小説「声優ラジオのウラオモテ #13 夕陽とやすみは道を選びたい?」感想・ネタバレ

小説「声優ラジオのウラオモテ #13 夕陽とやすみは道を選びたい?」感想・ネタバレ

物語の概要

本作はライトノベル(青春・声優業界もの)である。主人公・歌種やすみ(ゆすみ)は“主役”に強いこだわりを持つ声優志望者であるが、配役は相変わらず悪役ばかり。ある日、顔も人気も群を抜く後輩声優・綿菓子モコと共演することになり、その実力が本当にものか気になる由美子。そして、モコのマネージャー・南雲から“移籍”の誘いが舞い込む。夢を追う者たちの葛藤と成長を描く青春ストーリー第13弾である。

主要キャラクター

  • 歌種やすみ(うたね やすみ):主人公。演技力には自信があるが、主役に恵まれず悪役のオファーばかり受けている。
  • 綿菓子モコ:新人アイドル声優。実力以上にルックスや事務所の力で売れているとの噂があり、やすみに刺激を与える存在。
  • 南雲(なぐも):モコのマネージャー。やすみに移籍の誘いをかけ、キャリアの分岐点となる存在。

物語の特徴

本作の魅力は、声優という舞台裏をリアルかつ瑞々しく描いている点である。他の声優ものと一線を画すのは、演技力 vs 事務所プッシュといった“実力主義と現実の業界力学”の対立を軸に据えているところである。また、やすみとモコのライバル関係や、移籍の是非といった選択の重みが読者に強く響く。青春群像劇としての感情描写の丁寧さも本作の大きな魅力である。

書籍情報

声優ラジオのウラオモテ #13 夕陽とやすみは道を選びたい?
著者:二月 公 氏
イラスト:さばみぞれ 氏
出版社:KADOKAWA電撃文庫
発売日:2025年7月10日
アニメ化済み:本シリーズは2024年4月から6月にアニメ化されている(全12話制作:CONNECT)

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あらすじ・内容

主役への道は演技力だけじゃない!? 次代を担う新星声優も登場の13巻!
「新しい時代の桜並木さんが現れた、って言えば伝わるかな」
 『主役』への拘りが強くなったものの、もらえるのは悪役のオファーばかり。悩む由美子が次に共演するのは、千佳すらも唸るほど顔が可愛い、後輩アイドル声優の綿菓子モコで――。
「わたし、キャストは純粋な実力で決まるとは思ってないですよ」
 新人なのに主役の経験を持つ彼女。ただ、売れているのは演技がすごいからじゃなくて、事務所のプッシュのおかげらしくて?
 そんな時に声をかけてきたのは、モコのマネージャーの南雲だった。
「歌種やすみさん。カラメル・プロモーションに移籍しませんか?」
 夢を追うからこそ悩み迷う、青春声優ストーリー・第13弾!

声優ラジオのウラオモテ #13 夕陽とやすみは道を選びたい?

感想

今巻では、歌種やすみ(由美子)が声優としてさらにステップアップしていく中で、新たな刺激を受ける様子が描かれていた。
後輩声優の綿菓子モコは、その可愛らしい容姿と事務所の力で主役の座を掴み、やすみの前に現れる。
悪役を演じることが多くなったやすみにとって、モコの存在は嫉妬の対象になりかねない。
しかし、これまでの経験を通して培われた余裕からか、やすみは意外にも冷静にモコと向き合っていたのが印象的だった。
もし役がない頃だったら、きっと違った感情を抱いていたかもしれない。
モコの方も、やすみの実力と存在感をしっかりと認識しているようでら彼女に懐いていた。
やすみが憑依型声優としての安定感を増している点も、彼女の成長を感じた。

与えられた肩書きを打ち破るような演技を重ね、やすみが自らの道をどのように切り開いていくのか、今後の展開が非常に楽しみである。

また、乙女の天然カリスマ性には圧倒された。
やすみがこのレベルを超えていかなければならないのか、と少しばかり心配にもなったほどだ。
新キャラクターの綿菓子モコに加え、南雲という人物も登場し、物語はさらに複雑さを増していく。
それぞれが良い意味で毒を持っており、今後の展開に期待が膨らむ。
特に、カラメル・プロモーションとの関係がどうなっていくのか、目が離せない。
個人的には、めくるの推し声優に迫られて、母への手紙を脳裏で書いてるのが面白かった。(表紙?)
サインを公私混同だと自覚しながらもキャンペーンに応募する姿には、思わず笑みがこぼれた。
全体を通して、悩みや葛藤、そして盛り上がりといった要素がバランス良く描かれており、非常に楽しく読むことができた。
ラジオの場面では、いつものようにほんわかとした雰囲気に癒された。
次巻が待ち遠しい、そんな気持ちにさせてくれる一冊だった。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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展開まとめ

夕陽へのアーティストデビュー提案

ブルークラウンの会議室で、声優・夕暮夕陽とマネージャーの成瀬珠黒が向かい合った。成瀬は声優活動四年目を迎える夕陽にソロ歌手としてのアーティストデビューを勧め、演技以外の分野でも才能を示すべき段階に来たと主張したである。

