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ありふれた職業で世界最強

小説「ありふれた職業で世界最強 5」感想・ネタバレ

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ありふれた職業で世界最強 5の表紙画像(レビュー記事導入用) ありふれた職業で世界最強

ありふれた4レビュー
まとめ
ありふれた6レビュー

Table of Contents

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  1. 物語の概要
    1. ■ 作品概要
      1. 主要登場人物
  2. 読んだ本のタイトル
  3. あらすじ・内容
  4. 感想
          1. グリューエン大火山。今度の敵は暑さとマグマと魔人族
          2. マグマの中で銃火器をぶっ放す男
          3. フリード登場で、本当にハジメが死にそうになる
          4. 香織は「守られる幼馴染」から抜け出そうとしている
          5. そして突然現れる人面魚
          6. ミュウとの別れは、思っていた以上に切なかった
          7. ハジメは少しずつ「守る側」になっている
          8. ユエの日記。正妻の愛が重い
          9. 教会との対立もいよいよ本格化してきた
          10. まとめ|火山と海底迷宮より、仲間たちの変化が印象に残った
  5. 考察・解説
    1. ストーリー・プロット
        1. 第1幕:大砂漠の横断とビィズとの遭遇
        2. 第2幕:アンカジ公国での救済活動
        3. 第3幕:オアシスの元凶排除
        4. 第4幕:グリューエン大火山の攻略
        5. 第5幕:魔人族フリードとの死闘
        6. 第6幕:脱出と分断、新たなる旅立ち
      1. 主要な転換点
      2. 主人公を中心とした人物関係の変化
      3. 主人公の認識と周囲の評価
      4. クライマックス
      5. 巻末時点の状況
    2. 大火山の攻略
        1. 攻略の目的と背景
        2. 火山の外観と侵入
        3. 迷宮の構造と試練のコンセプト
        4. 最終試練とマグマ蛇の討伐
        5. 魔人族フリードの強襲と戦闘
        6. 神代魔法の修得と脱出
        7. まとめ
    3. アンカジの救済
        1. 事件の発端と未曾有の危機
        2. 応急処置と代替水源の構築
        3. 元凶の殲滅と特効薬の確保
        4. 再生魔法による完全復元と決着
        5. まとめ
    4. 海底遺跡の探索
        1. 探索の前提と到達
        2. 船の墓場と歴史の悲劇
        3. 豪華客船での怪異と香織の覚醒
        4. 太古の怪物との死闘
        5. 神代魔法の獲得と解放者の遺志
        6. まとめ
    5. 神代魔法の習得
        1. 空間魔法(空間操作)
        2. 再生魔法(絶象)
        3. 第5巻時点における神代魔法の習得状況
        4. 物語上の意義と解放者の思想
        5. まとめ
    6. 家族との絆
        1. ハジメとミュウにおける種族を超えた親子の絆
        2. アンカジ領主一家における血縁と民への情愛
        3. 一行内部で育まれる疑似家族と姉妹の絆
        4. まとめ
  6. 登場キャラクター
    1. 日本からの召喚者(生徒・教師)
      1. 南雲ハジメ
      2. 白崎香織
      3. 八重樫雫
      4. 園部優花
      5. 宮崎奈々
      6. 菅原妙子
      7. 玉井淳史
      8. 相川昇
      9. 畑山愛子
      10. 天之河光輝
      11. 愛ちゃん護衛隊
      12. 勇者パーティー
      13. 居残り組
    2. ハイリヒ王国・王宮・聖教教会
      1. リリアーナ・S・ハイリヒ
      2. メルド・ロギンス
      3. デビッド
      4. ニア
      5. フォルビン司教
      6. サルゼ
      7. イシュタル
      8. エヒト
      9. 神殿騎士団
      10. ハイリヒ王国駐在部隊
    3. 吸血鬼族
      1. ユエ
    4. 兎人族(ハウリア族)
      1. シア・ハウリア
    5. 竜人族(クラルス族)
      1. ティオ・クラルス
    6. 海人族
      1. ミュウ
      2. レミア
      3. 海人族の自警団
    7. アンカジ公国
      1. ビィズ・フォウワード・ゼンゲン
      2. ランズィ・フォウワード・ゼンゲン
      3. アイリー・フォウワード・ゼンゲン
      4. 香織様にご奉仕し隊
    8. エリセン
      1. レミアさんとミュウちゃんを温かく見守る会
    9. 魔人族(ガーランド王国)
      1. フリード・バグアー
      2. ミハイル
      3. カトレア
      4. レイス
    10. 解放者(神代の反逆者)
      1. ナイズ・グリューエン
      2. メイル・メルジーネ
      3. オスカー・オルクス
      4. ミレディ・ライセン
    11. 歴史の人物(幻影)
      1. アレイスト王
    12. その他
      1. リーマン(人面魚「リーさん」)
      2. 修道女
  7. 展開まとめ
    1. プロローグ
    2. 第一章  グリューエン大火山
    3. 第二章  メルジーネ海底遺跡
    4. 第三章  新たな誓い
    5. エピローグ
    6. 番外編  晴れ時々、局所的雷龍
  8. 同シリーズ
  9. その他フィクション
  10. 備忘録
    1. プロローグ
    2. 第一章  グリューエン大火山
    3. 第二章  メルジーネ海底遺跡
    4. 第三章  新たな誓い
    5. エピローグ
    6. 番外編  晴れ時々、局所的雷龍

物語の概要

■ 作品概要

南雲ハジメ一行はウルの町を離れ、魔力駆動四輪「ブリーゼ」でグリューエン大砂漠を横断中、アンカジ公国の領主代理ビィズを救出した。これにより、同国が原因不明の毒素による「魔力暴走」で滅亡の危機にあることが判明する。
一行はアンカジへ急行し、ユエによる地形改変と貯水、香織による応急処置、ハジメによる汚染源「オアシスバチュラム」の排除を完遂した。根本的治療に必要な大量の「静因石」確保と神代魔法修得のため、一行はグリューエン大火山へ突入。
最深部にて試練を突破するも、待ち伏せていた魔人族の将フリード・バグアーの強襲を受け、ハジメが重傷を負う。激闘の末、ティオの「竜化」等によりフリードを退けるが、要石の破壊により大噴火が発生。
一行は潜水艇で地下マグマ道へ流されたハジメ・ユエ・シア組と、静因石をアンカジへ運搬するティオ・香織・ミュウ組に物理的に分断され、それぞれが次なる目的地エリセンを目指す状況となった。

主要登場人物

南雲ハジメ

  • 立場:錬成師。一行のリーダー。
  • 関係:ユエの恋人。香織の元同級生。
  • 行動・役割:アンカジの汚染源を排除後、大火山攻略を指揮。フリードの不意打ちにより義手を含め全身に深手を負うが、限界突破を発動し戦線を維持した。
  • 変化:死地での共闘を通じ、ティオを「変態」から「生死を託せる戦友」へと認識を改めた。

ユエ

  • 立場:吸血鬼の姫。
  • 関係:ハジメの恋人。
  • 行動・役割:神代魔法(重力魔法)を応用し、二百メートル四方の土地を圧壊・陥没させて巨大貯水池を構築。火山内では熱源を制御し、集団戦において殲滅能力を発揮した。

シア

  • 立場:兎人族(ハウリア)。
  • 関係:ハジメに好意を寄せる同行者。
  • 行動・役割:固有魔法「衝撃変換」を付与した新兵器「ドリュッケン」を運用。空中戦用のアーティファクトを駆使し、マグマの魔物を撃破した。

ティオ

  • 立場:竜人族。
  • 関係:ハジメに従属する同行者。
  • 行動・役割:大火山での窮地において、一族の秘匿事項である「竜化」を独断で解禁。黒竜としてフリードの白竜ウラノスを圧倒。噴火に際し、ハジメの依頼を受け静因石をアンカジへ運搬した。

白崎香織

  • 立場:治癒師。ハジメの元同級生。
  • 関係:ハジメを追って同行。ユエに対し対抗意識を持つ。
  • 行動・役割:アンカジにて上級回復魔法「廻聖」を多重行使し、数万人の患者から暴走魔力を抽出。医療支援を不眠不休で継続した。

ミュウ

  • 立場:海人族の幼女。
  • 関係:ハジメを「パパ」と呼び慕う。
  • 行動・役割:アンカジにて保護され、一行の精神的支柱となる。

フリード・バグアー

  • 立場:魔人族の将。「神の使徒」を自称。
  • 関係:ハジメを神の計画を阻むイレギュラーと見なし、抹殺を画策。
  • 行動・役割:白竜ウラノスと五十体の「灰竜」を率い、大火山最深部で待ち伏せを実行。神代魔法「界穿」による空間転移を用いてハジメを強襲した。

ランズィ・ゼンゲン

  • 立場:アンカジ公国の領主。
  • 関係:ハジメ一行への依頼主。
  • 行動・役割:国家存亡の危機に対し、ハジメの実利主義的な提案を承諾。政治的権限をもって一行の活動を全面的にバックアップした。

読んだ本のタイトル

ありふれた職業で世界最強 5
著者:白米良 氏
イラスト:たかやKi  氏
出版社:オーバーラップ
発売日:2016年12月25日
ISBN:978-4-86554-178-6

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あらすじ・内容

――そして少年は最強の敵と出会う。コミックス1巻、同時発売!

香織をパーティーに迎え、ミュウの故郷である【海上の町エリセン】を目的地に、グリューエン大砂漠をブリーゼでひた走るハジメたち。
道中、砂漠でサンドワームに襲われていたアンカジ公国のビィズを救出する。
聞くところによると、ビィズは原因不明の水質汚染で倒れた国民を救う手立てを探し、近隣諸国に救援を求めるために国を離れていたのだという。
原因不明の病気を直す鍵は“静因石”という鉱石。
その鉱石は七大迷宮のひとつである【グリューエン大火山】で採取できると言われていた。
攻略ついでに採取に向かったハジメだが、そこで思わぬ強敵の襲撃を受けてしまい……!? “最強”異世界ファンタジー、第5巻!

ありふれた職業で世界最強 5

感想

元(?)中二病罹患者の古傷を再発させて、そこへ粗塩を塗りたくったような作品。

やめて!

私のSAN値はもう0よ!

巨大火山を攻略し、魔人族と戦い、マグマに飲まれ、潜水艇で脱出。

さらに海底遺跡へ突入して、魚雷までぶっ放す。

相変わらずハジメの装備と戦い方が、私の古傷を正確に狙ってくる。

アニメで見たら羞恥で死ねる。

文章なら何とか……。

そんな『ありふれた職業で世界最強』5巻だが、今回はかなり重要な巻だったと感じた。

グリューエン大火山とメルジーネ海底遺跡。

二つの大迷宮を攻略するだけでも盛りだくさんなのに、香織の成長、ミュウとの別れ、教会との対立まで入ってくる。

戦闘の派手さ以上に、ハジメの周囲に「守りたいもの」が増えていることが印象に残った巻である。

グリューエン大火山。今度の敵は暑さとマグマと魔人族

ハジメたちは次なる大迷宮を目指して、グリューエン大砂漠を進んでいく。

しかし、その途中でアンカジ公国が危機に陥っていることを知る。

原因不明の病が広がり、住民たちが次々と倒れていた。

そこで必要になるのが、グリューエン大火山で採れる静因石である。

ここで面白かったのは、ハジメたちが完全に「困っている人を助ける勇者」になったわけではないところだ。

ハジメの最優先は、あくまで元の世界へ帰ること。

それでも、以前に比べると明らかに他人を助ける場面が増えている。

本人は合理的に動いているつもりでも、少しずつ昔のハジメが戻ってきているようにも感じられた。

マグマの中で銃火器をぶっ放す男

そしてグリューエン大火山の攻略が始まる。

マグマ。

巨大な魔物。

灼熱の環境。

大量の敵。

普通なら、それだけで絶望的な迷宮である。

だが、こちらにはハジメがいる。

ガトリングレールガン。

ミサイルランチャー。

改造されたドリュッケン。

もはや異世界ファンタジーなのか近代兵器無双なのか分からない。

そしてハジメは、

「自爆はロマンだ」

みたいな方向へ突き進んでいく。

やめてくれ。

その言葉は私にも効く。

中二病の古傷が疼く。

ただ、こういう「恥ずかしい。でもちょっと格好いい」が『ありふれた職業で世界最強』の魅力なのだと思う。

フリード登場で、本当にハジメが死にそうになる

今回の大火山攻略では、魔人族のフリードが直接ハジメたちの前に現れる。

ここはかなり緊張感があった。

これまでのハジメは、多少苦戦しても最後には圧倒することが多かった。

ところが今回は不意を突かれて重傷を負い、さらに火山そのものまで崩壊させられる。

さすがのハジメでも余裕がない。

それでもティオに脱出を任せ、自分はユエとシアと共に迷宮攻略を続ける。

ここで感じたのは、パーティーとしての信頼関係の強さである。

最初はユエと二人だけだった。

そこへシアが加わり、ティオが加わり、香織も追いかけてきた。

気がつけば、ハジメは自分一人ですべてを処理するのではなく、仲間に役割を任せるようになっている。

ハジメ自身の変化として、かなり印象的だった。

香織は「守られる幼馴染」から抜け出そうとしている

今回、特に印象に残ったのが香織である。

香織はハジメを追いかけてきた。

しかし、ユエたちはすでに死線を何度も越えている。

その中へ普通に入っていくだけでは、ハジメの隣には立てない。

メルジーネ海底遺跡では、そんな香織の弱さを突くような試練が続く。

ハジメと二人きりになり、精神的にも追い詰められていく。

それでも最後には、自分がなぜここまで来たのかを見つめ直す。

そして改めてハジメへの想いを伝える。

この流れが良かった。

香織は戦闘能力だけなら、ユエやシアたちに及ばない部分もある。

それでも、自分の意志でハジメの隣に立とうとしている。

ただの幼馴染ヒロインから、本当の意味でハジメの仲間になり始めた巻だったように感じた。

そして突然現れる人面魚

海底遺跡はかなりシリアスである。

香織は精神的に追い詰められる。

ハジメたちは巨大な魔物と戦う。

迷宮の過去や神々に関する話も出てくる。

かなり重要な展開である。

なのに。

リーさんが出てくる。

人面魚である。

ハードボイルドで渋い人面魚。

シリアスな空気の中に、突然人面魚を投入してくるのがこの作品らしい。

しかも普通に助けてくれる。

ハジメの交友関係が、

吸血鬼。

ウサギ。

変態ドラゴン(ドM)。

幼馴染。

幼女。

人面魚。

と、どんどん訳の分からない方向へ広がっている。

最初の頃は孤独な復讐者みたいな雰囲気だったのに。

どうしてこうなった。

ミュウとの別れは、思っていた以上に切なかった

そして個人的に一番印象に残ったのが、ミュウとの別れだった。

ハジメはミュウを母親のレミアのもとへ送り届ける。

目的は達成した。

だから、本来ならここで終わりである。

しかし、すっかり「パパ」になってしまったハジメにとって、簡単な別れではなくなっていた。

ミュウも、ハジメたちが旅立つことを何となく理解している。

だからこそ別れを切り出せないハジメの姿が印象的だった。

奈落では、生きるためなら何でもやる男になった。

敵なら容赦なく殺す。

巨大兵器を作る。

迷宮を破壊する。

魔人族にも喧嘩を売る。

そんな男が、

幼女との別れを切り出せない。

この落差がいい。

ミュウの、

「ずっとパパでいてくれる?」

という気持ちに対して、ハジメはきちんと向き合う。

そして再会を約束する。

ハジメが強くなったこと以上に、こういう変化の方が私は好きなのかもしれない。

ハジメは少しずつ「守る側」になっている

1巻のハジメは、すべてを失った人間だった。

生き残る。

日本へ帰る。

邪魔する者は排除する。

それだけでも不思議ではないほど追い詰められていた。

ところが旅を続けるうちに、ユエがいる。

シアがいる。

ティオがいる。

香織がいる。

そしてミュウまでいる。

いつの間にか、ハジメの周囲には大切な存在が増えている。

本人は相変わらず容赦がない。

敵に対する態度も変わらない。

それでも、守るべきものが増えたことで、最初とは違う強さになっているように感じた。

ただ強いだけではない。

失いたくないものがあるから戦う。

そんな方向へ少しずつ変化しているのが面白い。

ユエの日記。正妻の愛が重い

そして番外編の「ユエの日記」。

これも忘れてはいけない。

シアとティオがユエの日記を発見してしまう。

そこには当然のようにハジメへの愛が大量に書かれている。

やっぱり重い。

知っていた。

ユエがハジメ大好きなのは今さらなのだが、文章として残されていると破壊力が違う。

一方で、シアやティオへの想いも書かれている。

シアを妹分や友達として認め、ティオにも仲間としての信頼を寄せている。

ハジメだけではなく、ユエにとっても大切な人が増えているのだ。

ちょっといい話だな。

そう思ったところで日記を読んでいたことが本人にバレる。

そして雷龍。

ですよね。

やっぱり最後はそうなるよね。

教会との対立もいよいよ本格化してきた

迷宮攻略だけでも十分大変なのに、物語の裏側ではさらに危険な動きが進んでいる。

ハジメは教会から異端者として扱われ始める。

一方で、ハジメに救われたアンカジの人々は彼を守ろうとする。

ここが興味深かった。

神や教会が「正しい」とされる世界で、実際に自分たちを救ったのは誰なのか。

住民たちは自分の目で見たものを信じる。

これまで個人的な帰還を目指していたハジメが、本人の意思とは関係なく世界の宗教や政治を揺らす存在になり始めている。

さらに愛子先生まで不穏な状況に置かれている。

魔人族の大軍も動き始める。

嫌な予感しかしない。

まとめ|火山と海底迷宮より、仲間たちの変化が印象に残った

5巻はグリューエン大火山とメルジーネ海底遺跡という、二つの大迷宮を攻略する非常に濃い一冊だった。

フリードとの戦いではハジメすら追い詰められ、海底遺跡では香織の覚悟が試される。

そしてミュウとの別れでは、ハジメの人間らしい部分が強く描かれていた。

個人的には、迷宮攻略そのものよりも仲間たちの変化が印象に残った。

香織はハジメの隣に立つ覚悟を決める。

ユエはシアやティオを大切な仲間として認めている。

ハジメもまた、仲間を信頼して役割を任せるようになっている。

最初は奈落の底でユエと二人だった。

それが今では随分と賑やかになった。

吸血鬼。

ウサギ。

変態ドラゴン。

幼馴染。

幼女。

人面魚。

……賑やかになりすぎでは?

