- ※以下、第3巻のネタバレを含む感想。
- さらに強くなったアリア。いつの間にか裏社会の有名人になっていた
- 2年ぶりに孤児院へ。アリアが捨てた場所はどうなっていたのか
- 懲りずに搾取を続ける男。顎を砕いてゴミ捨て場へ
- 冒険者としての原点へ。懐かしい街で聞いたオーク襲撃の危機
- オークの飲料水に毒を仕込む。長期間の潜入が恐ろしい
- 50体以上のオークを少しずつ狩る。派手さより確実性を選ぶ戦い方
- オークソルジャーとの戦闘。毒で弱らせても簡単には勝てない
- オークジェネラルとの死闘。今回は本当にギリギリだった
- 原初の戦技を発動。生き残るために限界を超えるアリア
- 魔鉄の六角棒と討伐証明。ようやく仕事が終わったと思ったのに
- ヴィーロとの再会。またしても仕事を押し付けられる
- 師匠セレジュラのもとへ帰還。強くなっても帰れる場所がある
- 暗殺者ギルドの刺客まで登場。アリアの敵が増えすぎている
- 伝説の魔術師サマンサ登場。強いのに様子がおかしい
- サマンサはよく走る。夜な夜な砂を撒く老婆の怪談が誕生
- アリアといるとサマンサの物忘れが軽くなる。不思議な相性
- グレイブ暗殺作戦。かつて逃げるしかなかった相手との再戦
- 巨大な幻獣クァールが襲来。グレイブの策略が厄介すぎる
- 大穴に落ちたアリアとクァール。まさかの停戦交渉が始まる
- 敵だった魔獣を助けるアリア。冷酷なだけではないところがいい
- クァールとの共闘でグレイブを追いつめる。まさかの逆襲
- グレイブの左腕を奪う。しかし、とどめまでは刺せなかった
- クァールに「ネロ」と名付ける。危険な魔獣が友になった
- ヴィーロから次の仕事。今度は貴族の令嬢の護衛
- 護衛対象はエレーナ王女。アリアが依頼を引き受けた理由
- 「虹色の剣」への加入。アリアの立場が大きく変わる
- サマンサはどうするんだ? 最後まで気になる伝説の老婆
- 第3巻で印象に残ったのは、強くなっても無謀には戦わないアリア
- 「灰かぶり姫」は、誰かに救われることを待たない
- まとめ|苛烈な少女と妖怪のような老婆が忘れられない
物語の概要
■ 作品概要
身寄りのない放浪の少女アリア(アーリシア)は、暗殺者ギルドの支部壊滅から1年以上が経過し、10歳を迎えてランク3の実力を備えた。
ドワーフの鍛冶屋ガルバスとの再会や武器の新調、かつて出会った孤児の兄妹ジルとシュリとの再会を経験する。その直後、二人の故郷である町がオークの大集団に包囲されていることを知り、避難時間を稼ぐため単独で現地へ赴く。
3週間に及ぶ毒物混入やゲリラ戦の末、上位種オークソルジャーやオークジェネラルを自力で撃破して町を救ったアリアは、再会した元師匠ヴィーロから暗部を裏切った宿敵グレイブの暗殺協力を打診される。
師匠セレジュラとのアラクネ狩りを経てヘールトン公爵領へ向かったアリアは、暗殺者ギルドの襲撃や元冒険者の老魔術師サマンサの合流、そして幻獣クァールとの共闘を経てグレイブを退ける。
最終的に、エレーナ王女を護衛するため冒険者パーティー「虹色の剣」へ正式に加入し、次なる戦いへと進むところまで状況が進展する。
■ 主要キャラクター
アリア(アーリシア)
- 立場・所属:放浪の少女冒険者(ランク3からランク4へ昇格)。
- 主人公との関係:主人公本人。
- この巻での主な役割:オーク集団の足止め・単独殲滅、幻獣クァールとの対峙および共闘、グレイブ迎撃戦。
- この巻で起きた重要な変化や行動:オーク集団を毒と戦術で疲弊させ、原初の戦技を発動してオークジェネラルを単独討伐した。暗殺者ギルド中央西地区支部の刺客を撃退した後、交戦した幻獣クァールを窮地から救って「ネロ」と名付け、共闘してグレイブを負傷させ退けた。エレーナ王女の護衛任務のため「虹色の剣」に加入した。
ヴィーロ
- 立場・所属:冒険者パーティー「虹色の剣」所属の斥候(ランク4)。
- 主人公との関係:アリアの元指導者、元雇い主。
- この巻での主な役割:オーク討伐後のアリアへの接触、グレイブ暗殺計画の立案と共同作戦の遂行。
- この巻で起きた重要な変化や行動:アリアの成長に刺激を受けて修行し戦闘力を伸ばしていた。アリアがオーク集団を殲滅した現場に立ち会い、裏切ったグレイブを討伐するためにサマンサと共にアリアを迎え、共闘してグレイブと対峙した。
セレジュラ
- 立場・所属:森の奥に住む元魔族軍の闇エルフ魔術師・錬金術師。
- 主人公との関係:アリアの魔術・錬金術の師匠。
- この巻での主な役割:アリアの疲労回復の支援、アラクネ狩猟への同行と魔物糸の精製指導。
- この巻で起きた重要な変化や行動:アリアの帰還を温かく迎え、体調の回復を図らせた。アリアのペンデュラム用の糸を補充するため渓谷のアラクネ狩猟に同行し、連携してアラクネを討伐した。
グレイブ
- 立場・所属:暗部を裏切り逃亡した上級執事(ランク5)。
- 主人公との関係:かつてアリアの命を狙った宿敵。
- この巻での主な役割:反王家派の貴族の連続暗殺、ヘールトン公爵暗殺のための幻獣誘引。
- この巻で起きた重要な変化や行動:公爵を討伐名目で誘き寄せるため、山にいた幻獣クァールを刺激して湿地帯へ引き寄せた。追ってきたヴィーロやサマンサと交戦したが、クァールを駆るアリアの強襲を受け、左腕を失って毒煙幕で逃亡した。
クァール(ネロ)
- 立場・所属:古の幻獣(ランク5)。
- 主人公との関係:敵対者から対等の共闘相手・友となった存在。
- この巻での主な役割:湿地帯の街道の襲撃、アリアとの死闘、大穴からの脱出、グレイブへの襲撃。
- この巻で起きた重要な変化や行動:グレイブに毒を撒かれたことで怒り、街道を通る人間を襲っていた。アリアと戦い共に大穴に転落して瀕死となったが、アリアに杭を抜かれ肉を分け与えられたことで心を通わせ、地上へ脱出してグレイブの左腕を食い千切った。戦闘後、アリアから「ネロ」と名付けられた。
サマンサ
- 立場・所属:「虹色の剣」の創始者の一人、「砂塵の魔女」と呼ばれる老魔術師(ランク5)。
- 主人公との関係:ヴィーロの仲間、同行者。
- この巻での主な役割:グレイブ討伐の主戦力。
- この巻で起きた重要な変化や行動:物忘れや突飛な行動が目立つものの、卓越した土魔法や高速移動を駆使してアリアやグレイブと渡り合った。湿地帯での決戦では強力な土・水魔術でグレイブを牽制し続けた。
読んだ本のタイトル
乙女ゲームのヒロインで最強サバイバル 3
著者:春の日びより 氏
イラスト:ひたきゆう 氏
出版社:TOブックス
レーベル:LEVINノベルス
発売日:2022年2月19日
ISBN:9784866994543
(PR)よろしければ上のサイトから購入して頂けると幸いです。
あらすじ・内容
暗殺ギルド支部の壊滅後、二年ぶりに故郷の町を訪れたアーリシア。そこでかつての師匠・ヴィーロから持ちかけられたのは、自分を消そうとした元暗部の戦闘執事・グレイブの暗殺だった。今や「灰かぶり姫」という二つ名で恐れられるようになった彼女は、覚悟を決める。彼との決着をつける、そしてもう一度この“乙女ゲーム”に対峙すると。「私はもう逃げない!」。幻獣との遭遇、師匠との絆。孤高の少女が、初めて信頼する味方を得て国家権力へと挑んでゆく! 壮絶&爽快な異世界バトルファンタジー第3巻、第四章開幕!
