- 物語の概要
- 書籍情報
- あらすじ・内容
- 感想
- 魔族3人を相手に殿。そして最後は機体ごと自爆!漢のロマンが爆発した
- 前巻でグリフォンから制空権を取り戻した教導大隊
- 日本軍が活躍しすぎてベトナム貴族の立場が危ない
- 六万の軍勢で北征!
- ベトナム軍、壊滅
- でも結局、日本軍が尻拭いすることになる
- そして普通に戦力扱いされる士官学校生たち
- 大型六体を最初に潰せ!
- 啓太は相変わらずおかしい
- 魔族が3人いるんですけど!?
- 学生が魔族3人相手に殿を務める
- しかも魔族側の目的が何かおかしい
- そして特大型が来た
- 漢のロマンが爆発だぁぁぁ!
- 本当に物理的にロマンが爆発した
- 御影ぃぃぃ!
- 主人公が強くても機体がなければ戦えない
- 「最短でも半年です」
- その間の日本防衛どうするの?
- しかも日本軍全体も余裕がない
- それにしても前巻から話が大きくなりすぎでは?
- それでも教導大隊がちゃんと成長している
- 「現場を知れ」と言われた結果が重すぎる
- まとめ|自爆はロマン。でも新型機が半年後って大丈夫なのか!?
物語の概要
■ 作品概要
教導大隊による空飛ぶ中型魔物グリオンの討伐成功を受け、日本遠征軍第四師団によるベトナム国境防衛は安定する。
しかし、この成果はベトナム帝国内で「戦わない自国貴族」への批判を激化させ、四将軍の一人グエン・リュウ・イン伯爵に焦りを与える。グエンは貴族の威信回復を目指し、中華連邦から供与された約千機の機体「神槍」を含む六万の北征軍を率いて進撃を開始するが、敵領内で数万規模の魔物群による奇襲を受け、わずか十数分で主力部隊が潰滅する。
グエンは自ら殿となり敵を中華連邦(広東省)側へ誘引して戦死する。
敗残兵と後続の魔物群がサパ駐屯地基地へ迫る中、伊佐木源心師団長と浅香涼子統括本部長は基地の防衛力を結集した「防衛的迎撃戦」を展開する。
教導大隊の川上啓太は大型魔物を狙撃後、上空に出現した魔族三体と規格外の特大型鳥型魔物に対し、味方を後退させるため単機で遅滞戦を引き受ける。
啓太は乗機「御影」を自爆させて零距離爆発により特大型魔物を討伐し、日本軍は基地防衛を完遂する。
■ 主要キャラクター
川上啓太
- 立場・所属:教導大隊所属の士官。大尉から特務少佐へと昇進。
- 主人公としての役割・行動:最上重工業製のワンオフ機「御影」(混合型試作一号機)に搭乗し、大型魔物の精密狙撃を担当する。作戦中に子爵級魔族三体の出現と特大型鳥型魔物の飛来に直面し、味方部隊を後退させるため単機で殿(遅滞戦)を引き受ける。特大型魔物に対し機体を固着させて全弾薬とともに零距離自爆を完遂し、人類未討の特大型討伐を成し遂げる。脱出カプセルと盾で衝撃を防ぎ気絶状態で生還後、特務少佐昇進および従五位叙爵が決定する。
グエン・リュウ・イン
- 立場・所属:ベトナム帝国伯爵、四将軍の一人、北征軍司令官。
- 主人公との関係:同盟国軍の指揮官(主人公と直接の個人的交流はない)。
- この巻での主な役割・行動:ベトナム国内で高まる貴族不要論を払拭し、家名と権益を維持するため、中華連邦のプロパガンダと機体支援に乗って北征作戦を強行する。貸与された機体「神槍」約千機を伴い進撃するも、魔物約三万体の奇襲と大型の魔力砲撃を受け部隊が即座に潰滅する。敗北後、祖国への追撃被害を最小限に抑えるとともに中華連邦への意趣返しを兼ね、敵の注意を広東省方面へ引く誘引撤退戦を指揮して戦死する。
浅香涼子
- 立場・所属:日本遠征軍統括本部長、皇族、大将。
- 主人公との関係:遠征軍の最高責任者。
- この巻での主な役割・行動:軍政家としてグエン作戦の破綻(焦土作戦や伏兵の危険)を見抜き制止を試みるが、内政干渉権限の制限から静観を余儀なくされる。敗戦後は伊佐木とともに政治的・軍事的判断を下し、「防衛的迎撃戦」を承認する。戦後はエース機「御影」喪失による国防戦力の空白を埋めるため、師団間の戦力配置と政治的調整を行う。
伊佐木源心
- 立場・所属:第四師団長、中将。
- 主人公との関係:現地作戦における最高指揮官。
- この巻での主な役割・行動:ベトナム軍の北征失敗と敗退を事前に予測し、サパ基地の防御陣地と火力を最大限に活かす「防衛的迎撃戦」を策定する。川上啓太の突出した狙撃戦力を作戦の主軸に組み込み、魔族出現という想定外の事態に対しても損害を抑える判断を下す。戦後は第二師団への人員補充と引き換えに教導大隊の人材選抜権を獲得する交渉を主導する。
久我静香
- 立場・所属:教導大隊指揮官、中佐。
- 主人公との関係:直属の上司。
- この巻での主な役割・行動:啓太の指示を受けて本隊を率いて一時撤退後、第四師団の防衛ラインに迫る魔物群を挟撃するため、試作三号機(五十谷)の陽動と連携した「変則の持角」戦術を展開する。第四師団の増援(重機関銃部隊)とともに後方魔物群を全滅させた後、自爆痕のクレーターにて気絶していた啓太を救出する。
五十谷翔子
- 立場・所属:教導大隊所属、准尉(試作三号機搭乗)。
- 主人公との関係:教導大隊の同僚。
- この巻での主な役割・行動:近接装備のない試作三号機の機動力を活かし、単機で魔物群の渦中に飛び込んで自ら囮となる。激しいGと反撃に耐えながら敵の注意を引きつけ、本隊の一斉砲撃と挟撃作戦の維持に貢献する。
綾瀬勝成
- 立場・所属:第四師団機甲連隊長、大佐。
- 主人公との関係:現地遠征軍の先輩士官(教導大隊生徒・綾瀬茉莉の父)。
- この巻での主な役割・行動:最上重工業製の新型強化外骨格「黒天」を身に纏い、随伴歩兵部隊を率いて前線に立つ。中型魔物と渡り合いながら戦車隊を指揮し、基地前線の防衛を支えるとともに、黒天を装備した重機関銃部隊を率いて久我中佐らの挟撃作戦へ援軍として駆けつける。
書籍情報
極東救世主伝説 5 少年、人類未討の敵を迎え撃つ。 ―同盟国撤退戦編―
著者:仏ょも 氏
イラスト:黒銀 氏
出版社:KADOKAWA(カドカワBOOKS)
発売日:2026年9月10日
ISBN:9784040765181

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あらすじ・内容
空の王に立ち塞がるのは――異形を駆る少年単騎。
教導大隊の大隊長として海外でも戦果を挙げる川上啓太。
そんな彼の元にベトナム北征軍の壊滅と、魔物の軍勢の反転攻勢の知らせが入り、同盟国中心部へ迫りくる大軍を迎撃すべく日本防衛軍は作戦行動を開始する。しかし、絶望的な戦況へ追い打ちをかけるように、歴史上人類が討伐に成功したことがない特大型魔物が現れる。かつてない強敵を前に、啓太は単騎での殿を務めることになり――。
相対すは双方【決戦兵器】、過去最大の闘争が始まる!
極東救世主伝説 5 少年、人類未討の敵を迎え撃つ。 ―同盟国撤退戦編―
感想
魔族3人を相手に殿。そして最後は機体ごと自爆!漢のロマンが爆発した
『極東救世主伝説5 少年、人類未討の敵を迎え撃つ。―同盟国撤退戦編―』を読了。
前巻から続いてベトナム編である。
そもそも、なぜ日本軍の偉い人たちがベトナムにいるのか。
原因をたどると、やっぱりあの一件に行き着く。
士官学校の生徒を魔族と一騎打ちさせたから。
いや、改めて文字にすると本当にひどい。
魔族側から川上啓太が名指しされたとはいえ、
「武人として一騎打ちを受けるべき」
みたいな流れで学生を戦わせた軍首脳陣。
当然ながら、さるお方からお叱りを受けた。
そして、
「現場を知ってこい」
ということでベトナムへ。
ところが現場を見学するだけでは終わらない。
ベトナム軍が北征。
壊滅。
一万を超える魔物が南下。
魔族まで3人出現。
最後には啓太が一人で殿を務める。
そして、
人類未討の特大型魔物まで登場。
どうしてこうなった。
しかも最後は、
機体ごとドカーン!
漢のロマンが爆発する。
物理的にも爆発する。
そして読み終わって最初に思った。
新型機ハヨ!
え?
最短でも半年?
その間、日本の守備はどうするんだよ!
