ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンラインフィクション(Novel)読書感想

小説【SAO外伝GGO】「ガンゲイル・オンライン XII(12)」感想・ネタバレ

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GGO 11巻レビュー
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どんな本?

『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン XII ─フィフス・スクワッド・ジャム〈中〉─』は、人気シリーズの第12巻であり、バトルロイヤル形式のVRゲーム「ガンゲイル・オンライン」を舞台に、緊迫感あふれる戦いが描かれている。特にこの巻は、第五回スクワッド・ジャム(SJ5)の中盤戦を扱っており、主人公のレンをはじめとする個性豊かなキャラクターたちが濃霧の広がるフィールドで熾烈な戦闘を繰り広げる。

物語は、1億クレジットという大金がかかった賞金首となったレンが、仲間たちと共に王座奪還を目指すところから始まる。しかし、特殊なルールにより、チーム全員がバラバラに配置され、濃霧に包まれた戦場で生き残るために知恵と戦略を駆使して敵と戦う展開が続く。途中、謎のプレイヤー・ビービーや、シャーリー、フカ次郎といった多彩なキャラクターが次々と登場し、予測不能な戦いが繰り広げられる。

この巻では、新たな敵との出会い、盟友との再会、そして新たなルールの追加など、目まぐるしい展開が読者を飽きさせない。また、レンとフカ次郎の連携や、仲間たちとの友情、そして敵との駆け引きが深く描かれており、物語に一層の厚みを加えている。

『フィフス・スクワッド・ジャム〈中〉』は、シリーズのファンにとってはもちろん、これから読む人にとっても楽しめる一冊であり、迫力あるバトルとキャラクターの魅力が詰まった作品である。次巻の展開がますます楽しみになる内容であるため、バトルアクションや戦略ゲームが好きな人には特におすすめである。

読んだ本のタイトル

ソードアート・オンライン オルタナティブ
ガンゲイル・オンライン
 XII 
フィフス・スクワッド・ジャム〈中〉
著者:時雨沢恵一 氏
イラスト:黒星紅白  氏
監修:川原礫 氏
イラスト:abec 氏

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あらすじ・内容

間髪入れず開催された第五回スクワッド・ジャム。1億クレジットという大金がかかった賞金首にされてしまったレンは、SHINCとの共闘による王座奪還を誓うのだが――特殊ルールにより、チーム全員バラバラの地点に放り出されてしまう……。濃霧のなか、SJ4でZEMALを優勝に導いた謎のプレイヤー・ビービーと偶然出会ったレンは、一時的に手を組み死戦をくぐり抜ける。
 好敵手のボスやデヴィッドも加わり、どうにか陣形を整えたレン達の前にビービーのチームメイトを容赦なく撃ち殺すグレネード・ランチャー使い=フカ次郎が現れ……。レンは無事仲間と合流し、SJ5優勝へ導くことができるのか?

ソードアート・オンライン オルタナティブ
ガンゲイル・オンライン XII 
フィフス・スクワッド・ジャム〈中〉

感想

フカ次郎が初っ端からやってくれた!
ビービーへの積年の恨みをここで晴らそうと、レン諸共吹き飛ばそうとグレネードをぶっ放す。
本当に、彼女は色々とクレイジーだな(褒め言葉)。

『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン XII ─フィフス・スクワッド・ジャム〈中〉─』は、濃霧の広がる戦場でのバトルがさらに激しさを増し、登場人物たちが織りなす複雑な戦略と緊張感溢れる展開が描かれている。第五回スクワッド・ジャム(SJ5)で、1億クレジットの賞金がかけられたレンは、SHINCのメンバーと共に戦い、散り散りになった仲間たちとの再会を目指す。この巻では、レンとビービー、そしてフカ次郎らが予測不能な事態に直面し、敵や仲間との対決を通じて物語が進む。

特にこの巻では、ピトフーイの驚くべき動きや、自爆チーム「DOOM」の戦略的な攻撃がストーリーの鍵を握る。彼らの行動が戦場全体を混乱に陥れ、レンたちにとっても重大な脅威となっている。また、新たに明かされたルールが、プレイヤーたちの戦略に新たな波乱を呼び込み、フィールドが崩壊し始める展開には目が離せない。中巻であるこの巻は、数々の新しい展開が織り込まれており、物語は次巻でのクライマックスに向けて盛り上がりを見せている。

読者はレンとその仲間たちが困難な状況に立ち向かう姿や、敵との駆け引きに引き込まれ、次巻の展開が待ち遠しくなるだろう。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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考察・解説

セインたちの全滅

実況プレイヤーでもあるセインとその仲間の全滅については、第4回大会(SJ4)と第5回大会(SJ5)のそれぞれで過酷な最期が描かれている。

第四回大会(SJ4)における全滅(チームZAT)

・SJ4においてセインが所属していたチーム「ZAT」は、森の中で「立ち止まっているとモンスターが湧く」という特別ルールに苦しめられていた。
・彼らは実況を交えながら防御円陣を組んで必死にモンスターを銃撃していたが、その隙を突かれ、エムの指示を受けたシャーリーからの狙撃によってセインを含むメンバーが次々と倒されてしまう。
・さらにレンが敵陣へと突入して残りのメンバーを掃討したことで、ZATは全滅した。

第五回大会(SJ5)における全滅(18人の即席結託チーム)

・SJ5においてセインは、濃霧の中で孤立したプレイヤーたちに呼びかけ、1億クレジットの賞金首であるレンを討ち取ることを目的とした18人の結託チームを形成した。
・彼らは破壊された住宅地に差し掛かった際、逆さになった業務用ゴミ箱のような怪しい金属製の物体を発見する。
・セインがそれに近づいた直後、何の前触れもなくセインは即死してしまう。
・待機所でリプレイ映像を確認したセインは、そのゴミ箱(実はフカ次郎が用意した偽装型装甲車両「PM号」)の中からレンが飛び出し、光剣で自身の頭を真っ二つに両断していたという事実をようやく理解した。

