物語の概要
ジャンル:
青年向けロマンティック・コメディ、スクールライフである。雛人形の頭師を志す内向的な少年と、明るくコスプレに情熱を燃やすギャル系美少女との出会い――異なる世界にいた二人が、服作りを通じて心を通わせていく青春物語である。
内容紹介:
雛人形「頭師」志望の五条新菜は、人付き合いが苦手でひとり黙々と制作に没頭していた。ある日、クラスの中心的存在たる美少女ギャル・喜多川海夢にその姿を見られ、自身の作業を依頼される。放課後の被服実習室での共同作業から二人のコスプレ制作が始まり、秘密の関係が少しずつ世界を変えていく。友情と自己表現の狭間をゆく、初々しくも確かな絆の物語である。
主要キャラクター
- 五条 新菜(ごじょう わかな):雛人形の頭師を目指す高校生。背が高く物静かで、人との衝突を避けてきたが、制作への情熱は比類なく深い。海夢との出会いを通じて徐々に殻を破り始める。
- 喜多川 海夢(きたがわ まりん):クラス一の人気と支持を集めるギャル系美少女。明朗快活で、アニメやゲームを愛するコスプレ好き。趣味に正直で、作り手としての新菜をまっすぐに評価し、共に衣装制作を担う相手とする。
物語の特徴
本作の特徴は、コスプレ衣装制作という題材を通して、「好きなもの」や「ものづくり」を介した自己肯定と相互理解を丁寧に描く点にある。細部までこだわった衣装デザインや縫製プロセスの描写は、フェチ性を保ちつつも単なる過剰演出に終わらない。新菜の内向性と海夢の開放性という対照的なキャラクター造形が物語の共鳴点であり、“異質な価値観からの偏見や壁を越えるプロセス”が読者の心に響く。他の学園ラブコメとは異なり、「作業工程」と「感情」が同軸で描かれ、趣味と恋愛が美しく結ばれる世界観が最大の差別化点である。
書籍情報
その着せ替え人形は恋をする 1
著者:福田晋一 氏
出版社/レーベル スクウェア・エニックス/ヤングガンガンコミックス
発売日 2018年11月24日
ISBN 978‑4757559202
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あらすじ・内容
クラスのギャルと秘密の関係…?
友達の輪の中心にいるギャル系美少女、喜多川海夢。
感想
完結したと聞いて、全巻まとめて「その着せ替え人形は恋をする」を読んでみた。まず、主人公の名前である「新菜」を「わかな」と読むことに、軽い衝撃を受けた。
物語は、ひょんなことからコスプレをしたい喜多川海夢と、彼女の衣装を作ることになった新菜の関係を描いている。この時点では、まだ恋の予感はそれほど強くない。しかし、誠実な新菜と、明るくて派手だけれど心の優しい海夢は、とても相性が良さそうだ。
それにしても、エロゲー好きなギャルが発生する確率って、天文学的ではないだろうか。
この作品は、陰キャにも優しいカースト上位のギャルという、夢のような存在を描いている。そんな女の子を好きにならないオタクはいない、いや、いない(反語)。実家が雛人形の工房を営んでいるため、幼い頃から雛人形を愛し、頭師になることを夢見る青年、新菜。そんな彼が、コスプレをしようとするも不器用なギャルと出会う。そこから始まるコスプレをテーマにしたラブコメという設定はコスプレを知らない自身には新鮮に映る。
マイナーな趣味に理解のある女の子の、なんと稀有なことか。そんな彼女との出会いは、まさに奇跡と言えるだろう。この作品は、コスプレという共通の趣味を通して、二人がどのように距離を縮めていくのか、その過程を丁寧に描いている。今後の二人の関係がどうなっていくのか、目が離せない。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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展開まとめ
第1話
幼少期の記憶とトラウマ
五条新菜は幼い頃、雛人形に強い関心を持っていたが、女児に「男のくせに女の子のお人形好きなの?」と否定され、「気持ち悪い」「大嫌い」と泣きながら拒絶された。その出来事は新菜にとって大きな心の傷となり、以後の価値観や人間関係に影響を及ぼしていた。
朝の目覚めと祖父との日常
現在の新菜は祖父と二人で暮らしており、雛人形職人としての修行を続けている。目覚まし時計で起床した新菜は、いつものように雛人形に「今日も奇麗だね」と話しかける一方で、過去の夢に浮かぶ記憶に心を曇らせていた。