前巻でグリフォンから制空権を取り戻した教導大隊
前巻でベトナムへやってきた啓太たち教導大隊。
本来なら第一師団の士官たちを護衛する立場だったはずである。
ところが現地ではグリフォンが飛び回り、日本の第四師団が苦戦していた。
偵察される。
上空から攻撃される。
こちらはまともに手を出せない。
完全に制空権を握られている。
そこへやってきたのが、
士官学校の学生主体の教導大隊。
啓太がグリフォンを狙撃。
翔子たちも実戦経験を積む。
結果として多数のグリフォンを撃破してしまった。
第四師団からすると非常にありがたい。
頭上から一方的に襲われる危険が減り、本来の任務に集中できるようになったのだから。
だが。
これで困る人たちがいた。
日本軍が活躍しすぎてベトナム貴族の立場が危ない
ベトナムを守っているのは誰なのか。
日本軍。
グリフォンを倒したのは誰なのか。
日本の士官学校生たち。
ではベトナムの貴族や軍人は何をしているのか。
……。
これはまずい。
もちろん実際には、ベトナム側にも事情がある。
日本のように十分な対魔物兵器を持っているわけではない。
中型や大型の魔物とまともに戦える装備そのものが足りない。
戦いたくても戦えない。
だから日本軍へ頼らざるを得ない。
理屈は分かる。
しかし国民から見れば、
「日本軍ばかり戦ってない?」
となる。
しかも国内では貴族不要論まで広がり始めている。
さらに中華連邦の思惑まで絡んでくる。
単純な嫉妬ではない。
このままでは、
「戦わない貴族なんて必要ない」
という話になりかねない。
そこでベトナム貴族側は、自分たちも戦果を挙げる必要に迫られる。
そして始まったのが北征だった。
六万の軍勢で北征!
ベトナム軍が用意した兵力は六万。
さらに中華連邦から提供された機体も大量に投入する。
数だけを見れば、かなりの大軍である。
これならいける!
……と思いたい。
ところが日本側の指揮官たちは、
最初から嫌な予感しかしない。
浅香も伊佐木も、
「これ失敗するんじゃない?」
という目で見ている。
実際、魔族側が焦土作戦を取ったらどうするのか。
補給はどうするのか。
奪った土地を維持できるのか。
いろいろ問題がある。
それでも北征は始まる。
そして。
ベトナム軍、壊滅
魔族側が選んだのは焦土作戦ではなかった。
普通に待ち伏せしていた。
六万のベトナム軍に対して、三万を超える魔物。
しかも大型までいる。
結果。
壊滅。
早い。
中華連邦から提供された大量の機体も、まともな戦果を挙げられない。
日本軍なら戦えていた魔物を前にして、ベトナム軍は一方的に崩されていく。
ここはかなり厳しい展開だった。
ただ、グエンたちが単純な無能として描かれていないところも印象に残った。
負ける。
もう助からない。
それでも、
どう負ければ祖国への被害を減らせるのか
を考える。
自分たちが殿になり、少しでも魔物を別方向へ引きつける。
最後には命を使ってでも被害を減らそうとする。
北征そのものには無理があった。
政治的な焦りもあった。
しかし、最後まで軍人としてやるべきことを考えている。
ここは単純に「馬鹿な貴族が自滅しました」では終わらなかった。
でも結局、日本軍が尻拭いすることになる
問題はここからである。
ベトナム軍が壊滅した。
はい終了。
とはならない。
当然だ。
敵は消えていない。
むしろ、
勝った魔物たちがそのまま南下してくる。
小型約一万。
中型約三百。
大型六体。
おい。
とんでもないものを連れてきたな。
結局、それを迎え撃つのは日本軍である。
現場を見ろと言われてベトナムへ送られた第一師団上層部。
護衛として来たはずの教導大隊。
気がつけば、
一万を超える魔物との防衛戦。
現場を知るにしても実地研修が過酷すぎる。
そして普通に戦力扱いされる士官学校生たち
教導大隊も当然のように作戦へ組み込まれる。
いや。
学生ですよね?
前巻では、
「まともに機体を動かせないんだけど」
という状態だったはず。
ところがグリフォン狩りという名の実戦訓練を経て、かなり動けるようになっている。
そして今回、
大型魔物を倒す重要戦力として扱われる。
育成速度がおかしい。
特に啓太は完全に別枠。
単機で一個大隊級の戦力として評価されている。
もう学生という肩書が何の意味もない。
大型六体を最初に潰せ!
日本軍が選んだのは基地を利用した防衛戦。
敵には大型魔物が六体いる。
こいつらを放置すると、基地の防御設備なんて意味がない。
ならば最初に大型を潰す。
その役目を誰が担当するのか。
当然、
川上啓太。
ですよね。
もう大型魔物討伐専門業者みたいになっている。
啓太だけで二体担当。
翔子が一体。
久我と田口で一体。
第一師団の砲戦仕様が二体。
ここでも学生主体の教導大隊が主力級の扱い。
本当に士官学校とは何なのだろうか。
啓太は相変わらずおかしい
そして戦闘開始。
大型魔物。
普通なら国家レベルで対処を考える敵。
啓太。
狙撃。
撃破。
さらにもう一体。
撃破。
相変わらずである。
前巻ではグリフォンを見て、
「ボーナスステージでは?」
みたいな感覚だった。
今回は大型まで普通に処理する。
だんだん敵側がかわいそうになってくる。
ところが。
今回はここで終わらない。
魔族が3人いるんですけど!?
戦場へ現れたのは、
魔族3人。
一人でも大問題なのに三人。
しかもグリフォンに乗って上空からやってくる。
教導大隊で対応できる相手ではない。
啓太なら一人でどうにかできるかもしれない。
だが部下たちは違う。
戦えば全滅する可能性が高い。
そこで啓太が出した答え。
みんな逃げろ。俺が残る。
おお……。
ついに主人公が殿を務める展開である。
学生が魔族3人相手に殿を務める
改めて考えてほしい。
啓太は士官学校生である。
その士官学校生が、
魔族3人を相手に単独で殿。
軍の偉い人たち。
何かがおかしいと思いませんか?
もっとも、これは上層部から命令されたわけではなく、啓太自身の判断である。
仲間を逃がす。
自分が魔族を引きつける。
教導大隊が基地へ戻れば第四師団と合流できる。
大型はすでに潰している。
なら本隊を挟撃できる。
そこまでいけば魔族側も撤退する可能性がある。
つまり啓太は、
死ぬために残ったわけではない。
仲間と自分が生き残る可能性を作るために、一番危険な役割を引き受けた。
ここが格好いい。
しかも魔族側の目的が何かおかしい
戦っているうちに啓太は違和感を覚える。
魔族3人が思ったほど積極的に攻めてこない。
さらに、なぜか啓太のことを知っている。
ベトナムに来ることは公表されていなかったはず。
御影型についても知っている。
そこで啓太は考える。
こいつら、
俺と御影型を観察してないか?
魔族側も啓太を単なる人間の兵士として見ていない。
「英雄」として認識している。
どれくらい強いのか。
新型機は何ができるのか。
どこまで成長しているのか。
情報収集の対象になっている。
主人公が人類側だけでなく、敵側からも重要人物として認識され始めているのが面白かった。
そして特大型が来た
魔族3人だけでも大変なのに。
さらに、
特大型鳥型魔物。
おい。
増援の規模がおかしい。
大型でも十分に化け物だった。
その上の特大型。
しかも人類はまだ討伐したことがない。
タイトルの、
「人類未討の敵」
がここで出てくる。
普通なら逃げるしかない。
だが啓太は考える。
どうやって倒す?
そして出した答えが、
最高に頭がおかしくて好きだった。
漢のロマンが爆発だぁぁぁ!
啓太は特大型へ接近。
翼を焼く。
爪を破壊。
そしてアンカーで御影型を固定する。
逃げられないようにする。
ここまで来ると、
「あっ……」
となる。
まさか。
やるのか。
やるんだな。
御影型、自爆。
しかも残っている弾薬ごと全部。
敵へ機体を固定。
自分は脱出。
そして、
ドカーン!!
来た。
これである。
漢のロマンである。
巨大ロボット。
強大な敵。
追い詰められた主人公。
最後の手段。
自爆。
嫌いな男の子いるのか、これ。
本当に物理的にロマンが爆発した
しかも自爆はただの悪あがきではない。
特大型を撃破。
人類史上初の特大型魔物討伐。
やりやがった。
大型魔物を狙撃。
魔族3人を引きつける。
教導大隊を逃がす。
最後に人類未討の特大型を機体ごと爆破。
士官学校生。
……。
もう一回言う。
士官学校生。
どう考えても学生の戦果ではない。
御影ぃぃぃ!
ただし。
勝った代償は大きい。
御影型。
消滅。
そりゃそうだ。
全弾薬ごと自爆したのだから。
特大型を倒した。
啓太も生きていた。
防衛戦にも勝った。
大勝利。
……なのだが。
そこで現実的な問題が出てくる。
啓太が乗る機体がない。
これ、かなりまずくない?
主人公が強くても機体がなければ戦えない
啓太本人は無事。
全身打撲や捻挫程度で済んでいる。
相変わらず頑丈である。
でも御影型は戻ってこない。
そして今回の戦いで分かった。
啓太は人類にとって、
特大型魔物すら倒せる戦力
になっている。
そんな人間を遊ばせておく余裕はない。
新しい機体が必要だ。
最上重工業さん。
お願いします。
新型機ハヨ!
「最短でも半年です」
……。
半年?
半年!?
いやいやいや。
魔物さんたち、
半年間休戦してくれるんですか?
