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「イランとアメリカ」イランはペルシャの末裔 感想・ネタバレ

どんな本?

『イランとアメリカ 歴史から読む「愛と憎しみ」の構図』は、高橋和夫 氏 著の書籍で、朝日新書から2013年3月13日に出版。
この本は、核開発問題が緊迫するイラン、イスラエルとの戦争の可能性、アメリカの中東政策、パレスチナ問題、シリアとの関係など、最新のニュースの背景や中東を理解するための鍵を歴史に求め、政治、宗教、民族問題をコンパクトに解き明かしている。

本書は以下の章立てで構成されている。

  1. イラン核開発疑惑とイスラエル
  2. 「アラブの春」後の風景
  3. イランとアメリカをめぐる中東情勢の構図
  4. ペルシアの栄光と苦難の歴史
  5. 国際政治のはざま (悲劇の連鎖と血染めの白色革命)
  6. 怒涛の1970年代 (イラン革命から米大大使館人質事件まで)
  7. イラン・イラク戦争と国連安保理
  8. 冷戦終結後の中東 (湾岸戦争、九.一一、イラク戦争)

この本は、中東の複雑な問題を理解するための一助となるかもしれない。
ただし、出版から既に数年が経過しているため、最新の情勢については別途確認が必要だと思われる。

読んだ本のタイトル

イランとアメリカ 歴史から読む「愛と憎しみ」の構図
著者:高橋 和夫 氏

gifbanner?sid=3589474&pid=889059394 「イランとアメリカ」イランはペルシャの末裔 感想・ネタバレBOOK☆WALKERで購入 gifbanner?sid=3589474&pid=890497254 「イランとアメリカ」イランはペルシャの末裔 感想・ネタバレ

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あらすじ・内容

核開発問題が緊迫するイラン。イスラエルとの戦争は起こるのか――。アメリカの中東政策、パレスチナ問題、シリアとの関係など最新ニュースの背景や中東を理解するためのカギを歴史に求め、政治、宗教、民族問題をコンパクトに解き明かす。

イランとアメリカ

感想

10年以上前に書かれた本だが、イスラエルとの騒動があったので、再度読んでみた。
本書は、イランとアメリカの複雑な関係性を歴史的背景から描いた本である。
この本では、1953年のモサデク政権のクーデターや1979年のイラン革命、核開発問題など、多くの重要な出来事が取り上げられている。
アメリカとイランの関係は、時に友好的でありながらも、しばしば緊張と対立に見舞われてきた。これらの歴史的出来事は、両国間の現在の政治的な立場に大きな影響を与えている。

本の結末では、オバマ政権下での核合意に向けた努力が描かれ、その過程での困難や交渉の詳細が語られる。
これらの国際的なやりとりがどのようにして行われてきたのか、その背景には何があったのかを理解することができた。
また、現代の政治状況においても、過去の出来事がいかに大きな影響を持ち続けているかが明らかにされる。

本書が提供する歴史的コンテキストにより、中東情勢の複雑さとその流動的な性質を理解する手助けになったと感じていることができた。
また、ペルシャ文明の栄光と苦難を通じて、国際関係における大国の役割と影響力についての議論が促されている。
この本を通じて、イランとアメリカの間に存在する「愛と憎しみ」のダイナミクスを深く理解することが、、
出来たかな?
また読もう(そう言いながら3回目)。

最後までお読み頂きありがとうございます。

gifbanner?sid=3589474&pid=889059394 「イランとアメリカ」イランはペルシャの末裔 感想・ネタバレBOOK☆WALKERで購入 gifbanner?sid=3589474&pid=890497254 「イランとアメリカ」イランはペルシャの末裔 感想・ネタバレ

備忘録


まえがき

イラン人はアメリカに対して強い感情を持っており、その関係は複雑である。かつて多くのイラン人がアメリカに亡命し、親戚を持つ者も多い。しかし、1953年のアメリカとイギリスによるモサデク政権のクーデターはイラン人に深い傷を残した。この出来事は、アメリカへの反感を形成し、同時にアメリカに対する憧れともなっている。1979年のイラン革命以降、アメリカ人はイランに対して強い嫌悪感を持ち続けてきたが、若い世代はこの感情を引き継いでいない。現在、イランとアメリカの最大の課題はイランの核開発である。イランは平和利用を主張し、アメリカは軍事転用を懸念している。この問題に対し、イスラエルのネタニヤフ首相は、イランを現代のナチス・ドイツに例え、強硬な対応を訴えている。しかし、オバマ大統領は選挙の心配がないため、平和的解決に取り組む余地がある。また、イスラエルの国内選挙ではイランの核問題よりも日常生活の問題が国民の関心事であった。交渉は過去の関係やイランの強い歴史意識を考慮せずには進まないが、和解への可能性も残されている。

第 1章
イラン核開発疑惑とイスラエル

ニューヨーク・タイムズ紙が報じたところによると、経済制裁により困窮するイランがアメリカとの核問題に関する直接交渉を提案している。この提案は、2012年アメリカ大統領選挙直前になされ、オバマ政権はこれに応じる意向を示している。また、イランは選挙後の交渉を望んでいる。オバマ政権とイランとの交渉の核心はイランのウラン濃縮問題であり、アメリカは厳しい査察と引き換えに、ある程度の濃縮の容認を認めつつある。テヘランは、核問題以外にも地域問題を議題に含めたい意向だが、アメリカは核問題に焦点を当てたいとしている。

さらに、オバマ大統領は再選後も交渉を継続し、イランとの直接対話に取り組む見込みである。また、オバマ政権はイランに対するサイバー攻撃を含む複数の秘密作戦を進行中であることが報じられている。これにより、オバマ政権のイラン政策が世界の注目を集めている。

アメリカは1997年、クリントン政権期にモジャヘディーネ・ハルクをテロ組織に指定したが、2012年9月にはこの指定を解除した。解除の理由としては、モジャヘディーネ・ハルクの暴力放棄と平和的な手段によるイランの民主化への取り組みが挙げられており、またイランへの強硬な姿勢をアメリカが示す選挙対策であるとも解釈されている。この組織のテロ指定解除により、米国内での資金調達が可能となり、ヨーロッパでのロビー活動も活発に行われている。イランは、アメリカがモジャヘディーネ・ハルクを利用して自国へ介入しようとしていると警戒しており、この指定解除は両国間の猜疑心をさらに深めることとなるだろう。

ネタニヤフ首相とバラク国防相がイスラエル国防軍に臨戦体制に入るよう命令したが、参謀総長のガビ・アシュケナジとモサド長官のメイア・ダガンがこれを拒絶した。彼らは内閣の承認がなく、命令が無謀であると判断したためである。両者は現在公職を退いており、イラン攻撃への反対を公に表明している。アシュケナジは経済制裁と外交交渉を優先すべきだと主張し、ダガンはイラン攻撃の命令が無謀であると批判している。このニュースはイスラエルの選挙前にリークされ、軍と諜報関係者を責任ある存在として国民に印象づけることとなった。バラク前国防相は命令が実施されなかったのは軍の能力不足だと反論している。

第 2章
「アラブの春」後の風景

二〇一一年、チュニジアとエジプトでの政変が発生し、これらの出来事が中東の国際関係に大きな影響を与えた。エジプトのムバラク政権は、イスラエルと密接な関係を維持しており、パレスチナのガザ地区封鎖に協力していた。ムバラク政権の崩壊後、エジプトはイスラエルへの親密な外交政策を維持することが困難になり、カイロのイスラエル大使館襲撃事件などが発生した。また、エジプトとイスラエルの間の「冷たい平和」は、エジプト国民の強い反イスラエル感情を反映していた。

さらに、エジプトの政変は、ガザを実効支配しているハマスにとっても追い風となり、パレスチナの和平プロセスにも影響を及ぼした可能性がある。これらの政変は、アメリカにとってはマイナスの展開であり、対立するイランにとってはプラスの展開と見ることができる。エジプトの新政権は、イランとの国交回復に向けて動き始めているため、これまでの関係が大きく変化している。

イランにとってアラブの春は喜べる状況ではなく、特にシリアの情勢の不安定化はイランにとって大きなマイナスである。シリア内戦の波及は、イランが支援するヘズボッラーやハマスへの影響も考慮する必要があり、シリアが介在しなくなることでこれらの組織との連携が困難になる可能性がある。シリア内戦は、民衆と政府軍との間の武力闘争から始まり、政府軍が国土の広い部分を失った状況にある。アサド政権が支配する地方政権への転化やシリアの分裂が最も可能性の高いシナリオとなっている。

シリアの支配体制はアラウィー派によるもので、バース党独裁体制は実質的にアラウィー派の支配体制と同義である。アサド家は、バシャール大統領とその弟マーヘルの間で意見の対立があるとされ、これが国内の軍事的対応に影響を与えている。

シリアへの経済制裁により、国内経済は深刻な打撃を受けており、特に観光業と石油輸出が大きな影響を受けている。これがさらに国民の生活水準の低下を招き、アサド政権への支持が揺らぐ可能性がある。

一方で、イランはシリア政権を支援し続けており、経済援助や専門家の派遣、監視機器の提供などを行っていると報じられている。しかし、イラン国内ではアサド政権への批判的な意見も出始めており、シリアに対するイランの方針が変わる可能性もある。イランはリスク分散を図る一方で、アサド政権への支持を維持しているが、最終的にどのような外交戦略を取るかは未だ明確ではない。

シリアの内戦はイランとその同盟国シリアにとって大きな挑戦である。シリアでの政治不安は、イランにとって必要に迫られたリスク分散型外交を促進する要因となっている。シリアの不安定化は、イランだけでなく、スンニー派を中心とするサウジアラビアなどの湾岸国にも影響を及ぼしており、これらの国々はシリアの反体制派を支援している。

アサド政権の潜在的な崩壊に対する国際社会の懸念は、次のシリア政権がどのような形をとるか、その未来が不透明であることに由来している。シリアのアラウィー派は過去にムスリム同胞団の蜂起を残虐に鎮圧した実績があり、その行動は多くの人々から恨みを買っている。この歴史が、現在のアサド政権の残虐な行動につながっているとされ、その恐怖心が報復を恐れた弾圧へとつながっている。

武装闘争に関しては、シリアの住民がついに武器を取り始め、政府の弾圧に対して武装抵抗を行っている。この動きはレバノンやイラクからの武器の流入に支えられており、シリア政府は隣国イラクに武装勢力の流入を防ぐ協力を求めている。

国際社会には、アサド政権と大衆の和解を促進する枠組みを作る重要な役割があるが、これを設定するのは困難である。また、アサド政権の未来は、イランの支援に大きく依存しており、イランはシリア政権を支持し続けているが、政治改革を求める声も上がっている。アラブの春は、アメリカとイランを含む多くの国々に大きな影響を与えており、中東の新しい時代の始まりを予感させている。

第 3章
イランとアメリカをめぐる中東情勢の構図

イランの核開発能力が進展し、国際社会はその軍事転用の可能性に懸念を抱いている。イランはウラン濃縮技術を確立しており、これが核兵器製造に転用される恐れがある。この問題に対して、イスラエルやアメリカを含む多くの国々がイランの核兵器保有の可能性に対処しようとしている。特に、イランと敵対関係にあるイスラエルやアメリカは、軍事行動を含む対策を検討している。

さらに、イランの核開発は周辺国にも影響を与えており、トルコやエジプト、サウジアラビアなどが核開発に関心を持ち始めている。これにより、核兵器の不拡散体制に対する挑戦が深刻化している。

国際社会は、イランの核兵器保有を阻止するため、またはイランと共存するための戦略を模索しているが、この状況は中東の安全保障政策にとって重要な課題となっている。これに対する解決策として、軍事行動、外交的手段、またはその他の方法が検討されている。

このように、イランの核開発は世界的な安全保障の問題として重要であり、その進展は今後も多くの国々にとって重要な焦点となるだろう。

第 4章
ペルシアの栄光と苦難の歴史

イラン人は古代から人類の文明を牽引してきたとの自己認識を持つ。現在のイランは、地理的にも広大で、多くの国々と国境を接している。イラン人、またはペルシア人の歴史は、紀元前七世紀にさかのぼり、その後キュロスの下でオリエント全域を統合するペルシア帝国を築いた。キュロスはバビロンを平和的に征服し、征服された市民の生命と財産を保護し、信仰の自由を保障するなど、寛容な政策を展開した。