まとめ

リーダー格のセインを瞬殺された残りのメンバーたちも、PM号の中から繰り出されるレンの光剣の猛威に太刀打ちできず、驚愕の中で次々と斬り伏せられて敗北を喫し、全滅へと至ったのである。

PM号の奇襲作戦

第五回スクワッド・ジャム(SJ5)において、レンとフカ次郎が展開した「PM号の奇襲作戦」は、敵の意表を突く非常に巧妙で恐るべき戦術であった。

PM号の正体と特徴

・「PM号」とは、外見が逆さになった業務用ゴミ箱のように見える偽装型の装甲車両である。
・一見するとただの風景の一部や障害物にしか見えないが、極めて高い防弾性能を備えており、敵から集中銃撃を受けてもすべての弾丸を跳ね返すほどの防御力を誇る。

奇襲作戦の戦術

・この作戦の最大の強みは、レンとフカ次郎の絶妙な連携と役割分担にある。
・フカ次郎がPM号の内側から人力で車体を押して移動させ、敵が怪しんで近づいてきたり油断したりした瞬間に、同じく内部に潜んでいたレンが突然飛び出して「光剣」で斬り捨てるという戦法である。

作戦の成果と敵の反応

・セイン率いる結託チームの殲滅:1億クレジットの賞金首となったレンを狙って18人のプレイヤーを結集させた実況プレイヤーのセインは、破壊された住宅地でこのゴミ箱(PM号)を発見した。彼が不用意に近づいた瞬間、何の前触れもなくレンが飛び出し、光剣でセインの頭を両断して即死させた。残るメンバーもPM号の防弾性能とレンの圧倒的な近接戦闘に太刀打ちできず、次々と斬り伏せられた。
・遮蔽物(盾)と勘違いした敵の暗殺:戦場が複数のチームによる激しい銃撃戦の混乱に陥った際、PM号を「単なる安全な遮蔽物」だと思い込み、背中を預けて盾代わりに使う敵(デーンやハッシュなど)も現れた。レンは外の銃撃戦の状況を冷静に見守り、敵が仲間と合流して安心しきった絶好のタイミングを見計らって内部から刃を振るい、次々と首を切り落として暗殺していくという恐ろしい立ち回りを見せた。

作戦の終了

・13時48分頃、地下室に隠れていたSHINCのリーダーであるボスと合流する際、ボスも最初は向かってくるPM号を敵だと思って撃ちかけたが、その無数の弾痕とユニークな外見に感心して踏みとどまった。
・その後、レンとフカ次郎はPM号の蓋を開けて外へ飛び出し、ウィンドウ操作でPM号を消去して、それぞれ本来の武装(P90とMGL-140)を実体化させたことで、この奇襲作戦は終了した。

まとめ

ただのゴミ箱に身を隠すという奇抜な発想に、レンの高い近接戦闘能力とフカ次郎のサポートが見事に噛み合い、賞金目当てで群がる敵プレイヤーたちを恐怖のどん底に陥れたSJ5屈指の痛快な戦術だと言える。

フィールドの崩壊

「第五回スクワッド・ジャム(SJ5)」において、14時に発動した「フィールドの崩壊」は、大会の最終局面を決定づける過酷な特殊ルールであった。

崩壊の始まりと巨大な城の出現

・14時ちょうど、大会開始からフィールドを覆っていた濃霧が一気に晴れ渡ると、フィールドの中央に直径3キロメートルに及ぶ巨大な欧風の城が姿を現した。
・そして、このフィールド全体が実はテーブルマウンテンのような構造になっており、周囲の崖から次々と大地が崩壊し始めたのである。

過酷な特殊ルール「城だけが残る」

・城壁には「この大地は崩れ、城だけが残る」というメッセージが浮かび上がっており、プレイヤーたちは城にたどり着かなければ生存不可能であることを突きつけられた。
・大地の崩壊は非常に速く、数分で城以外の全てが崩れ落ちると予想されるほどのスピードであった。

まとめ

この突然の崩壊により、南東の雪原にいた前回大会優勝チームZEMALのリーダー・トムトムをはじめ、多くのプレイヤーが崩れゆく地面と共に落下して命を落とした。事情を知らずに城を目指すプレイヤーを攻撃し続ける者がいた一方で、崩壊の恐怖に駆られて必死に城へ向かう者もおり、戦場は大混乱に陥った。レンたち「LPFM」や「SHINC」、そしてシャーリーなどの生存者たちも、足元から崩壊する大地から逃れるため、最後の戦場となる中央の城を目指して決死の進軍を開始することになるのである。

シャーリーによる狙撃

シャーリー(リアル名:霧島舞)は、現実世界で北海道のネイチャーガイド兼エゾシカ猟のハンターという経歴を持ち、その経験を活かしたGGO屈指の凄腕スナイパーである。彼女の代名詞とも言える愛銃「R93タクティカル2」などを用いた数々の狙撃と、最大の標的であるピトフーイとの因縁について、各大会での活躍を解説する。

SJ2:スナイパーとしての覚醒とピトフーイの狙撃

・元々シャーリーは「人を撃ちたくない」という思いからGGOでの対人戦を避けていたが、SJ2で仲間をピトフーイに無慈悲に殺されたことで一変する。
・ピトフーイを「害獣」とみなして駆逐する決意を固め、泥まみれになりながら匍匐前進で接近し、煙幕からピトフーイが顔を上げた一瞬の隙を突いて見事に狙撃を成功させた(直後にレンの反撃を受けて戦死している)。