してくれませんよね?
冬の間は活動が落ちる。
そこまではいい。
でも春になれば再び活発になる。
例年なら四月頃から本格的に動き始める。
一方。
新型機完成。
最短でも半年後。
間に合わない。
その間の日本防衛どうするの?
これが読後に一番気になった。
特大型を倒した!
やった!
啓太生還!
よかった!
新型機だ!
楽しみ!
……からの、
完成まで半年。
待て待て待て。
その間どうする。
御影型の予備を使えばいいじゃん。
と思ったら、それも自由に使える状況ではない。
翔子の試作三号機を取り上げるわけにもいかない。
とりあえず量産型などで繋ぐしかない。
でも今回の啓太の戦いを見た後だと、
量産型で大丈夫?
となる。
大型だけではない。
魔族も啓太を明確に認識している。
特大型まで投入されるようになった。
敵側のレベルが上がっているのに、
主人公だけ装備が弱体化。
RPGでボスを倒したら最強装備が消滅しました、みたいな状態である。
しかも日本軍全体も余裕がない
啓太だけの問題でもない。
各師団もこれまでの戦いで消耗している。
他から戦力を持ってくれば、その地域の防衛力が下がる。
では啓太の穴を誰が埋めるのか。
これが簡単ではない。
今回の勝利はものすごく大きい。
人類未討だった特大型を倒した。
しかし同時に、
人類最強クラスの戦力が使っていた専用機を失った。
勝ったのに安心できない。
むしろ、
「次に同じ規模の敵が来たらどうする?」
という問題が残る。
この辺りが面白かった。
それにしても前巻から話が大きくなりすぎでは?
振り返ってみる。
前巻。
学生主体の教導大隊を作りました。
量産型を練習します。
グリフォンを狙撃します。
部下にもやらせます。
そして5巻。
同盟国軍六万が壊滅。
一万を超える魔物が侵攻。
大型六体。
魔族三人。
主人公単独で殿。
特大型出現。
機体自爆。
人類初の特大型討伐。
話の規模が急にデカすぎる。
教導大隊発足編の次がこれである。
新人教育はどこへ行った。
それでも教導大隊がちゃんと成長している
戦闘の派手さに目を奪われるが、前巻からの教導大隊の成長も印象に残った。
最初はまともに機体を動かせなかった。
啓太から、
「こうすれば動くだろ?」
と言われてもできない。
それがグリフォンとの実戦を経験し、今回では正式な戦力として作戦へ組み込まれている。
啓太一人だけではない。
翔子たちも確実に戦えるようになっている。
だからこそ啓太も、
自分が殿になって仲間を逃がす
という選択ができたのだと思う。
戻った仲間が第四師団と合流すれば戦える。
その信頼がある。
前巻では啓太が守ってやらなければならなかった部下たちが、今回は部隊として戦力になっている。
ここは「教導大隊発足編」から続く成長として良かった。
「現場を知れ」と言われた結果が重すぎる
そして忘れてはいけない。
第一師団の偉い人たちである。
士官学校生を魔族との一騎打ちに出した。
怒られた。
現場を見てこい。
ベトナムへ。
その結果。
グリフォン。
六万の友軍壊滅。
一万を超える魔物。
大型六体。
魔族三人。
特大型。
御影型自爆。
……。
現場、どうでした?
たぶん想像していた「視察」とは全然違ったと思う。
前巻から続くこの因果応報感はかなり好きである。
まとめ|自爆はロマン。でも新型機が半年後って大丈夫なのか!?
『極東救世主伝説5』は、前巻で生まれた政治的な歪みが一気に戦争へ繋がった巻だった。
日本軍が活躍する。
教導大隊がグリフォンを倒す。
第四師団が安定する。
それ自体は良いことである。
しかし、その活躍によってベトナム国内では、
「自国の貴族や軍人は何をしている?」
という不満が強くなる。
さらに中華連邦の思惑も絡む。
焦ったベトナム軍が北征。
そして壊滅。
魔物が南下。
最後は日本軍が迎撃する。
勝ったら全部解決するわけではない。
むしろ一つの勝利が政治を動かし、別の戦争を呼び込む。
この流れが印象的だった。
そして後半。
魔族3人が出てきたところからは完全に別の作品かと思うほど熱い。
仲間を逃がすため一人で残る啓太。
魔族3人を相手に時間を稼ぐ。
そこへ人類未討の特大型。
そして最後は、
御影型を敵へ固定。
全弾薬投入。
脱出。
自爆。
漢のロマンが爆発だぁぁぁ!
いや、本当にこういうのでいいんだよ。
巨大な敵を倒すために愛機を犠牲にする。
ベタと言われようが何だろうが、熱いものは熱い。
しかも特大型撃破。
啓太生還。
最高の結果である。
……と思ったら。
御影型がない。
当然である。
爆発したから。
なら新型機だ!
最上重工業さん!
新型機ハヨ!
「最短でも半年です」
え?
半年?
春には魔物がまた動き始めるんですよね?
啓太は今や特大型まで倒せる、人類側の重要戦力なんですよね?
その専用機が半年間ない?
その間の守備は?
人類未討の敵を倒したという大戦果で終わったのに、最後に残るのが、
「いや、日本の防衛大丈夫?」
という不安なのが本作らしい。
そして何より気になるのは新型機である。
御影型で特大型まで倒してしまった男に、次は何を与えるのか。
普通に強化した程度では足りない気がする。
御影を超える新型。
半年待たされるだけのものを期待したい。
というか、
漢のロマンを爆発させたんだから、次はもっと漢のロマンを詰め込んだ機体をお願いします。
最後までお読み頂きありがとうございます。

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考察・解説
ストーリー・プロット
第1幕:グエン将軍の北征とベトナム軍の潰滅
教導大隊の活躍により第四師団の国境防衛が安定した一方、ベトナム帝国内部では「自ら戦わない貴族」に対する批判が高まる。
背景には、帝政崩壊と日越関係の破綻を狙う中華連邦の反貴族プロパガンダが存在した。
また、ベトナム軍は自国で魔具や機体を生産できず、日本からの輸入(草薙型・八房型各5機、与一型10機程度/年)に依存していたため、貴族部隊の装備が著しく貧弱であったことも孤立に拍車をかけた。
地位存続と武功獲得を狙う四将軍の一人グエン・リュウ・イン伯爵は、中華連邦から貸与された機体「神槍」約千機を含む六万の北征軍を率い、旧中華連邦領への進撃を開始する。
浅香統括本部長からの焦土作戦や伏兵に対する警告を無視して進軍したベトナム軍は、敵領内へ踏み込むと同時に約三万の魔物群(中型約千体、大型約二十体含む)による即時迎撃を受ける。
大型魔物の魔力砲撃に対処戦術を持たないベトナム軍は、わずか十数分で主力部隊が潰滅する。
グエンは自らの敗北を悟り、祖国ベトナムへの被害削減と中華連邦への意趣返しを兼ね、敵を広東省方面へ誘引する殿(しんがり)の撤退戦を展開し、戦死する。
第2幕:第四師団の防衛策立案と作戦開始
ベトナム軍の生還者約七千人と、それを追う魔物群(小型約一万、中型約三百、大型六)がサパ駐屯地基地へと接近する。
伊佐木師団長と浅香本部長は、ベトナム軍の敗北を事前に予見して対処策を準備していた。
陣形が伸びきったところを叩く「攻勢的迎撃」は同盟国市民や敗残兵に甚大な被害を出すため、基地の強固な防御陣地と火力を結集する「防衛的迎撃戦」を選択する。
作戦の要となる大型魔物六体の即時駆逐ミッションは教導大隊に割り当てられ、唯一大型からの攻撃を回避した実績を持つ川上啓太が、一撃目で敵の反撃を自身に集める危険な囮役と狙撃の先陣を引き受ける。
第3幕:大型魔物の狙撃と魔族の出現
迎撃戦が開始されると、啓太は乗機「御影」の跳躍とブーストを駆使し、割り当てられた二五メートル級大型魔物二体(カマキリ型・クマ型)に対し、二門の滑腔砲による同時射撃を叩き込んで瞬時に撃破する。
さらに他の大型魔物にも砲撃を加えて戦況を優位に導く。 しかしその直後、上空にグリフォンに跨る三体の子爵級魔族(ロウラン、マルファ、トア)が突如現れる。
未熟な機体と機士が大半を占める教導大隊では複数体の魔族に対抗不可能と判断した啓太は、久我中佐率いる本隊に対し基地への即時後退を命令する。
啓太自身は単機で現場に留まり、移動と砲撃を絶え間なく繰り返すことで魔族を空中に繋ぎ留める遅滞戦(時間稼ぎ)を開始する。
第4幕:基地防衛戦と教導大隊の挟撃作戦
第四師団基地では、新型強化外骨格「黒天」を装着した綾瀬勝成大佐率いる随伴歩兵部隊と戦車隊が、押し寄せる小型・中型魔物と激しい防衛戦を展開する。
一方、指示に従い後退した教導大隊は、第四師団との合流途上で後方から迫る千体以上の魔物群と遭遇する。
この窮地に対し、五十谷翔子が試作三号機の高い機動力を活かして自ら囮となり、縦横無尽に跳び回って敵の注意を引きつける。久我中佐は八房型を散開させて「変則の持角」(へんそくのもちかく)と呼ばれる挟撃陣形を展開し、試作三号機と本隊で交互に敵の横っ面を叩いて反撃を封じる。
そこへ、黒天を装着し一二七ミリ重機関銃四門を携えた綾瀬大佐率いる第四師団の重機関銃部隊(約百名)が援軍として全速で到着する。背後からの圧倒的な連射火力により、後方の魔物群は完全に挟撃・殲滅される。
第5幕:特大型魔物の飛来と啓太の決死の自爆
啓太が単機で遅滞戦を継続する戦場に、魔族側の援軍として翼長一〇〇メートルを超える規格外の「特大型鳥型魔物」が飛来する。
遠距離狙撃が通用しない鳥型魔物に対し、啓太は接近戦を選択する。空中で焼夷榴弾を降らせて羽毛を焼き、急接近して猛禽類の爪の片方を滑腔砲で砕くと、ワイヤーアンカーで自機を敵の足元へ強力に固着させる。
通常の火力では特大型を討伐しきれないと判断した啓太は、乗機「御影」の自爆シークエンスを起動する。
魔晶に収納していた全弾薬を注入し、零距離で爆発を起こす。直前に脱出カプセルを射出し盾で衝撃を防いだ啓太は、激しい爆発と衝撃波で意識を失いながらも、特大型魔物の完全討伐(人類初の挙績)を達成する。