この寛容な政策は、ペルシア帝国の成功の一因であり、多くの人々がペルシア帝国への服属を選んだ。ペルシア帝国は、商業の発展にも寄与し、安全で先進的な商業ネットワークを築いた。その後、ペルシア帝国はアレキサンダー大王によって滅ぼされるが、その文明はヘレニズム文明を通じて生き続けた。

さらに、紀元前三世紀にはパルチア帝国が、三世紀にはササン朝が興り、これらの帝国はローマ帝国と競い合った。しかし、七世紀にアラブ人の侵攻によってササン朝は滅び、ペルシア人はイスラム教を受け入れ、ペルシア語とイスラム文明の橋渡し役を果たした。このようにペルシア人は、外来の侵略や文化と融合し、その包容力で新たな文明を創造してきた。

イラン人のアイデンティティは、長い歴史と被害者意識に根ざしている。これに、イスラム教シーア派の信仰が加わり、周囲とは異なる独自の意識を強化している。イスラム教はスンニー派とシーア派に大きく分かれ、スンニー派が全体の約九割を占める中、イランはシーア派が大多数である。

預言者ムハンマドの死後、その後継者をめぐる対立がスンニー派とシーア派の分裂を生んだ。スンニー派は初代カリフをアブー・バクルとし、シーア派はアリーが直接の後継者であると主張している。アリーの支持者は「アリーのシーア」と呼ばれ、これがシーア派の名の由来である。アリーが暗殺された後、彼の支持者は正統な指導者はアリーの血筋であるとし、その後のシーア派のイマームはアリーの血筋を引く者とされている。

また、イランがシーア派を選んだ背景には、スンニー派と異なる宗派を選びたいという民族主義があるとされるが、この解釈は歴史的事実に必ずしも支持されていない。シーア派の教義では、十二人目のイマームが現れて正義の世を実現するとされており、この教義を信じるイラン人が多い。

スンニー派の時代、ペルシアではスンニー派が多数派であったことが、オマル・ハイヤームなどの名前からも伺える。しかし、アーノルド・トインビーは、ペルシア人がスンニー派からシーア派に改宗したのは民族主義が背景にあると解釈したが、この見方は必ずしも歴史的事実には支持されていない。

スンニー派ペルシア人がシーア派に改宗したのは、サファヴィー朝の時代である。サファヴィー朝はトルコ系のシーア派遊牧民によって設立され、支配地域の臣民にシーア派への改宗を強制した。この改宗により、シーア派法学者が不足し、レバノンから宗教指導者が多数招かれた。

このサファヴィー朝によるシーア派化政策が、イランをシーア派が政権を掌握している独自の国へと変貌させた。この政策により、イランは長い間シーア派が多数を占める国家となり、近隣のスンニー派諸国とは異なる道を歩んだ。このシーア派の教えは、イラン人の歴史認識と結びつき、外国の侵略に対する被害者意識や独自のアイデンティティを強化する要素となっている。

第 5章
国際政治のはざまで
──悲劇の連鎖と血染めの白色革命

ナポレオンのロシア遠征の後、ペルシアは国際政治に強く影響されるようになった。ナポレオンのインド侵攻計画の一環としてフランス使節団がペルシアを訪れ、これに対抗してイギリスもペルシアに興味を持ち始めた。ナポレオンはロシアとの対立後、ロシア遠征を行い、失敗に終わり、その後のヨーロッパはロシアとイギリスの競争の舞台となった。この競争は「グレート・ゲーム」として知られ、ペルシアもその影響下に入った。

十八世紀末に成立したカジャール朝はロシアとの戦争で敗北し、領土を割譲する羽目になり、イギリスとロシアの間でペルシアは半植民地状態になり、両国から利権を奪われた。特にイギリスは石油開発の利権を確保し、テヘランに巨大な大使館を構えるなど強い影響力を持つようになった。

ペルシアはイギリスとロシアの影響下にあるながらも、第三国との関係を強化する「第三国政策」を採用し、アメリカとの関係を模索したが、イギリスの妨害により大きな成果を上げることはできなかった。その後、レザー・シャーがパフラヴィー朝を創立し、ドイツとの関係を強化する一方で、アメリカとの関係改善を図ったが、石油利権を巡る交渉は頓挫した。

このようにペルシア(後のイラン)は、強国の影響下でのバランスを取りながら独自の立場を保とうと努力し、その過程で国名を「イラン」に変更し、欧州との同起源を主張するなどの独自性を強調した。

第二次世界大戦時、イランは中東全体で見られるドイツへの接近現象の一部であった。しかし、1941年にドイツがソ連に攻撃を仕掛けたことで状況は変化し、イギリスとソ連はイラン侵攻を行い、イランは南北に分割された。この侵略はイランがドイツ寄りであるという口実で行われ、イランのシャーであったレザー・シャーは退位と亡命を余儀なくされた。

イラン占領下での物資輸送が活発化し、アメリカを含む連合国からの支援物資がソ連へと流れることになった。イランはアメリカとの関係を強化し、多数の顧問が招かれ、警察や軍の近代化に貢献した。特に、治安警察の組織化には、ノーマン・シュワルツコフの父親が関与していた。

1946年にソ連がイラン北部の撤退を決定し、イランは南部のイギリス軍と北部のソ連軍の圧力を脱し、石油利権を巡る局面も変わった。しかし、イラン議会はソ連による石油開発利権の批准を拒否し、イランの民族主義が高まる中、石油産業の国有化を求める声が強まった。

このように、イランは第二次世界大戦を通じて大国の圧力と闘いながら、自国の政策と独立を保持しようと努力した。戦後、アメリカとの関係を強化することで、イランは外国の影響力から脱却し、自国の利益を最優先に考える方向にシフトした。

ムハンマド・モサデク政権が1951年に成立し、イランの石油国有化を断行した。これにより、イランでの石油生産を独占していたアングロ・イラン石油会社の資産が国有化され、新たにイラン国営石油会社が設立された。国有化に対する国際石油資本のボイコットと、アメリカの冷淡な対応が政権を苦境に追い込み、最終的に1953年のクーデターでモサデク政権は倒された。

このクーデターは、アメリカとイギリスが中心となり、軍と宗教界の一部が協力した。クーデター成功後、シャーがイランに戻り、アメリカの支援で独裁政権が樹立され、秘密警察が組織された。これはイラン国内の反対派を弾圧するためであった。

クーデターの成功は、アメリカとイギリスが合法的かつ民主的に選ばれたモサデク政権を倒し、外国の内政干渉と見なされ、イラン人の集団的記憶に深く刻まれた。この出来事は、1979年のイラン革命へと繋がる伏線となった。モサデクは、その後も産油国の経済的独立を象徴する存在として記憶されている。

日本外務省はイランとの外交関係を再開し、ムハンマド・モサデク政権との交流を試みたが、モサデクの政権は1953年に没落し、イランの石油産業は再び国際石油資本の支配下に戻った。イランの歴史は侵略と帝国主義の犠牲の連鎖であり、20世紀の新たな出来事としてCIAによるクーデターが加わり、民主化の流れが阻止された。この出来事はイラン人の記憶に深く残っている。

イラン王制は、サヴァックと呼ばれる秘密警察によって支えられていた。シャーの時代には、サヴァックが国民を監視し、反体制派を抑圧した。アメリカはモサデク時代に凍結されていた軍事・経済援助をシャーの政権に注ぎ込み、シャーはケネディ政権から農地改革を求められた。

この改革は「白色革命」として知られ、土地が農民に分け与えられたが、イラン知識層からは真の改革でないと批判された。しかし、この改革によって農民の生活水準は向上し、実際には多くの農民から感謝されていることが報告されている。一方で、バザール商人と宗教界の間の同盟関係により、宗教界も大土地所有者であり、農地改革によって大きな影響を受けた。

ミニコラム

イランのテヘランで開かれた米英ソ首脳会議について述べられている。この会議でスターリンは日ソ中立条約を破る約束をしたとされ、その後の首脳会談で公式政策となった。会議が行われたイギリス大使館のダイニング・ルームは保存されており、筆者が食事をした際、その席がチャーチルのものであったと説明を受けた。また、イギリス大使の息子がロシア大使館とのサッカー試合から遅れて戻ってきたことも述べられている。イギリス大使館は東京のイギリス大使館と比較され、東京の大使館も広大であると説明されている。1900年の義和団事件を教訓に、東京の大使館の壁が増強されたとの情報も含まれている。

第 6章
怒濤の一九七〇年代
──イラン革命から米大使館人質事件まで

一九六三年、アヤトラ・ホメイニはテヘラン南百二十キロメートルの聖都コムの神学校で発生した神学生の殺害事件に抗議し、シャーを非難した。この事件をきっかけに、ホメイニは逮捕されたが、その後釈放され、複数の都市で大規模デモが発生した。このデモにより、シャーは軍隊に発砲を命じ、多数の死傷者が出た。また、イランではアメリカ人顧問団の地位に関する問題があり、シャーはアメリカ人の法的地位を巡る協定を推進し、これが多くのイラン人には主権の売渡しと映ったため、非難の対象となった。これに対してホメイニは強く反対し、影響力を増していった。ホメイニは農地改革については公然とは反対せず、その理由は保守反動のレッテルを避け、民族主義者としての地位を固めるためだった。

一九七〇年代、イランは経済成長を遂げ、「西アジアの奇跡」と称された。この時期、シャーは自信を深め、経済計画を進めたが、一九七三年の第四次中東戦争時には石油危機が発生し、イランは非アラブ国ながら石油輸出を続け、大幅な収入を得た。しかし、この増収は国内の腐敗を深め、シャーは腐敗を政治的に利用した。

一九七四年、ウォーターゲート事件の後、ジミー・カーターが大統領に選ばれ、新たな政治スタイルをアメリカにもたらした。カーターの当選は、ワシントン外の新しい政治家を求めるアメリカ国民の願望を反映していた。カーターはブレジンスキーを国家安全保障問題の補佐官に任命し、外交政策で重要な役割を果たした。

カーター大統領が推進した人権外交は、ソ連の人権抑圧を攻撃する手段として利用された。しかし、この政策はアメリカの同盟国であるフィリピンやイランの独裁政権にも影響を与え、両刃の剣となった。イランでは、人権外交によって反体制派が勇気付けられ、シャーの政権が揺らぐきっかけとなった。一九七七年にはシャーがワシントンを訪問し、その際の催涙ガスの事故がイランで放送され、アメリカがシャーを見捨てるメッセージと受け取られた。

イランではその後、経済の急成長とバブルが続いたが、第一次石油危機以降の急激な「近代化」政策による経済の過熱やその後の急停止が国民生活に大きな影響を及ぼした。これが大規模な失業と不満を引き起こし、反国王デモにつながった。そして、ホメイニを中傷する記事に端を発したデモが激化し、イラン全土で反シャー運動が広がり、革命へと向かった。

カーターの人権外交という理想主義的な政策は、国内外で大きな波紋を投げかけた。アメリカ国内では新しい政治家を求める声が高まり、カーターが大統領に選出される背景となった。しかし、その政策が同盟国の独裁政権にも圧力をかける結果となり、特にイランでは大きな変革のきっかけとなった。

ホメイニは1902年頃、テヘラン近郊のホメイン村で生まれた。法学者の家庭に生まれ、幼い頃に父を失い、伯父に育てられた。イスラム法学を学び、1922年には学問の都コムに移り住み、教鞭を取るようになった。1963年、シャーの政策「白色革命」に反対し、大規模なデモを引き起こし逮捕されたが、後に教団の支持を受けて大アヤトラに昇格した。1964年にはシャーにより国外追放され、イラクのナジャフに移住した。

ホメイニは、イスラム法学者の統治(ヴェラーヤテ・ファギーフ)論を展開し、イスラム法(シャリア)に基づく政治理念を提唱した。この思想はイランにおけるシャー体制の打倒とイスラム法に基づく政治体制の構築を目指すものであった。

1963年のシャーによるデモ鎮圧は、多くの青年に革命の意志を固めさせ、後のイラン革命の原動力となった。この出来事はホメイニを反シャー運動のシンボルに変え、彼の教えや演説は後世のイラン人に大きな影響を与えた。革命後、ホメイニは多くの支持を集め、イランの最高指導者として確固たる地位を築いた。

夏が過ぎると、イランでは数百万のデモ隊がテヘランを含む各都市で抗議を行い、シャーの退陣を求めた。一九六三年、シャーは軍にデモ隊に対する発砲を命じていたが、一九七八年の反シャー運動にはためらいを見せ、大虐殺を命じなかった。国際世論の注目が高まる中、シャーは徹底的な弾圧を避け、また健康問題も影響して迅速な決断ができなかった。