SJ3:「炸裂弾」による圧倒的な狙撃

・SJ2での敗北を機に戦いへの迷いを捨てたシャーリーは、スナイパーとしての技術をさらに極めた。
・ゲーム内のスキル「弾頭カスタム」を利用して、着弾時に爆発を引き起こす「炸裂弾」を開発した。
・SJ3ではこの炸裂弾を巧みに操り、敵プレイヤー5人を一撃必殺の威力で次々と粉砕するという、周囲を恐怖に陥れる圧倒的なスナイピングを披露した。

SJ4:「死神」としての狙撃と変則ルールへの対応

・SJ4ではピトフーイ直々のスカウトにより、レンたちと同じチーム「LPFM」に加入するが、「機会があればピトフーイを撃つ」「私はアイツの死神になるためだ」と公言して参戦した。
・大会中は、実況者セイン率いるチーム《ZAT》を遠距離から次々と狙撃して全滅に追い込んだり、空港の管制塔から敵(ジェイク)の乗る高速移動中のトライクを長距離狙撃してピトフーイの窮地を救うなど、圧倒的な実力を見せつけた。また、敵のハンヴィーのタイヤを正確に狙撃して破壊する神業も披露した。
・さらに、拳銃しか使えないショッピングモールでの特別ルール下では、ライフル弾を発射できる特殊な拳銃「レミントンXP100」を持ち出し、スナイパーとしての長射程を遺憾なく発揮した。

SJ5:800メートルの超長距離狙撃による決着

・SJ5の最終盤、フィールド全体が崩壊し、生き残ったプレイヤーたちが中央の巨大な城へ向かって決死の進軍をする中で、シャーリーの執念が実を結ぶ。
・彼女は、自爆チームの少年が作ってくれた煙幕を利用して身を隠し、城へ向かって突入しようとしていたピトフーイをスコープに捉える。
・そして800メートルという超長距離から慎重に放たれた弾丸は、見事にピトフーイの頭部を撃ち抜き、彼女を即死させた。

まとめ

この一撃により、シャーリーはついにピトフーイを自らの手で仕留めるという宿願を果たしたのである。

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キャラクター紹介

  1. レン

    チームLPFMのリーダーで、戦場で冷静かつ迅速に行動した。フカ次郎やボスと共に新たな作戦を展開し、最終的に敵との激しい戦闘を繰り広げた。戦いにおいて光剣を用いて敵を一撃で倒すなど、非常に高い戦闘能力を持っていた。
  2. フカ次郎

    LPFMのメンバーで、プラズマ・グレネードを使った破壊的な攻撃を得意とした。レンと共に作戦を遂行し、彼女を援護しながら多くの敵を倒していった。大胆な戦術を好み、決断力に優れていた。
  3. ボス

    SHINCのリーダーであり、レンやフカ次郎と共に行動した。地下室での作戦中には冷静にサテライト・スキャンを確認し、敵の接近を察知するなど、情報収集に長けていた。
  4. ピトフーイ

    LPFMのメンバーであり、レンやエムたちと共に行動していた。最終的にシャーリーに狙撃されて死亡したが、特殊ルールにより死後も「幽霊」としてゲームに参加する可能性が示された。
  5. シャーリー
    LPFMのメンバーで優れた狙撃手であり、800メートルの距離からピトフーイを狙撃して倒した。自爆少年との協力により、敵の城への突入を成功させたが、彼女自身も過酷な戦場を生き延びるために奮闘していた。
  6. クラレンス

    LPFMのメンバー、敵の影に対して石を投げつけるなど、独自の戦術を駆使していた。ターニャと協力しながら敵を回避し、生き延びるための策を練って行動していた。
  7. エム

    LPFMの一員であり、レンやアンナと共に行動した。狙撃能力に優れ、敵を正確に撃破しながらバハ・バグでの激しい戦闘を生き延びたが、非常に厳しい状況に追い込まれていた。
  8. ターニャ

    SHINCのメンバー、クラレンスと共に行動し、彼を誤って撃ってしまう場面もあったが、共に逃走しながら戦況を見極めていた。冷静に敵を観察し、戦いを楽しんでいる様子が見られた。
  9. アンナ

    SHINCのメンバー、エムと行動を共にしおり、バハ・バグでの逃走を支援した。エムと共に戦場を駆け抜け、生き延びるために奮闘していた。
  10. ビービー

    レンと一時的に対峙したが、最終的にはレンと和解して別れた。RPD軽機関銃を扱い、冷静に戦闘状況を見極めて行動していた。
  11. セイン

    実況プレイヤーとして行動していた。多くの仲間を集め、レンを討つために霧の中でチームを率いて進行したが、最終的にはレンに光剣で頭を両断され、即死した。

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備忘録

第六章  「 10分間の鏖殺・再び」

レンは、激しい戦場の中で、フカ次郎の大声を聞いた瞬間、自分の予感が的中したことを確信していた。彼女はプラズマ・グレネードを用いて、敵とその家を粉々に吹き飛ばそうとしていた。レンは事態の深刻さを理解し、建物にいる仲間たちに避難を呼びかけた。

爆音とともに通常のグレネードが家の壁に炸裂し始めたが、これはまだ対人用のものであった。しかし、フカ次郎が12発のプラズマ・グレネードを持っていることを知ったレンは、家が完全に破壊される危険性を認識し、即座に西側へ逃げるよう指示を出した。

レンはボスとビービーを避難させ、自身も建物から脱出する決断を下した。彼女は崩壊する家から飛び降り、無事に着地したが、その直後にビービーとボスも彼女の元に飛び込んできて、三人は勢いよく地面に転がり込んだ。

レンが立ち上がると、ビービーがRPD軽機関銃を構え、冷静な態度で銃口を向けていた。レンはビービーの以前の発言を引用し、恨みっこなしであることを訴えた。ビービーはそれに同意し、銃口を下げた。彼女がレンを撃たなかったのは、ボスがデカネードを抱えていたため、もし撃っていたら全員が爆死していた可能性があった。