観察を続けていた魔族側は、最上位存在である「王」からの絶対命令(「許可なく英雄に手を出すな」)と、特大型を殺したことで啓太の「存在強度」が増し、雑魚魔物が近づけない状態となったことを確認する。
命令違反による処罰を避けるため、魔族は気絶した啓太に手を出すことなく戦況の記録と報告を優先して撤退する。
第6幕:戦後処理と新たな課題
教導大隊と第四師団の援軍は、自爆クレーター付近で気絶していた啓太を無事に保護し、周囲の残党処理を完了させてベトナム戦役は終結する。
ダナンで開催された式典で教導大隊の生徒らは「若き英雄」として表彰され、啓太には特務少佐昇進および従五位叙爵が決定する。
しかし、エース機「御影」の完全喪失により、最上重工業による次期専用機の完成まで最速で半年(四月からの魔物活動再開に間に合わない期間)という深刻な国防上の空白が生じる。
前回の攻勢で半壊し疲弊した第二師団(緒方大将)からの猛抗議に対し、浅香と伊佐木は政治的・軍事的折衝を実施する。
第四・第五師団から第二師団へ機士部隊を補充する見返りとして、青梅分校から教導大隊へ派遣される新規生徒の選抜権(久我中佐による面接選考)を獲得するという戦略的手打ちを行い、戦略課題の収拾を図る。
主要な転換点
1:グエン将軍率いるベトナム軍の北征開始
- それ以前の状況: 第四師団の展開により国境防衛は安定していたが、ベトナム帝国内部で中華連邦のプロパガンダや日本軍依存に対する貴族不要論が高まっていた。
- 出来事: グエン将軍が貴族の威信回復と対外協定を果たすため、中華連邦から供与された機体「神槍」約千機を率いて旧中華連邦領へ進撃した。
- 変化: ベトナム軍主力約六万人が魔物約三万体の奇襲を受け、わずか十数分で潰滅。グエンは殿として戦死し、魔物群を広東省方面へ誘引しながら後退した。
- 次への影響: 数万規模の魔物の残党がサパ駐屯地へ迫り、日本遠征軍がその対応を引き受けざるを得なくなった。
2:日本軍による「防衛的迎撃戦」の採用
- それ以前の状況: 敗走するベトナム軍を追い、一万を超える魔物群(大型六体含む)がサパ駐屯地基地へ向かっていた。
- 出来事: 伊佐木師団長と浅香本部長が、同盟国市民や自軍の被害を抑えるため、基地の防空・防衛力と啓太の狙撃力を活かした防衛的迎撃策を決定した。
- 変化: 教導大隊に大型魔物の即時討伐任務が与えられ、基地全体での火力の集中運用体制が整えられた。
- 次への影響: 啓太が即座に二五メートル級大型魔物二体を連続撃破する成果を上げた。
3:戦場への魔族三体の出現
- それ以前の状況: 啓太が順調に大型魔物二体を撃破し、作戦が予定通り推移していた。
- 出来事: 上空にグリフォンに乗った三体の子爵級魔族(ロウラン、マルファ、トア)が突如現れた。
- 変化: 集団戦力としての教導大隊(未熟な生徒機)では対応不可能となり、全滅の危機に直面した。
- 次への影響: 啓太が本隊を基地へ撤退させるため、単機で現場に留まり時間稼ぎの殿(遅滞戦)を務める決断をした。
4:特大型鳥型魔物の飛来と機体「御影」の自爆
- それ以前の状況: 啓太が位置とタイミングを変えながら砲撃を放ち、魔族相手にジリ貧の遅滞戦を続けていた。
- 出来事: 魔族側の援軍として規格外の特大型鳥型魔物が飛来し、啓太は接近戦を挑んで翼を焼き、爪を破壊してアンカーで機体を固定した上で、全弾薬とともに「御影」を自爆させた。
- 変化: 人類史上初となる「特大型魔物の討伐」を達成したが、エース機「御影」が完全に失われた。
- 次への影響: 啓太が生還して「絶対的英雄」としての評価が確定した一方、日本国防軍に最速半年間のエース機空白期間が生じた。
5:魔族の撤退判断
- それ以前の状況: 自爆の衝撃で啓太が気絶し、無防備な状態で爆心地近郊に取り残されていた。
- 出来事: 魔族(ロウランら)が最上位存在「王」の絶対指示(許可なく英雄に手を出すな)を遵守し、また啓太の「存在強度」が高まったことで下級魔物が接近不能となったため、戦況の記録と報告を優先して撤退した。
- 変化: 啓太は魔族に殺害・捕獲されることなく、駆けつけた日本軍に救出された。
- 次への影響: 啓太が生還し、ベトナム戦役における戦闘行動が完全に結実した。
川上啓太を中心とした人物関係の変化
教導大隊の生徒たち(五十谷翔子、久我静香ら)
- 開始時: 観戦武官の護衛として同行し、圧倒的な単機戦闘能力を持つ「頼れる先達・仲間」という認識。
- 主な出来事: 啓太が魔族三体と特大型魔物を相手に単機で殿を引き受け、自爆してまで自分たちを逃がし、勝利をもたらした。
- 巻末時: 啓太に対する絶対的な信頼と深い絆が形成される。同時に、啓太本人が式典を免除されて昼寝をしている間に、自分たちだけが「若き英雄」として表彰されることに対する申し訳なさと苛立ちが混在し、戦後に啓太をシミュレーターへ叩き込むような軽妙かつ強固な関係へと変化した。
浅香涼子・伊佐木源心(軍上層部)
- 開始時: 現場で圧倒的な戦果を上げる優秀なエースパイロット(大尉)。
- 主な出来事: 特大型魔物を単独自爆討伐し、ベトナム遠征軍の潰滅的危機を救った。
- 巻末時: 国家の命運および国防戦略の中心となる「人類未討の敵を撃破した絶対的英雄(特務少佐・従五位)」としての評価が確定。同時に専用機「御影」を失ったことで、いかに彼を保護・再補強するかという最重要課題の対象となった。
主人公の認識と周囲の評価
主人公自身の認識:
- 自身を「物語の主人公のような特別な存在ではない」「死にたくない、生きて義妹(優菜)のもとへ帰り、静かに生活したいだけの人間」と捉えている。
- 特大型魔物に対する自爆や決死の遅滞戦も、英雄的犠牲心からではなく「自分が生き残るための唯一の活路・手段」として客観的に選択している。
周囲からの評価:
- ベトナム帝国・第四師団・軍上層部: 特大型魔物を単騎で撃破した「人類未討の敵を倒した英雄」「アジアの盟主としての誇り」。
- 魔族側(ロウラン、王、悪魔など): 単独で特大型を討伐する能力を持ち、討伐によって「存在強度」が増した危険な英雄。最上位の「悪魔」からも魂の形が異質であるとして強い興味を抱かれる存在。
- 妹(川上優菜): 「義妹が大好きな理想のお兄ちゃん」。しかし裏では国家の研究機関(第三次救世主計画)に二人の生活データを報告する協力者であり、啓太が自爆生還で全治二日の怪我を負ったことにショックを受け、過激な新武装プラン(多薬室砲+核弾頭)を開発工廠へ提出しようとするギャップを持つ。
認識の差が現れた場面:
- 自爆前の判断: 周囲や教導大隊の生徒たちは啓太が「自分たちを護るために死を覚悟して残った」と受け止め絶望していたが、啓太本人は「自分が生き延びるために時間を稼ぎ、挟撃の機会を作らせる」「生き残るために自爆する」と考えて行動していた場面。
- 戦後の式典: 周囲(第四師団や現地ベトナム側)が「若き英雄」として大々的に称賛し盛り上がっているのに対し、啓太本人は「いや〜。死ぬかと思った」と呆っけらかんとした第一声を放ち、式典の参加を免除されて昼寝に興じていた場面。
登場キャラクター
日本国防軍・軍学校・関連機関
川上啓太
前世の記憶を保持する少年兵に該当する。妹の優菜を第一に考えて行動する。自身と家族の生存を最優先の目的と捉えている。
・所属組織、地位や役職 日本国防軍・教導大隊長を務める。特務少佐へ昇進した。
・物語内での具体的な行動や成果 ベトナム戦線にて大型魔物を相次いで狙撃した。三体の魔族を一人で引き付ける役割を引き受ける。特大型魔物と交戦して機体を自爆させた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 特大型魔物の討伐に成功した。特務少佐への昇進と従五位への陞爵が決定する。
久我静香
教導大隊を管轄する指揮官の位置にある。冷静に戦況を見極めて判断を下す。啓太をはじめとする生徒たちの安全を強く懸念する。
・所属組織、地位や役職 日本国防軍・教導大隊全体指揮官を担う。中佐の階級を持つ。
・物語内での具体的な行動や成果 基地に立てこもる防衛的迎撃策を採用した。魔物本隊に対して教導大隊の砲撃を指揮する。第四師団の援軍とともに啓太の回収へ向かった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 戦後に浅香大将から昇進や人事権に関する説明を受ける。
浅香涼子
皇族の出身者として軍の最高幹部を務める。国家全体の防衛体制や政治的影響を考慮して動く。現場の苦労や実情を理解する姿勢を示す。
・所属組織、地位や役職 統括本部長を務める。大将の階級に位置する。
・物語内での具体的な行動や成果 ベトナム遠征に同行して現地で交渉にあたった。伊佐木師団長と防衛作戦の協議を行う。啓太の昇進と陞爵の手続きを進めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 帰国後に遠征の成果と問題点について上層部から追及を受ける。
伊佐木源心
現場の戦状を冷徹に分析する指揮官に該当する。部下の損害を最小限に抑える判断を優先する。浅香本部長とも対等に議論を交わす。
・所属組織、地位や役職 日本国防軍・第四師団長を務める。中将の立場にある。
・物語内での具体的な行動や成果 ベトナム軍の壊滅を見越して防衛的迎撃策を立案した。教導大隊や砲戦仕様の火力を活用する。戦後に第四師団からの援軍派遣を申し出た。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 戦後に教導大隊への生徒優先配置の条件を取り付ける。
由布月繁