乙女ゲームのヒロインで最強サバイバル3
感想
「灰かぶり姫」と呼ばれる少女の苛烈な戦いと、夜を駆ける伝説の老婆
魔法の習熟度が上がり、身体も成長し、さらに強くなったアリア。
かつては森で生き延びるだけでも必死だった少女が、今では盗賊ギルドや暗殺者ギルドを次々と壊滅させる存在になっている。
そして、裏社会では彼女に通り名まで付いていた。
その名も、「灰かぶり姫」。
何とも物騒なシンデレラである。
乙女ゲームのヒロインだったはずなのに、今や暗殺者たちから恐れられる少女になってしまった。
いや、本人は最初からヒロインとしての人生を拒絶しているのだから、これでいいのかもしれない。
しかし、今回のアリアも相変わらず苛烈だった。
2年ぶりに孤児院へ戻れば、懲りずに弱い者から食料を奪おうとする男の顎を砕き、ゴミ捨て場へ放り込む。
オークの大群が町を襲おうとしていると聞けば、たった一人で敵の拠点へ潜入し、何週間も毒を仕込み続ける。
そして、衰弱したオークを少しずつ狩り、最後にはオークジェネラルまで討伐してしまう。
相変わらず、やることが徹底している。
ただ、今回のオークジェネラル戦は本当に危なかった。
十分に準備していても、圧倒的な力を持つ相手には簡単に勝てない。
アリアがどれほど強くなっても、まだ命懸けの戦いから抜け出せないことがよく分かった。
そして、そんな彼女の前に再び現れたのが、斥候の技術を教えてくれたヴィーロである。
またしても厄介な仕事に巻き込まれてしまう。
しかも、今回の助っ人は引退した伝説の魔術師サマンサ。
とんでもない実力者なのだが、年齢の影響で物忘れが激しく、突然走り出すという困った癖がある。
その結果、近隣では夜な夜な走り回って砂を撒く老婆の怪談まで生まれてしまう。
……何だ、その妖怪は。
第2巻では乙女なドワーフ鍛冶師に驚かされたが、第3巻では走る老婆が強烈すぎた。
一方、物語の中心には、かつてアリアを殺そうとした戦闘執事グレイブとの再戦がある。
さらに、敵として現れた巨大な魔獣と、まさかの共闘まで始まる。
今回も予想外の展開が多く、最後まで楽しめた。
※以下、第3巻のネタバレを含む感想。
さらに強くなったアリア。いつの間にか裏社会の有名人になっていた
第3巻のアリアは、前巻よりも明らかに成長している。
魔法の扱いが上達し、戦闘技術も磨かれ、身体も少しずつ大きくなった。
何より、戦い方が洗練されている。
第1巻では、生き残るために必死だった。
第2巻では、師匠セレジュラを守るために暗殺者ギルドへ反撃した。
そして、第3巻では、もはや一人の少女とは思えないほどの戦果を積み重ねている。
盗賊ギルド。
暗殺者ギルド。
敵対した組織を次々と潰していった結果、裏社会で恐れられる存在になっていた。
その通り名が「灰かぶり姫」である。
この名前が、なかなかいい。
少女らしい響きがあるのに、実態は恐ろしい。
普通の物語なら、灰かぶりの少女は王子様に見いだされ、幸せになるのだろう。
しかし、アリアは違う。
自分を脅かす相手を倒し、自分の力で生き延びている。
王子様に助けてもらうどころか、下手に近づいた相手が返り討ちにされそうである。
この皮肉の効いた通り名が、本作らしいと感じた。
2年ぶりに孤児院へ。アリアが捨てた場所はどうなっていたのか
アリアは、久しぶりにかつて暮らしていた孤児院を訪れる。
あの孤児院は、彼女にとって決して温かい場所ではなかった。
弱い子どもが搾取され、暴力がまかり通る環境だった。
そこでアリアは、自分の人生を守るために逃げ出したのである。
そんな場所へ、2年ぶりに戻ってくる。
この展開が印象に残った。
昔のアリアなら、戻ること自体が危険だっただろう。
しかし、今の彼女は違う。
孤児院で暴力を振るっていた者たちなど、もはや脅威にもならない。
そして、孤児院の状況は以前より多少改善されていた。
ここは少し安心した。
アリアが去った後も、あの場所で暮らす子どもたちはいる。
すべてが解決したわけではないとしても、少しでも環境がよくなっているのなら、それは救いだろう。
ただ、残念ながら、変わらない人間もいた。
懲りずに搾取を続ける男。顎を砕いてゴミ捨て場へ
かつて孤児院で暴力を振るい、他の子どもから食料を奪っていた男が、再び現れる。
しかも、今度は孤児院から食料を搾取しようとしていた。
いや、まだそんなことをしていたのか。
自分より弱い相手を狙い、暴力で奪う。
まったく成長していない。
そんな男を見たアリアは、容赦しなかった。
顎の骨を砕き、ゴミ捨て場へ放り込んでしまう。
……相変わらず苛烈である。
普通なら、昔の因縁に決着をつける感動的な場面になりそうなものだ。
しかし、アリアにとっては違うのだろう。
目の前に、弱い者を搾取する人間がいる。
だから排除する。
それだけなのである。
昔は恐ろしかった相手も、今では簡単に制圧できる。
その変化に、アリアが積み重ねてきた時間を感じた。
ただ、顎を砕いてゴミ捨て場というのは、やはり容赦がない。
彼女にとって、弱者を食い物にする人間は許せない存在なのだろう。
自分自身が、そうした環境で生きてきたからこそ、余計に腹が立つのかもしれない。
冒険者としての原点へ。懐かしい街で聞いたオーク襲撃の危機
孤児院を訪れた後、アリアはかつて冒険者として活動を始めた街へ向かう。
そこで、以前に出会ったジルとシュリの兄妹と再会する。
しかし、二人から聞かされたのは、故郷の町が危機に陥っているという話だった。
オークの大群が近くに現れ、住民を脅かしているのである。
しかも、普通のオークだけではない。
上位種のオークソルジャーや、群れを率いるオークジェネラルまでいる。
これは、かなり危険な状況だ。
普通なら、冒険者パーティーや軍隊が対応する規模だろう。
ところが、アリアは単独で現地へ向かう。
ここで驚いた。
いくら強くなったとはいえ、相手は数十体のオークである。
しかも、上位種までいる。
真正面から戦えば、いくらアリアでも危険なはずだ。
しかし、彼女は最初から正面決戦を考えていなかった。
住民が避難する時間を稼ぐ。
そのために、敵の進軍を遅らせる。
まず目的を明確にし、そのための方法を考える。
この冷静さが、いかにもアリアらしかった。
オークの飲料水に毒を仕込む。長期間の潜入が恐ろしい
アリアが選んだ方法は、オークの拠点へ潜入し、飲料水に毒を混ぜることだった。
しかも、一度だけではない。
何週間にもわたり、継続して毒を投入する。
ここが、今回の戦いで特に印象に残った。
敵の拠点に忍び込み、毒を仕込む。
それだけでも危険である。
いつ発見されるか分からない。
一度見つかれば、数十体のオークに追い回されるかもしれない。
それなのに、アリアは長期間にわたって潜入を続ける。
本当に、よくやる。
しかも、毒で一気に全滅させようとしているわけではない。
少しずつ体調を崩させ、戦闘能力を低下させていく。
オークたちが衰弱し、食料を求めて分散するようになるまで待つ。
そして、少数になったところを各個撃破する。
何とも合理的な作戦だ。
ただし、合理的だからといって安全なわけではない。
何週間も敵の近くで活動するのだから、精神的にも相当な負担があるはずだ。
アリアは、こうした危険な状況でも淡々と仕事を続ける。
その忍耐力には驚かされた。
50体以上のオークを少しずつ狩る。派手さより確実性を選ぶ戦い方
オークたちが衰弱し始めると、アリアは少数の集団を狙って攻撃を開始する。
食料を調達するために出てきたオーク。
仲間から離れたオーク。
連携が取れなくなった小集団。
そうした相手を、少しずつ倒していく。
この戦い方が面白かった。
普通のファンタジーなら、主人公が強力な魔法を放ち、数十体の魔物を一気に倒す場面になりそうである。
しかし、アリアは違う。
相手を弱らせる。
分断する。
一体ずつ倒す。
その積み重ねで、大きな戦力を削っていく。
派手な必殺技よりも、確実に勝てる状況を作ることを優先している。
この姿勢は、第1巻から変わっていない。
むしろ、経験を積んだことで、さらに徹底されているように感じた。
自分が強くなったからといって、無理な戦いをしない。
相手が強ければ、弱らせてから戦う。
数が多ければ、分散させてから倒す。
自分の限界を理解しているからこそ、こうした戦術を選べるのだろう。
オークソルジャーとの戦闘。毒で弱らせても簡単には勝てない
通常のオークを減らしたアリアは、上位種のオークソルジャーとも戦うことになる。
こちらは、普通のオークとは明らかに違う。
武器を扱い、連携して攻撃してくる。
しかも、身体能力も高い。
毒によって弱らせていても、簡単には倒せない相手だった。
ここで、アリアの戦い方がさらに際立つ。
幻影を使って相手を惑わせる。
暗器で動きを止める。
敵同士の連携を崩す。
そして、隙ができたところを狙って倒す。
何とも忙しい戦闘である。
一つの技だけで勝つのではない。
これまで覚えてきた魔法や技術を組み合わせ、何とか勝機を作っていく。
特に、敵同士の攻撃を利用する場面が面白かった。
アリアは、自分が正面から受け止められない攻撃なら、受け止めない。
避ける。
逸らす。
相手の攻撃を別の敵へ向ける。
その柔軟さが、彼女の強みなのだろう。
オークジェネラルとの死闘。今回は本当にギリギリだった
そして、最後に立ちはだかるのがオークジェネラルである。
身長は3メートルを超える巨体。
圧倒的な筋力を持ち、巨大な武器を振り回してくる。
これまでのオークとは、明らかに格が違う。
しかも、アリアは長期間の潜入と戦闘で消耗している。
いくら準備を重ねていても、この相手は危険だった。
読んでいて感じたのは、アリアが決して無敵ではないということだ。
これまで、盗賊ギルドや暗殺者ギルドを次々と潰してきた。
だから、もう大抵の相手には勝てるのではないかと思ってしまう。
しかし、オークジェネラルはそんな甘い考えを吹き飛ばしてくれた。
圧倒的な力で攻撃されれば、受け止められない。
一撃を受ければ、致命傷になりかねない。
そんな相手に、アリアは限界まで追いつめられる。
そして、最後には自分でも予想していなかったような力を引き出し、何とか勝利する。
本当にギリギリの戦いだった。
勝てたからよかったものの、一歩間違えれば死んでいたと思う。
アリアが強くなったことは間違いない。
しかし、まだまだ危険な相手は存在する。
そのことを改めて感じさせる戦闘だった。
原初の戦技を発動。生き残るために限界を超えるアリア
オークジェネラルとの戦いで、アリアは「原初の戦技」と呼ばれる力を発動する。
魔力の扱いを極限まで高め、通常とは違う身体強化を行う技術である。
これによって、圧倒的な力を持つオークジェネラルに対抗する。
ただし、使いこなせているわけではない。
身体への負担も大きい。
だからこそ、今回の勝利には危うさがあった。
強力な技を覚えたからといって、簡単に勝てるわけではない。
むしろ、限界を超えなければ倒せない相手だったということだ。
この描写がよかった。
アリアは強くなっている。
しかし、その成長は決して楽なものではない。
命懸けの戦いの中で、少しずつ自分の限界を押し広げている。
何とも過酷な修業である。
本来なら、もっと安全な環境で技術を磨ければいいのだろう。
しかし、彼女の人生では、実戦そのものが修業になってしまっている。
そんな厳しさが感じられた。
魔鉄の六角棒と討伐証明。ようやく仕事が終わったと思ったのに
オークジェネラルを倒したアリアは、敵が持っていた魔鉄の六角棒を回収する。
そして、討伐の証明となる魔石を持って街へ戻る。
これで、オークの脅威は去った。
住民たちも、ようやく安心できるだろう。
アリアは、誰かに褒められるために戦ったわけではない。
ジルとシュリの故郷を守り、住民が避難する時間を稼ぐために動いた。
その結果、オークの群れそのものを壊滅させてしまった。
本当に、やることが大きい。
そして、魔鉄の六角棒を鍛冶師ガルバスのもとへ持ち込む。
以前から世話になっている職人との再会も、少しうれしかった。
ところが、ようやく一段落したと思ったところで、また厄介な人物が現れる。
ヴィーロである。
斥候の技術を教えてくれた、あのヴィーロだ。
いや、嫌な予感しかしない。
ヴィーロとの再会。またしても仕事を押し付けられる
ヴィーロは、アリアが冒険者として活動を始めた頃に出会った人物である。
斥候としての技術を教えてくれた恩人でもある。
ただし、かなり強引なところがある。
そして、今回もその強引さは健在だった。
再会したアリアに、またしても仕事を持ちかける。
しかも、その内容がとんでもない。
かつてアリアを殺そうとした戦闘執事グレイブの暗殺である。
……また、あいつか。
第1巻の最後で、アリアを追いつめた相手である。
当時のアリアでは、まともに戦うことすら難しかった。
そのため、激流へ飛び込んで逃げるしかなかった。
そんな相手を、今度は自分たちから狙いに行くという。
何とも危険な仕事だ。
ただ、アリアにとってもグレイブは放置できない存在である。
再び命を狙われる可能性がある以上、いつか決着をつけなければならない。
そう考えれば、ヴィーロの提案にも意味はある。
それでも、ようやくオークとの死闘を終えたばかりなのに、次は戦闘執事の暗殺とは。
アリアの人生、本当に休む暇がない。
師匠セレジュラのもとへ帰還。強くなっても帰れる場所がある
ヴィーロとの再会後、アリアは装備を整えるため、セレジュラのもとへ戻る。
ここが少しうれしかった。
第2巻で出会ったセレジュラは、アリアに魔法や錬金術を教えてくれた師匠である。
それだけではない。
アリアが少しずつ安心して眠れるようになった、数少ない場所でもあった。
そんな家へ、久しぶりに戻る。
そして、セレジュラに温かく迎えられる。
これまでの苛烈な戦闘を考えると、こうした場面が妙に心に残る。
アリアは、自分の身を守る力を身につけてきた。
しかし、どれほど強くなっても、誰かに迎えてもらえる場所は大切なのだろう。
しかも、今回はセレジュラと協力してアラクネを狩り、武器に使う魔物糸を補充する。
久しぶりの師弟共同作業である。