一九七八年、シャーはホベイダを逮捕するなどして民心を懐柔しようとしたが、抗議は収まらず、富裕層は国外へ逃れ始めた。また、ホメイニはイラクからフランスに移住し、そこからシャー批判を続けた。国際通信の利便性の高いフランスから、ホメイニはイラン全土に影響を及ぼした。

冬に入ると公務員もストライキを行い、少数民族も自治を要求し始めた。特にクルド人は、その自治要求を強めた。この運動の最終段階で、石油労働者がストライキを行い、第二次石油危機を引き起こした。シャーの体制は揺らぎ、シャーは退位を余儀なくされた。

バフティヤールが首相に任命されたが、状況は安定せず、ホメイニは帰国して革命勢力による権力の奪取が成就した。イラン軍は中立を宣言し、最終的にバフティヤール政権は崩壊した。この時期、軍内の規律の緩みが中立宣言へと繋がったと推測される。

シャー時代の信頼された軍および治安当局のトップであったファルドゥースト将軍が、革命後もイランに残り、革命政権の諜報機関の初代長官に就任した。これは、シャー政権下での高位将校が処刑される中で、ファルドゥーストだけが逮捕されずに要職に就いたため、彼が早い段階からホメイニ支持勢力と通じていたと推測される。シャーは亡命後、ファルドゥーストの行動について「わからない」と述べたことからも、彼の裏切りに対する不満が感じられる。

革命勢力による権力奪取後の政治情勢は、宗教勢力や非宗教勢力、左翼組織などが互いに権力を争い始めた。特に、クルド人などの少数民族の動きが活発になり、クルド人は自治を要求し、その過程でイラン政府との間に武力衝突が発生した。革命政府はクルド人の武力鎮圧に正規軍を投入し、軍事的な優位を保ちつつも、クルド地域での戦闘に苦戦した。

アメリカ大使館人質事件は、シャーのアメリカ入国と革命政権とアメリカ間の接触が疑念を呼び、学生たちによる大使館占拠につながった。この事件はイランを国際的に孤立させ、革命政府の正統性に影響を与えたが、国内的にはホメイニの支持を集める効果をもたらした。

全体的に、革命後のイランは政治的混乱が続き、複数の勢力が権力を争う中で、ホメイニの指導下で新たな政治体制が確立される過程が進行した。

第 7章
イラン・イラク戦争と国連安保理

冷戦期のアメリカの中東政策には三つの目標があった。第一にソ連の中東進出の阻止、第二に石油の確保、第三にイスラエルの安全保障である。これらの政策はしばしば衝突し、アメリカの外交を複雑にした。特にイスラエルへの支持はアメリカ国内のユダヤ系市民とキリスト教原理主義者によって国内問題とされ、アラブ諸国との関係悪化の要因となった。

イランは、冷戦時にアメリカの中東政策の重要な要であった。ソ連の南下を阻止する地政学的なブロックとして、また石油供給の安定した源として機能した。また、イランはイスラエルと密接な関係を持ち、イスラエルの安全保障に貢献していた。しかし、1979年のイラン革命により、アメリカはこれらの利点を失った。

革命後、イランはイスラエルとの関係を断絶し、アメリカとの関係も悪化した。イランの原油生産の停止は世界経済に大きな影響を与え、ソ連に対する防波堤の役割も弱まった。アメリカは、イランがソ連の影響下に落ちることを防ぐため、積極的な軍事介入を避け、新政権との関係構築を試みたが、成功しなかった。

このように、イラン革命はアメリカにとって重大な外交政策上の失敗であり、中東政策の大きな打撃となった。アメリカはこの革命の結果から立ち直ることが困難であるとされている。

1980年9月22日、イラク軍はイランに対して大規模な軍事行動を開始し、これがイラン・イラク戦争の発端であった。イラク側は、ホメイニ率いる革命政権がイラクのシーア派に対し反乱を呼びかける脅威となっていたため、攻撃を決断した。さらに、イランとイラク間の長年の国境問題もこの戦争の背景にあった。シャットル・アラブ川を巡る領有権争いや、イランの油田地帯にアラブ系住民が多いため、イラクはこの地域を獲得し国力を増すことを狙っていた。

この戦争は、テヘランでの権力闘争や国際的孤立というイランの不利な状況下で始まった。イランの軍事的弱体化と国際的孤立は、イラクにとって有利な条件となった。開戦初期、イランの防衛力は低下していると見られていたが、イラン軍と市民は頑強に抵抗し、イラク軍の予想外の抵抗に遭遇した。

この戦争は、国際社会の反応が鈍く、国際連合安全保障理事会の決議がイランに不利な形で進んだため、イランに対する不信感が深まった。戦争は長期化し、最終的にはイランがイラク軍を領土から駆逐し、和平を求める段階に至ったが、ホメイニは戦争の続行を決断した。

この戦争では、イラクが化学兵器を使用し、国際法に違反したが、国際社会はイラクの行動を公然と批判しなかった。その理由は、イラクのバース党政権の崩壊が中東地域の力のバランスを崩す可能性があったからである。

アメリカが主導するイランへの武器禁輸とイラクへの大規模な兵器売却政策が展開された。フランスとソ連もこれに参加し、特にソ連製のスカッド・ミサイルがイラクに売却され、改良されてイランの首都テヘランまで届くようになった。一九八七年、アメリカの提案により国連安保理決議五九八号が採択され、戦闘の即時停戦と国境線までの即時撤退が求められた。この決議はイラクに有利な内容であり、イランには不利であると見なされた。日本や西ドイツはよりイランに受け入れやすい決議を求めたが、アメリカとアラブ諸国の影響力により、その努力は実を結ばなかった。アメリカはイランが決議を拒否することを期待しており、拒否が制裁を開始する口実となると計算していたが、イランは曖昧な立場をとり、アメリカは制裁を発動する大義名分を失った。この結果、イラクが戦場で失ったものを国連決議の受諾で何の代価も支払わずに取り返す状況が生まれた。

シャーの死後、イランはアメリカがイラクを使って反革命を行っていると考え、両国の交渉は進展しなかった。しかし、イラン・イラク戦争が進む中でイランは圧力を感じ、アメリカとの交渉に応じ、五十二人のアメリカ人人質の解放と引き換えに八十億ドルの資産凍結解除が合意された。この交渉の結果はカーター大統領の任期終了直前に決定され、レーガン大統領の就任式直後に人質が解放された。この出来事は、アメリカ人の意識に深い反イラン感情を残すこととなった。

また、イラン・コントラ・ゲート事件では、アメリカが秘密裏にイランに武器を輸出し、その代金をニカラグアの反政府ゲリラへの資金として使用した。このスキャンダルはレバノンの新聞によって暴露され、大きな問題となった。アメリカはこの武器売却を通じて、レバノンでのアメリカ人人質の解放協力と、イランにおける影響力の維持を目指した。この事件はアメリカ内政にも影響を及ぼし、武器売却から得られた資金がニカラグアのコントラへの支援に回されたことが含まれていた。

第 8章
冷戦終結後の中東
──湾岸戦争、九・一一、イラク戦争

一九八七年の安保理決議五九八号の成立と一九八八年の停戦により、イランの脅威が軽減され、イラクが地域の軍事力として大きく成長した。この期間に冷戦が終結し、アメリカの中東政策の主要目標からソ連の封じ込めが外れ、石油の確保とイスラエルの安全保障の二つの目標に集中することになった。冷戦終結は、米ソ協力によるイランに対する圧力の例として、安保理決議の成立につながり、イランに対する軍事行動を通じて、アメリカは地域での優位を確立した。また、冷戦後の中東政策の変化は、ソ連の影響力の減少と共に、イランとイラクへのアメリカの政策が重要な影響を持つようになった。

クリントン政権下でのアメリカとイランの関係改善は、ハタミ大統領の改革派政策と同時進行していた。クリントン政権はイランとの関係改善に興味を示し、ハタミ大統領の民主的改革と外交政策を評価した。この時期、クリントン政権にはイランに通じる人物が数人存在し、イランとの間接的な対話が行われた。特に注目されるのは、ペルシア語に堪能なジャーナリスト、クリスチャン・アマンプールである。アマンプールはイランを頻繁に訪れ、イランの改革の様子を報道し、ハタミ大統領との独占インタビューも行った。

クリントン政権はハタミ大統領との間に微笑外交を展開し、過去のアメリカのイラン政策の過ちを認め、間接的な謝罪を行った。このようなアプローチは、アメリカとイランの間に新たな対話の道を開いたが、国内の政治的対立や外交政策の限界により、関係改善は限定的なものに留まった。アメリカ国内では、特にイスラエルを支持する層からの反対が強く、イランとの関係改善が選挙に悪影響を及ぼす可能性があったため、さらなる進展は困難であった。

アメリカの外交政策は、冷戦終結後の国内重視派と積極外交派という二つの異なる視点から議論されてきた。クリントン政権は国内問題に焦点を当て、海外介入を避ける政策を採用したが、その後継のブッシュ政権では積極的な外交政策を展開し、世界の警察力としてのアメリカの役割を推進する「ネオコン」の思想が台頭した。特に九月十一日のテロ事件は、テロ組織との戦いと大量破壊兵器の拡散防止をアメリカ外交政策の主要な目標に押し上げた。これらの政策は、中東地域の安定化と直結しており、テロの根絶、大量破壊兵器の阻止、イスラエルの安全保障、石油の確保が中心課題とされた。

また、ブッシュ政権は先制攻撃と中東の民主化を推進し、イラクのサダム・フセイン政権を転覆させるための戦争を行った。この政策はサダム・フセインと大量破壊兵器の脅威を排除することで正当化されたが、戦争後に大量破壊兵器は発見されなかった。さらに、中東に民主主義を導入することで、テロリストを生み出す土壌を排除しようとしたが、これも大きな挑戦となった。アメリカは中東諸国を民主化させることで、自国の理想に近づけようと試みたが、その過程は複雑で予想外の結果をもたらすことが多かった。

第 9章
オバマ政権の中東政策

二〇〇三年三月、アメリカとイギリス軍がイラクを攻撃し、戦争が開始された。この戦争では、わずか数週間でイラクの首都バグダッドが陥落し、フセイン政権が崩壊した。ブッシュ大統領は五月一日に勝利宣言を行った。この時期、イランからアメリカに対して広範囲な提案がなされたが、ブッシュ政権はこれを拒否した。その後、イランの核問題は国際的な焦点となり、安保理による一連の決議が採択されたが、イランはウラン濃縮を続け、国際社会との緊張が高まった。

イランは、核開発を巡る経済制裁の下で通貨リアルが暴落し、経済的に大きな打撃を受けた。その中で、イランとアメリカの間の交渉が行われたが、アメリカはイランの核武装を許さず、必要に応じて軍事力行使の可能性も指摘されている。一方、レバノンではヘズボッラーがイスラエルに対する潜在的な脅威として位置づけられており、イスラエルとイランの間での軍事的衝突の前哨戦としての側面もある。また、イラク内での状況は内戦状態に近く、シーア派とスンニー派の対立が激化していた。この状況はアメリカの対イラン政策にも影響を与えている。

二〇〇六年十一月のアメリカ中間選挙では、イラク戦争の不人気を背景に共和党が大敗し、多数派から少数派へと転落した。この敗北は、イラク戦争継続中のアメリカ兵の死傷者が多数に上る中での選挙であり、歴史的な大敗北となった。その後、ブッシュ大統領は一般教書演説でイラクに二万人を増派すると発表し、これはペトレイアス将軍の要請に基づくものだった。

さらに、ブッシュはイランに対する敵意を強調し、演説でイランを度重なる否定的な文脈で言及した。アメリカの中東政策の焦点がイランに向けられ、イランがイラクのシーア派急進派を支援していると非難した。また、パトリオット・ミサイル部隊の中東派遣も言及され、これはイランの弾道ミサイルからの防衛を目的としていることを示唆した。

この時期のブッシュ政権の動きは、イランを新たな軍事的ターゲットと見なしていると解釈され、イラン非難は、イラク治安回復の失敗をイランのせいにする責任転嫁のためであると見られた。また、ブッシュ政権はイランとの対決を準備しており、イランがアメリカ兵を攻撃しているとの主張を強化していた。この一連の動きは、イランに対する強硬な姿勢をさらに明確にしていた。