そして次はいよいよ教会との対立が本格化しそうである。

愛子先生も危ない。

魔人族の大軍も動いている。

世界そのものがハジメを放っておいてくれなくなってきた。

中二病の古傷は相変わらず痛い。

SAN値も回復する気配がない。

それでも続きを読んでしまう。

どうやら私の中二病は、まだ完治していないらしい。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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ありふれた4レビュー
まとめ
ありふれた6レビュー

考察・解説

ストーリー・プロット

第1幕:大砂漠の横断とビィズとの遭遇

【状況】  ウルの町を去り、ブリーゼでグリューエン大砂漠を横断。車内ではユエと香織の間でハジメを巡る緊張状態が継続している。

  • 原因:  砂嵐の中、不自然な旋回行動を見せるサンドワームの群れを観測。
  • 行動:  ブリーゼ内蔵型ロケット弾および対物ライフルによりサンドワームを殲滅。現場で倒れていたアンカジ公国領主の息子ビィズを収容する。
  • 結果:  ビィズの「浸透看破」による診断の結果、アンカジ公国が魔力の暴走を伴う毒素汚染に晒され、生存者が僅か数日の猶予しかない事実を把握する。
第2幕:アンカジ公国での救済活動

【状況】  アンカジ公国に到着。人口二十七万人の内、数万人が魔力暴走による血管破裂等の重篤な症状を呈していた。

  • 原因:  公国の生命線であるオアシスの水質汚染。
  • 行動:  ユエが神代魔法「壊劫」による重力圧壊で巨大貯水池を即座に作成し、上級水魔法で二十万トンの新鮮な水を供給。香織は魔力ドレイン魔法「廻聖」を効率化し、患者の体内から暴走魔力を強制排出する応急処置を広域展開する。
  • 結果:  領主ランズィの信頼を獲得し、短期間の生存環境を確保。汚染源の特定調査へ移行する。
第3幕:オアシスの元凶排除

【状況】  結界「真意の裁断」に反応しない汚染源の調査を実施。

  • 原因:  ハジメの「魔眼石」が、オアシス底部に潜伏し魔力を放射する物体を確認。
  • 行動:  試作型魚雷の複数投入による爆破実験を敢行。浮上した新種の魔物「オアシスバチュラム(巨大スライム型)」の核を精密射撃で破壊。
  • 結果:  バチュラムが魔人族の神代魔法による作成個体であると推測し、一連の事象が人為的な攻撃であることを断定。ハジメは警戒レベルを最大に引き上げた。
第4幕:グリューエン大火山の攻略

【状況】  数万人分の投与に要する大量の「静因石」採取と、新たな神代魔法修得を目的として大火山へ突入。

  • 原因:  火山内部の超高温環境(常時集中力低下を誘発)と、マグマを媒介とする魔物の波状攻撃。
  • 行動:  錬成した小舟によるマグマ激流の下降を選択し、攻略速度を優先。マグマコウモリ等の群勢を新兵器「メツェライ」「オルカン」で排除。
  • 結果:  最深部にて、百体のマグマ蛇を撃破する試練を完遂。神代魔法「空間魔法」を修得し、証のペンダントを確保した。
第5幕:魔人族フリードとの死闘

【状況】  試練終了直後の極限疲労状態において、天井部より白竜ウラノスを伴うフリードが急襲。

  • 原因:  灰竜五十体による一斉掃射。
  • 行動:  ハジメは「限界突破」を発動し、オルカンを盾に極光を逸らして致命傷を回避したが、盾としたオルカンは融解し消失。ティオは正体発覚の懸念を捨て「竜化」を実行し、白竜と拮抗する戦闘機動を展開した。
  • 結果:  負傷したハジメが至近距離からフリードの胸部を狙撃し、敵軍を敗走させる。しかし、フリードは撤退際に嫌がらせとして火山の制御を司る「要石」を破壊した。
第6幕:脱出と分断、新たなる旅立ち

【状況】  要石の消失により火山全体が崩壊を開始し、大噴火が誘発される。

  • 原因:  フリードによる脱出経路の遮断。
  • 行動:  ハジメはティオに静因石を託し、単独でのアンカジ運搬を命じる。自身とユエ、シアは潜水艇に搭乗。
  • 結果:  天井のショートカット門が閉鎖される直前にハジメはクロスビットを自爆させ、ティオの脱出を支援。自身らは地下マグマ道の激流に流される。ティオはアンカジを救済後、香織・ミュウを伴いエリセンへ。ハジメ一行は未知の海域へ到達した。

主要な転換点

  • 転換点1:ビィズの保護
  • それ以前の状況:  エリセンへ向けて砂漠を直行中。
  • 出来事:  砂漠で遭難し魔力暴走を起こしていた領主代理を救出。
  • 変化:  アンカジの壊滅的状況を知り、救済を「副次的任務」として受諾。
  • 次への影響:  拠点としてのアンカジ確保と、大火山攻略への動機付けとなった。
  • 転換点2:オアシスバチュラムの撃破
  • それ以前の状況:  オアシス汚染の根本原因が不明のまま、対症療法を継続。
  • 出来事:  魚雷攻撃によって潜伏中の魔物を特定・排除。
  • 変化:  魔人族による食料供給拠点(要所)への組織的破壊工作を察知。
  • 次への影響:  敵将フリードの潜伏を予見し、ハジメに迎撃態勢を敷かせた。
  • 転換点3:フリードによる要石の破壊
  • それ以前の状況:  大火山攻略を成功させ、帰還準備中。
  • 出来事:  敗走するフリードが火山の安定を担う要石を破壊。
  • 変化:  噴火による地形崩落が発生。正規の脱出路が消失し、一行は物理的に分断される。
  • 次への影響:  ハジメ一行が予期せぬ地下ルートからメルジーネ海底遺跡付近へ漂着し、次段階の探索が強制始動した。

主人公を中心とした人物関係の変化

  • ハジメ ⇔ ティオ
  • 開始時:  表面上は主従関係だが、ハジメからは主に変態扱いされ、真の信頼には至っていない。
  • 主な出来事:  ハジメの重傷に伴い、ティオが一族の掟(竜化の秘匿)を破り共闘。ハジメは静因石の運搬という最重要任務を「お前でなければ不可能だ」と託す。
  • 巻末時:  互いに生死を委ねる戦友としての信頼が確立。ティオはハジメを伴侶候補として明確に定義する。
  • ハジメ ⇔ 香織
  • 開始時:  告白を受諾し同行を許したが、ハジメの中には以前の「無能な自分」への認識が残り、距離感を測りかねていた。
  • 主な出来事:  アンカジでの役割分担。出発時の「いってらっしゃいのキス」。
  • 巻末時:  ハジメの生存を絶対視し、彼が不在の間も「パパの娘」であるミュウを守るという一行としての責任感を強める。

主人公の認識と周囲の評価

  • 主人公自身の認識:  日本帰還を最優先とし、世界の命運には興味がない。アンカジ救済も「香織の願い」「ミュウの安全確保」「ついでに神代魔法修得」という合理的、個人的動機に基づく取引と定義している。
  • 周囲からの評価:
  • アンカジ公国:  飲料水供給と疫病解決を短期間で成し遂げた「救世主」「神の使徒」として最大級の崇敬を受ける。
  • フリード:  魔物の軍勢を四人で蹂躙し、空間魔法すら凌駕する実力を持つ「神の障害」「最大級の危険因子」と認識。
  • 認識の差が現れた場面:  ハジメが領主ランズィに対し、「この巨大な恩を忘れるな」と明白に恩に着せる言動をとった場面。周囲の民は「聖者としての謙虚さ」を期待していたため、ハジメの徹底した実利主義・対等取引の姿勢に当惑しつつも、その圧倒的な結果に屈服せざるを得なかった。

クライマックス

  • 発生原因:  最深部における百体のマグマ蛇討伐試練の終了。達成に伴う一時的な弛緩。
  • 当初の状況:  天井部よりフリードの白竜ウラノスによる不意打ちの極光攻撃が直撃。
  • ハジメの対応:  瞬時に「限界突破」を発動。損傷したオルカンを物理シールドとして活用し直撃を逸らすが、オルカンは熱量により融解・焼失。ハジメ自身も義手を含め重傷を負う。
  • 予定外の出来事:  フリードが神代魔法「界穿」を使用。視認不能な座標へ転移し、至近距離から追撃。
  • 危機と挽回:  絶体絶命の瞬間、ティオが「竜化」を実行。黒色ブレスにより白竜の機動を封じ、ハジメに攻撃機会を創出。
  • 決着:  限界状態のハジメが「瞬光」を併用し、フリードの懐へ突入。ドンナーの連射により障壁を破り、痛撃を与える。フリードは敗走を決意し、要石を破壊。
  • 直後の結果:  ハジメは残留していたクロスビット四機を自爆させ、フリードの追撃を遮断。ティオを地上へ脱出させ、自身らは潜水艇により地下マグマ道へ流出。

巻末時点の状況

  • ハジメ、ユエ、シア:  潜水艇により地下マグマ激流を漂流。潜水艇は大破に近い損傷を受けつつ、未知の海域(メルジーネ海底遺跡付近)へ漂着。
  • ティオ、香織、ミュウ:  ティオの飛行によりアンカジへ帰還し、「静因石」による国民救済を完遂。その後、ミュウを実母に会わせるため、空路でエリセンへ移動。
  • 解決した問題:  アンカジ公国の壊滅回避。魔力暴走用特効薬の確保。
  • 継続している問題:  パーティーの物理的分断。フリードの生存。ハジメの負傷治癒の停滞。
  • 今後につながる要素:  修得した「空間魔法」。潜水艇による海底遺跡到達の予感。王国側での八重樫雫らによる魔人族への対抗意識の向上。

大火山の攻略

アンカジ公国を襲う奇病の治療薬である静因石の確保、七大迷宮の試練と神代魔法の修得、そして強敵との激闘が交錯するグリューエン大火山攻略の経過を整理する。

攻略の目的と背景
  • アンカジ公国の危機
    オアシスの水源に魔力暴走を引き起こす毒物が混入され、住民が相次いで倒れる未曾有の事態が発生した。
  • 特効薬の探索
    体内の暴走魔力を鎮める唯一の薬となる静因石が大火山の深部に眠るため、ハジメ一行は大迷宮の攻略と鉱石の回収を兼ねて現地へ向かった。
火山の外観と侵入
  • 接近を阻む流動の砂壁
    直径約5km、標高約3,000mを誇る火山全体が巨大な砂嵐の壁で遮断されており、通常の手段では近づくことすら叶わない。
  • 装甲車両による突破
    冷暖房と重火器を備えた魔力駆動四輪ブリーゼを用い、地中の魔物を排除しながら砂嵐を一気に突き破って山頂の火口へ到達した。
迷宮の構造と試練のコンセプト
  • 灼熱の過酷な環境
    内部は空中にマグマの川が流れ、壁面から突発的に溶岩が噴き出す極めて危険な地形が広がる。
  • 試練の本質
    沸き立つ熱気によって集中力を削ぎ、劣悪な条件下での奇襲対処能力を試す点が創設者ナイズ・グリューエンの課した主題となる。
  • 静因石の採掘
    魔力を鎮めてマグマの流れを停滞させる性質に着目し、溶岩の流れが不自然に滞る深部を割り出して手付かずの鉱石を大量に採取した。
最終試練とマグマ蛇の討伐
  • 最深部の仕掛け
    マグマの海に浮かぶ中央の島にて、溶岩で形成された巨大なマグマ蛇が次々と出現した。
  • 討伐数の達成
    体内の核を破壊した数に応じて壁面の鉱石が点灯する仕組みの中、一行は討伐数を競いながら速やかに規定の100体近くを撃破した。
魔人族フリードの強襲と戦闘
  • 空中からの奇襲
    規定数達成の直前、上空から飛来した魔人族の将フリード・バグアーが放つ極大ブレスがハジメを直撃した。
  • 竜化による迎撃
    深手を負ったハジメを庇うため、ティオは掟を破って本来の竜化形態を解放し、敵の竜群を相手に奮戦した。
  • 地下要石の破砕
    追い詰められたフリードは、地下のマグマ溜まりを制御する要石を自ら破壊し、迷宮全体を崩壊させて逃走した。
神代魔法の修得と脱出
  • 治療薬の先行輸送
    崩壊が迫る中、ハジメは静因石を託したティオを天井の穴から先行させ、アンカジ公国への輸送を委ねた。
  • 空間魔法の獲得
    残る3人は中央の島にある隠れ家へ滑り込み、神代魔法である空間魔法と迷宮攻略の証を無事に手に入れた。
  • 潜水艇による生還
    耐熱・耐圧加工を施した潜水艇へ乗り込み、充満するマグマの激流を潜航して地下水脈から大海原へと脱出を遂げた。
まとめ

過酷な灼熱の迷宮と強敵の強襲を乗り越えた一行は、治療薬の確保と空間魔法の修得という双方の目的を果たし、次なる七大迷宮の攻略へ向けて歩みを進める結果となった。

アンカジの救済

魔人族の謀略によって未曾有の危機に瀕したアンカジ公国を、ハジメ一行が卓越した技術、魔法、そして大迷宮攻略の成果を駆使して救出する軌跡を整理する。都市壊滅の危機から完全復興に至る一連の流れを四つの局面に区分して記述する。

事件の発端と未曾有の危機

・原因不明の魔力暴走

アンカジ公国において、総人口27万人のうち数万人が突如として激しい高熱に倒れる事態が発生する。薬師による鑑定の結果、都市の命綱であるオアシスの水源に、体内の魔力を異常に活性化させて暴走を引き起こす毒素が混入している事実が判明する。

・背後に潜む元凶

事態の正体は、食料生産の拠点を破壊しようと目論む魔人族の手により、オアシスの水底へ送り込まれた粘液型魔物オアシスバチュラムの存在に起因する。

・救援要請者の保護

事態の打開を求めて砂漠へ脱出した領主代理のビィズ・フォウワード・ゼンゲンは力尽きて倒れるものの、ハジメ一行の装甲車両と香織が放つ上級回復魔法の処置によって一命を取り留める。

