小説【着せ恋】「その着せ替え人形は恋をする 2」感想・ネタバレ

小説【着せ恋】「その着せ替え人形は恋をする 2」感想・ネタバレ

物語の概要

ジャンル:青年向けロマンティック・コメディ、スクールライフである。コスプレ衣装を通して異なる世界を持つ二人が交流を深めていく青春群像劇である。
内容紹介
第2巻では、雛人形師志望の五条新菜が、クラス一のギャル系美少女・喜多川海夢からの要望に応じ、コスプレ衣装初制作に挑戦する。締め切り二週間という短期間で、彼女の期待に応えるべく奔走する過程が描かれる。そして新菜が苦心して仕上げた衣装を着た海夢との撮影シーンは二人の関係をさらに前進させ、衣装づくりと心の距離が交錯する展開である。

主要キャラクター

  • 五条 新菜(ごじょう わかな):雛人形の頭師を志す高校生。裁縫技術に秀でるが無口で内向的。第2巻では初のコスプレ衣装制作を通じて自己表現の一歩を踏み出す。
  • 喜多川 海夢(きたがわ まりん):クラスで人気者のギャル系美少女。コスプレ好きを公言し、新菜を衣装制作へ誘う。明朗で自己肯定が強く、人との壁をすぐに超えられる存在である。

物語の特徴

本作はコスプレ制作工程に焦点を当て、衣装づくりの技術や素材選び、縫い方といった“ものづくり”描写がリアルかつフェチ心をくすぐる点が大きな魅力である。第2巻では短期間での衣装完成を迫られた緊張感と、完成後の撮影を介した二人の信頼関係の深化が描かれ、物語の深みが増す。他作品と異なる点として、青春ラブコメの共感アイテムとなる“趣味と恋愛の融合”を丁寧に描写している点が差別化要素である。

書籍情報

その着せ替え人形は恋をする 2
著者:福田晋一 氏
出版社/レーベル スクウェア・エニックスヤングガンガンコミックス
発売日:2018年11月24日
ISBN:9784757559219

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あらすじ・内容

ギャルと初めてのコスプレ撮影…☆
雛人形の頭師を目指す主人公、五条新菜は、クラスのギャル、喜多川海夢のコスプレ衣装を作る事に。 乗り越えた先に、海夢の笑顔があると信じて――新菜、試練の瞬間!!コスプレ活動本格始動でドキドキも大増量の第2巻!!

その着せ替え人形は恋をする 2

感想

今回は、新菜が海夢のコスプレ衣装作りに、さらに熱中していく様子が描かれていて、とてもドキドキした。

物語は、新菜がコスプレ披露会まであと2週間しかないと知って、ひどく焦るところから始まる。それだけでも大変なのに、帰宅すると、祖父が新菜の買い物袋からストッキングを発見し、信じられない物を目撃してしまう。そのショックで倒れて救急車で運ばれるという展開には、思わず声を上げてしまった。

祖父は入院は免れたものの、通院することになり、しばらくの間、従姉の家に預けられることになる。しかも、学校では試験もあるというから、新菜は完全にパニック状態だ。この一連の流れが、新菜の置かれた状況の切迫感を、ひしひしと伝えてきて、読んでいてハラハラした。

今回の巻では、新菜のコスプレに対する真剣な気持ちと、それを邪魔するようなドタバタな日常が描かれていて、そのギャップがとても面白いと感じた。コスプレ衣装作りという非日常的な出来事と、家族や学校生活という日常的な出来事が、良い具合に混ざり合って、物語に深みを出している気がする。

特に、祖父が新菜のストッキングを取り出す場面は、コミカルでありながらも、同時に新菜の精神的な負担を象徴しているように感じられた。大切な人のために頑張りたいという気持ちと、プレッシャーや不安との間で揺れ動く新菜の姿に、深く共感した。

次の巻では、新菜がどんな困難を乗り越えて、海夢の最高の笑顔を見せてくれるのか、本当に楽しみだ。コスプレ活動を通して成長していく新菜を、これからも応援していきたい。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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展開まとめ