桜並木乙女を超えるための戦略

成瀬は夕陽に、同世代のトップ声優・桜並木乙女を超える目標を提示し、声優業界では圧倒的スターの誕生が世代交代を促すと説明した。夕陽の歌唱力を武器に次の時代を牽引する存在になるよう説得し、夕陽も最終的に提案を受け入れたである。

綿菓子モコ登場の脅威

成瀬は新時代を担う逸材として、カラメル・プロモーション所属の新人声優・綿菓子モコの台頭を警戒すべきだと告げた。彼女は事務所の強力な後押しを受け、来年には桜並木乙女に匹敵する勢いで業界を揺るがすと予測されたである。

やすみへの悪役オファーと複雑な感情

数か月後、チョコブラウニーの会議室で声優・歌種やすみはマネージャーの加賀崎りんごから三件の悪役ゲストオファーを受け取った。やすみは飛躍の手応えを感じつつ、主役未経験のまま新人のモコが主演を務める事実に複雑な思いを抱いたである。

モコへの焦りと前向きな決意

やすみはかつて自身が落選した役を新人のモコが射止めた過去を思い出し動揺したが、最終的に主役獲得と人気作『プリティア』出演を目標にさらなる努力を誓った。一方で加賀崎はモコの急成長を脅威と認めつつ、やすみの前向きな姿勢を後押ししたである。

コーコーセーラジオー 第116回

番組リニューアルと視聴者への周知

第116回の「コーコーセーラジオー」において、夕暮夕陽と歌種やすみは、番組の放送曜日と時間が四月から変更され、動画番組へとリニューアルされたことを改めて報告した。この変更により一部の視聴者が番組を見失っていることが判明し、ふたりはリスナーに対して周囲への周知を呼びかけた。また、番組の認知度向上を目的として、ふたりが他の番組にゲスト出演する旨も伝えられた。

夕陽のアーティストデビューと新曲初公開

番組内では、夕暮夕陽のアーティストデビューについてのメッセージが紹介され、彼女がテレビアニメ『妖精たちが歌う夜に』の主題歌を担当し、同作にはリーヤ役としても出演することが明らかにされた。そして本編では、同主題歌『羽を休める場所』が番組内で初めて公開され、ラジオ番組としては初の楽曲オンエアとなった。

ラジオ収録と制服姿の再現

動画付きラジオの収録がスタジオ内で行われ、佐藤由美子と渡辺千佳は制服姿で出演していた。これは過去のキャラクター性を再現する演出であり、卒業後もかつての姿を模している点に由美子自身が不思議さを覚えていた。

番組視聴率の低下に関する議論

構成作家・朝加美玲から、番組移行後に視聴率が下がったことが告げられた。由美子は動画付きとなった強化点を挙げて疑問を呈したが、朝加はラジオの習慣性がネックであり、時間や曜日変更による離脱があると説明した。また、新生活開始期の四月に移行した点も影響していると分析された。

人気後番組の存在とその影響

コーコーセーラジオの旧枠に入った後番組『綿菓子モコのふわふわトーク!』の人気が話題に上った。モコは容姿・雰囲気ともに極めて魅力的で、由美子も千佳もそのビジュアルに衝撃を受けた。旧来のリスナーが彼女に惹かれて新番組に流れてしまった可能性も指摘された。

千佳のやる気とプリティア関連の動機

千佳はゲスト巡りへの参加に積極的な姿勢を見せ、かつてのラジオ巡業を思い出していた。その背景には、プリティアシリーズの主役を逃した悔しさや、再挑戦への意志があった。由美子もまた、悪役として出演した経験から感謝と複雑な思いを抱いていた。

千佳への感謝と気まずさ

由美子は、過去に自分を立ち直らせてくれた千佳への感謝を伝えようと決意したが、恥ずかしさからなかなか言い出せずにいた。そんな最中、ふたりは偶然先輩声優・柚日咲めくるを発見し、急遽彼女にアドバイスを求めることにした。

柚日咲めくるとの再会と押しかけ

カフェでの遭遇後、由美子と千佳はめくるに無理やり接近し、彼女の番組へのゲスト出演とアドバイスを依頼した。めくるは戸惑いながらも了承し、協力を申し出た。過去の不祥事には未だに納得していなかったが、今回の番組移行に関しては不可抗力と理解していた。

めくるの動揺と本音の吐露

ふたりに密着されたことで動揺しためくるは、抵抗しきれず協力を申し出た。彼女はラジオに詳しく、助言を求められる存在であった。にもかかわらず、ふたりの声に対してイヤホンで防御していたことが明かされ、由美子と千佳に茶化される場面もあった。

アドバイスの導入と次回への布石

めくるは不本意ながらも助言に応じる姿勢を見せた。ふたりは番組の再浮上に向けて、めくるの知識と経験を頼りにすることを決めた。密着された動揺のなかでも、彼女はラジオの未来を真剣に考え、協力の姿勢を示していた。

夕陽センパイ結衣こうはい 第35回

初のゲスト登場と番組紹介

番組『夕陽センパイ結衣こうはい』第35回では、初のゲストとしてチョコブラウニー所属の歌種やすみが登場した。司会はブルークラウン所属の高橋結衣と夕暮夕陽であり、本番組は結衣が夕陽との親睦を深めることを目的とした内容である。やすみの登場は所属事務所が異なることから一瞬戸惑いもあったが、結衣は歓迎の姿勢を示していた。

