「防衛省に告ぐ 元自衛隊現場トップが明かす防衛行政の失態」感想・ネタバレ

「防衛省に告ぐ 元自衛隊現場トップが明かす防衛行政の失態」感想・ネタバレ

どんな本?

この本に出会ったきっかけは、BOOK☆WALKERのセールで面白そうなタイトルなのを見つけて、購入しました。
元・海上自衛隊自衛艦隊司令官(海将)が著者ということで、防衛行政の失態についての貴重な視点が得られるのではないかと興味を持ちました。
さらに、本の紹介文には、2020年に起こったイージスアショアをめぐる一連の騒ぎで、防衛省の構造的な欠陥が露呈したという記述がありました。
行き当たりばったりの説明現場を預かる自衛隊との連携の薄さ危機感と責任感の不足など、日本の未曽有の危機について考えさせられる内容として興味を引かれました。
国防費の拡充にも関わらず、防衛行政がユルいとの指摘も気になりました。これらの要素が組み合わさって、私がこの本を読みたいと思った理由です。

読んだ本のタイトル

防衛省に告ぐ 元自衛隊現場トップが明かす防衛行政の失態
著者:香田洋二 氏

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あらすじ・内容

2020 年、イージスアショアをめぐる一連の騒ぎで、防衛省が抱える構造的な欠陥が露呈した。行き当たりばったりの説明。現場を預かる自衛隊との連携の薄さ。危機感と責任感の不足。中国、ロシア、北朝鮮……。日本は今、未曽有の危機の中にある。ついに国防費は GDP比2%に拡充されるが、肝心の防衛行政がこれだけユルいんじゃ、この国は守れない。元・海上自衛隊自衛艦隊司令官(海将)が使命感と危機感で立ち上がった。

防衛省に告ぐ
元自衛隊現場トップが明かす防衛行政の失態

感想

“防衛省に告ぐ 元自衛隊現場トップが明かす防衛行政の失態”は、元・海上自衛隊自衛艦隊司令官(海将)が防衛省の失態について告発する内容です。

2020年にイージスアショアをめぐる一連の騒ぎで、防衛省の構造的な欠陥が露呈したことから始まります。防衛省の説明が行き当たりばったりであったり、調査してるのかと思ったらGoogleアースで調べただけだったり。

イージスシステムを操作するノウハウは海上自衛隊が持ってるのに

イージスアショアは陸上自衛隊が管理運営する。
それを導入すると決めている背広組は軽く考えており、現場との連携が薄いこと、危機感と責任感の不足など、日本の国防に対する深刻な問題が明らかにされます。

著者は、中国、ロシア、北朝鮮などの周辺国の脅威を指摘し、日本が未曽有の危機に直面していると警鐘を鳴らします。国防費はGDP比2%に拡充されましたが、その背後には防衛行政の問題が横たわっていると指摘しています。

制服組として長年海上自衛隊にいた著者さんが、国防費の拡充に対しても懸念を抱いておりこのままでは国は守れないというメッセージが伝えられます。

この本で印象的だったのは、日本は文民統制ではなく文官統制についての言及でした。
文民統制は国民から選ばれた政治家が、軍部を統制するのに対して、文官統制は現場を知らない背広組の官僚が制服組を決定する場から排除しており。
現状を知ろうとせず、官僚の都合で色々と決めて現場の制服組に押し付けている。

著者さんが、現場隊員への衛生面への不理解や、官僚組織の体たらくに危機感を募らせる様子が描かれていました。
私自身も、コロナへの対応などで上手く機能しなかった最近の官僚組織の問題を見ていて共感しました。

ただ、靖国神社については家族が祀られて人が居る身として、著者が靖国参拝に対しての思いは判りますが
神社の長という立場の天皇が参拝しなくなった原因を考えると、著者さんとは共感出来ませんでした

扇動的な事をする政治家がパフォーマンスで参拝して勇ましい事を言う事に利用されてる事に危機感を持っております。

また、国防費を倍に増やした事に対してもロクな使われ方をしないだろうとの指摘にも頷けました。実際に戦闘機F35より遅いトマフォークを購入したりしてるのには疑問に思っております。

国防に関わる予算が増えるのは重要ですが、その予算を効果的に活用することが必要だと感じましたが、今の文官統制の防衛省には期待薄だと感じました。

国防費がGDP比2%に拡充されるなかで、防衛行政の問題が顕在化していることに懸念が大きくなり。
著者の元・海上自衛隊の司令官としての経験に基づく洞察は、非常に貴重だと感じました。

また、本書では現場と防衛省の連携の薄さにも触れられています。

防衛省が現場の声に十分耳を傾けずに決定を下していたことが問題とされています。
現場の意見を尊重することが、国防において重要であることを改めて認識しました。

読む前は、日本の防衛に関心を持っていたものの、防衛行政の具体的な問題点についてはあまり把握していませんでした。しかし、本書を読んだ後は、国防に対する危機感が強まりました。
防衛省が抱える構造的な欠陥や行き当たりばったりの説明、現場との連携の薄さなど、現実の問題が浮き彫りにされ、これらを解決しなければ日本の安全は保てないと感じました。

本書を読み終わって、防衛行政の問題に対してより深い理解が得られました。
これまで以上に国防に対する重要性を感じ、個人レベルでの安全意識を高めることが必要だと思いました。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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こも

いつクビになるかビクビクと怯えている会社員(営業)。 自身が無能だと自覚しおり、最近の不安定な情勢でウツ状態になりました。

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