第8話

コスプレイベントまで残された時間

海夢から「イベントは二週間後」と告げられた新菜は、その短期間で衣装を完成させなければならないと知り、大きな動揺を覚えた。人形用の衣装でさえ時間を要する自分が、人間用の衣装を二週間で作れるのかと疑問を抱きつつ、不安と焦りに包まれたまま帰路についた。

「美脚ストッキング」の発覚と祖父の転倒

帰宅後、新菜は祖父に遅くなった理由をごまかしながら対応していたが、祖父が手提げ袋を覗いたことで、「美脚ストッキング」が露見してしまった。予想外の中身に祖父は大きなショックを受け、そのままよろけて転倒してしまう。打ちどころは腰で、急遽病院へ運ばれることとなった。

祖父の診断と美織の提案

診断の結果、骨折などはなかったものの、二週間は安静が必要とされた。病院で看護に当たっていた従姉の美織が現れ、自宅が病院に近いこと、通院にも便利であることを理由に、祖父を引き取って世話を申し出た。新菜はその提案を受け入れ、祖父はしばらく美織の家で療養することになった。

祖父からの「筆」の依頼

病院での別れ際、祖父は新菜に「筆を持ってきてくれ」と静かに頼んだ。新菜はその言葉をしっかり受け止め、後日、美織の家を訪れる際に、着替えと共に筆を届けることになる。

海夢の気遣いとLINE交換

翌朝、新菜は祖父の様子を見に行く予定を海夢に伝える。海夢は真摯に心配する様子を見せ、「手伝えることがあれば何でも言って」と申し出た。そして連絡を取りやすくするため、海夢はLINEの交換を提案し、新菜も了承した。二人の距離は、確実に一歩近づいた瞬間であった。

テストと衣装制作の両立への焦り

新菜は祖父の見舞いや衣装制作に追われ、テスト勉強のことを完全に忘れていた。海夢の何気ない一言でそれを思い出し、心中で焦燥感を募らせる。自分が抱える課題の多さに改めて気づき、「やばい」と言葉を漏らす。

工房見学希望の電話と新菜の判断

その夜、新菜のもとに工房見学の電話が入る。相手は「留学生の友人に見学をさせたい」と希望を伝えるが、見学可能な日は翌日しかないという。先方はどうしてもその日しか都合がつかない事情がある様子だった。新菜は、本来祖父の見舞いや自身の用事で休むつもりだったが、相手の懇願に押される形で「明日大丈夫です」と答えてしまう。電話を切った後、新菜は「どうしよう」と何度も心の中で繰り返し、プレッシャーと葛藤に揺れていた。

海夢の訪問とすれ違い

夜遅く、海夢は新菜の家の前まで訪れていた。バイト終わりに様子を見に来たが、家の電灯が点灯してないので不在であることに気づき、「まだおじいちゃんのお見舞いかな」と推測する。テストも終わっており、少し気が緩んだ様子で「既読もつかないし、一人で食べるかー」とスタミナ牛丼を手に帰路についた。

限界を迎えた新菜

一方の新菜は、疲労とストレスにより布団の上で力尽きていた。散乱した部屋の中で、横たわったまま動けずにいた新菜の姿が描かれ、すべてを一人で抱え込み続けていた彼の限界が示されていた。

9話

夜明けの新菜、追い詰められた精神状態

新菜は一睡もできないまま朝を迎えていた。衣装制作がまったく進まず、頭痛や吐き気に悩まされる中、海夢との約束の期限に間に合わなかったことを思い出し、彼女が悲しむ様子を想像していた。その罪悪感と情けなさにより、心身共に限界を迎えた彼は涙を流すほどに苦しんでいた。

祖父の言葉と筆の意味

入院してる祖父が「筆を持ってきてくれ」と告げたことを思い出した新菜は、彼が旅先にも筆を携えていたこと、そしてかつて語っていた「手を止めたら腕が鈍る」という教えを思い返す。筆を握らない日が続いたことにより、自らの未熟さと努力不足を痛感し、再び自信を失っていく。

幼き日の記憶と重なる迷い

かつて祖父が語った「好きだからってやれるもんじゃねーしよ」という言葉が、現在の新菜の状況と重なっていく。衣装も人形の練習も中途半端に終わり、何も成し遂げられない自分を「全部中途半端」と断じた新菜は、夢を追う資格すらないのではと自問し、苦悩の果てに布団の中で涙をこぼした。