伊佐木師団長を長年支える参謀の位置にある。戦況の変化を速やかに把握して報告を行う。伊佐木とは幼馴染の関係にあたる。
・所属組織、地位や役職 日本国防軍・第四師団参謀を務める。少将の階級を持つ。
・物語内での具体的な行動や成果 ベトナム軍の壊滅被害と魔物の進軍状況を報告した。迎撃作戦の具体的な手順を解説する。伊佐木とともに司令部で指揮を執った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 参謀として作戦の成功に寄与する。
緒方勝利
第二師団の再編と防衛を担う幹部となる。現場の負担や苦難を重視して行動する。国防の失敗や無謀な命令に強い怒りを示す。
・所属組織、地位や役職 日本国防軍・第二師団長を務める。大将の階級を持つ。
・物語内での具体的な行動や成果 前回の激戦で疲弊した第二師団の再編に尽力した。機体喪失に関する報告へ怒りを露わにする。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 他師団からの救援派遣を要求する立場となった。
芝野
過去の防衛戦で戦果をあげた指揮官に相当する。
・所属組織、地位や役職 日本国防軍・第二師団に所属する。
・物語内での具体的な行動や成果 過去の戦闘で魔物の攻撃を誘導する戦術を成功させた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 彼の戦訓がベトナムでの作戦立案に参照される。
綾瀬勝成
娘の茉莉を心配する父親の一面を持つ。前線で自ら戦う強い意志を示す。部下の信頼を集める指揮官として描かれる。
・所属組織、地位や役職 第四師団第二機甲連隊長を務める。大佐の階級を持つ。
・物語内での具体的な行動や成果 新型強化外骨格を装着して前線に立った。中型魔物の撃破へ貢献する。久我静香からの救援要請を即座に受託した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 随伴歩兵部隊を率いて戦果をあげた。
五十谷翔子
判断力と度胸を兼ね備えた生徒となる。生き残るために最善の行動を選択する。啓太の実力と行動に強い信頼を寄せる。
・所属組織、地位や役職 教導大隊所属生徒を務める。五十谷家出身。准尉待遇を受ける。
・物語内での具体的な行動や成果 試作三号機を操縦して大型魔物を一撃で撃破した。単機で跳躍を繰り返し敵の注意を惹きつける。味方の援軍到着まで前線を維持した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 戦後に「若き英雄」として式典で表彰を受ける。
田口那奈
近接戦や狙撃の技術を磨く生徒に該当する。確実な戦闘行動を心がける。翔子たちと協力して部隊を支える。
・所属組織、地位や役職 教導大隊所属生徒を務める。准尉待遇を受ける。
・物語内での具体的な行動や成果 量産型機体に搭乗して防衛戦に参加した。久我中佐とともに大型魔物の撃破を担当する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 実戦を通じて機士としての経験を蓄積した。
橋本夏希
第五師団出身の生徒となる。周囲の状況を冷静に観察する。
・所属組織、地位や役職 教導大隊所属生徒を務める。准尉待遇を受ける。
・物語内での具体的な行動や成果 最上重工業製の強化外骨格を装着した。久我中佐の直掩として小型や中型の魔物を撃退する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 防衛戦での活躍により評価を高めた。
綾瀬茉莉
第四師団出身の生徒となる。父親である勝成大佐の背中を意識する。
・所属組織、地位や役職 教導大隊所属生徒を務める。准尉待遇を受ける。
・物語内での具体的な行動や成果 強化外骨格を身に纏い直掩任務にあたった。敵の接近を阻み砲撃部隊を護衛する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 父とともに前線で戦い成果を残した。
武藤沙織
第三師団閥に属する生徒となる。実利を重視する思考を持つ。
・所属組織、地位や役職 軍学校Aクラス主席を務める。第三師団閥所属。
・物語内での具体的な行動や成果 学内での情勢変化や教導大隊の動向を見守る。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 派閥の動向に左右されず独自の立場を維持する。
小畑健次郎
家族の遺志と家の再興を背負う生徒に該当する。
・所属組織、地位や役職 軍学校生徒を務める。第三師団閥所属。
・物語内での具体的な行動や成果 学内での立場や評価に苦慮する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 師団の再建凍結により活動を制限された。
笠原辰巳
第三師団閥の動向に合わせて行動する生徒となる。
・所属組織、地位や役職 軍学校生徒を務める。第三師団閥所属。
・物語内での具体的な行動や成果 小畑とともに学内での活動を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 派閥の衰退に伴い影響力を低下させた。
牟呂口大将
過去の戦闘で苦杯をなめた指揮官に該当する。
・所属組織、地位や役職 第三師団長を務めた。大将の階級を持つ。
・物語内での具体的な行動や成果 インパールの戦いにて魔族の焦土作戦と釣り野伏により損害を受けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 彼の敗戦例が魔族の戦術の参考として挙げられる。
教導大隊
新兵器の運用と訓練を目的に設置された部隊となる。青梅分校の生徒を中心に構成される。実戦で高い戦闘力を発揮した。
・所属組織、地位や役職 日本国防軍・統括本部長直轄部隊に位置する。
・物語内での具体的な行動や成果 ベトナム戦線にて大型魔物を全滅させた。魔物本隊の側面を砲撃して壊滅へ追い込む。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 全構成員が「若き英雄」として国内外から注目を集めた。
第一師団
首都近郊の防衛を担当する部隊となる。皇族や貴族の出身者が多く所属する。実戦経験の不足を指摘されている。
・所属組織、地位や役職 日本国防軍第一師団に位置する。
・物語内での具体的な行動や成果 観戦武官や草薙型砲戦仕様をベトナムへ派遣した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 過去の不祥事や実戦での不手際により世論から批判を受ける。
第一師団上層部
貴族や高官で構成された指導層となる。現場の実態を軽視した判断を行いやすい。
・所属組織、地位や役職 第一師団幹部会に位置する。
・物語内での具体的な行動や成果 不祥事の処分として海外視察へ赴いた。戦闘現場で十分な働きを見せられずに終わる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 帰国後に国家元首から厳しい追及を受ける。
第二師団
前線での戦闘経験が豊富な師団となる。前回の防衛戦で甚大な被害を受けた。
・所属組織、地位や役職 日本国防軍第二師団に位置する。
・物語内での具体的な行動や成果 所属機士の7割近くを戦闘で失った。新米機士の受け入れを進めて再編を図る。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 他師団からの優先的な人員派遣を受ける方針が固まる。
第三師団
過去の大規模な戦闘で壊滅した部隊となる。
・所属組織、地位や役職 日本国防軍第三師団に位置する。
・物語内での具体的な行動や成果 魔族との戦いにおいて大きな損害を出した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 組織の再建計画が凍結されるに至った。
第四師団
ベトナムへの海外派遣を担当する部隊となる。高い練度と現場での結束力を誇る。
・所属組織、地位や役職 日本国防軍第四師団に位置する。
・物語内での具体的な行動や成果 グリオンの脅威を克服した後に国境防衛を展開する。教導大隊と連携して魔物大軍を殲滅した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 帰国後に第二師団への援軍派遣が決定する。
第五師団
タイ方面へ派遣されている遠征部隊となる。
・所属組織、地位や役職 日本国防軍第五師団に位置する。
・物語内での具体的な行動や成果 現地で魔物との交戦を継続した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 第四師団とともに国内防衛へ人員を供出する方針となる。
第六師団
五十谷家が深い関係を持つ派閥組織となる。
・所属組織、地位や役職 日本国防軍第六師団に位置する。
・物語内での具体的な行動や成果 前回の戦いによる損害から復旧を進めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 戦力の立て直しを図る。
第七師団
藤田家が関係する派閥組織となる。
・所属組織、地位や役職 日本国防軍第七師団に位置する。
・物語内での具体的な行動や成果 第四師団と交替でベトナムへ派遣される計画が立つ。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 予定通りの交代準備を進めた。
第八師団
九州方面の防衛に関わる部隊となる。
・所属組織、地位や役職 日本国防軍第八師団に位置する。
