サツキは強い。
しかし、強いからこそ、敵陣の奥深くまで突入していた。
普段どおりの力が使えれば問題なかったはずだ。
ところが、その前提が突然崩れてしまった。
王門を使えるという自信が、逆に危険な位置へ踏み込む原因になっていたのである。
そんなサツキを救ったのが、バルドだった。
バルドは、王門とは別に開発していた「オーバーブースト」を使い、聖遺物の影響を押し切って駆けつける。
そして、サツキを救出する。
いや、これは格好いい。
絶体絶命のところへ颯爽と現れる主人公。
しかも、敵が用意した切り札を、別の技術で突破してしまう。
ここで重要なのは、バルドが王門だけに頼っていなかったことだろう。
母マゴットに対抗するため、以前から独自の技術を磨いていた。
その積み重ねが、今回サツキを救うことにつながった。
王門という強大な力を持ちながら、それだけで満足していなかった。
バルドの強さは、こういうところにもあるのだと思う。
オーバーブーストとパイプ爆弾。教団の想定外を突くバルドが面白い
バルドのオーバーブーストを目の当たりにした教団側は、激しく動揺する。
当然だろう。
王門を封じる聖遺物は、教団にとって絶対的な切り札だったはずだ。
ところが、その影響下でバルドが高速移動している。
教団側から見れば、聖遺物が破られたように見えたのだろう。
しかし、バルドが使ったのは王門とは別の技術だった。
この展開が面白かった。
相手が王門を研究し、その封印方法を用意していたとしても、バルドには別の手段がある。
さらに、バルドは鉄パイプ爆弾まで使う。
こちらも教団にとっては想定外だった。
魔法を封じたり解除したりする手段があっても、現代知識を応用した爆発物には対応しにくい。
このあたりが『異世界転生騒動記』らしい。
王門という特別な能力だけでなく、現代日本の知識や技術も戦いに利用される。
しかも、バルドの中には複数の人格と知識が存在している。
普通の異世界の強者とは、発想の引き出しが違うのである。
ただし、今回の戦いでバルドたちが完全勝利したわけではない。
オーバーブーストにも限界がある。
王門を封じられたまま長時間戦い続けることは難しい。
そのため、バルドは無理をせず撤退を決断する。
ここもよかった。
敵の切り札を突破できたからといって、調子に乗って戦い続けるわけではない。
救うべき相手を救い、必要な成果を得たところで引き揚げる。
こうした判断ができるからこそ、バルドは単なる強い戦士ではなく、軍を率いる立場にふさわしいのだと感じた。
バルドに助けられたサツキ。急に情緒が不安定になるのはなぜ?(笑)
そして、今回の戦いで最も笑ってしまったのが、救出された後のサツキだった。
死の危機から救われたことで、彼女はバルドを強く意識するようになる。
命を救われた感謝。
自分の無力さを思い知らされた悔しさ。
そして、バルドへの好意。
いろいろな感情が一度に押し寄せてきたのだろう。
その結果、サツキの様子が落ち着かなくなってしまう。
……いや、元から落ち着いていなかった気もするが(笑)。
前巻ではマゴットに挑んでお仕置きされ、海戦では船酔いで戦力外。
今回こそ活躍しようと張り切って先陣を切ったのに、聖遺物によって王門を封じられ、敵に囲まれてしまう。
そして、絶体絶命のところをバルドに助けられる。
ここまで続けば、さすがに感情も大きく揺れるだろう。
特に印象的だったのは、サツキが単にバルドへ感謝するだけでは終わらないことだ。
助けられたことで、彼への気持ちが変わっていく。
それまでのサツキは、自分の強さに自信を持ち、巫女姫としての誇りも強かった。
しかし、今回は自分が守られる立場になった。
しかも、助けてくれたのは、同じ王門持ちのバルドである。
自分にはできなかったことを、彼はやってのけた。
その姿に惹かれてしまうのも分かる気がする。
ただ、サツキは感情表現が少し極端なのだ。
素直に感謝して終わればいいのに、照れたり、取り乱したり、妙に意識したりする。
戦場ではあれほど威勢がよかったのに、恋愛感情が絡むと途端に不器用になる。
この落差が面白かった。
王門を封じられたときより、バルドを意識し始めてからのほうが落ち着かないのではないか(笑)。
もっとも、今回の経験はサツキにとって大きな転機になったと思う。
自分の力が通用しない状況を知り、死の恐怖を味わった。
そのうえで、バルドに救われた。
これから彼女がどのように成長するのか、楽しみになった。
ジーナが気づいた獣王ブロッカス暗殺の真相。教団の闇が深すぎる
聖遺物の登場によって明らかになったのは、王門にも弱点があるということだけではなかった。
ジーナは、王門を封じる力の存在から、過去のある事件に思い至る。
それが、獣王ブロッカスの暗殺である。
かつて絶対的な強さを誇った獣王が、なぜ正面から殺されたのか。
王門を持つ獣王を、普通の方法で倒すことは難しい。
しかし、もし王門を封じる手段が存在していたなら話は変わる。
ジーナは、獣王の異父弟である軍師ペリシテと、その背後にいたエウロパ教団の関与を疑う。
さらに、犬耳族と猫耳族の対立にも、教団の陰謀が関わっていた可能性が浮かび上がる。
ここは、かなり重い展開だった。
今回の聖遺物は、単にバルドたちを苦しめるための新兵器ではなかったのである。
過去の歴史そのものを見直すきっかけになっていた。
これまで獣人たちが抱えてきた対立や不信感。
それが、誰かの意図によって作られたものだったとしたら、何ともやりきれない。
しかも、教団は長い年月にわたって、そうした秘密を保持してきたことになる。
王門持ちがどれほど強くても、歴史や情報を操作する相手には別の怖さがある。
力で勝てない相手を、力以外の方法で排除する。
そのために宗教組織が動いていたとすれば、今回の戦いだけで終わる問題ではない。
ジーナが激しい怒りを覚えるのも当然だろう。
そして、教団が王門封じの聖遺物を持っていると分かった以上、今後も同じ手段を使われる可能性がある。
バルドたちにとって、非常に厄介な敵が姿を現したと感じた。
ラミリーズとオルテン。かつての旧友が敵同士になった悲しさ
今回、王門持ちの戦いとは別に印象に残ったのが、ラミリーズとオルテンの関係だった。
二人は、かつてトリストヴィー王国で同じ主君に仕えていた騎士である。
互いの実力を認め合い、戦場で背中を預けてきた。
しかし、王国が分裂したことで、その立場は変わってしまった。
ラミリーズはバルドのもとへ参じ、王国再興のために戦っている。
一方、オルテンはトリストヴィー公国を守るために戦っている。
同じ国に仕えていた二人が、今では敵同士なのである。
ここは考えさせられた。
特にオルテンは、単純な悪役として片づけられない人物だった。
かつての主君を裏切り、公国側へついたという過去がある。
その選択を正当化するためにも、公国を守り続けなければならない。
自分が築いてきたものを、今さら簡単に捨てることはできないのだ。
そして、ラミリーズの強さを誰よりも理解している。
だからこそ、正面から無謀な戦いを挑むのではなく、冷静に戦局を見極める。
今回の公国軍には、チェーザレという問題のある大将軍がいた。
自分の手柄ばかりを考え、実力のあるオルテンを遠ざけている。
このままでは公国軍が壊滅しかねない。
そこでオルテンは、チェーザレを排除して軍の指揮権を取り戻そうとする。
しかも、敵であるラミリーズの動きまで利用する。
ここが恐ろしかった。
オルテンは、味方の司令官すら切り捨てる覚悟を決めている。
もちろん、彼なりに公国を守ろうとしているのだろう。
しかし、そのために手段を選ばなくなっている。
かつての騎士としての誇りを捨て、国を守るための鬼になろうとしている。
この姿には、少し悲しさを感じた。
チェーザレの最期とオルテンの復帰。敵の本当の脅威はここから
バルドたちの突撃によって、公国軍は大きな混乱に陥る。
大将軍チェーザレは逃亡するが、その先で待っていたのは味方の参謀シルヴァだった。
そして、チェーザレは射殺される。
表向きには戦場での混乱の中で起きた出来事でも、その裏にはオルテンの思惑がある。
この展開は、何とも皮肉だった。
チェーザレは、自分の地位や手柄を守るためにオルテンを遠ざけていた。
しかし、その結果として軍の指揮は乱れ、最後にはオルテン側から切り捨てられてしまう。
ただ、これでバルドたちが楽になったわけではない。
むしろ逆だろう。
チェーザレがいなくなったことで、公国軍には本当に有能な指揮官が戻ってくる。
ラミリーズと互角に渡り合えるオルテンが、軍の実権を取り戻すのである。
今回の戦いでは、王門持ちの力によって大軍を混乱させることができた。
しかし、次からは同じ手が通用するとは限らない。
しかも、教団には王門封じの聖遺物まである。
バルドたちにとって、ここからが本当の戦いになるのかもしれない。
勝利の凱旋でピアージョが暗殺。喜びが一瞬で消える恐ろしさ
今回、最も後味が悪かったのは、マルベリーへ凱旋した直後の出来事だった。
バルドたちは、公国軍に大きな打撃を与えて帰還する。
街は勝利の喜びに包まれていた。
しかし、その場で海運ギルドの元老院議長ピアージョが暗殺されてしまう。
刺客は負傷兵を装って近づき、ピアージョを刺した。
ここは衝撃だった。
戦場では王門持ちが大活躍し、公国軍を圧倒した。
しかし、街へ帰ってきたところで重要人物を殺されてしまう。
これでは、勝利したという気分も吹き飛んでしまうだろう。
しかも、ピアージョはバルドと海運ギルドを結びつける重要な人物だった。
政治的な調整もでき、街の人々からの信頼も厚い。
そんな人物を失ったことは、単に一人の指導者が亡くなったというだけでは済まない。
そして、この暗殺の背後にもオルテンの謀略があった。
ここで改めて、オルテンの恐ろしさを感じた。
正面からの戦いで勝てなくても、相手の重要人物を狙うことはできる。
軍事的な敗北を、そのまま政治的な敗北にしない。
むしろ、相手が勝利に酔っている瞬間を狙って、最も痛いところを突く。
何とも冷徹なやり方である。
ただし、この暗殺は海運ギルドの結束を弱めるどころか、公国への怒りを強める結果にもなった。
和平や妥協の可能性が遠のき、バルドとともに戦い抜く覚悟が固まっていく。
オルテンの謀略は確かに恐ろしい。
しかし、相手の怒りまで完全に操れるわけではない。
その点も興味深かった。
アウグストが新議長に。軽そうに見えて責任の重い立場へ
ピアージョを失った海運ギルドでは、新たな指導者が必要になる。
そこで元老院議長に就任するのがアウグストだった。
アウグストといえば、これまでどこか調子のいい人物という印象が強かった。
商才はある。
頭も回る。
しかし、言動が軽く、周囲を振り回すことも多い。
そんな彼が、海運ギルドの最高責任者になるのである。
ここは意外だった。
ただ、考えてみれば、アウグストはバルドとの関係が深い。
商人としての実績もあり、海運ギルドの内部事情も理解している。
何より、これからの海運ギルドはバルドと一体となって戦わなければならない。
そう考えると、彼が議長になるのは自然な流れなのかもしれない。
それでも、これまでのように軽口ばかり叩いているわけにはいかないだろう。
組織の責任者になれば、自分の判断で大勢の人間の生活が変わる。
戦争が続く中では、さらに重い決断を求められるはずだ。
アウグストが今後どのような議長になるのか。
ここも気になるところだった。
レイチェルとセリーナが経済面で動く。戦争は戦場だけでは終わらない
今回、戦場の外でも物語が大きく動いていた。
前巻で王籍を捨て、ノルトランド帝国の皇帝の養女となったレイチェルが、今度はサバラン商会の顧問として動き始める。
ここはうれしかった。
レイチェルは、バルドのもとへ向かうために王女の身分を捨てた。
しかし、ただバルドに守られて暮らすだけではない。
自分にできることを見つけ、経済面で役に立とうとしているのである。
そして、セリーナとともに商会の再編や新事業に関わっていく。
