マンガ読書感想黄泉のツガイ

漫画【ヨミツガ】「黄泉のツガイ 9 先代田寺登場‼」感想・ネタバレ

黄泉のツガイ 9の表紙画像(レビュー記事導入用) マンガ

物語の概要

■ 作品概要

『黄泉のツガイ 9』は、荒川弘氏による現代ファンタジーおよび伝奇アクション漫画である。物語の舞台は、山奥の平穏な「東村」で育った少年ユルが、村の襲撃をきっかけに「ツガイ」と呼ばれる異能の存在を巡る抗争に投じられる世界を描いている。

第9巻では、影森家による裏切り者・アキオへの尋問から物語が大きく動き出す。アキオのツガイである「ヤマノカミ」が仕掛けた爆破事件により事態は混沌とし、過去に滅んだはずの「西ノ村」の関与が浮上する。さらに、ユルの確保を狙う東村勢力の集会にハナが潜入するなど、各勢力の思惑が激しく交差する展開となっている。

■ 主要キャラクター

  • ユル: 本作の主人公である少年。東村で狩猟をして暮らしていたが、村の守護神である石像から変化した最強のツガイ「左右様(さゆうさま)」の主となる。生き別れた両親の行方を突き止めるため、都会の「下界」へと降り立つ。
  • アサ: ユルの双子の妹。故郷を襲撃した集団のひとりとして現れるが、実は過去に一度死亡しており、現在は「解(かい)」の力を持つ存在として生きている。

■ 物語の特徴

本作の大きな魅力は、二体一対で構成される異能力「ツガイ」を用いた独特のバトルシステムにある。単純な物理攻撃だけでなく、それぞれのツガイが持つ特殊な制約や能力を駆使した、緻密な知略戦と心理戦が繰り広げられる。

また、東村・影森家・西ノ村という三つの勢力による対立構造も、物語を多層的にしている。作者特有のユーモアを交えつつも、勧善懲悪では割り切れない血縁の因縁や、権謀術数が渦巻くミステリー要素が他作品との明確な差別化要素となっている。

書籍情報

黄泉のツガイ 9
著者:荒川弘 氏
出版社:スクウェア・エニックス
レーベル:月刊少年ガンガン
発売日:2025年3月12日
ISBN:9784757597334

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あらすじ・内容

仲間を心遣う者、仲間の心使う者。
影森家は屋敷に戻り、裏切者のアキオとそのツガイ
ヤマノカミからイワンの情報を手に入れようとする。
しかしヤマノカミに仕掛けられた罠が爆発しアキオは逃亡。
それは過去に滅んだはずの西ノ村の仕業なのか――。
一方、下界の東村勢力はユルを確保するため集会を行う。
無知を装い参加したハナだったが、その集会場所が
ヤマノカミと同じ手口で爆破された中、峰山と遭遇し――!?

まくれどもまくれどもまだ黒い幕。
権謀術数ツガイバトル、第9巻!!

黄泉のツガイ 9

感想

病み上がりのユルは、過去の映像で変顔をしながら空を飛んだり、ベランダでハトを捕まえたりといったシーンで終わった9巻 。
しかし事態は急変し、東村の集会で西ノ村の椥辻が放った粘菌のツガイによる爆発事件が発生したのであった 。この無残な現場において、死体処理に現れた峰山アンナとハナが偶然にも遭遇した 。

正体を必死に隠そうと言い訳を重ねる峰山に対し、ハナは一切の容赦なく鋭いツッコミを浴びせ続けた 。
そこに醍醐が乱入したことで戦場は混沌を極めたが、その空気を一瞬で変えたのがロウエイの登場であった 。
顔を布で隠した凄腕の男でありながら、その下に着ていたのはまさかの「萌えTシャツ」という、予想外の姿を見せたのであった 。

醍醐が操るSM趣味全開のツガイの印象すら霞むほどの、強烈な個性を彼は放っていた 。
続いてロウエイは、アスマ率いる影森家の部隊を霧の中から奇襲し、瞬く間に制圧した 。アスマがロウエイのTシャツに目を留め、それが実兄ヒカルの作品だと指摘したことで、状況は劇的に変化したのであった 。

熱狂的なファンであったロウエイは、アスマが憧れの作者の弟だと知るや否や、一気に「ただのファン」へと変貌を遂げた 。
殺気立っていた影森家の兵たちまでもがサインを欲しがるような、緩い空気へと現場は流れていった 。
この邂逅を通じ、いつ死ぬか分からないからこそ今を楽しむという、はみ出し者たちの刹那的な人生観が描かれたのであった 。

その事態の裏で、ハナは生徒手帳から峰山の身元を割り出して接触を図った 。
東西で死体処理という末端の役割を担う女性同士が、密かに相互協力を結んでいく流れは見事であった 。
西ノ村という共通の敵が明確に浮上したことで、これまで殺し合いを演じてきた影森家と東村の勢力は、奇妙な同盟へと舵を切り始めたのであった 。

権謀術数が渦巻く一方で、シュールな笑いと細やかな人間模様が織り交ぜられた、実に見応えのある一幕を形成した。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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考察・解説

倉庫爆発の発生

倉庫爆発の発生とその背景、影響について解説する。

爆発の発生と被害状況

段野ハナの部屋にいたツガイの虎鉄が、外部で「倉庫爆発」が起きたことを察知したことで事態が発覚した。被害の状況と爆発の経緯は以下の通りである。
・この爆発は、下界の東村関係者たちをまとめている「社長」が主導して行われた東村の集会を狙って仕掛けられた罠であった。
・不審物として運ばれてきた袋に入っていたツガイの本尊らしきものが起爆し、東村の関係者が乗っていた車両が次々と吹き飛ばされた。
・この爆発により、現場は一瞬で壊滅的な状況となり、東村の者たちは全滅に近い甚大な被害を受けた。

爆発の原因と実行犯

爆発現場には、事後の肉片回収などの処理を任された女子高生の死体処理屋・峰山アンナが現れた。偶然現場に居合わせた段野ハナが峰山を問い詰めた結果、峰山はメモを通じて密かに真相を伝達した。その情報により、以下の原因が判明している。
・爆発を引き起こしたのは「椥辻(なぎつじ)」という男が使役するツガイである。
・その能力は「対象に寄生して爆発させる」というものであった。

まとめ

この「寄生して爆発させる能力」を持つツガイは、東村関係者の集会だけでなく、影森家でも被害をもたらしていた。黒谷アキオのツガイである「ヤマノカミ(山風・谷風)」の本尊が粘菌のようなツガイに乗っ取られて爆発する事件が起きており、手口が完全に一致している。

これにより、これまで敵対していた「東村」と「影森家」の両方が共通の未知の脅威に直面していることが明確になった。後に、これらの攻撃を仕掛けているのは、かつてダム湖に沈んだとされる「西ノ村」に関係する勢力(御陵、醍醐、椥辻など)であることが判明し、物語は新たな対立構造へと発展していくのである。

峰山アンナの正体

峰山アンナの正体とその能力、背景について解説する。

表の顔と裏の稼業

峰山アンナの表の顔と裏の稼業について、以下の通りである。
・表向きは「私立百目鬼(どめき)女子高等学校に通う3年3組の女子高生」であり、受験生である。
・裏の顔は与謝野イワンに雇われている「死体処理屋(始末屋)」である。
・イワンが斬った死体や、爆発などで散らばった肉片の後始末を金銭目的で請け負っている。

使役しているツガイとその恐るべき能力

彼女はフンコロガシのような姿をした「魂コロガシ」のツガイである「タロウ」と「ヒメ」を使役している。このツガイは非常に特殊で危険な能力を持っている。
・タロウ:大量の死体を丸めて圧縮し、巨大な肉団子に変える能力を持つ。
・ヒメ:その死体の肉団子に卵を産み付けることで、元となった人間の特性を引き継いだ全く新しいツガイを生み出すことができる。
この方法で生成された新世代のツガイは既存の体系に記録されておらず、どのような能力を持つか予測不能という極めて異質な仕組みとなっている。