芸歴をめぐる掛け合い

やすみと夕陽は旧知の間柄であり、かつてラジオ番組を共に担当していた関係から、トークは自然に弾んだ。やすみが芸歴5年目であることを主張する一方、夕陽は自身が劇団出身であり役者歴6年目であると応じ、互いに「後輩」呼ばわりしながら張り合った。このやり取りは軽妙な口論として場を和ませた。

結衣の感情と嫉妬の表出

二人の仲の良さが前面に出る中、高橋結衣は自分が「二番目の女」であるかのように感じ、複雑な感情を吐露した。これに対し夕陽は不快感を示し、話題の湿度の高さに言及した。また、やすみもやや冷ややかな反応を見せた。結衣の発言は番組の雰囲気を一時的に動揺させたが、全体としては親しい者同士による軽口として収束した。

夕陽センパイ結衣こうはいの収録と由美子の複雑な感情

収録ブースでは「夕陽センパイ結衣こうはい」の収録が行われ、ゲストとして由美子が招かれていた。ラジオ出演者の顔ぶれは「コーコーセーラジオ」と大きく変わらず、構成作家の朝加美玲も共通していた。収録後の談笑の中で、由美子は千佳のアーティストデビューに対して羨望と複雑な感情を抱いた。千佳はキャラ名義ではなく、自身の名義で「わたしの曲」と表現できることに由美子は強い嫉妬を覚えていた。

公開録音で目撃した綿菓子モコの魅力

収録後、スタジオ外で行われていた新番組「綿菓子モコのふわふわトーク!」の公開録音に由美子たちは偶然遭遇した。予想以上の観客の多さに一同は驚愕する。平日の夜にもかかわらず集まった大勢の人々は、ガラス越しのモコに目を奪われていた。わずかな隙間から見えたモコの微笑みに、由美子は衝撃を受け、その美貌と存在感の強さに圧倒された。

アフレコ現場での出会いとモコの存在感

数日後、由美子はモコが主演を務めるアニメのアフレコ現場で、本人と初めて直接出会った。モコは礼儀正しくも懐っこく、自然に場を和ませる座長の役割を担っていた。由美子は彼女の声の質、ビジュアル、現場での振る舞いに感心し、同時に自身のコンプレックスを意識させられた。コメディ要素のある悪役という新たな挑戦に臨んだ由美子は、演出からの修正指示を受けつつも、モコの指摘に素直に応じる姿勢を見せていた。

キャスティングの現実と由美子の葛藤

アフレコ後、由美子とモコはカフェで対話を交わした。モコは自らが主演や主題歌に起用されるのは事務所の方針によるものだと分析し、純粋な実力によるものではないと語った。その率直な認識に、由美子も過去の経験を思い返し、共感を抱いた。さらにモコは、役者の選出において容姿や稼働力などの要素が重視される現実を指摘し、自らの境遇を冷静に見つめていた。

尊敬と嫉妬、そして忠告

モコは由美子の過去のスキャンダルについても言及し、彼女がそれを乗り越えて評価を勝ち取っている点を尊敬していると述べた。由美子はそれに戸惑いつつも、後輩からのまっすぐな言葉に胸を打たれた。一方で、モコは夕暮夕陽に対する否定的な感情をあらわにし、その関係性に対して独自の見解を示した。由美子は彼女の誤解を正し、千佳との関係が互いに助け合うものだと説明した。

モコからの助言と由美子の覚醒

別れ際、モコは由美子に「主役をやりたいならスタンスを変えたほうがいい」と助言を与えた。由美子はその言葉を電車の中で反芻し、自身のキャリアと向き合った。悪役としての適性と評価は得ている一方で、主役の機会が減っている現実にも直面していた。役者として「主演を務めたい」という想いは確かにある。しかし、悪役を演じることがその道を阻むのではという不安もあった。彼女は改めて、自分にとっての「主役」とは何かを考え始めていた。

第307回
抽咲めくるのくるくるメリーブーランド

ゲスト出演と番宣目的の食い違い

柚日咲めくるが番組開始を宣言し、ゲストとして歌種やすみと夕幕夕陽を迎えた。二人は「コーコーセーラジオ」の番宣が目的と告げられていたが、本人たちは以前から出演を望んでいたと主張し、番宣とのスタンスが食い違ったままトークが始まったである。

段取り不一致による即興プロレス

ゲスト側とパーソナリティ側で段取りが共有されておらず、互いに所属事務所の方針や準備不足を指摘し合った。特に夕幕は所属事務所が放任していると冗談交じりに語り、柚日咲がツッコミを入れる形で即興の掛け合いが展開されたである。

共演機会の多さと思い出話

三人は「ティアラ★スターズ」のイベントなど現場で顔を合わせる機会が多かった経緯に触れ、以前行われた番組イベントを回想した。そこで開催された“卒業式”企画について、準備不足で進行が混乱した経験を共有しながら笑い合ったである。

過去イベントへの相互批判

回想の流れで、柚日咲がゲストイベントの段取り不備を例に挙げたところ、夕幕と歌種は逆に当時の進行の不手際を指摘し返し、互いに責任を押し付けるような形で軽妙な応酬が続いたである。