ブッシュ政権末期には、アメリカ大統領の三選が憲法上不可能なため、ブッシュは任期中にイラン問題の解決策として軍事行使か外交交渉かを選択する必要があった。激しい内部議論の末、ラムズフェルド国防長官の更迭とゲーツの就任が外交的解決に重きを置く結果となった。ゲーツと多くの軍幹部はイランとの戦争に反対し、その結果、ブッシュ政権はイラン攻撃を行わず、問題をオバマ政権に引き継ぐ形となった。

この背景には、軍人たちが戦争の悲惨さを理解しているため、軍事行動に慎重であったという事実がある。一方で、イスラエルは、アメリカがイランの核問題を軍事的に解決しない場合、単独で対応する可能性を示唆していた。しかし、ブッシュはオルメルト政権のイラン攻撃計画に対して承認を与えなかった。その理由として、攻撃によるイランの報復が駐留アメリカ軍に向けられるリスクを避けたかったからである。

オバマ政権に移行後、オバマ大統領はイランとの対話を進める方針を表明し、イランの核問題に対する新たなアプローチを開始した。その一環として、オバマはイランの新年に合わせてビデオメッセージを送り、相互の敬意に基づく対話を呼びかけた。この方針は、アメリカ・イラン関係に新たな外交の季節をもたらしたが、イスラエルのネタニヤフ首相は引き続きイランの脅威を強調し、必要であれば単独での軍事行動も辞さない構えを見せていた。

オバマ政権の時代にイランのアフマドネジャド大統領との交渉が予測されていたが、2009年の選挙では選挙管理委員会がアフマドネジャドの勝利を発表したにもかかわらず、大規模な不正があったとして反対候補ムサビの支持者がデモを開始した。政府はデモを強制的に鎮圧し、多数が逮捕された。これはアフマドネジャド政権と改革派の対立として知られているが、実際には世代間の対立もある。イラン革命を経て形成された政府の要職には1963年の暴動を目撃した世代が就いているが、アフマドネジャドはそれよりも若い世代で、革命防衛隊で戦った経験がある。彼らは体制に対して批判的であり、革命防衛世代とも呼ばれる。アフマドネジャドの再選後の激しい政治的混乱は、交渉を遅らせ、欧米との妥協案が進展しなかった。これは彼の政権下での内部対立と強硬派の圧力が原因だった可能性がある。その後、トルコとブラジルの調停により一部の濃縮ウランをトルコに移送する案が進められたが、アメリカはこれに懐疑的だった。イランとの交渉の未来は、核能力を一定程度認めつつ、厳しい査察により軍事転用を抑える「ジャパニーズ・オプション」が考慮されているが、この問題は国際社会において依然として解決が求められている。

あとがき

中東に関する本を書くことは、すぐに古くなってしまうという点でパソコンを購入することに似ている。執筆と出版の間ですら、事実が急速に変わるため、中東情勢に関する本はすぐに時代遅れとなり得る。作者は、ミクロな変動ではなくマクロな構造を重視し、大きな絵を問題意識として捉えた。イランとアメリカの関係を振り返る意義は、中東が転機に差し掛かっていることを感じ取るためである。過去の理解から現在を読み解き、未来を予測する試みが、本書の執筆における著者の信念であった。また、編集を担当した中島美奈が、記述の精度を高めるために丁寧で的確な指摘を加え、熱意は丹念さであるとの教訓を著者に与えた。

その他ノンフィクション

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Nonfiction

小説「この素晴らしい世界に祝福を! 8巻 アクシズ教団VSエリス教団」感想・ネタバレ

どんな本?

この素晴らしい世界に祝福を!』は、暁なつめ 氏による日本のライトノベルで、イラストは三嶋くろね 氏が担当。

ゲームをこよなく愛するひきこもり・佐藤和真(カズマ)の人生は、
交通事故(!?)によりあっけなく幕を閉じた……はずだった。
だが、目を覚ますと女神を名乗る美少女・アクアは告げる。

「ねぇ、ちょっといい話があるんだけど。異世界に行かない?
  1つだけあなたの好きなものを持って行っていいわよ」

「……じゃあ、あんたで」

RPGゲームのような異世界で、憧れの冒険者生活エンジョイ!めざせ勇者!
……と舞い上がったのも束の間、異世界に転生したカズマの目下緊急の難問は、
なんと生活費の工面だった!

さらに、トラブルメーカーの駄女神・アクア、
中二病をこじらせた魔法使い・めぐみん、
妄想ノンストップな女騎士・ダクネスという、
能力だけは高いのにとんでもなく残念な3人とパーティを組むことになって、カズマの受難は続く。
そして、そんなある日、カズマ達パーティはついに魔王軍に目をつけられてしまい―――!?

平凡な冒険者・カズマが過ごす異世界ライフの明日はどっち!?

INTRODUCTION(アニメ この素晴らしい世界に祝福を!)

この作品は、異世界転生、ファンタジー、コメディといったジャンルに分類され、2012年から2020年までの間に全20巻(本編17巻+短編集3巻)が刊行された。
また、このライトノベルはアニメ化もされており、2023年4月より第三期が放送される。
この作品は、平凡な冒険者カズマが過ごす異世界ライフを描いている。

個人的には小説家になろうで公開されていた時に読み。
感想を送り、著者さんから返事を頂いて嬉しかったと記憶している。

読んだ本のタイトル

この素晴らしい世界に祝福を! 8 アクシズ教団VSエリス教団
著者: 暁なつめ 氏
イラスト: 三嶋くろね  氏

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あらすじ・内容

アクアとエリスがお祭りで全面対決!?

エリス祭りはあるのに自分のお祭りがないのは不公平なので、アクア祭りをやると言い出したアクア。しぶしぶ協力するカズマだったが、クリスまで手伝いに入れられてしまって――。街中を巻き込んだ大騒動が始まる!

この素晴らしい世界に祝福を!8 アクシズ教団VSエリス教団

感想

本巻は、アクシズ教団とエリス教団が共同で祭りを開催する物語である。

祭りの開催はアクアのわがままから始まる。

カズマはアクアの我儘に振り回されつつも、商店街の会長と協力して祭りを成功させようと努力する。
その背後で、クリスは女神エリスとしての正体を隠しながら、神器を回収するために奔走する。

物語の中心は、アクシズ教団とエリス教団の間の小競り合いと、それに伴う一連の騒動である。

カズマはアクアとクリスの間で板挟みになりながらも、彼らが祭りを通じて一致団結する様子を描いている。

一方で、祭りの準備中には多くのハプニングが発生する。
特に、アクアは祭りでの注目を集めようと奇抜なアイデアを次々と提案し、周囲を困惑させる。

しかし、カズマの機転と商店街の人々の協力により、祭りは大盛況に終わる。

クリスの物語は、神器を巡る冒険が中心である。
彼女はカズマと共に、アンダイン邸から神器を盗み出そうとするが、予想外の困難に直面する。

アイギスという鎧が持つ特殊な性質により、回収計画は複雑なものとなる。
カズマとクリスは、様々な障害を乗り越えながらも、互いの信頼を深めていく。

終章では、祭りの後の清算と、キャラクターたちの関係性の変化が描かれる。

カズマとアクア、クリス、ダクネス、めぐみんの間に生じた微妙な変化が、彼らの今後の冒険にどのような影響を与えるかが示唆される。

最後に、彼らは再び平穏な日常へと戻るが、新たな冒険への伏線が残される。

この物語は、シリーズの中でも特に日常と冒険が交錯する作品であり、キャラクターたちの人間関係の深さと成長が強調されている。

読者は、彼らのドタバタ劇を通じて、彼らの絆の強さと、時にはコミカルな彼らの姿に心温まることだろう。
また、次の巻への期待感も煽られる、一幕の終わりとして見事に仕上がっている。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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その他フィクション

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フィクション(novel)あいうえお順

備忘録

プロローグ

異世界で祭りの手伝いをしている人物がいる。この祭りでは、普段恐れられているアクシズ教徒も大人しい様子で、彼らもこの祭りに大きな期待を寄せている。

異世界の祭りは、かがり火が焚かれ、非常に幻想的な雰囲気を醸し出している。
日本のような出店もあり、異世界の住人たちは心から祭りを楽しんでいる。

この祭りは一年に数日だけのものであるが、獣人、エルフ、ドワーフ、アンデッド、悪魔、女神までもが参加している。

アクアは、祭りを楽しみながら、アクシズ教団を助けたことへの感謝の意を表し、無邪気な笑顔で感謝の言葉を述べている。

第一章

クリス、またの名を女神エリスとして知られた彼女が、アクセルの街の外れの喫茶店で、カズマに自らの多重身分について説明している。

カズマはエリスの言動について疑念を持ちつつも、彼女が義賊として行動し、冒険者や友人としての役割も担っていることを理解している。

エリスは、ダクネスの親父さんが新たな領主としてダクネスの借金などの返済を決定した後、カズマにその事実を伝えている。

また、エリスは盗賊としてのアイデンティティを隠して活動しており、カズマに彼女がエリスであることをさりげなく暴露し、彼女の義賊としての正体を明かしている。
エリスはカズマに、彼女の義賊としての活動を理解し受け入れてもらうことを望んでいる。

カズマとめぐみんは山沿いの道を歩きながら、以前の出来事について話している。

めぐみんはカズマにダクネスを助けたことに対する感謝の意を伝えたかったと述べ、カズマはその感謝を謙遜している。

その後、めぐみんはカズマに対する好意を認め、カズマはその告白にどう対応すべきか戸惑っている。

カズマは内心、自分が格好良かったと自負しており、めぐみんの好意は自分の行動によるものだと理解しているが、それをどう受け止めて良いか不安を感じている。

キングスフォード・ゼルトマン、通称ゼル帝は、数多ある卵の中から選ばれたひよこで、水の女神に選ばれし存在である。
バニルとアクアは、このひよこについて議論を交わす。

アクアはゼル帝がドラゴン族の帝王になる定めの者であると主張し、バニルはそれを認めつつも、自らの膝上に懐くゼル帝に苦言を呈する。
一方、カズマはこのひよこをどう扱うかについて軽口を叩くが、アクアに強く非難される。

やがて、ゼル帝はバニルに懐き、バニルの靴に身を寄せる。
アクアはカズマにバニルを退治してゼル帝を取り返すよう頼むが、カズマはそれを拒否する。

結局、ゼル帝はバニルに懐くようになり、バニルはゼル帝の世話を引き受けることにする。

ゼル帝がバニルに懐く様子は、周囲の者たちに多大な驚きを与えるが、ゼル帝の可愛らしさには誰もが心を奪われる。

一方で、カズマたちは日常の中でゼル帝を中心にした新たな話題に花を咲かせ、アクアはゼル帝の飼育を通じて更なる愛着を示す。

ゼル帝の存在は、彼らの日常に新たな色を加え、彼らの間の会話や行動にも影響を及ぼす。

しかし、ゼル帝がただのひよこであるにも関わらず、特別な存在として扱われることには、皆が何らかの違和感を抱いている。

クリスは、神器集めの手助けを求めていたが、ダクネスは父の体調不良により領主代行としての業務が忙しく、手伝うことができないと述べた。

めぐみんは手伝うことができる場合は協力すると応じ、一方でアクアは手伝えないと断言した。
カズマはアクアを揶揄しながらも、彼女が子ひよこに母性を感じていることに気づく。

アクアは、カズマに対して子供のような扱いを受けている自分を例に出し、自分がゼル帝を強く育てたいと語る。

彼女はエリス祭りの代わりに自分のための祭りを提案するが、そのアイデアは受け入れられない。

カズマとクリスは、エリス教団による反発を避けるため、アクアの提案には難色を示す。

第二章

カズマは夏の日中に布団をかぶり寝ていたが、アクアに起こされる。
彼は部屋を冷やすために安価なマナタイトを使い、氷を作り出していた。

アクアはカズマにアクシズ教会で自分の信者に祭りの提案をさりげなく行うことを依頼し、同時に自らの信者に対する気恥ずかしさを認めた。

アクアの信者たちは、アクシズ教会において、エリス教徒への嫌がらせやセクハラを行っていたが、これらの行為は犯罪である。

カズマとアクアはアクシズ教会を訪れるが、そこで違法とされる品が扱われている現場に出くわす。
教会の新責任者と思しき人々が、違法品を扱っていることを知り、カズマは怒り、介入する。