祖父の想いと新菜の決意

新菜は、祖父の「好きだからこそ大変な時に踏ん張れる」「お客さんの笑顔が見られると、やっててよかったと思える」と語る言葉を思い出す。その言葉は、新菜にとって職人としての在り方を示す道しるべであった。さらに、海夢からの「ごじょー君がいてくれてマジでよかった」という率直な感謝と笑顔が、新菜の心を深く揺さぶった。

その夜、新菜は涙を流しながらも衣装の仕上げに取りかかる。祖父の言葉と海夢の感謝の言葉が心の支えとなり、不安や迷いを乗り越えながら、手を止めずに針を進めていく。

夜が明け、月が沈む頃、新菜はついに衣装を完成させる。完成直後、海夢に「出来ました。寝ます」とだけメッセージを送り、そのまま倒れるように休息をとる。

第10話

メイクの下準備と丁寧な説明

海夢は泣いた影響で出ていた鼻水をかみ、新菜に「ハナ止まりました?」と声をかけられる。海夢は「へへっ、もう大丈夫そー」と答えながら、明るさを取り戻す。その間、新菜は手際よく海夢の髪をまとめ上げ、「出来ました。化粧、落とせましたか?」と尋ねると、海夢は「うん」と頷く。

病みメイクの理論と実践

新菜は自身が描いたイラストを使って、「眉は下げてタレ目、アイシャドーは赤」「頬紅は目のすぐ下で、目の赤に印象を持たせるため、口紅は発色を抑える」「全体的に衣装に負けないようかなり濃くしないと」と丁寧に説明を行う。それを聞いた海夢は「病みメイクって感じだよね」と納得し、メイク動画をスマホで新菜に見せる。

アイテープとつけまつげの応酬

動画を見ながら新菜は「二重瞼の形も変えられるんですね…凄いな…」と感嘆する。海夢は「…あたし、アイテープなら持ってるよ」と補足し、新たなアイテムの存在を伝える。さらに新菜は「つけまつ毛もいいですね!目尻が長めのタイプを使えばタレ目の雰囲気がかなり出ます!ぐっと雛たんに近づけますよ!」と語る。

しかし海夢は「あっ!あたし、つけまは持ってないんだけどっ!!一回やって無理だったから…どーしよ…」と不安を吐露する。そこへ新菜が「俺、持ってるんで大丈夫です」と申し出、海夢を驚かせる。新菜は「何種類かあるんですが…よかった、丁度ありますね。目尻長め」と自然に話を続けるが、海夢は固まったまま尋ねる。「これ…彼女の…とか?」

雛人形と創作への尊敬

新菜は即座に「ちっ、違いますよ!今は雛人形にもまつ毛ついてるものがあるんで試しに買ったんです…!」と否定し、スマホで「この子なんですけど…」と参考にした雛人形の写真を見せる。それを見た海夢は「これ買ってもらったらガチで嬉しいやつじゃん!てか着物柄バラだし!」と大絶賛。新菜も「斬新ですよね。この発想は本当に凄いと思います。尊敬します」と語る。

さらに彼は「今の雛人形は時代に合わせて、口紅も赤だけじゃなくピンクやオレンジ、頬紅も入れたり、髪の色も茶色がかった黒や金髪の人形もあるんですよ」と続け、海夢は「ギャルじゃん」と笑みを浮かべて反応する。

目標への思いと励まし

会話の流れの中で新菜は「俺にはまだ分からないんですが…じいちゃん達は、人形の眉を見れば誰が描いたか分かるそうです」と話しつつ、「でもその雛人形は、一般の方でもひと目で誰が作ったのか分かりますよね。俺も将来、そんな雛人形を作れるようになれたらなって…」と本音を語る。すぐに「す、すみません…余計な話を…」と反省するが、海夢は真剣な眼差しで「なれるよ。ごじょー君なら絶対なれるよ」と断言する。

新菜ははにかみながら「ありがとうございます」と笑顔で応じ、その笑みに海夢は「…ごじょー君って、そんな風に笑うんだね」と驚きと感動をにじませる。新菜はさらに照れながら、はにかむように笑顔を見せるのであった。