もっとも、やっていることは危険な魔物の討伐なのだが。
この二人にとっては、それが普通の修業なのかもしれない。
それでも、セレジュラとアリアが一緒に行動する姿には、どこか安心感があった。
暗殺者ギルドの刺客まで登場。アリアの敵が増えすぎている
グレイブを狙うため、アリアはヴィーロとの合流地点へ向かう。
しかし、その途中でも危険が待ち受けていた。
暗殺者ギルドの刺客である。
以前に支部を壊滅させたアリアは、当然ながら裏社会で恨みを買っている。
「灰かぶり姫」という通り名も、単なる名誉ではない。
彼女を恐れる者もいれば、倒そうとする者もいる。
強くなったことで、かえって敵が増えてしまっているのだ。
このあたりが何とも厄介である。
普通なら、実力をつければ生活は楽になると思いたい。
しかし、アリアの場合は逆だった。
強くなれば、さらに危険な相手から目をつけられる。
盗賊ギルドを倒せば、別の組織から恨まれる。
暗殺者ギルドを潰せば、残った者たちが復讐に来る。
どこまで続くのだろう。
それでも、アリアは襲撃を退け、目的地へ向かう。
もう、多少の刺客では足止めにもならない。
そう考えると、彼女の成長は本当にすさまじい。
伝説の魔術師サマンサ登場。強いのに様子がおかしい
そして、今回のもう一人の主役と言いたくなる人物が登場する。
老魔術師サマンサである。
かつて「砂塵の魔女」と呼ばれた、ランク5の実力者。
名門冒険者パーティー「虹色の剣」の創設に関わった人物でもある。
その経歴だけを聞けば、非常に頼もしい。
グレイブのような強敵を相手にするのだから、これほど心強い助っ人はいないだろう。
ところが、実際に会ってみると、どうにも様子がおかしい。
物忘れが激しい。
話がかみ合わない。
突然、妙なことを言い出す。
そして、いきなり走り出す。
……大丈夫なのか、この人。
しかも、本人は食事をしたことまで忘れてしまう。
「ご飯を食べていない」と言い出すのだから、周囲はたまらない。
ヴィーロが振り回されるのも分かる。
しかし、ここで面白いのが、サマンサの戦闘力はまったく衰えていないことである。
魔法の威力は圧倒的。
身体能力も驚異的。
しかも、動きが速い。
普段の言動からは想像できないほど強い。
この落差が面白かった。
サマンサはよく走る。夜な夜な砂を撒く老婆の怪談が誕生
サマンサの奇行で、特に笑ってしまったのが、突然走り出す場面である。
何か怪しい気配を感じたと言い、いきなり外へ飛び出す。
しかも、普通の老婆が走る速度ではない。
魔法まで使って、とんでもない勢いで移動する。
その結果、近隣では妙な噂が広がってしまう。
夜な夜な老婆が走り回り、砂を撒いていく。
そんな怪談である。
いや、何だそれは。
夜中に走り回って砂を撒く老婆。
想像すると、かなり怖い。
しかも、正体は伝説の魔術師である。
怪談として語られている内容が、ほぼ事実なのだから困る。
第2巻では、乙女の心を持つドワーフ鍛冶師ゲルフに驚かされた。
そして第3巻では、妖怪のように走り回るサマンサである。
この作品、時々とんでもない人物を出してくる。
しかも、ただの笑い話では終わらない。
サマンサは本当に強いのだ。
そのため、笑っていいのか、恐れていいのか分からなくなる。
何とも強烈な人物だった。
アリアといるとサマンサの物忘れが軽くなる。不思議な相性
興味深かったのは、サマンサがアリアと一緒にいると、少し落ち着くことである。
普段は物忘れが激しく、突飛な行動も多い。
ところが、アリアと接しているときは、妙に頭がはっきりしているように見える。
この関係が面白かった。
サマンサは、アリアの実力に興味を持っている。
まだ幼い少女なのに、戦闘技術が高く、魔法も使いこなす。
そんなアリアと接することで、かつて冒険者として活動していた頃の感覚が刺激されるのかもしれない。
もちろん、物忘れが簡単に治るわけではない。
しかし、アリアという存在が、サマンサにとって特別な刺激になっているように感じた。
また、アリアもサマンサの強さを認めている。
普段の言動は困ったものだが、戦闘では頼りになる。
そのことを理解しているから、必要以上に見下したりしない。
この二人の組み合わせは、なかなか面白い。
冷静すぎる少女と、突拍子もない行動をする伝説の老婆。
年齢も性格も違うのに、戦闘となれば互いの実力を認め合う。
そんな関係が印象に残った。
グレイブ暗殺作戦。かつて逃げるしかなかった相手との再戦
今回の大きな目的は、戦闘執事グレイブの討伐である。
グレイブは、かつてアリアを殺そうとした相手だった。
第1巻では、実力差が大きすぎて逃げるしかなかった。
しかし、今のアリアは違う。
魔法も戦闘技術も成長している。
ヴィーロという頼れる仲間もいる。
さらに、伝説の魔術師サマンサまで加わった。
これなら、グレイブとも戦えるかもしれない。
そう思った。
ところが、相手も簡単には倒されない。
グレイブは、正面から三人を相手にするのではなく、別の手段を用意していた。
巨大な魔獣を誘導し、追っ手へぶつけるのである。
ここが厄介だった。
グレイブは、戦闘能力だけでなく、策略にも長けている。
自分が直接戦わなくても、相手を消耗させられる方法を選ぶ。
アリアと同じように、戦う前の準備を重視しているのだ。
だからこそ、危険な相手なのだろう。
巨大な幻獣クァールが襲来。グレイブの策略が厄介すぎる
グレイブが利用したのは、クァールと呼ばれる巨大な幻獣だった。
ランク5に相当する、非常に危険な存在である。
しかも、クァールはグレイブによって刺激され、人間を襲う状態になっていた。
アリアたちは、グレイブを追うどころか、まずこの魔獣に対処しなければならなくなる。
何とも面倒な状況だ。
しかも、クァールはただ大きいだけではない。
高い身体能力と危険な攻撃手段を持っている。
まともに戦えば、アリアでも命を落としかねない。
そこで、アリアたちは地形を利用し、クァールを大穴へ落とそうとする。
しかし、ここで予想外のことが起きる。
アリアまで一緒に落ちてしまったのである。
いや、それはまずい。
魔獣を倒すために仕掛けた罠へ、自分まで落ちてしまう。
しかも、穴の底には巨大な幻獣がいる。
逃げ場もない。
これは、かなり絶望的な状況だと思った。
大穴に落ちたアリアとクァール。まさかの停戦交渉が始まる
大穴の底で、アリアとクァールは向かい合う。
普通なら、ここで最後の死闘が始まりそうである。
しかし、実際には違った。
互いに相手を観察し、状況を確認する。
そして、クァールはアリアが本来の敵ではないことに気づく。
アリアも、クァールがグレイブに利用されていたことを理解する。
ここが面白かった。
さっきまで命懸けで戦っていた相手である。
それなのに、状況が変われば協力できる。
アリアは、相手が魔獣だからといって、無条件に敵と決めつけていない。
相手に意思があり、こちらと協力できるなら、交渉する。
その柔軟さが印象的だった。
しかも、二人とも大穴から出られない。
争っている場合ではないのである。
何とも奇妙な状況だ。
少女と巨大な幻獣が、穴の底で互いの事情を理解し、協力することになる。
この展開は予想していなかった。
敵だった魔獣を助けるアリア。冷酷なだけではないところがいい
アリアは、傷ついたクァールを助ける。
身体に刺さった杭を抜き、食料を分け与える。
そして、互いに協力して大穴から脱出する。
この場面が、とても印象に残った。
アリアは、必要なら容赦なく敵を殺す少女である。
しかし、だからといって、すべての相手を殺そうとするわけではない。
クァールは、確かに危険な魔獣だった。
実際に、アリアたちを襲ってきた。
しかし、その原因はグレイブにあった。
クァール自身にも、怒る理由があったのである。
その事情を理解すると、アリアは戦うことをやめる。
そして、協力する道を選ぶ。
ここがよかった。
相手が人間か魔獣かではなく、敵対する理由があるかどうかを見ている。
そんなアリアの価値観が感じられた。
また、クァールもアリアの行動を理解し、彼女を信頼するようになる。
命を懸けて戦った相手が、今度は仲間になる。
こういう展開は、やはり面白い。
クァールとの共闘でグレイブを追いつめる。まさかの逆襲
大穴から脱出したアリアは、クァールと共にグレイブを追う。
グレイブにとっては、想定外の展開だっただろう。
自分が誘導した危険な幻獣が、今度は敵として現れるのだから。
しかも、アリアまで一緒にいる。
罠に嵌めたはずの相手が、逆に強力な味方を連れて戻ってくる。
何とも痛快な逆転劇だった。
そして、アリアとクァールはグレイブへ襲いかかる。
ヴィーロとサマンサも加わり、激しい戦闘になる。
ここで、アリアの成長がよく分かった。
第1巻では、グレイブから逃げることしかできなかった。
しかし、今回は違う。
自分から攻撃を仕掛け、相手を追いつめている。
もちろん、一人の力だけではない。
ヴィーロやサマンサ、そしてクァールの協力がある。
それでも、あのグレイブと渡り合えるようになったのだから、大きな成長である。
グレイブの左腕を奪う。しかし、とどめまでは刺せなかった
激しい戦闘の末、グレイブは左腕を失う。
クァールの攻撃によって、腕を食い千切られたのである。
これは大きな成果だった。
あのグレイブに、ここまでの損害を与えた。
第1巻の頃を考えると、信じられないほどの成長である。
しかし、グレイブはそのまま倒されない。
毒を含んだ煙幕を使い、逃走してしまう。
ここが、何とも悔しい。
ようやく追いつめたのに、逃げられてしまった。
しかも、グレイブはまだ生きている。
今後、再びアリアの前に現れる可能性がある。
ただ、アリアたちは深追いしない。
これ以上追っても、成果が得られるとは限らないからだ。
この判断も、いかにもアリアらしい。
相手を逃がしたからといって、感情的に追いかけない。
現在の状況を確認し、これ以上の追跡は危険だと判断する。
そして、撤退する。
任務としては完全な討伐に至らなかったものの、グレイブに大きな損害を与え、当面の脅威を退けることには成功した。
勝てるときに戦い、危険なら退く。
その姿勢は、最初から変わっていない。
クァールに「ネロ」と名付ける。危険な魔獣が友になった
グレイブとの戦いを終えた後、アリアはクァールに「ネロ」という名前を付ける。
ここが少しうれしかった。
最初は、互いに殺し合う寸前だった。
しかし、大穴の底で事情を理解し、協力することになった。
そして、共にグレイブと戦った。
その結果、アリアとクァールの間には奇妙な信頼関係が生まれたのである。
名前を付けるという行為には、特別な意味があるように感じる。
単なる魔獣ではない。
自分と関わりを持った、一つの存在として認めている。
そんな気持ちが伝わってきた。
アリアは、人間相手でも簡単には心を開かない。
それなのに、巨大な幻獣とは奇妙な友情を築いてしまう。
何とも彼女らしい。
しかも、ネロはランク5の幻獣である。
そんな存在と親しくなってしまうのだから、アリアの交友関係はどんどん普通ではなくなっていく。
今後、ネロが再登場するのかも気になるところだ。
ヴィーロから次の仕事。今度は貴族の令嬢の護衛
グレイブとの戦いが終わり、ようやく一息つけるかと思った。
しかし、ヴィーロはまたしても仕事を持ちかける。
今度は、ダンジョンへ向かう貴族の令嬢の護衛である。
いや、もう少し休ませてあげてほしい。
オークの大群を倒し、暗殺者ギルドの刺客を退け、グレイブと戦ったばかりなのだ。
普通なら、しばらく休養が必要だろう。
しかし、ヴィーロは容赦がない。
しかも、引退したサマンサの代わりに、アリアを「虹色の剣」の戦力として迎えようとしている。
確かに、アリアの実力なら十分に役立つだろう。
しかし、まだ幼い少女である。
そこは少し考えてほしい。
もっとも、アリア本人も普通の子ども扱いされることを望んでいない。
だから、実力を認められて仕事を任されること自体は、悪い話ではないのだろう。
それでも、次から次へと危険な仕事が舞い込んでくる。
本当に、忙しい人生である。
護衛対象はエレーナ王女。アリアが依頼を引き受けた理由
最初、アリアは護衛の仕事を断ろうとする。
しかし、護衛対象がエレーナ王女だと知ると、態度を変える。
そして、依頼を引き受ける。
ここが印象的だった。
エレーナは、第1巻でアリアが命懸けで守った少女である。
あのとき、アリアは王女を救った。
しかし、その結果として王家の暗部から命を狙われることになった。
本当に、理不尽な話だった。
それでも、アリアはエレーナを嫌いになったわけではない。
むしろ、大切な相手として覚えていたのだろう。
だから、再び彼女を守る仕事だと知って引き受ける。
この変化がよかった。
アリアは、誰かに命令されたから動くわけではない。
自分が守りたいと思った相手のために動く。
それが、彼女の選択なのである。
乙女ゲームのヒロインとして決められた運命を拒絶した少女が、今度は自分の意思で王女の護衛になる。
この展開が興味深かった。
「虹色の剣」への加入。アリアの立場が大きく変わる
アリアは、ヴィーロたちの冒険者パーティー「虹色の剣」に加わることになる。
これは、大きな転機だと思う。
これまでのアリアは、基本的に一人で行動してきた。
必要なときには誰かと協力するが、普段は単独行動が多い。
自分の命は自分で守る。
他人に頼りすぎない。
そんな生き方を続けてきた。
しかし、今回は名門パーティーの一員になる。
当然ながら、仲間との連携が必要になる。
自分一人の判断だけで動けない場面も増えるだろう。
アリアにとって、それは新しい経験になるはずだ。
ただ、ヴィーロとは以前から面識がある。
彼女の実力も理解している。
そのため、まったく知らない人間ばかりの集団へ入るよりは安心できる。
そして、何より護衛対象はエレーナである。
アリアが自分の意思で守りたいと思った相手だ。
この条件なら、彼女も仲間として活動できるのかもしれない。
サマンサはどうするんだ? 最後まで気になる伝説の老婆
そして、第3巻を読み終えて、どうしても気になったことがある。
サマンサは、この後どうするんだ?