しかし、実際には、違法とされていた品はところてんスライムであり、その危険性は過剰反応であったことが判明する。

ところてんスライムは食品であり、大きな誤解が生じていたことが明らかになる。

カズマが間違いを認めてめぐみんに謝罪すると、彼女は笑いながらカズマの言葉を覚えておくことにした。

一方、アクアはセシリーというアクシズ教団のプリーストに慰められていた。セシリーは非常に献身的でアクアに尽くす様子を見せた。

セシリーはアクアを女神として称え、アクアも彼女に協力を求めた。

その後、セシリーはアクアに過剰な敬意を表し、アクアは彼女の申し出を快く受け入れる様子を見せた。

カズマはセシリーがアクアに過剰に尽くす理由について疑問を抱き、アクシズ教団がアクアの真の身分を知っているのではないかと考えた。

しかし、教団はその事実を静かに受け入れ、彼らに危害を加える意図はないようだった。

その間、アクアはカズマに、アクア祭りの開催を提案するよう促したが、カズマはそれに煩わしさを感じていた。

セシリーはエリス教会に窓ガラスを破壊しに行くと宣言し、めぐみんがその場を取り繕う役割を担うことになるなど、計画を立てた。

カズマはその場の混乱を何とかしようとしたが、セシリーの暴走を止めることができず、彼女の行動が更なるトラブルを引き起こす可能性に悩まされた。

最終的に、カズマは共同開催の提案を商店街の会長に持ちかけ、エリス祭りとアクア祭りを併せて開催することで、教団間の対立を利用し、祭りを盛り上げることを提案した。

会長はこのアイデアに興味を持ち、両教団が祭りの資金を出すことで、商店街の利益増加を見込むことができると確信した。
この提案が実現すれば、祭りは成功し、カズマはその企画の一翼を担うことになる。

クリスと喫茶店で会ったカズマは、商店街の会長を説得してエリス教団とアクシズ教団の共同開催の祭りを許可させたことを報告した。
クリスはこの計画に巻き込まれることを嫌がりつつも、カズマの提案を受け入れざるを得なかった。
カズマは商店街の人々が祭りで楽しむことで一時的にも不安を忘れてほしいという思いから提案したことを説明し、クリスに協力を求めた。

この提案は、商店街の会長によって最終的に受け入れられ、エリス教団とアクシズ教団の競争を通じて祭りを盛り上げることに成功した。

その後、カズマはクリスと共に、アンダインという貴族が保有する神器を取り戻す計画を立てた。
アンダインが神器を非合法な手段で入手していたため、通常の方法での回収は困難であると判断し、カズマとクリスは別のアプローチを考慮することになった。

また、カズマは料理スキルを取得し、日々の生活に役立てていることが明かされた。
ダクネスとアクアはカズマの新たなスキルに驚きながらも、彼が提供する料理を楽しんだ。
この変化はカズマが今後冒険よりも快適な生活を望んでいることを示していた。

カズマとクリスは深夜、アンダイン邸に侵入した。カズマは銀髪盗賊団の助手、クリスはお頭として、盗賊の格好をし、防音材を含む大荷物を背負っていた。アンダイン家は大きな家柄ではなく、警備も手薄であったため、侵入は容易であった。屋敷内で、クリスは宝感知スキルを使いつつ、目的の神器を探していた。

侵入している最中、カズマとクリスは話し合い、クリスが宝物を感知しながらも、カズマは前途の計画に集中するように彼女を促した。最終的に、二人は重厚な扉のある部屋に到達し、クリスは罠を解除した。その部屋には、見た目にも価値があるとわかる鎧が置かれており、クリスはその鎧が聖鎧アイギスであることを認識した。

しかし、鎧は意外にも話すことができ、自己紹介を行いながら二人を驚かせた。アイギスは自分の新しい持ち主について詳しく聞くが、その選択基準は外見に関するものが多かった。これに対してカズマは不快感を示し、鎧を海に沈めたいとさえ思ったが、クリスはそれを諭した。

結局、二人はアイギスを持ち帰ることに決定し、日本から来る予定の新しい持ち主に渡す計画を立てた。この計画にはアイギスは抵抗し、彼らは屋敷から鎧を持ち出しに失敗した。

第三章

昨夜、カズマとクリスは盗みを企てていたが、アイギスが叫ぶことで屋敷の住人が起き出し、二人は何も盗むことなく逃走した。

その夜の緊張がようやく解け、眠りにつこうとしていたカズマをアクアが起こした。

彼女は異様に早起きしており、その理由を知っていると言い出したが、カズマが祭りの準備で眠れなかったと勘違いしていた。

冒険者ギルドでは多くの冒険者が集まり、モンスター討伐のために忙しくしていた。

カズマは状況が理解できず、アクアに尋ねたところ、この時期に活発化するモンスターを退治する必要があるため、冒険者たちが忙しくしていることが明らかになった。

その後、大規模なモンスター討伐が行われ、カズマたちはその一部として参加した。

特にダクネスは意気込んで前線で活躍し、めぐみんも爆裂魔法を用いて敵を一掃したが、その結果周囲にも影響を与えてしまった。

最終的には、多くの冒険者が討伐に成功し、多額の報酬を分け合うこととなったが、カズマはその一部始終を疲れ果てながらも見守った。

カズマはモンスター討伐と祭りの準備で忙しくも充実した日々を送っていた。
彼は商店街の役員会議に出向き、祭りの成功を心から願いながら様々な提案を行った。

その中で、熱中症対策として売り子たちが水着を着る案を提案し、これが議論を呼んだが、彼の巧みな説得で承認された。
さらに、花火大会の火力不足を解決するためにも提案を試みたが、こちらは強い反対に遭い、大激論となった。

役員達との意見の対立は解決せず、カズマはしばしば彼らと衝突した。

彼の提案は時に批判されたが、彼の情熱は衰えず、祭りの成功のために懸命に働いた。
彼の提案の一つには、祭りをもっと盛り上げるために様々なコスチュームを着た「仮装パレード」を含めることもあった。

この過程でカズマはダクネスと頻繁に相談を重ね、彼の熱意によって多くの計画が実行に移された。
祭りの日が近づくにつれて、彼の提案がどれも現実のものとなり、地域社会に新たな活気をもたらすことに成功した。

アクセルで開催された女神エリス&アクア感謝祭は、大きな賑わいを見せていた。アクアは、祭りへの興奮で前日から眠れず、早朝から出掛けていた。カズマは前夜ゲームに夢中で、朝に気づいた時には既に祭りは始まっていた。カズマは夕方から祭りを冷やかしに行くと決めていたが、めぐみんと共に三日目の花火大会を見る約束をする。

祭りではアクシズ教徒のセシリーが、許可もなくオタマジャクシを売る店を出して警察とトラブルになっていた。このオタマジャクシは、実はジャイアントトードの子供であり、迷惑がかかるため、警官は殺処分を提案したが、セシリーはこれを拒否。一方、祭りの他の出店でもアクシズ教徒が関わるさまざまな場面で騒動が起こり、クラーケン焼きやマーマンの見世物、そして問題のある射的やドラゴンの売りつけなど、多くの問題が生じていた。特にドラゴンの売りつけは、アクアが子供を悪用して感情を逆なでするような言動で問題を引き起こしていた。

これらの騒動はアクセルの商業区で盛り上がりを見せており、アクシズ教徒の奇抜なアイデアと行動が祭りの雰囲気を一層高めていたが、同時に問題も多く引き起こしていた。

アクシズ教団が主催する祭りで、アクアは不正な出店でトラブルを引き起こしていた。
カズマはこの状況に頭を抱え、アクアが進める店の提案に対しても不安を覚えていた。

アクアが手伝いを頼んだクリスは、客を引きつけるために運試しのくじ引きを行っていたが、運試しのくじ引きも成功せず、客は次々と敗れていた。

最終的に、アクアはところてんスライムのトッピングを提案し、カズマは彼女の提案に困惑しながらも、焼きそばを売るために協力することを決めた。

カズマは料理スキルを利用して焼きそばを作り、これが唯一の成功を収める出店となった。

アクアの祭りは大赤字を出す中で、カズマの焼きそば屋だけが黒字を出し、多くの客で賑わった。カズマは料理で成功をおさめ、アクアも彼の成功を見て新鮮さを感じていた。

商店街の役員会議で、祭り初日の売り上げが例年の倍近くに達したことが報告され、役員たちは喜びを表した。その売り上げの中でも、YAKISOBAという焼きそば屋が成功し、これが役員たちに期待された。

祭りの期間中に得られた税金の一部が報酬として支払われるため、役員たちはどちらの教団が勝利しても利益を得ることができる。

アクシズ教団の区画では、日本の祭り風の屋台が再現され、物珍しさで賑わっていた。

アクアは俺を見つけ、氷が尽きたと報告し、協力を求めた。焼きそばの売り上げが良く、役員たちはアクシズ教団の売り上げを更に期待している。

その後、役員たちはアクアの努力を称賛し、彼女が提案した正直な商売が売り上げに貢献していることを認めた。

最後に、アクシズ教団の資金繰りが改善されることを願いつつ、俺はアドバイザーとしての役割を続けることになった。
アクアはこの祭りで得た経験から、アクシズ教団の再建に向けた希望を持ち、俺はその支援を決意した。

第四章

感謝祭三日目、めぐみんが自室で寝ている彼に花火を見に行くよう促した。
彼は前夜に飲み過ぎたため、二日酔いであった。

さらにサキュバスのお姉さんたちと過ごしたことは言えず、ダクネスに花火大会を延期してもらおうと考えていた。
めぐみんは、彼が女の子と花火を見る約束をしていながら酒を控えなかったことを非難した。

彼が夜遅く帰宅していたが、めぐみんは彼が脱がない場合は自ら脱がせようとした。

彼はめぐみんに脱がされることを恥ずかしく思い、自ら着替えることにした。

めぐみんは彼が直接着替えるのに驚いたが、彼は彼女が以前から裸を見慣れていると返した。

さらに、めぐみんはアクア達に手を焼いていると言い、アクシズ教団がエリス教団を上回る売り上げを上げており、それが原因でアクシズ教団が騒いでいると説明した。

彼はアクアが改心したと信じていたが、一部のアクシズ教団の信者が暴走しているのではないかと疑った。

彼らは花火を見に行くことにし、めぐみんもその提案に同意した。彼は祭りの楽しい瞬間を享受しようと心に決めた。

感謝祭三日目に、めぐみんは花火大会で突然行動を起こし、結果として警察に連行されてしまった。
彼女の突飛な行動により、彼は落胆し、独りで屋敷に戻ることになった。

その夜、彼は特別な計画の準備をしていたが、ダクネスが訪ねてきたため計画は中断された。

ダクネスは以前の行動に対する感謝の意を述べ、彼との過去の思い出に感謝した後、彼の頬にキスをした。
その後、彼はめぐみんとの出来事を振り返りながら、二人の間に生じた甘酸っぱいムードを嘆いた。

ダクネスが部屋に帰った後、彼は悶々とした気持ちで寝ようとするが、クリスとの約束を思い出し、待ち合わせ場所に駆けつけた。
約束の時間から二時間過ぎた後であった。

クリスは彼の遅れを怒っていたが、彼がダクネスにキスされた話を聞いて驚いた。

彼は最近、めぐみんからも好意を受けていることを明かし、クリスは三角関係になっているのかと興味深く尋ねた。

その夜、彼らは盗みのためにアンダイン家の屋敷を目指したが、以前の侵入があったため警戒されていた。
そこに珍しくめぐみんが現れ、彼らをファンだと称賛し、彼らの行動に理解を示した。