まとめ

彼女のスタンスと性格から、その人物像を以下にまとめる。
・ビジネスライクな態度:あくまで報酬目的で動いているだけであり、雇い主であるイワンの組織構造や、「夜と昼を別つ双子」を巡る因縁には個人的な関心がない。
・戦闘には不慣れ:死体の処理が専門であるため戦闘には不慣れであり、遅刻癖もあることから、雇い主のイワンからは「現場で使えなければ切り捨てる」とシビアに見られている。
・したたかさと保身:段野ハナに追い詰められた際には、ツガイを通じて会話が盗聴されている危険性を察知し、口頭ではごまかしつつも、メモを使って「爆発を引き起こしたのは椥辻(なぎつじ)のツガイ」という重要な情報をハナに密かに流すなど、自身の安全を最優先に立ち回るしたたかさを持っている。

醍醐と災神の戦闘

醍醐(だいご)と東村の「社長」が使役するツガイ「災神(さいしん)」の戦闘について解説する。

戦闘の発端と双方の能力

この戦闘は、東村の関係者が狙われた倉庫爆発事件の現場で発生した。
・爆発現場で死体処理屋の峰山アンナが事後処理を行っていたが、生存者が残っていることに不満を持った西ノ村関係者の大男・醍醐が乱入した。
・醍醐は現場にいた者の中で最も殺意の高い対象を見極め、社長のツガイである「災神」を標的としたことで戦闘が開始された。

双方の能力は以下の通りである。
・社長のツガイ「災神(篝と雫)」:火を操る「篝(かがり)」と、水(ウォーターカッターなど)を操る「雫(しずく)」の2体からなるツガイである。
・醍醐のツガイ「サドマゾ(ドSとドM)」:受けた攻撃を「ドM」が吸収し、それを「ドS」がコピーして増幅し相手に撃ち返すという、防御と攻撃が一体化した強力なカウンター能力を持つ。

戦闘の経緯

戦闘の経緯は以下の通りである。
・醍醐は邪魔になる峰山アンナを投げ捨て、単独で災神と対峙する姿勢を見せた。
・醍醐が火を吐く個体である篝を挑発したことで、篝が強力な火炎攻撃を放ち、本格的な戦闘へと突入した。
・激しい攻撃の応酬の中で社長の腕が切断されるなど、社長側にとって戦況が悪化していった。
・さらに、雫が醍醐のツガイに向けて放った攻撃が命中するが、醍醐のツガイ(ドM)はその攻撃を吸収し、そのまま篝へと反射(ドSによるコピー攻撃)させた。
・自身の放った攻撃の反射によって篝が被弾したことで、災神の連携に乱れが生じた。醍醐はこの隙を突いて雫に接近し、雫の仮面を引き剥がして戦闘能力を完全に奪い去った。

まとめ

この結果、社長と災神は戦闘不能に陥り、醍醐の圧倒的な勝利で戦闘は決着した。その後、醍醐は倒れた社長に対して主人公・ユルの所在を尋問し、情報が得られないと分かると死体の腹にメッセージを残すという残忍な意図を見せたのである。

先代田寺ロウエイ

田寺ロウエイ(先代田寺)という人物のプロフィール、能力、そして物語における重要な過去の行動について解説する。

人物像と性格

田寺ロウエイは、田寺リュウ(デラ)と田寺ケンの父親であり、田寺家の前当主である。かつて西ノ村関係者のリーダーである御陵(みささぎ)が使役するツガイの攻撃を受けたことで顔が抉れており、現在はその傷を長い布で覆い隠している。
その人物像と性格は以下の通りである。
・波久礼ヒカルが描く漫画・アニメ「プリきゅん☆マミたん」の筋金入りの熱狂的オタクである。
・普段から世間的知名度の低かった第一期アニメシリーズのレアなオタクTシャツを着用している。
・影森アスマの部隊を奇襲して拘束した際にも、アスマが波久礼ヒカルの弟であると知るや否や激しく動揺・歓喜し、遺体回収を許可する見返りとして「サインを用意する」という取引に即座に応じるなど、推し活に対して非常に強い情熱を持っている。
・「いつ死ぬか分からない」という前提で金を使う生き方をしており、この価値観は息子のデラとも共通している。

高い戦闘能力と知略

妙な格好やオタク趣味とは裏腹に、相当な手練れであり切れ者である。その戦闘能力と戦術眼の高さは作中でも随所に描写されている。
・対醍醐戦:好戦的な大男・醍醐とそのツガイ「サドマゾ」との戦闘では、投げられたナイフを容易に回避し、膝蹴りやナイフでの刺突といった近接戦闘で醍醐を圧倒した。さらに、小石を投げてツガイの反応を観察することで「攻撃を吸収して反射する」という厄介な能力の構造を即座に見抜き、周囲の廃タイヤ(腐敗水入り)を使って敵の機動力を削ぐなど、高い環境利用能力と分析力を発揮している。
・対アスマ部隊戦:自身の隠れ家に侵入したアスマの武装部隊に対し、屋根裏から吹き矢やスタンガンを用いて次々と奇襲し制圧した。さらに自身のツガイの能力で濃霧を発生させて視界を完全に奪い、アスマの背後を取って拘束するなど、一方的に戦場を支配する実力を見せている。
・情報収集能力:過去の接点をきっかけに、10年間にもわたって東村(山賊など)のネット環境にハッキングして監視を続けており、独自の高度な情報網を持っている。

まとめ

ロウエイは、現在の物語の根幹に関わるいくつかの重要な過去の出来事に深く関与しており、その因縁と行動を以下にまとめる。
・ザシキワラシ(ダンジとキリ)の発見:約400年前から廃村で忘れ去られていたザシキワラシのツガイを発見し、「言い伝え通りだ」と東村へ連れ帰った。その後、心を病んでいたキョウカに引き合わせ、彼らが新たな主を得るきっかけを作った。
・ユルの両親の逃亡支援:10年前、ユルとアサの両親(ミネとナギサ)が東村から脱出する際、その手助けをした最重要人物である。現在行方不明となっている彼を探し出すことが、ユルたちの大きな目的の一つとなっている。
・家族との関係:現在は息子のデラたちとは意図的に連絡を絶っており、ハッキングの対象からも家族は除外するなど、独自の距離感と線引きを保ちながら暗躍している。

ヨミツガ 8巻レビュー
ヨミツガ まとめ
ヨミツガ 10巻レビュー

登場キャラクター

主人公一行・田寺家

ユル

本作の主人公であり、アサの双子の兄である。東村から下界に降りて両親を探している。狩人で培った技術を持ち、人殺しに躊躇がない。

・所属組織、地位や役職
 東村出身。封の力を持つとされる双子。
・物語内での具体的な行動や成果
 左右様と契約して武装集団を撃退した。イワンとの戦闘では弓を使って狙撃による応戦を見せた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 下界の常識には疎いが、弓の腕前は高い。新郷を人質に取り、アサや子供たちを救出しようとした。

アサ

ユルの双子の妹である。10年前に村を出て影森家に匿われていた。普通の暮らしを望んでおり、ユルを溺愛している。

・所属組織、地位や役職
 東村出身。解の力を持つ双子。
・物語内での具体的な行動や成果
 新郷の手下から偽アサとアザミを助け出した。ツガイとの契約を解除する力で、敵のツガイを無力化した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 過去に一度殺されたことで力が目覚めている。影森家では漫画のアシスタントをして生活費を稼ぐ。

左右様

ユルが従えているツガイである。女性形の左様と男性形の右様からなり、元は村の守り神として存在していた。

・所属組織、地位や役職
 ユルのツガイ。
・物語内での具体的な行動や成果
 ユルと契約し、彼を守るために戦っている。イワンとの戦闘では連携して追い詰めるが、反撃を受けて負傷した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 元が岩であるため頑丈である。左様は敵に精気を奪われる被害を受けた。

段野ハナ

東村の番小物を務める女性である。デラの後輩にあたり、ユルを助けるために偽装結婚して彼を匿っている。

・所属組織、地位や役職
 東村の番小物。墓堀り。
・物語内での具体的な行動や成果
 爆発現場で峰山アンナと遭遇し、彼女を問い詰めて情報を引き出した。醍醐との戦闘にも介入して戦った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 母親の仕事を引き継いでいる。東村の思想にはついていけず、村の解散を望む。

田寺リュウ(デラ)

東村の番小物を務める田寺家の現当主である。ユルを助けて共に下界へ降りた。ハナの先輩にあたる。

・所属組織、地位や役職
 東村の番小物。田寺家現当主。
・物語内での具体的な行動や成果
 ユルの戦闘をライフルで遠距離から援護した。東村の集会には欠席し、ユルを守る立場を貫いている。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 過去に傭兵をしていた際にツガイを失った。現在はツガイを持たずに行動している。