・物語内での具体的な行動や成果 前回の防衛戦後に部隊の復旧作業を実施した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 体制の再構築に努めた。
第九師団
タイ方面への派遣が予定される部隊となる。
・所属組織、地位や役職 日本国防軍第九師団に位置する。
・物語内での具体的な行動や成果 第五師団との交代に向けて準備を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 予定通り海外遠征への手配が進められる。
遠征軍
海外へ派遣された国防軍の総称となる。現地の民衆から高い評価を得ている。
・所属組織、地位や役職 日本国防軍海外派遣部隊に位置する。
・物語内での具体的な行動や成果 ベトナムの国境地帯で魔物の討伐に従事した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 現地での実績により日本軍の信頼を高めた。
戦車隊(機甲部隊)
地上戦での火力を担当する部隊となる。綾瀬勝成大佐が率いる。
・所属組織、地位や役職 第四師団機甲連隊に所属する。
・物語内での具体的な行動や成果 通常兵器を用いて小型魔物を一掃した。副官の指揮のもとで一斉射撃を行う。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 防衛戦で歩兵部隊とともに陣地を守り抜いた。
随伴歩兵部隊
機装部隊や戦車隊をサポートする歩兵組織となる。
・所属組織、地位や役職 第四師団連隊に所属する。
・物語内での具体的な行動や成果 新型強化外骨格を装着して前線に立った。中型魔物へ重機関銃の連射を加える。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 新装備の導入により中型魔物の撃破を可能とした。
砲兵部隊
基地の防衛設備や榴弾砲を運用する部隊となる。
・所属組織、地位や役職 第四師団防衛部隊に所属する。
・物語内での具体的な行動や成果 接近する魔物の大群へ絶え間ない砲撃を加えた。敵の陣列を崩す成果をあげる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 基地防衛の火力を支えた。
国防軍上層部
軍全体の意思決定を担う幹部層となる。
・所属組織、地位や役職 日本国防軍司令部に位置する。
・物語内での具体的な行動や成果 第三次救世主計画の推進に関与した。無能な将官を処罰して防衛案を承認する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 戦力の不足に苦慮しつつ再編を進める。
研究者たち
魔晶や適合率の研究を推進する人々となる。啓太や優菜のデータを注視する。
・所属組織、地位や役職 第三次救世主計画研究機関に所属する。
・物語内での具体的な行動や成果 高い適合率を示す川上兄妹の私生活データを収集した。優菜から生活報告を受け取る。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 適合者増殖のための研究を継続する。
最上重工業
最上隆文
技術開発への情熱と誇りを持つ経営者となる。啓太の要望を機体整備に反映させる。
・所属組織、地位や役職 最上重工業代表取締役社長を務める。
・物語内での具体的な行動や成果 御影型の改修と調整を担当した。啓太のための新型機開発に最低半年の期間を提示する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 自社製品の成果により軍内での影響力を維持した。
最上重工業整備班
最上隆文のもとで働く技術者集団となる。
・所属組織、地位や役職 最上重工業開発整備部門に所属する。
・物語内での具体的な行動や成果 御影型のリロード機構や弾薬の改良を行った。強化外骨格【黒天】の製造と調整を担当する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 戦現場で迅速な技術支援を提供した。
民間・家族関係
川上優菜
川上啓太の妹であり共に暮らす家族となる。兄へ深い愛着と信頼を寄せる。兄の安全を守るため独自の行動を起こす。
・所属組織、地位や役職 民間人。中学生の立場にある。第三次救世主計画被検者。
・物語内での具体的な行動や成果 ベトナムへ向かう兄を笑顔で見送った。研究機関へ日々の生活状況を報告する。自爆で負傷した兄のために新型兵器の構想を立案した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 魔晶適合率89%を記録する。
亜矢
優菜の友人であり相談相手となる。冷静な視点で助言を与える。
・所属組織、地位や役職 民間人。優菜の友人。第二師団との接点を持つ。
・物語内での具体的な行動や成果 優菜からの相談に応じた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 優菜の生活面でのサポート役を務める。
自称親戚(親戚を名乗る人たち)
両親の死亡後に兄妹へ干渉した集団となる。
・所属組織、地位や役職 民間人の集団。
・物語内での具体的な行動や成果 補償金や土地の処分を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 啓太が軍への入隊を決意する遠因となった。
ベトナム帝国
グエン・リュウ・イン
伝統と貴族の義務を重んじる指揮官となる。過度の日本依存へ強い危機感を抱く。責任感を持って行動する。
・所属組織、地位や役職 ベトナム帝国伯爵。四将軍の一人。北征軍司令官。
・物語内での具体的な行動や成果 六万の北征軍を率いて旧中華連邦領へ進軍した。奇襲を受けて殿を引き受ける。敵の多くを広東省方面へ誘引して戦死を遂げた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 祖国への魔物侵入を最小限に抑えた。
皇帝
ベトナム帝国の最高指導者となる。
・所属組織、地位や役職 ベトナム帝国皇帝。
・物語内での具体的な行動や成果 軍への予算配分を変更した。日本からの機体輸入を最優先で処理する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 国内の貴族層との間に温度差を生じさせた。
グエンの参謀長
グエンを補佐する冷静な軍人となる。
・所属組織、地位や役職 ベトナム帝国北征軍参謀長。
・物語内での具体的な行動や成果 戦況の悪化を受けて撤退の方角を中華連邦側へ向ける提案を行った。グエンとともに殿部隊に残る。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 祖国防衛のために最善の策を講じた。
ベトナム帝国軍(北征軍)
グエンが率いた遠征部隊となる。
・所属組織、地位や役職 ベトナム帝国国軍。
・物語内での具体的な行動や成果 旧中華連邦領へ進軍するも魔物の奇襲に遭う。大半が全滅した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 壊滅的な打撃を受けた。
殿部隊
グエン率いる全滅覚悟の部隊となる。
・所属組織、地位や役職 ベトナム帝国北征軍殿部隊。
・物語内での具体的な行動や成果 中華連邦方面へ敵を誘導しながら交戦した。広東省近くの平野で全滅するまで戦った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 祖国への追撃をそらす役割を果たした。
皇帝直轄軍
皇帝の直属となる精鋭組織となる。
・所属組織、地位や役職 ベトナム帝国皇室直属軍。
・物語内での具体的な行動や成果 日本から輸入された草薙型や八房型を優先的に配備された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 地方貴族との戦力格差を生み出す要因となった。
神槍部隊
中華連邦から与えられた機体を運用する部隊となる。
・所属組織、地位や役職 ベトナム帝国北征軍機甲部隊。
・物語内での具体的な行動や成果 千機の神槍で出撃した。大型魔物の魔力砲撃や中型の射撃により短時間で壊滅した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 数で対抗しようとするも実戦で成果を出せずに終わる。
ベトナム帝国の貴族たち
特権と世論の批判の間で揺れる指導層となる。
・所属組織、地位や役職 ベトナム帝国貴族階級。
・物語内での具体的な行動や成果 日本軍への依存に対して批判的な態度を示した。グエンの遠征を後押しする。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 国内で貴族不要論の台頭に晒された。
中華連邦
中華連邦上層部
共産主義の拡大と領土野心を持つ指導層となる。隣国ベトナムの併合を画策する。
・所属組織、地位や役職 中華連邦政府指導層。
・物語内での具体的な行動や成果 グエンへ千機の神槍と物資を供与した。ベトナム国内で反貴族の工作を行う。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 自国の影響力工作を裏で推進した。
活動家
中華連邦の支援を受けて動く勢力となる。
・所属組織、地位や役職 中華連邦系工作勢力。
・物語内での具体的な行動や成果 ベトナム国内で貴族批判と反帝政の宣伝を流布した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 ベトナム社会の分断を裏から煽った。