ダイヤモンドの加工技術を利用した事業構想など、バルドの現代知識が商業面でも生かされている。
ここを読んでいて感じたのは、戦争にはお金が必要だということだった。
どれだけ強い兵士がいても、食料や装備を用意できなければ戦えない。
軍隊を動かすためには、安定した収入や物流が欠かせない。
バルドが前線で戦っている間、後方ではセリーナやレイチェルたちが経済面を支えている。
こうした役割分担があるからこそ、トリストヴィー王国の再興も現実味を帯びてくるのだと思う。
特にレイチェルは、前巻で大きな決断をしたばかりだ。
その彼女が、今度は自分の知識や立場を生かして動いている。
王女でなくなったからこそ、新しい役割を見つけ始めたようにも感じられた。
後方まで狙うエウロパ教団。バルドの周囲も安全ではない
エウロパ教団の脅威は、マルベリーの戦場だけにとどまらなかった。
後方のアントリムでも、教団の暗殺者による襲撃が起きる。
ここは厄介だった。
バルド本人がどれだけ強くても、彼が守るべきものは前線だけではない。
領地があり、家族や仲間がいる。
そして、これから生まれる未来もある。
敵が正面から戦ってくれるとは限らない。
むしろ、バルドを直接倒せないのであれば、彼の大切なものを狙ってくる可能性がある。
こうした戦い方は、王門持ちの強さだけでは防ぎきれない。
今回の聖遺物もそうだったが、教団はバルドたちとは違う方法で戦っている。
情報を集め、弱点を探し、予想外の場所を攻撃する。
力の強さとは別の怖さがある。
そして、今回の一連の事件によって、教団が本格的に敵として動き始めたことがはっきりした。
トリストヴィー公国との戦争だけでも大変なのに、さらに教団まで相手にしなければならない。
バルドの苦労は、まだまだ続きそうである。
アンサラー王国の右将軍ミハイル登場。岡左内との一騎打ちが熱い
終盤では、さらに強力な人物が登場する。
アンサラー王国の右将軍ミハイルである。
常勝将軍として知られる実力者が、単身でバルドのもとへ現れる。
そして、バルドとの一騎打ちが始まる。
ここで面白かったのは、バルドの中にいる岡左内が戦いに関わることだった。
バルドには、現代日本の知識を持つ人格だけでなく、戦国武将である岡左内の人格も存在している。
そして、純粋な武芸の勝負となれば、岡左内の経験は大きな武器になる。
ミハイルとの戦いでは、単純な力比べではなく、技術と駆け引きが繰り広げられる。
互いに相手の力量を認め、真剣に勝負を楽しんでいるようにも見えた。
ここは、前半の王門封じの戦いとは違った面白さがあった。
前半では、特別な能力を失ったときに何が残るのかが描かれていた。
一方、ミハイルとの一騎打ちでは、積み上げてきた武芸そのものがぶつかり合う。
この対比が興味深かった。
しかも、二人は決着をつけず、戦場での再会を約束する。
敵同士でありながら、互いを認め合う。
こういう関係は好きだ。
ただ、ミハイルが敵側にいる以上、次に戦うときは今回のように終われるとは限らない。
アンサラー王国が本格的に動き始めたことも含め、今後の戦いがさらに厳しくなる予感がした。
強さを封じられたときに見える本当の実力
第9巻を読み終えて、最も印象に残ったのは、やはり王門封じの聖遺物だった。
前巻でバルドたちは巨大戦艦ギガンテを奪い、圧倒的な強さを見せた。
そして今回、王門持ち4人が揃ったことで、もう普通の軍隊では止められないと思っていた。
実際、マルベリーから出撃した直後は、完全にその流れだった。
サツキが先陣を切って敵を蹴散らす。
マゴットとジーナも圧倒的な強さを見せる。
バルドとラミリーズの部隊が続き、公国軍は大混乱に陥る。
このまま一方的な勝利になるのかと思った。
しかし、そこで教団の聖遺物が発動する。
王門の力が突然封じられ、状況が一変する。
この展開が面白かった。
特に印象的だったのは、王門を失った後の対応の違いである。
マゴットとジーナは、長年の経験と武術で戦い続ける。
バルドには、王門とは別に開発したオーバーブーストがあった。
しかし、サツキはそうはいかなかった。
若さゆえの経験不足もあり、敵兵に囲まれて絶体絶命となる。
ここで改めて、強い能力を持っていることと、どんな状況でも戦えることは違うのだと感じた。
マゴットやジーナの本当の強さは、王門だけではない。
何度も死線をくぐり抜け、その中で身につけた判断力や武術がある。
だから、特別な力を封じられても戦える。
一方、サツキは今回、初めて自分の力が通用しない恐怖を味わったのだろう。
それだけに、バルドが救出する場面は格好よかった。
しかも、バルドは王門を無理やり使ったわけではない。
母マゴットに対抗するために磨いていた別の技術を使ったのである。
こういう積み重ねが危機を救う展開は、やはり面白い。
そして、助けられた後のサツキである。
命を救われたことで、バルドへの感情が一気に変わっていく。
感謝しているのか、憧れているのか、それとも恋愛感情なのか。
本人も整理できていないように見える。
その結果、情緒が落ち着かなくなる。
……いや、元からそういう性格だった気もするが(笑)。
ただ、今回のサツキは単なる賑やかしではなかった。
自分の弱さを知り、死の恐怖を経験し、それでもバルドのために戦おうとする。
そんな変化が描かれていたと思う。
一方で、物語全体はかなり重い方向へ進んでいる。
教団の聖遺物によって、獣王ブロッカス暗殺の真相が浮かび上がる。
ラミリーズとオルテンは、かつての旧友でありながら敵同士として対峙する。
さらに、オルテンの謀略によってチェーザレが排除され、ピアージョまで暗殺されてしまう。
特にピアージョの死は衝撃だった。
戦場では勝ったのに、帰還したところで重要人物を失う。
この展開によって、戦争は単純な力比べではないことを改めて感じた。
そして終盤には、アンサラー王国のミハイルが登場する。
岡左内との一騎打ちも見応えがあり、次の戦いが楽しみになる終わり方だった。
今回の第9巻は、強者たちがただ無双する話ではなかった。
むしろ、強者にも弱点があり、敵はその弱点を突いてくる。
そして、能力を封じられたときにこそ、これまで積み上げてきた経験や技術が問われる。
そんな一冊だったと感じた。
それにしても、サツキは前巻からなかなか忙しい。
マゴットに挑んでお仕置きされ、海戦では船酔い。
今回こそ大活躍かと思えば、王門を封じられて絶体絶命。
そして、バルドに助けられたら、今度は恋愛感情らしきものに振り回される。
敵に囲まれた危機はバルドが救ってくれたが、バルドを好きになってしまった危機は誰が救うのだろう(笑)。
今後のサツキの活躍と、バルドを巡る人間関係にも注目したい。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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考察・解説
ストーリー・プロット
第1幕:マルベリー入港と即時出撃の決定
拿捕した巨艦ギガンテと共にマルベリーに入港したバルドは、議長ピアージョに対し元老院を公爵待遇で迎えて自治を認める方針を伝え、集まった民衆の熱狂的な支持を取り付けた。
歓迎の宴を後回しにして招集された軍議では、防備を固めて長期戦を期すピアージョらの慎重論に対し、バルドは敵の不意を衝くこと、アンサラー王国の本格介入前に寡兵で大勝して内外に力を示すこと、そして初見で防ぐことが不可能な王門の存在を理由に即時出撃を主張した。
納得しない提督バルバリーノに対し、バルドは守備隊長ジュスティニアーニ率いる精鋭三百名を単身で圧倒してみせ、出撃を全会一致で認めさせた。城外では、前大将軍オルテンが参謀シルヴァと共謀し、無能な総司令官チェーザレを前線督戦におびき出して戦死させ、軍権を取り戻す謀略を進めていた。
第2幕:城外急襲と王門の封印
マルベリーの巨大な跳ね橋が下りると、降伏使節と思い込んだチェーザレの油断を突き、先陣のサツキ、マゴット、ジーナが怒涛の勢いで突入した。公国軍前衛は瞬く間に壊滅し、バルドとラミリーズ率いる四百の精鋭が敵陣を両断する。
サツキは逃亡するチェーザレを追撃したが、跳躍の瞬間に激しい脱力感に襲われて硬直した。
ヴァレリーの仲介で関所を突破しシエーナ経由で到着した教団特別矯正部のマーテルとダニーロが、王門封印型聖遺物「ヴァルテルミー」を起動させたためであった。サツキ、マゴット、ジーナの王門が封じられ、ジーナは正面から刺殺された獣王ブロッカスの暗殺の真相から王門を封じる技術が統一王朝以前から存在したと推論し、当時から存続し獣人を敵視してきたエウロパ教団が黒幕であると指摘した。
第3幕:サツキ救出とピアージョ暗殺の悲劇
包囲されて矢の雨を浴びる寸前となったサツキを救うため、バルドはマゴット対策の秘策「オーバーブースト」を発動して公国軍を蹴散らした。
バルドが王門以外の未知の力を行使したことにマーテルとダニーロが戦慄する中、オーバーブーストの効力が切れたバルドは、敵の立ち直りの早さを見て撤退を決断し、追撃の弓隊へ鉄パイプ爆弾を投擲して混乱させ、味方と合流して引き揚げた。
単身逃走したチェーザレは待ち構えていた参謀シルヴァに射殺され、勝手に追撃して突出した傭兵ドニーチオらはオルテンの伏兵騎兵に蹂躙された。
バルドたちは大勝利を収めてマルベリーへ凱旋したが、出迎えたピアージョが負傷兵を装った刺客に胸を刺され絶命した。ラミリーズは旧友オルテンによる冷徹な謀略を悟り、憤激した。
第4幕:後方での経済戦とガウェイン城の防衛
ピアージョをオケアノース神殿で水葬に付した海運ギルドは、公国との和平を捨てバルドと共に戦い抜く決意を固めた。
一方、マウリシアではシルクが不遜な亡命貴族ゴドフリートを一喝して排除し、アントリムではノルトランド皇帝の養女となったレイチェルがサバラン商会に顧問として合流した。
セリーナとレイチェルは王都でダウディング商会のトーマスと対談し、オールドマイン・カットによるダイヤモンド事業を提示した上で、サバラン商会をダウディング商会へ吸収合併させる軍事同盟を結んだ。
セリーナは高速通信網を武器に、公国へ穀物を買い占めさせて軍事予算を消耗させ、塩の流通を止めて価格を高騰させた後に在庫を一気に叩き売る経済戦を仕掛けた。
その頃、教団特別矯正部のドワイトは少年たちを率いてガウェイン城へ向かい、子供を装った少年たちが門衛を急襲・殺害して城門で兵士たちを引きつける隙に、ドワイトは単身城内へ侵入した。
少年たちは身体に巻きつけた火薬で自爆し、城内に爆発と混乱をもたらした。ドワイトが火薬で鉄柵を吹き飛ばしてバルコニーへ駆け寄ると、空中に浮かんでいたテュロスと双子の姿は魔法による幻であり、ドワイトの投擲した剣によって砕け散った。
本物のテュロスは双子を抱いて漆黒の気球に吊り下げられ、はるか上空へと離脱しており、足元に仕掛けられた炎によってドワイトは爆殺された。
第5幕:父子の決別と新議長アウグストの誕生
マルベリーでは、後継議長への就任を固辞するバルバリーノに対し、しがらみのないアウグストを議長に推す声が高まっていた。
重圧から逃れていたアウグストは母イズンに連れ出され、ハリルの森で父ヴァレリーと密会した。ヴァレリーは、善人であるバルドが旧世代の貴族を根絶やしにできないと見抜き、自ら公国の悪をすべて引き受けて貴族たちを破滅へ道連れにする覚悟を告げた。
駆けつけたジーナから親友ヴィクトールの遺言を聞いたヴァレリーは信念を貫き、妻イズンも夫と運命を共にする道を選んだ。
両親を見送って独り立ちを決意したアウグストは翌日、第二十四代元老院議長に就任し、反発する商人を冷徹に排除して組織を掌握した。
そこへ、アンサラー王国が右将軍ミハイル率いる二万の軍勢を投入するという凶報がもたらされた。
第6幕:傾奇者ミハイルの来訪と演習場の一騎打ち
公国へ到着したアンサラー軍の指揮官ミハイルは、バルドを一目見たいという理由から副官のみを伴い単騎でマルベリーへ乗り込んできた。