修行の進捗と祖父の助言
朝食時、祖父は新菜に対し「筆使いをこなせるようになるまで10年はかかる」と語り、自分は雛人形の顔を描いて48年になると明かした。それに対し新菜は「まだ顔は描けない」「できないことばかり」と落ち込むが、祖父は「衣装が作れるだけでも上等だ」と励まし、焦らず少しずつ取り組むよう助言した。
友達の有無を問われたやりとり
祖父は急に「高校に上がって友達はできたのか」と問いかけ、小中学校時代も人形いじりに没頭していたことを指摘する。新菜は動揺しつつ「いる」と答えたが、「家が遠いし、部活があって時間が合わないだけ」と説明し、必死に平静を装っていた。それを聞いた祖父は「なら安心だ」と笑顔を見せた。
学校生活と孤立感
新菜は「頭師(かしらし)」、すなわち雛人形の顔を作る職人になることを夢見ている。一方で、高校でも友人はできておらず、クラスの話題や趣味に馴染めず孤立していた。彼は「雛人形制作の練習」「雛人形鑑賞」「雛人形との会話」を趣味としており、それが他の生徒と話題を共有できない理由であった。
喜多川海夢との接触
そんな彼に、クラスで騒いでいた女子生徒のひとり・喜多川海夢が、新菜にぶつかり「ごめんね、ごじょー君、大丈夫?」と声をかけた。新菜は動揺しながらも、「あ、あの、はいっ…」と返答した。
喜多川との新たな接触
クラスメイトの喜多川海夢は、新菜の腕に付いた汚れに気づき、自然な様子で彼の腕を掴んで確認した。新菜は突然の接触に動揺し、至近距離で彼女の胸元が目に入り赤面した。一方の海夢は気にする様子もなく「ケガじゃなさそう」と淡々と反応した。
印象的なやりとりと記憶のきっかけ
その後、海夢は明るく新菜に接し、「平気なやつなんで」と新菜が言い訳をするように返すと、「ならいいけど」と軽やかに応じた。教室では別の生徒たちが冗談を交わしていたが、新菜は自分の腕の汚れが昨日ついた人形の墨であることを思い出し、内心で驚いた。
喜多川という存在への意識
新菜は、明るく友達の多い海夢が自分とはまったく異なる世界にいると感じていた。放課後の会話から、彼女が注目を集める存在であり、多くの男子生徒が彼女に惹かれていることが語られる。また、彼女が美容サロンでバイトしていることも話題となっていた。
海夢の態度と芯の強さ
ある日、男性からアニメの話題をからかわれた際、海夢は「オメーがねぇわ」と真顔で言い放ち、その場を去った。教室では「海夢、秒で帰った」と笑いが起こっていたが、新菜は彼女の発言「人の好きなものバカにすんなよってなるでしょ」を思い出し、その芯の強さに感銘を受けていた。
自分との違いの実感
新菜は、同じ教室にいながらも自分とは全く異なる価値観と世界で生きている人間がいると実感した。そして、「ありのままの自分を受け入れてもらえる世界は、きっと生きやすいんだろうな」と独白し、静かに思いを巡らせていた。
掃除を押し付けられる新菜
放課後、新菜はクラスメイトから当然のように掃除当番を押し付けられる。クラスメイトは感謝を言葉にしつつも新菜に押し付けてサボる気満々だった。
そうと分かっていながら「断るのも面倒」と新菜は本音をこぼしており、実際には一人での掃除が大変であることを自覚していた。ただし、話題に困るよりは一人の方が楽だと考えていた。
喜多川海夢の意外な行動
掃除を始めた新菜の前に、突然喜多川海夢が現れる。新菜は忘れ物かと思ったが、彼女は「自分も掃除当番」だと告げ、遅れた理由も説明した。新菜は他の生徒が帰ってしまったことを報告し、海夢と共に掃除を続けることになる。
会話の中での気づきと問いかけ
海夢は新菜に対し、「頼まれたんじゃなくて押し付けられてない?」と疑問を呈する。新菜は曖昧に否定するが、海夢はそれを「嫌じゃないの?」とさらに問い詰める。新菜は「頼られていると思っていた」と答えるが、海夢は「それは頼られているんじゃなくてパシられてるだけ」と断言した。
自分の気持ちを言うことの重要性
海夢は、「嫌なのに言うことを聞くのは違う」「自分のために言わなきゃだめ」と新菜に伝える。その真っ直ぐな言葉に、新菜は目を丸くする。
そんな出来事があり注意散漫となり工房で作業中、誤って指を切ってしまった新菜は、祖父に助けられながらも、海夢の言葉が頭から離れずにいた。
過去の記憶と向き合う
新菜は、幼少期に「女の子のお人形が好き」と言って泣きながら拒絶された記憶を思い出す。そのとき何も言えなかった自分を悔やみ、海夢の「自分の気持ちは言わなきゃだめ」という言葉が図星であると感じていた。