トークのまとめと課題の浮き彫り

番組冒頭のトークは終始にぎやかだったが、番宣とフリートークの目的が曖昧なまま進んだことで、ラジオ運営側とゲスト側の連携不足という課題が浮き彫りとなったである。

養成所時代の回想と現在の関係

かつて声優の養成所に進みたいと願い、両親に反対された過去をめくるは回想していた。不安定な職業ゆえに理解を得られなかったものの、現在では両親がイベントやラジオを積極的に応援するようになっていた。経済的支援を受けたことへの感謝の気持ちと、将来的に恩返しをしたいという意思が語られた。

スタジオ収録前のやりとり

ラジオ番組『柚日咲めくるのくるくるメリーゴーランド』の収録日、めくるはスタジオに向かっていた。制服姿の渡辺千佳が現れ、挨拶とともにラジオ収録への意気込みを語る。普段は素直でない彼女の態度に違和感を覚えつつも、めくるは応じた。千佳はめくるのアドバイスを得ようと近付くが、距離の近さや容姿に圧倒されためくるは動揺し、やがてからかい合いながら会議室へと移動した。

千佳とのラジオ収録に向けた会話

会議室で、千佳は自身の番組「コーコーセーラジオ」について熱意を語った。めくるはからかいつつもその思いを理解しており、番組継続への意志を引き出そうとした。アドバイスとして、構成作家の朝加美玲をトークに巻き込むことを提案し、千佳と由美子はそれに感心した。朝加も本音では番組の継続を望んでおり、彼女の経験を活かすことの有用性が共有された。

1000回放送という共通の目標

朝加の夢である「担当番組が1000回続くこと」に言及があり、由美子はそれを千佳にも伝えていた。めくるの番組は現在307回であり、目標達成には道のりが長いが、めくるもまたそれを目指す意志を見せた。千佳も同様に意気込みを示し、それぞれがラジオ番組への思いを新たにした。

めくると由美子の個人的な対話

収録終了後、めくるは次の収録までの間に待機スペースで休んでいた。そこに由美子が現れ、相談を持ち掛けてきた。最初は拒否しようとしためくるだったが、由美子の懇願に折れ、飲み物を差し出しながら話を聞くことにした。

事務所の後押しと主役への距離

由美子は、ある新人声優が事務所の後押しで主役を得たことに対し複雑な感情を抱いていた。自身は主役経験がなく、最近は悪役ばかり演じていることから、次第に主役から遠ざかっていると感じていた。その苦悩を、めくるは理解しながらも、マネージャーとの相談を勧めた。

現在の自分と理想とのギャップ

由美子は悪役として評価されることに救われつつも、プリティアを演じたいという夢との間で揺れていた。めくるも自身の過去を重ね、簡単に夢やスタイルを捨てることはできない現実を受け止めていた。

モコへの嫉妬と愛情の入り混じる感情

会話の中で、新人の名が綿菓子モコであることが判明し、めくるは彼女の才能と存在感を認めつつも、無意識に嫉妬心を抱いていた。そんな中、由美子はめくるの人柄を称賛し、「愛してる」と冗談めかして言う。その一言にめくるは激しく動揺し、気持ちを隠すのに必死であった。

先輩としての想いと後輩への願い

由美子の姿勢は不安定であり、めくるは先輩としてもファンとしても彼女を支えたいと願っていた。モコのような光に照らされて揺れる由美子を見て、不安を感じながらも支えようとする姿勢が語られた。

素直な言葉とめくるの内心

モコに対するめくるの評価は二面性を持っていた。表向きは肯定しつつ、内心では複雑な感情を抱えていた。由美子の「性格は悪くない」という言葉に対し、めくるは何も言い返せず、ミルクティーを噴き出すほどに動揺していた。心に芽生えた感情を隠しつつ、めくるは静かに彼女の隣に座り続けた。

マオウノユウタイ・ラジオ

アルバイトを辞めにくいという相談の紹介と共感

リスナーから「大学が忙しくなりアルバイトを辞めたいが、店長に言い出しにくい」という悩みが寄せられた。これに対し出演者たちは共感を示し、自身の過去の経験として「休みが欲しいと言えずに倒れるまで働いた」ことや、「他の仕事に影響するのが怖くて諦めた」体験を語った。特に声優業界においては休みづらい空気があることが共有され、無理をして倒れては意味がないとの認識が示された。

自分の意志を尊重するべきという結論

相談者が大学を優先したいという意志を持っていることから、それを尊重し、早めに辞意を伝えることが重要であるという意見で一致した。また、悩みを抱えたままでいるより、早期に行動するほうが精神的負担が少ないとの助言も添えられた。

話しづらいことを抱える気持ちへの理解

会話の終盤では、出演者の一人が自身にも「話さなければいけないのに言い出せないことがある」と打ち明けた。具体的な内容は明かされなかったが、言いづらさに共感する姿勢が表れ、相談者の感情に寄り添う形でコーナーが進行した。

悩みの打ち明けと加賀崎の助言

由美子は、自身が悪役ばかりを演じている現状に不安を抱いていた。彼女はかつて正統派を目指し、幾度もオーディションに落ちた経験を持つが、悪役としての道が開けて以降は仕事が安定していた。しかしその一方で、憧れの『プリティア』のような主役からは遠ざかっていると感じていた。帰路の車内で、加賀崎に対してその悩みを打ち明けた。加賀崎は由美子の適性を理解しながらも、今のスタイルでは確かに主役の可能性が遠のくことを認めた。そして、自分の意向ではなく由美子自身の意思を尊重する姿勢を示した。由美子は加賀崎のその思慮深い対応に感謝しながらも、現実的な進路についての迷いを抱き続けていた。