眉の処理に対する決断

新菜はメイクの仕上げとして眉の処理に言及し、「あっと…き、喜多川さんっ、まっま眉…っ、眉どうしますか??」と戸惑いながら尋ねた。海夢は「(雫たんは)困り眉だよね」と確認しつつ、新菜は「喜多川さんの眉の形と違うので消す事になるんですが…ただちょっと不自然さが出ると言いますか…」と慎重に説明した。

それを受けた海夢は少し考えた末、「どーせまた生えるし、全剃りでいっか。シェーバーあるし」と眉の全剃りを即決。実際に剃り始めた彼女の行動力を目の当たりにし、新菜は内心で「行動力…っ!!」と圧倒されていた。

メイク完了と着替えの時間

眉処理も終えてメイクが完成した海夢。あとは衣装に着替えるのみとなり、新菜は「では俺、廊下にいますんで、着替えたら呼んでください」と伝えて部屋の外へ出る。

着替え完了の知らせ

しばらくして、海夢は「ごじょー君…あの、着たんだけど…」と恥じらいながらも声をかけ、着替えが完了したことを伝える場面で締めくくられた。

第11話

ドア越しの緊張と動揺

新菜は、着替えが終わったという海夢の声を受けて部屋に入ろうとするが、衣装の胸元が大きく開いていたことを思い出し動揺する。戸を開けてよいのか葛藤しながらも、衣装の仕上がり確認のためには必要と自分に言い聞かせ、勇気を出して入室する。

完成した衣装への驚きと称賛

部屋に入ると、雫たんの衣装に身を包んだ海夢が立っており、新菜はその完成度と似合い具合に息を呑む。海夢は不安げに「ちゃんと性奴隷になれてる…?」と尋ねるが、新菜は満面の笑みで「喜多川さんは立派な性奴隷です!」と即答する。

衣装への興奮と感動

海夢は新菜の返答に大興奮し、「雫たんすぎる!」と何度も叫びながら衣装を絶賛する。サイズ感もぴったりで、「腕が上がらないとかあるけど、全っ然コユー!ありよりのあり!!」と大満足の様子。新菜は、動きやすさや着心地まで考慮する必要性に気づき、衣装制作への意識が一段と高まる。

細部までの完成度と評価

海夢は「乳袋」や「チュールからのガーター透け」など、衣装の細かい部分にまで感動しきりで、「ごじょー君神!まんま雫たん!」と最大級の賛辞を送る。新菜は感謝しつつも、「自分的にはまだまだ」と謙虚に語る。

撮影への高まりと一体感

テンションが上がりすぎた海夢は、「無理すぎてドキドキしてキレちゃう!」と大興奮し、写真撮影を提案する。新菜が撮影を開始すると、海夢は「盛れてる!?」「よきぃ〜っ♡」と喜びを爆発させ、二人の間に一体感が生まれていた。

ドア越しの緊張と動揺

新菜は、着替えが終わったという海夢の声を受けて部屋に入ろうとするが、衣装の胸元が大きく開いていたことを思い出し動揺する。戸を開けてよいのか葛藤しながらも、衣装の仕上がり確認のためには必要と自分に言い聞かせ、勇気を出して入室する。

完成した衣装への驚きと称賛

部屋に入ると、雫たんの衣装に身を包んだ海夢が立っており、新菜はその完成度と似合い具合に息を呑む。海夢は不安げに「ちゃんと性奴隷になれてる…?」と尋ねるが、新菜は満面の笑みで「喜多川さんは立派な性奴隷です!」と即答する。

衣装への興奮と感動

海夢は新菜の返答に大興奮し、「雫たんすぎる!」と何度も叫びながら衣装を絶賛する。サイズ感もぴったりで、「腕が上がらないとかあるけど、全っ然コユー!ありよりのあり!!」と大満足の様子。新菜は、動きやすさや着心地まで考慮する必要性に気づき、衣装制作への意識が一段と高まる。

細部までの完成度と評価

海夢は「乳袋」や「チュールからのガーター透け」など、衣装の細かい部分にまで感動しきりで、「ごじょー君神!まんま雫たん!」と最大級の賛辞を送る。新菜は感謝しつつも、「自分的にはまだまだ」と謙虚に語る。