会談で敵対を平然と言い放つミハイルに対し、バルドの内に眠る岡左内は、死すら楽しむ「傾奇者」としての同類を見出して共鳴した。
命を懸けて戦いを楽しむミハイルの意図を汲んだバルドは、命を対価とすることを条件に演習場での一騎打ちを承諾した。
ジーナから天然の王門持ちと警告されたミハイルの巨体と怪力に対し、左内は体崩しと秘剣「弦巻」を駆使してミハイルの左肩を砕いた。
ミハイルの神速の突進を居合で迎え撃ち、後襟を取って絞め技に入った左内に対し、ミハイルの拳も左内の顔前で寸止めとなった。互いに命懸けの勝負を楽しんだ二人は、戦場での再会を約束して刀を収めた。
主要な転換点
転換点:マルベリー城外急襲の決行
- それ以前の状況:公国軍が包囲を敷き、海運ギルドは防備を固めて長期戦に持ち込み、物資と援軍を待つ持久策を前提としていた。
- 出来事:バルドが即時出撃を主張し、手合わせで守備隊長ジュスティニアーニらを圧倒して元老院を納得させ、跳ね橋を下ろして公国軍へ急襲を仕掛けた。
- 変化:公国軍の前衛が壊滅し、大将軍チェーザレが逃亡したことで公国軍の作戦構想が完全に崩壊した。
- 次への影響:チェーザレがシルヴァに射殺されてオルテンが大将軍へ復帰する契機となり、その後の戦局がオルテン主導へと移行した。
転換点:聖遺物「ヴァルテルミー」による王門の封印
- それ以前の状況:王門持ちの身体能力は常人の可視限界を超えており、小勢であっても大軍を一方的に蹂躙できる絶対的な優位を保っていた。
- 出来事:教団のマーテルとダニーロが聖遺物を起動させ、サツキ、マゴット、ジーナの王門を強制的に停止させた。
- 変化:サツキが包囲されて死の危機に瀕し、バルドらは長時間の戦闘継続を断念して撤退を余儀なくされた。
- 次への影響:バルドがオーバーブーストと鉄パイプ爆弾を投入して危機を脱し、ジーナが教団と獣王暗殺の黒幕に気づいて双子の防衛を警戒する直接の原因となった。
転換点:元老院議長ピアージョの暗殺
- それ以前の状況:マルベリー防衛戦に大勝し、バルドを戴く海運ギルドと市民は熱狂的な戦勝気分に包まれていた。
- 出来事:凱旋を迎えたピアージョが、オルテンの手配した偽装負傷兵の短剣に刺されて即死した。
- 変化:海運ギルドの最高指導者が失われ、公国との和平や妥協の可能性が完全に消滅した。
- 次への影響:後継議長としてアウグストが台頭する流れを生み、海運ギルドが公国打倒まで後戻りできない全面戦争へと突入した。
転換点:アウグストの元老院議長就任と独り立ち
- それ以前の状況:アウグストは責任ある地位を嫌い、父の代理人という立場で気ままに立ち回っていた。
- 出来事:ハリルの森で父ヴァレリーから敵対と死の覚悟を告げられ、両親との今生の別れを経て元老院議長への就任を承諾した。
- 変化:アウグストが逃げ腰を捨てて海運ギルドの頂点に立ち、反対派を排除して組織を掌握した。
- 次への影響:海運ギルドが新王国へ臣従するための体制が整い、アンサラー王国軍の参戦という最大の危機に対して正面から対峙する指導部が確立された。
バルドを中心とした人物関係の変化
サツキ・カゲツ
- 開始時:王門持ち同士として実力を認め合い、サツキはバルドに同行していたが、戦士としての対等な意識や強がりが残っていた。
- 主な出来事:城外戦で王門を失ったサツキが死の恐怖に怯え、バルドに救出された後、病床で弱音を吐いて優しく抱きしめられた。
- 巻末時:サツキはバルドに対して明確な恋心を抱き、彼のために戦い抜くことを心に誓う親密な関係となった。
アウグスト・ガリバルディ
- 開始時:互いに才能は認めつつも「いけ好かない男」として同属嫌悪し、距離を置いていた。
- 主な出来事:マルベリーの防衛とピアージョ亡き後の統制を進める中、アウグストが議長就任を受け入れて指導者として覚醒した。
- 巻末時:性格的な相性の悪さは変わらないものの、君主と元老院議長として国家の命運を共に背負う不可欠な政治的パートナーとなった。
ピアージョ・デルベッキオ
- 開始時:自治を求める海運ギルドの長と、新たな主君候補として交渉し、信頼を築き始めていた。
- 主な出来事:バルドの即時出撃提案を認め、大勝利を収めて凱旋したバルドを出迎えた直後に暗殺された。
- 巻末時:死別。バルドは貴重な臣下を失った悔恨を抱き、公国打倒の決意を強めることとなった。
バルド(岡左内) ⇔ ミハイル・カラシニコフ
- 開始時:アンサラー王国の常勝将軍と、討伐対象の反乱指導者という完全な敵対関係。
- 主な出来事:単騎で乗り込んできたミハイルに対し、左内が表出して演習場で一騎打ちを行い、死をも遊ぶ傾奇者としての魂を共鳴させた。
- 巻末時:互いの人外の強さと生き様を認め合い、戦場での再会と命懸けの勝負を心待ちにする好敵手となった。
主人公の認識と周囲の評価
主人公自身の認識
バルド自身は、自分を「守るべきものや責任のために知恵と力を絞り出している人間」と捉えており、神輿として祭り上げられることや王太子と呼ばれることには気恥ずかしさを感じている。
また、王門の力だけに依存せず、オーバーブーストや近代兵器(鉄パイプ爆弾)などの備えを重視し、不測の事態に対して冷静に対応しようとする。
一方で、内に宿る岡左内は、死すら楽しむ戦国の価値観を保持しており、ミハイルのような常軌を逸した武人に対して打算のない純粋な闘争心を燃やしている。
周囲からの評価
- マルベリーの民衆・元老院:長年の苦境と海上封鎖を打破し、不可能を可能にする奇跡の英雄であり、かつての栄光ある王国を再興してくれる真の君主(バルド王子殿下)。
- エウロパ教団(マーテル、ダニーロ):神が定めた人間の秩序を脅かす「悪魔」「化け物」であり、解除不能の未知の術を用いる危険極まりない神敵。
- オルテン:かつての主君ヴィクトールを思わせる器量を持ち、旧友ラミリーズを再び騎士として戦場へ呼び戻した侮れない若き怪物。
- ミハイル・カラシニコフ:単なる英雄や支配者の枠に収まらず、自らと同じく死と戯れることができる稀代の「傾奇者」であり、命を懸けて戦うに相応しい至高の好敵手。
認識の差が現れた場面
- 軍議での出撃提案時:ピアージョやバルバリーノらは「わずか四百の兵で出撃するなど無謀であり、大軍の前に守りを固めるべきだ」と常識的な戦力差に囚われていたが、バルドは「初見の王門持ちを止められる軍は存在せず、勝てる時に勝って力を見せつけることこそが最善の政治的手段である」と確信しており、三百名を単身で圧倒して見せることでその認識の断絶を埋めた。
- ミハイルとの謁見時:元老たちは敵将が単騎で乗り込んできたことを「国家やギルドを侮辱する暴挙」と受け取って激昂し、殺害すら検討したが、バルドの内に眠る岡左内は「侮辱ではなく、命を懸けて相手の反応を楽しみに来た傾奇者の戯れ」であると即座に見抜き、一騎打ちの勝負へと発展させた。
聖遺物の力
『異世界転生騒動記9』において描かれる聖遺物ヴァルテルミーは、エウロパ教団が秘匿してきた人智を超える秘宝であり、王門を持つ者たちを脅かす極めて危険な決戦兵器である。
聖遺物の概要と基本性質
・教団の秘匿兵器 教皇庁の奥深くに封印されてきた白銀の円柱状の遺物であり、神がもたらした人外の技術の結晶とされている。
・厳格な運用制限 教団法特秘第二条により、運用は司教以上の地位と相応の魔力を持つ者にのみ許される。また、莫大な魔力を消費するため使用は一日一回が限度であり、使用者は一時的に魔力が枯渇して戦力外となる。
王門の封印効果と限界
・王門の封印と多大な負荷 発動すると効果範囲内の王門を封印し、対象者に激しい脱力感や身体への多大な重圧を強める。これにより、可視限界を超える神速などの超人的能力が失われる。
・純粋な武芸に対する限界 王門の力は封じられるものの、本人の研ぎ澄まされた実戦経験や武術の技量までは奪えない。そのため、過酷な実戦をくぐり抜けてきたマゴットやジーナは、王門を封じられた状態であっても常人を圧倒する戦闘力を発揮した。
実戦展開とバルドの突破
・サツキの危機 マルベリー城外の戦いにて、マーテルブラインド司教とダニーロ副隊長によって聖遺物が起動され、先陣を切っていたサツキは突如身体が動かなくなり、敵兵の包囲を受けて死の寸前に追い詰められる。
・オーバーブーストによる突破 バルドは王門に頼らず母マゴットに対抗するため独自に開発していた技術オーバーブーストを行使し、聖遺物の影響を押し切って神速を発揮し、サツキを救出した。
・教団側の戦慄 聖遺物が破られたと錯覚したマーテルたちは絶叫し、さらにバルドが魔法解除の効かない現代知識由来のパイプ爆弾を投入したことで、教団側は未知の術式に激しい脅威と混乱を抱くことになった。
歴史的真相
・歴史の暗部 ジーナは自身が受けた脱力感と聖遺物の効果から、古代の絶対的強者であった獣王ブロッカスが正面から刺殺された歴史的謎の真相に辿り着いた。
・軍師ペリシテと教団の謀略 獣王の異父弟である人間・軍師ペリシテが教団から提供された聖遺物を用いて獣王の王門を封じて暗殺し、犬耳族と猫耳族の相互不信を煽って長年の対立と苦難へ突き落としたという衝撃の歴史的企みが明かされた。
まとめ
聖遺物という圧倒的な切り札の登場は、王門を持つ者たちに深刻な脅威をもたらす。しかし主人公たちの卓越した武技や独自技術による突破、そして古代から隠されてきた謀略の露見は、教団の絶対的な優位性を揺るがし、物語を新たな局面へと導く。
経済戦の仕掛け
異世界転生騒動記第9巻において描かれる経済戦は、武力行使に頼らず敵であるトリストヴィー公国の財政や貴族層を破滅へ追い込む、セリーナ主導による極めて緻密かつ残酷な市場操作である。
経済同盟と超高速情報網の構築
セリーナはサバラン商会を大手ダウディング商会へ吸収合併させ、バルドとの事実上の軍事および経済同盟を成立させる。
この経済戦の最大の武器は、バルドが構築した鉱石ラジオ通信網と大陸全土の獣人族による情報網である。他国や敵国よりも二日早く市場相場や事故、豊作や不作の情報を入手できるシステムを背景に、大陸の物流と相場を支配する基盤を整える。
安価な穀物の敵国売りつけ
戦争終結によって軍事負担が減り安価になったハウレリア産の穀物を買い占め、味方に供給するのではなく、あえて市価より少し安い価格で敵であるトリストヴィー公国側へ大量に売りつける。
- 目的と効果
- 戦時下で食料危機を恐れる公国の貴族や住民は、安さに飛びついて予算を超えてまで二年から三年分の兵糧を買い蓄える。
- 穀物の輸送や護衛に人件費や馬匹の費用が跳ね上がり、公国の財政を徹底的に圧迫させる。
- バルドは兵糧攻めではなく電撃戦を行うため、公国を占領した後に公国が買い込んだ食料と資金を丸ごと奪い取り、平民へ無料分配して民心を得るという二重の罠となる。
塩相場の吊り上げと高値叩き売り
サンファン王国で量産される安価な塩により各地の製塩業が衰退していた状況を利用し、公国向けの塩の供給をストップさせてノルトランドやガルトレイクへ流す。
- 目的と効果
- 生活必需品である塩の供給が途絶えた公国内では、塩の価格が暴騰する。
- さらにピアージョ暗殺の復讐のために海運ギルドが塩を買い占めているという噂を流して不安を煽り、公国の貴族や商人に昨年の十倍という異常な高値で塩を買い占めさせる。
- 買い占めがピークに達した絶妙なタイミングで一気に在庫を叩き売り、塩の価格を急暴落させる。
- これにより、投機目的で高値の塩を買い込んでいた公国の貴族や商人は破産に追い込まれ、武器や傭兵を調達する資金を完全に失うことになる。
まとめ
セリーナは敵の心理と情報格差を巧みに突き、公国側に自ら進んで財産を吐き出させる仕組みを作り上げて戦力を内側から無力化させる。武力衝突を回避しながら敵国の経済基盤を根底から瓦解させる市場操作は、外交と商略が一体となった圧倒的な戦略性を示す。
王門の封印