田寺ケン

デラの異母兄弟の少年である。学校でいじめを受けて不登校状態となっていた。現在はハナの家に身を寄せている。

・所属組織、地位や役職
 田寺家。中学生。
・物語内での具体的な行動や成果
 武器を自作して不安を紛らわせていた。熱を出したユルの様子を心配して看病の手伝いをした。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 エチオピア人の母を持つ。かつて手長足長と契約していた。

田寺ロウエイ(先代田寺)

デラとケンの父親である。田寺家の前当主であり、アニメ「プリきゅん☆マミたん」の熱狂的オタクである。

・所属組織、地位や役職
 田寺家前当主。
・物語内での具体的な行動や成果
 醍醐と交戦して優位に立った。アスマの部隊を奇襲して拘束したが、推し活の話で意気投合して和解した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 かつて御陵のツガイの攻撃で顔が抉れている。ザシキワラシを発見して東村へ連れ帰った過去を持つ。

虎鉄

段野ハナが従えている猫の姿のツガイである。情報収集に長けている。

・所属組織、地位や役職
 段野ハナのツガイ。
・物語内での具体的な行動や成果
 外部で倉庫爆発が起きたことを察知し、ハナたちに伝達した。ハナと二狼の無事も報せた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 二狼とセットで行動することが多い。

二狼

段野ハナが従えている犬の姿のツガイである。情報収集や戦闘のサポートを行う。

・所属組織、地位や役職
 段野ハナのツガイ。
・物語内での具体的な行動や成果
 峰山アンナのリュックを奪い取り、中身の確認に貢献した。戦闘で敵のツガイを捕らえてハナを支援した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ハナの指示に従って機敏に行動する。

ザシキワラシ

東村のキョウカが従えているツガイである。キリとダンジの2体で構成される。ユルやアサのことを心から案じている。

・所属組織、地位や役職
 キョウカのツガイ。
・物語内での具体的な行動や成果
 キリはアサの身代わりを演じ、ダンジはユルの幼馴染を演じていた。ダンジはイワンの足止めを行い、ユルの射撃を援護した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 約400年前の戦いで主を失った過去を持つ。廃村で忘れ去られていたところをロウエイに発見された。

東村

社長

下界の東村一派のリーダーである。老人であり、東村の支配権を握ろうとする野心を持っている。

・所属組織、地位や役職
 東村下界一派のリーダー。
・物語内での具体的な行動や成果
 東村の集会を主導したが、倉庫爆発の罠に巻き込まれた。醍醐との戦闘で腕を切断され、戦闘不能に陥った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 災神を従えている。

山賊

東村側の関係者である。過去にユルを狙っていたが、現在は状況に応じて田寺たちと行動を共にしている。

・所属組織、地位や役職
 東村関係者。
・物語内での具体的な行動や成果
 自身のツガイを使って新郷の手下を操り、情報を引き出した。ユルの救出作戦に協力した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 マメガラスを従えている。

災神(雫・篝)

社長が従えているツガイである。火を操る篝と、水を操る雫の2体からなる。

・所属組織、地位や役職
 社長のツガイ。
・物語内での具体的な行動や成果
 醍醐との戦闘で火炎と水を使って攻撃した。篝は自身の攻撃を反射されて被弾した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 雫は醍醐に仮面を引き剥がされて戦闘能力を奪われた。

ガニマタ

山賊が従えているツガイである。「マメガラス」を構成する1体となっている。

・所属組織、地位や役職
 山賊のツガイ。
・物語内での具体的な行動や成果
 爆発現場で峰山アンナを攻撃した。相手の硬い防御に阻まれて嘴が曲がってしまった。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ウチマタとセットで行動する。

西ノ村

与謝野イワン

新郷ハヤトに雇われていた刀使いである。戦闘能力が非常に高い。

・所属組織、地位や役職
 西ノ村関係者。死体処理屋の雇い主。
・物語内での具体的な行動や成果
 ユルの両親の首を刎ねたと語り、ユルを挑発した。新郷ハヤトを裏切って彼を斬り殺した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 マガツヒを従えている。戦闘の反動で心臓に負担を抱えた。

御陵

西ノ村関係者のリーダー的存在である。中華料理店「西家」を営んでいる。

・所属組織、地位や役職
 西ノ村関係者のリーダー。
・物語内での具体的な行動や成果
 西側の拠点でアキオを回収し、血縁について語った。四百年待った機会として、西の勝利を断言した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 

椥辻

西ノ村関係者の若い男性である。

・所属組織、地位や役職
 西ノ村関係者。
・物語内での具体的な行動や成果
 倉庫爆発を引き起こした張本人である。醍醐たちに撤退命令を伝え、車で回収した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 粘菌のようなツガイを相手に寄生させ、爆発させる能力を持つ。

醍醐

血の気の多い大男である。西ノ村関係者として行動する。

・所属組織、地位や役職
 西ノ村関係者。
・物語内での具体的な行動や成果
 爆発現場に乱入し、社長と災神を圧倒した。先代田寺とも交戦したが、撤退命令を受けて退いた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 自身も素手で戦う好戦的な性格を持つ。サドマゾを従えている。

峰山アンナ

与謝野イワンに雇われている女子高生である。報酬目的で死体処理屋を務めている。

・所属組織、地位や役職
 死体処理屋。百目鬼女子高校3年生。
・物語内での具体的な行動や成果
 倉庫爆発の現場で死体の肉片を回収した。ハナに問い詰められ、椥辻が犯人であることをメモで密かに伝えた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 戦闘には不慣れで遅刻癖がある。魂コロガシを従えている。

手長足長

磐梯山に封印されていた凶暴なツガイである。

・所属組織、地位や役職
 田寺ケンの元ツガイ。
・物語内での具体的な行動や成果
 ケンの命令に従わず、絶えず悪事を働いていた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 都内で怪奇現象を起こしていることがイワンたちに確認されていた。

サドマゾ(ドS・ドM)

醍醐が従えているツガイである。防御と攻撃が一体化したカウンター能力を持つ。

・所属組織、地位や役職
 醍醐のツガイ。
・物語内での具体的な行動や成果
 災神の攻撃を吸収し、反射してダメージを与えた。先代田寺との戦闘では防御と反撃を行った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ドMが攻撃を吸収し、ドSがそれを増幅して撃ち返す。

魂コロガシ(タロウ・ヒメ)

峰山アンナが従えているツガイである。フンコロガシのような姿をしている。

・所属組織、地位や役職
 峰山アンナのツガイ。
・物語内での具体的な行動や成果
 大量の死体を圧縮して巨大な肉団子に変えた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 タロウが肉団子を作り、ヒメがそこに卵を産み付けて新しいツガイを生み出す能力を持つ。

マガツヒ

与謝野イワンが従えているツガイである。長刀の大凶と脇差の小凶の2体で構成される。

・所属組織、地位や役職
 与謝野イワンのツガイ。
・物語内での具体的な行動や成果
 大凶はイワンの体に菌糸を広げて精気を奪う行動をとった。小凶は負傷したイワンを叱咤した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 斬った空間同士を入れ替える能力を持つ。

影森家・新郷家

影森ゴンゾウ

影森家の現当主である。目的のために使用人を使い捨てる非情な一面を持つ。

・所属組織、地位や役職
 影森家現当主。
・物語内での具体的な行動や成果
 倉庫街に単独で突入し、巨大なツガイを用いて敵を圧倒した。アサの力で野良になったツガイたちを再契約して傘下に収めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ツガイ「百鬼夜行」を従え、多数のツガイを支障なく操ることができる。

影森アスマ

影森家次男である。母を自殺に追い込んだ伯父の新郷ハヤトを憎み、復讐を企てていた。

・所属組織、地位や役職
 影森家次男。
・物語内での具体的な行動や成果
 新郷を裏切り、自身のツガイを使って彼を拘束した。田寺の隠れ家を襲撃したが、先代田寺と和解した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 合理的な考えを持ち、常に胡散臭い笑みを浮かべている。

影森イオリ

影森アスマの母であり、新郷ハヤトの妹である。親族から虐げられていた。

・所属組織、地位や役職
 影森家。故人。
・物語内での具体的な行動や成果
 自殺しようとしていたところをゴンゾウに救われ、影森家に迎え入れられた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 朝霧と夜桜の元の主である。