撮影への高まりと一体感

テンションが上がりすぎた海夢は、「無理すぎてドキドキしてキレちゃう!」と大興奮し、写真撮影を提案する。新菜が撮影を開始すると、海夢は「盛れてる!?」「よきぃ〜っ♡」と喜びを爆発させ、二人の間に一体感が生まれていた。

写真撮影の準備と開始

海夢は部屋のふすま前を撮影場所に提案し、布団で畳を隠すことで雰囲気を演出することに成功した。新菜もそのアイデアに感心し、撮影の準備が整った。

撮影開始とキャラ作りの難しさ

新菜は「雫たんの性格に合わせて」と提案し、笑顔を封印したポーズを求めるが、海夢は喜びを抑えきれず笑ってしまう。何度か撮り直しながらも、ついに満足できる雫たんらしい表情を収めることに成功した。

雫たんになりきった海夢

海夢は新菜の指示に従いポーズや視線を調整し、写真はどれも完成度の高いものとなる。新菜もその表情や衣装との調和に感動し、疲労感を忘れてテンションが上がっていた。

撮影後の興奮と満足感

海夢は撮った写真を見て感激し、「これSNSに上げたい」と喜ぶ。自身のコスネームを「まりん」にすると即決し、初めての本格コスプレ体験に大満足していた。

コスプレイベントへの誘い

海夢はテンション高く「明日のコスイベ行っちゃおっか!」と新菜を誘う。新菜は私服を持っていないことを理由に戸惑うが、海夢は「作業着でいいじゃん」と押し切り、強引に参加を決定。翌日の池袋での待ち合わせを約束して場面が終わる。

謎の少女の登場

夜の風景が描かれた後、ある家の一室で、少女がベッドにうつ伏せで寝転がっていた。彼女はスマホを見ながら、ある投稿に目を留める。

まりんのコスプレ写真への反応

スマホの画面には「まりん」「雫たんコス〜♡♡♡」という投稿と共に、撮影された海夢のコスプレ写真が映っていた。それを見た少女は、「は?なんなのこいつ」と不快感を露わにする。この段階では、彼女の名前や詳細は明かされていない。

第12話

コスプレイベントへの到着と喜び

池袋駅近くの公園で開催されているコスプレイベントに、和装姿の新菜と雫たんに扮した海夢が到着する。多くのレイヤーで賑わう会場の様子に、海夢は「ついにコスデビュー」と感動し、満面の笑みを浮かべる。

視線に気づく新菜と海夢の励まし

会場の空気に圧倒された新菜は、「女性だらけで肩身が狭い」「視線が気になる」と戸惑いを口にする。それを聞いた海夢は、「みんなごじょー君の衣装に見とれてるんじゃない!絶対そうだよっ!」と元気づける。さらに、自分の衣装に自信を示しながら「一番いい乳袋だからじゃん!」と冗談まじりに胸を持ち上げ、新菜から慌てて止められる。

上の広場へ移動

会場に馴染めない新菜を気遣い、海夢は「上の広場に行こうか」と提案。カメラマンや男性参加者もいるエリアへ移動すると、海夢は再びテンションを上げ、「こっちもまったりしてていい感じ」と笑顔を見せる。

ヴァネッサ様コスと撮影列の発見

会場内で「ヴァネッサ様」のコスプレイヤーを見つけた海夢は、その完成度とスタイルに感動し、「超おっぱいデカい!」と叫ぶ。そして、彼女の前に並ぶカメラマンたちを見て「あたしも並んで撮らせてもらお…」と自分がコスプレ中であることを一瞬忘れたような言動を見せる。

初めての撮影依頼に驚きと喜び

その直後、カメラを持った男性から「撮影いいですか?」と声をかけられた海夢は、「あたしですか!?」と驚く。男性は「ヌル女2の黒江ですよね?」と確認し、それを聞いた海夢は一気にテンションが上がり、「雫たんです!撮影全然オッケーです!逆にお願いしますっ!」と答える。

新菜の観察と気づき

その様子を見届けた新菜は「邪魔にならないようスミにいよう」と会場を見回し、女装レイヤーや男装女性の存在に気づく。参加者それぞれが自由に好きなキャラを楽しんでいる様子に、「自由に楽しめるって、なんかいいな」と心を動かされる。