レンはビービーに感謝しつつ、ポンチョのマーカーライトを彼女に返した。そして、次に会うときは敵であることを確認し、二人は別れた。

レンは、フカ次郎の背中を霧の中で見送りつつ、彼女に向かって絶叫した。その声は大きく、周囲に響き渡った。敵に気づかれるリスクを承知で叫んだが、フカ次郎がまたグレネードを撃ってくる可能性があるため、それ以外の選択肢はなかった。

霧が戻り、視界は30メートルほどしかなかったが、フカ次郎の声がかすかに戻ってきた。レンはフカ次郎の声に応じ、彼女のいる方へと走り出した。途中でボスも加わり、二人は共に行動することになった。道中、倒れた仲間や武器を見かけたが、状況が切迫していたため拾う余裕はなかった。

レンはフカ次郎が隠れている小さな地下室を発見した。地下室は狭く、まさに一人用であった。フカ次郎は笑顔でレンとボスを迎え入れ、彼女たちはお互いに無事を喜びあった。レンはフカ次郎に死にかけたことを伝えたが、フカ次郎はまったく意に介さなかった。レンはフカ次郎に、ビービーがまだ生きていることを話したが、フカ次郎は怒りを露わにし、レンが仕留めなかったことを責めた。

その後、ボスがサテライト・スキャンの結果を確認し、敵が迫っていることが判明した。レンは状況が非常に不利であることを理解し、フカ次郎と共に新しい作戦を実行する決断を下した。それは、二人の新しい「必殺技」を使用することであった。ボスには地下室に隠れてもらうように指示し、レンとフカ次郎は武装スイッチを発動させた。

セインは茶色の迷彩服を着て、実況プレイヤーとして行動していた。彼は「ピンクのチビ」ことレンを狙い、他のプレイヤーとともに霧の中で動いていた。セインは、仲間のいない者たちを集め、霧の中で一緒に行動することに成功していた。彼の呼びかけに応じて、さまざまなプレイヤーが集まり、18人が結託して行動を共にしていた。

セインたちは、かつての対戦で知り合ったプレイヤーや、過去に殺し合ったことのある相手など、まるで同窓会のような雰囲気を漂わせながら、レンのチームであるLPFMを目指して進んだ。全員がピンクの悪魔であるレンを討つことを目標に掲げ、その場所へ向かった。途中、DOOMの大爆発が起こり、驚きながらも全員が無事だったことを確認した。

セインたちは霧の中、広がりながら進み、レンを取り囲む作戦を展開した。彼らは自分たちを番号で呼び合い、もし誰かが撃たれた場合、その近くに敵がいることを知らせるためにその番号を報告することにした。この作戦により、彼らは霧の中でも見えない敵に対して効率的に攻撃することができた。

セインは実況しながら進んでおり、1億クレジットの賞金首であるレンがどこで現れるかを期待していた。彼らはレンを倒すための準備を整え、進撃を続けたが、ピトフーイがその様子を静かに見守っていたことには誰も気づかなかった。

セインたちは、慎重に進み続けた。彼らは森を抜け、爆風で吹き飛ばされた住宅地に到達した。周囲には破壊された建物の基礎や瓦礫が広がっており、かつての家々は跡形もなくなっていた。セインたちは、1分前のスキャンでLPFMの反応があった場所に向かっていた。

彼らは静かに周囲を観察しながら前進し、セインは怪しい金属製の物体を発見した。それは逆さになった業務用ゴミ箱のように見えた。赤茶迷彩の男が指示を出し、慎重に進み続けたが、突然セインは何の前触れもなく即死した。彼は自分がどのようにして死んだのかまったく理解できなかった。

待機所に飛ばされたセインは、自分の死を理解するためにリプレイ映像を確認した。その結果、ゴミ箱のように見えた物体からピンクの悪魔レンが現れ、光剣でセインを頭から両断したことが判明した。この一撃によりセインは即死し、痛みを感じる暇もなく戦場から退場させられた。セインはその事実を理解し、仲間たちに警告しようとしたが、彼の声は既に戦場には届かなかった。

レンとフカ次郎は、セインたちが「ゴミ箱」と勘違いした物体の中にいた。それは実際には「PM号」という偽装型の装甲車両であった。二人はその中で連携し、フカ次郎が車両を押し、レンが光剣を使って敵を倒す作戦を展開していた。PM号は外見はゴミ箱に見えるが、フカ次郎の力で移動し、必要に応じて内部からレンが飛び出して攻撃を行うという巧妙な仕組みであった。

この作戦により、二人は次々と敵を倒していき、周囲のプレイヤーたちもその異様な状況に気づき始めた。彼らはPM号に向かって銃撃を加えたが、その防弾性能のため、全ての弾丸は跳ね返された。さらに、レンが光剣で敵を貫いて倒していき、彼らは驚愕の中で次々と倒されていった。

結局、彼らのチームメイトも次々にやられていき、セインたちはこの「ピンクの悪魔」とも呼ばれるレンの猛威に太刀打ちできず、次々に敗北を喫した。

セインたちは霧の中を進んでいたが、通信アイテムを通じて聞こえる混乱した叫び声や銃声に、不安を募らせていた。彼らはピンクの悪魔であるレンが近くにいると確信し、敵の正体を確認しないまま進んでいた。十九番の男が通信で呼びかけても応答がなく、隊列は次第に恐怖と混乱に陥っていた。

レンとフカ次郎は、ゴミ箱に偽装した「PM号」の中に潜んでいた。レンは、T-Sの兵士が率いる隊列を確認し、敵の数を報告。フカ次郎は、戦術としてその場に留まることを選んだ。レンは、もし囲まれた場合、自ら飛び出して敵を攻撃する覚悟を固め、両手の光剣で反撃する準備をしていた。彼女は決して簡単な状況ではなかったが、フカ次郎と共に勝利を目指して進む決意を示していた。