黒谷アキオ

影森家の使用人であり、黒谷四姉弟の三男である。生まれつき痛覚を感じない体質を持つ。

・所属組織、地位や役職
 影森家の使用人。
・物語内での具体的な行動や成果
 影森家を裏切ってアサを狙い、戦闘後に逃走した。西側の拠点で実の母である小野と合流した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 自身のツガイ「ヤマノカミ」を逃がそうとして契約を解除した。

小野

黒谷アキオの実の母である。ミナセと名乗ってアキオに接近した。

・所属組織、地位や役職
 西ノ村関係者。
・物語内での具体的な行動や成果
 逃走したアキオを迎え入れ、新世代ツガイの生成方法を教えた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 アキオを影森家から引き抜き、西側に取り込んだ。

波久礼ヒカル

影森家長男の影森ヒカルである。「プリきゅん☆マミたん」を描く人気漫画家として活動している。

・所属組織、地位や役職
 影森家長男。漫画家。
・物語内での具体的な行動や成果
 戦闘で作業場が破壊されても、原稿データが無事だったことに安堵した。父ゴンゾウの非情なやり方に強く反発した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 殺伐とした影森家の生活を厭う心優しい性格である。

伯父

影森アスマの伯父であり、新郷一族の当主である。非常に強欲な性格をしている。

・所属組織、地位や役職
 新郷家当主。
・物語内での具体的な行動や成果
 ユルを新郷家の庇護下に入るよう説得したが、ユルに人質にされた。その後、イワンに裏切られて殺害された。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ツガイ「風神」と「雷神」を従えていた。本名は新郷ハヤトである。

朝霧(金烏玉兎)

影森アスマが従えているツガイである。夜桜と対になる存在として行動する。

・所属組織、地位や役職
 影森アスマのツガイ。
・物語内での具体的な行動や成果
 アスマを背後から狙ったロウエイに反撃しようとしたが、火炎で牽制されて失敗した。田寺の隠れ家がマヨイガ化していることをアスマに警告した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 蝶の群体であり、イオリから受け継がれた。

その他

立川

影森家に雇われた女性である。難病の母の治療費のために働いている。

・所属組織、地位や役職
 影森家の使用人。漫画アシスタント。
・物語内での具体的な行動や成果
 自身のツガイの能力でアキオを拘束し、捕縛に貢献した。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 変身と捕獲の能力を持つ狐と狸のツガイを使役している。

羽村

影森家の使用人として働く庭師の男性である。多額の借金を背負うギャンブル狂である。

・所属組織、地位や役職
 影森家の使用人。庭師。
・物語内での具体的な行動や成果
 立川から前任の庭師がアキオに殺害された事実を聞き、衝撃を受けた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 過去にアサにツガイの契約を解除されており、現在はツガイを持たない。

中神マユ

波久礼ヒカルの担当編集者である。

・所属組織、地位や役職
 担当編集者。
・物語内での具体的な行動や成果
 ヒカルにどんな漫画を描きたいかと問いかけ、彼の作風を確立するきっかけを作った。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 ヒカルの創作活動に大きな影響を与えている。

ガブ

影森家に身を寄せる少女である。過去の境遇から痛みに慣れている。

・所属組織、地位や役職
 影森家の戦闘要員。
・物語内での具体的な行動や成果
 アキオと交戦し、激しい怒りを露わにして彼を追い詰めた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 戦闘に特化したツガイ「ガブリエル」を従えている。アサに過保護に接している。

ひっつきもっつき

過去に先代田寺が仕事をした相手が使役していた寄生型ツガイである。

・所属組織、地位や役職
 消息不明の人物のツガイ。
・物語内での具体的な行動や成果
 対象に寄生して徐々に力を奪う能力を持っていた。
・地位の変化、昇進、影響力、特筆事項
 今回の爆発事件のツガイとは似て非なる存在として言及された。

ヨミツガ 8巻レビュー
ヨミツガ まとめ
ヨミツガ 10巻レビュー

展開まとめ

第33話 火と水

倉庫爆発の報せ

ハナの部屋にいた虎鉄の様子が突然変化し、外部で「倉庫爆発」が起きたことを察知した。虎鉄はその情報を周囲に伝え、緊張が走る。ユルはすぐに左右様に飛行可能かを確認し、現場へ向かう準備をしようとする。左右様は万全ではないとしながらも、ユルが望むなら行けると答えた。しかしデラがユルを制止し、冷静になるよう促した。

ハナと峰山の遭遇

一方、爆発現場ではハナが峰山と対峙していた。峰山は二狼の姿が変化する様子を目で追ってしまい、その反応からハナに「こちら側の人間」であると見抜かれる。

虎鉄からの無事報告

ハナたちの様子を見守る部屋では、虎鉄から「ハナも二狼も無事であり、二狼が助けた」との連絡が届いた。これを聞いた一同は状況が最悪ではないことを知り、ひとまず安堵する。

峰山の言い訳とハナの追及

現場ではハナが峰山をツガイ使いではないかと疑い、追及を始めた。峰山は受験生であり勉強が忙しいなどと言い訳を並べてその場から離れようとする。しかしハナはそれを一蹴し、さらに子供だから見逃してほしいという主張にも「自分は子供が嫌い」と切り捨てる。峰山が自分はまだ十八歳だと主張しても、ハナは大人なら遠慮は不要だとして疑いを解かなかった。

峰山の荷物の確認

その最中、二狼が峰山のリュックを奪い取り、ハナの前へ持ってきた。ハナは中身を確認し、教科書や参考書の中に壺を見つける。ツガイの存在を疑ったハナは壺型のツガイの可能性を考えるが、峰山はツガイという言葉自体を知らないふりをして通りすがりの受験生だと主張した。

山賊の介入

そこへ山賊のツガイであるマメガラスのガニマタが峰山を攻撃する。山賊は峰山を影森の関係者ではないかと疑い、囮として利用する意図を示す。しかし攻撃は通らず、ガニマタの嘴が曲がってしまうほどの硬さに阻まれた。

峰山のツガイの存在

攻撃が通らなかったことで峰山が何らかのツガイを連れている可能性が明らかになった。ハナは峰山の首筋付近に存在するツガイの気配に気づき、やはり何かを連れていると断定する。峰山は非力な女子高生に対して大勢で迫るのかと抗議するが、その直後に背後からの危険を察知したツガイが峰山の襟首を掴み、攻撃を回避させた。

爆発の余波と東村の壊滅

強烈な攻撃が現場を横断し、東村の関係者が乗っていた車両が次々と吹き飛ばされた。周囲は一瞬で壊滅的な状況となり、峰山はその光景を前に呆然と立ち尽くしていた。爆発を生き延びた社長は状況を確認しつつ、東村の者たちが全滅に近い被害を受けたことを認識する。

社長による峰山への追及

社長は峰山に対し、未知のツガイを連れて現れた以上、無関係では通らないと断じた。さらに本日この場所で東村の集会が行われることを知った上で爆発を仕掛けたのではないかと問い詰め、単独か共犯かを含めて関与を疑った。

田寺への疑念と状況の緊迫

山賊側は田寺の裏切りを疑い、社長もそれに同調する形で、もし抹殺を企てたのであれば看過できないと判断した。その会話を聞いたハナは、田寺の身に危険が及ぶ可能性を察し、内心で危機感を強めた。

峰山の不用意な発言と露見

峰山は場を切り抜けようとする中で、田寺に頼まれてここへ来たうえ爆発も田寺の仕業だと発言した。しかしこの発言に対しハナが即座に否定の反応を示したため、不自然さが露呈する。さらに山賊からその否定の根拠を問われ、ハナは動揺しながらも話題を逸らし、峰山がこの惨状の関係者であることを認めた点を突いた。

追い詰められる峰山

指摘を受けた峰山は自らの失言に気づき、関与を示唆する形となった。これにより山賊と社長は峰山に対して拘束と自白を迫る構えを見せる。ハナも状況を踏まえ、弁護は困難であると認識しつつ対応を見守った。