応急処置と代替水源の構築

・即席の巨大貯水池錬成

生活用水を断たれた都市を支援すべく、ユエが重力系の神代魔法を放って農業用地に縦横200メートル、深さ5メートルの広大な空洞を瞬時に掘削する。続いてハジメが錬成技術によって外壁を金属膜で補強し、堅牢な貯水設備を完成させる。

・膨大な清澄水の供給

ユエが水属性の上級魔法を連続して発動させ、約20万トンに及ぶ無害な真水を貯水池へ満水まで注ぎ込み、住民の渇きを未然に防ぐ。

・医療現場における延命処置

香織とシアは都市の医療施設へ赴き、患者の体内からあふれ出る過剰な魔力を抜き出して魔晶石へ封入しつつ、病状の悪化を食い止める処置を不眠不休で継続する。

元凶の殲滅と特効薬の確保

・汚染源の排除

ハジメは魔眼石を駆使してオアシスの深部に潜伏するオアシスバチュラムの姿を捕捉し、推進弾頭と拳銃による精密な遠隔狙撃で核を撃ち抜いて元凶を完全に駆逐する。

・グリューエン大火山攻略と鉱石確保

患者を根治する手段は、魔力の励起を沈静化させる特殊鉱石の静因石に限られる。一行は灼熱の七大迷宮へ乗り込み、溶岩蛇の群勢や魔人族将校の強襲を退けて深部から大量の鉱石を採掘する。先行して脱出したティオへ鉱石の輸送を委ね、都市の全患者へ投薬を行き渡らせて生命の危機を脱せしめる。

再生魔法による完全復元と決着

・水源と大地の一括浄化

大火山の試練を越えて生還した一行に対し、香織が新たに習得した神代魔法の再生魔法を展開する。自然浄化を待てば数年を要する汚染オアシスが瞬く間に清冽な水質を取り戻し、荒廃した土壌や農作物も元の状態へと蘇生する。

・民衆と領主の決起

復興の直後、聖教教会の司教が率いる神殿騎士団が姿を現し、ハジメを神敵の異端者として拘束しようと圧力をかける。しかし領主ランズィは教会の要求を毅然と退け、救命の恩義を抱く民衆も一斉に投石を行って威圧したため、教会側は撤退を強いられる。

まとめ

アンカジ公国の救出劇は、ハジメ一行が孤立無援の他者へ手を差し伸べた選択が結実した重大な転換点となる。国家や教会の枠組みを超えた強固な信頼関係を築き上げ、一行の足跡は各地の民衆を巻き込む大きな潮流となって次の旅路へと連なる。

海底遺跡の探索

大海原の深海に隠された七大迷宮メルジーネ海底遺跡への挑戦は、グリューエン大火山の攻略で手に入れた手がかりを起点に展開していく。狂信の歴史を追体験させる精神的な試練、未知の怪異との戦闘、そして新たな神代魔法の獲得に至る一連の過程を以下に整理する。

探索の前提と到達

・到達の鍵

海上の町エリセンから西北西へ約300km離れた海域に位置する。昼間の探索では発見できないが、大火山で入手したランタンを掲げる女性像のペンダントに夜の月光を蓄えさせることで、海底の入り口を一筋の光線が指し示す。

・潜水艇による水中航行

流線型のアーティファクトである潜水艇に乗り込み、暗黒の深海へと潜航して開いた大岩壁の裂け目から進入を果たす。

・五芒星の紋章の解封

激流が渦巻く円環状の海底洞窟内において、5箇所に刻まれたメルジーネの紋章へペンダントの光を順次照射し、遺跡内部へと続く縦穴を開放する。

船の墓場と歴史の悲劇

・大空間と朽ちた船群

縦穴を抜けた先には海水が遮断された半球状の巨大な空洞があり、数百隻に及ぶ大型帆船が横たわる船の墓場が広がる。

・過去の宗教戦争の幻影

空間の歪みとともに、かつて繰り広げられた二国間の凄惨な宗教戦争の光景が再現される。実体を持たない幻影の兵士は通常の弾丸をすり抜けるが、魔力を帯びた攻撃に対しては有効打を受ける。

・香織による最上級魔法の発動

凶暴化して迫る狂信者の群れに対し、白崎香織が広域に及ぶ光属性最上級回復魔法の聖典を行使し、領域内の幻影を一斉に浄化して消滅へ導く。

豪華客船での怪異と香織の覚醒

・アレイスト王の裏切り

最奥に横たわる全長300m超の豪華客船内にて、かつて終戦の記念会合でアレイスト王が異教徒や亜人族を謀殺した惨劇が映し出される。神への盲従が生み出す狂気と悲哀を突きつける精神的な試練が立ちはだかる。

・香織の葛藤と亡霊の憑依

仲間との実力差や自身の無力さに苦悩していた香織は、船内の怪異と亡霊の襲来を受けて倒れ込む。香織の肉体を乗っ取った女の亡霊に対し、ハジメは屈することなく冷徹な気迫で圧力をかける。香織自身も内面で奮起して回復魔法の万天を展開し、亡霊を昇天させて強い覚悟を取り戻す。

太古の怪物との死闘

・魔力を溶かす無限再生体

遺跡の各所に潜む透明なゼリー状の巨大人型生物である悪食は、あらゆる魔力や物質を溶解する性質を持つ。体内には破壊すべき魔石が存在せず、散撃を与えても周囲の肉片を取り込んで瞬時に再生を遂げる。

・人面魚による救援

遺跡を脱出した直後、巨大化した悪食の急襲を受け窮地に陥った一行の前に、以前遭遇した人面魚が魚群を引き連れて現れ、防衛のための時間を稼ぎ出す。

・液状タール魚雷による完全燃焼

空間魔法の接続孔を組み込んだ大量の魚雷を撃ち込み、超高温で燃焼するフラム鉱石の液状タールを悪食の体内へ流し込み、内側からの大爆発によって燃やし尽くす。

神代魔法の獲得と解放者の遺志

・再生魔法の継承

最深部の神殿に佇む海人族の解放者メイル・メルジーネの思念体と対面し、神代魔法である再生魔法と踏破の証を受け取る。

・メイルの遺した戒め

神の意志に身を委ねず、与えられる状況に甘んじることなく、自らの強い意志で幸福を掴み取るよう促す言葉が託される。

・次なる大迷宮への道標

獲得した再生魔法は、東の果てに横たわるハルツィナ樹海の大迷宮へ足を踏み入れるための不可欠な鍵となる。

まとめ

メルジーネ海底遺跡の攻略は、深海特有の過酷な環境と過去の凄惨な記憶を乗り越える精神的な試練の場となった。一行は強敵を退けて再生魔法を掌中に収め、香織の覚醒と成長を遂げたことで、残る神代迷宮の踏破へ向けた陣容を一段と強固なものへ引き上げる結果となった。

神代魔法の習得

ハジメ一行は過酷な二つの七大迷宮を立て続けに踏破し、強大な神代魔法を手中に収める。物語の大きな転換点となる第5巻で獲得した二つの魔法の特性、試練の経過、そして一行に及ぼした影響について整理する。

空間魔法(空間操作)
  • 試練の場
    グリューエン大火山(創設者:ナイズ・グリューエン)
  • 習得の経緯
    沸き立つマグマと奇襲に晒される極限状態の中、100体のマグマ蛇を討伐する最終試練の最中に魔人族の将フリード・バグアーによる急襲を受ける。大火山の要石を破壊されて大噴火が引き起こされる窮地に陥るものの、ハジメ一行は最深部にある隠れ家へ滑り込み、刻まれた魔法陣から習得を果たす。
  • 特徴と用途
    空間そのものを歪曲させ、隔絶した地点同士を直接連結する能力を持つ。
    離れた二地点を瞬時に繋ぎ合わせる空間転移ゲートなどを行使できる。
    小型の空間接続孔を組み込んだ魚雷や銃弾を錬成するなど、ハジメが開発する兵器の戦術運用を飛躍的に拡張する要因となる。
再生魔法(絶象)
  • 試練の場
    メルジーネ海底遺跡(創設者:メイル・メルジーネ)
  • 習得の経緯
    深海における過酷な環境トラップ、過去の凄惨な宗教戦争の記憶を追体験させる精神的試練、そしてあらゆる魔力と物質を溶解する太古の怪物との死闘を乗り越え、最深部の神殿に佇むメイル・メルジーネの思念体より直接継承する。
  • 特徴と用途
    肉体や現象、環境を含むあらゆる対象を本来あるべき正常な状態へと引き戻す特性を持つ。
    魔人族の毒物で汚染され、自然回復には年単位を要するアンカジ公国のオアシスや農地、作物を、香織の行使により瞬時に完全蘇生させる。あわせてミュウの母レミアが負っていた脚の神経損傷も完治へ導く。
    東方に広がるハルツィナ樹海の大迷宮へ足を踏み入れるための必須条件として機能する。
第5巻時点における神代魔法の習得状況

第5巻の終結時点で、一行が保持する神代魔法は計4種に達する。

  • 生成魔法(オルクス大迷宮)
  • 重力魔法(ライセン大迷宮)
  • 空間魔法(グリューエン大火山)
  • 再生魔法(メルジーネ海底遺跡)
物語上の意義と解放者の思想
  • 香織の真価の発揮
    先行する仲間との圧倒的な実力差に苦悩していた白崎香織が、高い親和性を持つ再生魔法において突出した適性を発揮し、広域救済の中核として確固たる存在感を示す。
  • 解放者のメッセージ
    創設者メイル・メルジーネは、神に盲従せず、安易な恩恵に甘えることなく、自身の強い意志で前進を続けるよう促す言葉を残す。偽りの神が敷いた支配構造から脱却し、真の自由を勝ち取るための指針を改めて一行へ提示する。
まとめ

相次ぐ七大迷宮の攻略により、一行の戦力と継承した古代の力は一段と強固な域へ達する。神代魔法の獲得は単なる戦力増強にとどまらず、仲間たちの精神的な自立や、理不尽な世界の欺瞞に対抗するための確かな足がかりを形成する。

家族との絆

物語の第5巻において、家族との絆は情緒的な軸として多様な形で描かれる。血縁や種族の垣根を越えた情愛、故郷や民を背負う領主親子の奮闘、そして過酷な旅路を共にする仲間たちが築き上げた疑似家族的な信頼関係について、その実態を以下に整理する。

ハジメとミュウにおける種族を超えた親子の絆

・言葉と種族を超えた親子の関係

海人族の幼女ミュウはハジメを父と呼び慕い、ハジメも当初の戸惑いを経て慈しみ守る姿勢を貫く。二人の間に通う情愛は冷酷な生存原則の裏側にある温かな守護の意志を象徴し、周囲の目にも本物の親子のように映る。

・母レミアによる理解と受容

海上の町エリセンで実母レミアとの再会を果たした際、母は娘の命を救った一行へ深い感謝を捧げる。旅立ちの時期を察しながらも、別れの日まで父親の役目を続けてほしいと願い出、ハジメの存在を温かく受け入れる。

・世界を跨ぐ再会の誓約

旅立ちに際し、ハジメの故郷を見てみたいと願うミュウの純粋な想いを受け止め、すべての戦いに決着をつけた後に必ず迎えへ戻る約束を交わす。世界を越えてでも再び巡り合うという誓約は、ハジメの内面に新たな家族としての強固な絆を刻み込む。

アンカジ領主一家における血縁と民への情愛

・家族と領民を救うための決死の行動

アンカジ公国の領主代理を務めるビィズは、高熱に倒れた父ランズィや家族、そして苦境にあえぐ公国の民を救護すべく、自らの感染を顧みずに救援要請の奔走を果たす。

・苦難を乗り越える強い結束

ハジメ一行の介入によって水源の確保や特効薬の調達が完了すると、領主一家と領民は深い感謝を共有し、一丸となって都市の復興を推し進める。

一行内部で育まれる疑似家族と姉妹の絆

・互いを認め合う関係性の深化

初期には頼りなさを感じていた仲間に対しても、過酷な試練を経る中で芯の強さを認め、妹分や対等な友として守り抜く決意が日記などに記される。

・戦闘集団を超えた温かな信頼

数々の死線を乗り越えた一行は、単なる利害一致の戦闘集団にとどまらず、互いを慈しみ支え合う家族のような強固な結束を確立する。

まとめ

第5巻で描かれた絆の数々は、殺伐とした戦いが続く世界において登場人物たちの心を支える強固な防壁として機能する。種族の違いや凄惨な現実を乗り越えて結ばれた情愛は、一行が未来を切り開くための原動力となり、物語の情緒的な深みを一段と際立たせる。

ありふれた4レビュー
まとめ
ありふれた6レビュー

登場キャラクター

日本からの召喚者(生徒・教師)

南雲ハジメ

奈落から生還した錬成師の男子生徒。仲間を守る強い意志を持ち敵には容赦なく立ち向かう。ミュウから「パパ」と慕われる。

・所属組織、地位や役職
 日本からの召喚者。錬成師。「金」ランク冒険者。

・物語内での具体的な行動や成果
 ビィズの要請を受けてグリューエン大火山へ向かった。火山内で空間魔法を修得し特効薬の静因石を大量に回収した。メルジーネ海底遺跡で悪食を討伐して再生魔法を修得した。アンカジ公国で領主たちから強い感謝を受けた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 二つの七大迷宮を攻略して神代魔法を新たに修得した。聖教教会から異端者認定を受けた。アンカジの領主と民衆から英雄として支持された。

白崎香織

ハジメを深く想いパーティーへ同行する女子生徒。周囲への思いやりを持ち治癒魔法に長ける。自分の立場や役割に悩みつつ前を向く。

・所属組織、地位や役職
 日本からの召喚者。治癒師を務める。

・物語内での具体的な行動や成果
 アンカジ公国の医療院で患者たちの進行遅延処置を不休で行なった。海底遺跡で亡霊を浄化して再生魔法を修得した。再生魔法を行使してアンカジのオアシスを完全浄化させた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 再生魔法において高い適性を示した。アンカジの民衆から深い敬意と信頼を寄せられた。

八重樫雫

香織の親友であり剣術に秀でた女子生徒。苦労人として仲間を気遣い精神的な支えとなる。

・所属組織、地位や役職
 日本からの召喚者。剣士を務める。

・物語内での具体的な行動や成果
 王宮の訓練場でハジメから贈られた黒刀を振るい訓練を重ねた。愛子の失踪に不安を抱き状況の確認へ動いた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 実戦での人斬りに対する恐怖と葛藤を抱えつつ自分を鍛錬した。

園部優花

ハジメに救われた過去を持つ女子生徒。決意を胸に前へ進もうとする。

・所属組織、地位や役職
 日本からの召喚者。愛ちゃん護衛隊に属する。

・物語内での具体的な行動や成果
 愛子の失踪を受けて王宮内でデビッドたちの捜索を行なった。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 護衛隊の一員として愛子の安否を心配し行動した。

宮崎奈々

優花と共に動く女子生徒。

・所属組織、地位や役職
 日本からの召喚者。愛ちゃん護衛隊に属する。

・物語内での具体的な行動や成果
 王宮内で神殿騎士たちの行方を追った。優花と連絡を取り合い状況を共有した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 愛子の護衛役として周囲の異変を察知した。

菅原妙子

落ち着いた行動をとる女子生徒。

・所属組織、地位や役職
 日本からの召喚者。愛ちゃん護衛隊に属する。

・物語内での具体的な行動や成果
 王宮内でデビッドたちの捜索に協力した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 愛子の捜索に加わった。

玉井淳史

護衛隊の任務に就く男子生徒。

・所属組織、地位や役職
 日本からの召喚者。愛ちゃん護衛隊に属する。

・物語内での具体的な行動や成果
 愛子の身辺や騎士たちの行方を捜索した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 愛子の護衛として動いた。

相川昇

淳史と共に行動する男子生徒。

・所属組織、地位や役職
 日本からの召喚者。愛ちゃん護衛隊に属する。

・物語内での具体的な行動や成果
 王宮内の施設を回り情報収集にあたった。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 愛子の異変に際して捜索へ参加した。

畑山愛子

生徒を命懸けで守ろうとする女性教師。作農師の天職を持つ。

・所属組織、地位や役職
 日本からの召喚者。教諭を務める。天職は作農師。

・物語内での具体的な行動や成果
 神山の鋼鉄の塔の牢獄に監禁された。自傷して血で魔法陣を描き脱出を試みるも失敗した。修道女へ生徒たちの安否を問いかけた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 神の都合により「盤上から退場」させられ捕らわれの身となった。