彼らは人類のために重要な物を盗む目的であると説明し、めぐみんは彼らの行動を支持した。
彼らはその後、めぐみんからのファンレターを受け取り、感謝の気持ちを表した。

彼らはめぐみんからファンレターを受け取り、クリスはそのファンレターをポケットに仕舞おうとしていた。

そこで、彼らは仕事を終えた後でファンレターの所有権をジャンケンで決めることにした。その後、彼らは警備員を無力化し、屋敷に侵入した。

侵入時には守衛の注意を引きつけ、二人が会話をしている隙に近づいて攻撃した。

警備員の一人が祭りの仕掛け人について言及したが、その話は聞かされなかった。

彼らは成功し、部屋の中に特別な結界を張り、魔道具店で購入した魔法結晶で魔法を遮断した。

アイギスが彼らを試し、クリスはアイギスに頼んで彼女を新しい主として認めようとしたが、アイギスはそれを拒否し、自由を求めて逃走した。

彼らはその後、アンダイン家の警備員たちに追われることになり、脱出を試みた。

事件の後、カズマは宿に立て籠もり、ダクネスとクリスは彼を部屋から引き摺り出そうとする。

ダクネスは激昂し、カズマにドア越しに説明を迫る。
カズマはクリスが捕まるというダクネスの脅しを信じず、ドアを支えながらやり取りを続ける。

その後、カズマはダクネスに取り押さえられ、クリスと共に縛られる。

ダクネスは、カズマとクリスが街で目撃されたため賞金を目当てに多くの者が彼らを追っていると怒る。

カズマはダクネスに助けを求めるべきだったと認め、ダクネスは、貴族としての交渉を用いれば解決できたと反論する。

このやり取りの中で、前夜の出来事についても触れられ、ダクネスはカズマに葛藤する様子を期待していたが、カズマは彼女の期待に応えなかったことに対し不満を抱く。

最終的に、ダクネスはカズマたちを解放し、一連のトラブルに対処するために協力を求める。

第五章

カズマはアクシズ教会でアクアに怒りをぶつける。

アクアはカズマの意見を無視し、祭りでの自身の優遇を要望する内容を含む要望書を提出していた。

カズマはこれに激怒し、要望書を破り捨てる。一方、アクアは要望書に自分の利益のみを考慮した変更を加えようとする。

さらに、セシリーはアクアの行動を支持し、アクアが更に要求する内容を加えようとするが、カズマはこれを一蹴する。

カズマはアクアとセシリーに対して怒りを露わにし、アクアの自己中心的な行動を批判しつつ、彼女とセシリーを非難する。

アクアは自分が中心となる祭りを望み、自身が注目されることで満足している。カズマはアクアの行動に失望し、彼女の変わりようを嘆く。

エリス教団やその関係者たちがイベントを開催したが、主な目的はアイギスを罠にかけることであった。

ステージ上で次々に美女たちが登場し、観客たちは興奮を隠せない。その中で、クリスは飲み物を買いに行き、イベントはさらに進行する。アイギスは観客席から女性たちを鑑賞しており、特にスレンダーな女性に注目していた。

司会者は次々に参加者を紹介し、観客たちはそれぞれの出場者に熱狂していた。

このイベントは、アイギスを引き寄せるためだけでなく、エリス教団のイメージを高めるためのものでもあった。

しかし、アイギスが意外とあっさりと罠にかかり、事態は一転する。

アイギスはステージ上の女性たちに心を奪われ、特にサキュバスの登場には大興奮を見せる。最終的にはダクネスがステージに登場し、その美貌と格好に観客たちから盛大な声援が送られる。

イベントは予想外の盛り上がりを見せ、アイギスと観客たちの間には特別な一体感が生まれた。

結局、アイギスを捕獲する目的は達成されるが、それ以上にイベント自体が大成功となり、参加者や観客に多大な楽しみを提供した。

アイギスの捕獲劇はあくまで一部であり、真の見どころはその場の雰囲気と出場者たちの魅力にあった。

エリス教団主催のイベントが行われたが、ダクネスに対する観客からの野次がエスカレートし、彼女が観客席に飛び込んで暴れ始める事態に発展した。

その最中、アイギスも興奮し、参加を希望するなど、予期せぬ騒動が発生した。

クリスはこの騒ぎに涙ぐみながらも、アイギスには穏やかに対処してほしいと頼むが、アイギスはさらに混乱を増す。

最終的に、ダクネスの行動が観客には楽しまれるが、クリスはエリス教団としてのイベントとしては失敗だと感じていた。
その後、観客はアクシズ教団のイベントのほうが面白いと話し、エリス教団の権威は揺らいでしまう。

クリスは、本来の目的であるアイギスの捕獲は成功したものの、エリス教団の権威回復には至らなかったことを痛感する。

アイギスはこの騒動に興奮し、自身が神器であることを誇示しつつ、クリスの提案に難色を示す。
しかし、クリスはアイギスの行動を静めるために、何かを条件として出す。

アイギスはその提案に興味を示し、クリスとカズマの会話を注意深く聞く。カズマはクリスに支援を求め、彼女はそれに応じようとする。
アイギスは最終的に、クリスとカズマの提案に耳を傾けることになる。

会場が落ち着いた中、司会者が優勝者発表を始めようとした瞬間、不意に登場した少女が全員の注意を集めた。

この少女は、女神エリスにそっくりであり、ステージ上での飛び入り参加を申し出た。
彼女の正体が明らかになると、会場は熱狂し、彼女を祭り上げる声が高まった。

アイギスは、この少女を「ご主人様」と認識し、感動のあまり震えた。
少女が「エリス」と名乗ると、会場はさらに歓声に包まれた。

エリスが名乗った瞬間、会場は狂喜し、エリスは群衆の手を一つずつ握り返していたが、その状況はエリスにとって危険になりつつあった。
アイギスはエリスを守る決意をし、彼女を自らの中に避難させようとした。

しかし、その間にカズマはエリスを守るために群衆と対峙することを決めた。
カズマはエリスを守るために水を使って群衆を抑えようとし、最終的にエリスとアイギスはカズマの助けを借りて逃走する計画を実行した。

ダクネスが俺を見下ろして詰問するシーンから始まる。
カズマはミスコン会場での騒動のため警察に捕まり、留置場に入れられていたが、ダクネスの口利きで解放される。

屋敷に戻ったカズマたちは、アクアやめぐみんも含めて正座させられた。
ダクネスは、カズマが祭りの共同開催を提案し、いかがわしい企画を立てたと非難する。
さらに、アクアによれば、その企画の発案者もカズマだったという。

ダクネスは、商店街の会長からの謝礼として大金をカズマに渡そうとするが、俺は適切な反応に困惑する。

その後、めぐみんが話に加わり、カズマが最近色々な女性と親しくしていることを指摘する。

ダクネスとめぐみんはカズマの私生活について議論し、めぐみんはダクネスに対して痛烈な言葉を投げかける。
一方、アクアは祭りの売り上げを最大化するために、エリス教団を出し抜こうとした経緯を説明する。

アクアはまた、自身の祭りを開催するために大金が必要だったと主張し、そのためにネズミ講のような商売に手を出していたことが判明する。

しかし、ダクネスはアクアの行動を非難し、その行為が悪行であることを強調する。
最終的に、アクアとダクネスの間で激しい議論が交わされるが、めぐみんとカズマはこの状況を苦笑いで見守ることになる。

エピローグ

商業区のパーティー会場に到着した主人公は、既に始まっている宴会にアクアの隣に腰を下ろす。
会場内ではエリス教徒とアクシズ教徒が和やかに宴会を楽しんでおり、アクアは主人公がアクシズ教徒を悪魔に喩えたことに苦言を呈する。宴会では、アクアを含む参加者たちが酒を楽しむ様子が描かれている。

その中で、主人公は自分の誕生日であることを告白し、アクアに祝ってもらうが、アクアは主人公にプレゼントを要求する。
この国の風習として、誕生日を迎えた人が感謝の意を示すためにプレゼントを配ると誤解させられるが、めぐみんがその誤解を解く。

一方、ダクネスとめぐみんは主人公に誕生日の祝いを言い、クリスも同様に祝福を申し出る。
宴会が続く中で、アクアとめぐみんはダクネスをからかい、彼女の誕生日パーティーをわざと招待しなかったことについて揶揄する。

最後に、クリスと主人公は会場を抜け出し、街を歩きながら話をする。

その途中でクリスは小さな姉妹から花を贈られ、その花の名前「クリス」が諦めない心を意味することを教える。

子供たちからの感謝を受け、クリスは自分の行動が評価されたことに安堵し、少し照れくさい様子を見せる。

この物語は、主人公とその仲間たちが参加する祭りの打ち上げの宴会を通じて、友情や感謝の気持ちを育み、お互いを称え合う様子を描いている。

エピローグ2

祭りが終わり、街が落ち着いたある日、アクアはセシリーからの感謝状を持ってきて、それを読み上げる。
感謝状には、アクシズ教団の教会が新しくなり、エリス教会の協力で今後も共同でお祭りを開催できること、そしてアクアが名誉アクシズ教徒に認定されたことが書かれていた。
これに激怒した主人公は感謝状を破り捨て、アクアの信者になることを拒否する。

アクアは主人公が稼いだ報酬を自らの手で教会への寄付に使ったことについて、主人公が苦しんでいるのを見て責任を感じる。
しかし、アクアはその後も主人公をからかい続ける。
エリスのミスコン出場について聞かれると、主人公はエリスの行方を知らないと返答する。

ダクネスは領主代行の仕事から帰ってきて、エリス様降臨事件による観光客の増加を話す。

主人公はこれを受け、もう働かないと言い、レストランを開くことを考えている。
アクアもこれに同意し、お祭りの資金として主人公から受け取ったお金を使い込んだことを認める。

最後に、めぐみんが現れ、お祭りの終わり方があっけなかったことに言及し、もっと楽しいことができたはずだと話す。
主人公は誕生日があり、めぐみんは誕生日プレゼントとして、夜に自分の部屋に来るように言う。

小説「この素晴らしい世界に祝福を! 7巻 億千万の花嫁」感想・ネタバレ

どんな本?

この素晴らしい世界に祝福を!』は、暁なつめ 氏による日本のライトノベルで、イラストは三嶋くろね 氏が担当。

ゲームをこよなく愛するひきこもり・佐藤和真(カズマ)の人生は、
交通事故(!?)によりあっけなく幕を閉じた……はずだった。
だが、目を覚ますと女神を名乗る美少女・アクアは告げる。

「ねぇ、ちょっといい話があるんだけど。異世界に行かない?
  1つだけあなたの好きなものを持って行っていいわよ」

「……じゃあ、あんたで」

RPGゲームのような異世界で、憧れの冒険者生活エンジョイ!めざせ勇者!
……と舞い上がったのも束の間、異世界に転生したカズマの目下緊急の難問は、
なんと生活費の工面だった!

さらに、トラブルメーカーの駄女神・アクア、
中二病をこじらせた魔法使い・めぐみん、
妄想ノンストップな女騎士・ダクネスという、
能力だけは高いのにとんでもなく残念な3人とパーティを組むことになって、カズマの受難は続く。
そして、そんなある日、カズマ達パーティはついに魔王軍に目をつけられてしまい―――!?

平凡な冒険者・カズマが過ごす異世界ライフの明日はどっち!?

INTRODUCTION(アニメ この素晴らしい世界に祝福を!)

この作品は、異世界転生、ファンタジー、コメディといったジャンルに分類され、2012年から2020年までの間に全20巻(本編17巻+短編集3巻)が刊行された。
また、このライトノベルはアニメ化もされており、2023年4月より第三期が放送される。
この作品は、平凡な冒険者カズマが過ごす異世界ライフを描いている。

個人的には小説家になろうで公開されていた時に読み。
感想を送り、著者さんから返事を頂いて嬉しかったと記憶している。

読んだ本のタイトル

この素晴らしい世界に祝福を!7 億千万の花嫁
著者: 暁なつめ 氏
イラスト: 三嶋くろね  氏

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あらすじ・内容

パーティー最大の危機が到来! 強欲領主からダクネスを取り戻せ!!