千佳とのすれ違いと伝えられなかった感謝

ラジオ収録後、由美子は千佳とともにスタジオを出た。心を占める悩みから普段のように振る舞えず、千佳にも不安を察される。千佳は番組の聴取率に関して助言を与えたが、由美子の悩みは番組のことではなく自身の進路についてであった。彼女はこの機に『プリティア』の件での感謝を伝えようとしたが、千佳に話しかける直前に声を掛けられ、機会を逃してしまった。

南雲沙織との再会と移籍の提案

声を掛けてきたのは、元同僚であり現在は芸能事務所「カラメル・プロモーション」の社長となった南雲沙織であった。彼女はかつての所属事務所「チョコブラウニー」を辞し、理想の運営方針を掲げて独立した人物である。南雲は高級ホテルのラウンジで由美子と面会し、単刀直入に移籍を持ちかけた。彼女は、少数精鋭の環境で個人に責任を持ち、主役も演じられる可能性があると強調した。さらに、由美子の現在の「悪役専門」というイメージの固定化が主役への道を狭めていると指摘し、それを解決できるのが自分たちの事務所であると説いた。

南雲の策略と加賀崎との関係

由美子は、自身が引き抜き対象になるとは思っていなかったが、南雲の提案は核心を突いており、魅力的に映った。しかし、彼女は加賀崎への強い恩義と信頼から、即座に移籍を否定した。加賀崎と離れることは考えられず、その気持ちは揺るぎなかった。すると南雲は、加賀崎とともに移籍する案を提案した。マネージャーと声優がセットで移籍するのは珍しくなく、加賀崎自身も歓迎するという。思いも寄らぬ提案に由美子は驚き、理想的とも思える未来が一瞬脳裏に浮かんだが、すぐに決断を下すことはできなかった。

提案の余韻と由美子の迷い

南雲は笑顔で「欲しいものがあるなら、行動すべき」と言い残して去っていった。ラウンジに一人残された由美子は、冷めたコーヒーを前にして、加賀崎と過ごしてきた道、そして自らの夢と現実のはざまに思い悩む状態に立たされていた。

第306回
めくると花火の私たち同期ですけど?

コーコーセーラジオのゲスト登場

番組は冒頭、ブルークラウン所属の同期コンビ「めくる」と「花火」のトークによって始まり、事前告知通り「夕陽とやすみのコーコーセーラジオ」からゲストとして夕暮と歌種が登場した。ふたりは元気いっぱいのテンションで自己紹介を行い、番組冒頭から強烈なキャラクターを披露した。特に初対面の雰囲気を払拭するため、過剰とも言える明るさと寸劇風の掛け合いで場を盛り上げた。

ユウちゃんとやっちゃんの掛け合い

夕暮(ユウちゃん)と歌種(やっちゃん)は、今回のテンションや演出がふたりで相談して決めたものであることを語り合い、互いを賞賛し合いながら仲睦まじくやり取りを展開した。特にユウちゃんの発案であったことをやっちゃんが強調するなど、先輩ゲストに対する敬意とアピールの意識が窺えた。

花火とめくるの反応

一方、番組ホストの花火とめくるは、ふたりの過剰なテンションに困惑と圧倒を感じていた。特に花火は、内容の薄さとテンションの高さとのギャップに対して厳しいコメントを返し、また、かつての二人が猫を被っていた頃の番組内容との比較を通して、今の吹っ切れた姿勢を逆に称賛した。

跳ね返るツッコミと自覚的な切り替え

歌種と夕暮は先輩からの辛辣な言葉にも明るく反応し、番組内で抗議の姿勢をとりつつ笑いに昇華した。また、ラジオを初めて聴く視聴者への誤解を懸念する発言もあり、キャラクターとしての演出と本来のパーソナリティの境界についても自覚的であった。最終的には急にキャラを戻すという行動で笑いを誘い、番組はテンポよく進行した。

大学講義中の会話と由美子の葛藤

大学の講義中、佐藤由美子は出席票の受け取りに気付かず、親友の川岸若菜に声を掛けられて我に返った。若菜と渡辺千佳との会話の中で、由美子は他事務所から移籍の誘いを受けて悩んでいることを明かした。ブルークラウンに所属する千佳は即座に「移籍は考えたことがない」と否定したが、由美子の事務所「チョコブラウニー」とは立場が異なるため、意見は分かれた。千佳は軽々には判断できないと真剣に返し、由美子も決め切れずにいた。

モコとの再会と移籍への勧誘

その後のアフレコ現場で、由美子は後輩である緑菓子モコと再会した。モコは由美子に移籍話があることを既に知っており、強く移籍を勧めた。由美子がまだ決めかねていると知ると、モコは由美子が今の事務所に残れば一生主役は演じられないと断言した。さらに、現状では悪役のイメージが強すぎて、オーディションで主役に選ばれることはないと分析し、移籍こそが打開策であると主張した。