教室でのミシンのトラブルと閃き
翌日、新菜が使用していた古いミシンが故障してしまう。祖父と相談の末、「キリのいいところまでやりたかった」という気持ちを抱えたまま、新菜は学校へ向かう。そして被服実習室で新しいミシンを見つけ、「楽だ!」と感動しつつ、誰も来ない場所で作業に没頭する。
ふたたび現れた海夢
実習室で新菜が一人満足げに作業しているところへ、再び海夢が現れる。扉の音に振り返った新菜と海夢は、互いに驚きの表情を浮かべて顔を見合わせた。
雛人形への謝罪と海夢の反応
作業中に雛人形を落とした新菜は、とっさに「ごめん…っ!!大丈夫?痛くなかった?」と人形に向かって謝罪した。その様子を目の当たりにした海夢に、ドン引きされたのではと新菜は怯えるが、海夢はそのことには触れず、新菜がミシンを使っていたことに強く興味を示した。
新菜の特技への驚きと関心
海夢は「ごじょー君ミシンできる人なの!?」「えっマジで凄いんだけど!!なんで!?」と驚きを隠さず、新菜に質問を重ねた。新菜が戸惑っていると、海夢は「だからあー、ミシン!!なんで出来んの!!選択で家庭科ないじゃん!」とさらに問い詰めた。
雛人形の家業と賞賛
新菜は「俺の家、雛人形の店やってて…昔からその…教わって…」と説明した。それを聞いた海夢は「そっち系!?だからかぁー」と納得し、「ねっ落ちたのお雛様でしょ?見せてっ」と人形に興味を示した。人形を見ると「めっちゃキレーじゃんっ!目キラキラしてる」と感嘆し、新菜は「初めて褒めてもらえた…俺の好きなものを…」と感動していた。
能力の確認と突然の行動
海夢が「このお雛様、ごじょー君が作ったの?」と尋ねると、新菜は「違いますっ!これはじいちゃんが作ったもので…俺はまだ服作るぐらいしか…」と答えた。それを聞いた海夢は真剣な表情で「服作れんの?マジ?」と尋ね、新菜は「はい…でもただ縫う程度なんで…」と返した。
衝撃的な依頼の始まり
その直後、海夢は上着を脱ぎ始め、新菜は動揺しながらも「向こう向いててもらってい?」という指示に正座で従った。心音と衣擦れの音に混乱する新菜は「ななななんだこれ、何が起こってるんだ!?」と動揺を募らせた。
コスプレ衣装の披露と依頼
海夢は途中まで作った衣装を着用し、「まだ途中だよ?…これ、どーかな?」と新菜に感想を求めた。新菜が理解できずにいると、海夢はスマホでキャラクターの画像を見せ、「その服を作った…みたいな?」と衣装制作をしたと言い。
感想を求めた。
新菜の技術的指摘と海夢の涙
新菜は当初冗談かと思ったが、海夢が真剣だと知ると「狙っても普通ここまで下手に出来ませんよ!」と正直に告げた。その後も「裏地がない」「返し縫いしてない」「下糸がない」「縫い代を忘れている」「ダイヤルがずれている」など、縫製の欠点を次々と指摘した。
過剰な謝罪と海夢の制止
新菜は自らの言い過ぎを悔い、「調子に乗って申し訳ございませんでした…殺してください…」と土下座して謝罪した。驚いた海夢は「ちょっ、はぁ~~っ!何してんの!!やめてよ!」と制止した。
コスプレへの情熱
海夢は自作の衣装について「コスしたくて作ったの!」と明るく言い放った。自らがアニメやゲームのキャラクターと同じ格好をしたいという思いを語り、「推しへの想いを全力でアピれるのがコスプレ」と力説する。
裁縫の難しさと新菜への信頼
海夢は家にミシンがないため放課後に学校の被服室で衣装を縫っていたと明かすが、裁縫は苦手で誰にも教わることができなかったと話す。そんな中で、新菜の裁縫技術を目にし、「この人なら」と思ったことが明かされる。
衣装制作の正式な依頼
ついに海夢は新菜に向かって、「あたしにコス衣装作ってくれないかな…!?」と真剣な表情で依頼する。戸惑いながらも、新菜は「ヒト用は作ったことがない」と前置きしつつ、「できるだけやってみます」と答えた。
価値観の違いを超える出会い
「自分の気持ちは言わなきゃダメ」と言われた新菜は、自分の殻を破り、海夢の願いに応えようと決意した。海夢は「マジ?いいの?」と感激し、喜びに目を輝かせる。新菜もまた、「この人とこんな約束をするなんて」と、まるで別世界の住人とつながった実感を抱く。
雫たんへの憧れと共感
海夢は「どうしても雫たんになりたい」と、作品キャラへの強い思いを涙ながらに語る。新菜はその想いを真摯に受け止め、「その人になりたいんですか?」「その人になれるよう、頑張ります」と静かに応えた。
心が通じ合った瞬間