天之河光輝

勇者として生徒たちを牽引する男子生徒。実戦での心の葛藤に直面する。

・所属組織、地位や役職
 日本からの召喚者。天職は勇者。

・物語内での具体的な行動や成果
 王宮で実戦に向けた訓練を繰り返した。人を殺す覚悟についての苦悩を抱えた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 実戦に対する精神的な問題から焦燥感を募らせた。

愛ちゃん護衛隊

愛子を敬愛し護衛する生徒たちの組織。

・所属組織、地位や役職
 生徒による愛子の護衛組織。

・物語内での具体的な行動や成果
 愛子の失踪と神殿騎士の不審な動きを察知して王宮内を捜索した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 愛子の危険を感じ取り独自に動いた。

勇者パーティー

光輝を中心に大迷宮攻略や訓練を進める部隊。

・所属組織、地位や役職
 生徒たちの主力戦闘部隊。

・物語内での具体的な行動や成果
 王宮で実戦へ向けた訓練に明け暮れた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 実戦における決断への迷いから進致を見出せずに苦しんだ。

居残り組

戦闘を避けて王宮に滞在する生徒たちの集団。

・所属組織、地位や役職
 非戦闘生徒グループ。

・物語内での具体的な行動や成果
 王宮内で過ごしながら焦りやストレスを深めた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 勇者たちの焦燥感の影響を受けた。

ハイリヒ王国・王宮・聖教教会

リリアーナ・S・ハイリヒ

王国の姫であり思慮深い性格を持つ少女。生徒たちの状況を気にかける。

・所属組織、地位や役職
 ハイリヒ王国王女。

・物語内での具体的な行動や成果
 訓練場で一人鍛錬する雫の元を訪れた。ハジメに異端者認定の話が出ている事実を雫へ伝えた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 王宮内の会議の様子を把握し雫に注意を促した。

メルド・ロギンス

騎士たちを率いる騎士団長。

・所属組織、地位や役職
 ハイリヒ王国騎士団長。

・物語内での具体的な行動や成果
 王都へ帰還し騎士たちの指揮をとった。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 オルクスでの激戦から生還して任にあたった。

デビッド

愛子の護衛を担当していた神殿騎士。

・所属組織、地位や役職
 神殿騎士専属護衛隊隊長。

・物語内での具体的な行動や成果
 愛子の失踪に伴い自身たちも王宮から姿を消した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 教会の命令を受けて動きを見せた。

ニア

ハイリヒ王国の兵士。

・所属組織、地位や役職
 ハイリヒ王国兵士。

・物語内での具体的な行動や成果
 王宮での警備や見回りを行なった。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 王宮の防衛にあたった。

フォルビン司教

アンカジ公国の聖教教会を仕切る司教。自尊心が高く教会の権威を誇示する。

・所属組織、地位や役職
 アンカジ公国聖教教会司教。

・物語内での具体的な行動や成果
 ハジメを異端者として捕縛するため神殿騎士百人を率いて現れた。領主ランズィや民衆から拒絶と投石を受けて激怒し退散した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 教会の権威を傘に着て異端者討伐を狙うも民衆の反発に阻まれた。

サルゼ

エリセンの治安維持を任される王国兵士。職務に忠実な対応を見せる。

・所属組織、地位や役職
 ハイリヒ王国駐在部隊隊長。

・物語内での具体的な行動や成果
 不審船で訪れたハジメたちを一時拘束しようとした。イルワの依頼書と身元を確認して不問に付した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ハジメの実力と事情を認めて協力を示した。

イシュタル

聖教教会の頂点に立つ教皇。

・所属組織、地位や役職
 聖教教会教皇。

・物語内での具体的な行動や成果
 ハジメを異端者認定する決定を下した。愛子が本山へ移動したと生徒たちへ説明した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 教会を主導してハジメへの排除方針を固めた。

エヒト

トータスで唯一神として君臨する存在。

・所属組織、地位や役職
 聖教教会の創生神。

・物語内での具体的な行動や成果
 愛子を盤上から退場させる神託を下した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 地上での歴史や出来事を操る存在として君臨する。

神殿騎士団

聖教教会に直属する武装組織。

・所属組織、地位や役職
 聖教教会の軍事組織。

・物語内での具体的な行動や成果
 フォルビン司教の指示でハジメを包囲した。アンカジの住民から投石を受けて後退した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 異端者討伐の部隊として動いた。

ハイリヒ王国駐在部隊

エリセンなどの要所に派遣されている王国の軍隊。

・所属組織、地位や役職
 ハイリヒ王国の駐留軍。

・物語内での具体的な行動や成果
 エリセンの港で警戒や治安維持にあたった。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 港の安全管理を担当した。

吸血鬼族

ユエ

ハジメの相棒であり吸血鬼族の姫。圧倒的な魔力と高い知識を持ちハジメを深く愛する。

・所属組織、地位や役職
 元吸血鬼族の王。ハジメのパートナー。

・物語内での具体的な行動や成果
 壊劫でアンカジに巨大貯水池を錬成した。大火山で空間魔法を修得した。海底遺跡で悪食との戦闘において魔法で行戦した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 空間魔法を修得して戦略の幅を広げた。

兎人族(ハウリア族)

シア・ハウリア

固有魔法未来視を持つ兎人族の少女。明るく前向きな性格でハジメに好意を寄せる。

・所属組織、地位や役職
 兎人族ハウリア族。ハジメの仲間。

・物語内での具体的な行動や成果
 大火山で新機能付きのドリュッケンを振るいマグマ牛を粉砕した。身体操作と特殊ブーツで空中戦を行なった。医療院で患者の移動を補助した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 衝撃変換を組み込んだ武器や空力ブーツで戦闘力を高めた。

竜人族(クラルス族)

ティオ・クラルス

竜人族の生き残りである黒髪の美女。ドMな性格を持ちつつ高い知識と忠誠心を見せる。

・所属組織、地位や役職
 竜人族クラルス族の姫。ハジメの仲間。

・物語内での具体的な行動や成果
 大火山で正体が知られるリスクを冒して竜化して参戦した。ハジメから静因石を託されて一人でアンカジへ先行して届けた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 一族の掟を超えてハジメたちを守る選択をした。痛覚変換の技能を覚醒させた。

海人族

ミュウ

ハジメに救われてパパと慕う海人族の幼女。無邪気で愛らしい言動で周囲を和ませる。

・所属組織、地位や役職
 海人族の子供。

・物語内での具体的な行動や成果
 アンカジやエリセンでハジメたちに同行した。母親レミアと二ヶ月ぶりに無事再会した。ハジメと再会の約束を交わした。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 母のもとへ戻りつつもハジメの娘としての絆を強めた。

レミア

ミュウの母親である海人族の女性。おっとりとした性格と強い母性を持つ。

・所属組織、地位や役職
 海人族の女性。

・物語内での具体的な行動や成果
 誘拐犯からミュウを取り戻そうとして両足の神経を傷負った。ミュウと再会し感涙した。香織の再生魔法で足の神経が完全治癒した。ハジメたちを自宅に招き入れた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 足の障害を克服して健康を取り戻した。ハジメへ深い感謝を捧げた。

海人族の自警団

エリセンの治安を守る海人族たちの組織。

・所属組織、地位や役職
 エリセンの警備組織。

・物語内での具体的な行動や成果
 ミュウ捜索のため海上を捜索していた。不審船に乗るハジメたちを誤解して襲いかかったが返り討ちにあった。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 誤解が解けた後にハジメたちをエリセンへ案内した。

アンカジ公国

ビィズ・フォウワード・ゼンゲン

アンカジ公国の領主代理を務める青年。責任感が強く民や家族を深く想う。

・所属組織、地位や役職
 アンカジ公国領主代理。

・物語内での具体的な行動や成果
 救援を求める道中で魔力暴走を起こして倒れた。香織の処置とハジメの保護で生還した。ハジメへ正式に救出依頼を提示した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 病から回復して公国の復興に奔走した。

ランズィ・フォウワード・ゼンゲン

アンカジ公国を治める領主。強い威厳と愛国心を備える。

・所属組織、地位や役職
 アンカジ公国領主。

・物語内での具体的な行動や成果
 病から回復した後にハジメたちの水作製やバチュラム討伐を目撃した。フォルビン司教の討伐要求を突っぱねハジメたちを擁護した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 教会の威光に屈せずハジメたちを救国の英雄として守り抜いた。

アイリー・フォウワード・ゼンゲン

ランズィの娘でありビィズの妹。

・所属組織、地位や役職
 アンカジ公国領主の娘。十四歳。

・物語内での具体的な行動や成果
 病から回復した後に館でミュウを可愛がり一緒に過ごした。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ミュウと親しく交流した。

香織様にご奉仕し隊

香織の献身的な治療に感銘を受けたアンカジの住民たち。

・所属組織、地位や役職
 アンカジの民衆グループ。

・物語内での具体的な行動や成果
 香織を擁護するために神殿騎士たちへ投石を行なった。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 香織への敬意を態度で示した。

エリセン

レミアさんとミュウちゃんを温かく見守る会

母娘を慕い見守るエリセンの住民たちの集まり。

・所属組織、地位や役職
 エリセンの住民コミュニティ。

・物語内での具体的な行動や成果
 ハジメがレミアの家に入った際に周囲で騒ぎ立てた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 母娘の再会や回復を暖かく見守った。

魔人族(ガーランド王国)

フリード・バグアー

魔人族の将であり神への強い信仰を抱く。カトレアの仇討ちと神代魔法修得を狙う。

・所属組織、地位や役職
 魔国ガーランドの将。神の使徒。

・物語内での具体的な行動や成果
 白竜や灰竜を率いてグリューエン大火山でハジメたちを奇襲した。要石を破壊して火山の大噴火を引き起こした。空間魔法で逃走した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 空間魔法を手にしハジメたちに重傷を負わせた。

ミハイル

フリードに仕える魔人族の部下。

・所属組織、地位や役職
 魔人族の戦士。

・物語内での具体的な行動や成果
 カトレアの訃報を聞き激しい憤怒を見せた。フリードから留守を託された。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 カトレアの復讐を誓い自国で牙を研いだ。

カトレア

オルクス大迷宮で戦死した女魔人族。

・所属組織、地位や役職
 魔人族の指揮官。

・物語内での具体的な行動や成果
 第5巻本編ではフリードやミハイルの回解において存在が語られた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 彼女の死がフリードたちの復讐の動機となった。

レイス

ウルの町での作戦を指揮していた魔人族。

・所属組織、地位や役職
 魔人族の幹部。

・物語内での具体的な行動や成果
 ウルの町の戦いで片腕を失い重傷を負って帰還した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 戦線復帰が困難な状態となった。

解放者(神代の反逆者)

ナイズ・グリューエン

グリューエン大火山の創設者である古代の錬成者。

・所属組織、地位や役職
 解放者。グリューエン大火山創設者。

・物語内での具体的な行動や成果
 隠れ家に空間魔法の魔法陣とメッセージを遺した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ハジメたちへ空間魔法を継承させた。

メイル・メルジーネ

メルジーネ海底遺跡を創設した海人族の解放者。

・所属組織、地位や役職
 解放者。メルジーネ海底遺跡創設者。

・物語内での具体的な行動や成果
 思念体として現れ神への依存を戒める言葉を告げた。再生魔法と証のコインを授けた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ハジメたちへ再生魔法を授けた。

オスカー・オルクス

オルクス大迷宮を創設した解放者。

・所属組織、地位や役職
 解放者。

・物語内での具体的な行動や成果
 生成魔法の手帳や知識を遺したことが語られた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ユエが日記を書き始めるきっかけを作った。

ミレディ・ライセン

ライセン大迷宮の創設者。

・所属組織、地位や役職
 解放者。

・物語内での具体的な行動や成果
 解放者たちの目的や神代魔法の収集について過去に語った事実が言及された。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ハジメたちの旅の指針を示した。

歴史の人物(幻影)

アレイスト王

過去の凄惨な宗教戦争で和平を裏切った人間族の王。

・所属組織、地位や役職
 過去の人間族の国王。

・物語内での具体的な行動や成果
 終戦パーティの壇上で異教徒や亜人族の滅絶を宣言した。仲間であった魔人族の代表を剣で刺殺した。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 神への盲信が引き起こした悲劇の象徴として海底遺跡の幻影に登場した。

その他

リーマン(人面魚「リーさん」)

フューレンで出会った人面魚の魔物。自称ハジメの友。

・所属組織、地位や役職
 海の魔物(人面魚)。

・物語内での具体的な行動や成果
 魚群を能力で操り悪食の襲撃からハジメたちを三分間稼いで護った。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ハジメが作戦を準備する時間を稼ぎ悪食討伐に貢献した。

修道女

神の意向を受けて愛子を拉致した使徒。無機質な冷酷さを持つ。

・所属組織、地位や役職
 神の使徒。聖教教会の修道女。

・物語内での具体的な行動や成果
 神山の塔の牢獄で愛子へ食事を運んだ。脱走を図った愛子を一撃で吹き飛ばした。テラスから下界を見下ろしハジメの来訪を待ち受けた。

・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 圧倒的な力で愛子を抑留しハジメの迎撃に備えた。

ありふれた4レビュー
まとめ
ありふれた6レビュー

展開まとめ

プロローグ

魔人族フリードの怒り

荘厳な王城を歩くフリードは、険しい表情と荒々しい足音で廊下を進んでいた。部下のミハイルからカトレアの死について問いただされ、フリードは彼女が任務から戻らぬことを確認させた。オルクス大迷宮で勇者に討たれたことが明かされると、ミハイルは深い悲しみと憤怒に襲われた。

失敗したウルの町の任務

フリードはさらに、ウルの町での作戦がイレギュラーな存在によって潰されたことを伝えた。六万の魔物による計画がたった四人の手により阻まれ、任務に就いていたレイスも片腕を失い重傷を負って帰還したと説明された。ミハイルは衝撃を隠せず、フリードの報告に怯えた様子を見せた。

フリードの新たなる決意

敵の強大さを改めて認識したフリードは、自らの力を強化するため大火山へ向かうことを宣言した。彼は神代魔法の新たな力を手に入れ、必ずや敵を討つという決意をミハイルに示し、留守を任せた。ミハイルもまた、カトレアの仇を討つべく戦いへの準備を誓った。

憎悪に燃えるフリードの決意

フリードは王国を出発する前に、神の使命を邪魔された憎悪を露わにし、まだ見ぬ敵に向けた怨嗟の言葉を残した。多くの魔物を従え、魔国ガーランドを後にしたフリード。彼の向かう先は奈落の化け物が潜む場所であった。勝利の行方を占うかのように、戦いの幕が上がろうとしていた。

第一章  グリューエン大火山

赤銅色の砂漠と魔力駆動四輪の旅

赤銅色の砂に覆われた【グリューエン大砂漠】を、ハジメとその仲間たちは魔力駆動四輪の乗り物「ブリーゼ」に乗り進んでいた。この過酷な環境でも、冷暖房と冷蔵庫が備わったブリーゼの中は快適であった。ミュウは以前、誘拐された際の砂漠横断を思い出し、ハジメへの感謝を表していた。

香織とユエの対抗心

車内で香織がハジメに親しげに接し、ユエに対して密かな対抗心を抱いていた。二人はハジメを巡って言い争いを繰り返し、無意識に火花を散らしていたが、ミュウに仲直りを促され、周囲から注意される場面もあった。

砂漠での奇襲とサンドワームとの戦闘

砂丘の陰からサンドワームが奇襲を仕掛けてきた。ブリーゼ内蔵のロケット弾やライフルでサンドワームを撃退したハジメは、香織の頬を赤くさせる場面を見つつも、仲間たちと協力して砂漠の危機を切り抜けた。

倒れていた青年との出会い

砂丘の向こうで倒れていた青年を発見した香織が治療にあたった。青年は魔力の過剰活性により苦しんでいたが、香織の上級回復魔法によって応急処置が施された。青年はアンカジ公国の領主代理、ビィズ・フォウワード・ゼンゲンであることが判明した。

アンカジ公国の危機と救援要請

ビィズはアンカジ公国が原因不明の病に苦しんでいることを告白した。住民が魔力暴走による高熱で倒れ、命の危険が迫っているという。ハジメに助けを求めるビィズの懇願を受け、ハジメたちは大火山で静因石を採取し、アンカジの危機を救うための旅を承諾した。