魔王軍幹部の討伐報酬として大金を手にしたカズマたちは、悠々自適の生活を送っていた。そんな中、一人浮かない様子のダクネスだったが、ある日「お前達とは、もう会えない」と手紙を残して、姿を消してしまい――。

この素晴らしい世界に祝福を!7 億千万の花嫁

感想

この巻は、ダクネスが主役の物語である。
彼女の家は借金を抱えており。
その返済の形に領主と結婚させられそうになる。

この借金は、以前カズマたちが移動要塞デストロイヤーを退治した際に発生した街の損害と、被害者への補償金であり、本来は領主が負担するべきものであった。

しかし、ダクネスの家がこれを肩代わりし、結果的に莫大な借金を背負うことになる。

物語は、ダクネスが領主に嫁ぐことを阻止しようとするカズマたちの活躍を描く。

カズマ、アクア、めぐみんといった仲間たちは、それぞれが持つユニークな能力を駆使しながら、ダクネスを助けるために奮闘する。
途中、彼らは様々な障害に直面し、時にはコミカルな失敗も繰り返すが、友情と信頼を深めていく。

物語のクライマックスでは、ダクネスが結婚式の最中に自らの意志で結婚を断り、カズマたちと共に逃走する決断をする。

その逃走劇の最中には、騒動や追いかけっこが繰り広げられ、一行は互いに支え合いながら難局を乗り越える。

最終的にはダクネスの父親も彼女の決断を受け入れ、彼女が本当に望む幸せを願うシーンでクライマックスになるかと思ったら。
アクアが父親病をあけっなく治して、気恥ずかしい状態で物語は終わる。

全体として、この物語は友情と勇気、そして自分の運命を自らの手で切り開く重要さを教えてくれる。

また、それぞれのキャラクターが魅力的で、彼らの成長と冒険を楽しく、時には心温まるものとして描いている。
カズマたちの団結と助け合いの精神が、読む者にも大きな感動を与えることだろう。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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その他フィクション

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フィクション(novel)あいうえお順

備忘録

プロローグ

カズマとダクネスが激しい言い争いをしている場面である。

カズマはダクネスに対して、彼女が実は自分のことを気にしているのではないかと挑発的に問いかける。
これに対し、ダクネスはカズマを批判し、彼の行動を非難する。

カズマはアイリスから預かった国宝である指輪を磨いている最中で、その行動をダクネスに認めてほしいと訴える。

しかし、ダクネスはカズマが指輪を不適切な方法で扱っているとしてさらに怒る。
このやりとりの中で、二人はお互いに厳しい言葉を交わしながらも、何らかの愛情や関心を互いに抱いていることが暗示される。

最後に、カズマはダクネスの紅茶作りの技術を認め、二人の間にわずかな和解が見られる。

第一章

アクセルに帰ったある日、カズマに冒険者ギルドから呼び出しの書状が届く。
冒険者ギルドの職員は、カズマに魔王軍幹部シルビアの討伐報酬として三億エリスを支払う。

この報酬はカズマが討伐した魔王軍幹部の中で四人目となる。
カズマは冒険者達の歓声を受けながら報酬を受け取るが、職員が名残惜しそうに袋を離さず、奪い合いになる。

ギルド内でカズマの成果と運について話題が盛り上がり、彼は最終的にギルドで一番良い酒を奢ることを宣言する。
この宴会が長引き、アクアがカズマを心配してギルドに来るが、カズマはすでに宴会を楽しんでいた。アクアはビールを要求し、カズマとめぐみんはアクアの心配する様子に驚く。
ダクネスはカズマの騒々しい性格について呆れながらも、彼が周りにどう映っているかを語る。
カズマはアイリスのために夜中に笑う人形を送ろうと計画するが、ダクネスはそのアイデアに強く反対し、彼に注意を促す。

賞金を受け取ったカズマとアクアは、アクセルの街で贅沢な暮らしを楽しんでいた。
彼らは飲食店を訪れ、料理を褒め称える毎日を送っている。
ある時、彼らは特に気に入った料理のシェフを呼び出し、その美味しさを絶賛する。
店内での彼らの豪放な振る舞いは、周囲の人々にも認識されていた。
シェフは、彼らの態度に安堵し、次回はさらに良い料理を提供することを誓う。

その後、カズマとアクアは家に帰ると、ダクネスとめぐみんが珍しい遊びに興じていた。
それは、ダクネスが毎年行われる我慢大会で優勝するための練習であった。
ダクネスは、父が病気で心配するために、自宅ではなくここで練習していた。
その状況を見て、カズマは彼女たちをからかう。

また、アクアはドラゴンの卵を手に入れたと語る。
それを聞いたカズマは疑念を抱きつつも、アクアの話に耳を傾ける。
アクアは、卵を手に入れるために自分の持ち金を全て使い、その卵を大事に扱う。
彼女は卵を育て上げることで、将来的にドラゴンの帝王にするという野心を持っている。

カズマはアクアの計画に半信半疑ながらも、彼女の行動を見守ることにする。
一方で、ダクネスは我慢大会の優勝を目指して練習を重ね、カズマとアクアは彼女たちの様子を楽しみながら夕食の準備をする。

カズマ、アクア、ダクネスはウィズの店を訪れる。
アクアは店の前で朝早くから騒ぎ始め、バニルと名の悪魔に開店前の迷惑行為を注意される。
バニルはウィズの店が非常に繁盛しており、ウィズが過労で情緒不安定になっていることを明かす。
アクアはバニルに感謝を強要し、バニルは忙しい中で彼らの用事を済ませる。その後、ダクネスがバニルの言葉に反応して激しく動揺する。
バニルは彼女の運命を占うと提案するが、その際にダクネスを挑発する言葉を口にする。この一連のやり取りで、店内は混乱に包まれる。

カズマはアクアとダクネスを伴い、ウィズの店を訪れる。
アクアは朝早くから店の前で騒ぎ立て、ウィズの店の前で待つ間にバニルとの激しい口論に発展する。
店の中でバニルは、ダクネスに対し占いを行い、彼女の私生活について厳しい質問を投げかける。

ダクネスはこれに狼狽え、恥ずかしさから赤面する。
さらに、バニルはダクネスの将来について厄介な予言を行い、彼女の父親と家族に不幸が起こると告げる。

その後、アクアがバニルに対して挑発的な言葉を投げかけ、バニルはダクネスの家族に対する危機をカズマが何とかできるかもしれないと示唆する。

帰り際に、カズマはアクアとバニルのやり取りを放って、ウィズの店から去ることを決める。
この一連の出来事はカズマとその仲間たちに新たな課題を提示し、彼らの今後の行動に影響を与えそうである。

ある日、突然、執事服を着た男が屋敷に入ってきて、ダクネスにアレクセイ・バーネス・アルダープの呼び出しを伝える。ダクネスはその男と共に出かけることを決め、カズマたちを置いて行った。
ダクネスの不在中、アクアは食事の残りを自分のものとする。

翌朝、カズマはちょむすけと過ごしていると、ダクネスが戻ってきてクーロンズヒュドラという賞金首モンスターの討伐を提案する。

彼女はそのモンスターが近隣の山にいて、眠りから覚めようとしていることを説明する。
ダクネスは私たちがその街を救う唯一の力だと主張し、カズマに協力を求める。

しかし、ダクネスの誘いに対してカズマは冷淡な反応を示し、彼女が提示するキスという報酬にも興味を示さない。
彼女の自己評価が高すぎることに苛立ちを感じ、ちょむすけとの穏やかな時間を楽しむことを選ぶ。
ダクネスはショックを受け、俺は彼女の提案に反応しないことを選ぶ。

カズマたちはアクセルの街南方にある山麓の湖に到着する。
彼らが湖の近くに到達した時、ダクネスは、クーロンズヒュドラという賞金首モンスターに対処する計画を説明する。

以前は王都から派遣された騎士団がヒュドラを眠らせる作戦を行っていたが、ヒュドラが目覚める時期が早まり、騎士団の到着前に目覚めてしまったため、彼らは独自に対処することになる。

アクアとめぐみんは、湖の水を浄化することでヒュドラを追い出そうと計画する。
アクアは湖に飛び込み、水を浄化し始めるが、その最中にヒュドラが現れる。

ダクネスとめぐみんはヒュドラに対抗する準備を整え、カズマは後方で退路を確保しようとする。
しかし、実際に現れたヒュドラの巨大さに彼らは驚愕し、予定していた計画が困難であることを痛感する。

第二章

カズマが死後にたどり着いたのはおなじみの白い部屋で、そこで女神エリスと再会する。
エリスは冗談を言いながらカズマを迎え、二人は会話を交わす。

カズマの遺体はダクネスによって回収され、エリスは蘇生が可能であると説明するが、遺体は三割方失われているという。

カズマはダクネスを責めないようエリスから請われる。
また、エリスはしばしば地上に降りており、カズマとは何度も会っていると明かすが、カズマはその正体を見破れずにいる。

エリスはカズマに正体を明かさず、次に会えるのはカズマが自然死するか彼女の正体を知る時だと告げる。
最後にカズマはエリスによって再び白い門へと送り出される。

カズマがヒュドラの胃袋で過ごした後、体から異臭がする中、無事に救出されたが、彼の服は溶けてしまい、裸の状態で仲間の前にいた。

ダクネスはカズマを助けるためにヒュドラに飲み込まれ、彼を救出する過程で自身も大きなリスクを負った。

この行動は、カズマが再び生き返った後に彼を気にかけるダクネスの様子から明らかになる。
カズマとダクネスは、ヒュドラとの戦いから回復し、彼らが住む街へと戻ることに成功した。

しかし、ヒュドラは再生能力を持っており、簡単には倒せないことが語られる。カズマとダクネスは、今後の対策を考えながら、冒険者としての日常に戻ろうとするが、ギルドでの報告後、意外な事件に巻き込まれる可能性があることが示唆される。

アクアが卵に歌を歌いながら胎教を行っている中、めぐみんはヒュドラへのリベンジを主張していた。

カズマは指名手配の危険からアクアと共に屋敷に引き籠もっており、めぐみんとダクネスはヒュドラへの復讐を目指していた。

めぐみんはさらなる火力でヒュドラを倒すことを提案するが、アクアはその協力を拒否し、カズマも効果的な作戦を思いつかないでいた。

一方、ダクネスは自分の手でヒュドラを倒したいという強い意志を持っており、アクアとめぐみんはカズマに協力を促していた。

最終的には、カズマもダクネスと共に行動する覚悟を決める様子が描かれている。

カズマは早朝から湖に向かい、アクアとめぐみんと共に現れるダクネスを待った。

ダクネスは湖に到着し、カズマが連れてきたアクセルの街の冒険者たちを見て驚いた。
彼女は冒険者たちにからかわれながらも、カズマの計画に気付いた。

カズマは、ダクネスがヒュドラと戦っていることを冒険者たちに伝え、彼らに協力を求めた。
ダクネスは冒険者たちの支援に感謝しながらも、戦闘が始まると、ヒュドラの攻撃を前面で受け止める役割を果たした。

一方、カズマはヒュドラの魔力を吸い取るためにドレインタッチを使い、冒険者たちはヒュドラを地上に引き留めるために綱引きを行った。
最終的に、魔法使いたちの集中攻撃により、ヒュドラは倒された。

ヒュドラを倒した後、冒険者たちはアクセルの街へ帰還していた。

帰路では、めぐみんとゆんゆんが倒したヒュドラの首の数を巡って言い争いをしていた。
その一方で、キースやリーンといった冒険者たちはカズマのパーティーの貢献を讃え、報酬を多めに受け取るべきだと提案している。

しかし、カズマは討伐の成功は皆の協力があってのことだと主張し、皆で報酬を分けることを提案した。
ダクネスは、ヒュドラ討伐によって迷いが無くなり、街の連中との絆を再認識し、心からの幸せを感じていた。

アクアは、感謝の言葉をもっと求めていたが、カズマは彼女の要求に苦笑いを浮かべていた。

第三章

ヒュドラ討伐後、冒険者たちが冒険者ギルドで賞金の支給を受けていた。
ギルド職員からは一億エリスの支払いが発表され、全員が大いに盛り上がった。

しかし、ダクネスはこの集まりに参加しておらず、前夜、皆の前で珍しくお酒を飲み、高めのテンションを見せていたことが語られている。
賞金は十億エリスで、参加した冒険者は50人であるため、一人あたり2000万エリスが支払われる計算であった。

その後、ダクネスの帰りを待ちながら、カズマたちは自宅で豪華な晩餐の準備を進めた。
しかし、ダクネスは帰ってこず、彼女が領主のもとへ報告に行っていることが判明した。

夜が更けてもダクネスの帰りはなく、食事にも手がつけられないままであった。
最終的にダクネスはその日も翌日も帰宅しなかった。

カズマは朝から広間のテーブルでダイナマイトの模造品を作っていた。
これは爆裂魔法を模倣する試みだが、現在の技術では実現不可能である。

その製品をアクアが興味深く眺めていたが、めぐみんはそのアイデアに強く反発し、窓からそれを投げ捨てた。
彼女は、魔法の格を落とすような道具の作成を認めないと述べた。

その後、ダクネスからの手紙が届いたことが明らかにされ、彼女がパーティーを抜けることを示唆していた。

この手紙により、カズマとアクアは沈黙し、ダクネスの突然の決断に動揺していた。
ダクネスは貴族としての義務を果たすためにパーティーを抜ける必要があると感じていたが、これは彼らにとって受け入れがたい事実であった。

カズマはめぐみんと共にダクネスの屋敷を訪れたが、門番により追い返された。

カズマはダクネスへの思いを断ち切るために新しい前衛職を探すことを決意するが、めぐみんはそれに抵抗し、ダクネスの問題を解決しようとはせず、カズマをサポートしようとした。
この過程で、彼らは新しいパーティーメンバーの探索に苦労するが、ダストが加わることになった。

害獣を駆除したカズマたちはギルドで報告を行い、報酬を受け取ったが、過剰な行動により報酬が削られてしまった。
ダストはそれを気にせず、冷たいビールを楽しんでいた。

翌日、ダストがカズマの家に急ぎ足で現れ、リーンの新しい男性関係を心配し、カズマに協力を求めた。二人はリーンとその男性が滞在する宿へ向かい、隣の部屋から会話を盗聴した。
リーンと男性の会話から、男性がリーンに魔道カメラでの写真撮影を強く求めていることが判明した。