魔族・悪魔・魔物勢力
ロウラン
冷徹に戦局を判断する魔族となる。上位者の命令を厳格に順守する。
・所属組織、地位や役職 魔族幹部。子爵の爵位を持つ。ベトナム方面司令官。
・物語内での具体的な行動や成果 三万の魔物でベトナム軍を包囲・壊滅させた。啓太の戦闘を観察する。王の命令に従い啓太に手を触れず撤退した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 特大型の討伐を王へ報告する。
マルファ
分析能力に長けた魔族となる。規律やルールに詳しい。
・所属組織、地位や役職 魔族幹部。子爵。
・物語内での具体的な行動や成果 眼鏡をかけて戦場の戦闘データを記録した。王の命令と照らし合わせて撤退の正当性を論理立てる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 観察結果を上位へ報告した。
トア
好戦的な性格を持つ大柄な魔族となる。巨大な斧を携える。
・所属組織、地位や役職 魔族幹部。子爵。
・物語内での具体的な行動や成果 ロウランやマルファとともに戦場を観測した。王の処分を恐れて状況を確認する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 報告に従い引き揚げた。
ルフィナ
他の地域を管轄する上級魔族となる。
・所属組織、地位や役職 魔族幹部。
・物語内での具体的な行動や成果 ロウランからの報告を魔族の王へ取次ぎ報告した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 王とともに人間側の情勢を見守る。
魔族の王
魔族全体の頂点に君臨する絶対的権力者となる。理知的で広い視野を持つ。人間との闘争を適切に維持する方針を貫く。
・所属組織、地位や役職 魔族の最高指導者。
・物語内での具体的な行動や成果 ロウランたちの判断を正当と認めて許可を出した。啓太が生きて希望を与える展開を評価する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 悪魔との関係を保ち闘争の継続を指揮する。
侯爵
ロウランたちの上役となる上位魔族となる。
・所属組織、地位や役職 魔族幹部。侯爵。
・物語内での具体的な行動や成果 ロウランへベトナム軍懲罰の命令を出した。特大型魔物を貸し渡す。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 下位魔族へ指示を与える立場にある。
アルバ
過去に学校襲撃を行った好戦的な魔族となる。
・所属組織、地位や役職 魔族。
・物語内での具体的な行動や成果 啓太との戦闘で敗北して死亡した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 彼の死が啓太の「英雄」としての名声につながった。
悪魔
魔族の上位に位置する異邦の存在となる。透き通る肌と黒い髪を持つ男性の姿で現れる。人類との闘争を愉しむ思考を持つ。
・所属組織、地位や役職 悪魔。魔族の支配者。
・物語内での具体的な行動や成果 魔族の王のもとへ姿を現した。啓太の戦闘映像を見て歓喜する。啓太の魂の異質さに興味を示した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 世界規模の闘争を裏から操る。
魔族
悪魔の因子を持つ知的な支配層となる。
・所属組織、地位や役職 敵対勢力の幹部階級。
・物語内での具体的な行動や成果 魔物の大群を指揮して人間側へ圧力を加えた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 人間側の兵器や戦力を観察する。
小型魔物
数で押し寄せる前線戦力となる。戦車以上の速度と鋭い爪を持つ。
・所属組織、地位や役職 魔物勢力の前線部隊。
・物語内での具体的な行動や成果 ベトナム軍へ襲いかかり後方を粉砕した。基地防衛戦で大量に駆逐される。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 数による物量攻撃を担当する。
中型魔物
魔力障壁と魔力砲撃を備えた実力種となる。
・所属組織、地位や役職 魔物勢力の主力部隊。
・物語内での具体的な行動や成果 ベトナム軍の神槍部隊を撃破した。前衛で盾となりつつ砲撃を行う。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 防衛陣地の砲撃と強化外骨格の集中砲火で多数が撃滅された。
大型魔物
20メートルから25メートル級の巨体を持つ強力な種となる。強力な魔力砲撃を放つ。
・所属組織、地位や役職 魔物勢力の決戦兵器。
・物語内での具体的な行動や成果 ベトナム軍の砲兵や戦車隊を蒸発させた。啓太の狙撃により全六体が破砕された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 啓太の狙撃により全滅した。
特大型魔物
翼を広げると100メートルを超える鳥型の超大型魔物となる。風を操り広範囲の魔力砲撃を放つ。
・所属組織、地位や役職 最上級魔物(神獣・幻獣)。
・物語内での具体的な行動や成果 戦場へ飛来して啓太の御影型と空中戦を展開した。爪と嘴で迫るも御影型の自爆に巻き込まれ消滅する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 人類史上初めて討伐された特大型個体となった。
グリフォン
空を飛ぶ中型の魔物となる。
・所属組織、地位や役職 飛行型魔物。
・物語内での具体的な行動や成果 過去に第四師団を苦しめた。教導大隊により多数が撃墜された。魔族の乗り物として利用される。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 対空戦力の向上により撃破された。
共生派
魔族や悪魔と連携する人間の組織となる。
・所属組織、地位や役職 人間側の異端組織。
・物語内での具体的な行動や成果 人間社会の内部情報や動向を魔族側へ提供した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 魔族側の便宜のために利用される。

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展開まとめ
プロローグ
ベトナム軍の北征計画
川上啓太を擁する教導大隊が空を飛ぶ中型魔物グリオンを多数撃破したことで、ベトナムへ派遣されていた第四師団は制空面での負担を軽減され、国境防衛に余裕を取り戻していた。日本軍の活躍は現地住民から高く評価された一方、自国の軍や貴族が戦っていないという批判を強める結果にもなった。
ベトナム帝国の四将軍の一人グエン・リュウ・インは、このまま日本軍へ依存すれば貴族制度そのものが揺らぐと危惧していた。その背景には、中華連邦が反貴族感情を煽り、ベトナム国内を分裂させようとしている事情もあった。
グエンは中華連邦から約千機の神槍と物資を受け取り、旧中華連邦領へ進軍して魔族支配下の人々を解放し、武功を示す計画を立てた。最終的には湖南省長沙市付近まで進み、解放した土地や住民を中華連邦へ引き渡す約定まで結んでいた。
統括本部長の浅香涼子は、補給や占領地維持の困難さ、魔族が焦土作戦や包囲を行う危険を指摘した。しかしグエンに作戦を撤回する意思はなく、浅香と第四師団長の伊佐木源心は、ベトナム軍の敗退を前提にその後の対応を考え始めた。
一章 国境沿いの戦い
六万の北征軍
一月三日、グエンは六万のベトナム帝国軍を率いて旧中華連邦領へ進軍した。中核戦力は中華連邦から貸与された約千機の神槍であり、グエンは質の不足を数で補えると考えていた。
しかし魔族側は焦土作戦ではなく、三万を超える魔物による待ち伏せを選択していた。森林や河川に潜んでいた魔物に半包囲されたベトナム軍は、開戦と同時に大型魔物の魔力砲撃を受けた。
砲兵、機甲部隊が次々と消滅し、神槍部隊も大型へ接近する前に中型の砲撃で撃破された。わずか十分ほどで千機近い神槍は司令部周辺を除いてほぼ失われ、討ち取れた中型魔物は数十体にとどまった。
グエンの殿
敗北を悟ったグエンは、ただ全滅するのではなく、生き残った兵やベトナム国民を守るため撤退を決断した。
参謀長は、魔物が攻撃してきた相手を優先して追う傾向を利用し、殿部隊が中華連邦方面へ撤退しながら攻撃を続け、魔物の大半をそちらへ誘導する策を提案した。ベトナムへ逃げれば追撃する魔物を祖国へ連れ込むことになるため、自分たちを犠牲にしてでも敵の数を減らす選択であった。
グエンはそれを受け入れ、自ら殿の指揮を執った。森林での罠やゲリラ戦によって追撃部隊へ損害を与えながら広東省方面へ誘導したものの、最後は平野で魔物の群れと衝突し、部隊とともに戦死した。
六万の軍勢のうち生き残ったのは補給部隊など七千弱であり、ベトナム北征軍は事実上壊滅した。しかしグエンたちの最期の行動によって、追撃する魔物の多くはベトナムではなく広東省方面へ進んだ。
二章 攻勢か防衛か
迫る魔物の群れ
ベトナム軍壊滅の報告を受けた第四師団は、小型約一万、中型約三百、大型六体が接近していると把握した。
伊佐木は事前にベトナム軍の失敗を想定し、対処案を準備していた。一つは部隊や民間人を囮にして魔物を多方向へ引き伸ばし、各個撃破する攻勢的迎撃であった。しかし土地勘、情報、機動力、火力、練度、補給能力の不足した遠征軍には危険が大きく、民間人や敗残兵にも甚大な犠牲が出る策であった。
