どんな本？
『治癒魔法の間違った使い方 〜戦場を駆ける回復要員〜』は、くろかた 氏による日本のライトノベルで、イラストはKeG 氏が担当。
この作品は、2014年3月から「小説家になろう」で連載が始まり、2016年3月から2020年3月までMFブックス（KADOKAWA）から刊行されました。第2回ライト文芸新人賞で佳作を受賞しています。
物語のあらすじは、主人公のウサトと彼のクラスメイトであるカズキとスズネが異世界に召喚されるところから始まります。カズキとスズネは勇者として呼ばれるが、ウサトはただ巻き込まれただけでした。しかし、治癒魔法を発現したウサトは「救命団」という部隊に配属されます。この救命団は、治癒魔法で自身の傷を癒しながら身体を鍛え、戦場を駆け回って負傷者を治療する脳筋集団です。
このライトノベルはメディアミックスとして、九我山レキ 氏による漫画版が『月刊コンプエース』（KADOKAWA）で2017年6月号から連載されています。2022年10月時点で、電子版を含めたコミックスの累計部数は200万部を突破しました。また、スピンオフコミカライズとして『治癒魔法の間違った使い方 〜誘いの街・レストバレー〜』がカクキカイ 氏による作画で、『FWコミックスオルタ』で2023年8月から先行配信で連載が開始されました。さらに、2021年8月15日にはアニメ化が発表され、2024年1月から放送予定。
お疲れ様イラストを公開！💪
— スタジオアド (@st_add) March 31, 2024
本日は原画さんのイラスト🎨2/3
※あくまでファンアートになります。
実際のストーリーや関係性と異なる場合があります。#治癒魔法 #スタジオアド pic.twitter.com/8wEj75SaZ4
読んだ本のタイトル
#治癒魔法の間違った使い方 ～戦場を駆ける回復要員～ 9
著者:#くろかた 氏
イラスト:#ＫｅＧ 氏
BOOK☆WALKERで購入
あらすじ・内容
ウサト、救命団副団長就任！
リングル王国へと帰ってきたウサトは、来たるべき鬼の救命団団長、ローズとの実戦訓練を控え、一層鍛錬に励んでいた。
治癒魔法の間違った使い方 ～戦場を駆ける回復要員～ 9
そんな中、ウサト達が魔王軍の脅威を伝え共闘を呼び掛けた各国の代表が、学園都市ルクヴィスに集まり会談を開くことに。
ウサトはリングル王国の代表として、その会談に出席することとなるが、その前にローズから救命団の副団長という肩書を与えられる。
より重い責任をもってルクヴィスを訪れたウサト達を待っていたのは、懐かしい面々と、これまた個性的な国の代表者たち。
静かに忍び寄る魔王軍に対し、果たして各国の足並みは揃うのか――。
新章突入の第九巻。今回もウサトの脳筋思考が物議を醸す!?
備忘録
今巻では、ウサトとその仲間たちが獣人の国ヒノモトの複雑な事件を解決し、リングル王国への帰路に就くことに。彼らはミアラークを経由し、故郷へ戻る旅を満喫しているが、ウサトはレオナからの治癒魔法に関する厳しい指導や、船上でのさまざまな騒動に遭遇する。
リングル王国に近づくにつれ、犬上との予期せぬ再会や、新しい使い魔ネアの紹介など、友達との再会を楽しむ一方で、ウサトは自分の治癒魔法の新たな可能性に思いを巡らせていた。
リングル王国に帰還した後、ウサトは救命団に戻り、ローズ団長や他の団員たちとの再会を果たす。団長との模擬戦(死闘)を通じて、彼はさらなる成長を遂げ、副団長としての重大な責任も担うこととなる。ウサトは強面の団員たちからの襲撃を予想していたが、それは起こらなかった。
物語は次に、魔導都市ルクヴィスで開かれる四国会談への参加、新しい出会いや再会、交流戦でのウサトの戦術の披露にスポットを当てる。
ウサトは自分の力と責任を改めて認識し、他国の代表たちとの交渉の中で国際的な立場としての自覚を深めていく。彼の前にはさまざまな人物が現れ、友情や敵対、協力や挑戦が交錯する。
最終的に、物語は魔王軍の動向と、それに対抗するリングル王国や他国との連携、策略、そしてウサト自身の戦いへの決意を描いて、この巻を締めくくる。
感想
『治癒魔法の間違った使い方～戦場を駆ける回復要員～ 9』は、これまでの緊張感あふれる展開を受け継ぎつつ、主人公ウサトと仲間たちの成長と絆を深く描く。
物語はウサトたちが獣人の国ヒノモトでの事件を解決しリングル王国へ帰還する過程を追っていく。この中で、ウサトは団長ローズとの模擬戦を経て副団長に昇格するなど、彼の立場と責任が大きく変わる瞬間も描写されている。 特に注目すべきはウサトの内面的成長で、治癒魔法への理解深化や戦闘・日常での活用方法が詳細に描かれている。
ウサトが団長ローズとの模擬戦で編み出した新技「治癒加速拳」は、彼の限界を超える決意を示すものだった。その創意工夫と不屈の精神は、物語の大きな魅力の一つとなっている。
また、物語には感動的な再会や新たな出会いが満載で、各キャラクターの独自の魅力がストーリーに彩りを加えている。
犬上との予期せぬ再会やエルフの少女フラナとの交流は、ウサトがどれだけ多くの人々と深い絆を築いているかを示す。これらの人間関係の描写は物語に温かみとリアリティを与えている。
四王国会談のエピソードは物語に新たな次元をもたらし、ウサトの社会的立場の変化を示している。
ルーカス王やエヴァとの再会、他国の代表たちとの交流はウサトが単なる治癒魔法使いではなく国際的問題にも関わる重要人物へと成長していることを示している。
また、魔王軍との戦いが再び迫っていることを示唆する場面は次巻への期待を高めている。
しかし、ウサトが団長ローズの実力に圧倒されつつも副団長に昇格する過程は少々急展開に感じる場面もある。確かに旅立つ前にそれらしい事を言ってたシーンがあるが、模擬戦一つで、、、拳の人ローズならありかもしれない。
それでもウサトの葛藤や成長過程をもう少し丁寧に描いても良かったかもしれない。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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