異世界転生騒動記第9巻において描かれる王門の封印は、エウロパ教団が秘匿してきた古代の兵器と、それに対抗する主人公たちの死闘、そして古代史の暗部を解き明かす極めて重要な展開である。
封印をもたらす聖遺物ヴァルテルミー
- 教団の秘匿兵器として、教皇庁の奥深くに封印されていた白銀の円柱状の遺物であり、神がもたらした人外の技術の結晶とされる。
- 厳格な発動条件が設けられており、教団法特秘第二条により運用は司教以上の地位と相応の魔力を持つ者にのみ許される。消費魔力が非常に大きく一日一回が限度であり、使用者は一時的に魔力が枯渇する。
- 王門の封印効果を発揮すると、効果範囲内の王門を拘束し、対象者に数百キロの重石を載せられたような激しい脱力感と重圧を強いる。これにより、可視限界を超える神速などの超人的身体能力が一切使えなくなる。
戦場での実戦と王門持ちたちの対応
- マルベリー城外の戦いにおいて、教団の司教と副隊長によって聖遺物が起動される。先陣を切っていたサツキは突如身体が硬直して機動力を失い、敵軍の包囲と弓隊の斉射を受けて絶体絶命の危機に追い込まれる。
- 王門を封じられたマゴットやジーナは、過酷な実戦で磨き上げた天性のセンスと武芸の技量によって常人を圧倒し、敵兵を次々と打ち倒していく。
バルドによるオーバーブーストの突破
- バルドは王門だけに頼らず母に対抗するため独自開発していた技術オーバーブーストを行使し、聖遺物の及ぼす重圧を押し切って神速を発揮し、サツキを救出する。
- 聖遺物の封印が破られたと錯覚した教団側は絶叫し、さらにバルドが魔法解除の効かないパイプ爆弾を投げ込んだことで、未知の術式に対する激しい恐怖を抱いて撤退を余儀なくされる。
明かされた歴史的真相
- 自身が受けた重圧感と聖遺物の効果から、ジーナは古代の絶対的強者であった獣王ブロッカスが正面から刺殺された歴史的謎の真相を悟る。
- 獣王の異父弟である人間の軍師ペリシテが教団の聖遺物を用いて獣王の王門を封じて暗殺し、犬耳族と猫耳族の間に相互不信を煽って長年の対立へ引きずり込んだという衝撃の歴史的陰謀が判明する。
王門を封じる秘宝の登場は主人公たちに深刻な危機をもたらしたものの、個人の圧倒的な武技や独自技術の活用によってその脅威は打ち破られた。さらに古代から隠されてきた歴史の謀略が露見したことで、教団の絶対的な優位性は大きく揺らぐことになった。
暗殺者ドワイト
『異世界転生騒動記9』に登場する暗殺者ドワイト・アイゼンは、エウロパ教団が放った極めて冷酷かつ危険な刺客である。
人物像と傀儡師としての異名
エウロパ教団特別矯正部に所属する暗殺者であり、ハウレリア王国内で孤児院を経営する人物として知られる。表向きは穏やかで清貧を貫く聖職者を装うが、本性は神の敵とみなした存在を一切の躊躇なく抹殺する狂信者である。他の暗殺者と行動を共にせず、自らの孤児院で洗脳や教育を施した子どもたちを率いて任務にあたる。子どもたちはドワイトへ絶対的な忠誠を誓い、命を捨てることすら神への奉仕として喜びと感じるよう盲信させられている。
アントリム襲撃の目的
マルベリーの戦いでバルドと母マゴットが王門を開放したことを知った教団上層部は恐慌状態に陥り、将来的に王門を発動させる危険性がある幼い双子の抹殺を命じた。バルドやマゴット、精鋭部隊が遠征中で不在となっていたアントリムは格好の標的となり、ドワイトは教団の密命を受けて洗脳した子どもたちを引き連れて侵入した。教団の隠れ蓑であったアマデウス商会の会頭を殺気で脅し上げ、ガウェイン城内の警備体制や構造に関する詳細な情報を提出させた。
アントリム側の察知と防衛戦術
巡検使ポルコがアマデウス商会に現れた不審なドワイトの存在を目ざとく察知し、執務を取り仕切るテュロスへ報告した。テュロスから相談を受けた元傭兵のジルコは、ドワイトの内に隠された本質的な狂気と気配を察し、完全編成の一個中隊で奇襲しなければ確実に仕留められない化け物と強い恐怖とともに警告した。バルドに絶対的な忠誠を誓うテュロスは、武力ではなく城内の仕掛けや罠、情報操作を全開にしてドワイトを迎え撃つ準備を固めた。
ガウェイン城の激闘と結末
深夜、ドワイトは体に火薬を巻きつけた子どもたちを城門へ派遣し、油断した門衛を刺殺させるとともに自爆攻撃を行わせ、城内を大混乱に陥れた。混乱に乗じて天守へ侵入したドワイトに対し、テュロスは伝声管からの音声煽り、機械仕掛けの矢や槍の罠、分断用の鉄柵などを次々と発動させた。さらに、魔法と鏡を使った精密な幻像を部屋に投影してドワイトに爆薬を使わせ、直接の攻撃を完全に空振りさせた。本物のテュロスは双子を胸に抱き、あらかじめ用意していた気球に乗って空中へ逃れていた。バルコニーで勝ち誇るテュロスを見上げて狂乱したドワイトだが、足元に仕掛けられていた火薬が一斉に爆発・炎上し、狂信者ドワイトは完全に自滅・爆殺された。
まとめ
手薄となったアントリム領を狙ったエウロパ教団の刺客ドワイトによる急襲は、周到に張り巡らせた罠とテュロスの冷徹な防衛戦術によって完全に粉砕された。王門の血統を断つための暗殺計画は失敗に終わり、アントリムの防衛体制の堅牢性と組織的な対応力が証明される結果となった。
ミハイルの登場
トリストヴィー王国を巡る戦乱は、長年にわたる政治的陰謀と身分層の対立を背景に、周辺諸国の利権が複雑に絡み合う重大な転換点を迎えている。本稿では、激変する国内の勢力図と、今後の動向について整理する。
政治的動向と勢力再編の背景
- 過去の陰謀と対立構造
- 30年前の改革派と貴族至上主義派の対立を発端とし、主要人物の失脚や後宮の悲劇が引き起こされた。
- 王国の解体後に形成された公国派、亡命貴族中心の王党派、自治を掲げる海運ギルドの三つ巴の構図が形作られている。
- 国際関係と外交網の構築
- 南洋諸国との技術提携や通商協定が締結され、海上交通と経済基盤の確保が進められている。
- 北方の獣人勢力や周辺王国の要人との政治的折衝を通じて、多角的な連携基盤が形成されている。
内乱における経済的・軍事的影響
- 経済政策と市場への介入
- 敵対勢力に対する巧妙な物資の供給や相場操作が行われ、財政基盤の切り崩しが図られている。
- 通信網や情報網を活用した迅速な市場掌握により、相手方の資金力と継戦能力が著しく低下している。
- 軍事拠点と海上要衝の攻防
- 主要な海域の封鎖を巡る大規模な海戦が発生し、圧倒的な戦力差を覆す戦術的勝利が収められている。
- 要衝の解放と新たな指導体制の確立により、旧王国の再興に向けた実効支配が着実に進められている。
まとめ
これまでの政治的・軍事的工作は、混乱を極めた国家秩序の再構築に向けて着実な成果を上げている。国内外の利害調整と強固な基盤の確立を経た今、旧王国の主権奪還に向けた局面はいよいよ決定的段階へ移行しつつある。
登場キャラクター
コルネリアス辺境伯領・アントリム
バルド・コルネリアス(バルド・セヴァーン・コルネリアス / バルド・アントリム・コルネリアス)
前世の記憶と武芸を併せ持ち領地を牽引する。母の血脈を受け継ぎトリストヴィー王国の再興を主導する。
・所属組織、地位や役職 アントリム辺境伯領・領主。マウリシア王国・辺境伯。トリストヴィー王国・第一位王位継承者。
・物語内での具体的な行動や成果 要塞船ギガンテを率いてマルベリーへ上陸を果たす。ジュスティニアーニ率いる精鋭を手合わせで圧倒する。聖遺物の影響を突破してサツキを救出する。パイプ爆弾を用いて敵を牽制しつつ無事に後退する。ミハイルとの演習場での一騎打ちに臨む。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 マルベリー市民から圧倒的な支持を獲得する。新王国の君主としての立場を確固たるものへ高める。
マゴット・コルネリアス(銀光マゴット)
主人公の母親を務める。神速の武芸と圧巻の身体能力を保持する。
・所属組織、地位や役職 コルネリアス辺境伯家・当主夫人。トリストヴィー王国・元王女。
・物語内での具体的な行動や成果 息子の出撃に同行してマルベリーの戦いへ突入する。王門を封じられた後も天性のセンスで敵兵を倒し続ける。教団の狙いが双子にあると見抜き急ぎ帰国を決意する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 伝説的な強者として敵味方から恐れられる。
イグニス・コルネリアス
主人公の父親を務める。
・所属組織、地位や役職 コルネリアス伯爵家・当主。伯爵。
・物語内での具体的な行動や成果 作中では名前のみ言及される。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 伯爵家当主として家門を支える。
セイルーン
主人公の幼馴染であり婚約者を務める。
・所属組織、地位や役職 コルネリアス辺境伯家・侍女。バルドの婚約者。
・物語内での具体的な行動や成果 当主夫人の不在中にガウェイン城で双子の育児に尽力する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 身近を支える存在として成長を見せる。
セリーナ・サバラン
サバラン商会の会頭を務める。
・所属組織、地位や役職 サバラン商会・会頭。バルドの婚約者。
・物語内での具体的な行動や成果 レイチェルとともにダウディング商会のトーマスと交渉を行う。サバラン商会をダウディング商会へ吸収合併させる。バルドの情報網を提供して軍事同盟を成立させる。安価な穀物の売りつけや塩相場の吊り上げ叩き売りによる経済戦を仕掛ける。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 経済戦の主導者として敵国財政へ打撃を与える。
アガサ・マイルトン
優れた行政手腕を持つ才女を務める。
・所属組織、地位や役職 アントリム辺境伯領・秘書長。マイルトン准女男爵。バルドの婚約者。
・物語内での具体的な行動や成果 ウィリアム王子への領地引継ぎ業務を進める。気球で脱出したテュロスの行き過ぎた行動を咎める。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 行政実務の要として領政を維持する。
シルク・ランドルフ
ランドルフ侯爵家の令嬢を務める。
・所属組織、地位や役職 ランドルフ侯爵家・令嬢。バルドの婚約者。
・物語内での具体的な行動や成果 遠征の遅れに苛立ちを見せる。求婚とバルドの侮辱を口にするゴドフリートを一喝する。庇護の打ち切りを警告して立ち去らせる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 高い政治的覚悟と強い意志を示す。
テュロス
主人公の側近兼行政責任者を務める。
・所属組織、地位や役職 アントリム辺境伯領・行政責任者。
・物語内での具体的な行動や成果 ポルコの報告を受けてドワイトの危険性を察知する。ジルコに相談して厳重な防衛策を講じる。からくりや伝声管や鏡の幻像でドワイトを翻弄する。漆黒の気球に乗って双子とともに空中へ脱出する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 絶対的な忠誠心を発揮して双子を守り抜く。
ポルコ
主人公の幼馴染を務める。
・所属組織、地位や役職 アントリム辺境伯領・巡検使。
・物語内での具体的な行動や成果 アマデウス商会に出入りする不審なドワイトの存在に気づく。テュロスへ不気味な客の情報を共有する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 庶民的な視線から異変をいち早く察知する。
ナイジェル・コルネリアス
主人公の弟を務める。
・所属組織、地位や役職 コルネリアス伯爵家・次男。
・物語内での具体的な行動や成果 セイルーンやテュロスから可愛がられる。ドワイトの襲撃時にテュロスに抱かれて気球で避難する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 トリストヴィーの第二位王位継承権を有する。