もう一つは、現在の基地へ敵を引き付け、防衛設備と砲撃戦力を最大限利用して迎撃する防衛的迎撃であった。逃げ道を失い、大型の砲撃を受ける危険はあるものの、敵の位置を把握しながら戦える利点があった。
問題は大型六体であった。基地の防御力でも大型の砲撃には耐えられず、大型を護衛する中型がいるため従来の接近戦も難しかった。
そこで伊佐木は、大型を確実に倒せる戦力として川上啓太と教導大隊、第一師団が持ち込んだ草薙型砲戦仕様を投入することにした。浅香も最終的に防衛戦を認め、現地で敵を迎え撃つ方針が決まった。
三章 教導大隊、初陣
大型六体の分担
グリオン狩りを通じ、五十谷翔子、久我静香、田口那奈ら教導大隊の面々は実戦で行動できるまでに成長していた。橋本夏希と綾瀬茉莉も強化外骨格で中型を倒した実績を持ち、啓太に至っては単機で一個大隊に相当する戦力と見なされていた。
作戦では大型六体を最優先で撃破することになった。啓太が二体、五十谷が一体、久我と田口で一体、第一師団の砲戦仕様が二体を受け持った。
さらに啓太には最初に攻撃し、敵の反撃を自分へ誘導する役割が与えられた。大型からの攻撃を回避した実績を持つ者が啓太しかいなかったためである。
啓太は成功を断言せず、初撃ならば失敗しても防御できる可能性があるとして任務を受け入れた。砲戦仕様など他の部隊が大型の撃破に失敗した場合は、生き残った大型も啓太が処理する計画となった。
やがて魔物の群れが基地へ接近し、第四師団による砲撃が始まった。
四章 予定された通りに行われる防衛戦
啓太の狙撃
第四師団は中型と小型へ砲撃を続けながら、大型を予定地点まで誘い込んだ。
啓太は大型が魔力砲撃の準備に入った瞬間を狙った。御影型を跳躍させて高度を取り、二門の砲を同時に使用し、二十五メートル級のカマキリ型大型魔物の頭部と胴体を一撃で吹き飛ばした。
反撃の魔力砲撃が放たれたが、遠距離から固定地点を狙う魔物の攻撃は、空中で位置を変え続ける御影型を捉えられなかった。
啓太は続けて同じ二十五メートル級の熊型を撃破した。その後も他の機士が担当する大型へ援護射撃を行い、短時間で大型四体と複数の中型へ損害を与えた。
三体の魔族
戦いが人類側の想定以上に順調に進んだ直後、三体のグリフォンが上空へ現れた。
その背には三人の女性型魔族が乗っており、彼女たちが姿を見せた途端、魔物たちは一斉に動きを止めて頭を垂れた。伊佐木たちが最も警戒していた魔族の参戦であった。
啓太は魔族の出現によって動きを止めた魔物を好機と見なし、攻撃を継続した。大型の残存個体を撃破し、中型や小型へも榴弾を撃ち込んだ。
その結果大型は全滅したが、魔族三体が残っている以上、戦況が有利になったとは考えなかった。
五章 必要に駆られて発生した遅滞戦
啓太の殿
啓太は、砲撃しかできない教導大隊の機体では三体の魔族に対抗できないと判断し、仲間たちへ八房型に乗り換えて撤退するよう命じた。
当初の作戦目的であった大型撃破は達成していた。残る教導大隊が基地へ戻り、第四師団と合流して魔物本隊を挟撃できれば、魔族側も戦略目標を失って撤退する可能性があった。
啓太は自分一人で三体の魔族を引き付け、その間に仲間を退かせることにした。それは死ぬためではなく、生き延びる可能性を作るための選択であった。
啓太は魔族との距離を維持しながら砲撃を繰り返した。遠距離では魔族側も攻撃を当てにくく、啓太も彼女たちへ砲弾を命中させられなかったため、膠着状態となった。
魔族の狙い
時間を稼ぎながら敵を観察した啓太は、三体の魔族が積極的に攻撃してこないことへ違和感を抱いた。
さらに彼女たちは、ベトナムへ来ることが公表されていなかった啓太を最初から英雄と呼び、これまで人前に出していなかった御影型まで啓太の機体だと認識していた。
そこから啓太は、魔族が以前から自分の行動を把握しており、今回の目的が英雄と新型機の性能調査ではないかと推測した。自分が疲弊するまで観察し、十分な情報を得た段階で止めを刺すつもりだと考えたのである。
啓太は敵へ見せる情報を絞りつつ時間を稼ぎ、最後の手段として御影型の自爆も想定した。ただし自爆後に自分が生き残れなければ意味がないため、味方の援軍が期待できる段階までは使用しない方針を立てた。
その直後、戦場へ巨大な鳥型の特大型魔物が出現した。
六章 予想外のことはあったものの、予定通り行われる防衛戦
第四師団の防衛戦
啓太が魔族を引き付けている間、第四師団は基地へ殺到する中型と小型を迎撃していた。
大型がすでに教導大隊によって撃破されていたため、基地を一撃で吹き飛ばされる危険はなくなっていた。さらに第一師団が持ち込んだ装備なども機能し、第四師団は予想より少ない損害で防衛戦を継続した。
基地へ戻った教導大隊も戦線へ加わり、第四師団とともに魔物の本隊へ攻撃を加えた。大型を失った魔物側は火力面で不利となり、次第に数を減らしていった。
戦闘が進むにつれて敵本隊は壊滅的な損害を受け、人類側は当初予定していた籠城と挟撃をほぼ成功させた。
しかし啓太は三体の魔族を引き付けたままであり、教導大隊と第四師団は戦闘終了後、補給を済ませて啓太を救援するため北上することにした。
その矢先、啓太が戦っている方角から巨大な爆発が観測された。
七章 決戦兵器同士の最終決戦
特大型との空中戦
啓太の前に現れた特大型は、巨大な鷲を思わせる鳥型の魔物であった。
高い機動力を持つため通常の遠距離狙撃を容易に回避し、自ら風を操ることで射撃へ干渉する能力も持っていた。さらに魔力砲撃も使用でき、御影型にとって相性の悪い敵であった。
啓太は砲撃と機動を繰り返しながら戦い、敵の能力を観察した。まともな撃ち合いでは勝てないと判断すると、最終的には御影型そのものを武器として使うことを選んだ。
特大型を自爆へ巻き込める位置まで誘導し、啓太は機体を脱出した。そして御影型に搭載された自爆装置と保有する弾薬をまとめて起爆した。
巨大な爆発によって御影型は完全に失われたが、特大型も爆発へ巻き込まれ撃破された。
啓太自身は大型魔物の素材から作られた盾を利用して爆風を防いだものの、その衝撃で意識を失った。
魔族の撤退
一連の戦闘を観察していた魔族ロウラン、マルファ、トアは、啓太が特大型を倒したことを確認した。
彼女たちは啓太をその場で殺さなかった。特大型を倒したことで啓太の存在強度がさらに増し、小型や中型の魔物が自発的に彼へ近づく可能性は低いと判断したうえ、人類軍が回収するだろうとして撤退した。
彼女たちの目的は啓太を必ず殺すことではなく、英雄と御影型の戦闘能力に関する情報を持ち帰ることにあった。
帰還した三人は、得られた戦闘記録を上位者たちへ報告することになった。そこでは啓太が予想より早く特大型を倒すほど成長していることも、重要な情報として扱われた。
八章 戦後の始末
啓太の救出
爆発地点へ到着した教導大隊と第四師団は、巨大なクレーターと御影型の残骸を見つけ、一度は啓太の生存を絶望視した。
しかしクレーターから離れた場所に盾の残骸があり、その陰で気絶している啓太を発見した。重傷に見える外傷はなく、啓太は無事に回収された。
戦場には大型、中型、小型の魔物の死骸が多数残されていたが、三体の魔族の姿はなかった。特大型を失ったにもかかわらず、なぜ啓太を殺さず撤退したのか、人類側には理解できなかった。
防衛戦そのものは日本とベトナム側の勝利となり、ベトナムへ向かっていた大規模な魔物の脅威も排除された。
教導大隊の学生たちは式典にも参加することとなったが、啓太は療養中という名目で欠席を許された。自爆による負傷も全身の打撲や捻挫程度で済んでいた。
九章 リザルト的なお話
失われた御影型
啓太による特大型撃破は、人類にとって極めて大きな成果であった。
しかし浅香と伊佐木は、戦果よりも御影型を喪失した影響を問題視した。啓太が特大型を倒せる戦力を持つ英雄であっても、乗る機体がなければその力を十分には発揮できないためである。
最上重工業が啓太用の新型機を一から製造するには、最短でも半年ほど必要だった。五十谷が成果を出した試作三号機を取り上げることもできず、御影型の予備機も軍へ渡っていたため、当面の啓太には以前使用した量産型などしか選択肢がなかった。
冬の間は魔物の活動が低下するものの、例年なら四月には大規模な活動が再開する。一方で新型機完成はそれより遅く、日本国内の各師団もこれまでの戦闘や遠征で消耗していた。
浅香と伊佐木は、他の師団を含めた戦力配置を調整し、啓太の新たな機体が完成するまでの空白を埋める必要に迫られた。
また今回の遠征では、現場で命を懸けた啓太や学生たちと、戦場を前にして十分な働きを見せられなかった第一師団上層部との差も明確となった。帰国後、浅香らは遠征を命じた上位者から、その点について改めて追及されることになった。
エピローグ
優菜の新たな武装計画
日本では川上優菜が、ベトナムへ送り出した啓太の帰還を待っていた。
優菜はクリスマスや年末年始を啓太と過ごす予定を立てていたものの、啓太が突然ベトナム遠征へ参加することになったため、それらの予定を諦めて笑顔で送り出していた。
しかし帰還後、啓太が特大型との戦いで御影型を自爆させ、負傷したと聞いて衝撃を受けた。負傷そのものは全治二日程度であったが、いつも無茶をして帰ってくる啓太が怪我をしたという事実を優菜は重大視した。
そして原因を魔族側に求めた優菜は、次に同じ敵と戦った際に啓太が勝てるよう、自ら新たな武器を考えることを決意した。
研究側から戦闘データを受け取り、啓太の次の機体へ搭載する武装を自分で設計すればよいと考えたのである。
御影型を失ったことで日本側は大きな戦力空白を抱える一方、啓太の周囲ではすでに、その次の戦いへ向けた準備が始まりつつあった。
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