列ができ始める海夢の前

一方で、新菜がふと海夢の方を見ると、彼女の前にはいつの間にか撮影希望者の列ができていたことに気づき、その人気ぶりに驚きを覚える。

海夢の撮影と喜び

シャッター音が響く中、雫の表情を見事に再現した海夢は、撮影者からも高評価を得ていた。撮影が終わると、海夢は満面の笑みで「あたしも一緒に撮ってもらっていいですか!?記念的な!!」と申し出て、カメラマンと一緒にスマホで記念撮影を行う。そして「ありがとうございますっ マジ嬉しいです!!」と感謝の言葉を伝えた。

新菜の気づきと心境の変化

その姿を見守っていた新菜は、「喜多川さん、楽しそうでよかった。俺も約束守れたから、よかっ…」と胸を撫で下ろす。しかし、そこでふと「もう約束は守ったから、喜多川さんとこうやって過ごすのは今日で終わりなんだ」と気づき、寂しさがこみ上げる。

新菜の内面の独白

新菜は撮影される海夢を遠くから見つめながら、静かに思いを巡らせる。「…なんか嘘みたいだな…話す機会すらなかった人だったのに」「同級生と放課後に寄り道したり、休みの日に会ったり、こんな風に過ごすのは全部、初めてだった」と振り返り、「楽しかったな…」と心から噛み締めていた。

新菜の視線に気づいた海夢

撮影中、海夢は自分を見守る新菜の視線に気が付く。彼の存在を認めると、満面の笑顔を向けた。

赤面と動悸に戸惑う新菜

その笑顔に新菜は思わず赤面し、動悸が激しくなるほど動揺していた。状況が掴めないまま見守っていると、海夢がカメラマンに一旦撮影の中断を申し出て、新菜の元へと駆け寄ってくる。

焦りと安心の告白

海夢は息を弾ませながら、「ごじょー君っ! よかった……いなくなっちゃったかと思って、かなり焦った……」と、必死の面持ちで訴える。その表情には、新菜への強い安心と信頼が滲んでいた。

衝撃の発言

しかしその直後、海夢は「あのねっ、あたし……服脱げそう!」と突然の爆弾発言を放つ。

新菜の動揺とツッコミ

唐突すぎるその発言に、新菜は思わず真顔で「なんですって?」と深刻な顔で聞き返すのだった。

第13話

衣装トラブルと原因の回想

海夢が新菜の前で「服脱げそう」と訴えた場面から始まり、その理由が前日の夜にさかのぼって明かされた。海夢は撮影された自分の写真を見て、「雫たんもっと胸デカくない?」と感じ、ヌーブラを重ねて「盛る」ことにした。結果として胸部の衣装が極端に窮屈になり、胸の締め付けによって衣装が破裂寸前の状態となっていた。

衣装と環境の過酷さ

衣装は海夢の身体サイズに合わせて新菜が作ったものであり、そこにさらに胸を盛ったことで余裕がなくなっていた。また、ウィッグの中は蒸れて不快であり、加えて夏日の暑さも重なって海夢は「鬼やば…死ぬ…」と弱音を吐いた。新菜は衣装に厚めの生地を選んだことを後悔し、すぐさま「建物の中に行こう」と移動を提案した。

応急処置と海夢の回復

建物内に移動後、新菜は熱中症対策のためにスポーツドリンク・冷感タオル・裁縫セットなどを用意しており、それを海夢に手渡した。海夢はドリンクを飲みながら「ごじょー君ありがとー」と感謝の意を述べたが、すぐには更衣室まで動けず、その場で休むことにした。

身体を冷やすための工夫

新菜は熱中症対策として太い血管が通る首や脇の下を冷やすようアドバイスし、海夢はそれに従い「めっちゃ気持ちい~~っ」と安堵の声を上げた。その後、汗拭きタオルで胸元を拭き始め、「やっぱ黒ってハンパないね!」と自らの盛り具合と汗の量に驚いた。