アンカジ公国への到着と静寂の都

ブリーゼを駆って辿り着いたアンカジ公国は、砂漠に浮かぶ美しい乳白色の都であった。しかし、病の影響で都全体が暗い雰囲気に包まれ、普段の活気が失われていた。ビィズの案内に従い、ハジメたちは領主の宮殿へ向かい、アンカジを救うための第一歩を踏み出した。

父との再会

ハジメ達はビィズと共に領主ランズィの執務室を訪ねた。ビィズが宮殿に戻ったことを驚くランズィであったが、宙に浮くクロスビットに乗っているビィズの様子を見て唖然とした。ビィズが歩行困難であったため、ハジメがクロスビットで彼を運ぶことを選んだ。事情説明を終えたビィズは、静因石の粉末と香織の回復魔法により、体調を回復した。

水の確保作戦

ハジメは水の確保のため、領主ランズィの案内で農業地帯へ向かった。ユエが神代の魔法「壊劫」により、二百メートル四方の巨大な貯水池を作り出した。さらに、ユエが「氾禍浪」による水の生成を行い、ハジメと共に貯水池を満たした。驚愕するランズィとその護衛たちの前で、彼らはオアシスの水問題に対する一時的な解決を示した。

オアシス調査と戦闘

ハジメ達はオアシスに向かい、そこで魔力を発する異常なスライム型魔物、オアシスバチュラムと遭遇した。バチュラムは周囲の水を触手として操り、攻撃を仕掛けた。ハジメ達は協力して応戦し、ハジメが精密な射撃でバチュラムの核を撃ち抜いて撃退に成功した。

領主ランズィへの推測と感謝

ハジメはバチュラムが魔人族の策略によるものである可能性を示唆した。この指摘により、ランズィはハジメ達の能力と知識に敬意を表し、国と民を代表して深々と礼を述べた。ハジメはその感謝の言葉を受け止めつつ、アンカジの住民たちに恩を売るかたちで感謝を要求した。

香織とユエの葛藤

香織とユエの関係が微妙に緊張し、香織はユエに対する対抗心を見せた。ミュウの無邪気な発言がさらに場を和ませ、医療院において香織とユエの和やかな「喧嘩」が続いたが、ハジメは二人を諌めつつ、次の行動に移った。

出発の準備

ハジメは香織に別れを告げ、ミュウを香織とランズィに託した。香織からの「いってらっしゃい」の言葉とともに、ハジメはアンカジでの安全確保の約束を残し、【グリューエン大火山】への出発を決意した。

グリューエン大火山への到着と巨大砂嵐

ハジメ達は【アンカジ公国】から北へ約百キロ進んだ地点にある【グリューエン大火山】に到着した。この火山は標高三千メートル、直径約五キロメートルの溶岩円頂丘で、巨大な渦巻く砂嵐に包まれていた。この砂嵐はまるで壁のように火山を覆っており、内部にはサンドワームやその他の魔物が潜んでいたため、突破は非常に困難であった。ハジメ達はブリーゼの加速力で砂嵐を突き抜けたが、サンドワームの奇襲を受けるもユエとティオの魔法でこれを撃退し、順調に進んだ。

砂嵐突破と山頂への登攀

砂嵐を抜けた後、ハジメ達は火山の山頂を目指した。道中、ブリーゼでは進行が困難な急な傾斜に差し掛かり、徒歩での登攀を開始した。山頂はさまざまな形状の岩石が乱立し、奇妙な光景が広がっていた。彼らは、アーチ状の巨大な岩の下に【グリューエン大火山】内部への階段を発見し、大迷宮への挑戦を決意した。

大迷宮内部の異様な構造と熱気

火山内部には、宙に浮くマグマの川や、突然の噴出による天然の罠が張り巡らされており、攻略者は常にマグマに警戒しなければならなかった。内部はまるでサウナのように蒸し暑く、ハジメ達は暑さと奇襲を警戒しながら進んだ。道中、冒険者の採掘跡と小さな静因石を発見したが、表層の収穫量は少なく、深部へ進む必要があることを確認した。

マグマ牛との遭遇と撃破

階層を進むうち、ハジメ達はマグマを纏う巨大な牛型の魔物と遭遇した。ユエは重力魔法で防御しつつ火炎を跳ね返したが、火属性の攻撃はほとんど効かなかった。そこでシアが新たな機能を搭載したドリュッケンで突進、強力な一撃でマグマ牛の頭部を粉砕し、魔物を撃破した。

増加する魔物と過酷な暑さ

さらに階層を進むと、マグマを操る様々な魔物が出現し、奇襲を繰り返した。ハジメ達は次第に厳しさを増す暑さに苦しみ、広間で休息を取ることを決めた。氷属性の魔法と風を利用し、部屋を冷やして暑さを凌いだが、ハジメ達はこの火山が挑戦者の集中力を奪い、奇襲を容易にする「試練」であると感じ取った。

暑さと気の緩みからの休憩時間

休憩中、暑さの影響でユエやシアがリラックスし、普段とは異なる色気を見せ始めた。ユエがハジメに甘え、ティオとシアもそれに続くかたちで騒ぎ始めたが、ハジメはこれを静めつつ再び先を急ぐ準備を整えた。

【グリューエン大火山】での戦闘と試練

マグマ川に流されるハジメ一行

ハジメ達はグリューエン大火山の約五十層に位置していた。彼らは宙を流れるマグマの上を小舟で漂流していたが、この状況はハジメの小さなミスによるものだった。静因石を探すために採取を続けた結果、誤って壁に埋め込まれていた石を取り除いてしまい、勢いよく噴き出したマグマに飲み込まれかけたため、急遽小舟を錬成し、流れに身を任せるしかなかった。

マグマコウモリの襲撃と撃退

道中で、マグマを撒き散らすコウモリの群れが襲いかかってきた。ユエ、ティオ、シアはそれぞれ持ち場を守りながら戦い、ハジメはガトリングレールガンとミサイルランチャーを駆使して応戦した。数で押し寄せるコウモリ群も、彼らの協力によって撃退され、進路を確保した。

マグマ蛇の出現と続く戦闘

小舟が洞窟内で進む中、再び襲撃が始まる。突如としてマグマから現れた巨大なマグマ蛇がハジメ達に襲いかかり、その数は二十を超えていた。ユエの魔法「絶禍」による防御やティオのブレスでの殲滅が続き、シアも特殊なブーツを使い空中戦を繰り広げた。しかし、倒しても再生する蛇を前に、ハジメは魔石が蛇の核であると推測し、それを破壊することで撃退を試みた。

マグマ蛇百体との長期戦

マグマ蛇の殲滅がクリア条件であることに気づいたハジメ達は、精神的に消耗しながらも、冷静に次々とマグマ蛇を撃破した。ティオ、シア、ユエは、殲滅数を競い合いながら戦いを進め、残り数体となるまで百体のマグマ蛇との激戦を繰り広げた。

極光の攻撃とハジメの重傷

最後の蛇を撃破しようとした瞬間、突如として降り注いだ極光により、ハジメは重傷を負った。ユエ達は必死に治療を試み、ハジメもどうにか回復を図ったが、戦闘継続が難しい状況に陥った。

フリード・バグアーの登場と対決

極光の正体は、魔人族のフリード・バグアーによる攻撃であり、彼はハジメ達を殲滅すべく灰竜や障壁を使い攻撃を仕掛けた。ハジメと仲間達は激しい応戦を繰り広げ、特にティオが竜化してフリードに挑んだが、彼の放つ強力な障壁と竜軍団に苦しめられた。

火山崩壊と脱出への決断

フリードは火山内部の要石を破壊し、火山が崩壊するよう仕向けた。ハジメは決断を下し、ティオに地上への脱出を託す。ティオはハジメの信頼に応え、幾多の攻撃を受けながらも扉を抜け、アンカジへの脱出を果たした。

ティオが砂嵐を抜けて脱出した後、数十分が経過し、グリューエン大火山は大噴火を引き起こした。その轟音と煙は周辺地域に伝わり、不安を抱いた人々が帰還を待ちわびた。

自爆と極光の戦い

ハジメは極光の豪雨の中、「自爆はロマンだ」と笑みを浮かべ、ユエとシアに支えられながら中央の島へ到達した。周囲の足場はマグマに沈み、ユエの防御魔法とシアの攻撃が灰竜を次々と撃退していた。島には漆黒の建造物が姿を見せ、その中に浮遊する円盤が見え、ハジメ達はその建物へと進んだ。建物の前に立つと扉が音もなく開き、マグマが流れ込む直前に中へと入り込んだ。

神代魔法の習得

ハジメ達が部屋に入ると、地震の震動が感じられなくなり、神代魔法の魔法陣が現れた。ハジメ達は魔法陣を通過し、空間操作の神代魔法を得た。ユエが敵の奇襲について話すと、ハジメ達はフリードが空間魔法を利用していた可能性に気づき、シアの「未来視」の活躍を再認識した。

脱出と潜水艇の準備

神代魔法を習得した後、建物の壁が開き、ハジメはマグマに覆われた外界に備えた脱出計画を立てた。外に潜水艇を準備していたと話し、ユエの防御魔法に守られながら、三人は潜水艇に乗り込んだ。灼熱の奔流に翻弄されつつも、ユエの魔法で身を守り、潜水艇は激流に流されながら地下へと進んだ。

アンカジへのティオの帰還

ティオは竜化した状態で【グリューエン大砂漠】上空を飛び、極光の影響で傷を負っていたが、神水を服用して回復しながらアンカジを目指した。監視塔からの報告で香織がティオの姿を確認し、兵士達の制止を無視して駆け寄った。香織は、ハジメ達が無事であることを信じつつ、ティオからハジメの伝言を聞き、安堵の表情を見せた。

ミュウとアンカジの人々

香織はティオと共に患者の治療に尽力し、ハジメ達の帰還を待った。ミュウも香織のそばでハジメの帰りを待ち望み、アンカジの宮殿の人々に愛されながら過ごしていた。領主の息子ビィズも香織に特別な眼差しを向けていた。

救出計画と再会のための出発

香織は、ミュウをエリセンに連れて行くことを決意し、ティオの背に乗って出発した。ミュウも寂しさを感じながらも香織とティオの励ましを受け、母親に会うことを楽しみにしながらハジメの帰りを信じていた。香織達はビィズに見送られながら、再会を胸に飛び立った。

ハイリヒ王国での訓練と雫の心情

一方、【ハイリヒ王国】では光輝達が訓練を続けていたが、心の葛藤から進展が見られず、雫は自分を叱咤しながら剣を振るっていた。訓練場で独り斬撃を振るう雫は、ネコと出会い、疲れた心が癒される一時を過ごした。

王女リリアーナとの遭遇と禁忌の発覚

雫はネコと戯れ、普段の冷静な態度を忘れて「ネコ語」で話し始めたが、リリアーナ王女にその姿を目撃された。驚愕の瞬間に、雫はネコ語で絶叫し、その場の緊張がほぐれた。

羞恥のひととき

雫は訓練場の片隅で羞恥に崩れ落ち、リリアーナは彼女を慰めていた。少し時間が経ってから、雫は気持ちを立て直し、リリアーナに訓練場に来た理由を尋ねた。リリアーナは雫が仲間から離れているのを心配し、彼女の様子を見に来たのだった。雫はリリアーナの心遣いに感謝し、少し照れくさそうにお礼を述べた。

光輝と勇者パーティーの状況

リリアーナは光輝達が精神的に疲弊していることを話し、雫もまたオルクスでの敗戦が彼らにとって深刻な打撃であったことを認めた。さらに、香織の不在が光輝に与える影響も大きく、雫は香織を思い西の空を眺めていた。

魔人族と南雲の話題

話題が転じ、リリアーナは魔人族の脅威と、南雲ハジメに対する王国や教会の反応について言及した。勇者パーティーが一度敗北した事実と、圧倒的な力を持つ南雲の存在が、王国と教会を混乱させていると説明した。南雲の独自行動に対する教会側の反応が激化しており、彼の処遇について様々な意見が交わされていたが、明確な結論は出ていなかった。

異端者認定の可能性

リリアーナは、南雲が異端者として認定される可能性が議論されていることを雫に伝えた。教会の内部で過激な発言が飛び交い、南雲に対する評判が悪化することを懸念したリリアーナは、雫に「流されないように」と忠告した。彼女は、ハジメの帰還に備えてその居場所を守る意図もあった。

リリアーナと雫の友情

雫はリリアーナに感謝の意を示し、二人は親愛の情を持って抱き合った。リリアーナもまた、雫と香織を親友と認め、王女という立場を越えた友情を感じていた。そして二人は、ガールズトークに没頭し、日常のささやかな喜びを分かち合った。

夜の別れと雫の不安

夜も更け、リリアーナと別れた雫は自室に戻ろうとしていたが、ふと背筋に寒気を感じ、黒刀に手を置いて警戒した。しかし、周囲に異常はなく、気のせいだと自身を納得させた雫は、仲間のもとへ急ぎ足で戻っていった。

第二章  メルジーネ海底遺跡

大海原での休息

広大な青空と穏やかな海原の中で、ハジメ達は潜水艇の上で休息を取っていた。ハジメは、極光によるダメージを負った左腕の義手を潜水艇の素材で修繕し、ユエがハジメの容態を心配して確認した。ユエは彼の毒素を確認するために少量の血を舐め、ほぼ回復していると確認した。

大海原での漂流と海の魔物との戦い

ハジメ達は、グリューエン大火山での激戦を経て、マグマに吞まれながら地下の激流に流され、最終的に海底火山の爆発で大海原に放出された。潜水艇が大破する中、海の魔物達が次々に襲いかかり、ユエとシアの協力でこれを撃退した。最終的には魔力も枯渇し、シアから血を分けてもらいながらハジメ達は生き延びた。

安息のひとときと漂流の再開

ハジメは、ユエとともに潜水艇の上で日向ぼっこを楽しみつつ、海原を漂流していた。休憩中、シアが目覚め、ハジメとユエが親密な時間を過ごしていたことに気づき、少し不満げな様子を見せた。ハジメとユエはシアを慰めながら再び航行を始め、東に向かって進み始めた。

陸地発見と海人族との遭遇

進行中に陸地を発見し、さらに南下を続けた後、ハジメ達は昼食休憩を取った。その際、海人族の集団が突如として出現し、槍を向けてハジメ達を包囲した。警戒心と強い敵意を持つ彼らは、ハジメ達が海人族の子供を誘拐する者と誤解し、激しく非難した。

海人族との戦闘と誤解の解消

海人族がシアに対して敵意を示したことで、ハジメは怒りを露わにし、海人族の一人を即座に吹き飛ばした。さらにユエが雷球を用いて他の海人族を感電させ、全員を無力化した。その後、ハジメは海人族の誤解を解こうと試み、漂流する彼らを回収して話を聞く準備を整えた。

ミュウとの再会と帰還の道

ハジメは、海人族達を潜水艇の荷台に乗せて海原を進み、事情を説明した。彼らはミュウを知る者達であり、ハジメが彼女の名前と特徴を口にしたことに一度は怒りを見せたが、ハジメの冷静な対処で状況が和らいだ。青年からエリセンへ戻るよう提案され、ハジメ達はこれを了承して出発した。

エリセンへの到着と出迎え

数時間の航行の後、ハジメ達はエリセンに到着した。シアが町を見つけたことを喜び、ハジメ達は潜水艇を桟橋に停泊。海人族や人間達が集まり、荷台に白目を剝いたままの海人族達を見て騒然とした。青年が事情を説明し始めたが、王国の兵士が突如としてハジメ達を拘束しようと押し寄せ、緊張が高まった。

ミュウの突然の登場

突如、上空からミュウが「パパー!」と叫びながら自由落下し、ハジメは彼女を見事にキャッチ。ミュウが「パパ」と呼ぶ姿に周囲は驚き、騒ぎとなった。ミュウを抱き締めながらハジメは周囲の注目を浴びるが、彼の周囲に寄り添う香織やティオ、ユエ、シアの姿がさらに人々を混乱させた。

レミアとの再会と母娘の抱擁

ミュウは家へ戻り、母親レミアと再会。泣きながら娘を抱きしめるレミアに、周囲も感動の眼差しを向けた。足を負傷していたレミアにミュウは心配し、ハジメに治療を求める。香織の治癒魔法により、時間はかかるものの完全な治癒が可能であることが判明し、レミアはハジメ達に深く感謝した。

エリセンでの滞在と周囲の誤解

ハジメ達はレミアの家に滞在することになり、ミュウと親しく過ごす。レミアは冗談とも本気とも取れない態度でハジメに接し、ユエ達は警戒心を強めた。ハジメはエリセンでの生活に慣れつつも、再会の名残で町の人々から注目され、誤解が広がる中、ミュウとの別れが近づいていった。