西ノ村での情報整理とユルの特定
西ノ村の中華料理店にて、イワンは食事を取りながら御陵と共に映像を確認していた。都内で発生している怪奇現象はツガイによるものと判断され、映像には手長足長の存在も確認されていた。さらに都庁上層から撮影された映像に飛行する人影が映っており、イワンはそれをユルであると断定した。飛行は左右様の力によるものと認識され、東村の「封」に関係する存在であると把握された。

東村への接触と峰山の投入
会話の中で、ユルが東村の集会に接触していることが明かされた。また、事後報告として峰山が現場に投入されていることも共有された。イワンは峰山が戦闘に不慣れである点や遅刻癖を指摘し、現場で使えなければ切り捨てられる可能性に言及した。さらに今回の件が椥辻と醍醐に関係する後始末であることが判明した。

醍醐の介入と戦闘開始
爆発現場では峰山が処理を任されていたが、生存者が残っていることに言及し責任を醍醐に求めた。その直後、醍醐が山賊の背後から現れ、不意打ちで攻撃を仕掛けた。醍醐は周囲の中で殺意の高い対象を見極め、社長のツガイへ攻撃を移し、戦闘が開始された。

戦闘の激化とハナの離脱判断
社長のツガイは反撃として強力な攻撃を放ち、醍醐はそれを回避しながら応戦した。現場は爆発の影響で車両が横転するなど混乱状態にあり、ハナは状況の危険性から離脱を判断した。醍醐はハナを攻撃対象から外し、戦闘の対象を限定していた。

社長の指示とツガイ同士の衝突
社長は周囲に伏せるよう指示を出し、被害の回避を図った。醍醐は峰山を掴んで攻撃を回避しつつ戦闘を継続した。社長のツガイは水を利用した攻撃を繰り出し、醍醐はそれを回避しながら戦意を高めていった。

戦闘への本格突入
醍醐は戦闘の妨げとなる峰山を投げ捨て、単独で社長のツガイと対峙する姿勢を示した。ツガイ同士の本格的な戦闘が開始され、現場は完全に戦闘状態へ移行した。

峰山の離脱と戦闘の開始
醍醐に投げ飛ばされた峰山はカバンを要求し、それを高速で投げ返された結果、腹部に直撃を受けた。峰山はツガイに引きずられる形で戦線から離脱し、その場を退いた。直後、醍醐は社長のツガイに対して名を問い、ツガイ側は「災神」であり「雫」と「篝」であると名乗った。

醍醐の挑発と篝の攻撃
醍醐は火を吐く個体が篝であると認識し、これを挑発して戦闘を誘発した。篝は直ちに火炎による攻撃を放ち、周囲一帯に被害が及んだ。離脱中のハナはその影響を受け、車両への被害を懸念する発言をした。

火炎戦と雫の防御
篝の攻撃を受けた醍醐は即座に反撃し、雫がそれを防御した。社長は醍醐側も火炎系の能力を有している可能性に言及し、状況の異常性を認識した。雫はさらに反撃を行うが、醍醐側も応戦し、戦闘は拮抗状態となった。

社長の負傷と戦況の変化
雫の攻撃に対する応酬の中で、相手の反撃が社長に及び、社長の腕が切断される結果となった。戦況は一気に悪化し、社長は大きな損傷を受けた。

攻撃の吸収と反射
雫が再度攻撃を放ち醍醐のツガイに命中したが、その攻撃は吸収され、同様の攻撃として篝へと返された。これにより篝が被弾し、連携に乱れが生じた。

醍醐の接近と雫の無力化
篝への被弾に意識を取られた隙を突き、醍醐は雫へ接近した。自身の安全を顧みるよう言葉を投げかけた後、雫の仮面を引き剥がし、戦闘能力を奪った。これによりツガイ側は大きく戦力を失い、社長とツガイは戦闘不能状態に陥った。

醍醐の発言と新たな不穏要素
戦闘不能となった社長に対し、醍醐はユルの所在について改めて問いただした。情報が得られないと判断すると、過去にも行っていた手段として死体の腹にメッセージを残す意図を示した。この発言を聞いたハナは「また」という言葉に反応し、以前の祈祷師の死体を想起した。

ハナの介入決意
社長が戦闘不能に近い状態となる中、ハナはそのやり方には不満を抱きつつも、ここで死なれると仕事に支障が出ると判断し、戦闘への介入を決意した。準備を整え、現場へ向かって踏み込んだ。

醍醐の警戒と不意の攻撃
ハナの接近に気づいた醍醐は、殺気のない者は関わるなと警告した。しかし直後、醍醐は突如として飛来した刃物を腕で受け止め、第三者の存在を察知した。

新たな人物の出現と関係の示唆
その場に現れた男は、ハナが犬のツガイを連れていることから墓守りの関係者であると見抜き、成長した姿を母親の面影と重ねて言及した。さらに、自身の息子が東村を裏切ったという話の真偽を問いかけ、東村内部の裏切りに関する新たな情報を示唆した。

第34話 萌えT男とジャージ女

先代田寺の登場と正体の判明
現場に現れた男は、犬のツガイを連れているハナを見て墓守りの娘であると見抜いた。拠点では虎鉄の情報により、この人物が先代田寺であることが判明し、デラやユルたちは驚愕した。男は軽い口調で自らが先代田寺であることを認め、ハナもその正体を理解した。

場の緊張と場違いな印象
先代田寺は社長に挨拶を交わす一方で、その服装や態度は場の緊張とは不釣り合いなものであった。周囲の人物たちはそれぞれ異なる反応を示しつつも、異様な存在感を認識した。

災神との接触と協力の受諾
先代田寺は災神のツガイとも再会し、雫から主を守るよう依頼を受けた。これに対し先代田寺は応じ、戦闘への関与を明確にした。

醍醐との対峙と情報要求
醍醐は先代田寺に対し、息子がユルを連れて逃走していることを指摘し、その居場所を問いただした。先代田寺は息子の所在を把握していないと答え、東村の人間として現状を見過ごせないために現れたと説明した。

応酬とツガイの能力の発現
醍醐は腕に刺さっていたナイフを投げつけたが、先代田寺はこれを受け止めた。さらに先代田寺が投げ返したナイフは醍醐のツガイに当たり、そのツガイはナイフを飲み込んだうえで別個体から再び発射した。先代田寺はこれを回避し、戦闘能力の高さを示した。

戦闘の継続と実力の示唆
続く醍醐の攻撃に対しても、先代田寺は余裕をもって回避した。これにより、先代田寺が高い戦闘能力を有する存在であることが示され、戦闘は新たな局面へと移行した。

先代田寺の登場と正体の判明
現場に現れた男は、犬のツガイを連れているハナを見て墓守りの娘であると見抜いた。拠点側ではこの人物が先代田寺であることが判明し、関係者は驚きを示した。男自身も問いに対して軽く肯定し、自身が先代田寺であることを認めた。

場の空気と異質な存在感
先代田寺は社長に挨拶を交わす一方、その服装や態度は緊迫した状況にそぐわないものであった。周囲の人物はその外見に反応しつつも、ただならぬ人物であることを認識した。

災神との再会と協力の意思
先代田寺は災神のツガイと再会し、雫から主の護衛を依頼された。これに対し先代田寺は了承し、戦闘への関与を明確にした。

醍醐との対峙と情報の要求
醍醐は先代田寺に対し、息子がユルを連れて逃走していることを指摘し、その居場所を問うた。先代田寺は息子の現在地は把握していないと答えつつ、東村の人間として状況を見過ごせずに現れたと説明した。

ナイフの応酬とツガイの能力
醍醐が投げたナイフを先代田寺は受け止め、投げ返したナイフは醍醐のツガイに当たった。ツガイはそれを飲み込み、別の個体から同様の攻撃として射出した。先代田寺はこれを回避し、対応力の高さを示した。

戦闘能力の示唆と新たな局面
続く醍醐の攻撃に対しても先代田寺は余裕をもって回避し、戦闘能力の高さを見せた。これにより戦闘は先代田寺を中心とした新たな局面へ移行した。

ロウエイと醍醐の近接戦闘
ロウエイは醍醐の攻撃を回避し、膝蹴りで反撃を試みたが、ツガイが割り込み攻撃を阻止した。さらに別個体のツガイからの反撃も発生し、ロウエイは連続して回避行動を強いられる状況となった。

ツガイの連携と攻撃の反射
ロウエイが投げたナイフは一体のツガイが受け止め、別のツガイがそれを吐き出して再射出するという連携を見せた。この挙動により、単純な投擲攻撃が逆利用される危険性が明らかとなった。