レンとフカ次郎は、ゴミ箱に偽装した「PM号」に隠れ、周囲の混乱を見守っていた。彼らの敵であるT-Sの兵士がゴミ箱に気付き、警戒しながら銃を構えたが、その瞬間、他の一団からの攻撃に遭い、被弾した。混乱の中、別の一団も乱入し、激しい銃撃戦が繰り広げられた。

T-Sの兵士は、投げ込まれた大型グレネードの爆発で命を落とし、その後ろにいた仲間たちも次々に倒されていった。敵同士が激しく撃ち合う中、PM号も流れ弾を受けて揺れたが、内部のレンとフカ次郎は落ち着いて状況を見守っていた。

さらに、一人の兵士が匍匐前進し、手榴弾を投げ込んで敵を倒したが、その兵士も直後に銃弾に倒れた。外の世界は混沌としていたが、レンとフカ次郎は冷静に状況を把握し、行動を控えていた。

レンとフカ次郎は、PM号の中で隠れていたが、二人の男がその外で銃撃戦を繰り広げていた。彼らはPM号を単なる遮蔽物と考え、それを楯にしていた。砂漠迷彩の男たちは、外の敵と交戦しながらも、チームメイトと再会を果たした。しかし、そのうち一人、デーンが仲間と再会し安心していたところ、突然頭を切り落とされて命を落とした。

レンは、外の混乱を利用して機会をうかがい、タイミングを見計らって青白い刃を振るい、敵を襲撃していった。ハッシュは仲間の頭が転がってきたことに驚き、その直後、自分も刃に倒れた。

13時48分、レンが「ボス、もういいよ」と声をかけると、10分ほど地下室に潜んでいたボスが姿を現した。霧の中には、あちこちに【Dead】タグが光り、ボスは思わず「鏖殺だな」と呟いた。フカ次郎がその返答として「ラッパーだな」と返し、レンの指示でボスは右前15度の方を見ると、ゴミ箱のようなPM号が近づいてきているのを発見した。撃ちかけそうになったが、そのユニークな姿に感嘆しつつ、PM号が持つ無数の弾痕に感心した。

蓋が開き、レンが飛び出して美しい着地を決めた後、フカ次郎も続いて外に出た。二人はウィンドウ操作でPM号を消し、それぞれの武装を実体化させた。レンはP90を、フカ次郎は2丁のMGL-140を持ち、13時50分のスキャンまで30秒という知らせが届いたため、三人は狭い地下室に再び身を寄せ、スキャンの結果を待つことにした。

第七章  「それまでのみんな」

13時10分、レンとの通信が切れた時、ピトフーイは森の中で迷彩ポンチョを実体化させ、周囲を警戒しながら行動を始めた。彼女は観察力を活かし、幹に大きな虚がある巨木を見つけ、そこに身を隠した。迷彩ポンチョの効果もあり、彼女の姿は外部からほとんど見えなかった。虚の中で彼女は、昼寝するかのように時間を過ごしていた。

しかし、セイン達が人を集める声や足音で起こされることになった。ピトフーイは警戒し、セインに呼ばれたプレイヤー二人が近くで合流するのを目撃した。二人は休戦を決め、一緒に歩き出した。ピトフーイは慎重に距離を取りつつ彼らを追跡し、セイン達の会話を盗み聞きした。

その後、ピトフーイは別の木の虚に隠れ、銃撃音が止んだことから、レンたちが勝利したと確信した。時計を見ると、13時50分であった。

13時10分、シャーリーは固い雪原でゲームを開始した。彼女は狩猟用の山スキーを履き、白と灰色の雪原迷彩ポンチョを羽織って、愛銃の狙撃銃R93タクティカル2を構えた。スキーを使って雪原を軽やかに進みながら、次々と敵を発見し射殺していった。シャーリーは、雪の中で立てる音が小さいスキーを活用し、気づかれずに近づいてから攻撃するスタイルを取った。

シャーリーは、15メートル先で一人の男を見つけ、その背中に炸裂弾を撃ち込んだ。その後も、スキーで高速移動しながら次々に敵を仕留め、楽しげにゲームを進めた。13時19分には、黒い影を見つけ、その方向に慎重に接近した。シャーリーは影を追い、遂にはその正体を見極めた。彼は自爆チームの一員で、背中に高性能爆薬を背負っていた。シャーリーは彼を撃たずに一旦止まり、第六感によって自分が危機にさらされていたことを理解した。

シャーリーはその直感に従い、敵を撃つのを思いとどまった。この行動によって、自分が爆発に巻き込まれる危機を回避したのだと悟った。

シャーリーは、自爆野郎の背後に接近したが、どうすべきか戸惑っていた。相手はスキャン端末に夢中で油断していたが、いつ振り返ってくるか分からなかった。自爆野郎のボディ前面には装甲板があり、シャーリーは炸裂弾で即死させられるか自信が持てなかった。もし相手が一瞬でも反撃する時間を得れば、自爆される危険があったため、シャーリーは慎重に行動を決める必要があった。

逃げることも考えたが、スキーでは静かに後退できず、下がる際に音を立てれば逆に襲われるリスクが高かった。相手がどんな武器を持っているかも分からず、シャーリーは悩んでいた。しかし、近づかねば相手の詳細を確認できなかったため、どうにか策を練りながら近づくしかないと考えた。

13時12分頃、クラレンスは荒野の霧の中で不安を感じながら行動していた。周囲は砂と礫と岩に覆われ、視界も悪く、孤独感が募っていた。彼は大きな岩を遮蔽物にしつつ、全力でダッシュして移動を繰り返していた。4分ほど進んだ後、霧の中で揺れる影を発見した。