メルジーネ海底遺跡への旅立ち

ハジメは、装備の修繕と新たな神代魔法の準備を整え、ついに【メルジーネ海底遺跡】の探索に出発した。ミュウは「パパ、いってらっしゃい!」と元気に見送り、レミアも冗談交じりの言葉で送り出す。ハジメは複雑な心境を抱えつつ、遺跡攻略に向かって船を進めた。

メルジーネ海底遺跡の探索開始

ハジメ達は、【エリセン】から約300キロメートル離れた海域に到達し、【メルジーネ海底遺跡】の探索を開始した。昼間の間に海底を探査したものの、それらしき痕跡は見つからず、夜の月の出を待つことにした。

夕暮れの甲板でのひととき

夕陽に照らされた海を眺め、ハジメは一瞬日本への郷愁に浸った。そこへ香織、ユエ、シア、ティオが加わり、故郷の話題に花を咲かせた。ハジメは、このまま月の光が遺跡の道標となるのを待ち続けた。

月の光による道標

夜になり、ハジメは【グリューエン大火山】のペンダントを月にかざすと、ランタン部分が光を放ち始めた。導きに従い、ハジメ達は潜水艇で海底の岩壁に到達し、扉が開かれて遺跡への入り口が現れた。

海底洞窟への侵入と激流の試練

遺跡内に入ったハジメ達は激流に襲われ、制御しながら進んでいく。途中、トビウオ型の魔物が現れたが、ハジメの用意した魚雷によって撃退された。しかし洞窟内は円環状になっており、一巡して再び同じ場所に戻ることに気づいた。

五芒星の紋章と新たな道

ハジメ達は洞窟内の五ヶ所にメルジーネの紋章があることを確認し、ペンダントの光をかざして紋章を輝かせた。最後の紋章に光を注ぐと、新たな道が開かれ、ハジメ達は海底の割れ目を進んでいった。

大迷宮の罠と激戦

洞窟内の通路に進むと、溶解作用を持つゼリー状の壁が現れ、出入口を塞いだ。更に天井からも触手が襲いかかり、ハジメ達は防御と攻撃を駆使してこれに対処した。しかし、次第に水位が上昇し、足元が海水に満たされていった。

巨大クリオネとの遭遇

ハジメ達の前に、ゼリー状の巨大クリオネが現れ、次々と触手やゼリーの飛沫で攻撃してきた。ユエやティオの防御と攻撃で応戦し続けたが、クリオネは無限に再生し、戦闘が終わらない様相を見せた。

脱出とさらなる探査の決意

ハジメは一度態勢を立て直すことを決断し、地面の亀裂を利用して更に下層へと進むことにした。潜水艇の装備や錬成を駆使しながら脱出を試み、ハジメ達は激流に巻き込まれつつも次の空間へと流れ込んでいった。

海中での激流との戦いと香織の救出

ハジメと香織は、海中で巨大クリオネから逃れようとした際、激しい潮流によって仲間と離れ離れになった。ハジメはユエか香織のどちらかを選ぶ必要に迫られ、香織を助ける決断をした。その後、二人は激流に流され、岸にたどり着いた。

真っ白な砂浜での会話と香織の不安

砂浜で休息を取る間、香織はハジメがなぜ自分を助けたのか尋ね、ハジメはユエを信頼しているからだと答えた。香織はハジメとの距離感に悩み、思わず彼の心情を確かめたが、ハジメは彼女に冷静な行動を促した。

船の墓場の探索と幻想の戦争

砂浜を進み、二人は巨大な船の墓場に到達する。そこで、異様な雰囲気に包まれながら、かつての戦争が幻として再現されていく様子を目撃する。戦場の狂気と宗教戦争の光景が二人に襲いかかり、ハジメは香織を守りながら敵を次々と撃退する。

精神的圧迫と香織の奮起

再び元の場所に戻された二人は、船内の探索を進める中で、香織が精神的に追い詰められていることが浮き彫りとなる。ハジメは、香織に「なぜここに来たのか」を問いかけ、彼女が自分の信念を見つめ直すよう促した。

船内の怪奇現象と香織の恐怖

船内では様々な怪奇現象が二人に襲いかかり、特に幽霊のような少女が香織の恐怖心を煽った。ホラーが苦手な香織は、怯えながらもハジメに支えられつつ前進を続ける。

大迷宮の挑戦と真実への疑問

船内の奥で香織は、さらなる恐怖に苛まれ意識を失う。

亡霊との闘い

ハジメは、二分足らずで戦士の亡霊五十体を殲滅した。その後、大男の亡霊が霧の中から現れ強襲したが、ハジメは瞬時に義手を使って反撃し、ドンナーで頭部を吹き飛ばした。亡霊の霧が晴れると、香織を探しにかかった。

香織と亡霊の対峙

無事だった香織が現れ、彼女はハジメに抱きつくが、実は亡霊が彼女に取り憑いていた。亡霊は香織の姿を利用しハジメに近づくも、ハジメはそれを見破りドンナーを突きつけ、亡霊を撃退する。

亡霊の消滅

亡霊が香織を完全に支配しようとするが、香織の遅延魔法が発動し、亡霊は消滅してしまう。香織が正気に戻り、ハジメに対して改めて告白する。

他の仲間との合流

霧の晴れた後、ハジメたちは大迷宮の奥に進む。香織が甘えながらハジメに背負われる場面で、彼らは仲間たちと合流し、ユエたちに安心された。

解放者メイル・メルジーネのメッセージ

メイル・メルジーネの幻影が現れ、解放者としてのメッセージを残す。彼女は、神への依存を戒め、人々が自らの力で未来を切り開くよう訴えた。

大迷宮のクリア

新たな神代魔法を得た後、遺跡から強制的に排出され、ハジメたちは巨大クリオネの襲撃を受ける。ハジメの指示でユエが海上に逃れる魔法を発動するも、クリオネに阻まれ海中で戦闘を余儀なくされる。

人面魚リーの援護

戦いが激化する中、ハジメの友人である人面魚リーマンが突如として現れ、クリオネに体当たりを仕掛ける。彼の協力で時間を稼ぎ、ハジメは特殊な魚雷を完成させた。

悪食の討伐

ハジメは魚雷に火を通すことでクリオネの体を内側から焼き尽くし、遂に撃破。激戦を制し、仲間たちは歓喜に包まれた。

リーマンとの別れ

別れ際、リーマンが家族についての話を残し、ハジメたちは驚きつつも和やかに送り出した。

第三章  新たな誓い

朝の風景

エリセンの町の一角にある家の二階で、幼子ミュウがハジメを呼び起こす声が響いた。ハジメは眠気まなこで起き上がり、ミュウの髪を優しく梳きながら、朝のひとときを楽しんでいた。

その際、ユエが目を覚まし、ミュウがハジメとユエがいつも裸で寝ていることを疑問に感じる場面もあった。ユエはその質問を適当にかわし、親子の穏やかな朝の時間が過ぎていった。

ハジメの憂い

ハジメたちはエリセンの町で六日間を過ごしており、新たに得た神代魔法の習熟や装備品の充実に励んでいた。しかし、次なる旅に幼いミュウを連れて行くわけにはいかず、彼女との別れをどう切り出すべきか悩んでいた。

ミュウはその別れを薄々感じ取っており、ハジメたちが話を切り出そうとするたびに甘えん坊モードになり、別れの言葉を発しづらい雰囲気を作り出していた。

母レミアの理解

ミュウの母レミアがハジメに声をかけ、彼がミュウのことを真剣に考えている姿に感謝を示した。レミアは、ミュウが成長し、他者を気遣う心を持つようになったことを喜び、ハジメたちに悩まず進むよう背中を押した。

ハジメはレミアの言葉を受け、今夜にはミュウに別れを告げ、翌日出発することを決意した。

ミュウとの別れの誓い

その晩、ハジメはミュウに別れを告げるが、ミュウは泣くのを堪え、ハジメに「ずっとパパでいてくれる?」と尋ねる。ハジメはミュウに真摯に答え、再会の約束を交わした。

ミュウは、自分が大きくなったらハジメのもとに迎えに行くと強く宣言し、その幼い決意にハジメは感動し、必ずミュウに戻ってくることを誓った。

再会の約束と旅立ち

翌日、ハジメたちはミュウとレミアに見送られ、エリセンの町を後にした。ミュウはその場で涙を流すことはなかったが、ハジメとの再会を信じ、彼を見送る姿には成長が感じられた。

アンカジへの再訪

ハジメ達はアンカジ公国に向かい、オアシスの浄化を試みようとした。目的地は本来【ハルツィナ樹海】であったが、香織が再生魔法を使えばオアシスを元に戻せる可能性があると提案したため、アンカジへ立ち寄ることになった。

アンカジの到着と再会

ハジメ達がアンカジの入場門に到着した際、商人たちの行列ができていたが、ハジメ達は列を無視して直接入場門まで進んだ。門番の兵士たちは最初驚いたが、ハジメ達が【アンカジ公国】の救世主であることに気づき、歓迎する態勢を整えた。

オアシスの浄化

領主ランズィは、再生魔法によってオアシスを浄化する提案を受け入れ、香織の力でオアシスを元に戻した。魔法の発動と共にオアシス全体が輝き出し、天へと湧き上がる光景に、住民たちは感動を覚え、静寂の中で浄化の瞬間を見守った。水質検査の結果、オアシスが完全に浄化されたことが確認され、住民たちは歓喜に包まれた。

異端者認定と対立

ハジメ達の功績に感謝するランズィに対し、聖教教会のフォルビン司教が現れ、ハジメ達を異端者として討伐するため包囲した。ランズィは教会に逆らうことを覚悟し、ハジメ達を救国の英雄として守る意志を示した。アンカジの住民たちも司教に対抗し、ハジメ達を守るために結束した。

住民の支援と教会の撤退

住民たちの投石と怒声により、教会側は圧倒され、フォルビン司教は撤退を余儀なくされた。ランズィは、アンカジの住民たちの意志を尊重し、教会の威光に屈することなくハジメ達を支持する決意を示した。

出発と別れ

浄化後のアンカジで二日間滞在したハジメ達は、住民たちの歓迎を受けつつ、門に向かい旅立つ準備を整えた。彼らは、救国の英雄として見送られながらも、平和と活気を取り戻したオアシスを後にした。

街道での遭遇

アンカジを出発して二日後、ホルアドへ向かう街道で賊に襲われている商隊と遭遇し、ハジメと香織は意外な人物と再会する運命にあった。

エピローグ

愛子護衛隊の不安と捜索

園部優花は【ハイリヒ王国】の王宮内で愛子の護衛隊メンバーである神殿騎士デビッド達を探し回っていた。愛子が三日前から行方不明になり、不安が募る中で彼らの情報も得られず、優花と奈々、さらに雫も加わって状況確認を試みていた。しかし、愛子を含む複数の人物が姿を消している異常事態に、彼女達は不安を抱き始めた。

謎の部屋と狂気の影

一方、薄暗い部屋では、狂気を帯びた二人の人影が暗躍していた。彼らは何か邪悪な計画を進めている様子で、特に一人は異常なほどの期待と悪意に満ちた笑みを浮かべていた。この二人の狂気が今後の展開に暗雲をもたらす兆しであった。

南の王国での軍勢

同時刻、大陸南部の王国には圧倒的な数の魔物が集結し、十万以上の規模で侵略の準備を整えていた。白竜の背に立つ騎乗者は「異教徒を滅ぼせ」と神の勅命を伝え、狂信的な歓声と共に軍勢が熱狂の渦に包まれていった。この軍勢は単なるスタンピードではなく、組織的な侵攻を企図していた。

愛子の囚われと脱出の試み

その頃、【神山】の山頂にある鋼鉄の塔の牢獄では、愛子が拘束されていた。愛子は自らの血で魔法陣を描き、脱出を試みたが、魔力を封じる枷のせいで魔法を発動できなかった。脱出を試みるも失敗し、修道女から「盤上より退場した」と冷たく告げられ、無力感に襲われた。愛子は南雲ハジメの助けを仰ぐように月を見上げ、希望を捨てなかった。

修道女の挑発

愛子の呟きを背に、修道女は冷酷に「イレギュラーが来るなら受け入れる」と呟き、不穏な空気を漂わせた。彼女はこの事態を「終焉」と呼び、ハジメとの対決を待ち構えるようにその場を後にした。

運命の行方

奈落の化け物と称されるハジメは、狂気、神意、裏切りの交差する場へと運命に導かれて進んでいくところであった。

番外編  晴れ時々、局所的雷龍

エリセンでの日常と「ユエの日記」発見

ハジメ一行が【メルジーネ海底遺跡】を攻略して四日が経過し、【海上の町エリセン】でレミアとミュウの家に滞在していた。二人ずつ風呂に入ることが暗黙の了解であり、ある日、ティオとシアが風呂場を使うために脱衣所にいた際、ユエの日記を発見した。ふとした興味から、その内容を覗き見たティオとシアは、ユエが秘かに書き残したハジメへの愛情と想いに圧倒された。

ユエの日記の内容

日記には、ハジメとの様々な思い出が詳細に書かれており、特に彼への愛情があふれていた。内容の大半がハジメに関するもので、彼女がどれだけ彼を大切に思っているかが伺えた。シアとティオはユエの愛の深さに驚きつつも、さらに読み進めていった。すると、シアの登場に関する記述もあり、「残念ウサギ」などと呼ばれる描写にシアは憤慨した。

仲間に対するユエの感謝と友情

日記の中で、ユエはシアの努力と心の強さを称賛し、妹分兼友達として大切に思っていることを綴っていた。シアはユエの思いやりに感動し、心からの感謝を覚えた。また、ティオに対しても尊敬と友情が描かれており、ユエは彼女の過去と大切な想いについて聞きたいと願っていた。

ユエの深い願いと愛情

ユエの日記は、ハジメに対する一途な愛情だけでなく、ミュウとの交流から子供を持ちたいという切実な願いも含まれていた。彼女の愛情の深さと情熱が綴られた内容に、シアとティオは驚きを隠せなかった。ハジメとの未来を見据えるユエの姿に、彼女たちはユエの覚悟と決意の強さを感じ取った。

ユエに見つかり、制裁

日記を読んでいる最中、シアとティオは突然ユエに見つかり、恐怖に駆られた。日記を返却する際、ユエは気にしないと告げたが、その後、「遠慮はしない」と言い、二人を制裁するために雷龍を召喚した。逃げ惑うシアとティオの悲鳴がエリセンに響き渡り、ユエはその状況を楽しみながら日記にその日の出来事を記録し、満足そうに日常に戻っていった。

ありふれた4レビュー
まとめ
ありふれた6レビュー

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その他フィクション

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備忘録

プロローグ

魔人族フリードの怒り

荘厳な王城を歩くフリードは、険しい表情と荒々しい足音で廊下を進んでいた。部下のミハイルからカトレアの死について問いただされ、フリードは彼女が任務から戻らぬことを確認させた。オルクス大迷宮で勇者に討たれたことが明かされると、ミハイルは深い悲しみと憤怒に襲われた。

失敗したウルの町の任務

フリードはさらに、ウルの町での作戦がイレギュラーな存在によって潰されたことを伝えた。六万の魔物による計画がたった四人の手により阻まれ、任務に就いていたレイスも片腕を失い重傷を負って帰還したと説明された。ミハイルは衝撃を隠せず、フリードの報告に怯えた様子を見せた。

フリードの新たなる決意

敵の強大さを改めて認識したフリードは、自らの力を強化するため大火山へ向かうことを宣言した。彼は神代魔法の新たな力を手に入れ、必ずや敵を討つという決意をミハイルに示し、留守を任せた。ミハイルもまた、カトレアの仇を討つべく戦いへの準備を誓った。

憎悪に燃えるフリードの決意

フリードは王国を出発する前に、神の使命を邪魔された憎悪を露わにし、まだ見ぬ敵に向けた怨嗟の言葉を残した。多くの魔物を従え、魔国ガーランドを後にしたフリード。彼の向かう先は奈落の化け物が潜む場所であった。勝利の行方を占うかのように、戦いの幕が上がろうとしていた。