マルグリット・コルネリアス
主人公の妹を務める。
・所属組織、地位や役職 コルネリアス伯爵家・長女。
・物語内での具体的な行動や成果 ガウェイン城で健やかに育つ。ドワイトの襲撃から無事に保護される。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 王門の血統として教団から狙われる。
ベック
森で炭焼きを営む青年を務める。
・所属組織、地位や役職 バレーリの森の炭焼き職人。ジルコの夫。
・物語内での具体的な行動や成果 妊娠中の妻を深く気遣う。訪れたテュロスに驚いた妻から殴り倒される。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 家庭を築いて妻を優しく支える。
ジルコ
元傭兵の女性戦士を務める。
・所属組織、地位や役職 元傭兵。ベックの妻。
・物語内での具体的な行動や成果 訪れたテュロスからドワイトの品定めを依頼される。遠目からドワイトの潜める本質的な狂気を見破る。一個中隊での奇襲が必要な化け物と警告を発する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 戦感を活かして敵の危険度を見抜く。
ラミリーズ
アントリム軍の総指揮官を務める。
・所属組織、地位や役職 アントリム辺境伯軍・大将軍。元マウリシア王国騎士学校長。
・物語内での具体的な行動や成果 精鋭四百を率いてマルベリーに上陸する。用兵を駆使して公国軍を追い詰める。オルテン率いる騎兵部隊へ槍衾を準備して備える。ミハイルを通じてオルテンへ絶縁の伝言を託す。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 清廉な騎士として不変の忠誠を貫く。
ウィリアム
マウリシア王国の第四王子を務める。
・所属組織、地位や役職 マウリシア王国・第四王子。
・物語内での具体的な行動や成果 アントリムの領地引継ぎのため官僚を派遣する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 次期統治者として実務を進める。
トリストヴィー公国
ジャック・アマーディオ・トリストヴィー(大公ジャック)
トリストヴィー公国の君主を務める。
・所属組織、地位や役職 トリストヴィー公国・大公。
・物語内での具体的な行動や成果 敗戦の報告を受けて暗然とする。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 公国の敗北により厳しい立場へ立たされる。
ベルナルディ・アマーディオ・トリストヴィー(公太子ベルナルディ)
公大公の息子を務める。
・所属組織、地位や役職 トリストヴィー公国・公太子。
・物語内での具体的な行動や成果 到着したアンサラー軍を出迎える。ミハイルが単騎でマルベリーへ向かった報告に仰天する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 大国介入の危険性を理解できずに動く。
ヴァレリー・オスト(オスト伯爵ヴァレリー / ベネート・ガリバルディ)
公国の陰の黒幕を務める。
・所属組織、地位や役職 オスト伯爵家・当主。伯爵。海運ギルド元老。
・物語内での具体的な行動や成果 聖遺物を運ぶマーテルを関所で助ける。オルランドのもとを訪れてアンサラー軍参戦を告げる。ハリルの森で息子アウグストに敵対を宣言する。旧弊な貴族を破滅へ道連れにする覚悟を語る。妻イズンとともに去っていく。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 新時代のため自ら悪を引き受けて討ち死にする道を選ぶ。
オルテン
公国の前大将軍を務める。
・所属組織、地位や役職 トリストヴィー公国・前大将軍。
・物語内での具体的な行動や成果 チェーザレを前線へおびき出して後退させる策を授ける。ラミリーズの出撃を正確に予想する。敗走する傭兵部隊へ騎兵で逆撃を叩き込む。ミハイルからのラミリーズの伝言を受け止める。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 軍権を取り戻して公国防衛にあたる。
チェーザレ
公国の大将軍を務めた。
・所属組織、地位や役職 トリストヴィー公国・大将軍(故人)。
・物語内での具体的な行動や成果 ギガンテ奪還の失敗に激昂する。シルヴァの進言に乗って前線へ督戦に出向く。急襲を受けて見苦しく逃走する。責任をオルテンに着せようと企むがシルヴァに射殺される。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 無能な指揮により自滅して命を落とす。
シルヴァ(シルヴァベルルスコーニ)
チェーザレの参謀を務める。
・所属組織、地位や役職 トリストヴィー公国軍・参謀。
・物語内での具体的な行動や成果 オルテンの指示を受けチェーザレを前線へ誘導する。逃亡したチェーザレの前に立ちはだかる。敵前逃亡の名目を告げてチェーザレを射殺する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 オルテンの右腕として軍内部の整理を実行する。
ウィルコー
チェーザレ子飼いの連隊長を務める。
・所属組織、地位や役職 トリストヴィー公国軍・連隊長。
・物語内での具体的な行動や成果 チェーザレの前で勝利を誓う大言壮語を吐く。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 出世欲から前線に立つ。
フェデリーゴ
公国海軍の第一艦隊司令官を務める。
・所属組織、地位や役職 トリストヴィー公国海軍・第一艦隊司令官。
・物語内での具体的な行動や成果 ギガンテ一番艦に座乗して南方に展開する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 公国海軍の残存戦力を指揮する。
ジュスティニアーニ(大盾のジュティー)
マルベリーの陸戦指揮官を務める。
・所属組織、地位や役職 マルベリー城壁守備隊長。元傭兵。
・物語内での具体的な行動や成果 バルドとの手合わせに応じる。駆けつけたマゴットの姿を見て顔面蒼白となり手合わせを辞退しようとする。暴走するドニーチオらの追撃を制止しようと焦る。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 優れた戦術眼でマルベリー防衛を支える。
コンティネッリ(コンティネッリ子爵)
公国の強欲な貴族を務める。
・所属組織、地位や役職 トリストヴィー公国・子爵。
・物語内での具体的な行動や成果 関所でマーテルの通行を阻んで見返りを狙う。現れたヴァレリーに気圧されて即座に通行を許可する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 保身と強欲さで立ち回る。
オルランド(ロッシ子爵オルランド)
マルベリー近郊の領主を務める。
・所属組織、地位や役職 ロッシ子爵家・当主。子爵。
・物語内での具体的な行動や成果 公国軍の撤退を受けて寝返りを模索する。訪れたヴァレリーからミハイル参戦を聞かされる。公国残留を決意してヴァレリーの術中にはまる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 小心さゆえにヴァレリーに誘導される。
トリストヴィー海運ギルド・ガリバルディ商会
ピアージョ・デルベッキオ
海運ギルドの議長を務めた。
・所属組織、地位や役職 海運ギルド・七元老議長(故人)。
・物語内での具体的な行動や成果 バルドを温かく出迎えて臣従の礼をとる。勝利の凱旋時に重傷を装った刺客に襲われる。胸を刺されて息絶える。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 組織の最高指導者として水葬に付される。
バルバリーノ・ザナリデッリ
ギルド艦隊の司令官を務める。
・所属組織、地位や役職 海運ギルド護衛艦隊・提督。七元老。
・物語内での具体的な行動や成果 ピアージョの殺害に激怒して仇討ちを誓う。議長就任を拒んでアウグストを後任に推す。乗り込んできたミハイルに激昂する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 ギルドの軍事面を支え続ける。
ピエトロ・ミラーノ
ギルドの法務官を務める。
・所属組織、地位や役職 海運ギルド・七元老法務官。
・物語内での具体的な行動や成果 バルドを王位継承者と位置づけて忠誠を誓う。アウグストの議長擁立に賛同する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 法務の重鎮として内政に関わる。
マリオ・アンデレオッティ
ギルドの財務官を務める。
・所属組織、地位や役職 海運ギルド・七元老財務官。
・物語内での具体的な行動や成果 バルドへ今後の戦費相談を持ちかける。アウグストの議長就任を受け入れる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 財務を取り仕切る。
ランベルド・コロンボー
ギルド艦隊の指揮官を務める。
・所属組織、地位や役職 海運ギルド・七元老提督。
・物語内での具体的な行動や成果 外洋から帰還して会議に臨む。王国の臣従を見据えてアウグストが適任であると見破る。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 寡黙ながら確かな洞察力を示す。
アウグスト・ガリバルディ
ガリバルディ商会の代行を務める。
・所属組織、地位や役職 ガリバルディ商会・当主代行。海運ギルド・第二十四代元老院議長。
・物語内での具体的な行動や成果 元老たちの推挙を受けて元老院議長に就任する。脱退を口にした古参商人を冷徹に切り捨てる。ハリルの森で父ヴァレリーと永遠の決別を交わす。ミハイルの二万出撃の報をバルドへ伝える。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 逃げ腰を捨ててギルド最高指導者として独り立ちする。
ガストーネ
親公国派の元老を務めた。
・所属組織、地位や役職 海運ギルド・元七元老(故人)。
・物語内での具体的な行動や成果 ギガンテ奪還戦の際に旗艦を撃沈されて最期を迎える。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 裏切り者として処罰される。
カトリーヌ
アウグストの愛人を務める。
・所属組織、地位や役職 アウグストの愛妾。
・物語内での具体的な行動や成果 重圧に苦しむアウグストを胸で優しく抱きしめる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 アウグストに安らぎを与える。
ラウラ
アウグストの秘書を務める。
・所属組織、地位や役職 ガリバルディ商会・秘書。
・物語内での具体的な行動や成果 アウグストの議長就任を強く後押しする。カトリーヌに抱きつくアウグストを引き離そうと奮闘する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 忠実な秘書としてアウグストを支える。
マウリシア王国・亡命貴族
ウェルキン五世
マウリシア王国の国王を務める。
・所属組織、地位や役職 マウリシア王国・国王。
・物語内での具体的な行動や成果 レイチェルの不貞認定と王籍離脱を正式に承認する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 国家の治世を統括する。