最初は想像もしていなかった展開の中で、新菜と海夢の心が通じ合う。新菜は、裁縫を通して初めて自分が誰かに必要とされ、誰かと対等に関わるきっかけを得たことに喜びを覚えていたが…
その作品のタイトル「聖♡ヌルヌル女学園お嬢様は恥辱倶楽部ハレンチミラクルライフ2」と聞いて、新菜はあんまりなタイトルに「なんですって?」と聞き返した。
第2話
コスプレ依頼の全貌
五条新菜は、趣味の雛人形製作を喜多川海夢に偶然知られ、コスプレ衣装を作ってほしいと正式に依頼される。新菜はその熱量に圧倒されながらも状況を理解しきれず、「なんですって?」と驚くばかりであった。
ターゲットは“黒江雫”
海夢の希望するコスプレ対象は、成人向けゲーム『聖♡ヌルヌル女学園 お嬢様は恥辱倶楽部 ミラクルライフ2』のキャラクター、黒江雫。彼女は作品の部長で、いわゆる“ハレンチでミステリアス”な存在であった。
ゲーム内容の過激さに動揺する新菜
海夢の説明により、作品が「昨年爆売れした超人気エロゲー」であることが判明し、新菜は衝撃を受ける。主人公が女子校に一人で入学し、陵辱的なイベントが多発する展開に「よくある!?」と理解が追いつかず、明らかに戸惑っていた。
海夢の情熱と本気の眼差し
海夢は登場キャラの心情や表情変化に惹かれ、雫たんに感情移入していった経緯を熱弁。冗談交じりに「私も性奴隷になりたいって!」と笑って伝えるが、目は真剣であり、新菜は「喜多川さんは1ミリもふざけていない」と確信する。
好きなものに全力な姿
海夢は「好きなものを語る自分」を抑えることなくまっすぐに表現し、新菜に対しても躊躇なくぶつけていた。新菜はゲームの内容は全く理解出来なかったが、海夢のその姿に圧倒されつつも、彼女が黒江雫をどれほど好きなのかだけは、確かに理解した。
年齢制限と価値観の葛藤
新菜はゲーム内容を理解出来ないと思いつつ、年齢制限の存在を持ち出して海夢を一瞬戸惑わせる。しかし海夢は「好きなものに男も女も関係ない」と言い切り、新菜の過去のトラウマ──幼少期に「男の子なのに人形好きは気持ち悪い」と否定された記憶──を打ち消すような言葉をかけた。それにより新菜は感激し、涙ぐみながらも全面的に肯定の声を返した。
初心者向け資料の発見と驚き
海夢はコスプレ衣装作りの初心者向けガイド本を取り出し、新菜に渡す。その本には布の選び方から型紙の作り方、ミシンの使い方まで丁寧に書かれており、新菜は「こんなにわかりやすい本があるなんて」と感嘆する。しかし同時に「こんなに分かりやすい本持ってるのになんで出来なかったんだろう……」という表情をしてしまい、海夢は自分のこれまでの無力さに思い至り落ち込んでしまう。
すれ違う気持ちと前向きな一歩
そんな新菜の沈んだ表情を見た海夢は、「こんなに分かりやすい本持ってるのになんで出来なかったんだって思われてそ~」と気まずそうに動揺するが、それ以上は言葉にせず次のステップに進もうとする。話し合いの末、準備物の買い出しは週明けに行うこととなり、ふたりは改めてコスプレ制作に向けた協力体制を整えた。
感謝と決意、そして再会
その日の別れ際、海夢は新菜に「ありがとう」と感謝を告げ、月曜からもよろしくと笑顔で送り出す。新菜はその言葉に力づけられ、自室で「なんとか力になりたい」と決意を新たにする。そして翌朝、約束を待ちきれない海夢が開店前の自宅を訪れ、「来ちゃった」と元気よく笑いかけるのだった。
予想外の訪問と驚き
海夢が突然新菜の自宅に現れたことで、新菜は動揺する。彼女は「月曜まで待てない」と語り、雛人形の看板を手がかりに訪ねてきたことを明かす。その行動力に新菜は圧倒されつつも、応対を始める。
急な来訪に戸惑いつつも部屋へ
新菜の制止も聞かず、海夢は部屋に上がりこむ。2階の新菜の部屋に入った海夢は、その和風な空間や布団の敷き方を見て笑いながら興味を示す。そして人形用の細密な絵に感動し、勝手に触れようとするも「大丈夫」と言いながら配慮を見せる。
新菜の混乱と緊張の高まり
突然女性が部屋に入り込んできたことで、新菜は極度に緊張し、心音が乱れ何も聞こえないほど混乱する。これまで祖父以外の誰も入ったことがない空間に海夢がいるという現実に、思考も制御できなくなっていた。
衣装作りの第一歩として採寸を提案
海夢は当たり前のように「採寸から始めよう」と切り出すが、新菜は「他の人に頼めませんか」と戸惑いながら拒否を試みる。その理由は、前日に借りた本に「採寸は下着の上から行う」と書かれていたことにあった。
下着姿を前提とする採寸に更なる混乱