醍醐への反撃と機動阻害
醍醐が膝蹴りを繰り出した瞬間、ロウエイはナイフで太腿を刺突し動きを止めた。その後もロウエイは軽口を叩きつつ戦闘を継続し、余裕ある立ち回りを見せた。

タイヤを用いた環境攻撃
醍醐は負傷しながらも反撃し、周囲の廃タイヤを利用した攻撃を行う。しかしロウエイは逆にタイヤを醍醐の首へ押し込み、内部に溜まった腐敗水と悪臭によって醍醐の行動を鈍らせた。

ツガイの異常な防御行動
ロウエイの追撃に対してもツガイが繰り返し割り込み、防御に徹する動きを見せた。白いツガイはロウエイに対して直接反撃も行い、単なる盾ではなく攻撃能力も備えていることが示された。

能力の検証と看破
ロウエイは小石を投げて反応を観察し、ツガイが攻撃をそのまま返す性質を持つことを見抜いた。この行動により能力の構造が明確化される。

ツガイ「サドマゾ」の能力開示
醍醐は自身のツガイ「サドマゾ」の能力を説明した。「ドM」はあらゆる攻撃を吸収し、「ドS」はそれをコピーして放出するという性質であり、防御と攻撃が一体化した能力であった。

戦闘思想の違いと人物像
ロウエイは醍醐の戦闘スタイルに対し、言動と能力の乖離を指摘した。醍醐はツガイ任せにせず自らも戦う姿勢を示し、その性格が単なる戦闘狂であることが周囲からも指摘された。

攻略の糸口の模索
ロウエイは、素手で戦闘系ツガイと渡り合う醍醐と、攻撃を無効化する「ドM」の存在を脅威と認識し、対応策を思案する状況に入った。

ハナによる検証と戦況の変化
ハナは「ドS」を直接攻撃することで能力の挙動を試し、吹き飛ばされた個体を二狼が捕捉した。この予想外の対応により、醍醐は動揺を見せ、戦況に変化が生じた。

能力の再確認と崩し方の発見
ハナはドS単体にはカウンターが発生しないと見抜き、二狼に直接攻撃させる。一方で醍醐がドMを殴ると、そのダメージがドSに反映されて巨大化した腕で反撃が発生する。これにより「ドMが受けた攻撃をドSが増幅して返す」関係が改めて明確になる。

ドSの弱体化と拘束
ロウエイがドSの頭の紐を切ると、ドSは急に弱体化し悲鳴を上げる。ハナはその紐を掴んでドSを吊り上げ、一方的に攻撃しながら、敵の性質(攻撃的だが自分が攻撃されると弱い)を指摘しつつ目的を問い詰める。

醍醐側の反応と戦闘スタンス
醍醐は問いに答えず、ドSを離せと要求。さらにドMは「殴るなら自分を殴れ」と発言し、痛みを受けることで能力を活かす異常な戦闘嗜好を見せる。

車の乱入と撤退命令
車が乱入しハイビームで視界を奪う。光に反応してドSが再び爆発系の挙動を見せ、ハナは一瞬拘束を緩める。運転していた椥辻は「ユルの情報が無いなら撤退」という御陵の命令を伝え、醍醐たちは戦闘を中断して撤退する。峰山も回収される。

戦闘後の対応
ロウエイは深追いを避け、負傷した社長の救護を優先。社長は自身の状態を理解し、ツガイ(雫・篝)に本尊へ戻って休むよう命じる。

ロウエイの情報収集の正体
戦闘後、ロウエイは山賊と再会。集会の情報源を問われると、過去の接点以降、10年間ずっとネット環境に侵入して監視していたことを明かす。

ロウエイとハナの会話・過去の接点
ロウエイはハナに後処理(社長と山賊の搬送)を任せつつ、ハナとは10年以上前に一度会っていることを明かす。ハナ本人に記憶はないが、母親を通じて関わりがあった過去が示唆される。さらにハナが現在の仕事(運び屋やツガイ関連)を継いだことにも触れ、その経緯を問いかける。

ハナの現状認識と不満
ハナは本来継ぐつもりはなかったが、軽い動機で始めた結果、実際は面倒な仕事ばかりで理想と現実のギャップに不満を抱いていると語る。同時に、今回の敵については心当たりがないとし、ロウエイも「初見」と断言する。

敵勢力の否定と違和感
ハナが「影森」の関係者ではないかと推測するが、ロウエイは即座に否定し、完全に別系統の存在だと断言する。この断定により、背後に未知の勢力が存在する可能性が浮上する。

ユルとデラの話題・情報の断絶
ハナはユルの両親についてロウエイに確認するが、ロウエイははぐらかす。さらにデラとの連絡についても、ロウエイ側から意図的に断っていることが判明する。一方で「家族にはハッキングしない」と線引きを示すが、その発言は周囲(山賊)に不信感を与える。

デラの状況と不確定情報
ロウエイはデラの現状を把握しておらず、「東村を裏切ったのか」という疑問を口にする。ハナも「封の子を連れて逃げているらしい」程度の情報しか持たず、真意は不明とする。

連絡の試み
ハナはデラに連絡を入れる提案をし、「ねぐらで待つ」と伝えることになる。デラが応じるかは不明だが、接触のきっかけを作る流れになる。

ハナ側の報告と警戒姿勢
ハナはデラに対し、ロウエイと別れたこと、社長の状態が重く指揮不能であることを報告。さらにロウエイがユルを狙う可能性を警戒し、情報を一切渡していないと明かす。ロウエイが味方かどうか判断できないという立場を明確にする。

デラとケンの反応
デラも父の真意が分からないため慎重姿勢を支持。ケンは父の存在が近くにあることに安堵しつつも、敵の正体不明や尾行の可能性を考え、帰宅せず情報収集を続ける判断を下す。

次の動き(峰山への接触)
場面は学校へ移り、ハナが峰山アンナに接触。「忘れ物を届けに来た」と声をかけ、次の展開への布石となる。

第35話 死と再生

デラの過去(傭兵時代)
デラはかつて海外で傭兵として戦場に立っていたが、父の命令で帰国を求められた。当初は契約を理由に拒否したものの、戦場で負傷したことで帰国を余儀なくされる。その際、ツガイに命を救われていたことを明かす。

失われたツガイと現在の空白
デラのツガイは戦場で命を落としており、それ以降は新たな契約を結んでいない。仕事上は必要と理解しながらも、初めてのツガイへの未練から踏み出せず、そのまま現在に至っている。

ツガイ使いとしての認識
周囲はデラがツガイ使いであることに納得する一方、現在ツガイが存在しないことに疑問を抱く。デラはその理由を過去にあると明確に示し、自身の内面に未整理の感情が残っていることが描かれる。

番小者の継承と父への感情
帰国後、デラは東村の「番小者」を突然引き継がされる。本来いずれ継ぐ覚悟はあったものの、急な継承に対しては戸惑いと不満を抱いており、父のやり方に対する複雑な感情が表れている。

ハナとの関係と過去の繋がり
デラは当時、ハナの母親と組んで仕事をしていた過去を語る。ハナ自身もその流れで現在の仕事を継いでいるが、母親は本来娘に継がせることを望んでいなかったことが明らかになる。

現在への余韻
デラは過去を語りつつも、その詳細をハナには伏せるよう頼み、内面の弱さや未練を隠そうとする姿勢を見せる。過去の選択と喪失が、現在の行動や判断に影響を与えている状態である。

峰山アンナの素性確認
ハナは峰山をファーストフード店に連れ込み、生徒手帳から彼女が「百目鬼女子高校3年3組」の生徒であることを確認した。一般的な学生である点に驚きつつ、周囲との違いに興味を示す一方、生徒手帳を返さず主導権を握る。

違和感と観察
峰山はハナの粗暴な行動に内心で嫌悪感を抱きつつも冷静に対応する。店員や周囲の反応を交えながらも、ハナは会話を主導し続け、峰山の性質や立場を見極めようとする。

逃走不能の状況提示
ハナは二狼の嗅覚によって峰山の匂いを把握していると告げ、逃げても無駄であることを示す。そのうえで、現場の会話内容から峰山が死体処理に関わる人物であると断定し、背景を問い詰める。