グレイブとの戦いでは、あれほど頼りになる実力を見せてくれた。
しかし、普段の言動は相変わらず危なっかしい。
突然走り出す。
食事をしたことを忘れる。
妙な気配を感じて飛び出していく。
しかも、その結果、近隣で怪談になってしまう。
そんな人物を、また一人で暮らさせて大丈夫なのだろうか。
もちろん、戦闘能力だけなら心配する必要はない。
下手な魔物や盗賊が襲いかかっても、返り討ちにされるだろう。
むしろ、相手の方が危険である。
しかし、生活面は別の話だ。
どれほど強くても、日常生活で困ることはある。
サマンサの場合、周囲の助けが必要な場面も多そうである。
しかも、アリアと一緒にいると物忘れが少し軽くなるように見えた。
それだけに、このまま別れてしまうのは少し惜しい。
とはいえ、アリアもこれから王女の護衛で忙しくなる。
いつまでもサマンサの面倒を見ているわけにはいかない。
何とも気になる人物だった。
そして、夜な夜な砂を撒きながら走る老婆の怪談は、今後も語り継がれるのだろうか。
そこも少し気になる。
第3巻で印象に残ったのは、強くなっても無謀には戦わないアリア
第3巻を読んで、改めて感じたのは、アリアの戦い方の徹底ぶりである。
彼女は、以前よりも明らかに強くなっている。
魔法も使える。
暗殺技術も高い。
身体能力も向上している。
しかも、裏社会では「灰かぶり姫」と呼ばれるほどの存在になった。
しかし、だからといって、自分が無敵だとは思っていない。
オークの大群を相手にするときも、正面から突撃しない。
何週間もかけて毒を仕込み、敵を衰弱させる。
食料を求めて分散した相手を、少しずつ倒す。
それでも、オークジェネラルとの戦いでは死にかける。
この描写がよかった。
どれほど準備しても、危険な戦いは危険なのである。
だからこそ、勝利に重みがある。
そして、グレイブとの戦いでも同じだった。
一度は逃げるしかなかった相手に、今度は仲間と共に立ち向かう。
しかし、倒しきれなかったからといって、無理に追いかけない。
これ以上は危険だと判断すれば、撤退する。
その冷静さが、アリアの本当の強さなのだろう。
「灰かぶり姫」は、誰かに救われることを待たない
もう一つ印象に残ったのは、「灰かぶり姫」という通り名である。
この名前を聞くと、どうしてもシンデレラを思い出してしまう。
不遇な少女が、誰かに見いだされて幸せになる物語だ。
しかし、アリアはまったく違う。
自分を虐げた相手には反撃する。
自分の命を狙う組織は潰す。
守りたい相手がいれば、自分から危険な場所へ向かう。
誰かが助けに来るのを待たない。
その姿が、何とも印象的だった。
ただ、すべてを一人で背負わなくてもいいのではないかとも思う。
アリアは、確かに強い。
しかし、オークジェネラルとの戦いでは死にかけた。
グレイブとの戦いでも、仲間の協力が必要だった。
どれほど強くなっても、一人ではできないことがある。
だからこそ、今回「虹色の剣」に加わる展開には意味があるのだろう。
自分の力で生き残ることを覚えた少女が、今度は仲間と共に戦う。
その変化が、今後の物語を面白くしてくれそうである。
まとめ|苛烈な少女と妖怪のような老婆が忘れられない
第3巻は、アリアの成長を強く感じる一冊だった。
盗賊ギルドや暗殺者ギルドを潰してきた結果、裏社会で「灰かぶり姫」と呼ばれるようになったアリア。
その通り名が、何とも彼女らしい。
乙女ゲームのヒロインでありながら、王子様に助けてもらうことなど考えていない。
むしろ、自分を脅かす相手を次々と倒している。
しかも、久しぶりに孤児院へ戻れば、懲りずに弱い者を搾取していた男の顎を砕き、ゴミ捨て場へ放り込んでしまう。
本当に容赦がない。
そして、オークの大群を相手にした戦いも印象的だった。
数十体のオークに正面から挑むのではなく、何週間もかけて毒を仕込む。
敵を衰弱させ、分散させ、少しずつ倒していく。
この戦い方が、いかにもアリアらしい。
自分の未熟さを理解しているからこそ、無理に戦わない。
勝てる状況を作ってから戦う。
しかし、それでもオークジェネラルとの戦いはギリギリだった。
どれほど強くなっても、命懸けの戦いであることは変わらない。
その緊張感がよかった。
さらに、ヴィーロとの再会によって、かつてアリアを殺そうとしたグレイブとの再戦が始まる。
今回は、伝説の魔術師サマンサまで助っ人に加わる。
このサマンサが、また強烈だった。
物忘れが激しく、突然走り出す。
しかも、夜な夜な砂を撒いて走り回るため、近隣では怪談になってしまう。
何だ、その妖怪老婆は。
第2巻の乙女なドワーフ鍛冶師も衝撃的だったが、今回のサマンサも負けていない。
しかも、戦闘能力は本物である。
普段は困った老婆なのに、戦闘になると頼もしい。
この落差が面白かった。
そして、グレイブが誘導した巨大な幻獣クァールとの戦いも印象に残った。
アリアは、クァールと共に大穴へ落ちてしまう。
しかし、そこで互いの事情を理解し、まさかの共闘を始める。
敵だった魔獣と協力して脱出し、今度はグレイブを追いつめる。
この展開には驚かされた。
しかも、クァールはアリアに「ネロ」と名付けられ、特別な存在になる。
アリアは冷酷な少女である。
しかし、相手が魔獣だからといって、無条件に殺そうとはしない。
事情を理解し、協力できる相手なら手を差し伸べる。
そんな柔軟さも持っている。
だからこそ、彼女の行動は面白いのだと思う。
そして最後には、ヴィーロから新たな仕事を持ちかけられる。
今度は、ダンジョンへ向かう貴族令嬢の護衛。
最初は断ろうとしたアリアだったが、相手がエレーナ王女だと知ると引き受ける。
第1巻で命懸けで守った少女との再会が近づいている。
これは楽しみだ。
さらに、アリアは名門冒険者パーティー「虹色の剣」に加わることになる。
これまで一人で生き抜いてきた少女が、今度は仲間と共に戦う。
どんな変化が生まれるのだろう。
ただ、一つだけ気になる。
サマンサはどうするんだ?