第一章  グリューエン大火山

赤銅色の砂漠と魔力駆動四輪の旅

赤銅色の砂に覆われた【グリューエン大砂漠】を、ハジメとその仲間たちは魔力駆動四輪の乗り物「ブリーゼ」に乗り進んでいた。この過酷な環境でも、冷暖房と冷蔵庫が備わったブリーゼの中は快適であった。ミュウは以前、誘拐された際の砂漠横断を思い出し、ハジメへの感謝を表していた。

香織とユエの対抗心

車内で香織がハジメに親しげに接し、ユエに対して密かな対抗心を抱いていた。二人はハジメを巡って言い争いを繰り返し、無意識に火花を散らしていたが、ミュウに仲直りを促され、周囲から注意される場面もあった。

砂漠での奇襲とサンドワームとの戦闘

砂丘の陰からサンドワームが奇襲を仕掛けてきた。ブリーゼ内蔵のロケット弾やライフルでサンドワームを撃退したハジメは、香織の頬を赤くさせる場面を見つつも、仲間たちと協力して砂漠の危機を切り抜けた。

倒れていた青年との出会い

砂丘の向こうで倒れていた青年を発見した香織が治療にあたった。青年は魔力の過剰活性により苦しんでいたが、香織の上級回復魔法によって応急処置が施された。青年はアンカジ公国の領主代理、ビィズ・フォウワード・ゼンゲンであることが判明した。

アンカジ公国の危機と救援要請

ビィズはアンカジ公国が原因不明の病に苦しんでいることを告白した。住民が魔力暴走による高熱で倒れ、命の危険が迫っているという。ハジメに助けを求めるビィズの懇願を受け、ハジメたちは大火山で静因石を採取し、アンカジの危機を救うための旅を承諾した。

アンカジ公国への到着と静寂の都

ブリーゼを駆って辿り着いたアンカジ公国は、砂漠に浮かぶ美しい乳白色の都であった。しかし、病の影響で都全体が暗い雰囲気に包まれ、普段の活気が失われていた。ビィズの案内に従い、ハジメたちは領主の宮殿へ向かい、アンカジを救うための第一歩を踏み出した。

父との再会

ハジメ達はビィズと共に領主ランズィの執務室を訪ねた。ビィズが宮殿に戻ったことを驚くランズィであったが、宙に浮くクロスビットに乗っているビィズの様子を見て唖然とした。ビィズが歩行困難であったため、ハジメがクロスビットで彼を運ぶことを選んだ。事情説明を終えたビィズは、静因石の粉末と香織の回復魔法により、体調を回復した。

水の確保作戦

ハジメは水の確保のため、領主ランズィの案内で農業地帯へ向かった。ユエが神代の魔法「壊劫」により、二百メートル四方の巨大な貯水池を作り出した。さらに、ユエが「氾禍浪」による水の生成を行い、ハジメと共に貯水池を満たした。驚愕するランズィとその護衛たちの前で、彼らはオアシスの水問題に対する一時的な解決を示した。

オアシス調査と戦闘

ハジメ達はオアシスに向かい、そこで魔力を発する異常なスライム型魔物、オアシスバチュラムと遭遇した。バチュラムは周囲の水を触手として操り、攻撃を仕掛けた。ハジメ達は協力して応戦し、ハジメが精密な射撃でバチュラムの核を撃ち抜いて撃退に成功した。

領主ランズィへの推測と感謝

ハジメはバチュラムが魔人族の策略によるものである可能性を示唆した。この指摘により、ランズィはハジメ達の能力と知識に敬意を表し、国と民を代表して深々と礼を述べた。ハジメはその感謝の言葉を受け止めつつ、アンカジの住民たちに恩を売るかたちで感謝を要求した。

香織とユエの葛藤

香織とユエの関係が微妙に緊張し、香織はユエに対する対抗心を見せた。ミュウの無邪気な発言がさらに場を和ませ、医療院において香織とユエの和やかな「喧嘩」が続いたが、ハジメは二人を諌めつつ、次の行動に移った。

出発の準備

ハジメは香織に別れを告げ、ミュウを香織とランズィに託した。香織からの「いってらっしゃい」の言葉とともに、ハジメはアンカジでの安全確保の約束を残し、【グリューエン大火山】への出発を決意した。

グリューエン大火山への到着と巨大砂嵐

ハジメ達は【アンカジ公国】から北へ約百キロ進んだ地点にある【グリューエン大火山】に到着した。この火山は標高三千メートル、直径約五キロメートルの溶岩円頂丘で、巨大な渦巻く砂嵐に包まれていた。この砂嵐はまるで壁のように火山を覆っており、内部にはサンドワームやその他の魔物が潜んでいたため、突破は非常に困難であった。ハジメ達はブリーゼの加速力で砂嵐を突き抜けたが、サンドワームの奇襲を受けるもユエとティオの魔法でこれを撃退し、順調に進んだ。

砂嵐突破と山頂への登攀

砂嵐を抜けた後、ハジメ達は火山の山頂を目指した。道中、ブリーゼでは進行が困難な急な傾斜に差し掛かり、徒歩での登攀を開始した。山頂はさまざまな形状の岩石が乱立し、奇妙な光景が広がっていた。彼らは、アーチ状の巨大な岩の下に【グリューエン大火山】内部への階段を発見し、大迷宮への挑戦を決意した。

大迷宮内部の異様な構造と熱気

火山内部には、宙に浮くマグマの川や、突然の噴出による天然の罠が張り巡らされており、攻略者は常にマグマに警戒しなければならなかった。内部はまるでサウナのように蒸し暑く、ハジメ達は暑さと奇襲を警戒しながら進んだ。道中、冒険者の採掘跡と小さな静因石を発見したが、表層の収穫量は少なく、深部へ進む必要があることを確認した。

マグマ牛との遭遇と撃破

階層を進むうち、ハジメ達はマグマを纏う巨大な牛型の魔物と遭遇した。ユエは重力魔法で防御しつつ火炎を跳ね返したが、火属性の攻撃はほとんど効かなかった。そこでシアが新たな機能を搭載したドリュッケンで突進、強力な一撃でマグマ牛の頭部を粉砕し、魔物を撃破した。

増加する魔物と過酷な暑さ

さらに階層を進むと、マグマを操る様々な魔物が出現し、奇襲を繰り返した。ハジメ達は次第に厳しさを増す暑さに苦しみ、広間で休息を取ることを決めた。氷属性の魔法と風を利用し、部屋を冷やして暑さを凌いだが、ハジメ達はこの火山が挑戦者の集中力を奪い、奇襲を容易にする「試練」であると感じ取った。

暑さと気の緩みからの休憩時間

休憩中、暑さの影響でユエやシアがリラックスし、普段とは異なる色気を見せ始めた。ユエがハジメに甘え、ティオとシアもそれに続くかたちで騒ぎ始めたが、ハジメはこれを静めつつ再び先を急ぐ準備を整えた。

【グリューエン大火山】での戦闘と試練

マグマ川に流されるハジメ一行

ハジメ達はグリューエン大火山の約五十層に位置していた。彼らは宙を流れるマグマの上を小舟で漂流していたが、この状況はハジメの小さなミスによるものだった。静因石を探すために採取を続けた結果、誤って壁に埋め込まれていた石を取り除いてしまい、勢いよく噴き出したマグマに飲み込まれかけたため、急遽小舟を錬成し、流れに身を任せるしかなかった。

マグマコウモリの襲撃と撃退

道中で、マグマを撒き散らすコウモリの群れが襲いかかってきた。ユエ、ティオ、シアはそれぞれ持ち場を守りながら戦い、ハジメはガトリングレールガンとミサイルランチャーを駆使して応戦した。数で押し寄せるコウモリ群も、彼らの協力によって撃退され、進路を確保した。

マグマ蛇の出現と続く戦闘

小舟が洞窟内で進む中、再び襲撃が始まる。突如としてマグマから現れた巨大なマグマ蛇がハジメ達に襲いかかり、その数は二十を超えていた。ユエの魔法「絶禍」による防御やティオのブレスでの殲滅が続き、シアも特殊なブーツを使い空中戦を繰り広げた。しかし、倒しても再生する蛇を前に、ハジメは魔石が蛇の核であると推測し、それを破壊することで撃退を試みた。

マグマ蛇百体との長期戦

マグマ蛇の殲滅がクリア条件であることに気づいたハジメ達は、精神的に消耗しながらも、冷静に次々とマグマ蛇を撃破した。ティオ、シア、ユエは、殲滅数を競い合いながら戦いを進め、残り数体となるまで百体のマグマ蛇との激戦を繰り広げた。

極光の攻撃とハジメの重傷

最後の蛇を撃破しようとした瞬間、突如として降り注いだ極光により、ハジメは重傷を負った。ユエ達は必死に治療を試み、ハジメもどうにか回復を図ったが、戦闘継続が難しい状況に陥った。

フリード・バグアーの登場と対決

極光の正体は、魔人族のフリード・バグアーによる攻撃であり、彼はハジメ達を殲滅すべく灰竜や障壁を使い攻撃を仕掛けた。ハジメと仲間達は激しい応戦を繰り広げ、特にティオが竜化してフリードに挑んだが、彼の放つ強力な障壁と竜軍団に苦しめられた。

火山崩壊と脱出への決断

フリードは火山内部の要石を破壊し、火山が崩壊するよう仕向けた。ハジメは決断を下し、ティオに地上への脱出を託す。ティオはハジメの信頼に応え、幾多の攻撃を受けながらも扉を抜け、アンカジへの脱出を果たした。

ティオが砂嵐を抜けて脱出した後、数十分が経過し、グリューエン大火山は大噴火を引き起こした。その轟音と煙は周辺地域に伝わり、不安を抱いた人々が帰還を待ちわびた。

自爆と極光の戦い

ハジメは極光の豪雨の中、「自爆はロマンだ」と笑みを浮かべ、ユエとシアに支えられながら中央の島へ到達した。周囲の足場はマグマに沈み、ユエの防御魔法とシアの攻撃が灰竜を次々と撃退していた。島には漆黒の建造物が姿を見せ、その中に浮遊する円盤が見え、ハジメ達はその建物へと進んだ。建物の前に立つと扉が音もなく開き、マグマが流れ込む直前に中へと入り込んだ。

神代魔法の習得

ハジメ達が部屋に入ると、地震の震動が感じられなくなり、神代魔法の魔法陣が現れた。ハジメ達は魔法陣を通過し、空間操作の神代魔法を得た。ユエが敵の奇襲について話すと、ハジメ達はフリードが空間魔法を利用していた可能性に気づき、シアの「未来視」の活躍を再認識した。

脱出と潜水艇の準備

神代魔法を習得した後、建物の壁が開き、ハジメはマグマに覆われた外界に備えた脱出計画を立てた。外に潜水艇を準備していたと話し、ユエの防御魔法に守られながら、三人は潜水艇に乗り込んだ。灼熱の奔流に翻弄されつつも、ユエの魔法で身を守り、潜水艇は激流に流されながら地下へと進んだ。

アンカジへのティオの帰還

ティオは竜化した状態で【グリューエン大砂漠】上空を飛び、極光の影響で傷を負っていたが、神水を服用して回復しながらアンカジを目指した。監視塔からの報告で香織がティオの姿を確認し、兵士達の制止を無視して駆け寄った。香織は、ハジメ達が無事であることを信じつつ、ティオからハジメの伝言を聞き、安堵の表情を見せた。

ミュウとアンカジの人々

香織はティオと共に患者の治療に尽力し、ハジメ達の帰還を待った。ミュウも香織のそばでハジメの帰りを待ち望み、アンカジの宮殿の人々に愛されながら過ごしていた。領主の息子ビィズも香織に特別な眼差しを向けていた。

救出計画と再会のための出発

香織は、ミュウをエリセンに連れて行くことを決意し、ティオの背に乗って出発した。ミュウも寂しさを感じながらも香織とティオの励ましを受け、母親に会うことを楽しみにしながらハジメの帰りを信じていた。香織達はビィズに見送られながら、再会を胸に飛び立った。

ハイリヒ王国での訓練と雫の心情

一方、【ハイリヒ王国】では光輝達が訓練を続けていたが、心の葛藤から進展が見られず、雫は自分を叱咤しながら剣を振るっていた。訓練場で独り斬撃を振るう雫は、ネコと出会い、疲れた心が癒される一時を過ごした。

王女リリアーナとの遭遇と禁忌の発覚

雫はネコと戯れ、普段の冷静な態度を忘れて「ネコ語」で話し始めたが、リリアーナ王女にその姿を目撃された。驚愕の瞬間に、雫はネコ語で絶叫し、その場の緊張がほぐれた。

羞恥のひととき

雫は訓練場の片隅で羞恥に崩れ落ち、リリアーナは彼女を慰めていた。少し時間が経ってから、雫は気持ちを立て直し、リリアーナに訓練場に来た理由を尋ねた。リリアーナは雫が仲間から離れているのを心配し、彼女の様子を見に来たのだった。雫はリリアーナの心遣いに感謝し、少し照れくさそうにお礼を述べた。

光輝と勇者パーティーの状況

リリアーナは光輝達が精神的に疲弊していることを話し、雫もまたオルクスでの敗戦が彼らにとって深刻な打撃であったことを認めた。さらに、香織の不在が光輝に与える影響も大きく、雫は香織を思い西の空を眺めていた。

魔人族と南雲の話題

話題が転じ、リリアーナは魔人族の脅威と、南雲ハジメに対する王国や教会の反応について言及した。勇者パーティーが一度敗北した事実と、圧倒的な力を持つ南雲の存在が、王国と教会を混乱させていると説明した。南雲の独自行動に対する教会側の反応が激化しており、彼の処遇について様々な意見が交わされていたが、明確な結論は出ていなかった。

異端者認定の可能性

リリアーナは、南雲が異端者として認定される可能性が議論されていることを雫に伝えた。教会の内部で過激な発言が飛び交い、南雲に対する評判が悪化することを懸念したリリアーナは、雫に「流されないように」と忠告した。彼女は、ハジメの帰還に備えてその居場所を守る意図もあった。

リリアーナと雫の友情

雫はリリアーナに感謝の意を示し、二人は親愛の情を持って抱き合った。リリアーナもまた、雫と香織を親友と認め、王女という立場を越えた友情を感じていた。そして二人は、ガールズトークに没頭し、日常のささやかな喜びを分かち合った。

夜の別れと雫の不安

夜も更け、リリアーナと別れた雫は自室に戻ろうとしていたが、ふと背筋に寒気を感じ、黒刀に手を置いて警戒した。しかし、周囲に異常はなく、気のせいだと自身を納得させた雫は、仲間のもとへ急ぎ足で戻っていった。

第二章  メルジーネ海底遺跡

大海原での休息

広大な青空と穏やかな海原の中で、ハジメ達は潜水艇の上で休息を取っていた。ハジメは、極光によるダメージを負った左腕の義手を潜水艇の素材で修繕し、ユエがハジメの容態を心配して確認した。ユエは彼の毒素を確認するために少量の血を舐め、ほぼ回復していると確認した。

大海原での漂流と海の魔物との戦い

ハジメ達は、グリューエン大火山での激戦を経て、マグマに吞まれながら地下の激流に流され、最終的に海底火山の爆発で大海原に放出された。潜水艇が大破する中、海の魔物達が次々に襲いかかり、ユエとシアの協力でこれを撃退した。最終的には魔力も枯渇し、シアから血を分けてもらいながらハジメ達は生き延びた。

安息のひとときと漂流の再開

ハジメは、ユエとともに潜水艇の上で日向ぼっこを楽しみつつ、海原を漂流していた。休憩中、シアが目覚め、ハジメとユエが親密な時間を過ごしていたことに気づき、少し不満げな様子を見せた。ハジメとユエはシアを慰めながら再び航行を始め、東に向かって進み始めた。

陸地発見と海人族との遭遇

進行中に陸地を発見し、さらに南下を続けた後、ハジメ達は昼食休憩を取った。その際、海人族の集団が突如として出現し、槍を向けてハジメ達を包囲した。警戒心と強い敵意を持つ彼らは、ハジメ達が海人族の子供を誘拐する者と誤解し、激しく非難した。

海人族との戦闘と誤解の解消

海人族がシアに対して敵意を示したことで、ハジメは怒りを露わにし、海人族の一人を即座に吹き飛ばした。さらにユエが雷球を用いて他の海人族を感電させ、全員を無力化した。その後、ハジメは海人族の誤解を解こうと試み、漂流する彼らを回収して話を聞く準備を整えた。