その説明に対し、海夢は軽く受け流すように「それね」と笑いながらシャツのボタンに手をかける。その仕草を見た新菜は言葉を失い、さらなる動揺に包まれるのだった。
第4話
海夢の水着姿に動揺する新菜
新菜の部屋にやって来た海夢は、「水着着てきたしっ♡」と言って上着を脱ぎ、突然水着姿を披露する。想定外の展開に新菜は赤面と混乱でパニック状態に陥る。硬直する新菜を心配した海夢が彼に触れた際、「今、触らないでください!!!」と新菜は思わず叫んでしまう。
ヨユーでしょ?と胸を張る海夢
海夢は水着での訪問を当然のように受け止め、「これならヨユーでしょ?」「ひらめいた時マジ天才って思ってさー」と笑顔で語る。真面目な新菜は、その大胆さに翻弄されつつも何とか平常心を保とうと努力する。
覚悟を決めて採寸に挑む新菜
新菜は「絶対に海夢さんに触れないように…」と心に誓いながら、手の震えを抑えて採寸作業に入る。目を閉じてじっとしている海夢に触れないよう気をつけながら頭を測っていたが、不意に海夢が目を開けて見つめると、新菜は驚き後ろに飛び退き、頭を強打してしまう。
恥ずかしくないのかと問う新菜に、海夢は即答する
動揺した新菜は「えっとその… はっ恥ずかしくないんですか…?」と尋ねるが、海夢は「えっ何が? 全然っ」と即答し、「てか雫たんになれるんだから本の通りにちゃんとやらないと!!」とコスプレへの真剣な姿勢を見せる。
新菜、覚悟を決めて誠意で応えることを誓う
その返答を受けた新菜は、自分の煩悩を叩き出すかのように頬を張り、「なんでもありません!気にしないでください!」と頭を下げる。内心では「海夢さんの気持ちに不純な思いを持って向き合うのは失礼だ。頼ってくれた人のために、誠心誠意尽くさなければならない」と心を入れ替え、改めて向き合う覚悟を決めた。
採寸作業に没頭する新菜
新菜は気持ちを切り替え、職人のような集中力で採寸作業に取り組み始める。「作る事だけに集中するべきだ」と自らに言い聞かせながら、真剣に記録をとる。海夢はそんな新菜の姿に「順調じゃ〜んっ!」と笑顔で返す。
足のサイズ確認と履き心地の課題
次に足の採寸を求められた新菜は、靴は既製品で対応するつもりだったが、海夢は「同じサイズでも足が痛くなる」と主張する。足の甲の部分が合っていない可能性を指摘し、新菜は細かく計測することに。
即席の椅子問題と海夢の自由奔放さ
椅子が必要だと判断した新菜は、下に取りに行こうとするが、海夢は勝手に布団に腰かけ、「これでいーじゃん!」と笑顔で収まる。その奔放な行動に新菜は「よくないです!!」と悲鳴をあげ、「きっ…汚っ…汚いんで!!」とパニックに陥る。
さらに海夢はごろりと転がりリラックス
海夢は布団に寝転がり、「全っ然ヨユーなんだけど」と笑ってピースサインを見せる。新菜は焦りながら「ほんとに勘弁してください!」と抗議するが、彼女の自然体な振る舞いに翻弄されていく。
新菜の羞恥と誠実さの葛藤
あまりに自由な海夢の態度に、心の平静を失いそうになる新菜だが、「喜多川さんが汚れてしまう」と真顔で訴えつつ、誠実に対応しようとする姿勢は変わらない。
足を差し出す海夢に戸惑う新菜
海夢は布団の上で両足を投げ出し、「して」と無邪気に促す。新菜は動揺しながらも覚悟を決めて採寸に戻る決意を固める。
採寸作業再開、新菜は照れながらも集中へ
新菜は「椅子…椅子…」と何とか冷静を取り戻し、測定再開に向けて布団を避けようとする。一方で海夢は「どんどん進めよ〜」とマイペースに指示を出す。
最大の難関“バスト”測定
ページの最後、新菜は顔を真っ赤にしながら「バスト…」と呟く。最大の難関に直面し、彼の集中力と覚悟が再度試される展開で締めくくられる。
4話
胸囲測定の依頼と新菜の動揺
海夢は当然のように新菜に胸囲を測ってほしいと伝えた。新菜は戸惑いながらも、他に誰が測るのかと問われて納得し、混乱しつつも準備を進める。海夢は測定時の誤差を防ぐために、自分ではなく他人に測ってもらう必要性を説明した。
測定の開始と新菜の葛藤
海夢が腕を上げて待機する中、新菜は動揺しつつも覚悟を決めて測定を開始した。身体の距離が近くなることで動揺が増し、「余計なことを考えるな」と自制しながら作業に集中しようと努める様子が描かれた。海夢も真面目な態度で協力した。
測定の終了とさらなる依頼
胸囲の測定を終えた新菜は、恥ずかしさからうずくまり、顔を赤らめて「死にたい」と漏らす。海夢は冷静に「ついでにアンダーとバストポイント間も測って」と依頼したが、新菜は再び動揺し、即座に「無理です」と拒絶した。