クラレンスはその影を注意深く観察したが、敵か味方か判断できなかった。いくつかの選択肢を考えたが、彼は面白い方法を選ぶことに決めた。クラレンスは石を拾い、影に向かって投げつけた。偶然にも石は相手の頭に命中し、相手は驚き、動揺していた。

クラレンスはさらに相手を怖がらせようと《パフパフラッパ》を使い、ラッパの音を響かせた。これにより、相手は恐怖に駆られて乱射を始めたが、クラレンスは安全な位置に隠れてラッパを鳴らし続けた。

やがて、銃声が止み、クラレンスが顔を出すと、相手はすでに【Dead】タグを付けて倒れていた。クラレンスは周囲に他の敵がいることを察し、身を低くして待ち伏せを決意した。その後、霧の中から現れた小さな影に気付き、相手がターニャであることを確認すると、彼女の名前を叫んだ。ターニャは驚いて一発発砲してしまったが、クラレンスはなんとか事態を収めた。

クラレンスとターニャは大きな岩の陰で身を隠しながら、互いに警戒しつつ休んでいた。ターニャが誤ってクラレンスを撃ってしまい、クラレンスの右頬を貫通したが、すぐに治療を行い、事態は収まった。二人はスキャンを確認し、自分たちの位置と、リーダーのアンナが近づいていることを把握した。しかし、距離がまだあり、無理に動くことは避けた方がよいと判断した。

その時、ターニャが敵の接近を察知した。光学銃を持った男が現れたが、追われている様子で、すぐに岩陰に隠れた。二人は協力して撃とうとしたが、その直後、強力な銃声が響き、男は他のプレイヤーに倒された。倒したのは大型マシンガンを持つヒューイであり、彼の火力に圧倒されたクラレンスとターニャは即座に逃げることを選んだ。

全力で走り続け、なんとかヒューイの攻撃を回避することに成功した二人は、走りながら互いに楽しさを感じていた。ターニャはフルダイブの楽しさを語り、クラレンスも現実よりもこのヴァーチャルな世界で生きる方がいいと感じていた。しかし、ターニャはその言葉に返事をしなかった。

クラレンスとターニャは走り続け、やがて霧の中に巨大な城壁が現れた。薄茶色の石でできた欧風の城壁は、霧のせいで上も左右も終わりが見えず、ただその高さと広がりが際立っていた。二人が驚いて立ち止まると、壁に大きな文字が浮かび上がってきた。まるで誰かが来るのを待っていたかのように情報が表示されたのである。ターニャとクラレンスはその内容を見て驚いたが、クラレンスがなぜか「なんで、明朝体?」と疑問を口にした。それに対してターニャは「え? そこ?」と答えた。

第八章  「それまでのエム」

エムは13時10分に都市の廃ビル内で行動を開始し、市街戦が起こる可能性を考慮しつつ、隠れる場所を求めてビルの内部に移動した。高所からの狙撃を視野に入れ、五階にたどり着いた彼は、道を見下ろせる位置を確保し、静かに待機することを決めた。彼の持つ銃は狙撃に特化したものであり、この状況で有利に働くと考えていた。

エムは慎重に行動し、14時までの間、無理な動きを控えることに決め込んだ。静寂の中、彼は自身の過去や経験を振り返りつつ、時を待った。13時20分にスキャンを行ったが、自分の正確な位置は把握できなかったため、さらに10分間待機を続けることにした。

13時28分頃、遠くから響く不明な音を聞いたが、その後は再び静寂に戻った。エムは警戒しながらも、廃都市の静けさに包まれたまま、さらなる行動を慎重に見極めていた。

エムは13時30分、サテライト・スキャンでレンが北東に移動しているのを確認し、さらに状況を把握していた。廃都市フィールドにて静かに待機していたエムだったが、銃声が響き始め、アンナが敵に追われていることに気づいた。彼女は追跡者に発砲されながらも全力で逃走しており、エムは正確な射撃で追撃者2名を撃破した。

アンナはエムに助けられた後、廃ビル内で合流し、二人は今後の行動を協議した。エムは14時の霧が晴れるまでここに留まることを避け、地図の中央を目指して移動することを決断した。彼は自爆チーム「DOOM」が名前を変えて参加している可能性を指摘し、慎重に行動を進めるようアンナに伝えた。

移動中、エムとアンナは大通りの端を走りながら敵を警戒し、追撃を避けるため一定の距離を保っていた。途中、エムが窓ガラスを破り、乗り物を発見したところで物語は進展した。

エムとアンナは、バハ・バグという改造車に乗り、霧の中を全速力で逃走していた。エムはバハ・バグを見つけ、素早く操作してエンジンを始動させ、アンナを助手席に乗せて出発した。二人はサテライト・スキャンの結果から自分たちの位置を確認し、マップの南北中間線に向けて進んでいた。

途中、銀色のフォード・マスタングに乗った敵チームに追跡され、銃撃も受けたが、エムは冷静に対応し、追突されたものの車体を保ち続けた。エムの経験と判断力により、敵の追撃を振り切るためにスピードを上げ続けた。

走行中、アンナはバハ・バグが人をはねたことに気づき、エムもそれを確認したが、ゲーム内のこととして気にしなかった。その後もマスタングに追われながら二人は進み続け、何が待ち受けているか分からない中間線を越えるべく、必死に疾走していた。アンナはエムの運転に不安を感じつつも、逃走を続けるしかなかった。

エムとアンナは、自爆チーム「DOOM」のメンバーによる自爆攻撃に巻き込まれた。爆発の衝撃はビルに反射し、二人が乗っていたバハ・バグは空中に投げ出され、縦回転しながら宙を舞った。エムは、バハ・バグが落下する瞬間、アンナに冷静に声をかけていたが、二人は成す術もなく衝撃を受けた。