ミュウとの再会と帰還の道

ハジメは、海人族達を潜水艇の荷台に乗せて海原を進み、事情を説明した。彼らはミュウを知る者達であり、ハジメが彼女の名前と特徴を口にしたことに一度は怒りを見せたが、ハジメの冷静な対処で状況が和らいだ。青年からエリセンへ戻るよう提案され、ハジメ達はこれを了承して出発した。

エリセンへの到着と出迎え

数時間の航行の後、ハジメ達はエリセンに到着した。シアが町を見つけたことを喜び、ハジメ達は潜水艇を桟橋に停泊。海人族や人間達が集まり、荷台に白目を剝いたままの海人族達を見て騒然とした。青年が事情を説明し始めたが、王国の兵士が突如としてハジメ達を拘束しようと押し寄せ、緊張が高まった。

ミュウの突然の登場

突如、上空からミュウが「パパー!」と叫びながら自由落下し、ハジメは彼女を見事にキャッチ。ミュウが「パパ」と呼ぶ姿に周囲は驚き、騒ぎとなった。ミュウを抱き締めながらハジメは周囲の注目を浴びるが、彼の周囲に寄り添う香織やティオ、ユエ、シアの姿がさらに人々を混乱させた。

レミアとの再会と母娘の抱擁

ミュウは家へ戻り、母親レミアと再会。泣きながら娘を抱きしめるレミアに、周囲も感動の眼差しを向けた。足を負傷していたレミアにミュウは心配し、ハジメに治療を求める。香織の治癒魔法により、時間はかかるものの完全な治癒が可能であることが判明し、レミアはハジメ達に深く感謝した。

エリセンでの滞在と周囲の誤解

ハジメ達はレミアの家に滞在することになり、ミュウと親しく過ごす。レミアは冗談とも本気とも取れない態度でハジメに接し、ユエ達は警戒心を強めた。ハジメはエリセンでの生活に慣れつつも、再会の名残で町の人々から注目され、誤解が広がる中、ミュウとの別れが近づいていった。

メルジーネ海底遺跡への旅立ち

ハジメは、装備の修繕と新たな神代魔法の準備を整え、ついに【メルジーネ海底遺跡】の探索に出発した。ミュウは「パパ、いってらっしゃい!」と元気に見送り、レミアも冗談交じりの言葉で送り出す。ハジメは複雑な心境を抱えつつ、遺跡攻略に向かって船を進めた。

メルジーネ海底遺跡の探索開始

ハジメ達は、【エリセン】から約300キロメートル離れた海域に到達し、【メルジーネ海底遺跡】の探索を開始した。昼間の間に海底を探査したものの、それらしき痕跡は見つからず、夜の月の出を待つことにした。

夕暮れの甲板でのひととき

夕陽に照らされた海を眺め、ハジメは一瞬日本への郷愁に浸った。そこへ香織、ユエ、シア、ティオが加わり、故郷の話題に花を咲かせた。ハジメは、このまま月の光が遺跡の道標となるのを待ち続けた。

月の光による道標

夜になり、ハジメは【グリューエン大火山】のペンダントを月にかざすと、ランタン部分が光を放ち始めた。導きに従い、ハジメ達は潜水艇で海底の岩壁に到達し、扉が開かれて遺跡への入り口が現れた。

海底洞窟への侵入と激流の試練

遺跡内に入ったハジメ達は激流に襲われ、制御しながら進んでいく。途中、トビウオ型の魔物が現れたが、ハジメの用意した魚雷によって撃退された。しかし洞窟内は円環状になっており、一巡して再び同じ場所に戻ることに気づいた。

五芒星の紋章と新たな道

ハジメ達は洞窟内の五ヶ所にメルジーネの紋章があることを確認し、ペンダントの光をかざして紋章を輝かせた。最後の紋章に光を注ぐと、新たな道が開かれ、ハジメ達は海底の割れ目を進んでいった。

大迷宮の罠と激戦

洞窟内の通路に進むと、溶解作用を持つゼリー状の壁が現れ、出入口を塞いだ。更に天井からも触手が襲いかかり、ハジメ達は防御と攻撃を駆使してこれに対処した。しかし、次第に水位が上昇し、足元が海水に満たされていった。

巨大クリオネとの遭遇

ハジメ達の前に、ゼリー状の巨大クリオネが現れ、次々と触手やゼリーの飛沫で攻撃してきた。ユエやティオの防御と攻撃で応戦し続けたが、クリオネは無限に再生し、戦闘が終わらない様相を見せた。

脱出とさらなる探査の決意

ハジメは一度態勢を立て直すことを決断し、地面の亀裂を利用して更に下層へと進むことにした。潜水艇の装備や錬成を駆使しながら脱出を試み、ハジメ達は激流に巻き込まれつつも次の空間へと流れ込んでいった。

海中での激流との戦いと香織の救出

ハジメと香織は、海中で巨大クリオネから逃れようとした際、激しい潮流によって仲間と離れ離れになった。ハジメはユエか香織のどちらかを選ぶ必要に迫られ、香織を助ける決断をした。その後、二人は激流に流され、岸にたどり着いた。

真っ白な砂浜での会話と香織の不安

砂浜で休息を取る間、香織はハジメがなぜ自分を助けたのか尋ね、ハジメはユエを信頼しているからだと答えた。香織はハジメとの距離感に悩み、思わず彼の心情を確かめたが、ハジメは彼女に冷静な行動を促した。

船の墓場の探索と幻想の戦争

砂浜を進み、二人は巨大な船の墓場に到達する。そこで、異様な雰囲気に包まれながら、かつての戦争が幻として再現されていく様子を目撃する。戦場の狂気と宗教戦争の光景が二人に襲いかかり、ハジメは香織を守りながら敵を次々と撃退する。

精神的圧迫と香織の奮起

再び元の場所に戻された二人は、船内の探索を進める中で、香織が精神的に追い詰められていることが浮き彫りとなる。ハジメは、香織に「なぜここに来たのか」を問いかけ、彼女が自分の信念を見つめ直すよう促した。

船内の怪奇現象と香織の恐怖

船内では様々な怪奇現象が二人に襲いかかり、特に幽霊のような少女が香織の恐怖心を煽った。ホラーが苦手な香織は、怯えながらもハジメに支えられつつ前進を続ける。

大迷宮の挑戦と真実への疑問

船内の奥で香織は、さらなる恐怖に苛まれ意識を失う。

亡霊との闘い

ハジメは、二分足らずで戦士の亡霊五十体を殲滅した。その後、大男の亡霊が霧の中から現れ強襲したが、ハジメは瞬時に義手を使って反撃し、ドンナーで頭部を吹き飛ばした。亡霊の霧が晴れると、香織を探しにかかった。

香織と亡霊の対峙

無事だった香織が現れ、彼女はハジメに抱きつくが、実は亡霊が彼女に取り憑いていた。亡霊は香織の姿を利用しハジメに近づくも、ハジメはそれを見破りドンナーを突きつけ、亡霊を撃退する。

亡霊の消滅

亡霊が香織を完全に支配しようとするが、香織の遅延魔法が発動し、亡霊は消滅してしまう。香織が正気に戻り、ハジメに対して改めて告白する。

他の仲間との合流

霧の晴れた後、ハジメたちは大迷宮の奥に進む。香織が甘えながらハジメに背負われる場面で、彼らは仲間たちと合流し、ユエたちに安心された。

解放者メイル・メルジーネのメッセージ

メイル・メルジーネの幻影が現れ、解放者としてのメッセージを残す。彼女は、神への依存を戒め、人々が自らの力で未来を切り開くよう訴えた。

大迷宮のクリア

新たな神代魔法を得た後、遺跡から強制的に排出され、ハジメたちは巨大クリオネの襲撃を受ける。ハジメの指示でユエが海上に逃れる魔法を発動するも、クリオネに阻まれ海中で戦闘を余儀なくされる。

人面魚リーの援護

戦いが激化する中、ハジメの友人である人面魚リーマンが突如として現れ、クリオネに体当たりを仕掛ける。彼の協力で時間を稼ぎ、ハジメは特殊な魚雷を完成させた。

悪食の討伐

ハジメは魚雷に火を通すことでクリオネの体を内側から焼き尽くし、遂に撃破。激戦を制し、仲間たちは歓喜に包まれた。

リーマンとの別れ

別れ際、リーマンが家族についての話を残し、ハジメたちは驚きつつも和やかに送り出した。

第三章  新たな誓い

朝の風景

エリセンの町の一角にある家の二階で、幼子ミュウがハジメを呼び起こす声が響いた。ハジメは眠気まなこで起き上がり、ミュウの髪を優しく梳きながら、朝のひとときを楽しんでいた。

その際、ユエが目を覚まし、ミュウがハジメとユエがいつも裸で寝ていることを疑問に感じる場面もあった。ユエはその質問を適当にかわし、親子の穏やかな朝の時間が過ぎていった。

ハジメの憂い

ハジメたちはエリセンの町で六日間を過ごしており、新たに得た神代魔法の習熟や装備品の充実に励んでいた。しかし、次なる旅に幼いミュウを連れて行くわけにはいかず、彼女との別れをどう切り出すべきか悩んでいた。

ミュウはその別れを薄々感じ取っており、ハジメたちが話を切り出そうとするたびに甘えん坊モードになり、別れの言葉を発しづらい雰囲気を作り出していた。

母レミアの理解

ミュウの母レミアがハジメに声をかけ、彼がミュウのことを真剣に考えている姿に感謝を示した。レミアは、ミュウが成長し、他者を気遣う心を持つようになったことを喜び、ハジメたちに悩まず進むよう背中を押した。

ハジメはレミアの言葉を受け、今夜にはミュウに別れを告げ、翌日出発することを決意した。

ミュウとの別れの誓い

その晩、ハジメはミュウに別れを告げるが、ミュウは泣くのを堪え、ハジメに「ずっとパパでいてくれる?」と尋ねる。ハジメはミュウに真摯に答え、再会の約束を交わした。

ミュウは、自分が大きくなったらハジメのもとに迎えに行くと強く宣言し、その幼い決意にハジメは感動し、必ずミュウに戻ってくることを誓った。

再会の約束と旅立ち

翌日、ハジメたちはミュウとレミアに見送られ、エリセンの町を後にした。ミュウはその場で涙を流すことはなかったが、ハジメとの再会を信じ、彼を見送る姿には成長が感じられた。

アンカジへの再訪

ハジメ達はアンカジ公国に向かい、オアシスの浄化を試みようとした。目的地は本来【ハルツィナ樹海】であったが、香織が再生魔法を使えばオアシスを元に戻せる可能性があると提案したため、アンカジへ立ち寄ることになった。

アンカジの到着と再会

ハジメ達がアンカジの入場門に到着した際、商人たちの行列ができていたが、ハジメ達は列を無視して直接入場門まで進んだ。門番の兵士たちは最初驚いたが、ハジメ達が【アンカジ公国】の救世主であることに気づき、歓迎する態勢を整えた。

オアシスの浄化

領主ランズィは、再生魔法によってオアシスを浄化する提案を受け入れ、香織の力でオアシスを元に戻した。魔法の発動と共にオアシス全体が輝き出し、天へと湧き上がる光景に、住民たちは感動を覚え、静寂の中で浄化の瞬間を見守った。水質検査の結果、オアシスが完全に浄化されたことが確認され、住民たちは歓喜に包まれた。

異端者認定と対立

ハジメ達の功績に感謝するランズィに対し、聖教教会のフォルビン司教が現れ、ハジメ達を異端者として討伐するため包囲した。ランズィは教会に逆らうことを覚悟し、ハジメ達を救国の英雄として守る意志を示した。アンカジの住民たちも司教に対抗し、ハジメ達を守るために結束した。

住民の支援と教会の撤退

住民たちの投石と怒声により、教会側は圧倒され、フォルビン司教は撤退を余儀なくされた。ランズィは、アンカジの住民たちの意志を尊重し、教会の威光に屈することなくハジメ達を支持する決意を示した。

出発と別れ

浄化後のアンカジで二日間滞在したハジメ達は、住民たちの歓迎を受けつつ、門に向かい旅立つ準備を整えた。彼らは、救国の英雄として見送られながらも、平和と活気を取り戻したオアシスを後にした。

街道での遭遇

アンカジを出発して二日後、ホルアドへ向かう街道で賊に襲われている商隊と遭遇し、ハジメと香織は意外な人物と再会する運命にあった。

エピローグ

愛子護衛隊の不安と捜索

園部優花は【ハイリヒ王国】の王宮内で愛子の護衛隊メンバーである神殿騎士デビッド達を探し回っていた。愛子が三日前から行方不明になり、不安が募る中で彼らの情報も得られず、優花と奈々、さらに雫も加わって状況確認を試みていた。しかし、愛子を含む複数の人物が姿を消している異常事態に、彼女達は不安を抱き始めた。

謎の部屋と狂気の影

一方、薄暗い部屋では、狂気を帯びた二人の人影が暗躍していた。彼らは何か邪悪な計画を進めている様子で、特に一人は異常なほどの期待と悪意に満ちた笑みを浮かべていた。この二人の狂気が今後の展開に暗雲をもたらす兆しであった。

南の王国での軍勢

同時刻、大陸南部の王国には圧倒的な数の魔物が集結し、十万以上の規模で侵略の準備を整えていた。白竜の背に立つ騎乗者は「異教徒を滅ぼせ」と神の勅命を伝え、狂信的な歓声と共に軍勢が熱狂の渦に包まれていった。この軍勢は単なるスタンピードではなく、組織的な侵攻を企図していた。

愛子の囚われと脱出の試み

その頃、【神山】の山頂にある鋼鉄の塔の牢獄では、愛子が拘束されていた。愛子は自らの血で魔法陣を描き、脱出を試みたが、魔力を封じる枷のせいで魔法を発動できなかった。脱出を試みるも失敗し、修道女から「盤上より退場した」と冷たく告げられ、無力感に襲われた。愛子は南雲ハジメの助けを仰ぐように月を見上げ、希望を捨てなかった。

修道女の挑発

愛子の呟きを背に、修道女は冷酷に「イレギュラーが来るなら受け入れる」と呟き、不穏な空気を漂わせた。彼女はこの事態を「終焉」と呼び、ハジメとの対決を待ち構えるようにその場を後にした。

運命の行方

奈落の化け物と称されるハジメは、狂気、神意、裏切りの交差する場へと運命に導かれて進んでいくところであった。

番外編  晴れ時々、局所的雷龍

エリセンでの日常と「ユエの日記」発見

ハジメ一行が【メルジーネ海底遺跡】を攻略して四日が経過し、【海上の町エリセン】でレミアとミュウの家に滞在していた。二人ずつ風呂に入ることが暗黙の了解であり、ある日、ティオとシアが風呂場を使うために脱衣所にいた際、ユエの日記を発見した。ふとした興味から、その内容を覗き見たティオとシアは、ユエが秘かに書き残したハジメへの愛情と想いに圧倒された。

ユエの日記の内容

日記には、ハジメとの様々な思い出が詳細に書かれており、特に彼への愛情があふれていた。内容の大半がハジメに関するもので、彼女がどれだけ彼を大切に思っているかが伺えた。シアとティオはユエの愛の深さに驚きつつも、さらに読み進めていった。すると、シアの登場に関する記述もあり、「残念ウサギ」などと呼ばれる描写にシアは憤慨した。

仲間に対するユエの感謝と友情

日記の中で、ユエはシアの努力と心の強さを称賛し、妹分兼友達として大切に思っていることを綴っていた。シアはユエの思いやりに感動し、心からの感謝を覚えた。また、ティオに対しても尊敬と友情が描かれており、ユエは彼女の過去と大切な想いについて聞きたいと願っていた。

ユエの深い願いと愛情

ユエの日記は、ハジメに対する一途な愛情だけでなく、ミュウとの交流から子供を持ちたいという切実な願いも含まれていた。彼女の愛情の深さと情熱が綴られた内容に、シアとティオは驚きを隠せなかった。ハジメとの未来を見据えるユエの姿に、彼女たちはユエの覚悟と決意の強さを感じ取った。

ユエに見つかり、制裁

日記を読んでいる最中、シアとティオは突然ユエに見つかり、恐怖に駆られた。日記を返却する際、ユエは気にしないと告げたが、その後、「遠慮はしない」と言い、二人を制裁するために雷龍を召喚した。逃げ惑うシアとティオの悲鳴がエリセンに響き渡り、ユエはその状況を楽しみながら日記にその日の出来事を記録し、満足そうに日常に戻っていった。

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