レイチェル(レイチェル・エジンバラ)
ノルトランド皇帝の養女を務める。
・所属組織、地位や役職 サバラン商会・顧問。マウリシア王国・元第二王女。
・物語内での具体的な行動や成果 サバラン商会の顧問へ就任する。貴族社会の知識でセリーナを助ける。ダウディング商会との商談へ同行する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 バルドの側室となるため自ら精力的に活動する。
アルフォード・ランドルフ(ランドルフ侯爵)
ランドルフ侯爵家の当主を務める。
・所属組織、地位や役職 ランドルフ侯爵家・当主。侯爵。
・物語内での具体的な行動や成果 軍の出征に向け王都で各方面への根回しを進める。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 陣営の重鎮として機能する。
クリス
シルクの侍女を務める。
・所属組織、地位や役職 ランドルフ侯爵家・侍女。
・物語内での具体的な行動や成果 訪れたゴドフリートの対応をシルクへ伺う。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 シルクの側近として仕える。
ゴドフリート
トリストヴィーの亡命貴族を務める。
・所属組織、地位や役職 トリストヴィー王国・亡命貴族。ピアチェンツァ侯爵家血統。
・物語内での具体的な行動や成果 ランドルフ邸に通いシルクへの求愛を重ねる。バルドの血筋を非難して婚約破棄を迫る。シルクから冷徹に一喝されて野垂れ死にを覚悟するよう言われ退散する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 他力本願な態度により居場所を失う。
クヮルトゥーロ
亡命貴族の指導者を務めた。
・所属組織、地位や役職 トリストヴィー王国・亡命伯爵。
・物語内での具体的な行動や成果 バルドの強い殺気に怯えて館に引きこもり続ける。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 勢力を失って影が薄くなる。
ガルトレイク王国・猫耳族
サツキカゲツ(サツキ / ガルトレイクの巫女姫)
ガルトレイクの巫女姫を務める。
・所属組織、地位や役職 ガルトレイク王国・氏族カゲツの巫女姫。猫耳族と人間のハーフ。
・物語内での具体的な行動や成果 先陣を切って跳ね橋から飛び出し公国軍を叩き斬る。チェーザレを追撃する最中に聖遺物を受けて硬直する。バルドの手で救出されて胸にすがりつく。傷の療養中にバルドへの好意を深く自覚する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 四人の王門持ちの一人として成長を誓う。
サクヤカゲツ(サクヤ)
サツキの母親を務める。
・所属組織、地位や役職 ガルトレイク王国・獣神殿巫女頭。猫耳族。
・物語内での具体的な行動や成果 作中で娘サツキから言及される。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 猫耳族の巫女頭として君臨する。
ノルトランド帝国・ビョルク家・マンネルハイム家
ジーナ(ジーナ・ビョルク / ヘルシングの雷鳴)
獣神殿の司祭長を務める。
・所属組織、地位や役職 エレブルー獣神殿・司祭長(80代)。
・物語内での具体的な行動や成果 マルベリー出撃で敵兵を倒し続ける。聖遺物の脱力感から黒幕が軍師ペリシテであると見抜く。ハリルの森でヴァレリーと再会しヴィクトールの手紙の言葉を伝える。ミハイルが天然の王門持ちであるとバルドに警告する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 四人の王門持ちの一人として真相を追求する。
イズン
アウグストの母親を務める。
・所属組織、地位や役職 マンネルハイム家・出身。ガリバルディ家・当主夫人。
・物語内での具体的な行動や成果 逃げ腰のアウグストを強引に連れ出してハリルの森へ赴く。夫ヴァレリーの死の覚悟を受け止めて添い遂げることを誓う。アウグストへ独り立ちを促して去る。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 武の名門の娘として夫と運命を共にする。
ギッツェ・マンネルハイム
ノルトランドの騎兵総監を務める。
・所属組織、地位や役職 ノルトランド帝国・騎兵総監。マンネルハイム家・当主。伯爵。
・物語内での具体的な行動や成果 イズンやアウグストの親族として言及される。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 軍の要として精鋭を率いる。
アンジェリカ・マンネルハイム
ギッツェの娘を務める。
・所属組織、地位や役職 マンネルハイム家・令嬢。帝国騎士。
・物語内での具体的な行動や成果 アウグストの婚約者として言及される。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 アウグストとの結婚が進められる。
エウロパ教団・特別矯正部
マーテル・ブラインド(マーテル司教)
特別矯正部の情報員を務める。
・所属組織、地位や役職 エウロパ教団・特別矯正部司教。
・物語内での具体的な行動や成果 関所でコンティネッリに妨害されるがヴァレリーに救われる。シエーナでダニーロと合流して聖遺物を起動する。バルドのオーバーブーストと爆弾に驚愕して撤退する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 聖遺物を携えて王門の封印を図る。
ダンテ
教団の大司教を務める。
・所属組織、地位や役職 エウロパ教団・トリストヴィー大司教。
・物語内での具体的な行動や成果 ダニーロの上司として言及される。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 公国内の教団組織を統括する。
ダニーロ
特別矯正部の副隊長を務める。
・所属組織、地位や役職 エウロパ教団・特別矯正部実働部隊副隊長。司教。
・物語内での具体的な行動や成果 マーテルとともに丘の上で聖遺物を起動する。王門を超えたバルドの力に驚愕して撤退を指示する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 暗殺部隊の現場責任者として動く。
ドワイト・アイゼン(傀儡師ドワイト)
暗殺者の頭目を務めた。
・所属組織、地位や役職 エウロパ教団・特別矯正部暗殺者(故人)。
・物語内での具体的な行動や成果 孤児たちを引き連れてアントリムへ潜入する。ニクラウスを威圧して城の警備情報を出させる。自爆テロでガウェイン城を混乱させ天守へ侵入する。テュロスの仕掛けた罠や幻像に翻弄される。気球で退避するテュロスを見上げて足元の火薬爆発により爆死する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 洗脳した子供を使う冷酷な狂信者として散る。
ニクラウス
アマデウス商会の会頭を務める。
・所属組織、地位や役職 アマデウス商会・会頭。教団元騎士。
・物語内での具体的な行動や成果 商売の面白さに目覚めて肥満体型へ変化する。ドワイトから殺気で脅されて城の警備情報を差し出す。城襲撃の夜に逃亡を図る。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 教団の出先機関を取り仕切る。
マジョルカ王国・サンファン王国
ウラカ・デ・パルマ(漆黒の暴風)
マジョルカ王国の海軍卿を務める。
・所属組織、地位や役職 マジョルカ王国・海軍卿。女伯爵。
・物語内での具体的な行動や成果 ギガンテ一番艦を抑えるべくギルド艦隊へ協力を言明する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 南洋の制海権を保持してバルドを支える。
アンサラー王国
ミハイル・カラシニコフ(死神ミハイル / アルハンゲリスクの千人斬り)
アンサラー王国の右将軍を務める。
・所属組織、地位や役職 アンサラー王国・右将軍。
・物語内での具体的な行動や成果 二万の兵を率いてトリストヴィー出征の命を受ける。副官1人のみで敵地マルベリーへ単身乗り込む。バルドと対談して一騎打ちの手合わせを要望する。演習場で左内と死闘を繰り広げて相打ち寸前で引き分ける。戦場での再会を約束して帰還する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 不完全ながら王門を開く天然の強者として君臨する。
ダウディング商会・サバラン商会
トーマス・フィリップス
ダウディング商会の副会頭を務める。
・所属組織、地位や役職 ダウディング商会・副会頭。
・物語内での具体的な行動や成果 セリーナとレイチェルを出迎えてダイヤモンドの輝きに驚く。サバラン商会との吸収合併と情報網提供の提案を受け入れる。大陸制覇を目指してセリーナと固い商談を結ぶ。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 実質的なトップとして商会を牽引する。
シーラス
トーマスの秘書を務める。
・所属組織、地位や役職 ダウディング商会・秘書。
・物語内での具体的な行動や成果 トーマスと交際を開始する。セリーナへ鼻息荒く迫るトーマスを弾き飛ばしてお仕置きする。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 トーマスの恋人兼秘書として立ち回る。
ロロナ
サバラン商会の番頭を務める。
・所属組織、地位や役職 サバラン商会・番頭。
・物語内での具体的な行動や成果 作中でセリーナから頼もしいナンバー2として評価される。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 実務を取り仕切る。
傭兵
ドニーチオ
傭兵団の頭目を務めた。
・所属組織、地位や役職 ジュスティニアーニ傘下傭兵隊長(故人)。
・物語内での具体的な行動や成果 公国軍の敗走を見て功名心から勝手に城門を飛び出す。公国軍の反転突撃を受けて騎槍に貫かれて即死する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 功名心から暴走して自滅する。
ドカティ
傭兵隊長を務める。
・所属組織、地位や役職 傭兵隊長。
・物語内での具体的な行動や成果 ドニーチオの暴走につられて城門を出撃する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 傭兵部隊を率いて参戦する。
フォルゴーレ
傭兵隊長を務める。
・所属組織、地位や役職 傭兵隊長。
・物語内での具体的な行動や成果 ドニーチオらとともに公国軍へ追撃を試みる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 手柄を狙って追撃に加わる。
地球の人物・前世・歴史的言及人物
岡左内定俊(岡越後守定俊)
主人公の前々世である戦国武将を務める。
・所属組織、地位や役職 会津上杉家家臣・戦国武将(故人)。
・物語内での具体的な行動や成果 バルドの内でミハイルの登場を傾奇者として歓喜する。演習場でバルドの身体を使い手合わせに臨む。秘剣「弦巻」や体崩しを駆使してミハイルの左肩を粉砕する。後襟を取って締め技に入る。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 バルドの圧倒的な武芸の源泉として躍動する。
岡雅晴
主人公の前世である高校生を務める。