バハ・バグはタイヤとサスペンションを失いながらもどうにか着地し、地面に激しく叩きつけられた。車体は跳ね上がりながら転がり続け、最終的に鉄パイプだけが残る無惨な姿で停止した。エムとアンナは、シートベルトのおかげで辛うじて生き延びたが、二人とも大きなダメージを受け、アンナは半ば冗談交じりに「自分はすでに死んでいる」と口にした。

バハ・バグはもはや車とは呼べず、彼らはこの激しい戦いの中、何とか生き延びることができたが、その状況は非常に厳しいものとなっていた。

エムとアンナは、爆発後の残骸から脱出し、雪原に立ち尽くしていた。エムは、まず自身の脱出方法を示し、アンナを助けて車外へと連れ出した。二人は雪原に立ち、周囲を見渡すと、霧が晴れ、崩れた都市と巨大なキノコ雲が見えた。爆発によってビルが崩壊し、廃都市の景観が一変していた。

しかし、彼らは安堵する間もなく、雪原と都市部から迫る複数の敵を確認した。エムは武装を整え、迫り来る敵に備えることを提案し、防弾板を車のフレームに貼り付け、防御陣地を構築することを決意した。アンナも、ドラグノフ狙撃銃を準備し、覚悟を決めて敵に立ち向かうことにした。

エムは「諦めるのはまだ早い」と言い、二人は迫る敵に対して迎撃の態勢を整えた。戦うか降参するかの選択肢があったが、彼らは仲間を残して降参することは選ばず、最後まで戦う決意を固めたのである。

第九章  「合流・その 2」

13時45分、シャーリーはスキーで雪原を進んでいる途中、激しい戦闘の音を耳にした。音は北側から聞こえており、自爆チームによる爆発が引き金となって発生したものであった。シャーリーはその戦闘に加わるべく北へ向かい、慎重に敵に接近した。

霧が少し薄くなったおかげで、30メートルほど先の敵を確認でき、シャーリーは無防備な敵を次々に仕留めていった。敵は彼女に気づくことなく、背後から一方的に撃たれて倒れていった。その後、シャーリーは黒い謎の物体が戦闘の中心にあることに気づき、慎重に接近した。

その物体が車ではなく、鉄パイプに防弾板を取り付けた奇妙な装置であることを確認し、中にはエムとアンナがいた。二人は被弾しており、体中に光るエフェクトをまとっていた。シャーリーはその姿を見て、「よくあれで生きているな」と呟きながら、二人の無事を確認したのである。

エム、アンナ、シャーリーの三人は、13時53分、霧の雪原を南へ進んでいた。シャーリーがスキーで先頭を進み、彼女の後ろにアンナとエムが縦列を作って歩いていた。彼らは先ほど、シャーリーがエムたちを救出したばかりであった。エムとアンナは、防弾板に守られつつも、隙間から飛び込んできた銃弾に容赦なく被弾しながらも生き延びていた。

シャーリーが周囲を警戒し、エムたちの拘束を解いた後、彼らは再び動き始めた。エムの体力はほぼ限界であり、アンナも疲れ果てていたが、なんとか前進を続けた。

50分のスキャンを確認した後、シャーリーは南が比較的安全であると判断し、エムとアンナに南へ逃げるように指示した。彼女は過去に雪原で多くの敵を倒していたため、自爆チームを含む危険な敵はほとんど片付けられていたと推測したのである。

シャーリーはピトフーイを狙うため、二人を安全な場所まで送り届けた後、自身の目的を果たすために行動するつもりであった。三人は一緒に南へと進んでいったが、彼らの会話を聞いていたプレイヤーが一人存在していた。

13時50分、レン、フカ次郎、そしてボスの三人は狭い地下室でスキャンを確認していた。残るチームは25チームで、5チームが全滅していた。MMTMやZEMAL、SHINCは依然生き残っていた。スキャンの結果、周囲3キロメートル以内にリーダーマークは確認されなかったが、敵がいないとは限らなかった。レンは東への移動を提案し、理由としてアンナとの合流を挙げた。ボスとフカ次郎もその意見に賛同し、三人は移動を開始した。

その後、巨木の森でピトフーイと再会し、彼女が周囲の敵を次々と倒していたことを知った。彼女の狡猾な行動に驚きつつも、レンたちは今後の戦略を話し合った。ピトフーイは14時まで待機し、その後の行動を決めるという案を示し、レンもそれに同意した。

13時58分、シャーリーはエムとアンナをガイドしていたが、ここで役目を終えると告げた。エムはヒットポイントが半分まで回復し、アンナも三割ほど回復したものの、もう救急治療キットを使い切っていた。シャーリーは別れ際に、ピトフーイを倒すのは自分だと宣言し、エムに挑戦を促した。エムは振り向かずに同意し、二人はそのまま霧の中に消えていった。シャーリーは、二人が振り向いて攻撃してくるかと期待していたが、その機会は訪れなかった。シャーリーは最後に仲間へ通信で連絡を取った。

14時ちょうど、霧が完全に晴れる瞬間を最も待ち望んでいたのは、参加者ではなく酒場で中継を見ていたプレイヤー達であった。彼らは霧のため、これまでの1時間ほとんど何も見えず、イライラを募らせていた。マズルフラッシュや【Dead】タグは時々見えたものの、状況が分からず、観客からは不満の声が上がっていた。霧が晴れるのを待ちながら酒を飲んでいたが、ついにその時が来た。観客はカウントダウンを行い、期待が高まっていったが、同時に彼らは一つの疑問を抱いていた。それは、これまでの死者が誰一人として酒場に戻ってきていないという不自然な状況であった。時計は進み、ついに霧が晴れるゼロの瞬間を迎えた。