あの老婆、放っておいて大丈夫なのだろうか。
戦闘能力は心配ない。
むしろ、襲いかかる相手の方が危険だ。
しかし、突然走り出して砂を撒くのは、どう考えても困る。
あの怪談が、さらに広まらなければいいのだが。
苛烈な戦闘と、思わず笑ってしまう人物描写。
そして、少しずつ人とのつながりを増やしていくアリア。
第3巻も、読み応えのある物語だった。
次巻では、エレーナ王女との再会と、アリアの新しい仲間たちとの関係が楽しみである。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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考察・解説
ストーリー・プロット
第1幕:偽りの令嬢と盗賊ギルド姉弟の誅殺
メル湖畔のメルシス子爵邸に孤児院出身の少女アーリシアが到着するが、護衛のオズやセラ、王都のベルトやミハイルは、メルローズ女系特有の髪色を持たない彼女に疑念を抱く。一方、ケンドラス侯爵領では、武闘派盗賊ギルド「ガルガ四姉弟」のラミアが奴隷ギルドから子どもを買い取っていた。その中に紛れ込んでいたアリアは三男キャスの喉をナイフで掻き切り、奴隷ギルド長を射殺して森へ逃走する。追撃してきた次男トロルを【幻痛】と毒で無力化し、長男ギガースを落とし穴の杭と炎で討ち取った後、トロルに止めを刺す。怒りに狂って【竜巻】を放つラミアに対し、風に乗って肉薄したアリアは黒いナイフの【突撃】で首を斬り裂き、姉弟を殲滅して「灰かぶり姫」の二つ名を轟かせる。
第2幕:原点への帰還とオーク集団の脅威
2年半ぶりに故郷のホーラス男爵領へ戻った10歳のアリアは、孤児院前で年少者を虐げていた元孤児の青年を体術の掌底で粉砕し、過去の居場所と決別する。
町でドワーフの鍛冶屋ガルバスと再会し、ツケを支払って全財産でペンデュラム用の専用刃4種を発注し、頑丈な魔鋼ダガーを託される。ギルドでランク3の更新手続きを行った際、アリアを侮る冒険者に絡まれるが、アリアの放つ殺気と二つ名に気づいた盗賊ギルド上がりの斥候が恐慌をきたして逃げ出し、騒動は収束する。
直後に再会したジルとシュリから、二人の故郷の町がオーク50体以上、ソルジャー4体、ジェネラル1体に包囲されていると聞かされる。
アリアは二人を遠ざけるため同行を拒絶し、潜伏していた盗賊の斥候を絞殺した後、住民が避難するまでの時間を稼ぐため単身で町へ向かう。
第3幕:遅延戦術とオーク上位種の殲滅
救援物資の塩を届けて町へ入ったアリアは、反発する冒険者ケビンを体術で叩き伏せ、住民の避難誘導を任せて1ヶ月の足止めを宣言する。オークの拠点である廃村に潜入したアリアは、水源への投薬や肉への毒混入を3週間続け、腹下しと鼻炎止めの成分でオークたちを深刻な脱水症状と衰弱状態に追い込む。食料調達に出た小隊を暗殺していったアリアは、町へ向かおうとする先遣隊のオークソルジャー3体(大剣、槍、両手斧)と対峙する。
幻影や赤辛子の粉、暗器、【影攫い】を駆使して連携を崩し、同士討ちやカウンターを誘発させて3体をすべて撃破する。
第4幕:死闘の果てのボス討伐とヴィーロとの再会
本隊の出発を阻止するため廃村へ戻ったアリアは、残る通常オークを闇討ちで排除し、弓持ちのソルジャーを腐食性の猛毒矢で狙撃して即死させる。怒り狂う身の丈3メートルのボス・オークジェネラル(ゴルジョール)と対決したアリアは、更地にされた廃村で激しい猛攻に晒され、体力を限界まで削られる。
決め手を欠く中、アリアは魔力から属性を排除して無属性魔力を極限まで加速させる「原初の戦技」を自力で発動し、放たれた衝撃波を跳び越えて眉間にダガーを突き刺し、自身も重傷を負いながら討伐を果たす。生き延びたアリアは魔鉄の六角棒を回収して町へ戻り、脅威の排除を告げて立ち去る。
ガルバスの工房で六角棒を渡し、暴走した身体強化の正体を知らされた直後、背後から接近してきたヴィーロと再会する。
第5幕:師の庵での糸狩りと新たな火種
アリアがオーク集団を殲滅した事実はギルドを震撼させるが、アリアは騒ぎを避けてギルドを去り、絡んできた盗賊ギルドのチンピラ3人を即座に返り討ちにする。ヴィーロから暗部を裏切ったグレイブ暗殺の協力を持ちかけられたアリアは、3ヶ月後の合流を約束し、危険な森を単独突破して師セレジュラの庵へ帰還する。消耗したペンデュラムの糸を補充するため、アリアがおとりとなって渓谷のランク4魔物アラクネを誘い出し、セレジュラの【大旋風】で吹き飛ばした隙に二人で首を切り落とす。その場でアラクネの体液に自らの血を調合し、100メートルの強靭な魔物糸を完成させる。その頃、王都では王太子の婚約者となったカルラたちが、離島のダンジョン攻略を命じられていた。
第6幕:砂塵の魔女の乱入と暗殺者たちの迎撃
ヘールトン公爵領を目指す道中、アリアは行商人を装うナーマルドら暗殺者ギルド中央西地区支部の刺客に護衛として雇われる。毒入りシチューを【影収納】に隠して無力化し、正体を現したナーマルド、格闘家のタヒル、狼男ザナ、吸血鬼の少女サリーマと戦闘に突入する。そこへ時速百キロ近い速度で四つん這いで突進する正体不明の老婆が砂嵐と共に乱入する。混乱に乗じたアリアは毒シチューと分銅でザナを撲殺し、サリーマを【突撃】で討ち取り、ナーマルドの首を折る。老婆と一騎打ちになりかけた瞬間、ヴィーロが割って入り、老婆の正体が「虹色の剣」の元メンバーであるランク5魔術師サマンサであると判明する。
第7幕:湿地帯の激突と幻獣クァールとの共闘
ヴィーロから、グレイブがヘールトン公爵暗殺のためにランク5の幻獣クァールを誘き寄せていると聞かされた一行は、湿地帯の街道へ向かう。待ち構えていたグレイブと交戦中、怒り狂ったクァールが乱入する。グレイブがクァールをヴィーロへ押し付けようとしたため、アリアは自らクァールを引き受けて枯れ森へ誘導する。脆い足場を利用してクァールの機動力を奪い、【影渡り】と暴走魔力で共に巨木の空洞の大穴へ転落する。
大穴の底で化石化した巨木片に貫かれていたクァールに対し、アリアは敵意を解いて巨木を引き抜き、肉を与えて誇りを交わし合う。
クァールに乗って地上へ戻ったアリアは、グレイブを追い詰めるヴィーロたちに合流し、クァールがグレイブの左腕を食い千切るが、グレイブは毒煙幕を使って逃走する。
クァールを「ネロ」と名付けて見送ったアリアは、エレーナを守るため「虹色の剣」への加入を決意する。
主要な転換点
転換点:オーク集団に対する単独ゲリラ戦の決断
- それ以前の状況:オーク集団が小さな町の近隣に陣取り、領主の兵力も冒険者ギルドも戦力不足により身動きが取れず、町の住民避難が難航していた。
- 出来事:アリアが町へ乗り込み、反発するケビンを圧倒した上で、住民の避難時間を稼ぐため単身でオーク集団の足止めを請け負った。
- 変化:防衛隊と冒険者は避難誘導に専念できるようになり、アリアは単独で敵拠点へ潜入して毒殺と奇襲による長期ゲリラ戦を開始した。
- 次への影響:3週間に及ぶ工作でオーク集団を衰弱させ、上位種やジェネラルとの直接戦闘および単独討伐へ至る道筋が作られた。
転換点:原初の戦技の発動とオークジェネラルの討伐
- それ以前の状況:アリアはオークソルジャー3体を含む多数のオークを撃破したものの体力と魔力を大きく消耗し、万全な状態のランク5ボス・オークジェネラル(ゴルジョール)の猛攻に追い詰められていた。
- 出来事:アリアが体内の魔力から属性の雑味を意図的に排除し、純粋な無属性魔力を極限まで加速させて「原初の戦技」を放ち、ゴルジョールの眉間を黒いダガーで貫いた。
- 変化:オーク集団の統率者と戦力が完全に壊滅し、町への侵攻の危機が根底から消滅した。
- 次への影響:瀕死の重傷を負いながらもアリアの体術と無属性魔法がレベル4へと引き上げられ、ランク4の強者と渡り合える身体能力の基盤を獲得した。
転換点:ヴィーロからのグレイブ暗殺依頼の受諾
- それ以前の状況:オーク討伐を終えたアリアは、裏社会からの警戒を強めつつも、単独の冒険者として活動していた。
- 出来事:工房で再会したヴィーロから、暗部を裏切ったグレイブがヘールトン公爵暗殺を企てている事実を告げられ、討伐への協力を持ちかけられた。
- 変化:アリアは自らの宿敵であるグレイブを抹殺し、エレーナの安全を確保するという明確な目的のためにヴィーロたちと共闘体制をとることになった。
- 次への影響:セレジュラの庵でのアラクネ糸精製を経てヘールトン公爵領へ向かい、暗殺者ギルドの刺客や幻獣クァール、そしてグレイブ本人との決戦へ突入した。
転換点:大穴の底での幻獣クァールとの和解と共闘
- それ以前の状況:アリアとランク5の幻獣クァールは、枯れ森で互いの命を奪い合う激しい死闘を繰り広げていた。
- 出来事:崩落した大穴の底で、巨木の破片に貫かれて身動きの取れないクァールに対し、アリアが攻撃を止めて破片を引き抜き、肉を与えて意思を通じ合わせた。
- 変化:敵対関係から互いの誇りを認め合う共闘関係へと反転し、アリアはクァールの機動力を得て垂直の穴から生還した。
- 次への影響:グレイブに追い詰められていたヴィーロとサマンサのもとへ急行し、クァールの一撃でグレイブの腕を奪って退ける決定打となった。
アリアを中心とした人物関係の変化
ガルバス
- 開始時:魔鋼のナイフを譲り受け、ツケの支払いと手入れの約束を残していた恩人。
- 主な出来事:ツケの完済、全財産によるペンデュラム専用刃4種の発注、魔鋼ダガーの正式譲渡、原初の戦技に関する知識の教授。
- 巻末時:アリアの専用装備を一手に担い、彼女の無茶を本気で案じながら支える確固たる信頼関係。
セレジュラ
- 開始時:命を救われ、過酷な放浪の中で唯一家族の温もりを感じさせてくれる魔術・錬金術の師。
- 主な出来事:1年ぶりの帰還、アラクネの共同狩猟、特製魔物糸の精製指導。
- 巻末時:互いの実力と生き方を深く認め合い、恩を返すために必ず生きて帰るべき心の拠り所。
ヴィーロ
- 開始時:互いに実力を認めつつも、暗部との繋がりから一定の警戒を解いていなかった元雇い主。
- 主な出来事:男爵領での再会、グレイブ討伐任務の持ちかけ、サマンサとの小競り合いの仲裁、湿地帯での共闘。
- 巻末時:背中を預けて強敵に立ち向かえる仲間となり、正式に同じパーティー「虹色の剣」のメンバーとなった。
クァール(ネロ)
- 開始時:人間への怒りから見境なく襲いかかってきたランク5の危険な幻獣。
- 主な出来事:枯れ森での激闘、大穴への共倒れ、貫通した巨木片の抜弾と負傷治療、肉の給餌、グレイブへの共同強襲。
- 巻末時:互いの誇りと強さを認め合い、「ネロ」という名を与えられて対等の友となった。
グレイブ
- 開始時:過去にアリアの異常な資質を危険視して激流へ追い詰めた暗部の刺客。
- 主な出来事:湿地帯での再会、傘下への勧誘の拒絶、クァールを交えた激戦での左腕欠損、宣戦布告。
- 巻末時:私情を超え、エレーナと己の未来を脅かす存在として必ず殺害すべき標的。
主人公の認識と周囲の評価
主人公自身の認識
アリアは、自分自身を「筋力や体格で大人の戦士や魔物に遠く及ばない非力な子ども」と捉えている。そのため、正面からの力比べや正攻法の戦闘を徹底して避け、事前の毒物混入、奇襲、環境の利用、相手の心理誘導など、使える手段をすべて総動員して確実に敵を排除することを自らの戦い方としている。また、自らを「勇者」や「聖女」のような正義の味方ではなく、自らの縄張りを守る獣のような存在と位置づけ、他者を救う行動であっても、あくまで自分の立てた約束や目的を果たすための合理的な選択であると認識している。
周囲からの評価
- ケビンや町の防衛隊:当初は「生意気で小生意気な子どものランク3冒険者」と見下していたが、ケビンを一瞬で打ちのめした圧倒的な体術と、オーク集団を単独で壊滅させて首領の六角棒を持ち帰った姿を目の当たりにし、底知れぬ畏怖と敬意を抱くようになった。
- ガルバス:アリアの卓越した戦闘センスと刃へのこだわりを認めつつも、「自分の身体を顧みずに無茶をしすぎる危なっかしい小娘」として深く案じている。
- ヴィーロ:以前の手駒扱いから一変し、「たった数年で自分をも脅かす領域に達した、規格外の戦闘力と冷徹な判断力を持つ一人前の斥候・怪物」として認めている。
- 盗賊ギルドや裏社会の人間:単独で武闘派ギルドや暗殺者支部を皆殺しにした「灰かぶり姫」として極度の恐怖を抱き、原則として関わりや敵対を避けるべき危険人物と認識している。
- グレイブ:当初は「王家を脅かす危険な異物」とみなしていたが、再会時には「目的のために生に執着し、自らと同じ道を歩む資格を持つ強靭な狂犬」と評価し、自らの陣営に引き入れようとした。
認識の差が現れた場面
- オーク集団の足止め宣言時:ケビンや兵士たちは「子どもの分際でランク5を含む大軍を相手にできるはずがなく、口だけの無謀な自殺行為」と受け止めたが、アリア本人は「正面から戦うのではなく、毒の浸透とゲリラ戦を用いれば、単独のほうが隠密性を活かして確実に時間を稼げる」という極めて現実的で冷徹な勝算に基づいていた。