・所属組織、地位や役職 現代日本の高校生(故人)。
・物語内での具体的な行動や成果 傾奇者の死生観をバルドへ説明する。パイプ爆弾の知識の着想源となる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 現代の知識と感覚をバルドに共有する。
ウンベルト一世
トリストヴィーの先代国王を務めた。
・所属組織、地位や役職 トリストヴィー王国・国王(故人)。
・物語内での具体的な行動や成果 作中で過去の親平民的な施策について回想される。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 歴史的国王として言及される。
ヴィクトール・パザロフ
マゴットの祖父を務めた。
・所属組織、地位や役職 パザロフ伯爵家・当主(故人)。
・物語内での具体的な行動や成果 ヴァレリー宛てに「生きて幸せになれ」との遺書を遺す。ジーナを通じてその言葉がヴァレリーへ届けられる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 ヴァレリーの人生の原点として描かれる。
ダリア・パザロフ
マゴットの母親を務めた。
・所属組織、地位や役職 トリストヴィー王国・元側室(故人)。
・物語内での具体的な行動や成果 ヴィクトールの娘としてジーナから言及される。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 血脈の歴史の中で語られる。
ブロッカス(獣王ブロッカス)
古代の獣王を務めた。
・所属組織、地位や役職 古代獣人王国・建国者(故人)。
・物語内での具体的な行動や成果 軍師ペリシテと教団の聖遺物により王門を封じられて暗殺される。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 古代史の重要人物として真相が明かされる。
ペリシテ(軍師ペリシテ)
獣王の異父弟を務めた。
・所属組織、地位や役職 古代獣人王国・軍師(故人)。
・物語内での具体的な行動や成果 教団の聖遺物を用いて獣王ブロッカスを刺殺する。両種族の不和を煽り立てて王国を崩壊へ導く。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 古代の陰謀の実行者として特定される。
前田慶次郎利益
日本の戦国武将を務めた。
・所属組織、地位や役職 戦国武将(故人)。
・物語内での具体的な行動や成果 命をかけた遊びを楽しむ傾奇者として左内からミハイルに重重ねられる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 左内の回想の中に登場する。
伊達政宗
陸奥の戦国大名を務めた。
・所属組織、地位や役職 伊達家当主(故人)。
・物語内での具体的な行動や成果 戦場で目立たぬよう質素な甲冑を着用していた例として出される。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 歴史的武将として引かれる。
朝倉宗滴
越前の戦国武将を務めた。
・所属組織、地位や役職 朝倉家軍師(故人)。
・物語内での具体的な行動や成果 「武士は勝つことが本にて候」の言葉の主として言及される。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 戦人の理念の例として引かれる。
本庄繁長
上杉家の武将を務めた。
・所属組織、地位や役職 上杉家家臣(故人)。
・物語内での具体的な行動や成果 福島方面で左内とともに伊達軍と戦う。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 左内の戦国時代の同僚として言及される。
直江兼続
上杉家の家宰を務めた。
・所属組織、地位や役職 上杉家家老(故人)。
・物語内での具体的な行動や成果 前田慶次郎と莫逆の友として山形へ遠征する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 歴史的言及として出される。
前田利家
加賀百万石の祖を務めた。
・所属組織、地位や役職 前田家当主(故人)。
・物語内での具体的な行動や成果 慶次郎の仕えた主君として名が挙げられる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 慶次郎の逸話の中で触れられる。
車丹波
戦国武将を務めた。
・所属組織、地位や役職 戦国武士(故人)。
・物語内での具体的な行動や成果 戦好きの傾奇者として左内から思い出される。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 左内の回想の人物として出る。
北爪大学
戦国武将を務めた。
・所属組織、地位や役職 戦国武士(故人)。
・物語内での具体的な行動や成果 左内とともに命懸けの腕比べを楽しんだ仲間として出される。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 左内の回想の中で言及される。
集団
アントリム辺境伯軍(アントリム軍精鋭部隊)
バルドが率いる軍勢を務める。
・所属組織、地位や役職 アントリム辺境伯正規軍。
・物語内での具体的な行動や成果 ラミリーズの厳格な統率のもとで公国軍前衛を完膚なきまでに破る。マルベリーに凱旋して熱狂的な歓迎を受ける。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 少数精鋭の無敵の部隊として大陸に轟く。
トリストヴィー公国軍(公国遠征軍 / 前衛部隊)
チェーザレらが率いた公国軍を務める。
・所属組織、地位や役職 トリストヴィー公国陸軍。
・物語内での具体的な行動や成果 マルベリー郊外に五万の大軍を展開する。急襲を受けてチェーザレの逃亡とともに大混乱に陥る。敗走の最中にオルテンの指揮で追撃の傭兵を壊滅させる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 チェーザレの死と惨敗により撤退を余儀なくされる。
トリストヴィー公国海軍(第一艦隊)
フェデリーゴが率いる海軍を務める。
・所属組織、地位や役職 トリストヴィー公国正規海軍。
・物語内での具体的な行動や成果 南方にギガンテ一番艦を配置して警戒にあたる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 ギルド艦隊との決戦を控える。
トリストヴィー海運ギルド(元老会 / 七元老)
マルベリーの最高意思決定機関を務める。
・所属組織、地位や役職 マルベリー自治商業統合組織。
・物語内での具体的な行動や成果 ピアージョの刺殺により哀しみに包まれる。アウグストを第二十四代議長に擁立する。バルドのもとでの王国再興へ全力を尽くす。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 公国との和平を完全に破棄して対決姿勢を固める。
ギルド艦隊(海運ギルド艦隊)
バルバリーノやランベルドが率いる艦隊を務める。
・所属組織、地位や役職 海運ギルド専属海軍。
・物語内での具体的な行動や成果 ギガンテ二番艦を受領して制海権の完全確保を目指す。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 高い錬度で南洋の海を守る。
ガストーネ私有艦隊
ガストーネが率いた武装船団を務めた。
・所属組織、地位や役職 ガストーネ個人所有艦隊(故人集団)。
・物語内での具体的な行動や成果 旗艦撃沈後に残存船が白旗を揚げて降伏する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 解体されてギルドへ接収される。
ガリバルディ商会
アウグストが率いる大手商会を務める。
・所属組織、地位や役職 海運ギルド第三位の大型商会。
・物語内での具体的な行動や成果 アウグストの会頭就任とともにギルドの中核として君臨する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 新議長アウグストの基盤となる。
サバラン商会
セリーナが率いる商会を務める。
・所属組織、地位や役職 マウリシア王国の新興商会。
・物語内での具体的な行動や成果 レイチェルを顧問に迎えて社交界の妨害を退ける。ダウディング商会へ吸収合併される。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 バルドの軍事同盟の足がかりとなる。
ダウディング商会
トーマスが副会頭を務める最大手商会を務める。
・所属組織、地位や役職 マウリシア王国最大最強の総合商会。
・物語内での具体的な行動や成果 サバラン商会を吸収合併する。バルドの高速通信網を得て相場支配を開始する。穀物買い占めや塩相場暴騰の経済戦を展開する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 大陸全土の経済制覇へ向けて動き出す。
アマデウス商会
ニクラウスが会頭を務めた商会を務める。
・所属組織、地位や役職 エウロパ教団出先機関商会。
・物語内での具体的な行動や成果 ドワイトら暗殺部隊の潜伏拠点とされる。城襲撃の夜にニクラウスが逃亡を図る。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 教団の密命拠点として使われる。
エウロパ教団(特別矯正部 / 実働部隊 / 諜報部)
マーテルやダニーロが属する宗教組織を務める。
・所属組織、地位や役職 全大陸級宗教勢力・暗部組織。
・物語内での具体的な行動や成果 聖遺物を投入して王門の封印を敢行する。失敗を受けてバルドらの未知の力に戦慄し離脱する。上層部へ危険性の報告に向かう。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 バルド血統全員の抹殺方針を強める。
傀儡(ドワイトの使徒・孤児部隊)
ドワイトが率いた洗脳少年部隊を務めた。
・所属組織、地位や役職 ドワイト専属暗殺部隊(故人集団)。
・物語内での具体的な行動や成果 門衛を偽装刺殺してガウェイン城へ潜入する。体に巻いた火薬で自爆テロを起こして城内を大混乱に陥れる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 狂信者として全員が自爆・戦死する。
マジョルカ王国海軍
ウラカが率いる精鋭海軍を務める。
・所属組織、地位や役職 マジョルカ王国正規海軍。
・物語内での具体的な行動や成果 ギガンテ二番艦を動かしてマルベリーへ上陸する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 バルドの強い海上支援勢力として稼働する。
サンファン・マジョルカ連合艦隊
南洋の二カ国連合海軍を務める。
・所属組織、地位や役職 海洋同盟軍。
・物語内での具体的な行動や成果 マルベリー周辺の制海権を固めて公国海軍を圧倒する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 南洋の海上交通路を完全に支配する。
トリストヴィー亡命貴族集団
ゴドフリートやクヮルトゥーロが属する勢力を務める。
・所属組織、地位や役職 マウリシア王国内亡命貴族層。
・物語内での具体的な行動や成果 自ら戦おうとせず特権と再興を夢見る。シルクから冷酷に切り捨てられて野垂れ死にの危機に瀕する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 主導権を完全に失う。
アンサラー王国軍(ネドラス王国派遣軍)