SJ5のフィールドで14時を迎えたプレイヤーたちは、霧が一気に晴れて現れる壮大な光景を目にした。参加者は、霧が晴れた瞬間に狙撃されるのを避けるため、身を低くしながらその瞬間を待っていた。そして、霧が消え去ると、森の景色や広がる大地が一瞬で視界に戻った。レンたちやエム、アンナ、シャーリーも、それぞれの場所でこの魔法のような瞬間に驚嘆していた。観客たちもまた、待ちに待った映像が現れると歓声を上げ、ついにフィールド全体が明らかになった。

フィールドの各部分が大画面に映し出され、都市部の廃墟、広がる荒野、操車場、山岳地帯、高速道路、住宅地、巨木の森、そして広大な雪原がそれぞれ紹介された。特にフィールドの中央には、直径3キロメートルに及ぶ巨大な欧風の城がそびえ立っており、その壮大さは観客たちを驚かせた。城は真円の城壁に囲まれ、数多くの城門や中庭、そして中央には競技場のような広場が広がっていた。城全体は、巨大で複雑な構造を持ち、まるで現実では建造不可能なほどの規模であった。

SJ5のフィールドにおいて、14時の瞬間に、プレイヤーたちは壮大な光景を目にした。霧が一気に晴れ、中央に巨大な城が姿を現した。しかし、観客たちはすぐに気づいた。あの不自然な城は、戦いにくく、通常であれば誰も向かおうとしない場所であることを。

クラレンスとターニャは、塔の上から城を見下ろし、特殊ルールを理解した。フィールド全体が崩壊し、中央の城だけが残るという驚愕のルールが発動したのだ。二人は仲間に急いで城へ向かうよう呼びかけた。城壁には「この大地は崩れ、城だけが残る」と書かれており、城にたどり着かなければ生存は不可能となることが明示されていた。

観客たちも、フィールド全体がテーブルマウンテンのような構造であり、周囲が崖になっていたことを理解し、フィールドが次々と崩れ始める光景を見た。南東の雪原にいたZEMALのリーダー、トムトムは、崩壊に巻き込まれて落下し、死亡した。彼の仲間、デヴィッドとビービーは、それを目の当たりにし、チームメイトに急いで城へ向かうよう指示した。

こうして、プレイヤーたちはフィールドの崩壊から逃れ、中央の城へ向かうため、必死に行動を開始した。

14時を過ぎ、SJ5のフィールドでは大地の崩壊が加速し、酒場の観客たちはその壮大な光景を興奮しながら見守っていた。画面には、プレイヤーたちが崩れる地面と共に落下していく様子が映し出され、その中には都市部で崩壊に巻き込まれた者もいた。大地の崩壊は速く、観客の一人が「城以外が全て崩れるのは数分だろう」と呟いた。

その中、事情を知らないプレイヤーたちは城を目指す者を攻撃し続けたが、逆にその混乱で多くが退場していった。一方、ピトフーイはこの状況を楽しんでいた。彼女は、SJ3の船の沈没を思い出し、笑い声を上げていたが、レンは焦り、すぐに行動を起こすべきだと主張した。フカ次郎は慎重で、あと1、2分待ってから行動するべきだと提案し、レンはそれに従った。

ボスは仲間に対して城での合流を指示し、ピトフーイたちと共に南側の森から城を目指す計画を立てた。そこにエムとアンナが加わり、エムはピトフーイの指示した位置「5七」に向かうことを決定した。

レン達は、エム達がすぐに到着し、六人のパーティーが揃った。エムは無言で楯を取り出し、ピトフーイと共に前線に立ち、銃弾から守る態勢を取った。彼らは城に向かって進軍し、途中で敵からの銃撃を受けたが、エムとピトフーイの連携した攻撃で敵を倒した。

彼らは森を抜け、城まで500メートルの距離を進んだ。城壁の上には敵が散在しており、狙撃態勢で待ち受けていた。エムは状況を分析しつつ、突撃の計画を立てたが、ピトフーイが提案した策はエムとアンナを犠牲にする案だった。これに反対するも、戦闘が迫り、突撃を強行することになった。

その後、敵の自爆チームが現れ、爆発が起きる。エム達は爆風を利用して城に接近するも、突入の直前でピトフーイが狙撃されて死亡した。狙撃したのはチームメイトでありながら敵対するシャーリーであり、彼女の攻撃はピトフーイを無慈悲に仕留めた。

レンはピトフーイの死を悲しみつつも、仲間のために復讐を誓った。そして、エムの指揮のもと、彼らは城内へと突入を開始した。

シャーリーは、かつて仲間になった爆弾少年に感謝しながら、城へ向かう計画を実行した。彼は爆発を起こし、その煙幕を利用してシャーリーが城に突入するという作戦であった。少年は自らの犠牲で煙幕を作り、シャーリーのために道を開いた。

シャーリーは一度走り出そうとしたが、祖母の言葉が脳裏に浮かび、ピトフーイを狙うために狙撃の準備を始めた。彼女は伏せてライフルを構え、土煙の中で城へ向かう敵を待ち構えた。そして、ついにピトフーイをスコープに捉え、800メートルの距離から慎重に狙撃を行った。弾丸はピトフーイの頭に命中し、彼女を即死させた。

シャーリーは成功を喜び、次弾を装填しながら周囲の状況を確認した。しかし、大地は崩壊が迫っており、400メートル先の雪原が崩れ始めていた。彼女はわずかに躊躇したものの、「まだ死ねるかよ」と決意を固め、ライフルを手に城へ向かって走り出した。

ピトフーイは黒い待機所に転送され、一撃で殺されたことを理解した。彼女はすぐに、犯人がシャーリーであると確信した。仰向けになっているピトフーイは、カウントダウンタイマーが09:40を示しているのを見つめ、「やけ酒でも飲むかな」と呟いた。

その瞬間、視界の端に文字が映り、新たなルールが追加されたことを知らせる内容であった。ピトフーイはその文を読み進め、死後も「幽霊」としてゲームに参加できるという説明を確認した。

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