ダストは情熱を募らせ、宿の部屋に侵入し、男性がリーンに与えたと思われる赤いランジェリーを発見し、激昂する。
カズマはダストが冷静さを欠いて行動するのを止めようとしたが、ダストはリーンを守るためと主張して彼の協力を求めた。

カズマはダストが装着したランジェリー姿を魔道カメラで撮影し、その過程で二人は笑い合った。
しかし、その最中にリーンが部屋に現れ、異常な光景を目の当たりにしてしまった。

カズマとダストは、リーンと貴族の青年の前で正座し謝罪している状況である。リーンは二人の行動に対して、深くため息をつき、失望を隠せない様子であった。カズマは、リーンに手を引かれて外に連れ出される。一方、ダストは宿の部屋で貴族の青年と交流を持ち、身分の差を超えた友情を育んでいるようだが、その具体的な内容はやや混乱している。

リーンはカズマに、ダストが心配していたことを話すと、リーンは笑い転げる。

リーンは明かすことで、この貴族の青年がダストに好意を持っており、ダストの写真を撮りたいと願っていたという。
その後、ダストからは絶叫が聞こえるが、具体的な状況は明らかでない。

カズマとリーンは宿を出て、リーンはカズマにララティーナが貴族であること、そして近々結婚する予定であることを告げる。
カズマは詳細を尋ねる。

第四章

カズマはアクアとめぐみんと共に屋敷に侵入し、ダクネスとの面会を計画していた。
屋敷の厳重な警備を突破するために、カズマは自身に支援魔法を掛け、侵入に必要なスキルをフル活用する。

屋根を通じて侵入したカズマは、アクアが掛けた未知の支援魔法の効果で、見回りの声を完璧に真似ることができることに気付く。
これを利用し、ダクネスの部屋へ夜食を届ける料理人を装いながら、屋敷内を移動する。

その過程でカズマは、声真似のスキルを使ってさまざまな人物の声を模倣し、自身の立場を隠すことに成功する。
最終的にカズマは料理人が夜食を届けるのを待ち、その隙にダクネスの部屋へと向かう計画を実行する。

カズマがアクアの支援魔法を受けて、夜にダクネスの屋敷に侵入し、彼女と会う計画を立てた。
料理人に変装して屋敷の警備を欺くが、計画はダクネスが夜食を注文していないということで複雑化する。

その後、カズマは声真似を利用してダクネスの部屋のドアをノックし、彼女と直接対話を試みる。
ダクネスはカズマの声に反応し、ドアを開けて彼を迎える。

会話中、カズマはダクネスをからかいながらも、彼女が屋敷を離れることに関する真意を探るため、具体的な理由を問いただす。
この一連の出来事は、カズマとダクネスの関係性の複雑さと、彼らの間の信頼と誤解を浮き彫りにする。

ダクネスはカズマの手から逃れたいという意思を示し、カズマが手を離すと安堵の息を吐いた。
その後、カズマはダクネスに、彼女の家の事情と、借金問題について語られた。

ダクネスの家族は、貴族でありながら領主からの借金があり、その返済のために彼女が嫁ぐことが決定していた。

これは彼女にとっても家族にとっても重荷だったが、ダクネスはなおかつそれを軽く受け止め、カズマには心配をかけたくないと思っていた。
カズマは、自分が支払いを申し出るが、ダクネスはそれを拒否した。

その理由は、彼女が貴族であるため、庶民が命をかけて稼いだ金で彼女の借金を返済することは望まないからである。

この状況で、ダクネスはカズマに対し、領主に奪われるくらいなら二人で大人になってみるかと提案したが、カズマはその場の誘惑を抑え、彼女を説得しようと決意を固める。

しかし、彼らのやり取りは更に続き、ダクネスはカズマを挑発し、二人は力比べに及んだ。

その中で、カズマはダクネスをからかう言葉を投げかけながらも、彼女との結びつきを深めようとした。

カズマは日本出身の冒険者で、金銭的に余裕のある生活を目指している。
現在、ダクネスの怒りを買っており、彼女から逃れようと試みているが、彼女は非常に怒っていて、カズマを捕らえようとしている。

カズマは屋敷からの脱出を試みるが、途中で病気で弱っているダクネスの父親と遭遇する。
ダクネスの父は、カズマがダクネスのために何かをしようとしていることを理解し、娘を連れて逃げるように頼む。

しかし、カズマはその提案を断り、ダクネスとの最終的な決着をつけるために再び逃走を試みる。
その過程で、彼はダクネスに襲われ、窓から転落してしまう。

ダクネスは彼に対し、治療の提供をちらつかせながら笑いを堪えるが、カズマは彼女の申し出を拒否し、逃げ続ける。

ダクネスから追われている状況で屋敷に帰り着く。
アクアに治療を受けつつ、ダクネスに追われた事情をめぐみんとアクアに説明する。

ダクネスが結婚を急いでいるのは、家族が抱える莫大な借金を解消するためであることが明かされる。

カズマは自分の部屋に引きこもり、ダクネスが自らの意思で決断するまで何もしないと決め、二人の提案を拒否する。

ダクネスがお嫁に行くことをめぐみんが懸念するが、カズマはあくまでダクネスの自主性を尊重する姿勢を崩さない。

第五章

街は結婚の祝賀ムードに包まれていたが、カズマはダクネスの結婚に対して無関心を装い、新しい商品の開発に没頭していた。

めぐみんはカズマにダクネスの問題に真剣に向き合うよう迫るが、カズマはダクネスからの直接の頼みがない限り手出ししないと言い張る。
その間、アクアはダクネスを外に誘い出すために屋敷の前で人だかりを作って芸を披露し、めぐみんは脅迫状を送るという過激な行動を取っていた。

カズマの屋敷にはダクネスの執事が訪れ、手紙の問題で相談に来るが、カズマは対応に困惑する。
結局、めぐみんとアクアの行動は結婚の妨害になるかもしれないとカズマは警戒していた。

カズマはダクネスが結婚する日に、新商品の開発に励んでいた。

一方で、めぐみんはカズマに結婚式をぶち壊すよう迫っていたが、カズマは激しく反対した。
カズマはダクネスが求めてこない限り、結婚を止めようとはしなかった。

さらに、めぐみんがダクネスを助けるよう促したが、カズマはダクネスが頑固に自分の意志を貫いているため、何もできないと感じていた。

また、カズマはダクネスの結婚相手が女性を不当に扱っていることを知り、余計に複雑な感情を抱いていた。

めぐみんはカズマが何か策を講じることを期待していたが、カズマは自分のできる範囲で調査したことを説明し、現状では手が出せないと結論づけた。
最終的には、ダクネスのために何かできることがあればと考えているが、結婚式には参加しないことを選んだ。

花嫁のダクネスは、結婚式当日に自身の姿を褒め称えるメイドに対して苦笑を浮かべる。

ドレス姿の彼女を見た新人メイドは喜んでいたが、ダクネスはこの結婚が自己満足に過ぎないと自覚しており、父親に見せたら悲しむだろうと思っていた。
そこに、花嫁に会おうとする領主の怒声が聞こえてくる。

領主は式が終わればダクネスが自分のものになると主張し、家の者に通すよう要求するが、家の者は冷静に対応していた。

ドアの外で領主と対峙していたのは、ダクネスが幼い頃から知る守衛の男性である。

彼はダクネスの子供時代のエピソードを振り返りながら、今も彼女を守る立場にあった。
ダクネスは彼の行動に感謝の意を表し、男性は彼女の幸福を願いつつ去っていく。

ダクネスはこれから始まる結婚式と、それに伴う新たな生活に複雑な心境を抱えつつ、過去を振り返る。
自分の選んだ道と、それによって失われるかもしれないものに対する感慨深い思いが彼女を包んでいた。

教会での騒動が続いており、めぐみんが領主の部下たちを威嚇していた。

彼女は、自身が持つ杖の魔法を制御できなくなるかもしれないと警告し、それによって周囲は一時的に動揺した。領主は部下たちを動かそうと叫ぶが、彼らはめぐみんの威嚇により動けずにいた。

その隙にカズマたちは脱出を図る。
一方、領主は報酬を提示して冒険者たちに協力を求めたが、彼らは動くことなく、事態は膠着状態に陥った。
その中で、めぐみんは制御が効かなくなり、空に向かって爆裂魔法を放った。

それによって一時的な混乱が起こり、カズマたちはその隙に逃走を試みた。
しかし、領主の部下たちは再び追い始め、ダクネスを取り戻そうとしたが、事態は収束することなく、結局は周囲の冒険者たちによって阻止された。

領主の部下から逃れた一行は、ダクネスの屋敷に避難した。ダクネスは破れたドレス姿で屋敷に入り、直ちに父親のいる部屋へと向かった。

父親は以前よりも衰弱しており、眠っていたが、ダクネスの声に反応して目を開けた。

彼女が無事であることを知り、安堵の笑みを浮かべた。
ダクネスは計画された結婚を自ら崩壊させてしまったことを詫びたが、父親はそれを喜んだ。

父親はカズマにダクネスを託そうと提案したが、カズマは困惑し、ダクネスも動揺した。

しかし、カズマが内心でダクネスを守ることを約束すると、父親は安心して眠りについた。
その後、アクアが魔法で父親の身体から呪いを解除し、健康が少し回復するという驚きの展開があった。

この行動により、父親は元気を取り戻し、ダクネスとの絆も深まった。
一連の出来事を通じて、ダクネスと父親は互いの幸福を確認し合い、深い感謝の気持ちを共有した。

幕間

地下室において、領主は悪魔マクスを激しく罵倒していた。

マクスは呪いが解けたことを報告するが、領主は彼に更なる不可能な任務を命じる。

マクスは力が不足していることを主張し、領主の要求を拒否する。

怒った領主はマクスの契約を解除しようとし、彼にララティーナを連れてくるよう命令する。

その時、領主はドアをノックする音に気付き、ララティーナが現れたと思い込む。

しかし、それは悪魔バニルの策略であり、ララティーナに扮していたのはバニル自身だった。

バニルは領主に対して、マクスウェルが実は地獄の公爵であること、そして自分の計画通りにすべてが進んでいることを明かす。

彼はマクスを地獄へ連れ帰る準備をし、領主にはこれまでの行いに見合った「代価」を地獄で支払わせると宣告する。

領主は絶望し、自らの過ちを悔いながら、自分を悪魔から救うことを懇願するが、バニルとマクスは彼を引き摺り込む。

エピローグ

ダクネスを領主から取り戻した翌日、領主が失踪したという情報がもたらされる。

ダクネスは領主が夜逃げしたと思われる理由として、彼の不正行為が暴露されたことを伝える。

ダクネス、めぐみん、アクアは、色々な問題が解決したため、準備していた荷物を降ろす。

しかし、ダクネスは屋敷に入ることをためらい、カズマに身体で借金を返すという過去の発言が原因であることをめぐみんに説明される。

アクアがこの事実を話すと、カズマとめぐみんはダクネスの言葉に驚く。

カズマはダクネスの誤解を解き、彼女の大切さを確認する。

ダクネスは自分の行動を詫び、アクアとめぐみんは彼女を慰める。

ダクネスがカズマに対して金銭的な負担を感じているが、カズマはそれを心配するなと述べ、ダクネスに心配無用であることを伝える。

その後、カズマはダクネスを再びチームに迎え入れることを確認し、彼女も安堵の涙を流す。

一方、アクアはカズマの以前の行動をからかい、めぐみんとダクネスもその会話に加わる。

最後に、ダクネスはカズマに対する感謝とともに、彼女の身に起きた事件を振り返りつつ、安心して彼の元に戻る。

エピローグ 2

カズマはアクセルの街の喫茶店でクリスに会い、ダクネスが実家に引き籠もっていることを話す。

クリスは王都からアクセルの街まで来る途中、急用で呼び戻されたことを明かす。

話の中で、領主の屋敷の地下室から神器が発見されたことが判明し、その神器はモンスターを使役する力があるという。

クリスはその神器を回収し、領主の屋敷から持ち出した。
また、クリスはアクアには敬称を使い、ダクネスやめぐみんを呼び捨てにする。

カズマは、クリスが女神エリスであることに気が付き、そのことを直接クリスに問い詰める。
クリスは、尋ねられると固まりながらも、神器を湖の底に隠したことを認める。