ミハイルが率いる二万の遠征軍を務める。
・所属組織、地位や役職 アンサラー王国正規陸軍。
・物語内での具体的な行動や成果 ネドラスのゲリラ戦で疲弊しつつトリストヴィーへ転進する。ミハイルの単騎先行により困惑する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 バルドたちの最大の脅威として戦場へ迫る。
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展開まとめ
第四章 銀の翼に恋をする・前編
帰還
クララの予見と暗殺計画
クララ・ダンドールは、エレーナとアリアの帰国が決まった報告を受け、王太子エルヴァンが女王を目指すエレーナに廃嫡される未来を危惧した。エルヴァンは子爵令嬢アーリシア・メルシスに傾倒して大規模ダンジョンへと潜り、多くの失態を重ねていた。クララはエルヴァンを守るため、自らに恩義を抱く元暗殺者の侍女ヒルダ、ビビ、ドリス、ハイジに対し、あらゆる手段を用いてアーリシアを排除するよう命じた。
王女一行の出航と新たな戦力
エレーナへの危害を企てた商人をアリアが暗殺したことで、カルファーン帝国の出航見送りは簡略化された。エレーナは情勢の悪化を避けて予定通り出航させ、船内ではアリアが新たな虚実魔法の検証や仲間との訓練に励んだ。山ドワーフの重戦士ジェーシャが虹色の剣に加入し、一行は一か月の航海を経てクレイデール王国へ帰還した。
それぞれの報酬
国王への謁見と王女の庇護
王城にて国王に謁見したエレーナは、アリアを友人として自由な立場で側に置く許可を取り付け、他貴族からの介入を遮断した。宰相ベルト・ファ・メルローズはアリアが亡き娘の面影を持つことに気づき、認識阻害の魔導具を与えて王女の囮としての排除許可を下した。虹色の剣には闇竜討伐の報酬として莫大な金銭と爵位が授与された。
大規模ダンジョンの攻略と加護
エルヴァンと王弟アモル、ナサニタルは、聖教会の支援と多数の犠牲を払い大規模ダンジョンの最下層を攻略した。その場にいたアーリシアは他者の好感度を上げる加護である魅惑を獲得し、エルヴァンはかつて早世した叔父と同じ加護を精霊から授けられた。
心の癒し
王太子の迷走と側近の離反
王女宮で執務に追われるエレーナは、婚約者であるエルヴァンの不誠実さに心を病むクララと再会した。クララは新たに雇った護衛侍女を伴っており、エレーナに強い覚悟を示した。一方、アリアはゲルフの店でジェーシャの防具新調と自身の装備の補強を依頼した。
魔女カルラの威圧とアリアの帰還
王宮に現れたカルラは、エルヴァンの現状を冷笑し、クララやエレーナを圧倒的な魔力と威圧で脅かした。クララが屈することなく立ち向かい、エレーナが場を収めようとした瞬間、窓からアリアが駆けつけた。カルラはアリアの成長を愉しみ、再戦を期して立ち去った。
魅惑の少女
冒険者ギルドでの邂逅と騎士の苦悩
アリアはセオを伴って冒険者ギルドを訪れ、黒い魔鉄製のランク5認識票を受け取った。その場でトラブルを起こしていたロークウェル・ダンドールと再会し、彼から強者と戦う心構えを乞われた。ロークウェルはエレーナを守る力を欲していたが、ダンドール家からはエレーナとの婚姻を打診されていた。
暗殺任務の破綻とビビの変心
クララの予見に基づき、ビビとドリスは宿場町でアーリシアの暗殺を試みた。しかし天井裏で対峙したアーリシアの加護と巧みな言葉に絆されたビビは、暗殺を放棄して彼女に心酔し、そのまま姿を消した。
少年たちと一年次の終わり
側近たちの決断と学園の卒業式
アリアはミハイル・メルローズから卒業パーティーのパートナーへの申し込みを受けたが、それを機にエレーナの側近へ引き入れた。卒業パーティーにてエレーナはミハイルとロークウェルを従えて主として入場し、王太子を超える政治力を貴族たちに誇示した。アリアもエレーナの囮として敵を排除する決意を固めた。
蠱惑の聖女
聖女リシアの台頭と不穏な影
ファンドーラ法国から訪れた司祭ハイラムは、アーリシアの魅力に絆されて彼女を正式に聖女として認めた。アーリシアは加護を用いて信徒を増やし、ナサニタルを籠絡して自らの手駒とした。ナサニタルは精霊から授かった闇の力を用いて三つの影を使役し、アリアやカルラへの復讐を目論んだ。
年始の顔見せにおいてエレーナがエルヴァンとの格の違いを民や貴族に知らしめる中、アリアは王城内で不穏な動きを見せていた第二王妃配下の工作員たちを捕捉した。エレーナに危害を加えて王太子を陥れようとする彼らの企みを察知したアリアは、城内で血を流さぬよう素手とペンデュラムを用いてその全員を迅速に排除した。
学園の森と悪魔の出現
二年生となった魔術学園にて、用務員に扮したヴィーロや新入生のジェーシャと共に警戒にあたっていたアリアは、学園周辺の森で異変を察知した。森の奥で不死化したオークを討伐したアリアは、その背後にいた猿の骸骨のような姿をした悪魔と交戦し、退けた。
悪魔の影
死霊の誘いと学園の情勢
アーリシアに魅入られたビビは、北辺境地区支部の礼拝堂跡を訪れ、かつて慕っていた暗殺者キーラと再会した。一方、学園に悪魔が現れた報告を受けたエレーナたちは、王家の威信失墜を防ぐため公表を控える国王の判断を受け入れ、アリアが単独で王都周辺の不穏な地域を調査することになった。
王太子妃宮の襲撃とカルラの猛威
王太子妃宮に滞在していたクララのもとへ、悪魔に取り憑かれたビビが襲来した。女性騎士たちが犠牲になる中、クララは予見を駆使して中庭へ脱出した。そこへ空間転移で現れたカルラが介入し、悪魔を猛火で圧倒した。
血族の確執と悪魔の撃退
駆けつけたレスター伯爵が悪魔に攻撃を躊躇した隙に、カルラは父を巻き込んで炎と稲妻を放ち、伯爵の腕を吹き飛ばした。カルラは失われた古代の超高等雷魔術を行使して悪魔を撃退し、傷を負った悪魔は王都の暗闇へと逃走した。
悪魔の住む町1
逃亡する冒険者とアリアの介入
王都北西の不穏な地を調査に向かったアリアは、ネロと共に森を駆ける途中で、オークゾンビに追われていた冒険者パーティー黄金の矢のコレットとキャラを救出した。彼女たちの拠点であるルドの町へ向かったアリアは、墓地に微かな瘴気が残されていることを確認した。
リーダーの狂気と約束の言葉
調査の引き継ぎを終えてギルドを出たアリアに対し、後を追ってきた黄金の矢のリーダーであるジャンが突如として斬りかかってきた。ジャンは自身の意思ではないと叫びながら攻撃を繰り返し、アリアの体術によって取り押さえられた。
貌のない夜1
仕組まれた夜会と偽りの王太子
王都では王弟アモルが神殿再建の名目で夜会を繰り返し、聖女リシアの名声を高めていた。カルラはサンドーラ伯爵令嬢の招待を受けて夜会へ乗り込み、神殿騎士たちに囲まれた。そこへ現れたエルヴァンがカルラを悪魔の手先として断罪しようとした瞬間、カルラは迷わず炎の槍を撃ち放った。
悪魔の住む町2
夢魔の呪縛と町の惨劇
宿泊先でコレットから事情を聞いたアリアは、町の人々が誰かと約束を交わす夢を見ていることを知った。そこへ全身から血を流したジャンが現れ、自らが夢で悪魔に魂を差し出したことに気づいて絶叫しながら不死者化し、暴れ始めた。
広がる感染と冷徹な決断
町中で夢を見た住民たちが次々と不死者となって生きている者を襲い始めた。アリアはジャンを討ち倒し、救いを求めて襲いかかってきたキャラの首を躊躇なく切り飛ばして、町を悪夢から救うための殲滅を開始した。
貌のない夜2
無貌の悪魔の正体と大破壊
カルラを攻撃していたエルヴァンは、姿を模倣して人心を操る上級悪魔ドッペルゲンガーであった。カルラは欺かれていた騎士や貴族たちを巻き込みながら悪魔と王都の空で激戦を繰り広げ、悪魔の擬態を剥ぎ取ってその正体を衆目に晒した。
聖女の罠と王太子の苦悩
弱体化して逃亡した悪魔は、建築中の神殿前で待ち構えていたアモル、第二騎士団、エルヴァン、そして聖女リシアによって討伐された。リシアは悪魔討伐の手柄をエルヴァンに与えて英雄に仕立て上げ、エルヴァンは自らが望まぬ道へと引きずり込まれていく現実に苦悩した。
悪魔の住む町3
ジャンの後悔と契約の真実
平凡な才能に苦悩していたジャンは、コレットへの嫉妬心から夢に現れた白い女に魂を売り渡していた。町の住民たちも王都へ旅立つ者への嫉妬から悪魔と契約し、町から誰も逃がさないという呪縛に囚われていた。
悪魔の住む町4
骨巨人の悪魔との死闘
アリアは不死者の群れを突破して礼拝堂へと向かい、オストール法衣男爵の皮を被っていた骨の悪魔と対峙した。悪魔は大量の骨を結合させて巨大な骨の巨人を形成し、アリアを圧倒しようとした。
銀の光と悪魔の消滅
押し寄せる不死者の群れと巨人を前に、アリアは魔力回復薬を服用して虚実魔法を限界以上に引き上げ、純粋な怒りを銀の光へと昇華させた。八連撃の戦技で悪魔の球体を斬り裂き、ネロの追撃に合わせて刃を突き立てて消滅させた。悪魔が滅びたことで町の不死者たちも灰となって崩れ去った。
交差する思惑
王都の情勢とアリアの決意
地方から帰還したアリアは、エレーナたちと合流して王都での出来事と聖女の台頭を共有した。王太子の名声回復により情勢が緊迫する中、エレーナはエルヴァンの卒業までに聖女排除の正当な理由を揃える方針を固めた。エレーナがエルヴァンやクララとの直接会談を期する一方、アリアは聖教会の内情をその目で確かめる役目を引き受けた。
王国に淀む闇
王族の会談と告白
エレーナは王女宮でエルヴァンとクララを交えて会談を行い、エルヴァンの真意を問い詰めた。エルヴァンは自身の加護が完全鑑定であり、リシアの加護や周囲との実力差に怯えて彼女の甘やかしから逃れられないことを告白した。クララはエルヴァンが破滅に向かおうとも共に寄り添う覚悟を告げた。
偽りの聖女との邂逅
神殿を訪れたアリアは、再建された神殿で信徒に崇められる聖女リシアと対面した。アリアはリシアが放つ魅惑の加護を拒絶し、突如現れた三体の下級悪魔を一瞬で討ち滅ぼした。リシアを本物と崇める信徒と神殿騎士の異様さを確認したアリアは、裏路地で襲いかかってきた神殿騎士たちを返り討ちにした。
アリアの出奔と二人の約束
聖女の背後にいる悪魔の脅威を排除するため、アリアは自らが死亡したという偽の情報をエレーナに送り、単独で敵の包囲網を切り崩すべく闇へと潜伏した。アリアは王都の外周地区で不穏な動きを見せる外国の間諜拠点を次々と壊滅させ、その動きを察知したカルラもまた決戦に向けた準備を進めた。夜更けの温室でエレーナと密かに再会したアリアは認識阻害の魔導具を返却し、エレーナと互いに背を向けてそれぞれの戦場へと歩み出した。
乙女ゲームに憧れて
前世の記憶と暴走する情念
農村で前世の記憶を取り戻した少女は、傾倒していた乙女ゲームの世界に転生したと確信し、物語に関わるため家出してセレジュラの庵へ押しかけて弟子となった。しかし魔力の低さから教師になる道を閉ざされ、やがて自らの魂を込めた魔石を作り出してヒロインに成り代わろうと画策した。魔物の暴走に乗じて幼少期のアリアを襲った彼女は返り討ちに遭って死亡し、遺された魔石は孤児院にいたリシアの手に渡っていた。
船上の戦い
船内の賭け事と王女の圧勝
カルファーン帝国からの帰路の船内にて、退屈をもてあましたセラ、ヴィーロ、ミランダ、ドルトン、ヨセフ、フェルドがカードゲームで賭け事に興じていた。そこへ現れたエレーナが勝負に加わり、砂漠で学んだいかさまを用いて大人たちから大金を巻き上げて一人勝ちを収めた。
電子版特典 百年の冒険5 『変異』
サマンサの老化とドーン家の騒動
数十年が経過したある日、不老のように見えていたサマンサが突然年相応の老婆の姿へと変化し、ゲルフとミランダを驚愕させた。ドルトンの屋敷では、ヴィーニャとレオンハルトのドーン夫妻が強さを求めて暴れ回り、やがて彼らの息子であるヴィーロが両親の行方を求めて姿を現した。
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