- 六角棒の持ち帰り時:町に戻ったアリアは「重くて途中で後悔した、知らない奴に使われたくないから持ち帰っただけの荷物」と考えていたが、斥候ドイルや兵士たちにとっては「ランク5のオークジェネラルを単独で討伐した動かぬ証拠」であり、そのあまりの異常性に言葉を失って震え上がった。
- クァールへの接近・救護時:クァールは当初、近づいてきたアリアを止めを刺しにきた敵と見て威圧を放ったが、アリアは「動けない相手を嬲り殺す趣味はなく、脱出のために互いの利害と誇りを交わし合える対等の相手」として接し、結果として幻獣の頑なな敵意を解くことになった。
登場キャラクター
主要人物
アリア(アーリシア)
過酷な環境を生き抜き運命に抗う少女。冷徹な思考とサバイバル技術で敵を排除する姿勢を見せる。
・所属組織、地位や役職 冒険者ギルド所属(ランク3からランク4に昇格)。「虹色の剣」メンバー。
・物語内での具体的な行動や成果 オークの集落へ毒を流し込んで衰弱させた。オークジェネラルやオークソルジャーを全滅させる。クァールと共闘して暗殺者やグレイブを撃退した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 ランク4の冒険者へ昇格した。「虹色の剣」へ正式加入を決める。
メルローズ辺境伯家・暗部・関係者
メルシス子爵
メルローズ家の分家当主。偽りのアーリシアを娘として受け入れた。
・所属組織、地位や役職 メルシス子爵領領主。
・物語内での具体的な行動や成果 孤児院から引き取られた少女を屋敷へ迎えた。少女の我が儘に対応する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 メルローズ家の分家として領地を管理する。
オズ
ベルトに忠実な執事。
・所属組織、地位や役職 宰相の執事。暗部の騎士。
・物語内での具体的な行動や成果 自称アーリシアの引き渡し任務を遂行した。ベルトへ一連の状況を報告する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 暗部の主要構成員として仕える。
セラ・レイトーン(セラ)
指導を担当する暗部の女性騎士。
・所属組織、地位や役職 メルローズ家・暗部の騎士。王妃宮・王女宮の警護責任者。
・物語内での具体的な行動や成果 自称アーリシアの護送を担当した。アリアの生存を知らせる書簡をエレーナへ届けさせる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 警護責任者として王宮の警備を統括する。
ベルト・ファ・メルローズ(メルローズ辺境伯 / 宰相)
国政と暗部を取り仕切る人物。
・所属組織、地位や役職 メルローズ辺境伯。クレイデール王国・宰相。暗部室長。
・物語内での具体的な行動や成果 引き取られた少女が本物の孫娘か疑念を抱いた。ミハイルへ助言を求める。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 国の最高権力者の一人として君臨する。
ミハイル・メルローズ
鋭い洞察力を有する少年。
・所属組織、地位や役職 メルローズ辺境伯家嫡男の第一子。
・物語内での具体的な行動や成果 引き取られた少女の見張りを入学後に立てる提案をした。王都で出会った桃色髪の少女を思い返す。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 魔術学園への入学を控える。
セオ・レイトーン(セオ)
セラの息子である執事見習い。
・所属組織、地位や役職 執事見習い。
・物語内での具体的な行動や成果 帰還した母のセラを抱擁で迎えた。アリアの生存を信じて鍛錬に励む。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 将来の戦闘執事を目指して修行を重ねる。
カストロ
アリアを探す協力者。
・所属組織、地位や役職 メルローズ家暗部協力者。執事。
・物語内での具体的な行動や成果 アリアに関する最新情報をセラへ提示した。ヴィーロへ連絡を入れる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 暗部協力者として情報収集にあたる。
グレイブ
反王家派の貴族を狙う過激な男。
・所属組織、地位や役職 暗部の上級執事(離脱)。暗部の騎士(離脱)。
・物語内での具体的な行動や成果 貴族派の重鎮たちを暗殺した。クァールを誘き寄せてアリアたちと死闘を演じる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 クァールに左腕を噛み千切られて逃亡した。アリアを次の標的に指名する。
暗部の騎士たち(集団)
影から国を防衛する組織。
・所属組織、地位や役職 メルローズ辺境伯家・暗部。
・物語内での具体的な行動や成果 王族や重要人物の護衛にあたった。裏切り者のグレイブを捜索する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 国家の陰で諜報や警護を担う。
クレイデール王室・大貴族・関係者
エレーナ・ファ・クレイデール(第一王女エレーナ)
アリアを深く信用する王女。
・所属組織、地位や役職 クレイデール王国・第一王女。
・物語内での具体的な行動や成果 クララへ強い意志を示した。密書によりアリアの生存を知り胸に抱きしめる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 ダンジョン攻略の第一目標に王太子の無事帰還を掲げる。
クララ・ダンドール
破滅の未来を回避しようとする令嬢。
・所属組織、地位や役職 ダンドール辺境伯家・第一令嬢。王太子の第一婚約者候補。
・物語内での具体的な行動や成果 エレーナから覚悟を問われ答えに窮した。自らの生存に向けて決意を固める。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 王太子の正妃候補に絞られた。
パトリシア・フーデール
おっとりした公爵令嬢。
・所属組織、地位や役職 フーデール公爵家・令嬢。
・物語内での具体的な行動や成果 自身の能力を考慮して正妃の争いを辞退した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 第三王妃への内定が決まった。
カルラ・レスター
命のやり取りに執着する少女。
・所属組織、地位や役職 レスター伯爵家・令嬢。王太子の第一婚約者候補。
・物語内での具体的な行動や成果 アリアとの死闘を心の中で夢見た。王城の集会で冷ややかな表情を浮かべる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 第一王妃の候補者としてダンジョン攻略へ臨む。
エルヴァン・フォン・クレイデール(王太子エルヴァン)
ダンジョン攻略へ挑む王子。
・所属組織、地位や役職 クレイデール王国・王太子。第一王子。
・物語内での具体的な行動や成果 国王の命令によりダンジョン攻略の主体となる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 五体満足の帰還を最優先とされる。
クレイデール国王
国家の安寧を図る国王。
・所属組織、地位や役職 クレイデール王国・国王。
・物語内での具体的な行動や成果 王太子や婚約者候補たちへダンジョン攻略命令を下した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 国家の最高権力者として決断を下す。
盗賊ギルド(ケンドラス侯爵領・ガルガ四姉弟)
ラミア(ケンドラス侯爵領盗賊ギルド長 / 長女)
冷酷な美貌を持つ盗賊ギルド長。
・所属組織、地位や役職 盗賊ギルド長(ケンドラス侯爵領)。ガルガ四姉弟・長女。
・物語内での具体的な行動や成果 奴隷ギルドから子どもたちを買い取った。アリアへ風魔法を放つも首を半ばまで斬られて絶命する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 アリアの手で全滅させられた。
キャス(三男 / 二刀短剣使い)
素早い動きを得意とする刺客。
・所属組織、地位や役職 盗賊ギルド構成員。ガルガ四姉弟・三男。
・物語内での具体的な行動や成果 馬車から連れ出したアリアを欲しがった。油断した隙に喉を黒いナイフで貫かれて死亡する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 四姉弟の中で最初の犠牲者となった。
ギガース(長男 / 斧使い)
筋肉の鎧を纏う巨漢。
・所属組織、地位や役職 盗賊ギルド構成員。ガルガ四姉弟・長男。
・物語内での具体的な行動や成果 アリアを追撃して森へ進入した。仕掛けられた落とし穴の杭に突刺さり火で焼死する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 アリアの罠により命を落とした。
トロル(次男 / 格闘戦士)
巨体と怪力を誇る男。
・所属組織、地位や役職 盗賊ギルド構成員。ガルガ四姉弟・次男。
・物語内での具体的な行動や成果 アリアへ追撃をかけた。口内に毒瓶を投げ込まれた末に延髄へナイフを突き刺されて絶命する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 毒とナイフにより仕留められた。
盗賊ギルドの盗賊たち(集団)
ケンドラス侯爵領の裏社会を支配する集団。
・所属組織、地位や役職 盗賊ギルド。
・物語内での具体的な行動や成果 孤児を浚い労働力として売り捌いた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 ガルガ四姉弟の死により組織が潰えた。
盗賊ギルドの下っ端たち(集団)
アリアへ無謀に絡みついた若者たち。
・所属組織、地位や役職 盗賊ギルド構成員。
・物語内での具体的な行動や成果 アリアを捕えようと路地裏で脅迫した。ペンデュラムにより即座に抹殺される。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 アリアの容赦ない攻撃を受けて全滅した。
奴隷ギルド
奴隷ギルドの長
子供を売り捌く商人。
・所属組織、地位や役職 奴隷ギルド・長。
・物語内での具体的な行動や成果 ガルガ四姉弟へ子供の奴隷を引き渡した。アリアの放ったクロスボウの矢を眉間に受けて倒れる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 アリアにより射殺された。
奴隷の子供たち(集団)
各地から集められた被害者たち。
・所属組織、地位や役職 奴隷。
・物語内での具体的な行動や成果 馬車で運ばれ過酷な移動に耐えた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 アリアの襲撃により拘束から解放される。
ホーラス男爵領・孤児院・町関係者
クルス人の神父
孤児院の管理を引き受けた人物。
・所属組織、地位や役職 神父。元孤児院管理者。
・物語内での具体的な行動や成果 老婆の死後に孤児たちの世話を行った。数ヶ月前に引退した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 孤児院の環境改善に寄与した。
粉ものを売る屋台の店主
町の情報をアリアへ話した店主。
・所属組織、地位や役職 屋台店主。
・物語内での具体的な行動や成果 孤児院の近況について語った。アリアへ粉ものを売却する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 町の一員として生活を営む。
孤児院の女の子
孤児たちの食事を担当していた少女。
・所属組織、地位や役職 孤児院の身寄り。
・物語内での具体的な行動や成果 暴力を振るう青年から食事を守ろうとした。アリアの正体に薄々気付いて感謝を示す。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 孤児院で子供たちの世話を続ける。
元孤児の若い男(町のチンピラ)
年少者を脅す粗暴な男。
・所属組織、地位や役職 町のチンピラ。元孤児。
・物語内での具体的な行動や成果 孤児院の食事を奪おうとした。アリアの掌底を受けて顎の骨を粉砕される。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 アリアによりゴミ捨て場へ引きずり出された。
孤児院の孤児たち(集団)
少し健康を取り戻した子供たち。
・所属組織、地位や役職 孤児。
・物語内での具体的な行動や成果 院の庭で掃除や洗濯にあたった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 町の住人から支援を受けて生活する。