モコの過去と業界への不信

モコは自身の過去を語り、演技力に優れた同期が理不尽な理由で配役を逃した経験を語った。オーディションを受けていない自分が主役に選ばれた一方で、同期は声質が似ているというだけで排除されたという。こうした経験から、モコは制作側が演技ではなくネームバリューを重視しているとし、業界全体を信用していなかった。彼女は声優業界を「顔で選ばれる世界」と捉え、容姿だけで勝負するという覚悟を持っていた。

モコの価値観と由美子への期待

モコは自らの選択を開き直りながらも、由美子には同じ道を歩んでほしくないと語った。由美子の演技力を尊敬しているからこそ、今の事務所に留まることで機会を失うのは避けてほしいと訴えた。演技の実力だけでは主役になれない現実がある中で、モコは「別の力」が必要だと主張した。

所属事務所間の対立と不穏な影響

モコはさらに、自身の所属事務所であるカラメル・プロモーションの社長が、由美子の所属するチョコブラウニーを敵視していると述べた。その延長で、由美子たちが出演していた「コーコーセーラジオ」が不自然に枠ごと移動された背景にも、社長の干渉があった可能性があると示唆した。由美子はその発言に動揺し、漠然とした不安に包まれることとなった。

最後の誘いと揺れる由美子の決意

モコはあくまで優しく、しかし断固とした態度で、由美子に「うちに来よう」と語りかけた。由美子が持つ本来の実力と志を認めつつ、それでも現状では報われないことを指摘し、移籍によって可能性を広げるべきだと説いた。由美子はモコの偏った思想には共感できなかったが、完全に否定することもできず、重く深い選択を前に立ち尽くすのだった。

第230回
桜並木乙女のまるでお花見するように

ゲスト紹介と番組冒頭

桜並木乙女が進行役を務める番組に、歌種やすみと夕暮夕陽がゲストとして登場したである。三人は普段から交流が深く、番組開始直後から自宅で談笑するような緩い空気が漂ったである。乙女は二人の制服姿に興味を示し、本物の高校制服か否かを確認したが、衣装は番組が用意した類似品であると判明したである。

過去放送の回想とキャラ作りの思い出

乙女はやすみがキャラクターを作って出演していた過去回を思い出し、当時の緊張ぶりを話題にしたである。夕陽は直前にそのアーカイブ動画を視聴していたと明かし、やすみは照れながら当時を振り返ったである。三人は高校時代と変わらない外見が視聴者に親近感を与えている点についても語り合ったである。

リスナーからのメール紹介とライブ告知

番組には「不自由なA子」からのメールが届き、ハートタルトのメンバーが揃った放送と今後のアニフェス出演を喜ぶ内容が紹介されたである。三人は近日開催予定のライブへ向けたレッスン状況を共有し、本番では緩さを感じさせないパフォーマンスを披露すると宣言したである。視聴者へ期待を呼びかけつつ、第230回放送は和やかな雰囲気のまま幕を閉じたである。

ライブ前の葛藤と仲間との対話

由美子はライブ直前、レッスンルームで千佳と柔軟体操を行っていたが、心は晴れなかった。原因は後輩・モコの発言であり、「主役にはなれない」と指摘されたことが心に刺さっていた。その思いを千佳に打ち明けると、千佳は怒りを露わにしつつも、過去に自身も似たような偏見に晒された経験を共有した。やがて話題はモコの実力と容姿に移り、その評価の高さを認めながらも、演技を軽視する姿勢には由美子も千佳も強い疑問を抱いていた。

さくらなみき乙女との交流

ストレッチ中、乙女が合流し、和やかな雰囲気の中で三人は雑談を交わす。乙女はモコを良き後輩として評価しつつも、由美子や千佳は彼女の演技軽視の姿勢に苦言を呈していた。会話の中で、モコが『ティアラ★スターズ』の新キャラクターとして登場することが明かされ、由美子はその事実を初めて知り、戸惑いを覚えた。

モコとの確執と挑戦状

イベント当日、モコは由美子に親しげに接する一方で、千佳には強い敵意を露わにした。彼女は千佳を挑発し、ライブでどちらが盛り上げられるか勝負を提案した。千佳は一度は取り合わなかったが、挑発に乗る形で対決を受け入れ、ハートタルトの3人とモコのソロという構図で競うこととなった。

モコの圧倒的パフォーマンス

モコの出番になると、会場の空気は一変した。圧倒的なビジュアルと盛り上がる楽曲によって、観客の熱は急上昇。初見の客までも魅了するスター性を発揮し、モコは大歓声の中でステージを終えた。その姿に、楽屋の由美子や千佳、乙女もただ驚愕していた。

ハートタルトのステージと敗北感

続くハートタルトのステージも盛況だったが、由美子は「何かが届いていない」と感じた。モコほどの熱狂は起きず、客席の反応もやや薄く感じられた。ステージ終了後、モコは勝ち誇った様子で現れ、自分が勝ったと告げる。人数が多いユニットは熱量が分散するという論理を語り、ハートタルトに勝利したと主張した。

移籍勧誘と加賀崎との対話

モコは由美子に移籍を再び勧める。そこに加賀崎が現れ、ライター対応を口実に由美子を連れ出す。移籍の話を聞いた加賀崎は、過去に同じ勧誘を受けたが、由美子の存在を理由に断ったことを明かす。そして、カラメルの引き抜き体質や南雲の手法に懸念を示しつつも、「もし由美子が行きたいなら」と胸中の葛藤を覗かせた。