ファスナーの件と新菜の動揺

新菜が「ヌーブラの二枚重ねはすごい」と驚く中、海夢はさらに「服を脱ぐことも熱中症対策に入ってる」とスマホで確認させる。その内容に驚きつつも納得した新菜に対し、海夢は「じゃあファスナー下ろしてくんない?」と頼み、新菜は動揺の表情を浮かべるのだった。

背中のファスナーを下ろし、汗を拭いてもらう海夢

暑さで衣装の中が蒸れてしまった海夢は、新菜に頼んで背中のファスナーを下げてもらい、汗を拭いてもらう。背中を拭かれる最中、海夢は思わず声が漏れるほど気持ちよさを感じてしまい、新菜は戸惑いつつも丁寧に対応する。

露出対策と応急処置

その後、スカートの中も蒸れていたことを海夢が口にし、新菜は焦りながらもタオルを用意。露出対策が必要と気づいた新菜は、安全ピンで応急処置を施し、これでひとまず問題は解決された。ミシンでの補強とは異なるため、この日はここで切り上げることに決める。

もう一度、広場での撮影へ

海夢は「もう一回だけ広場に戻っていい?」と提案し、会場に戻ってカメラマンの女性を発見。再会を喜びながら、撮影を中断してしまったことを謝罪する。体調も回復したため、最後に日陰で1枚だけ撮影する流れとなる。

撮影中のハプニングとすれ違い

撮影の瞬間、突風によってスカートがめくれ、下に履いていた「正」の字が書かれた短パンが露出してしまう。驚いたカメラマンは「データは消します」と申し出るが、海夢はそれを「カメラ目線してなかったから撮り直し」と勘違いし、真剣な表情で「もう一回お願いします!」と申し出て物語は締めくくられる。

第14話

池袋駅からの帰路

新菜と海夢は池袋駅から電車で帰る途中、座席に座れて安堵する。時間帯も空いており、移動は順調であった。

感謝と満足の気持ち

車内で、海夢は「いい経験になりました」としみじみと語る新菜に、「あたしも!超ぉ~~楽しかったよ!」と笑顔で返し、心からの感謝を伝える。

次なるコスプレの話題

海夢は「次、何のコスしよっか?」とすぐさま次の話題に乗り出し、新菜を驚かせる。新菜は一着だけのつもりだったが、海夢は「一番好きなキャラが50人いる」と言い切り、コスプレ熱を露わにする。

楽しさの共有と新たな関係

海夢は「霜たんももっと着たいし~」と語り、新菜の反応に嬉しそうな様子を見せる。最後には改めて「不束者ですがっ…!これからもよろしくお願いします…っ!!」と新菜が頭を下げ、海夢も笑顔で快諾する。

新菜の覚悟と海夢の肯定

新菜は作業効率を上げるためトルソーを購入する決意を口にし、海夢はそれを即座に肯定し応援した。移動中の電車内、新菜が眠そうにしていると、海夢は優しく休むよう促し、その気遣いに感謝する。海夢は「コスイベ超楽しかった」と語り、会場の熱気を「好きなことをしてる人ばかりで最高」と振り返る。

好きなことを楽しむ人々の輝き

コスプレ会場の回想では、レイヤーやカメラマンたちが全力で趣味を楽しんでいる様子が描かれ、海夢はその輝きに強く感銘を受ける。「好きなことしてる人ってめっちゃ好き」と語り、自分の情熱を再確認する。

次のコスプレへの意欲

海夢は撮影ができなかったことを悔やみ、「次は絶対撮りまくる」と宣言。また、他のレイヤーの美しさにも感動し、「加工なしであの美しさはヤバい」と語る。新菜もその姿を思い出し、心の中で「喜多川さん、とても綺麗でした」と素直な想いを抱く。

「綺麗」という言葉の重み

新菜は「綺麗」という言葉が自分にとって特別な意味を持つと気づき、それは軽々しく言えない大切な言葉だと自覚する。その想いを胸に、海夢に対して改めてその言葉を伝えようとし、言葉を選びながらも誠実に向き合おうとする。