町の近所の住人たち(集団)
孤児たちの支援を行う住民たち。
・所属組織、地位や役職 町の住人。
・物語内での具体的な行動や成果 神父の引退後に交代で孤児たちの世話を担当した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 孤児院の運営を裏で支える。
職人・町商人・関係者
ガルバス
アリアの要望に応える名鍛冶師。
・所属組織、地位や役職 鍛冶屋。
・物語内での具体的な行動や成果 魔鋼のダガーをアリアへ貸し出した。四種類のペンデュラム刃とナイフの修繕を完成させる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 アリアへ原初の戦技について解説を行った。
ヴィクトル(雑貨屋の親爺)
口は悪いが顔の広い商人。
・所属組織、地位や役職 雑貨屋店主。
・物語内での具体的な行動や成果 アリアの全財産から材料費の手配を引き受けた。アリアの頭を優しく撫でる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 町で様々な物資を調達する。
ゲルフ(変人の防具屋)
卓越した技術を持つ防具職人。
・所属組織、地位や役職 防具屋店主。
・物語内での具体的な行動や成果 アリアの成長に合わせて黒革ドレスを作り直した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 優れた防具をアリアへ提供する。
門の兵士
町の出入りを管理する兵士。
・所属組織、地位や役職 門番。
・物語内での具体的な行動や成果 アリアの認識票を確認して通行を許可した。危険な遺跡について注意を促す。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 治安維持にあたる。
冒険者ギルド・冒険者・関係者
冒険者ギルド受付嬢(メアリー)
真面目に対応する受付職員。
・所属組織、地位や役職 冒険者ギルド受付嬢。
・物語内での具体的な行動や成果 アリアのランク3昇格手続きを処理した。オーク全滅の報告を受け大量の魔石を査定する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 ヴィーロからの好意を冷たくあしらう。
絡んできた男性冒険者
少女のランク3昇格に激怒した男。
・所属組織、地位や役職 冒険者(ランク2)。
・物語内での具体的な行動や成果 アリアへ剣を突きつけて難癖をつけた。灰かぶり姫の名を聞いて即座に退散する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 実力不足で不満を募らせていた。
盗賊ギルド上がりの斥候の男
灰かぶり姫の正体を知る男。
・所属組織、地位や役職 冒険者(盗賊ギルド出身)。
・物語内での具体的な行動や成果 アリアの顔と髪を見て恐怖に震えた。仲間を置いてギルドから逃走する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 アリアとの敵対を即座に放棄した。
ジル
アリアの活躍に刺激を受けた少年。
・所属組織、地位や役職 荷物持ち。駆け出し冒険者。
・物語内での具体的な行動や成果 故郷の窮状をアリアへ訴えた。アリアの無事を聞いて安堵の表情を見せる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 仲間と共に訓練を重ね冒険者を目指す。
シュリ
アリアへ強い憧れを抱く少女。
・所属組織、地位や役職 荷物持ち。駆け出し冒険者。
・物語内での具体的な行動や成果 アリアの強さと美しさに魅了された。実戦でスリングと鉄串を投擲してオーク撃破に貢献する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 水魔術の適性を見出され訓練に励む。
ヴィーロ・ドーン(ヴィーロ)
軽妙な語り口でアリアを支える凄腕斥候。
・所属組織、地位や役職 冒険者パーティー「虹色の剣」構成員(ランク4)。
・物語内での具体的な行動や成果 グレイブ暗殺の協力をアリアへ打診した。暗殺者やグレイブとの戦いで前線を張る。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 アリアを「虹色の剣」の正式メンバーへ勧誘した。
サマンサ(サマンサ・サマンサ / 砂塵の魔女)
豪快な性格の伝説的魔術師。
・所属組織、地位や役職 元「虹色の剣」構成員(ランク5)。
・物語内での具体的な行動や成果 飛び出して砂嵐を巻き散らした。アリアと手合わせを演じた後にグレイブ戦へ参戦する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 高齢のため一線を退いていたが「虹色の剣」へ一時復帰した。
「虹色の剣」(冒険者パーティー / 集団)
各地で名を馳せる名門パーティー。
・所属組織、地位や役職 冒険者パーティー(ランク5)。
・物語内での具体的な行動や成果 王家からの極密依頼を引き受けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 アリアを新たな加入メンバーとして迎える。
冒険者たち(集団)
ギルドに集う荒くれ者たち。
・所属組織、地位や役職 冒険者ギルド所属。
・物語内での具体的な行動や成果 アリアと男の揉め事を煽った。灰かぶり姫の噂に青ざめて静まり返る。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 町のギルドで依頼をこなす。
小さな町(オーク被災地域・ホーラス男爵領内)
櫓の上の兵士
町の門を監視する警備兵。
・所属組織、地位や役職 町の兵士。
・物語内での具体的な行動や成果 アリアを門の内側へ招き入れた。アリアの持参した塩を喜んで受け取る。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 集落の防衛にあたる。
門の兵士たち(集団)
籠城戦に耐える兵士たち。
・所属組織、地位や役職 町の兵士。
・物語内での具体的な行動や成果 丸太で門の補強作業を行った。アリアへオークに関する状況を説明する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 避難時間を稼ぐため警戒を続ける。
ケビン(ランク2冒険者)
熱い正義感を持つ駆け出し冒険者。
・所属組織、地位や役職 冒険者(ランク2)。
・物語内での具体的な行動や成果 アリアへ掴みかかったが素手で叩きのめされた。町の人々を守る誓いを口にする。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 アリアの行動に感化され住民の避難へ尽力した。
ケビンのパーティー仲間たち(集団)
ケビンと共に戦う冒険者たち。
・所属組織、地位や役職 冒険者パーティー(ランク2)。
・物語内での具体的な行動や成果 激昂するケビンを静止しようと試みた。アリアの強さに度肝を抜かれる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 オークの襲撃に対して防衛にあたった。
ドイル(熟練斥候 / ランク3)
冷静な洞察力を誇るベテラン斥候。
・所属組織、地位や役職 冒険者(ランク3)。
・物語内での具体的な行動や成果 オークたちの衰弱状態を見抜いた。全滅したオークの現場を確認して驚愕する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 アリアを灰かぶり姫であると確信した。
逃げ遅れている住民たち(集団)
町に残された高齢者や病人たち。
・所属組織、地位や役職 町の住人。
・物語内での具体的な行動や成果 公民館へ集められ順次避難を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 アリアの時間稼ぎにより無事脱出を果たす。
オーク軍勢(廃村拠点)
ゴルジョール(オークジェネラル / ランク5)
集落を統率する巨漢の戦士。
・所属組織、地位や役職 オーク集団の頭(ランク5)。
・物語内での具体的な行動や成果 脱水症状に苦しみつつ侵攻を企てた。アリアと一騎打ちを展開し原初の戦技を受け絶命する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 アリアを難敵と認め名前を交わした。
《大剣》オークソルジャー(ランク4)
大剣を振るう圧倒的巨躯の戦士。
・所属組織、地位や役職 オークソルジャー(ランク4)。
・物語内での具体的な行動や成果 仲間の死骸を盾にしてアリアとぶつかった。アリアの罠で足を貫かれ股間を刺されて動けなくなる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 アリアの手で引導を渡された。
《槍》オークソルジャー(ランク4)
槍を緻密に繰り出す軽戦士。
・所属組織、地位や役職 オークソルジャー(ランク4)。
・物語内での具体的な行動や成果 素早い突進でアリアを追撃した。赤辛子で目をやられた仲間の石斧を受け頭部を撃砕される。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 アリアの戦技で止めを刺された。
《両手斧》オークソルジャー(ランク4)
戦技【鉄砕】を放つ重戦士。
・所属組織、地位や役職 オークソルジャー(ランク4)。
・物語内での具体的な行動や成果 アリアの気配を見破り衝撃波を繰り出した。幻覚に騙され背後からダガーを刺される。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 アリアの誘導により《槍》の攻撃を受けて倒れた。
《弓》オークソルジャー(ランク4)
遠距離射撃に長けた上位種。
・所属組織、地位や役職 オークソルジャー(ランク4)。
・物語内での具体的な行動や成果 屋根の上に立つアリアを弓で狙い定めた。アリアの腐食毒矢を左目に受けて即死する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 真っ先に討伐された。
通常のオークたち
廃村に巣食う亜人の集団。
・所属組織、地位や役職 オーク(ランク3)。
・物語内での具体的な行動や成果 農作物を荒らして集落へ持ち帰った。毒水や暗殺により衰弱し全滅した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 アリアの策略により全滅に至る。
暗殺者ギルド(中央西地区支部)
ナーマルド
元帝国の騎士である熟練刺客。
・所属組織、地位や役職 暗殺者ギルド中央西地区支部構成員。元カルファーン帝国騎士(ランク4)。
・物語内での具体的な行動や成果 行商人を装いアリアへ毒入りシチューを与えた。アリアの戦技を受けクァールに殺害される。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 アリアをギルドへ勧誘しようと企てた。
タヒル
軟体を用いて格闘術を繰り出す男。
・所属組織、地位や役職 暗殺者ギルド中央西地区支部構成員(ランク3)。
・物語内での具体的な行動や成果 素手でアリアのナイフを弾き返した。サマンサの砂嵐に巻き込まれアリアに斬殺される。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 アリアの手により命を落とした。
ザナ
獣化して圧倒的な身体能力を見せる男。
・所属組織、地位や役職 暗殺者ギルド中央西地区支部構成員。ライカンスロープ(狼男)。
・物語内での具体的な行動や成果 狼に変貌してアリアを襲撃した。催眠剤を口に放り込まれペンデュラムで頭蓋を砕かれて絶命する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 獣化により強大な腕力を誇る。
サリーマ
愛らしい姿に凶暴性を秘める少女。
・所属組織、地位や役職 暗殺者ギルド中央西地区支部構成員。吸血鬼。
・物語内での具体的な行動や成果 幼子を演じてアリアにシチューを渡した。本性を現して爪で襲いかかったが首を切り落とされて死亡する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 死臭をアリアに見破られていた。
敵対生物・魔物・幻獣
ホブゴブリン
街道付近へ突如現れた魔物。
・所属組織、地位や役職 魔物(ランク2)。
・物語内での具体的な行動や成果 街道の森から出現した。アリアの蹴りとダガーにより瞬時に仕留められる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 オーク侵攻の影響で人里付近へ流れていた。
アラクネ
渓谷の巣に潜む蜘蛛の魔物。