モコの才能と他者の嫉妬

ライブ会場では、モコの存在に対する嫉妬や違和感を抱く声もあった。とりわけ館莉は同期としての複雑な感情を吐露し、彼女の存在を「毒」として認識していた。だが、それでもモコのパフォーマンスは客席を支配し、彼女の勢いは揺るがなかった。

ライブの結末と次なる決断へ

ステージ上での勝敗は明らかであり、由美子たちには悔しさだけが残った。モコは最後まで勝利を誇示し、由美子に再度移籍を迫った。由美子の心には、彼女の圧倒的なスター性と、千佳や乙女に対する敬意とがせめぎ合っていた。加賀崎との対話によって、その葛藤はさらに深まり、やがて由美子は自らの進むべき道について、真剣に考え始めることとなった。

ティアラ★スターブ★レディオ!

ラジオ収録と出演者の再会

『ティアラ★スターズ★レディオ!』第56回は、桜並木乙女、夕暮夕陽、歌種やすみの3名での放送となった。3人は近頃レッスンやイベントで顔を合わせる機会が多く、収録にあたっても新鮮味を感じる余地が少なかった。乙女が以前自身のラジオ番組に2人をゲストとして迎えたこともあり、既視感を抱きつつ番組が開始された。

イベント参加状況の混同と整理

会話の中で、出演イベントがハートタルトとしてのものかティアラとしてのものかで混乱が生じた。過去のアニソンフェスティバルはハートタルト名義での出演であり、次に控える「アニゲーサマーライブ7」にはティアラ★スターズとして参加することが明確にされた。メンバーがレッスンなどで混在する状況が、認識の錯綜を招いていた。

「アニゲーサマーライブ7」への全員参加告知

今夏に開催予定の「アニゲーサマーライブ7」への出演情報が告知された。本イベントには、桜並木乙女、夕暮夕陽、歌種やすみを含む計10名のティアラ声優陣が全員参加することが明かされた。中でも、最近キャラクターが実装された綿菓子モコにとっては初舞台となり、注目が集まっていた。

ユニット曲の可能性と情報の制限

今回のライブでは全員による歌唱に加えて、ユニット曲の披露も予定されている可能性が示唆された。桜並木乙女が観客の期待に応えようとセットリストの内容に触れかけたが、スタッフにより制止され、詳細な情報の開示は避けられた。そのため、具体的な曲名や構成は伏せられたまま、リスナーへの期待を高める形で告知は締め括られた。

大型ライブ出演への期待と不安

ティアラ★スターズは、夏の大型ライブ『アニゲーサマーライブ7』への出演が決定していた。全声優による集合曲に加え、新ユニットでの出演も予定されており、桜並木乙女は朗読劇とのスケジュール重複を承知の上で参加を志願していた。だが、乙女が名古屋での朗読劇を終えた直後、台風によって新幹線が運休となり、出演の可否が不透明となる。

苦渋の判断とステージ構成の変更

リハーサル当日、乙女の不在が確実視され、舞台監督からは「曲のカット」か「ユニットメンバーによる代行」の判断を求められる。新人の継と飾莉は戸惑いながらも出演を決意。これに対し、他メンバーが曲の全体曲化を提案し、急遽代替構成が採用される。経験者を中心にフォロー体制が敷かれた。

綿菓子モコとの対立と覚悟の宣言

未参加曲であったために出番を制限されかけた綿菓子モコは、強い主張を展開する。彼女は千曲に対して過去のライブでの対応をなじるが、千曲はあくまで冷静に対処し、最終的にモコも参加を表明。言動は尖っていたが、千曲もそのパフォーマンス力を認めていた。

歌種やすみの変化とレオンの顕現

千曲は、かつてのライブで見せた海野レオンとしての姿を今一度引き出そうと、由美子(歌種やすみ)を説得する。由美子は自身の限界を嘆くが、ライブ本番で舞台上にレオンを降ろし、観客の視線を集める演技を披露する。圧倒的な演技力により、乙女の代役を務めるに値する存在感を見せつけた。

桜並木乙女の劇的な登場

ライブ後半、観客の誰もが予想していなかった瞬間に、私服姿の桜並木乙女がステージに登場する。タクシーで名古屋から東京へ強行移動していた乙女の劇的登場に、観客は最大の歓声で応えた。この登場によって、会場は最高潮に達し、ティアラのMCパートでは仲間からのツッコミが相次いだ。

モコの葛藤と千曲の洞察

乙女の登場によって霞んでしまった自分のパフォーマンスに、モコは落胆の言葉を漏らす。だが、千曲は「演技力」の重要性を説き、ステージ上での演技が観客の心を動かす力を持つことを指摘する。モコはそれを悔しそうに受け止めるが、納得はしていない様子だった。

モコの挑戦と千曲の評価

千曲は、モコのパフォーマンスを高く評価しつつも、振付の完成度や態度については苦言を呈する。モコは感情を爆発させつつも、次第に素直な反応を見せるようになる。モコの実力と未熟さ、そして素直さが垣間見える一幕であった。