唐突な反応で幕を下ろすやりとり

真剣な表情で言葉を紡ごうとする新菜に対し、海夢は一瞬驚いたように「えっ…ええ~~~!?」と戸惑う反応を見せ、微笑ましい雰囲気に変わっていく。

第15話

洗濯作業とウィッグの手入れ

新菜は海夢の衣装を自分が洗うつもりだったが、海夢は「自分で着たから自分で洗うのが普通」と譲らず、自ら洗濯に取り組む。二人は並んで洗濯を開始し、新菜の丁寧な指導で、まずウィッグの押し洗いを行う。海夢はその細やかな工程に「超コスいっ!」と感動しつつも、洗いすぎもよくないという知識に驚く。

従姉・美織との帰宅中の会話

一方その頃、新菜の祖父とその従姉・美織は車で帰宅途中。美織は、新菜がストッキングを購入した事に驚いて倒れたと聞くと、「そんなことで倒れたの?心配して損しちゃった〜」と笑って返す。これに対し祖父は、「お前…女もんの肌着だぞ…!」と反論するが、美織は「ストッキングね、大したことないわよ〜」と意に介さない。

美織はさらに、自分が高校生だった頃、憧れのモデルがCMでボクサーパンツを履いていたのを真似て買った過去を明かす。祖父は渋々「そうか…そんなもんか」と納得し、美織は軽口で「高校生の男の子なんだからストッキングの一つや二つ持ってるわよ」と笑う。

祖父の誤解とその解消

家に着き、祖父が玄関を開けると、そこには女物のコスプレ衣装を持つ新菜と、隣に立つ海夢の姿があった。新菜が「おかえり!」と笑顔で声をかけるが、その光景を見た祖父は「新菜!」と叫び、状況を誤解して硬直してしまう。

事情説明と和解

場面は変わり、すでに説明が終わった後。祖父はため息交じりに「なんだ…そういうことだったのか…じいちゃんてっきり…」と呟く。新菜は「別にやましいことしてないよ」と淡々と答え、祖父は衣装を見ながら「アレ見りゃそんなこと分かるよ…」と納得する。

祖父は海夢にも「ごめんね、大きい声出しちゃって」と謝罪し、海夢は恐縮しながら「全然大丈夫ですっ!」と答える。

衣装への評価と会話の流れ

衣装を見た祖父は「よく作ったな~、大したもんだ」と感心し、新菜は「でも色々まだまだでさ…」と控えめに答える。しかし祖父は「そうかぁ? 上等だろぉ~」と新菜の努力を認める。その後、改善点や今後の調整点について2人で語り合う。

海夢の恋心の爆発

そのやり取りを見ていた海夢は、心の中で自分の恋心があふれ出す。

感情が暴走していたそのとき、海夢のお腹が「ぐぅ~」と鳴る。その音に驚いた新菜と祖父が同時に振り向き、海夢は恥ずかしさのあまり顔を真っ赤にして硬直するのだった。

海夢の空腹と夕食への誘い

海夢のお腹が鳴ったことをきっかけに、新菜の祖父は「家で夕飯を食べていかないか」と海夢を招く。海夢はその申し出を素直に受け入れ、「いただきます」と喜んで食卓につく。

新菜の手料理に感動する海夢

出された料理を口にした海夢は、その美味しさに驚き「神!」と絶賛する。新菜が一人で作ったことを知ると感動し、「一緒に住んでるみたい」と無邪気に喜ぶ。

海夢の家庭環境と食生活の告白

海夢は母を病気で亡くし、父と二人暮らしであることを明かす。高校入学後、父は単身赴任となり、現在は一人暮らしのような状態で、食事はコンビニや冷凍食品が中心であると語る。

新菜の祖父の心配と提案

その話を聞いた新菜の祖父は「身体を壊すのでは」と心配し、「これからはうちでご飯を食べていきなさい」と提案する。新菜もそれに同意し、海夢は「やった〜っ!!」と歓喜する。

帰宅の場面と海夢の本音

夕食後、海夢は駅まで送ってくれた新菜に感謝し、「ご飯おいしかったし、おじいちゃんと話すのも楽しかった」と伝える。そして別れ際に「また明日ね」と笑顔で別れを告げた。

海夢の恋心と寂しさ

電車内、海夢は新菜との時間を思い出し、「しゃったりして…」とつぶやく。

謎の少女の登場

ある日、祖父が突然の雨に打たれながら、びしょ濡れの状態の少女を店に入れた。

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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