下着の構造とサイズへのこだわり
海夢は「綺麗な衣装を作るには正確なサイズが必要」と主張し、下着の構造や乳袋の位置への理解を求めた。新菜は「海夢さんの乳首の位置なんて分かるわけない」と叫び、再び拒絶するが、海夢は明るく「じょーだんだよー」と笑って誤魔化した。
バストポイントの測定方法
海夢は自分で測定を試み、「ここからここまでで20センチ」と示した。新菜はその様子を見守りながら、彼女の明るい態度と真剣さの間で、複雑な気持ちを抱える様子を見せた。
冷静さを保とうとする新菜と、それに気づく海夢
新菜は採寸を一通り終え、「とりあえず…ひと通り終わった…」と胸をなでおろす。しかし最後の股下の計測に入ると、海夢が「地味に時間かかったね~!」と明るく話しかける中、新菜は「股下なら顔を見なくてすむ」と思い、緊張をやり過ごそうとする。
だが内心では「いちいち動揺して、うろたえて…みっともない」「自分が少し嫌になるなぁ…」と自己嫌悪し、「喜多川さんみたいに何があっても動じない人になりたい」と願っていた。無意識のうちに海夢に触れてしまっていたことに気づかぬまま、新菜は「喜多川さん、顔真っ赤ですよ?」と口にしてしまう。海夢は一瞬ぎくりとしながらも、「部屋暑かった?」と返してエアコンを入れる。新菜が何も気づいていないことに、海夢は顔を赤らめながらも動揺を飲み込んだ。
採寸終了とゲーム資料の受け渡し
採寸を終えた新菜は「衣装の詳細が知りたいのですが、何か資料とかありますか?」と尋ねる。海夢は即座に対応し、「ヌル女2だけあればいーと思ったけど、“ヌル女”の流れも分かってた方がいーかなって!」とシリーズ全体の資料を二つ差し出す。さらに「明日日曜だしプレーしてみてよ! マジカワイーから!」と笑顔で薦める。
その無邪気な言葉と態度に、新菜は思わず赤面してしまう。特に着替えの途中で現れた彼女の姿に動揺し、「水着だって分かってるのに…情けない…」と内心で自省していた。
帰宅後の新菜と祖父のすれ違い
帰宅した新菜は、海夢から受け取ったゲーム『ヌル女』を即座にプレーし始める。その際、ボイス付きのゲーム音声を外に流していたため、帰宅した祖父はその内容を聞いてギョッとする。
祖父は「まあ、新菜も年頃だしな…そりゃそうか…」と半ば納得しようとするが、部屋を覗いて新菜が真剣な表情でプレイしながらメモを取っている様子に混乱する。「そんな真剣な顔で…メモ!?」と衝撃を受けていた。
5話
完成衣装への感動とコスプレへの没入
海夢は衣装の完成度に強く感動し、「ごじょー君凄すぎ…♡」と歓声を上げた。サイズも完璧であり、彼女は心からの称賛を送った。新菜は「サイズ、丁度でしたね」と応じ、あとはウィッグを装着すれば完成という段階に達していた。
キャラへのなりきりと新菜の戸惑い
海夢はコスプレ衣装を着た状態で、自身の気持ちまでキャラになってしまうと語り、まるで雫たんになりきるように「ご…ごしゅじ…様ぁ…♡」と恥じらいを含んだ演技を見せた。その様子を目の当たりにした新菜は動揺し、顔を真っ赤にして硬直した。
夢か現かの境界と新菜の動揺
場面は一転し、新菜は自室で飛び起きる。彼は夢と現実の境界が曖昧なまま、「あんな事があったからって…なんて夢を…」と顔を覆った。そこには水着姿の海夢の幻影もあり、動揺は続いていた。
学校登校と海夢への意識
朝の支度を終え、登校する新菜は「朝から何やってんだ俺は…」と自己嫌悪を口にする。学校の廊下で海夢とすれ違いそうになり、彼女に会うことへの緊張と不安に押しつぶされそうになっていた。
再会と周囲の視線
廊下で海夢を見かけた新菜は、すぐに周囲の生徒たちから「5組の海夢って子!」と注目される。モデルのように華やかな海夢は友人たちと楽しげに話し、「喜多川さんに会ったらどんな顔すれば…」と新菜は葛藤していた。
突然の挨拶と戸惑い
海夢が明るく「ごじょー君、おはーっ!」と声をかけてきたことで、新菜は大きく動揺した。彼は「お、おはようございますっ」としどろもどろで応じ、周囲からの視線に混乱していた。
礼と笑顔、そして赤面
海夢は「土曜はありがとねーっ」と元気に笑いかけ、「雫たんに一歩近づいたって感じでマジ嬉しかったよ〜♡」と感謝を伝えた。新菜はその笑顔に見惚れつつ、「…すみませんっ…」と赤面してしまった。
新たな髪型アピール
海夢は髪を巻いてきたことを自慢げに披露し、「ねっどー?今日ノリで髪巻いてきたんだけどっ!」と尋ねた。新菜は「あ…はいっ、えと…まぁ…巻いてますね…っ」と気まずく返答する。