由美子と千曲の信頼と過去の因縁

由美子はモコの実力を認めつつも、過去の対決でティアラユニットが敗れた悔しさを噛みしめていた。千曲は、その対決が公平でなかったことを指摘しつつも、由美子があのときモコを本気で信じていたことを思い出す。再戦への意志を新たにし、次こそモコを実力で打ち負かすことを誓う。

公平性の欠如とティアラ方式の真意

千曲は、モコが自分に有利な条件下で勝負を挑んだことを見抜いていた。その不公平さを受け入れたうえで、次回こそは条件に関係なく勝利する意志を語る。ティアラ方式が平等を担保しないことも理解しながら、それでも自分たちは真の演技力で勝つことを目指していることを明かす。

以上のように、『アニゲーサマーライブ7』を舞台に、乙女の不在と劇的復帰、やすみの覚醒、そしてモコとの確執と和解が描かれ、ティアラ★スターズの絆と成長が強調されていた。

ライブ終了後の楽屋

公演が成功裏に終わり、声優陣は同じ楽屋で安堵を分かち合っていたである。疲労感と達成感が入り混じる中、彼女たちは帰り支度を進めていたである。

秋空紅葉の来訪と乙女への苦言

関係者の挨拶に訪れた秋空紅葉は、桜並木乙女の土壇場登場を称えつつも無策な目立ち方を問題視したである。千曲と由美子も同調し、乙女は反省の色を浮かべたである。

モコと南雲による呼び出し

綿菓子モコが楽屋を出ようとした瞬間、マネージャー南雲に呼び止められ、人目の少ない通路へ案内されたである。由美子と加賀崎りんごは二人を追い、対話の場に同席したである。

移籍勧誘と由美子の拒絶

南雲は由美子に大手事務所カラメル・プロモーションへの移籍を提示し、成功事例としてモコを引き合いに出したである。しかし由美子は、自身が加賀崎獲得の“引換券”として扱われていると看破し、実力で胸を張る道を選びたいと述べて申し出を断ったである。

南雲の宣戦布告と今後への決意

由美子と加賀崎が立ち去ろうとした際、南雲は二人を潰すと宣言し、モコも対抗心をあらわにしたである。由美子はその挑戦を笑みで受け流しつつ、いつか後悔するかもしれぬ不安を抱えながらも、自らの信念に従って歩む決意を新たにしたである。

第126回
タ陽とやすみのコーコーセーラジオに入

番組冒頭とゲスト巡りの総括

夕暮夕陽と歌種やすみは、同級生コンビとして番組を開始したである。長期にわたったゲスト企画が終了し、両名は得難い経験と宣伝効果を得たと振り返ったである。

リスナー布教活動への感謝

リスナーからの投稿で、番組の継続を周囲に伝えた結果、視聴離れが解消された事実が報告されたである。二人は布教への協力に感謝し、特にやすみが抱えていた視聴者離脱の不安が解消したと述べたである。

台風直撃とライブ裏話の導入

別の投稿により、台風接近で名古屋から前日入りしたリスナーの行動が紹介されたである。台風で新幹線が終日停止する中、桜並木乙女がギリギリでライブ出演した経緯が取り上げられ、裏では出演可否で緊張が走ったことが明かされたである。

番組内の掛け合いと今後の告知

ライブで乙女が注目をさらったため自分たちが埋もれたと自嘲する場面や、舞台監督と調整したセット変更の苦労話が語られたである。朝加も信頼からくる楽観視を示したと説明され、最後に夕暮が自身の告知を行う流れで番組は進行したである。

スタジオ前の邂逅と会話のきっかけ

ラジオ番組「夕陽とやすみのコーコーセーラジオ」の収録前、由美子はスタジオへ向かう途中で千曲の姿を見つけ、声を掛けた。突然の呼びかけに千曲は警戒しつつも応じた。由美子が隣に並ぶと、千曲は不機嫌な表情を見せた。収録前に由美子が話しかけてくるのは、何か特別な理由があると千曲も分かっていたが、由美子はそれを誤魔化して話を始めた。

番組の回復と千曲の安堵

由美子は、番組の感取菜が復帰して視聴率が向上したことに触れ、それに千曲も努力が報われたことを淡々と肯定した。彼女の横顔からは安心した様子が見て取れ、由美子は千曲が番組に対して強い思いを抱いていることを改めて感じ取った。番組と周囲の問題が一段落し、安堵する気持ちの中で、由美子にはまだ果たすべきことが残っていた。

感謝の言葉とその反応

二人きりで話す時間が限られていることを意識した由美子は、これまで言えなかった感謝の気持ちを伝えようと決意した。プリティアの件で千曲が他者に働きかけてくれたことについて、あの支えがあったから今の自分があると、由美子は率直な謝意を述べた。これに対し千曲は、照れ隠しのように「運命共同体なのだから当然」と述べ、素直には受け取らなかったが、歩く速度を早める様子や赤く染まった耳が本音を物語っていた。

軽口と本音の交錯

千曲の反応に、由美子は思わずその照れ隠しを指摘した。すると千曲は足を止め、顔を赤らめたまま悔しげな表情で由美子に指を差し、「あなたのそういうところが嫌い」と言い放った。その言葉の裏には、面と向かって感情を表現することへの不器用さと照れが滲んでいた。

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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