仕事の動機の判明
峰山は説教を否定し、自らの意思で金銭目的に仕事をしていると明かす。雇い主の詳細は知らず、指示された仕事をこなすだけの立場であると説明する。

学校規則を利用した揺さぶり
ハナは百目鬼女子高校がアルバイト禁止であることを突きつけ、学校への通報を示唆することで心理的圧力をかける。生活状況から見て失うものがあると見抜き、情報を引き出そうとする。

雇い主の特定
追及の結果、峰山は報酬を支払う人物として「与謝野イワン」の名を明かす。彼自身も雇われの立場であり、詳細な組織構造は把握していないと補足する。

イワンの能力と脅威
峰山はイワンのツガイ「マガツヒ」の能力を説明する。空間を斬って対象を入れ替える、あるいは精気を奪って他者に移すといった置換系の能力であり、極めて危険な存在であることが示される。

情報開示の余裕と対立構図
峰山は情報を明かしても問題ないと判断しており、ハナたちではイワンに対抗できないという認識を示す。これにより、両者の実力差と今後の対立の構図が明確になる。

峰山の正体とツガイの能力
峰山は自らを死体処理屋であると明言し、イワンが斬った後始末を担っていると説明した。自身のツガイ「魂コロガシ」と、その個体「タロウ」を示し、死体を丸めて圧縮する能力を持つことを明かす。また、相方として「ヒメ」が存在することにも言及した。

事件への関与の否定と情報の断片
倉庫爆発に関しては自身のツガイでは不可能であると否定しつつ、現場に関わった以上、誰が関与したかを把握している可能性を示唆される。峰山は、ユルを狙う存在が「運命の双子」を追っていることは知っているが、個人的には関心がないと語り、あくまでイワンへの忠誠を優先する姿勢を見せた。

メモによる密かな情報提供
口頭では情報を伏せつつも、峰山はメモで「爆発を引き起こしたのは椥辻という男のツガイ」であり、「寄生して爆発させる能力」であることを伝える。さらに、そのツガイを通じて会話が盗聴されている可能性を警告し、自身も危険を回避する意図を示した。

利害優先の立場の強調
峰山は、自身はあくまで報酬目的で動いているだけであり、組織や他の関係者について深く関与する意思がないことを強調した。知っている情報も必要以上には語らず、安全を優先する姿勢を貫いた。

ハナの判断と取引の余韻
ハナは峰山の情報提供を受け入れ、その場で解放する判断を下した。塾へ向かうよう促しつつ、再度呼び出す可能性を示唆する。また、報酬額を聞いたことで内心では揺らぎを見せるなど、峰山の立場の強さを認識する。

警戒と後処理への移行
峰山を送り出した後、ハナは寄生能力の存在を踏まえ、自身のツガイである二狼に異常がないかを確認する。敵の能力が周囲に及んでいる可能性を警戒し、状況の整理へと移行する。

拠点での情報要求と状況確認
西ノ村の拠点である中華料理店にて、椥辻は峰山からの情報収集をさらに求めていた。店内では御陵が料理を担当し、負傷したアキオのために食事を運ぶなど、戦闘後の回復支援が進められていた。

アキオの回復と母・小野との再会
アキオは食事を取りながら回復に努めており、左手の不自由さに不安を抱きつつも前向きな様子を見せていた。そこへ現れた母・小野は、過去に引き裂かれた親子関係への悔いを語りながら、息子の世話を焼こうとする。アキオはそれを拒みつつも、内心では戸惑いを抱えていた。

過去の真相と歪んだ認識
御陵の説明により、小野は「赤子を奪われ捨てられた」と語っているが、実際には影森へ潜り込ませるための計画的な行動であったことが明かされる。椥辻はその事実に対し、結果として子を捨てたのと変わらないと批判し、アキオの過去の過酷さを浮き彫りにした。

ツガイ生成の仕組みの開示
小野はアキオに対し、峰山のツガイを例に取りながら新たなツガイの生成方法を説明する。死体から作られた肉団子に寄生する形で新たな存在が生まれ、その個体は元となった人間の特性を基に形成されるという、従来の伝承には存在しない異質な仕組みであった。

新世代ツガイの可能性と危険性
この方法で生まれるツガイは、既存の体系に記録されておらず、どのような能力を持つかも不明である。大量に用意された肉団子から選別し、気に入った個体と契約することが可能であるとされ、小野はそれを「贈り物」として提示した。

アキオの欲望と今後の示唆
説明を受けたアキオは、圧倒的な力を持つ巨大なツガイを望むようになり、世界を踏み潰すほどの力への欲求を口にする。その願望は、今後の戦いにおいて危険な方向へ進む可能性を示唆していた。

墓前での現状認識と新郷家への評価
影森家の墓前にて、アスマは伯父の失踪により新郷グループが混乱に陥ると見込み、残された無能な親族同士の争いを利用して買収を狙う意向を示した。一方でゴンゾウは、伯父に一定の商才があったことを認めつつも、その末路を冷静に受け止めていた。

母・イオリの死と父子の認識の差
アスマは母・イオリへの想いを語り、伯父にはあの世で謝罪すべきだと断じた。ゴンゾウは自らがイオリを救えなかったことを悔やみ、自身の罪を自覚していたが、アスマはそれを否定し、イオリ自身が影森家を愛していたと擁護した。

壊れた心と復讐心の形成
ゴンゾウは心の平穏を与えたつもりでも救えなかった現実を語り、アスマは一度壊れた心は戻らないと分析したうえで、母を追い詰めた新郷一族への強い憎悪を示した。本来であれば自らの手で報復したかったが、その機会はイワンに奪われたと述べた。

父の安堵と価値観の違い
ゴンゾウはその結末に安堵しており、イオリは息子が兄を殺す姿を望まなかったはずだと語った。復讐よりも結果として回避された事態を良しとする姿勢が示され、父子の価値観の違いが浮き彫りとなった。

今後の行動と影森家としての責務
アスマは今後の行動として、田寺の隠れ家への侵入経路が判明したことを明かし、行方不明者の回収に向かう決意を示した。影森のために働いた者たちの遺体を回収し、せめて墓を用意したいという意志を語る。

父からの許可と送り出し
ゴンゾウは皮肉を交えつつもその行動を認め、多めの兵を与えると約束したうえで、全員を回収してくるよう命じた。アスマはその言葉に感謝し、任務へと向かう決意を固めた。

隠れ家への進行と異変の兆候
示された経路に従い、アスマたちは住宅街を抜けて田寺の隠れ家へ到達した。敷地に入った直後、朝霧はすでに内部がマヨイガ化していると警告し、通常とは異なる空間であることが示唆された。

潜入方針と現場の状況確認
朝霧は強行突破の案を示したが、アスマは騒ぎを避けるため却下した。内部ではすでに犠牲者が出ており、兵が遺体を発見する。アスマはその場で荼毘に付し、遺骨を回収する方針を指示した。

隠れ家内部の罠と敵の潜伏
捜索を進める中、屋根裏に潜んでいた先代田寺が兵たちを奇襲し、次々と無力化していった。さらにツガイの気配が強まり、周囲に霧が発生し始め、状況は急速に悪化する。

ツガイの発動と奇襲の成立
霧の中で視界が遮られる中、田寺のツガイによる能力が発動し、場は完全に支配された状態となる。その隙を突き、先代田寺はアスマの背後を取り拘束することに成功した。

デラの介入と対峙の開始
その後、デラが現場に到着し状況を確認する。拘束されたアスマはデラに助けを求める形となり、先代田寺はデラに対し、アスマとの関係を問いかける。緊迫した対峙の構図が形成された。

第36話 親父と息子

屋根裏からの奇襲と制圧
先代田寺(ロウエイ)は屋根裏から奇襲を仕掛け、吹き矢で銃を持つ兵を無力化し、さらにスタンガンで次々と制圧していった。突発的な攻撃により部隊は混乱に陥り、統制を失う。

霧の発生と戦場の混乱
ツガイの能力により濃霧が発生し、視界は完全に遮断された。兵たちは味方すら識別できず、誤射の危険に晒される。アスマはこの霧が生き物のように動く異質な現象であり、ツガイの攻撃であると認識した。

アスマの拘束と朝霧の反撃失敗
霧に紛れてロウエイはアスマの背後を取り拘束する。救出を試みた朝霧に対し、ロウエイは火炎による攻撃を放ち牽制し、反撃を封じた。戦況は完全にロウエイ側へ傾いた。