友人たちの反応と騒がしさ
そこへ海夢の友人・菅谷さんが加わり、「なになに、何話してんのー?うちも混ぜろよ〜」と騒がしく絡み始めた。さらに他の女子たちも加わり、海夢の髪型やノリについて褒めつつ、賑やかな雰囲気に包まれていく。
囲まれる新菜と戸惑い
突然女子たちに囲まれた新菜は「囲まれてしまった…!!」と圧倒された。海夢は「困ってないっつーの!」と明るく新菜に触れ、「ねっ ごじょー君っ」と呼びかける。そのスキンシップに新菜は再び赤面し、「はっはい!!!」と動揺して答えた。
学校での自然な交流と戸惑い
海夢は学校でも変わらぬ笑顔で新菜に接し、気さくに話しかける。だが、それを見た周囲の女生徒たちは「付き合ってるのでは」と噂をし始め、新菜はその視線を意識してしまう。彼女の明るさに救われながらも、注目されることに戸惑い、思わずその場を離れてしまう。
新菜の逃避と海夢の追及
放課後、海夢は新菜に衣装の買い物に誘うが、新菜は気まずさから「遠慮します」と断ってその場を離れ、人気のない場所に隠れる。新菜は「自分のような存在が海夢と関わっていてよいのか」と悩み、自責の念に駆られていた。そんな新菜の行動を見抜いた海夢が追いかけてきて、逃げたことを叱る。
すれ違いと誤解の正直な告白
海夢は「避けられてる」と感じていたことを正直にぶつけ、新菜も自分の卑屈な思考と、「一緒にいると海夢まで悪く言われるかも」という恐れから距離を取ったことを告白する。その様子を見た海夢は「何言ってんの? すでにあたしら友達じゃん!」と力強く否定する。
海夢の冗談と関係の再確認
新菜の「付き合ってるって噂されている」との言葉に対し、海夢は明るく「じゃ、付き合っちゃう?」と冗談めかして手を差し出す。新菜は慌てふためくが、海夢はそれを見て笑い、場の空気を和ませる。こうして二人の関係は改めて「対等な信頼関係」として確認された形となっり一緒に買い物に行く事となった。
第6話
ユザワヤでの素材選び
新菜と海夢は池袋駅近くのユザワヤに到着し、コスプレ用の素材探しを開始した。新菜は用意した雫たんの三面図を手に、生地やパーツの確認を進める。海夢はそのクオリティの高さに驚き、「マジ凄い」と称賛しながらも、補足すべき要素について相談を持ちかけた。
衣装に必要な素材の確認
資料には「布、レース、リボン、バラの造花、靴、ウィッグ、ファスナー、カラーコンタクト、ガーター、ストッキング」などの素材が記されており、特にスカートの広がりを演出するためにはボリュームのあるパニエが必要と判断された。また靴についても、ロリータ系の厚底靴が必要であり、専門店での購入を提案された。さらに海夢はチョーカー(首輪)などのアクセサリーについても言及し、新菜が「V系ショップ」での購入を提案した。
素材選びにおける意見の一致
生地売り場では、海夢が「これ良さげじゃん!」と提案するも、新菜はやや違和感を覚え、より衣装設定に近い質感の別の生地を推奨する。新菜は『ヌルヌル女子学園』が「お嬢様学校」設定であることを踏まえ、衣装には光沢のある上質で厚めの生地を用いるべきだと判断した。その発言に海夢は即座に反応し、「じゃあこれにしよっ」と納得して生地を購入することを決定した。
支払いと新菜の戸惑い
新菜は「今日は買い物をする予定ではなかった」として金銭的にためらうが、海夢は「大丈夫大丈夫〜」と笑顔でお金を差し出し、「コスプレのためにバイトで貯めたお金だから、使ってくれなきゃ意味ない」と断言した。新菜はその熱意に押され、材料の購入を受け入れた。
次なる目的地「スワローテイル」へ
買い物を終えたふたりは、ウィッグ専門店「スワローテイル」へ向かった。海夢は「ここ、入った瞬間マジビビるよ!」と笑顔で案内し、新菜は初めて入る専門店に圧倒されながらも、店内の膨大なウィッグの量に驚きを隠せなかった。
ウィッグ選びとプロの視点
海夢と新菜はウィッグ専門店を訪れ、雫たんのコスプレに最適なウィッグを探していた。黒髪ミディアムを選びかける海夢に対し、新菜は雫たんの髪色が紫系であることを冷静に指摘し、「ディープバイオレット」の方が適していると助言した。さらに雫たんが前下がりボブであることも踏まえ、「ロングを切って使いましょう」と提案し、海夢もそれに同意した。
感謝の言葉と新菜の内面の変化
海夢は「こじょー君がいてくれてマジでよかった」と笑顔で感謝を伝える。新菜はその言葉に頬を赤らめつつも、自分が役に立てたことに静かな喜びを感じていた。