・所属組織、地位や役職 魔物(通常種 / ランク4)。
・物語内での具体的な行動や成果 おとりのアリアへ糸や毒液を吐きかけた。セレジュラの魔術とアリアの斬撃により討伐される。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 アリアの新たなペンデュラム用の糸の素材とされた。
ネロ
強い自尊心を持つ孤高の幻獣。
・所属組織、地位や役職 クァール(黒の破壊者 / ランク5)。
・物語内での具体的な行動や成果 グレイブの挑発で暴れ回った。アリアと穴底で誓いを交わし地上へ脱出させた後に学園の森へ向かう。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 アリアを対等な存在として認めた。
その他・関係者・集団
セレジュラ
アリアを弟子として温かく見守る師匠。
・所属組織、地位や役職 元魔族軍暗殺者「戦鬼」。錬金術師(ランク5)。
・物語内での具体的な行動や成果 アリアへ薬学や魔術を教授した。アラクネ狩りに同行して魔術でサポートする。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 アリアの唯一の家族として庵で暮らす。
ヘールトン公爵
反王家派の旗頭とされる大貴族。
・所属組織、地位や役職 ヘールトン公爵領領主。
・物語内での具体的な行動や成果 人気取りのために自ら幻獣討伐隊を編成した。グレイブから命を狙われる。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 反王家派として独自の動きを見せる。
ホーラス男爵
北方の領地を治める領主。
・所属組織、地位や役職 ホーラス男爵領領主。
・物語内での具体的な行動や成果 オークの襲撃に対して伯爵家へ支援を求めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 領内の混乱収束に追われる。
トーラス伯爵
ホーラス男爵の寄親とされる貴族。
・所属組織、地位や役職 トーラス伯爵領領主。
・物語内での具体的な行動や成果 ホーラス男爵領への兵士派遣を準備した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 周辺貴族を取りまとめる。
ダガート
過去にアリアと戦った実力派戦士。
・所属組織、地位や役職 元冒険者パーティー「暁の傭兵」リーダー。
・物語内での具体的な行動や成果 アリアへ範囲攻撃戦技【暴風】を見せた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 アリアの戦技習得のきっかけとなった。
猫たち(集団)
学園の森の先住者たち。
・所属組織、地位や役職 学園の森の野生動物。
・物語内での具体的な行動や成果 やってきたネロを案内した。木箱の寝床をネロへ提供する。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項 ネロを群れの一員として受け入れた。
展開まとめ
第一部 放浪編 殺戮の灰かぶり姫 III
第四章 灰かぶり姫 前編
プロローグ
アーリシアの引き渡しと王都の思惑
メル湖畔のメルシス子爵邸に、孤児院から引き取られた少女アーリシアが到着した。出迎えた子爵に対して愛想よく振る舞い庇護を求める彼女を、護衛を務めた暗部のオズとセラは冷ややかに観察していた。王都へ帰還した二人は、メルローズ辺境伯ベルトに任務完了を報告した。ベルトやその孫ミハイルは、アーリシアがメルローズ直系特有の桃色がかった金髪を持たないことやその異様な言動から、本物であるか疑問を抱いていた。
灰かぶり姫
奴隷商人一行への急襲
ケンドラス侯爵領の森にて、武闘派として恐れられる盗賊ギルド「ガルガ四姉弟」の長女ラミアが、奴隷ギルドから子どもたちを買い取っていた。そこへ紛れ込んでいた桃色髪の少女アリアが突如として三男キャスの喉をナイフで掻き切り、奴隷ギルドの長を射殺して森へ逃走した。追撃してきた次男トロルを幻痛と毒で無力化し、長男ギガースを落とし穴の杭と炎で仕留めると、アリアはトロルにとどめを刺した。激昂して竜巻を放ってきたラミアをも肉薄して切り裂き、灰かぶり姫としての威名を知らしめた。
始まりの場所
孤児院の現状と決別
暗殺者ギルドの支部を壊滅させた後、十歳となったアリアは二年半ぶりに自らの原点であるホーラス男爵領の町へ立ち寄った。孤児院を訪れると、かつて年少者を虐げていた元孤児の青年が院の少女に暴力を振るっていたため、アリアは掌底で男の顎を粉砕して叩き伏せた。少女に別れを告げたアリアは、自身がもはやこの場所に属する人間ではないことを再認識した。
轟く威名
武器の新調と冒険者ギルドでの騒動
アリアはドワーフの鍛冶屋ガルバスと再会し、ツケの支払いに加えて手持ちの全財産を差し出し、ペンデュラム用の専用刃の製作を依頼した。ガルバスから魔鋼のダガーを託された後、身分証更新のため冒険者ギルドを訪れると、子どもの身でランク3を申告したことで冒険者の男から難癖をつけられた。しかし、アリアの纏う気配と灰かぶり姫の二つ名に気づいた盗賊ギルド上がりの仲間が恐慌をきたして逃げ出したため、男たちも戦意を喪失して引き下がった。そこでアリアは、かつてスラムで出会った兄妹ジルとシュリに再会した。
迫る脅威
オーク集団の危機とアリアの単独行
ジルとシュリから、二人の故郷である小さな町がオークの群れに包囲され危機に瀕していると知らされた。集落には通常のオーク五十体以上に加え、オークソルジャー四体とランク5のオークジェネラル一体が陣取っており、領主もギルドも救援を出せずにいた。ジルから同行を懇願されたアリアは二人を危険から遠ざけるため拒絶し、潜んでいた盗賊の偵察を始末すると、住民が避難するまでの時間を稼ぐべく単身で現地へ向かうことを決めた。
小さな町
防衛隊との合流と時間稼ぎの宣言
二日の強行軍を経て目的地へ到着したアリアは、わずかな物資と塩を兵士に渡して防衛線へ入った。ギルドで絡んできた男ケビンと再会し、反発する彼を素手の体術で圧倒して叩き伏せた。アリアはケビンたちに住民の避難誘導を任せ、自身はオークを引きつけて一ヶ月の時間を稼ぐと宣言して出撃した。
オーク攻略戦
衰弱毒の浸透とゲリラ戦の開始
アリアは廃村に巣食うオーク集団に対し、水源への投薬や餌付けした肉への毒混入を三週間にわたり密かに継続した。腹下しと鼻炎止めの成分によってオークたちを重度の脱水症状に陥らせた後、食料調達に出てきた小隊を次々と暗殺していった。
オークソルジャー
上位種との死闘と勝利
町へ向かおうとしていた農場略奪班を襲撃した際、アリアは大剣、槍、両手斧を構えた三体のオークソルジャーと対峙した。幻影や暗器、影攫いによる空間攻撃を駆使して敵の連携を分断し、同士討ちを誘発させながら各個撃破していった。最後の大剣ソルジャーの眉間をダガーで刺し貫き、先遣隊を全滅させた。
オークジェネラル
原初の戦技とボスの討伐
残る本隊を叩くため廃村へ戻ったアリアは、弓持ちのソルジャーを毒矢で狙撃して排除した。残党を蹴散らしながら、身の丈三メートルを超える巨躯のオークジェネラルと対決した。棍棒の猛攻に晒され窮地に陥るも、全身の魔力から属性を排除して無属性魔力を極限まで加速させる原初の戦技を発動し、衝撃波を飛び越えてジェネラルの眉間にダガーを突き立てて討ち倒した。
新しい武器と懐かしい顔
町の解放とヴィーロとの再会
瀕死の重傷を負いながらも回復を果たしたアリアは、魔鉄の六角棒を回収して町へ戻り、脅威の排除を伝えて去った。ガルバスの工房へ戻って六角棒を譲渡した際、暴走した身体強化について尋ね、それが精霊の定めた戦技の原型であると知らされた。修理された愛用の黒いナイフと四種のペンデュラム刃を受け取った直後、背後から接近してきたヴィーロと再会を果たした。
新たな仕事
オーク討伐の波紋と新たな依頼
アリアがオークジェネラルを含む集団を単独で殲滅した事実は冒険者ギルドに大きな衝撃を与えた。アリアは騒ぎを避けて現場を立ち去り、ジルやシュリに別れを告げた後、絡んできた盗賊ギルドのチンピラを返り討ちにした。ヴィーロから王家と裏社会を巡る新たな任務への協力を持ちかけられたアリアは、自身の目的のために同行を承諾した。
懐かしい場所
森の突破と師の庵への帰着
ヴィーロと三ヶ月後の合流を約束したアリアは、消耗した装備と糸を補充するため、魔物が徘徊する国境沿いの森を突破して師セレジュラの庵へ向かった。十日以上の山越えを経て懐かしい家へ辿り着いたアリアは、温かく迎え入れてくれたセレジュラの腕の中に抱きしめられた。
糸狩り
アラクネの討伐と糸の精製
セレジュラとアリアは、新たなペンデュラム用の糸を採取するため、渓谷に巣食うランク4の魔物アラクネの狩猟へ向かった。アリアがおとりとなってアラクネを誘い出し、セレジュラの大旋風で吹き飛ばした隙に二人で首を切り落として討伐した。アリアはその場でアラクネの体液に自身の血液を調合し、強靭な魔物糸を生成した。その頃、王都では王太子の婚約者となったカルラたちが、離島のダンジョン攻略を命じられていた。
サマンサ・サマンサ
中央西地区支部の罠と妖怪老婆の乱入
アリアはヘールトン公爵領を目指す道中、護衛を依頼してきた行商人ナーマルドらの一行に同行した。しかし彼らの正体は暗殺者ギルド中央西地区支部の刺客であり、アリアは盛られた毒入りシチューを影収納へ流し込んで難を逃れ、戦闘へと突入した。狼男や吸血鬼を交えた連携攻撃に晒される中、突如として砂嵐を撒き散らしながら爆走する謎の老婆が乱入した。
狂人
グレイブの暗躍と討伐隊の結成
老婆の正体は、ヴィーロが呼び戻したかつての仲間であるランク5の魔術師サマンサであった。誤解から生じたアリアとの小競り合いをヴィーロが制止し、三人は合流した。ヴィーロから、暗部を裏切ったグレイブがヘールトン公爵の暗殺を狙って幻獣クァールを人里へ誘き寄せていると知らされた一行は、公爵の到着前にグレイブを討ち取るべく湿地帯へ向かった。
乱入者
四つ巴の激突とクァールの襲来
湿地帯の街道で待ち伏せていたグレイブと遭遇した一行は戦闘を開始した。サマンサの魔術とヴィーロの牽制をものともせずグレイブが猛威を振るう中、怒り狂ったランク5の幻獣クァールが戦場へ乱入してきた。
黒の破壊者
幻獣との共闘と底への転落
グレイブがクァールをヴィーロへ押し付けようとしたため、アリアは自ら幻獣を引き受けて森の奥へと誘導した。枯れ森の脆い地形とペンデュラムを駆使してクァールの機動力を削ぎ、影渡りと暴走魔力を浴びせて大木の空洞へもろともに崩落した。
人と獣
暗闇の誓いと脱出
大穴の底で倒れていたアリアは、クァールが化石化した巨木片に背中を貫かれて身動きが取れなくなっているのを発見した。アリアは敵意を解いてクァールの意思を受け止め、貫通していた巨木を引き抜いて傷を癒やし、肉を分け与えた。誇りを交わし合った二人は共闘を誓い、アリアを背に乗せたクァールは垂直の崖を駆け上がって地上へ脱出した。
標的
グレイブの撃退と宣戦布告
グレイブに追い詰められていたヴィーロとサマンサの元へ、クァールに乗ったアリアが急襲を仕掛けた。アリアの突撃と幻痛に怯んだグレイブの左腕をクァールが食い千切り、サマンサの追撃を受けたグレイブは毒煙幕を使って逃亡した。去り際にグレイブはアリアを次の標的と定めて王女を守れと言い残し、アリアも受けて立つ決意を固めた。
新たな依頼
幻獣ネロとの別れと虹色の剣への加入
グレイブを見失ったクァールに対し、アリアはネロという名を授けて対等の友として見送った。ヴィーロから王太子やエレーナが挑むダンジョン攻略の露払い任務を聞かされたアリアは、エレーナを守るため、サマンサの後任として冒険者パーティー「虹色の剣」へ正式に加入することを承諾した。
エピローグ
エレーナの決意とアリアの生存確認
王宮ではクララがエレーナからダンジョン攻略に向けた冷徹な覚悟を突きつけられていた。自室へ戻ったエレーナは、暗部のセラから届けられた密書によってアリアが生存し活躍を続けていることを知り、友の無事を喜んで書面を胸に抱きしめた。一方、アリアを見失ったネロは、彼女がいずれ訪れるであろう学園の森に潜み、木箱の中で静かに再会の時を待っていた。
電子版特典 シュリの冒険
兄妹の奮起とオークの撃破
ジルとシュリはケビンのパーティーの荷物持ちを務めながら、アリアに追いつくため訓練を重ねていた。討伐任務の最中に野生のオーク二体と遭遇して前衛が崩れかけた際、ジルが身を挺して敵を引きつけ、シュリは生活魔法の流水で足元を滑らせて隙を作った。シュリが投げた鉄串が目を貫き、一行は連携してオークを討ち倒した。シュリはアリアと肩を並べて再会できる日を信じ、さらなる成長を誓った。
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乙女ゲームのヒロインで最強サバイバル シリーズ
その他フィクション

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