ロウエイの余裕と対話への誘導
ロウエイはアスマを拘えたまま、敵意よりも余裕を見せながら対話を提案する。縄張りに侵入した以上覚悟はあるはずだと圧をかけつつ、自身は平和主義であると語り、従えば危害は加えないと告げた。

デラの介入と関係性の整理
そこへデラが現れ、ロウエイに対してアスマとの関係を説明する。敵でも味方でもない中立的立場であるとし、朝霧が影森アスマのツガイ「金烏玉兎」であることも明かした。これにより即時の殺害は回避される流れとなる。

縄張りの掟と警告
ロウエイは、侵入者に対しては容赦しないが、今回は事情を理解しているため気絶で済ませていると説明した。ただし縄張り内での勝手な行動は許さないとし、速やかな撤退を要求する。

緊張の緩和と意外な共通点
対話の中でアスマはロウエイの服装から趣味に気付き、波久礼ヒカルの作品について言及する。ロウエイはそれを強く肯定し、場の空気は一時的に緩和された。緊迫した対峙は、奇妙な共通点によって一旦の均衡状態へと移行した。

波久礼ヒカルの正体とロウエイの動揺
デラが波久礼ヒカルについて言及すると、アスマはそれが自身の兄であると明かした。これを聞いたロウエイは強い衝撃を受け、憧れの存在と血縁であるアスマへの態度を大きく変化させた。

取引成立と遺体回収の許可
アスマは遺体回収の許可と引き換えに、ヒカルのサインを用意できると提案した。ロウエイは激しく動揺しつつもその条件を受け入れ、縄張り内での行動を認めるに至った。

熱狂的ファン同士の会話
ロウエイのTシャツが限定品であることをアスマが見抜き、互いに作品やキャラクターについて語り合う展開となった。ロウエイは同じTシャツを複数所持するほどの熱狂的なファンであり、作品談義に没頭していった。

場の緩和と作業再開
緊張していた場は一転して和やかな空気となり、デラは呆れながらも作業を促した。さらに裏手に新たな遺体があることも明かされ、回収作業は継続されることとなった。

影森側の空気の緩さ
兵たちもサインを欲しがるなど、現場は緊迫感を欠いた状態となった。デラはその様子を見て、影森側の緩さを呆れ混じりに指摘するのであった。

推し活談義と日常の対比
ロウエイは推し活の素晴らしさを語る一方、デラは自身の推しを競馬と語り、価値観の違いが示された。場面は影森家へと移り、緊張感のあった現場とは対照的な日常が描かれる。

ヒカルの創作環境と支え
波久礼ヒカルは立川の手助けに感謝し、環境が整ったことで原稿に集中できたと語った。読者からの声が創作の支えであると明かし、作品を待つ存在の重要性を強調した。

売れない時代の苦悩
ヒカルはデビュー当初、全く反応が得られない状況に苦しんでいた。努力を重ねても評価されず、連載は続かず、収入も途絶え、社会から存在を認識されていないかのような絶望を味わっていた。

転機となった出会いと創作衝動
どん底の時期、ガブとアサが訪れ、未完の作品の結末を問われたことで、ヒカルは頭の中にあった「本当の最終回」を描き始めた。ネームを即興で描き切り、それを読んだ二人は物語の結末に強く心を動かされた。

読者の反応と感情の爆発
アサは登場人物の幸福な結末に純粋な喜びを示し、その姿に触れたヒカルは思わず涙を流した。自身の物語が誰かに届いた実感が、強い感情となって溢れ出たのである。

新担当との出会いと作風の転換
その後、担当編集が中神マユに交代し、「どんな漫画を描きたいか」と問われたヒカルは、「誰も排除されない優しい世界」を描きたいと答えた。この理念が現在の作風へと繋がっている。

過去作品との対比と現実認識
ヒカルはかつて、影森家という環境を背景にした暗く現実的な作品を描いていたが、当時の担当からは現実味がないと否定されていた。しかし実際にはそうした現実は存在しており、その乖離が創作観の変化にも影響を与えていた。

影森家の危険性と立川の葛藤
立川は影森家と関わったことで、人が容易に行方不明になる現実を実感していた。ヒカルはカタギに戻るよう忠告するが、立川は家族のために金を稼ぐ必要があり、その場に留まらざるを得なかった。

庭師殺害の真相と動揺
庭で働く羽村と再会した立川は、辞めた庭師がアキオによって殺害された事実を伝えた。屋敷内では失踪扱いとして処理されており、実態が隠蔽されていることに羽村は衝撃を受ける。影森の裏側に触れ、立川の不安は強まった。

影森で働く者たちの覚悟
立川は命の危険を恐れ仕事継続に迷いを見せるが、羽村は自身の境遇から危険を受け入れ、金を稼ぐために残る決断をしていた。生き方の違いが明確に描かれた。

デラとロウエイの価値観の共通性
場面は田寺の隠れ家へ移り、デラとロウエイは「いつ死ぬか分からない」という前提で金を使う生き方について語り合った。両者は東村を離れた者同士として、根底の価値観を共有している様子が示された。

アサの所在と過去の因縁
デラはロウエイにアサと再会したこと、現在影森に匿われていることを伝える。また、十年前の東村脱出に関わる過去にも触れ、両者の間にある因縁が浮かび上がった。

東村からの離脱という共通点
デラは東村の過激な勢力と袂を分かち、ユルに普通の人生を送らせたいと語った。ロウエイもまた東村を離れた立場にあり、その選択自体に対する根本的な否定は示さず、共通の前提の上で会話が進んだ。

隠れ家侵入の原因と状況整理
ロウエイは影森側が隠れ家に到達した理由を問い、デラは朝霧の尾行に気付かなかったことが原因であると認めた。さらに手長足長との戦闘で家を破壊した経緯も語られ、状況が整理された。

ケンの焦燥と準備
別の場面ではケンが不安から作業に没頭し、大量の武器を作っていた。左右様はその成長を評価するが、ケン自身は落ち着かない心を紛らわせるために手を動かし続けていた。

ユルの暴走とケンの制止
ケンはリュウとの合流を気にして落ち着かず、ユルの所在を探していた。するとユルはベランダで捕まえたハトを持ち帰っており、ケンは鳥獣保護法を理由に強く制止する。ユルは縄張り意識から捕獲を正当化するが、下界のルールに戸惑いを見せた。

周囲との温度差とユルの優しさ
ザシキワラシや周囲の者たちは捕獲を肯定し、食用にする流れすら生まれるが、ケンは少数派として孤立する。最終的にユルは渋々ハトを逃がし、本来は再会祝いのために用意したかったと明かした。ケンはその気遣いに感謝するも、ユルの「欲しい物は獲ってくる」という発想に改めて呆れることとなった。

再会への焦りと情報不足
ユルもまたロウエイとの再会を望んでおり、両親に関する情報を求めて焦燥感を抱えていた。ケンと同様に、状況の不透明さが不安として描かれた。

爆破事件の調査開始
場面は田寺側へ移り、デラは東村の産廃倉庫爆破事件についてアスマに確認する。しかしアスマは関与を否定し、影森側も内部事情で手一杯であると説明した。

寄生型ツガイの存在
情報源から、事件は椥辻という人物のツガイによるものであり、寄生して爆発を引き起こす能力を持つと判明する。影森側でも同様の被害が出ており、共通の敵の存在が浮かび上がった。

未知の勢力と断片的情報
「サドマゾ」というツガイや「だいご」という人物の名が挙がるが、アスマや朝霧も把握しておらず、情報は断片的であった。また「御陵」など西方に関連する地名や人物が示唆され、背後に別勢力が存在する可能性が強まる。

ロウエイの過去と類似能力
ロウエイは過去に寄生型ツガイ「ひっつきもっつき」の使い手と仕事をした経験を語る。ただしその能力は爆発ではなく、相手に寄生して徐々に力を奪うものであり、今回の事件とは似て非なるものであった。その人物も既に消息不明であり、直接の手がかりにはならなかった。

影森と東村の利害一致
今回の事件により、影森と東村は共通の脅威に直面している状況が明確となる。従来は敵対関係にあった両者であるが、アスマは長年の因縁を一時的に棚上げし、協力関係を結ぶことを提案した。

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