ショッピングの続きと新たな試練
その後、カラコンも購入した海夢は、残りのアイテムである「ガーターとストッキング」を買うために下着売り場へ向かう。新菜はその場の雰囲気に圧倒され、場違い感に戸惑いながらも、海夢に同行し続けた。
試着室での衝撃的な展開
海夢は購入した衣装をその場で試着し、新菜に姿を見せて「どうよっ!?」と嬉々として披露する。その大胆な姿に新菜は顔を真っ赤にし、動揺を隠せないまま「隠してください!」と叫ぶ。一方の海夢はからかうような笑顔で「今日付き合ってくれたお礼」だと語り、新菜を照れさせて楽しんでいた。
レストラン前の一場面
人気店の前、順番待ちをしていた客は、客層が違う高校生カップルが店から出て来たのを少し意外そうに見ていた。
そして彼等が近くを通り掛かり会話を聞くと、下ネタのオンパレード。
あまりな会話に周囲の客たちは硬直する。
コスプレイベントと撮影スタジオの紹介
海夢は新菜に、コスプレイヤーたちが集まるイベントや撮影スタジオの存在を楽しげに紹介した。ハロウィンなど街全体を巻き込む大型イベントや、遊園地を貸し切った撮影会、自宅での宅コス、SNSでの写真共有など、コスプレ文化の広がりを語る。新菜は、それを聞きながら驚きとともに関心を深めていた。
ジュジュのコスプレ写真との出会い
スマートフォンでコスプレ写真を見せながら、海夢は新菜にお気に入りのコスプレイヤー「ジュジュ」について熱弁する。ジュジュは「ヌル女」など女児アニメ系のキャラを専門にしており、超美少女でコスプレと写真の完成度が非常に高く、フォロワー数も多いという。その正体は謎であり、イベントにも出ず連絡も取れないが、海夢は「めっちゃ好き」と尊敬の念を抱いていた。
変身前のコスと興奮する海夢
ジュジュが扮する「ララフラワープリンセス烈」のキャラ「シオン」の変身前の衣装に、海夢は「これガチで好き!」とテンションを上げ、新菜にも同意を求めた。新菜は頬を赤らめて肯定したが、言葉に詰まる様子を見せた。
男装コスの完成度と新菜の戸惑い
さらに美しい男装コスプレ写真を見て、海夢は「この人もキレーすぎる!」と絶賛するが、新菜は動揺し無言でいたため、海夢から問い詰められる。新菜は自分の気持ちをうまく言葉にできず、謝罪を重ねた末、ようやく本心を語り出す。
新菜の原点と「奇麗」という言葉の重み
新菜は幼い頃、祖父の家で初めて雛人形を見た時の体験を語る。その時、「こんなに奇麗なものがこの世にあるのか」と心から感動し、「奇麗」という言葉が特別な意味を持つようになったと告白する。それ以来、新菜にとって「奇麗」は簡単には使えない、心から思ったときだけに発せられる言葉となっていた。
こだわりを尊重し合う関係
海夢は、自身のこだわりを新菜が否定しなかったことに安心し、「そういうこだわりって大事じゃん!」と明るく応じた。新菜も「上手く言葉にできない」としつつも、海夢の美的感覚や姿勢に敬意を抱いていた。互いに価値観を認め合うことで、二人の関係はさらに近づいていく。
レストラン帰りと肉巻きおにぎりの誘惑
レストランで食事をした後にも関わらず、海夢は道端の肉巻きおにぎりに目を奪われ、「今日けっこー使っちゃったな~」と呟きながらも購入する。あまりの美味しさに「やっぱこれ、今まで食べた中で一番うまいかも!」と絶賛し、「ごじょー君も一口食べなよ!」と新菜にすすめた。
間接キスを意識して拒む新菜
新菜は肉巻きおにぎりを勧められたものの、それが「間接キス」になることに気づき、顔を赤らめて過剰に動揺。「かかかっ…間接キ…!!」と狼狽しながら全力で拒否し、丁寧に断ってしまう。その反応に、海夢も一瞬たじろぎつつ食べ続けた。
新菜への素直な感謝の言葉
歩きながら、海夢は「ヌル女のコスプレをやってくれるとは思ってなかった」と正直な気持ちを打ち明ける。そして、新菜が描いた衣装図の完成度に驚き、「むしろあたしより詳しい」と笑顔で褒めた上で、「だから…なんかごじょー君にお礼したかったんだよ」と真剣に感謝を伝えた。
イベント日程発覚と新菜の衝撃
会話の終盤、新菜が「イベントっていつなんですか?」と尋ねると、海夢はスマホを確認して「二週間後」と返答。自らその短さに気づいた彼女は「ってヤバッ!!」と慌てて電車に走り去っていく。新菜はその場に立ち尽くし、「二週間後…!?」と衝撃を受けて物語は幕を閉じる。
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